JP3759500B2 - 建物の壁 - Google Patents

建物の壁

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁や、窓用開口付き外壁等の建物の壁に関し、詳しくは、ALCパネル(軽量気泡コンクリートパネル)により構築される建物の壁に係るものである。
本発明は、特にALCパネルのベランダ壁取付け構造に適し、詳しくはALCパネルを十分な取付け強度を持って取付けることができ、かつ少ない部材で容易に取付けることができるALCパネルのベランダ壁取付け構造に適する。
【0002】
【従来の技術】
ALCパネルP(以下、パネルPという)をベランダ壁として取付ける構造は、従来から種々の構造が提案されているが、その一例として図20に示す構造がある。すなわち、パネルPの下部小口面20を受けるL字型受けアングル21と、パネルPの上部を支持するL字型アングル22と、パネルPの両側面を支持するL字型アングル23とでパネルPが支持される。また、パネルPの上部寄りと下部寄りとに座堀り穴とボルト穴が加工され、それらの穴に装着された座金(図示せず)と図21(イ)に示すようなフックボルト24とで固定されるとともに、そのフックボルト24が下部のL字型受けアングル21と上部のL字型アングル22とに溶接固定されて、パネルPが固定されている。さらに、外観上の問題からパネルPの両側面のL字型アングル23を覆うために、パネルPの裏面に成形ボード(図示せず)が設けられている。なお、フックボルト24に代えて、図21(ロ)に示すようなイナズマプレート25を溶接してボルトで固定する構造もある。
【0003】
以上のベランダ壁取付け構造は、L字型アングル22や23のような部材を用いるためコストがかかり、その取付け作業にも手数がかかる。そのため、図22、図23に示すような特開平3−293459号公報の取付け構造も提案されている。
すなわち、パネルPの下部小口面20がゼット型金物26と埋込みナット27とで支持されて、それが梁の下部に固定されているとともに、パネルPの中間部においても、梁の上部に溶接固定されているL字型受け金具28とイナズマプレート25と埋込みナット27とによって固定されている。また、図23に示すように、パネルPの幅方向における両側寄りの2カ所で固定され、パネルP下部寄りと中間部のとで合計4カ所で固定されているベランダ壁取付け構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の従来のALCパネルPのベランダ壁取付け構造には、次のような種々の問題点があった。
▲1▼図20の取付け構造では、パネルP上下の小口面および両側面を各L字型アングルで支持し、さらには裏面にも成形ボード等を設ける必要があるため、使用部材が多くなりコストが高くなるとともに、取付け作業に手数がかかる。
【0005】
▲2▼図22、図23の取付け構造では、使用部材は少なくなるが、ボルトやイナズマプレート等で合計4個所で固定しているにもかかわらず、取付け強度が向上しない。その理由は、パネルの幅方向の両側寄りで取付け金具とボルト等で固定しているため、両側の取付け部の締付け力が均等にならないためと考えられる。
【0006】
▲3▼図21(ロ)に示すイナズマプレート25は、その中間位置で少し折り曲げられた板状のものであるが、このようなイナズマプレート25は大きな耐力には耐えられず、従来のALCパネルのベランダ壁取付け構造に適用するとパネルPの押圧力に耐えられずに一部曲がってしまうという問題もあった。
その問題を解決するためにイナズマプレート25を大きくすることやさらに厚さを増すことも考えられるが、形状が板状であるため限界があり、また重さ,コスト,加工性等からも望ましくない。
【0007】
さらに、ALCから成るパネルP表面は強度が小さくて脆いため、図21(ロ)に示すイナズマプレート25のような取付け金具を、図22、図23のベランダ壁取付け構造に適用すると、そのイナズマプレート25の上部がパネルP表面に減り込んでしまうという問題もあった。
【0008】
したがって、本発明の目的は以上の従来の問題点をなくし、ALCパネルを建物躯体の被取付部材に取付けて建物の壁を構築する際、十分な取付け強度を容易に持たせることができ、しかも少ない取付け部材で容易に取付けできる建物の壁を提供することにある。
さらに本発明の目的は、特にALCパネルをベランダ壁用として取付ける際、十分な取付け強度を持ち、取付け金具が曲がったり、その上部がパネル内に減り込んだりすることがなく、しかも少ない取付け部材で容易に取付けできるALCパネルのベランダ壁取付け構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上のような課題を解決する本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、前記ALCパネル(P)の高さ方向の下部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の下側に水平板において溶接固定されたL字型アングル(37)の起立板(38)に対し、該起立板(38)に溶接固定された取付け金具(9)を介して取り付けられ、その下部小口面(6)を受ける受けアングルは省略されており、前記ALCパネル(P)の高さ方向の中間部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の上側に水平板において溶接固定されたL字型アングル(4)の起立板(5)に対し、該起立板(5)に溶接固定された取付け金具(9)を介して取り付けられていることを特徴とする建物の壁。
【0010】
ここで、前記中間部はALCパネルの高さ方向の中心点より下方に位置している態様を例示できる。
