JP3758176B2 - 熱伝導性シリコーンゴムおよびその組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴムおよびその組成物 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性シリコーンゴムおよびその組成物に関し、詳しくは、高熱伝導性であるにもかかわらず、比較的比重が小さい高熱伝導性シリコーンゴム、およびこのシリコーンゴムを形成するために多量の熱伝導性充填剤を配合しているにもかかわらず、貯蔵中にこれが沈降し難く、また、たとえこれが沈降しても、容易にこれを再分散させることができる熱伝導性シリコーンゴム組成物に関する。
近年、トランジスター、IC、メモリー素子等の電子部品を登載したプリント回路基板やハイブリッドICの高密度・高集積化にともなって、これらを効率よく放熱するために各種の熱伝導性シリコーンゴム組成物が使用されている。一般に、この熱伝導性シリコーンゴム組成物には多量のアルミナ微粉末が配合されている。
しかし、このアルミナ微粉末は貯蔵中に沈降しやすく、また、これが一旦沈降してしまうと、これを再分散させることが困難であるという問題があった。このため、このアルミナ微粉末の沈降を抑制したり、また、これが沈降しても、これを再分散させることができる熱伝導性シリコーンゴム組成物が検討されている。この組成物としては、例えば、一分子中にアルケニル基を少なくとも0.1モル%含有するオルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒子径が10〜50μmである球状アルミナ微粉末10〜95重量%と平均粒子径が10μm未満である球状または非球状アルミナ微粉末90〜5重量%からなるアルミナ充填剤および白金または白金系化合物からなる付加反応硬化型の熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開昭63−251466号公報参照)、平均粒子径が0.1〜5μmである無定形アルミナ微粉末および平均粒子径が5〜50μmである球状アルミナ微粉末を配合した熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開平2−41362号公報参照)、一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子結合水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒子径が50μm以下であり、かつ長短径比が1.0〜1.4である、球状のアルミナおよびシリカからなる群から選択される少なくとも一種および白金系触媒からなる付加反応硬化型の熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開平5−105814号公報参照)が挙げられる。
しかし、これらの組成物といえども、貯蔵中にアルミナ微粉末が沈降しやすく、また、これが一旦沈降してしまうと、これを再分散させることは困難であった。
また、これらの組成物を硬化させて得られる熱伝導性シリコーンゴムは、多量のアルミナ微粉末を配合しているために比重が大きいという問題があった。
特開昭63−251466号公報 特開平2−41362号公報 特開平5−105814号公報
本発明の目的は、高熱伝導性のシリコーンゴムを形成するために多量のアルミナ微粉末を配合しているにもかかわらず、貯蔵中にこれが沈降し難く、また、たとえこれが沈降しても、容易にこれを再分散させることができる熱伝導性シリコーンゴム組成物を提供することにあり、そして、高熱伝導性であるにもかかわらず、比較的比重が小さい高熱伝導性シリコーンゴムを提供することにある。
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、(i)平均粒子径が0.1〜50μmであるシリカ微粉末10〜90重量%および(ii)平均粒子径が0.1〜5μm(但し、5μmを除く)であるアルミナ微粉末90〜10重量%からなる熱伝導性充填剤、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサン、および触媒量の(C)ヒドロシリル化反応用触媒からなり、この充填剤を40〜90重量%含有することを特徴とする。
また、本発明の熱伝導性シリコーンゴムは、上記の熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、高熱伝導性のシリコーンゴムを形成するために多量の熱伝導性充填剤を配合しているにもかかわらず、これが沈降し難く、また、たとえこれが沈降しても、容易にこれを再分散させることができるという特徴がある。また、本発明の熱伝導性シリコーンゴムは高熱伝導性でありながら、比較的比重が小さいという特徴がある。
本組成物は、(i)平均粒子径が0.1〜50μmであるシリカ微粉末10〜90重量%および(ii)平均粒子径が0.1〜5μm(但し、5μmを除く)であるアルミナ微粉末90〜10重量%からなる熱伝導充填剤、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサン、および触媒量の(C)ヒドロシリル化反応用触媒からなり、この充填剤を40〜90重量%含有する組成物であり、好ましくは、この充填剤を60〜80重量%含有する組成物である。
この充填剤は本組成物を硬化して得られるシリコーンゴムに高熱伝導性を付与するための成分である。(i)成分のシリカ微粉末は、その平均粒子径が0.1〜50μmであることを特徴とする。(i)成分としては、例えば、粉砕石英粉末、合成石英粉末が挙げられ、特に、粉砕石英微粉末であることが好ましい。(i)成分の形状としては、例えば、球状、真球状、フレーク状、針状、不定形状が挙げられる。また、(ii)成分のアルミナ微粉末は、その平均粒子径が0.1〜5μm(但し、5μmを除く)であることを特徴とする。(ii)成分としては、例えば、球状アルミナ微粉末、不定形アルミナ微粉末が挙げられ、特に、不定形アルミナ微粉末であることが好ましい。この熱伝導性充填剤において、(i)成分は10〜90重量%であり、(ii)成分は残りの重量%である。
これらの充填剤は有機ケイ素化合物により表面処理されていてもよい。この有機ケイ素化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のクロロシラン化合物;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等のシラザン化合物;分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体オリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルシロキサンオリゴマー等のシロキサンオリゴマー化合物が例示される。これらの充填剤を表面処理する方法としては、例えば、これらの充填剤にこれらの有機ケイ素化合物を直接混合して処理する方法(乾式処理方法)、これらの有機ケイ素化合物をトルエン、メタノール、ヘプタン等の有機溶剤と共にこれらの充填剤に混合して処理する方法(湿式処理方法)、シリコーンゴム組成物の主剤であるオルガノポリシロキサンとこれらの有機ケイ素化合物との混合物中にこれらの充填剤を混合して処理するか、または、このオルガノポリシロキサンとこの充填剤の混合物中にこれらの有機ケイ素化合物を混合して処理する方法(in−situ処理方法)が挙げられる。また、これらの有機ケイ素化合物により、これらの充填剤を表面処理する際に、その処理効率を向上させるために、例えば、有機チタン等の有機金属化合物、水等を配合しておくことが好ましい。
