JP6339761B2 - 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性部材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導性シリコーン組成物及びそれを硬化させた熱伝導性部材に関する。
近年、トランジスター、IC、及びメモリー素子等の電子部品を搭載したプリント回路基板やハイブリッドICの高密度・高集積化にともなって、これらを効率よく放熱するために各種の熱伝導性シリコーンゴム組成物が使用されている。このような熱伝導性シリコーンゴム組成物としては、ビニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、アルミナ、石英粉末、マグネシア、窒化ホウ素、及び炭化ケイ素から選択される熱伝導性充填剤、アミノシラン、エポキシシラン、及びアルキルチタネートから選択される接着性付与剤、並びに白金系触媒からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開昭61−157569号公報)、一分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも0.1モル%含有するオルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒子径が10〜50μmである球状アルミナ微粉末と平均粒子径が10μm未満である球状又は非球状のアルミナ微粉末、及び白金又は白金系化合物からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開昭63−251466号公報)、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒子径が0.1〜5μmである無定形アルミナ微粉末と平均粒子径が5〜50μmである球状アルミナ微粉末、及び白金系触媒からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開平02−041362号公報)、一分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上含んでいるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含んでなるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、平均粒子径が50μm以下であり、長短径比が1.0〜1.4である高純度のアルミナ微粉末、及び白金系触媒からなる熱伝導性シリコーンゴム組成物(特開平05−105814号公報)が提案されている。
しかし、これらの熱伝導性シリコーンゴム組成物は、硬化途上で該組成物から揮発する低沸分や該組成物からブリードアウトするオイル分により、周囲の基材を汚染するという問題があった。また、熱伝導性部材として硬化して用いた場合に基材との密着性が悪いという問題があった。更に、硬化物にクラックが発生し、硬化物が破壊してしまうという問題があった。
これに対し、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有し、ケイ素原子結合の水酸基及びアルコキシ基を有しない、4量体〜20量体の環状シロキサンの含有量が質量単位が1,000ppm以下であるオルガノポリシロキサン、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合のアルケニル基、水酸基及びアルコキシ基を有しないオルガノポリシロキサン、接着性付与剤、熱伝導性充填剤、及びヒドロシリル化反応用触媒からなる熱伝導性シリコーン組成物(特開2011−153252号公報)が提案されている。
特開昭61−157569号公報 特開昭63−251466号公報 特開平02−041362号公報 特開平05−105814号公報 特開2011−153252号公報
しかし、この熱伝導性シリコーン組成物においても、熱伝導性部材として硬化して用いた場合に基材との密着性が悪く、硬化物にクラックが発生してしまい、硬化物が破壊してしまうという問題があった。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、熱伝導性部材、特に電子材料のポッティング剤等として用いた場合に、基材への密着性に優れ、クラックを有しない硬化物を与える熱伝導性シリコーン組成物、及びそれを硬化させた熱伝導性部材を提供することにある。
本発明者らは上記の課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的は、(A)250℃で30分間保持した前後の熱重量分析(TGA)による質量変化が4.0質量%未満である、水酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムの熱伝導性充填剤を含む、熱伝導性シリコーンゴム組成物によって達成される。
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合アルケニル基、水酸基及びアルコキシを有しないオルガノポリシロキサン、及び
(D)ヒドロシリル化反応用触媒
を更に含むことが好ましい。
前記(B)成分は、分子鎖両末端にケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
前記(A)成分の含有量は、(B)成分100質量部に対して100〜2,000質量部であることが好ましい。
前記(C)成分の含有量は、前記(B)成分中のアルケニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が0.5〜10モルとなる量であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、(E)接着付与剤を更に含むことができる。
前記(C)成分と前記(E)成分との合計量は、前記(B)成分と前記(C)成分と前記(E)成分との合計量に対して、0.5〜10質量%であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、(F)(A)成分以外の熱伝導性充填剤を更に含むことができる。
前記(A)成分と(F)成分のいずれか1つの成分、又は両方の成分は、ケイ素表面処理剤によって表面処理されていることが好ましい。