また、前記建物躯体はRC床であり、該RC床に埋め込まれた下側の埋込アングルピースに前記L字型アングルの水平板が溶接固定され、該RC床に埋め込まれた上側の埋込アングルピースに前記L字型アングルの水平板が溶接固定されている態様を例示できる。
また、前記下部を取り付けるための取付け金具(9)と前記中間部を取り付けるための取付け金具(9)とが同一である態様を例示できる。
また、前記ALCパネル(P)の各箇所にアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第二螺合部材により各箇所が前記被取付部材に取付けられた態様を例示できる。
また、前記第一螺合部材及び前記第二螺合部材は、いずれか一方が雄ねじ部材であり、他方が雌ねじ部材である態様を例示できる。
また、前記アンカー部材は、前記ALCパネル(P)の横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレートである態様を例示できる。
また、前記取付け金具(9)に挿通部(15)が設けられ、該挿通部(15)に前記第一螺合部材又は第二螺合部材が挿通された態様を例示できる。
さらに、この取付け金具(9)は、前記挿通部(15)が設けられた取付け板(10)と、該取付け板(10)の上部が延長されて形成された突出片(11)と、該取付け板(10)と突出片(11)との境界の両端部に設けられた切欠部(16)と、該取付け板(10)の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片(12)と、該リブ片(12)がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片(13)とを備え、該垂下リブ片(13)の側面が前記L字型アングル(4,37)に溶接固定されている態様を例示できる。
本発明は、前記建物の壁としてのベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁に適用されうる。
また、前記ALCパネル(P)の上方に窓用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の上端面に窓(45)が取付けられた態様を例示できる。
また、前記ALCパネル(P)の下方に建物の下階の窓用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の下端面に窓(45)が取付けられた態様を例示できる。
【0011】
さらに、次のような解決手段(発明)も可能である。
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、ALCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが下側の被取付部材に取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中間部は、ALCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが上側の被取付部材に取付けられたことを特徴とする建物の壁。
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、ALCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが下側の被取付部材に取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中間部は、ALCパネルの横幅方向の左右部の二箇所が上側の被取付部材に取付けられたことを特徴とする建物の壁。
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部は、ALCパネルの横幅方向の左右部の二箇所が下側の被取付部材に取付けられ、ALCパネルの高さ方向の中間部は、ALCパネルの横幅方向の略中心部の一箇所のみが上側の被取付部材に取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0012】
これらの発明によれば、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部との少なくとも一方において、取付け部がALCパネルの横幅方向において略中心部の一箇所のみであるため、従来例のような横幅方向の両側の取付け部の締付け力が不均一になるという問題が起こらず、取付け強度が向上するようになる。すなわち、横幅方向の略中心部の一箇所のみの取付け強度を集中して高めることで、横幅方向の両側に取付け部がある場合より、取付け強度を向上させやすくなる。その結果、取付け部がALCパネルの高さ方向の下部と中間部という間隔の小さい二レベル位置であるために、モーメントの関係で、ALCパネルに押圧力が加わったときの取付け部への力のかかり方が(ALCパネルの上部と下部とを取付けた場合に比べて)大きいにも拘らず、ALCパネルを強固に取付けられるようになる。また、取付け部がALCパネルの下部と中間部との二箇所又は三箇所であるため、少ない取付け部材と取付け手数とで効率的に取付けることができ、コストを削減できる。
【0013】
これらの発明において、ALCパネルの各箇所にアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第二螺合部材により各箇所が被取付部材に取付けられた構成とすることができる。
この場合、第一螺合部材及び第二螺合部材は、いずれか一方がボルト等の雄ねじ部材であり、他方がナット等の雌ねじ部材であればよい。