この充填剤の含有量は、本組成物において40〜90重量%の範囲内であり、特に、60〜80重量%の範囲内であることが好ましい。これは、この充填剤の含有量が組成物の40重量%未満であると、硬化して得られるシリコーンゴムに十分な熱伝導性を付与することができないためであり、また、この充填剤の含有量が組成物の90重量%をこえると、この組成物の粘度が著しく大きくなり、その取扱作業性が著しく悪化するためである。
(A)成分のオルガノポリシロキサンはこの組成物の主剤であり、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有する。(A)成分のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基が挙げられ、特に、ビニル基であることが好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられる。(A)成分のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。このような(A)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状が挙げられるが、(B)成分が分岐鎖状である場合には、(A)成分は実質的に直鎖状であることが好ましい。(A)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、10〜500,000センチポイズの範囲内であることが好ましく、特に、50〜100,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、式:R1 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 22SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiO2/2で示される単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 22SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 2SiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R12SiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:R1SiO3/2で示されるシロキサン単位もしくは式:R2SiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、および、これらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混合物が挙げられる。上式中のR1はアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。また、上式中のR2はアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基が挙げられる。
(B)成分のオルガノポリシロキサンはこの組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有する。(B)成分のケイ素原子結合水素原子の結合位置としては、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられる。(B)成分のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。このような(B)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状が挙げられるが、(A)成分が分岐鎖状である場合には、(B)成分は実質的に直鎖状であることが好ましい。(B)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、1〜500,000センチポイズの範囲内であることが好ましく、特に、5〜100,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。
このような(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:R1 3SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R1 2HSiO1/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1 2HSiO1/2で 示されるシロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R1HSiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:R1SiO3/2で示されるシロキサン単位もしくは式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、および、これらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混合物が挙げられる。上式中のR1はアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲内である。これは、(A)成分100重量部に対して(B)成分が0.1重量部未満である組成物は十分に硬化しないためであり、また、これが50重量部をこえると、得られるシリコーンゴムの物理的特性が経時的に変化したり、また、甚だしい場合には、組成物が硬化しないためである。
(C)成分のヒドロシリル化反応用触媒はこの組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンとの錯体、白金とアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系触媒;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒;ロジウム系触媒、および、これらの触媒を含有してなるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルセルロース樹脂、ポリシラン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる微粉末が挙げられる。
(C)成分の配合量は触媒量であり、この組成物を硬化するために十分な量であり、具体的には、(A)成分に対して(C)成分中の金属原子が重量単位で0.1〜500ppmとなる量であることが好ましく、特に、1〜100ppmとなる量であることが好ましい。
この組成物において、上記の(A)成分〜(C)成分以外の任意の成分として、例えば、ヒュームドシリカ、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、および、これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤が挙げられる。
また、この組成物の取扱作業性を向上させるために硬化抑制剤を配合することができる。この硬化抑制剤としては、例えば、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールが挙げられる。これらの硬化抑制剤の配合量は、この組成物において重量単位で10〜50,000ppmの範囲内であることが好ましい。
