JP3759292B2 - ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用スチールコード及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム物品補強用スチールコード(前者)と、ゴム物品としてタイヤのベルトの補強用にこのスチールコードを用いた空気入りラジアルタイヤ(後者)に関し、特に、前者については高生産性と高品質とを兼ね備えたスチールコードに関し、後者については低コストで、かつベルトコード層のコードの耐腐食伝播性に優れ、従ってカット傷からのスチールコードの腐食伝播が生じ難く、耐カットセパレーション性に優れた、オフロード走行の機会が多い空気入りラジアルタイヤ、典型例として例えば建設車両用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複撚りスチールコードは、1本のコアストランドと6本のアウターシースストランドで構成した1(コア、以下同じ)+6(アウターシース、以下同じ)構造が主流を占めている。しかも生産性を考慮して各ストランドの断面の外接円形状はほぼ同一であり、多少のコスト上昇を認めざるを得ない場合はコアストランドの外接円形状を大きくすることもある。
【0003】
これらの場合全てを通じて、上記の1+6構造は以下に述べる4種の不利な点が存在する。
その一は、図5、図6にスチールコード断面を示すように、コード断面に外側で接する曲線Cはほぼ円形になり、所定の引張強さを満たすためには、互いに平行配列した多数本のスチールコードのゴム被覆部材を厚くせざるを得ず、このことは、スチールコード補強ゴム物品の生産性を損ない、コスト高をもたらすばかりでなく、ゴム物品がタイヤの場合はベルトコード層のゲージが厚くなり、タイヤ重量増加と、耐ヒートセパレーション性の劣化とをもたらす。
【0004】
その二は、スチールコードの生産性を高めるため、図5に示すスチールコード断面図のように、コアストランド11とアウターシースストランド12とが同一素線10構造の場合は、コアストランド11及びアウターシースストランド12が共に折角のゴムペネトレーション構造であるにもかかわらず、コアストランド11の周囲でアウターシースストランド12を撚り合わせているため、アウターシースストランド12が互いに接触して、加硫成形の際に未加硫ゴムがコアストランド11まで入り込むことができない。その結果水分による耐腐食伝播性を重視するゴム補強部材としてこの種のスチールコードを用いるのは不適合である。
【0005】
ここに上記ゴムペネトレーション構造とは、各ストランドにおいて、アウターシースを構成するスチール素線相互間に十分な隙間があってタイヤの加硫成形の際のタイヤ内面に作用させる加圧下でゴムがストランド内部に容易に十分入り込み、少なくともアウターシースを構成する各素線周り及びこれら素線とコアを構成するスチール素線間それぞれにゴムが入り込むことが可能な構造を言う。よって図5に示す断面をもつスチールコードでは、少なくともストランドの外接円のみで断面を簡略図解した図7の黒く塗り潰した部分にゴムが入り込む余地はなく、よってコアストランド11にゴムは到達できずに空隙部分が形成され、せいぜいアウターシースストランド12の外側のみのゴムペネトレーションに止まり、水分による耐腐食伝播性を損なう。
【0006】
その三は、上記のゴムペネトレーション上の不具合を改善するため、例えば図5と同じ1+6構造を有する、図6に示す断面のスチールコードは、コアストランド15のスチール素線14の直径をアウターシースストランド16のスチール素線13の直径より大きくしてコアストランド15がアウターシースストランド16の外接円より大きな外接円を有し、これによりアウターシースストランド16内部はもとよりコアストランド15内部にまでゴムが入り込み、ゴムが各スチール素線を覆うことができる。
【0007】
しかし図6に示すスチールコードは未加硫ゴムを上下から被覆して幅広のシート状にするためのカレンダーリング作業の際に、コアストランド15の外接曲線が円形のため、互いに間隔をおいて撚り上げられたアウターシースストランド16は、図7同様に外接円のみで断面を簡略図解した図8に示すように片寄り集まる傾向を有し、その結果図8で黒く塗り潰した部分にゴムが入り込み難くなる。その結果特にコアストランド15内部に空隙部分が生じ、図5に示すスチールコードと同様に水分による耐腐食伝播性が損なわれる。
【0008】
その四は、図6に示すスチールコードにおいては、未加硫ゴム被覆スチールコードシートを必要な所定寸法に部材をさい断するとき、アウターシースストランド16が動き易いため、さい断後にアウターシースストランド16の残留トーションにより回転運動が生じて、コード切断端の端末がばらけ易く、作業性を大幅に阻害するため、図6に示すように、少なくとも1本の外巻きラッピング素線を必要とし、スチールコードの生産性を損ない、コスト上昇を招くのは止むを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従ってこの発明の請求項1に記載した発明は、上述した4種の不利な点を有利に排除し、良好な生産性及び低コストと優れた作業性とを保持して、ゴム物品の補強スチールコードとして水分による耐腐食伝播性を大幅に改善し得る、ゴム物品補強用スチールコードの提供を目的その一とし、請求項2に記載した発明は、タイヤトレッド部の深いカット傷に対し水分による耐腐食伝播性を阻止し得るゴムペネトレーション性を有するベルトを備える空気入りタイヤの提供を目的その二とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的その一を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、複数本のスチール素線からなるストランドのコアと、このコアストランドの周囲に複数本のスチール素線からなるストランドの複数ストランドを撚り合わせたアウターアウターシースとを有する複撚りの、ゴム物品補強用スチールコードにおいて、