また、アンカー部材は、特に限定されないが、ALCパネルの横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレートが好ましい。このL字型プレートは、L字部分を含むプレートであればよく、追加部分のある例えばコ字型、Z字型、T字型、H字型等のプレートも含まれる。
【0014】
被取付部材は、特に限定されず、梁、鉄筋コンクリート床、基礎等の建物躯体に対し直接又は他部材を介して固定されたアングル材を例示できる。
この場合、アングル材に挿通部が設けられ、該挿通部に第一螺合部材又は第二螺合部材が挿通された構成を例示できる。
また、アングル材に取付け金具が固定され、該取付け金具に挿通部が設けられ、該挿通部に第一螺合部材又は第二螺合部材が挿通された構成も例示できる。
【0015】
取付け金具は、特に限定されず、例えば前記イナズマプレートを強化して使用してもよいが、好ましくは、挿通部が設けられた取付け板と、該取付け板の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片と、該リブ片がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片とを備え、該垂下リブ片の側面がアングル材に溶接固定されている取付け金具である。
さらに、この取付け金具は、取付け板の上部が延長されて形成された突出片を備えていることが好ましい。
【0016】
下側のアングル材は、ALCパネルの下部小口面を受け止めるように配された構成とすることができる。
【0017】
別の本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とにALCパネルの横幅の1/3以上の長さを持つアンカー部材(好ましくはL字型プレート)と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、第一螺合部材に螺合する第二螺合部材により、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0018】
同発明によれば、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とにALCパネルの横幅の1/3以上の長さを持つアンカー部材(好ましくはL字型プレート)と第一螺合部材とが埋設されているため、ALCパネルの取付け強度が向上する。すなわち、ALCパネルに対するアンカー部材(好ましくはL字型プレート)の引抜き荷重が大きいため、ALCパネルの耐力が大きくなる。
【0019】
別の本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側のアングル材と上側のアングル材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とにアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、アングル材に、挿通部が設けられた取付け板と、該取付け板の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片と、該リブ片がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片とを備えた取付け金具が、該垂下リブ片の側面において溶接固定され、第二螺合部材が取付け金具の挿通部に挿通されるとともに第一螺合部材に螺合されることにより、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが下側のアングル材と上側のアングル材とに取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0020】
同発明によれば、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とを、取付け板とリブ片と垂下リブ片とを備えた取付け金具を用いて取付けているので、取付け金具の耐力が大きく、ひいては壁の耐力が大きくなる。
【0021】
以上の各発明は、建物の壁の一例としての、ベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁に適用されることができる。
この立上り壁の下部は建物の下階の外壁として延長されてもよい。
また、以上の各発明は、建物の壁の一例としての、窓用開口付き外壁に適用されることもできる。
【0022】
別の本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルの高さ方向の下部が建物の下階の建物躯体の被取付部材に取付けられるとともに、ALCパネルの高さ方向の中間部が建物の上階の建物躯体の被取付部材に取付けられることにより、ALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの高さ方向の中間部より上側部分が建物の上階のベランダ壁とされ、ALCパネルの高さ方向の中間部より下側部分が建物の下階の外壁とされたことを特徴とする建物の壁。
【0023】
同発明によれば、共用のALCパネルによって上階のベランダ壁と下階の外壁とを同時に構築することができるので、ALCパネルの枚数を削減でき、ALCパネルを少ない取付け部材と取付け手数とで効率的に取付けることができ、コストを削減できる。
【0024】
別の本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、ALCパネルの上方に窓用開口が形成され、ALCパネルの上端面に窓が取付けられたことを特徴とする建物の壁。
【0025】
同発明によれば、ALCパネルだけで風圧を負担できるようになり、従来のALCパネルによる窓用開口付き外壁に必要であった風圧を負担するための耐風梁や補強アングル等の構造材(ALCパネルの内側面に設けられる)が不要になる。このため、工事が簡単になり工期を短縮できる、コストを削減できる、構造材が室内にはみ出さないため、それを隠す内装及びその内装工事が不要になり、室内を広くとれる等の効果が得られる。
