JP3430488B2 - 階層建物の床版施工方法 - Google Patents

階層建物の床版施工方法

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JP3430488B2
JP3430488B2 JP2000337670A JP2000337670A JP3430488B2 JP 3430488 B2 JP3430488 B2 JP 3430488B2 JP 2000337670 A JP2000337670 A JP 2000337670A JP 2000337670 A JP2000337670 A JP 2000337670A JP 3430488 B2 JP3430488 B2 JP 3430488B2
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靖 長島
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、階が上下方向に複
数重なる階層建物において、設置精度を確保しながら各
階の床版に所定の埋込み金物等を埋設したい場合に適用
される床版施工方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、建物の外壁やサッシ面、あるいは
仕切り壁等の施工に当り、下側躯体と上側躯体とにそれ
ぞれアンカーレール等の埋設金物を埋設し、この埋設金
物に対して前記の外壁やサッシ面、あるいは仕切り壁等
を組付ける施工方法が提案されている。たとえば、特開
平8−319767号公報の場合には、図10に示され
るように、上部躯体および下部躯体のそれぞれに断面略
リップ溝型形状のアンカーレール50、51を埋設固定
するとともに、このアンカーレール50、51に対して
長手方向にスライド可能に固定ボルト52の頭部を嵌入
し、さらにこの固定ボルト52に対してブラケット5
3、54を固定し、このブラケット53、54を支持部
材として前記外壁やサッシ、仕切り壁等の建築部品を固
定する構造を提案している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報は1フロア階におけるサッシ等の取付構造を提供する
のみで、埋設されるアンカーレール50、51の埋設精
度の確保に関する具体的な開示はない。特に、たとえば
階が上下方向に複数重なる階層建物においては、コンク
リート床版の上面と下面とのそれぞれに埋設金物を正確
に精度良く設置すべきところ、同公報が開示するような
現場打設される床版に対して、上記公報のように鉄筋に
対してアンカーレール50、51の支持を取る構造で
は、設置精度が確保されないなどの問題がある。 【0004】そこで、本発明の主たる課題は、階が上下
方向に複数重なる階層建物において、設置精度を確保し
ながら各階の床版に所定の埋込み金物等を効率良く施工
していくための床版施工方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、階が上下方向に重なる階層建物において、
階層空間を間におき床側床版の上面に埋設されている埋
設金物を基準として、天井側床版の下面に埋設される埋
設金物を精度良く設置するための床版施工方法であっ
て、前記天井側床版に埋設される埋設金物には、階層空
間に臨んで断面略リップ状溝が形成されており、この断
面略リップ状溝に対して溝方向に沿って移動自在のスラ
イド金物を配設するとともに、このスライド金物から下
げ振りを吊下し、前記スライド金物を前記断面略リップ
状溝に沿って移動させるとともに、少なくとも部材長手
方向の2ヶ所において上側埋設金物と下側埋設金物との
相対的位置の確認を行い、天井側床版の下面に埋設され
る埋設金物が同一鉛直線上となるようにすることを特徴
とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。図1は本発明が適用される窓部構
造の縦断面図であり、図2はその横断面図である。先
ず、本発明による床版施工方法を説明する前に本発明が
適用される窓部構造の一例について図1および図2に基
づいて詳述する。本窓部構造は、下側床版SL に、躯体
開口側に開口を臨ませた断面略リップ溝(以下、単にリ
ップ溝という。)1aを有する床側レール金物1が埋設
されるとともに、上側床版SU に、躯体開口側に開口を
臨ませた断面略リップ溝(以下、単にリップ溝とい
う。)2aを有する天井側レール金物2が埋設され、こ
れらの両レール金物1、2をアンカー金物として壁面建
具10が取り付けられている。 【0007】具体的には、前記レール金物1、2のリッ
プ溝1a、2aに対して頭部を嵌入させ、レールの長手
方向に移動自在とされる固定ボルト3、4を装設してお
き、この固定ボルト3、4に対して取付ブラケット5、
6を固定する。前記取付ブラケット5、6は、開口側方
向に起立する立ち上がり片5a、6aを有し、この立ち
上がり片5a、6aに形成された通孔に壁面建具10側
からの建具取付ボルト7、8を挿通し壁面建具10を固
定するようにしている。なお、前記固定ボルト3、4は
レール金物1、2が床版SL、SUに埋設される前に予め
装入しておき、たとえば壁面建具10が横方向に複数連
なる、所謂横連構造などの場合には、壁面建具10の建
込み当初はスライド自在としておき、最終的に壁面建具
10の位置が決定された後にしっかりと締結し固定を図
る。また、前記建具取付ボルト7、8においても前記取
付ブラケット5、6に対する取付けが容易なように、壁
面建具10の上下枠10B、10Cの背面側にリップ溝