また、本発明は、前記熱伝導性シリコーン組成物を硬化させた熱伝導性部材にも関する。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性部材、特に電子材料のポッティング剤等として用いた場合に、基材への密着性に優れ、クラックを有しない硬化物を得ることができるという特徴がある。また、本発明の熱伝導性シリコーン組成物を用いて製造した放熱材料は、熱伝導性に優れ、不良品が少ないという特徴を有する。
(A)成分は本組成物に熱伝導性を付与するための熱伝導性充填剤であり、250℃で30分間保持した前後の熱重量分析(TGA)による質量変化が4.0質量%未満である、水酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムである。(A)成分は、水酸化アルミニウムであることが好ましい。一方、質量変化が4.0質量%以上であるものを用いた場合、得られる熱伝導性シリコーンゴムの高温安定性が悪化し、基材への密着不良や、クラック等の硬化物の破壊が発生し、得られる放熱材料の品質不良品につながるため、好ましくない。
(A)成分の形状は特に限定されないが、例えば、球状、針状、円盤状、棒状、及び不定形状が挙げられ、好ましくは、球状又は不定形状である。また、(A)成分の平均粒子径は限定されないが、顕微鏡観察又はレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定して、好ましくは、0.01〜100μmの範囲内であり、より好ましくは、0.01〜50μmの範囲内、特に好ましくは0.5〜25μmの範囲内である。
また、本組成物において、(A)成分はケイ素系表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。このケイ素系表面処理剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、及びトリメチルモノクロルシラン等のクロロシラン;ヘキサメチルジシラザン及びヘキサメチルシクロトリシラザン等のシラザン;並びに分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体オリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマー、及び分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルシロキサンオリゴマー等のシロキサンオリゴマーが挙げられる。
これらの表面処理方法としては、例えば、(A)成分とケイ素系表面処理剤を直接混合して処理する方法(乾式処理方法)、ケイ素系表面処理剤をトルエン、メタノール、及びヘプタン等の有機溶剤と共に(A)成分と混合して処理する方法(湿式処理方法)、並びに(B)成分とケイ素系表面処理剤との混合物中に(A)成分を配合するか、又は、(B)成分と(A)成分の混合物中にケイ素系表面処理剤を配合して(A)成分の表面を処理する方法(in−situ処理方法)が挙げられる。
(A)成分は、市販の水酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムであって、本発明に規定する質量変化特性を有するものを選択することで得られる(例えば、住友化学社製 CWL325LV等)ほか、例えば市販の水酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムを熱処理することによって得ることができる。熱処理の条件は特に限定されないが、不活性ガス又は真空中、100〜500℃で処理することが好ましく、150℃から300℃で処理することがより好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、及びアルゴンが例示される。なお、この不活性ガス中に、水素ガス等の還元性ガスを含んでもよい。熱処理時間も特に限定されるものではないが、例えば、10分〜10時間、好ましくは30分〜5時間の範囲とすることができる。
(A)成分の含有量は(B)成分100質量部に対して100〜2,000質量部の範囲内であり、好ましくは200〜1,600質量部の範囲内である。これは、(A)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーンゴムの熱伝導性が良好となるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の取扱作業性が良好となるからである。
(B)成分のオルガノポリシロキサンは本組成物の主剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するものである。(B)成分中のケイ素原子結合アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びヘプテニル基が挙げられ、特に、ビニル基が好ましい。(B)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基;並びにクロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基及びフェニル基が好ましい。このような(B)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、及び分岐鎖状が挙げられ、特に、直鎖状が好ましい。
(B)成分の25℃における粘度は限定されないが、10〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、50〜100,000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。これは、(B)成分の粘度が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好となるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の取扱作業性が向上するからである。なお、(B)成分の25℃での粘度は、例えば、JIS K7117−1に準拠してB型粘度計を用いて測定することにより求めることができる。