【0026】
同発明において、ALCパネルの下方に建物の下階の窓用開口が形成され、ALCパネルの下端面に窓が取付けられた構成とすることもできる。
【0027】
さらに別の本発明は次のような構成からなる。すなわち、
ALCパネルP内にボルト17が螺合されるアンカー1、2が埋設されており、そのALCパネルPの下部小口面6にはそれを受け止めるL字型の受けアングル7が設置されているとともに、ALCパネルPの縦方向の中間位置にはL字型アングル4が設置され、L字型アングル4と受けアングル7との起立板5、8に溶接固定された取付け金具9によってALCパネルPがベランダ壁として取付けられている構造であって、
(a)アンカー1、2はALCパネルPの横幅方向の中心部でかつ下部と中間部との2カ所に埋設されていること、
(b)取付け金具9は、取付け板10と、その上部が延長されて形成されている突出片11と、この取付け板10の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片12と、そのリブ片12がさらに下方に垂下して形成されている垂下リブ片13とから構成されており、取付け板10にはボルト挿通部15が設けられていること、
(c)この取付け金具9は、その垂下リブ片13の側面14がL字型アングル4と受けアングル7との各起立板5、8に溶接固定されていること、
(d)ALCパネルPは、各取付け金具9を介して各アンカー1、2に螺合されたボルト17によって取付けられていること、
の構成からなる。
【0028】
同発明に係るALCパネル(以下、単にパネルという)のベランダ壁取付け構造は、以上のような構成になっているため次のように作用する。
取付け部がパネルPの横幅方向において1箇所のみであるため、両側の取付け部の締付け力が不均一になるという問題が起こらず、その結果、取付け強度が向上するようになる。また、取付け部がパネルの下部と中間部との各アングルの2箇所であるため、パネルは安定して強固に固定される。
【0029】
さらに、同発明に適用される取付け金具9は、取付け板10の両側縁が折り曲げられてリブ片12が形成されているとともに、そのリブ片12がさらに下方に延長した垂下リブ片13が形成されているため、取付け金具9の耐力が大幅に向上する。さらに、取付け板10の上方に形成された突出片11が、パネルPの押圧力に対する耐力(受ける力)を向上させ、取付け板10の上部がパネルP内に減り込むのを防止するようになる。
したがって、パネルPの取付け強度が向上するとともに、取付け金具9の耐力向上とそのパネル内への減り込み防止とが可能となる。
【0030】
同発明において、ALCパネル(P)内に埋設されるアンカー(1、2)は、長尺のL字型プレート(18)の中心にアンカーナット(19)が1個設けられており、そのL字型プレート(18)の長さがALCパネル(P)の横幅の1/3以上の長さを持っていることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明を建物の梁に支持されるベランダ壁に具体化した第一実施形態を示している。
先ず、本発明においてはベランダ壁として使用されるパネルPは、その高さが500〜2000mm、横幅が300〜600mm、厚みが80〜150mm程度のものが好適である。
このパネルP内には2つのアンカー1、2が埋設されており、その埋設位置はパネルP下部寄りと縦方向の中間部との2カ所でかつパネルPの横幅方向の中心部に位置している。中間部の位置は、図1〜2に示すように、通常は中心点よりもやや下方部に位置している。そして、パネルPはアンカー1、2の2カ所で後述する取付け金具9とボルト17とを介して建物驅体に取付けられている。
【0032】
なお、パネルP内に埋設されるアンカー1,2は、図4に示すような長尺L字型プレート18であり、パネルP横幅の1/3以上の長さを有するとともに、アンカーナット19がその中心に1個のみ設けられた構造であるため、パネルPの取付け強度がさらに向上する。
【0033】
次に、アンカー1位置高さのパネルP内面側の位置には、L字型アングル4が梁3等の建物驅体に溶接固定されており、その起立板5の背面がパネルP内側面に当接するように設けられている。また、パネルPの下部小口面6にはL字型の受けアングル7が設けられており、その起立板8の内側面がパネルP内側面と当接するように設置されてパネルPの下部小口面6が受け止められている。
L字型アングル4の起立板5とL字型の受けアングル7の起立板8とには、次に述べる取付け金具9が、パネルPのアンカー1および2の位置に対応して後述の手段で固定されている。
【0034】
取付け金具9は、図3に示すように、パネルPの内側面に当接する取付け板10と、その上方部が延長されて形成されている突出片11と、取付け板10の両側縁が折り曲げられて形成されているリブ片12と、そのリブ片12がさらに下方に垂下して形成されている垂下リブ片13とから構成されている。また取付け板10の下方部にはボルト挿通部15が開けられている。その形状としては長孔型または逆U字形等の長溝型であることが望ましい。さらに取付け板10の厚みは各アングルの起立板5、8の厚みとほぼ等しくすることが、後述するようにパネルPの取付けの面で望ましい。
【0035】
この取付け金具9の突出片11は、両側縁にリブ片12が設けられておらず板状体となっており、その形状は正方形や矩形等が一般的に適用される。また、この突出片11の高さは30〜100mmの範囲とすることが望ましい。すなわち、30mm以上であると、取付け板10がパネルPの押圧力によって曲がったり、取付け板10の上部がパネルP内に減り込んだりすることをより確実に防止できる。なお、100mmより高くしても取付け板10が重くなるのみで、耐力向上の増大があまり期待できない。