10a,10bを形成し、このリップ溝10a,10b
に頭部を嵌入させてリップ溝方向にスライド自在とした
ボルト取付構造が採用されている。 【0008】一方、前記壁面建具10は、図示の例では
中間に水平中骨10Aを有し、上側ガラスGU 、下側ガ
ラスGL を嵌め殺しとした構造としてあるが、引違い障
子タイプあるいはボードタイプ等の任意の壁面建具であ
ってもよい。また、鉛直支持は、下枠10Cの底壁部に
ネジ部を螺入させたセットボルト11により行い、螺入
量の調整により前記壁面建具10が鉛直となるように据
え付ける。 【0009】他方、雨仕舞構造は、下側床版SL 側にお
いては、床側レール金物1を境に室内側と室外側とに段
差を設けるとともに、床側レール金物1の室外側面の上
部に室外方向に突出する水返し片1bを設けて水返し開
口部WPを形成するとともに、この水返し片1bの直上
位置に下枠10Cとの間隙を埋めるシール12を施工
し、さらに前記セットボルト11の室外側位置におい
て、下枠10Cに対して先端が下側床版SL上面に接触
するレインバリヤ13を設け雨水等の侵入を完全に遮断
している。 【0010】また上側床版SL 側においては、天井側レ
ール金物2の室外側突出片2bと、上枠10Bとの間を
埋めるシール14を施工するとともに、これより室外側
位置において、上枠10Bに対して上側床版SU の下面
に先端が接触するレインバリヤ15を設け雨水等の侵入
を防止している。 【0011】前記窓部構造においては壁面建具10の建
込み精度を確保するために、図1の図示状態における床
側レール金物1と天井側レール金物2との相対的位置関
係、すなわち階層空間を挟んで配置される上下一対のレ
ール金物1、2を、同一鉛直線上に精度良く設置するこ
とはもちろんであるが、1つの床版S単位で見た場合の
相対的位置関係、すなわち、図3に示されるように床版
Sを跨いでその下面側と上面側に夫々埋設される上下一
対のレール金物1、2との相対的位置関係においても前
記床側レール金物1と天井側レール金物2とを同一鉛直
線上に精度良く配置する必要がある。これらのレール金
物1、2を同一鉛直線上に精度良く、かつ効率良く施工
するための施工方法について、以下詳述する。 【0012】床版Sは、床版(スラブ)厚さ寸法Tより
薄厚、図示の例では約1/3程度の厚さとされるプレキ
ャスト天井床版SP と、この上層の現場打設コンクリー
トS G とから構成される。 【0013】前記プレキャスト天井床版SP は、図4に
示されるように、床版Sの下面側に予め天井側レール金
物2を予め埋設してあるとともに、この天井側レール金
物2に接合された据付用接続分割部材16の上部を外方
上側に突出させた状態で埋設してある。なお、図4にお
いて、プレキャスト天井床版SP の上面側に突出してい
る多数の鉄筋21、21…は、その後に打設される現場
コンクリートとの一体化を図るためのジベル筋である。
また、据付用接続分割部材16の突出量は任意である
が、上側に連結される据付用接続分割部材18との連結
作業が容易に行える程度は突出させておくのが望ましい
が、場合によっては突出量を0、すなわちプレキャスト
天井床版SP の上面と面一とし、上側に連結される据付
用接続分割部材18を溶接等により接合することでもよ
い。 【0014】床版の施工に当たっては、天井側の所定の
位置に前記プレキャスト天井床版S P を固定する。この
際、既に施工されている下層階の床版Sの床側レール金
物1と、これから設置されるプレキャスト天井床版SP
の天井側レール金物2とが所定の離間距離を空けてかつ
レール全長に亘って同一鉛直線上にきっちりと配設され
るために下記の方法が好適に採用される。 【0015】本発明においては、図6に示されるよう
に、天井側レール金物2のリップ溝2aに対して頭部を
嵌入させた吊りボルト21を設け、この吊りボルト21
から下げ振り22を垂下させる。そして、下げ振り22
の錘22aを床側レール金物1のリップ溝1aに対して
合わせるとともに、図7に示されるように、前記吊りボ
ルト21をリップ溝2aに沿って移動させ、レール金物
1、2の全長に亘って同一鉛直線上にあるかを確かめ固
定する。 【0016】プレキャスト天井床版SP が所定の位置に
位置決めされたならば、該プレキャスト天井床版SP
足場としながらその上面側に鉄筋を組むとともに、プレ
キャスト天井床版SP から突出している据付用接続分割
部材16の上部に上側の据付用接続分割部材18を接合
し、そしてこの据付用接続分割部材18に床側レール金
物1を据え付ける。 【0017】かかる天井側レール金物2と床側レール金
物1との接続構造において、前記天井側レール金物2の
室外側上部には据付用接続部材16の平面的配向方向を
規制するための部材長手方向に沿った起立片2cが形成
され、一方据付用接続分割部材16には前記起立片2c
に当接する接当部16cが形成され、これらの接当関係
により先ず前記据付用接続分割部材16が所定の平面的
配向方向に固定されており、他方床側レール金物1側に
おいても、前記床側レール金物1の室外側下部には据付
用接続分割部材18の平面的配向方向を規制するための
部材長手方向に沿った起立片1cが形成され、一方据付
用接続分割部材18には前記起立片1cに当接する接当
部18cが形成され、これらの接当関係により前記据付
用接続分割部材18が所定の平面的配向方向に固定され
るようになっている。そして、図5に示されるように、
床側レール金物1と据付用接続分割部材18とが一体化
されたユニットを持ち込み、据付用接続分割部材16の
L字フランジ16b面に対して据付用接続分割部材18
のL字フランジ18a面を密着させ、連結ボルト19に