上記コアは2本の同一構造を有するストランドの平行接触配列無撚りから成り、該コアストランドの周囲に撚り合わせるアウターアウターシースストランドは6〜8本の範囲内から成り、コアストランド及びアウターアウターシースストランドの少なくともいずれか一方がゴムペネトレーション構造を有し、かつアウターアウターシースストランドはコアストランドに対しゴムペネトレーション撚り合わせ構成を有し、ノンラッピング構造に成ることを特徴とするゴム物品補強用スチールコードである。
【0011】
ここに上記のスチールコードに用いた、素線、ストランド、コア、アウターシース及びラッピングとはJIS G 3510(1992)のスチールタイヤコード試験方法に記載された「用語の定義」に従い、素線:コードを構成する単線、ストランド:素線を何本か撚り合わせた小縄、コア:コードの中で芯として使われる素線又はストランド、アウターシース:コードの表面に位置する素線又はストランド、そしてラッピング:コードに螺旋に巻き付けた素線、を言う。
【0012】
また上記ゴムペネトレーション構造とは、先に述べたようにストランドを構成するスチール素線相互間に隙間を有し、この隙間から加硫成形の際の加圧下でスチールコード被覆ゴムの一部が素線周りに入り込む構造を指し、またノンラッピング構造とは、スチールコードに螺旋状に巻き付けたスチール素線を備えていない構造を指す。
【0013】
また上記目的その一を達成するため、この発明の請求項2に記載した発明は、一対のビード部及び一対のサイドウォール部とトレッド部とからなり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアル配列コード、好ましくは1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカスと、カーカスの外周にてトレッド部を強化する2層以上のコード交差層とを備える空気入りタイヤにおいて、
トレッドゴム寄りのベルトの少なくとも2層のコード層に、上記の請求項1に記載したスチールコードを適用して成ることを特徴とする空気入りタイヤである。
【0014】
この空気入りタイヤは、カット傷を受け易い荒れ地を走行する、一般のダンプトラックや建設車両の使途に供する空気入りラジアルタイヤが適合する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態例を図1及び図2に基づき説明する。
図1及び図2はスチールコードの中心軸線に直交する平面による断面図である。図1、2において、スチールコード1のコア2は2本の同一構造を有するストランド3を平行に接触させて配列するものとして勿論無撚り状態とする。この2本のストランド3は相互に無撚りで平行接触配列とすることを必要とする。ここに上記平行とは各ストランド3の中心軸線が互いに平行であることを意味する。
【0016】
よってコードの中心軸線に沿ういずれの位置においても、2本のストランド3の外接円に接して互いに平行となる2本の接線と、これら接線の外側で連なる外接円の2つの円弧とが形成する長円形L、すなわちコア2の外接複合線Lはスチールコードの長さ方向に沿って図示の位置を保持する。
【0017】
コア2の外接複合線Lに接するようにコア2の周囲に6〜8本、図示例は7本のストランド6を撚り合わせてアウターシース5を形成して複撚りのスチールコード1とする。上記のコア2の特異な外接複合線Lにより、アウターシース5の7個の外接円を外側から包み込むように滑らかに連ねた曲線Eは楕円形状又は長円形状をなし、スチールコード1はその長さ方向に沿ういずれの位置においても常に図1、2に示す楕円形状又は長円形状の曲線Eの向きを保持する。換言すればスチールコード1はその長さ方向に沿って同じ向きに偏平形状をなし、この偏平形状は決して捩じれることはない、ということである。
【0018】
コア2を形成する平行な2本のストランド3及びアウターシース5を形成する7本のストランド6の少なくともいずれか一方がゴムペネトレーション構造であることを必要とし、図1に示す例はコア2のストランド3がゴムペネトレーション構造であり、アウターシース5のストランド6は通常構造である。また図2に示す例はコア2のストランド3と、アウターシース5のストランド6とが共にゴムペネトレーション構造である。
【0019】