【0036】
取付け金具9のリブ片12は、取付け金具9の耐力を向上させるが、下方に垂下して垂下リブ片13が形成されていることにより、さらに耐力を向上させるようになる。なお、その各リブ片の幅は10〜50mmであることが耐力向上の面で望ましい。また、図3のように、リブ片12の上部が下方に傾斜していることがパネルPのベランダ壁施工の面でより都合が良くなる。
【0037】
すなわち、ベランダ壁施工の際は、取付け金具9の上に通常は防水用素材(図示せず)を施設するが、リブ片12の上部が傾斜していないとその角部が障害となって、防水が不完全になったり、ベランダ壁内側の概観も悪くなったりする。
さらに、取付け板10のリブ片12上端位置(取付け板10と突出片11との境界の両端部)に切欠き部16を設けることが望ましい。その理由は、この切欠き部16を設けないと取付け板10を折り曲げてリブ片12を形成させる際、その部分に無理なひずみがかかってひび等が生じて、取付け金具9の突出片11の強度が低下する一因ともなる。
【0038】
以上の取付け金具9は、図1、2に示すように、L字型アングル4の起立板5とL字型の受けアングル7の起立板8とに固定されているが、その固定手段は取付け金具9の垂下リブ片13の側面14が起立板5、8にそれぞれ溶接されて固定されている。
【0039】
なお、取付け金具9のリブ片12および垂下リブ片13は折り曲げられて形成されているため、図3に示すように、垂下リブ片13の側面14は、取付け板10の表面よりもその板の厚み分だけ段差を有している。従って、この固定構造においては、取付け板10の厚みを起立板5、8の厚みとほぼ同一に成し、その起立板5、8に段差部を係合させてその部分を溶接固定すれば、取付け板10の表面と起立板5、8の表面とがほぼ同一面となり、それにパネルPを当てた際に段差や隙間が生ずることがなくなる。
【0040】
次に、以上のようなアンカー1、2が埋設されたパネルPは、図2に示すように、上記各取付け金具9を介して各ボルト17を各アンカー1、2に螺合することによってベランダ壁として取付けられる。その取付け施工は、概略次のような手順による。
▲1▼L字型アングル4を鉄骨梁3に溶接固定する。
▲2▼受けアングル7を縦下地鋼材に溶接固定する。詳しくは、梁3の下部に支持アングルピース30を溶接固定し、該支持アングルピース30とL字型アングル4とに下方へ延びる縦下地鋼材31を溶接固定し、該縦下地鋼材31の下端部に受けアングル7を溶接固定する。
▲3▼パネルPの下部小口面6を受けアングル7に載せて立て、アンカー1、2に取付け金具9およびボルト17を螺合し仮り止めする。
▲4▼パネルPを正確に位置決めして取付け金具9をL字型アングル4の起立板5とL字型の受けアングル7の起立板8とに溶接固定する。
▲5▼ボルト17を確実に螺合した後、目地部の仕上げを行う。
【0041】
次に、図5及び図6は、本発明を建物のRC(鉄筋コンクリート)床に支持されるベランダ壁に具体化した第二実施形態を示している。この第二実施形態は次に述べる点においてのみ第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0042】
鉄骨梁に代わるRC床32の上面及び下面の各縁には、複数個の埋込アングルピース33,34が間隔をおいて配されるとともに面一に埋込まれ、アンカー(図示略)によりRC床32に連結されている。本実施形態では、上面側の埋込アングルピース33にL字型アングル4が溶接固定され、下面側の埋込アングルピース34に支持アングルピース30が溶接固定されている。その他は第一実施形態と同様で、L字型アングル4と支持アングルピース30とに縦下地鋼材31が溶接固定され、該縦下地鋼材31の下端部に受けアングル7が溶接固定され、L字型アングル4と受けアングル7とに取付け金具9を介してパネルPの高さ方向の下部と中間部とが取付けられ、もってパネルPが支持されている。
【0043】
図7は、第二実施形態の変更例Iを示している。この変更例Iでは、RC床32の上面の縁部に凹所35が設けられ、該凹所35の縁に埋込アングルピース33が面一に埋込まれている。この構成によりL字型アングル4及び取付け金具9の位置が下げられ、凹所35にモルタル36等の防水用素材が詰められることによりL字型アングル4及び取付け金具9が隠されている。取付け金具9の上端が凹所35よりはみ出る場合には、該上端が隠せるようにモルタル36等は斜めに盛り上げられる。
【0044】
図8及び図9は、第二実施形態の変更例IIを示している。この変更例IIでは、受けアングルが省略され、下面側の埋込アングルピース34にL字型アングル37が溶接固定されている。このL字型アングル37の起立板38に取付け金具9が溶接固定され、該取付け金具9を介してボルト17がアンカー2のアンカーナット19に螺合されている。
【0045】
本実施形態又はその変更例は、第一実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0046】
次に、図10及び図11は、本発明をベランダ壁の下部が建物の下階の外壁として延長されるベランダ壁に具体化した第三実施形態を示している。この第三実施形態は次に述べる点においてのみ第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、ベランダ壁の下部が建物の上階(ここでは二階)の鉄骨梁3から下階(ここでは一階)の基礎40にまで延長されて下階の外壁となる。このため、本実施形態において使用されるパネルPは、その高さが3000〜7000mm、横幅が300〜600mm、厚みが80〜150mm程度のものが好適である。
【0048】