より接合する。 【0018】なお、前記本例では据付用接続分割部材1
6と、据付用接続分割部材18との接合に当り、レール
金物1、2長手方向の複数箇所における結合により、レ
ール金物1、2の両者が同一方向に位置決めされること
を前提としているが、好ましくは破線で示すように、据
付用接続分割部材16にボルト等により取付面と同一と
するための接当起立片24を固定しておくのが望まし
い。また、天井側レール金物2と据付用接続分割部材1
6との接合部は、前記据付用接続分割部材16の側をL
字フランジ16aとし、天井側レール金物2の上面に密
着する座面部16dを形成しておき、きっちりと鉛直方
向に起立できるようにした上でボルト17により固定す
るのがよい。床側レール金物1と据付用接続分割部材1
8との接合部構造も同様である。また、上記の据付用接
続分割部材18として、長さ寸法の異なる複数種類のも
のを容易しておけば、図8に示されるように、段差コン
クリートSO があり、スラブ厚さが局所的に異なるよう
な場合に対しても容易に対処することができるようにな
る。 【0019】ところで、本例では、輸送等に対する配慮
から据付用接続部材を部材16と部材18とに分割した
構造のものについて詳述したが、床版厚さが薄い場合や
輸送時の難を許容するならば、分割することなく単一部
材とすることでもよい。また、レール金物1、2および
壁面建具10に関してそのバリエーションは任意であ
る。たとえば図9(A)に示されるように直線状のレー
ル金物1、2を使用して同一面状に壁面建具10を建込
むことでもよいし、図9(B)に示されるようにレール
金物1、2に折れ部を形成して壁面建具10に出隅およ
び入隅を設けるようにしてもよい。さらに、図9(C)
に示されるように、曲線状のレール金物1、2として曲
面状の壁面建具10を建込むようにすることもできる。 【0020】以上、床版Sをプレキャスト天井床版SP
と現場打設コンクリートSGとから構成する施工方法に
ついて詳述したが、本発明は床版厚のすべてが現場打設
される施工方法の場合であっても同様に適用することが
可能である。すなわち、床版下面側に支保工を組んだ後
に、型枠を配設するとともに、天井側レール金物2を設
置し、次いでこの天井側レール金物2に据付用接続部材
を固定するとともに、床側レール金物1を固定し、かつ
鉄筋を組立て、コンクリートを打設することによって床
版Sを施工することでもよい。 【0021】 【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、階
が上下方向に複数重ねる階層建物において、設置精度を
確保しながら各階の床版に所定の埋込み金物等を効率良
く施工していくことができるようになる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明が適用される窓部構造例の縦断面図であ
る。 【図2】その横断面図である。 【図3】床版部の縦断面図である。 【図4】プレキャスト天井床版の要部斜視図である。 【図5】プレキャスト天井床版に対する据付用接続分割
部材および床側レール金物の接合要領図である。 【図6】階層空間を挟んで対面配置で設置される一対の
レール金物間での位置調整要領図である。 【図7】その斜視図である。 【図8】床版構造の他例を示す縦断面図である。 【図9】レール金物の平面形状例図である。 【図10】従来の窓部構造例の縦断面図である。 【符号の説明】 1…床側レール金物、2…天井側レール金物、3・4…
固定ボルト、5・6…取付ブラケット、7・8…建具取
付ボルト、10…壁面建具、11…セットボルト、13
・15…レインバリヤ、16・18…据付用接続分割部
材、21…吊りボルト、22…下げ振り。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04B 5/02 E04C 2/30 Y E04C 2/30 2/50 K (56)参考文献 実開 平5−11018(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/18 E04B 2/56 E04B 2/82 E04C 2/30 E04C 2/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】階が上下方向に重なる階層建物において、
    階層空間を間におき床側床版の上面に埋設されている埋
    設金物を基準として、天井側床版の下面に埋設される埋
    設金物を精度良く設置するための床版施工方法であっ
    て、 前記天井側床版に埋設される埋設金物には、階層空間に
    臨んで断面略リップ状溝が形成されており、この断面略
    リップ状溝に対して溝方向に沿って移動自在のスライド
    金物を配設するとともに、このスライド金物から下げ振
    りを吊下し、 前記スライド金物を前記断面略リップ状溝に沿って移動
    させるとともに、少なくとも部材長手方向の2ヶ所にお
    いて上側埋設金物と下側埋設金物との相対的位置の確認
    を行い、天井側床版の下面に埋設される埋設金物が同一
    鉛直線上となるようにすることを特徴とする階層建物の
    床版施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111636658A (zh) * 2020-06-01 2020-09-08 深圳市湛艺建设集团有限公司 一种建筑装修墙面施工装置及其施工方法

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