また、(B)成分は4量体〜20量体の環状シロキサンの含有量が質量単位で1,000ppm以下であることが好ましい。これは、(B)成分中の4量体〜20量体の環状シロキサンの含有量が上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の硬化途上で、該組成物から揮発する低沸分をより減少することができるからである。このような環状シロキサンとしては、例えば、環状ジメチルシロキサンオリゴマー、環状メチルビニルシロキサンオリゴマー、環状メチルフェニルシロキサンオリゴマー、及び環状ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合オリゴマーが挙げられる。(B)成分中の4量体〜20量体の環状シロキサンの含有量はガスクロマトグラフィー等の分析により測定可能である。
このような(B)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、式:R SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R SiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R SiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:RSiO2/2で示されるシロキサン単位と少量の式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位若しくは式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの二種以上の混合物が挙げられる。上式中、Rはアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基;並びにクロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。また、上式中、Rはアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、及びヘプテニル基が挙げられる。
(C)成分のオルガノポリシロキサンは本組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合のアルケニル基、水酸基及びアルコキシ基を有しないものである。(C)成分中のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基及びフェネチル基等のアラルキル基;並びにクロロメチル基、3−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、特に、メチル基及びフェニル基が好ましい。このような(C)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状が挙げられ、特に、直鎖状が好ましい。
(C)成分の25℃における粘度は限定されないが、1〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、5〜100,000mPa・sの範囲内であることがより好ましい。これは、(C)成分の粘度が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好となるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の取扱作業性が良好となるからである。なお、(C)成分の25℃での粘度は、例えば、JIS K7117−1に準拠してB型粘度計を用いて測定することにより求めることができる。
このような(C)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:R SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:R HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、式:RHSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位若しくは式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン共重合体、及びこれらのオルガノポリシロキサンの二種以上の混合物が挙げられる。上式中、Rはアルケニル基以外の一価炭化水素基であり、前記と同様の基が例示される。
(C)成分の含有量は、(B)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.5〜10モルの範囲内となる量であり、好ましくは0.5〜5モルの範囲内となる量であり、さらに好ましくは0.5〜3モルの範囲内となる量である。これは、(C)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、得られる組成物の硬化を十分に行うことができるようになるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られるシリコーンゴムの物理的特性の経時的変化を抑制することができるからである。
(D)成分は本組成物の硬化を促進するためのヒドロシリル化反応用触媒である。(D)成分としては、例えば、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンとの錯体、白金とジビニルテトラメチルジシロキサン等のアルケニルシロキサンとの錯体等の白金系触媒;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒;及びロジウム系触媒、並びに、これらの金属系触媒を含有してなるポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びシリコーン樹脂等の粒子径が10μm未満の熱可塑性樹脂粉末が挙げられる。
(D)成分含有量は触媒量であり、例えば、(B)成分に対して(D)成分中の金属原子が質量単位で0.1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましく、1〜50ppmの範囲内となる量であることがより好ましい。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、得られる組成物の硬化性が良好となるからであり、一方、上記範囲の上限以下であっても、得られる組成物の硬化には十分であるからである。