第一実施形態と同様に、パネルP内には2つのアンカー1、2が埋設されており、その埋設位置はパネルPの高さ方向の下部と中間部との二箇所でかつパネルPの横幅方向の中心部に位置しているが、本実施形態では中間部の位置が高さ方向の中心点よりも上方部に位置している。両アンカー1、2の間隔は、2500〜5000mm程度が好適である。
【0049】
本実施形態では、第一実施形態にあった鉄骨梁3の下部の支持アングルピース、縦下地鋼材及び受けアングルが省略され、それらに代えて基礎40等の建物躯体の上面にL字型の受けアングル41が固定されており、その起立板42の内側面がパネルP内側面と当接するようにして、パネルPの下部小口面6が受け止められている。そして、その他は第一実施形態と同様で、L字型アングル4と受けアングル41とに取付け金具9を介してパネルPの高さ方向の下部と中間部とが取付けられ、もってパネルPが支持されている。
【0050】
その結果、パネルPの高さ方向の中間部(アンカー1のある部分)より上側部分が建物の上階のベランダ壁(あるいはバルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁)とされ、パネルPの高さ方向の中間部より下側部分が建物の一階の外壁とされている。
【0051】
本実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用・効果に加え、共用のパネルPによって上階のベランダ壁と下階の外壁とを同時に構築することができるので、パネルPの枚数を削減でき、パネルPを少ない取付け部材と取付け手数とで効率的に取付けることができ、コストを削減できる。また、パネルP自体の重量は第一実施形態より大きいが、両アンカー1、2の間隔が第一実施形態のそれより大きいので、パネルPに押圧力が加わったときのL字型プレート18や取付け金具9に対する力のかかり方は緩和される。
【0052】
次に、図12及び図13は、本発明を窓用開口付き外壁に具体化した第四実施形態を示している。この第四実施形態は次に述べる点においてのみ第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0053】
本実施形態はベランダ壁ではなく部屋の外壁を構築するものであって、パネルPの上方に窓用開口44が形成され、パネルPの上端面に窓45が取付けられている。また、パネルPの下方には建物の下階の窓用開口44が形成され、パネルPの下端面にも下階の窓45が取付けられている。パネルPの取付け構造は第一実施形態と同様である。パネルPの上端面及び下端面には窓取付用のアンカー55付き取付板56を設けておくことが好ましい。
【0054】
ところで、従来のALCパネルによる窓用開口付き外壁は、図24に示すように、パネルPの内側面の上端付近に風圧を負担するための耐風梁や補強アングル等の構造材101を設け、パネルPの上部を取付ける上部アングルフレーム102をこの構造材101に固定するとともに、パネルPの下部を取付ける下部アングルフレーム103を鉄骨梁104に固定することにより構築されていた。このように、構造材101や上部アングルフレーム102を必要とする構造は、工事が煩雑になり工期が長くなるとか、コストがかさむとか、構造材101が室内にはみ出すため、それを隠す内装105が必要になり室内が狭くなるとか、その内装工事が煩雑であるとか、構造材101の耐火被覆が必要になるとかという問題があった。
【0055】
これに対し、本実施形態によれば、パネルPの高さ方向の下部と中間とを強固に取付けることにより、パネルPだけで風圧を負担できるようになるため、前記構造材101が不要になるため、上記問題を解消できる。すなわち、工事が簡単になり工期を短縮できる、コストを削減できる、構造材が室内にはみ出さないため、それを隠す内装及びその内装工事が不要になり、室内を広くとれる等の効果が得られる。勿論、本実施形態は第一実施形態と同様の作用・効果も奏する。
【0056】
次に、図14に示す第五実施形態は、取付け部の箇所の数においてのみ第一実施形態と相違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0057】
本実施形態では、パネルPの高さ方向の中間部のアンカー1において、L字型プレート18の左右部に2個のアンカーナット19が溶接固定されるとともに、該アンカーナット19と対応する位置のL字型アングル4に2個の取付け金具9が溶接固定されている。そして、2本のボルト17が各々の取付け金具9を挿通して各々のアンカーナット19に螺合している。パネルPの高さ方向の下部については、第一実施形態と同様である。つまり、パネルPの高さ方向の下部は、パネルPの横幅方向の略中心部の一箇所のみが受けアングル7に取付け金具9を介して取付けられ、パネルPの高さ方向の中間部は、パネルPの横幅方向の左右部の二箇所がL字型アングル4に取付け金具9を介して取付けられている。
【0058】
次に、図15に示す第六実施形態も、取付け部の箇所の数においてのみ第一実施形態と相違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、パネルPの高さ方向の下部のアンカー2において、L字型プレート18の左右部に2個のアンカーナット19が溶接固定されるとともに、該アンカーナット19と対応する位置の受けアングル7に2個の取付け金具9が溶接固定されている。そして、2本のボルト17が各々の取付け金具9を挿通して各々のアンカーナット19に螺合している。パネルPの高さ方向の中間については、第一実施形態と同様である。つまり、パネルPの高さ方向の下部は、パネルPの横幅方向の左右部の二箇所が受けアングル7に取付け金具9を介して取付けられ、パネルPの高さ方向の中間部は、パネルPの横幅方向の略中心部の一箇所のみがL字型アングル4に取付け金具9を介して取付けられている。