また、この組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、その他任意の成分として、例えば、一分子中に1個のケイ素原子結合水素原子またはアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子またはアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子結合水素原子またはアルケニル基とケイ素原子結合アルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子結合アルコキシ基とエポキシ基を含有する有機ケイ素化合物、一分子中にケイ素原子結合アルコキシ基とメタクリロキシ基を含有する有機ケイ素化合物、接着促進剤、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、貯蔵安定剤、耐熱性付与剤、難燃性付与剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤が挙げられる。
この組成物を調製する方法としては、例えば、ロスミキサー、プラネタリーミキサー等の混合装置により調製する方法が挙げられる。この組成物を一液として貯蔵する場合には、これを25℃以下で貯蔵するか、好ましくは、10℃以下に冷蔵することが必要であり、また、この組成物を二液以上に分けて貯蔵する場合には、使用直前に均一に混合することが必要である。
次に、本発明の熱伝導性シリコーンゴムを詳細に説明する。
本発明の熱伝導性シリコーンゴムは、上記の熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなることを特徴とする。この形態としては、例えば、ブロック状、シート状、テープ状、無定形状が挙げられ、放熱シートとして使用する場合にはシート状であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーンゴムは高熱伝導性であるにもかかわらず、比較的比重が小さいので、機器の小型化が可能であり、パワートランジスターの放熱シート、トランスの放熱シートとして使用可能である。
次に、本発明の熱伝導性シリコーンゴムおよびその組成物を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値である。また、この組成物の貯蔵安定性は、10℃において1ヶ月冷蔵した後の組成物の外観、再混合した後の粘度により評価した。また、この組成物を硬化させてシリコーンゴムを作製する方法としては、この組成物を150℃で1時間加熱することに硬化させた。このようにして作製されたシリコーンゴムの熱伝導率は、Shortherm QTM(昭和電工株式会社製:非定常熱線法)により測定した。また、シリコーンゴムの比重は固体比重測定装置(島津製作所製SGM−200S)により測定した。
[実施例1]
ロスミキサーにより、粘度が100センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100重量部、粘度が5センチポイズであり、分子鎖側鎖に平均3個のケイ素原子結合水素原子を含有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体5重量部、平均粒子径が1.5μmである不定形シリカ微粉末105重量部、平均粒子径が3μmである不定形アルミナ微粉末210重量部、白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(上記のジメチルポリシロキサンに対して錯体中の白金金属原子が重量単位で5ppmとなる量)および2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.1重量部を均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[実施例2]
ロスミキサーにより、粘度が100センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100重量部、粘度が5センチポイズであり、分子鎖側鎖に平均3個のケイ素原子結合水素原子を含有する分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体5重量部、平均粒子径が5μmである不定形シリカ微粉末210重量部、平均粒子径が3μmである不定形アルミナ微粉末105重量部、白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(上記のジメチルポリシロキサンに対して錯体中の白金金属原子が重量単位で5ppmとなる量)および2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.1重量部を均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[実施例3]
実施例2において、不定形シリカ微粉末の配合量を157.5重量部とし、不定形アルミナ微粉末として平均粒子径が2.5μmの不定形アルミナ微粉末を157.5重量部とした以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[実施例4]
実施例2において、不定形シリカ微粉末の配合量を105重量部とし、不定形アルミナ微粉末の配合量を210重量部とした以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[比較例1]
実施例1において、平均粒子径が3μmである不定形アルミナ微粉末の代わりに、平均粒子径が15μmである不定形アルミナ微粉末を用いた以外は実施例1と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[比較例2]
実施例2において、不定形シリカ微粉末を配合せず、また、不定形アルミナ微粉末の配合量を315重量部とした以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[比較例3]
実施例2において、不定形アルミナ微粉末を配合せず、また、不定形シリカ微粉末の配合量を315重量部とした以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
[比較例4]
実施例2において、不定形シリカ微粉末の代わりに平均粒子径が10μmである球状アルミナ微粉末を210重量部とした以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の貯蔵安定性、およびこれを硬化して得られたシリコーンゴムの熱伝導率を表1に示した。
Figure 0003758176
本組成物は、例えば、トランジスター、IC、メモリー素子等の電子部品を登載したプリント回路基板やハイブリッドICのポッティング材や接着剤、半導体素子の接着剤、エンジンマウントの接着・シール剤として利用できる。また、本シリコーンゴムは、シートに成形して放熱シートとして利用できる。

Claims (2)

  1. (i)平均粒子径が0.1〜50μmであるシリカ微粉末10〜90重量%および(ii)平均粒子径が0.1〜5μm(但し、5μmを除く)であるアルミナ微粉末90〜10重量%からなる熱伝導性充填剤、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部の(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノポリシロキサン、および触媒量の(C)ヒドロシリル化反応用触媒からなり、この充填剤を40〜90重量%含有することを特徴とする付加反応硬化型の熱伝導性シリコーンゴム組成物。
  2. 請求項1記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させてなる熱伝導性シリコーンゴム。

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