(E)成分は本組成物に接着性を付与するための接着性付与剤である。この(E)成分は限定されないが、ケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物であることが好ましい。(E)成分中のケイ素原子結合アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基が挙げられ、特に、メトキシ基が好ましい。また、(E)成分中のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びオクチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、及びヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、及びキシリル基等のアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基及び3−クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基;3−グリシドキシピロピル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−アミノプロピル基、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基等の官能性有機基;トリメトキシシリルエチル基及びメチルジメトキシシリルエチル基等のアルコキシシリルアルキル基;並びにケイ素原子結合水素原子が挙げられる。
このような(E)成分としては、3−グリシドキシピロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシランの一種若しくは二種以上からなる部分加水分解縮合物;メチルポリシリケート、エチルポリシリケート、一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数であり、n及びpはそれぞれ1以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数であり、n及びpはそれぞれ1以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマー;並びに一般式:
Figure 0006339761
(式中、mは0以上の整数である。)
で示されるオルガノシロキサンオリゴマーが挙げられる。
(E)成分としては、特に、(i)沸点が100℃以上であるケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物と(ii)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アルケニル基を有し、ケイ素原子結合水酸基を有するジオルガノシロキサンオリゴマーとの混合物、又は前記(i)成分と(ii)成分との縮合反応物であることが好ましい。
(i)成分は沸点、すなわち、1気圧における沸点(標準沸点)が100℃以上であるが、これは、沸点が100℃以上であると、得られる組成物の硬化途上で、該組成物から揮発する低沸分をより減少することができるからである。このような(i)成分としては、例えば、3−グリシドキシピロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
また、(ii)成分はケイ素原子結合水酸基(シラノール基)を有するジオルガノシロキサンオリゴマーであり、該シラノール基の含有量が多くとも9質量%であることが好ましい。これはその含有量が9質量%以下であると、得られる組成物の接着性が良好となるからである。このような(ii)成分としては、例えば、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合オリゴマー、及び分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合オリゴマーが挙げられる。
(E)成分は、上記(i)成分と上記(ii)成分の混合物であってもよく、また、それらを縮合反応してなる反応物であってもよい。上記(i)成分と上記(ii)成分を縮合反応する方法は限定されないが、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等の塩基性触媒の存在下で反応を行うことが好ましい。
(E)成分の含有量は、(B)成分100質量部に対して少なくとも0.05質量部であり、好ましくは少なくとも0.1質量部である。これは、(E)成分の含有量が、上記範囲の下限以上であると、得られる組成物の接着性が良好となるからである。
(F)成分は(A)成分と同様に本組成物に熱伝導性を付与するための熱伝導性充填剤である。このような(F)成分としては、(A)成分以外の熱伝導性充填剤、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、真鍮、形状記憶合金、及び半田等の金属系粉末;セラミック、ガラス、石英、及び有機樹脂等の粉末表面に、金、銀、ニッケル、及び銅等の金属を蒸着又はメッキした粉末;酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化チタン、及び結晶性シリカ等の金属酸化物系粉末;窒化ホウ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウム等の金属窒化物系粉末;炭化ホウ素、炭化チタン、及び炭化ケイ素等の金属炭化物系粉末;水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系粉末;カーボンナノチューブ、カーボンマイクロファイバー、ダイヤモンド、及びグラファイト等の炭素系粉末;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。特に、(F)成分は、金属系粉末、金属酸化物系粉末、又は金属窒化物系粉末が好ましく、具体的には、銀粉末、アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、又は窒化アルミニウム粉末であることが好ましい。なお、これらの熱伝導性充填剤は、水酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムと異なり、水和水や吸湿に伴う充填剤の質量変化は、多くの場合、問題とならない。
(F)成分の形状は特に限定されないが、例えば、球状、針状、円盤状、棒状、及び不定形状が挙げられ、好ましくは、球状又は不定形状である。また、(F)成分の平均粒子径は限定されないが、好ましくは、0.01〜100μmの範囲内であり、より好ましくは、0.01〜50μmの範囲内である。