図1に示すスチールコード1の構造は、先に触れたJIS G 3510の表示方法に準じ、2×(2+7×D1 )+7×(3+9×D2 )であり、図示例ではコア2のスチール素線(以下素線という)7の直径D1 がアウターシース5の素線8の直径D2 より大きい。図2に示すスチールコード1の構造は、2×(2+7×D3 )+7×(2+9×D3 )であり、コア2の素線9とアウターシース5の素線9とは同径D3 である。図1、2に示すいずれのスチールコード1もラッピング(素線)を備えていない、ノンラッピング構造になる。
【0020】
以上の構成をもつスチールコード1は、以下に述べる効果を発揮する。
(1)まず、スチールコード1のコア2における2本の同一構造を有するストランド3を平行配列無撚り状態とすることによりコードの生産性を向上させることができ、低コストのスチールコードを得ることが可能となる。仮に3本の同一構造を有するストランド3を用いれば、図3にコア2の断面を外接円のみで簡略図解して示すように、スチールコード製造時にアウターシースの巻き付け力(力が加わる方向を模式的に矢印で示す)により、図3の太い矢印の先に示す右側の図のようにコア2は潰されて、コア2の中央部(黒く塗り潰した部分)にゴムが入り込まず、折角のゴムペネトレーション構造を有効に活用することができない。
【0021】
(2)次に、アウターシース5のストランド6をコア2の周囲に撚り合わせるとき、コア2の外接複合線Lは長円形Lを形成しているので、コア2に対する所定の巻き付け力により、アウターシース5の6〜8本、図示例は7本のストランド6を整然と所定間隔引き離してコア2の周囲に撚り合わせることができ、その結果、少なくともコア2に対しゴムペネトレーション構造を実現することができる。
【0022】
(3)次に、図4にスチールコード1の断面を各ストランドの外接円で簡略図解して示すように、多数本(図では1本のみを示す)のスチールコード1を所定打込数(コードに直交する向きに測った単位長さ当りの本数)にて平行に、かつ偏平形状にて横並びに長手方向に所定のテンションを作用させて引き揃えた簾状スチールコード1をカレンダーロールCR間に通し、未加硫ゴムcgを被覆(コーティング)するとき、アウターシース5は楕円形状又は長円形状の曲線Eを有するのでストランド6はコア2のいずれかの場所で螺旋状撚り素線に引っ掛かり、上記テンション作用下でもアウターシース5のストランド6は移動することなく隙間が確保され、被覆ゴムcgが加硫成型時に図の矢印の方向に向けコア2に完全に入り込むことができる。
【0023】
(4)次に、図4に示すようにして未加硫ゴムCGを被覆した仕上がりスチールコード1のゴム引きシートは、コア2の2本のストランド6を撚り合わせていないのでより一層薄ゲージとすることができ、これにより生産性向上と低コスト化とを実現し、併せてゴム物品、例えばタイヤのベルトのコード層にこのスチールコード1を適用したとき、ベルトをより薄ゲージ化することができ、タイヤの低コスト化と軽量化とに貢献することができる。
【0024】
(5)次に、スチールコード1の生産時から未加硫ゴム被覆を経て加硫成形までの間を通じてアウターシースのストランド6の動きが殆ど生じないため、未加硫ゴム被覆スチールコード1のシートを裁断した場合も、また加硫成形を終えた製品タイヤの場合もコードのばらけが殆ど生じず、従ってラッピングを必要としないで済む。これもスチールコード1の無視し得ない程の生産コスト低減をもたらす。
【0025】
(6)最後に、スチールコード1を適用するゴム物品の用途、要求特性に基づき、スチールコード1の耐腐食伝播性が極めて重要視されるゴム物品の場合は、図2に示すような、コア2のストランド3及びアウターシース5のストランド6のいずれにもゴムペネトレーション構造を適用して完全なゴムペネトレーション複撚りスチールコード1とする一方で、スチールコード1に或る程度の伸びを付与することが望ましいゴム物品に適用するときは、図1に示すような、コア2のストランド3のみにゴムペネトレーション構造を適用するスチールコード1とすれば良い、など要求特性に応じた使い分けが可能となる利点を有する。
【0026】
図1、2に示すコア2におけるストランド3及び図2に示すアウターシース5におけるストランド6それぞれのコアを構成する2本の素線は撚り合わせ構造の場合と、無撚り平行配列の場合の双方を含むものとする。
【0027】
上述した特異な構成を有するスチールコード1を適用するゴム物品として、タイヤのトレッド部にカット受傷の機会が多い空気入りラジアルタイヤ、特に荒れ地を走行する機会があるダンプトラック用タイヤや荒れ地走行を専らとする建設車両用タイヤが好適に適合し、その場合が勿論ベルトのスチールコード層に適用するものとする。
【0028】
上記タイヤは、一対のビード部及び一対のサイドウォール部とトレッド部とからなり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアル配列コード、好ましくは1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカスと、カーカスの外周にてトレッド部を強化する2層以上のコード交差層とを備える空気入りタイヤであり、ベルトのトレッドゴム寄りスチールコード層と、この層と隣接して配置し該層のコードとタイヤ赤道面を挟んで交差するコード配列になるスチールコード層との、少なくとも2層に上記スチールコード1を適用する。
【0029】
【実施例】