【0060】
これらの第五実施形態又は第六実施形態においても、パネルPの高さ方向の一方(第五実施形態では下部、第六実施形態では中間部)については、取付け部がパネルPの横幅方向において略中心部の一箇所のみであるため、従来例のような横幅方向の両側の取付け部の締付け力が不均一になるという問題が起こらず、取付け強度が向上するようになる。すなわち、横幅方向の略中心部の一箇所のみの取付け強度を集中して高めることで、横幅方向の両側に取付け部がある場合より、取付け強度を向上させやすくなる。
【0061】
次に、図16及び図17に示す第七実施形態は、取付け部の構成においてのみ、第一実施形態と相違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0062】
本実施形態では、第一実施形態のL字型アングル4に代えて、図17に示すようなL字型アングルピース46が鉄骨梁3に溶接固定されている。このL字型アングルピース46は、60〜90mm×60〜90mmで厚さ8〜12mmのL字型アングルが長さ80〜200mmに切断されてなる高強度のピースであって、その起立板47の中央部には内幅12〜16mm・切欠深さ40〜80mmのボルト挿通部48が形成されている。また、第一実施形態の取付け金具9が省略され、直接、ボルト17がボルト挿通部48を挿通してアンカー1のアンカーナット19に螺合されている。鉄骨梁3の上に載置したベランダ床パネル50の縁とパネルPとの間には凹所51ができ、該凹所51にはモルタル36等の防水用素材が詰められることによりL字型アングルピース46が隠されている。
【0063】
本実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用・効果に加え、高強度のL字型アングルピース46を使用することで取付け金具9を省略でき、凹所51からはみ出るものがなくなるので、モルタル36等を水平に詰めても金具類が露出しなくなる。
【0064】
次に、図18及び図19に示す第八実施形態も、取付け部の構成においてのみ、第一実施形態と相違するものである。従って、第一実施形態と共通の部分については、図に第一実施形態と共通の符号を付すとともに、第一実施形態の説明を援用して、ここでの説明を省略する。
【0065】
本実施形態では、第一実施形態の取付け金具9に代えて、図19に示すような厚さ8〜12mmの高強度のイナズマプレート52が使用されている。イナズマプレート52の上部は、従来のイナズマプレートより上方に延ばされていて、パネルPに減り込みにくくなっている。そして、ボルト17がイナズマプレート52のボルト挿通部53とL字型アングル4のボルト挿通部(図示略)とを挿通して各アンカー1,2のアンカーナット19に螺合されている。
【0066】
本実施形態も、第一実施形態と同様の作用・効果を奏する。ただし、イナズマプレート52を肉厚にするのは、重さ、コストの点で多少不利である。
【0067】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0068】
(1)各実施形態を適宜組み合わせること。例えば、
▲1▼ 第二実施形態の変更例IIのように受けアングルを省略した構成を、第二実施形態以外の各実施形態に適用すること。
▲2▼ 第五実施形態や第六実施形態のように計三箇所を取付ける構成を、第一実施形態以外の各実施形態に適用すること。
▲3▼ 第七実施形態のように高強度のL字型アングルピース46を使用することで取付け金具9を省略した構成を、第一実施形態以外の各実施形態に適用すること。
▲4▼ 第八実施形態のような高強度のイナズマプレート52を、第一実施形態以外の各実施形態に適用すること。
【0069】
(2)取付け金具9やL字型プレート18の形状を、耐力が確保できる範囲で適宜変更すること。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とにALCパネルの横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレートと第一螺合部材とが埋設されているため、ALCパネルの取付け強度が向上する。すなわち、ALCパネルに対するL字型プレートの引抜き荷重が大きいため、ALCパネルの耐力が大きくなる。
【0071】
請求項2記載の発明によれば、ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とを、取付け板とリブ片と垂下リブ片とを備えた取付け金具を用いて取付けているので、取付け金具の耐力が大きく、ひいては壁の耐力が大きくなる。
【0072】
請求項3又は4記載の発明によれば、ベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁において、請求項1又は2記載の各発明の効果が得られる。
【0073】
請求項5記載の発明によれば、窓用開口付き外壁において、請求項1又は2記載の各発明の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のALCパネルのベランダ壁取付け構造の第一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の第一実施形態の縦断面図である。
【図3】本発明のベランダ壁取付け構造に適用される取付け金具の1実施例の斜視図である。
【図4】本発明に適用されるアンカーの1例を示す斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係るベランダ壁の斜視図である。
【図6】第二実施形態のベランダ壁の縦断面図である。
【図7】第二実施形態の変更例Iの縦断面図である。
【図8】第二実施形態の変更例IIの斜視図である。
【図9】同変更例IIの縦断面図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係る下部を延長したベランダ壁の斜視図である。
【図11】第三実施形態のベランダ壁の縦断面図である。
【図12】本発明の第四実施形態に係る窓用開口付き外壁の斜視図である。
【図13】第四実施形態の窓用開口付き外壁の縦断面図である。
【図14】本発明の第五実施形態に係るベランダ壁の斜視図である。
【図15】本発明の第六実施形態に係るベランダ壁の斜視図である。
【図16】本発明の第七実施形態に係るベランダ壁の縦断面図である。
【図17】第七実施形態のベランダ壁に適用されるL字型アングルピースの斜視図である。
【図18】本発明の第八実施形態に係るベランダ壁の縦断面図である。
【図19】第八実施形態のベランダ壁に適用されるイナズマプレートの斜視図である。
【図20】従来のALCパネルのベランダ壁取付け構造の斜視図である。
【図21】(イ)(ロ)従来のALCパネルのベランダ壁取付け構造に適用される取付け金具の実施形態の斜視図である。
【図22】従来の他の例のベランダ壁取付け構造を示す縦断面図である。
【図23】図22の斜視図である。
【図24】従来のALCパネルによる窓用開口付き外壁の縦断面図である。
【符号の説明】
P ALCパネル
1 アンカー
2 アンカー
3 鉄骨梁
4 L字型アングル
5 起立板
6 下部小口面
7 受けアングル
8 起立板
9 取付け金具
10 取付け板
11 突出片
12 リブ片
13 垂下リブ片
14 側面
15 ボルト挿通部
16 切欠き部
17 ボルト
18 長尺のL字型プレート
19 アンカーナット
30 支持アングルピース
32 RC床
33 埋込アングルピース
34 埋込アングルピース
37 L字型アングル
38 起立板
40 基礎
41 受けアングル
42 起立板
44 窓用開口
45 窓
46 L字型アングルピース
47 起立板
48 ボルト挿通部
52 イナズマプレート
53 ボルト挿通部

Claims (12)

  1. ALCパネルの高さ方向の下部と中間部とが建物躯体の下側の被取付部材と上側の被取付部材とに取付けられることによりALCパネルが支持されてなる建物の壁であって、
    前記ALCパネル(P)の高さ方向の下部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の下側に水平板において溶接固定されたL字型アングル(37)の起立板(38)に対し、該起立板(38)に溶接固定された取付け金具(9)を介して取り付けられ、その下部小口面(6)を受ける受けアングルは省略されており、
    前記ALCパネル(P)の高さ方向の中間部は、その横幅方向の略中心部の一箇所のみが、前記一の建物躯体の上側に水平板において溶接固定されたL字型アングル(4)の起立板(5)に対し、該起立板(5)に溶接固定された取付け金具(9)を介して取り付けられていることを特徴とする建物の壁。
  2. 前記中間部はALCパネルの高さ方向の中心点より下方に位置している請求項1記載の建物の壁。
  3. 前記建物躯体はRC床(32)であり、該RC床(32)に埋め込まれた下側の埋込アングルピース(34)に前記L字型アングル(37)の水平板が溶接固定され、該RC床(32)に埋め込まれた上側の埋込アングルピース(33)に前記L字型アングル(4)の水平板が溶接固定されている請求項1又は2記載の建物の壁。
  4. 前記下部を取り付けるための取付け金具(9)と前記中間部を取り付けるための取付け金具(9)とが同一である請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物の壁。
  5. 前記ALCパネル(P)の各箇所にアンカー部材と該アンカー部材に一体化された第一螺合部材とが埋設され、該第一螺合部材に螺合する第二螺合部材により各箇所が前記被取付部材に取付けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物の壁。
  6. 前記第一螺合部材及び前記第二螺合部材は、いずれか一方が雄ねじ部材であり、他方が雌ねじ部材である請求項5記載の建物の壁。
  7. 前記アンカー部材は、前記ALCパネル(P)の横幅の1/3以上の長さを持つL字型プレートである請求項5又は6記載の建物の壁。
  8. 前記取付け金具(9)に挿通部(15)が設けられ、該挿通部(15)に前記第一螺合部材又は第二螺合部材が挿通された請求項5又は6記載の建物の壁。
  9. 前記取付け金具(9)は、前記挿通部(15)が設けられた取付け板(10)と、該取付け板(10)の上部が延長されて形成された突出片(11)と、該取付け板(10)と突出片(11)との境界の両端部に設けられた切欠部(16)と、該取付け板(10)の両側縁が折り曲げられて形成されたリブ片(12)と、該リブ片(12)がさらに下方に垂下して形成された垂下リブ片(13)とを備え、該垂下リブ片(13)の側面が前記L字型アングル(4,37)に溶接固定されている請求項8記載の建物の壁。
  10. 前記建物の壁としてのベランダ、バルコニー、パラペット、廊下、階段等の立上り壁に適用される請求項1〜9のいずれか一項に記載の建物の壁。
  11. 前記ALCパネル(P)の上方に窓用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の上端面に窓(45)が取付けられた請求項1又は2記載の建物の壁。
  12. 前記ALCパネル(P)の下方に建物の下階の窓用開口(44)が形成され、前記ALCパネル(P)の下端面に窓(45)が取付けられた請求項11記載の建物の壁。
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