建設車両用ラジアルプライタイヤで、サイズが14.00R24であり、カーカスは1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になり、ベルトはカーカスの外周に配置した4層のスチールコード交差層のゴム被覆になる。ベルトはカーカス寄りから数えて第1層〜第4層とし、実施例1、2にはこのうちの第2層及び第3層に図1、2に断面を示すスチールコード1を打込数7.2本/5cmで適用した。
【0030】
実施例1、2に対し、図5、6に断面を示すスチールコードを第2、3層に適用した比較例1、2と、図9に断面を示すスチールコードを第2、3層に適用した従来例とを、他の部分は全て実施例に合わせて生産した。スチールコードの適用図面も含め、コード構造などを纏めて表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003759292
【0032】
実施例1、2、比較例1、2及び従来例の各タイヤから第2、3層のスチールコードを取り出し、コアストランドとアウターシースストランドとに分離した上、各ストランドの最外側素線を全て取り除いて心部のゴム被覆長さをパーセント(%)であらわし、これをゴム浸透率とした。またスチールコードを切断したとき、切断端末から素線がほぐれて切断前のスチールコード径より大きな径を示す部分までの長さを測定してこれをばらけ長さ(mm)とした。このばらけ長さが20mm以上に達するコードをばらけコードと呼び、作業性不良とした。これらのゴム浸透率(%)をコアストランドとアウターシースストランドとに分け、ばらけ長さ(mm)と共に表1の下段に示す。
【0033】
表1から実施例1、2のスチールコード1はコア2のストランドのゴム浸透(入り込み)は十分であり、実施例1はコア2の耐腐食伝播性に優れる上、伸長性にも富み、特に実施例2はスチールコード1全体が優れたゴムペネトレーション性を示して耐腐食伝播性に優れ、、これに対し比較例1、2はアウターシースストランドのゴム浸透性は比較的良好であるがコード切断端のばらけ長さは問題レベルにあり、また従来例はゴム浸透性もばらけ長さも共にカットからの水分による耐腐食伝播性に劣るため、荒れ地走行用タイヤには最適ではない。
【0034】
【発明の効果】
この発明の請求項1に記載した発明によれば、良好な生産性及び低コストと優れた作業性とを保持して、ゴム物品の補強スチールコードとして水分による耐腐食伝播性を大幅に改善し得る、ゴム物品補強用スチールコードを提供することができ、この発明の請求項2に記載した発明によれば、軽量、低コストでかつ優位な生産性の下で、水分による腐食からの耐カットセパレーション性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態例のスチールコード断面図である。
【図2】この発明の別の実施の形態例のスチールコード断面図である。
【図3】3本のコアストランドの例を説明図である。
【図4】この発明の実施の形態例を外接円であらわしたスチールコードのゴム被覆時の説明図である。
【図5】比較例のスチールコード断面図である。
【図6】別の比較例のスチールコード断面図である。
【図7】従来スチールコードのストランドを外接円であらわした説明図である。
【図8】他の従来スチールコードのストランドを外接円であらわした説明図である。
【図9】従来のスチールコード断面図である。
【符号の説明】
1 スチールコード
2 コア
3 コアストランド
5 アウターシース
6 アウターシースストランド
7、8、9 素線
L コアの外接複合線L
E アウターシースの外接円をそれにに接して滑らかに連ねた曲線
S ラッピング

Claims (2)

  1. 複数本のスチール素線からなるストランドのコアと、このコアストランドの周囲に複数本のスチール素線からなるストランドの複数ストランドを撚り合わせたアウターシースとを有する複撚りの、ゴム物品補強用スチールコードにおいて、
    上記コアは2本の同一構造を有するストランドの平行接触配列無撚りから成り、該コアストランドの周囲に撚り合わせるアウターシースストランドは6〜8本の範囲内から成り、コアストランド及びアウターシースストランドの少なくともいずれか一方がゴムペネトレーション構造を有し、かつアウターシースストランドはコアストランドに対しゴムペネトレーション撚り合わせ構成を有し、ノンラッピング構造に成ることを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
  2. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部とトレッド部とからなり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアル配列コード、好ましくは1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になるカーカスと、カーカスの外周にてトレッド部を強化する2層以上のコード交差層とを備える空気入りタイヤにおいて、
    トレッドゴム寄りのベルトの少なくとも2層のコード層に、上記の請求項1に記載したスチールコードを適用して成ることを特徴とする空気入りタイヤ。
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