また、(F)成分はケイ素系表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。このケイ素系表面処理剤としては、(A)成分で挙げたケイ素処理剤と同じものを使用することができる。また、これらの表面処理方法としても、(A)成分で挙げた方法と同じ方法で行うことができる。(A)成分と(F)成分のいずれか1つの成分、又は両方の成分がケイ素表面処理剤によって表面処理されていることが好ましい。
(F)成分の含有量は(B)成分100質量部に対して100〜2,000質量部の範囲内であり、好ましくは、200〜1,600質量部の範囲内である。これは、(F)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、得られるシリコーンゴムの熱伝導性が良好となるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる組成物の取扱作業性が良好となるからである。
また、本組成物の取扱作業性を向上させるため、硬化抑制剤を含むことが好ましい。この硬化抑制剤としては、例えば、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、及び2−フェニル−3−ブチン−2−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、及び3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;並びにベンゾトリアゾールが挙げられる。これらの硬化抑制剤の含有量は、(B)成分に対して質量単位で10〜50,000ppmの範囲内であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を調製する方法は特に限定されず、例えば、[1](B)成分に(A)成分を混合し、これに(C)成分を徐々に加え混合して調製する方法、[2](A)成分と(C)成分をあらかじめ混合し、(B)成分を徐々に加えて調製する方法を用いて調製することができるが、特に[1]の方法であることが好ましい。混合装置としては種々の装置が使用可能であるが、2本ロール、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、プラネタリーミキサー、ロスミキサー、ホバートミキサー、スピードミキサー等の周知の混練手段により均一に混合することにより調製することができる。特に、ロスミキサーの使用が好ましい。
本発明の熱伝導性充填剤用表面処理剤及び熱伝導性シリコーン組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他の任意成分として、各種の添加剤、例えば、ヒュームド酸化チタン等の補強充填剤;珪藻土、アルミノ珪酸、酸化鉄、酸化亜鉛、及び炭酸カルシウム等の非補強充填剤;並びにこれらの充填剤をオルガノシラン、及びポリオルガノシロキサン等の有機ケイ素化合物で表面処理したものを配合してもよい。また、必要に応じてメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどの溶媒、顔料、染料、耐熱剤、難燃剤、内部離型剤、可塑剤、ミネラルオイル、及び無官能のシリコーンオイル等のシリコーン組成物に汎用される添加剤を配合してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、実施例中の物性は25℃における値である。なお、熱伝導性充填剤の粒子径は、各メーカーのカタログ値である。
[熱伝導性充填剤の質量変化(=加熱減量%)]
各熱伝導性充填剤を、以下の測定条件で、250℃で30分保持した後の質量減少率を測定した。
装置:株式会社島津製作所製熱重量測定装置 TGA−50)
昇温速度:室温から250℃まで10℃/min
温度条件:250℃到達後30分保持
測定雰囲気:窒素ガス(流量50ml/min)
サンプル量:10mg
[高温保持試験後の熱伝導性シリコーンゴム(硬化物)の安定性評価]
各熱伝導性シリコーンゴム組成物を50ccガラスビーカーに40cc充填し、熱循環式オーブンで150℃、1時間の条件で加熱硬化させることにより、熱伝導性シリコーンゴム(試料)を得た。得られた試料は、180℃で72時間更に保管した後、外観を目視観察することにより、以下の基準で評価した。
○:保管後、ビーカー面からの剥離(密着不良)や試料の破壊(割れ等)が認められない。
×:保管後、ビーカー面からの剥離及び試料の破壊が明らかに認められる。
[実施例1]
ロスミキサーにより、粘度400mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、メチルトリメトキシシラン4.3質量部、及び平均粒子径25μmの加熱減量3.9質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(住友化学社製 CWL325LV)320質量部を室温で混合した。その後、減圧下、150℃で1時間加熱混合してシリコーンゴムベースを調製した。次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.8モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.1質量部、及び白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で30ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物1を調製した。
[比較例1]
実施例1の水酸化アルミニウム微粒子(CWL325LV)の代わりに、平均粒子径18μmの加熱減量4.4質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(昭和電工社製 ハイジライトH−31)を用いた以外は実施例1と同様にして、熱伝導性シリコーンゴム組成物2を調製した。
[実施例2]
比較例1で用いた平均粒子径18μmの加熱減量4.4質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(昭和電工社製 ハイジライトH−31)を、熱循環式オーブンで250℃−3時間乾燥させることにより、最終的に平均粒子径18μmの加熱減量1.4質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(以下、「空焼きしたH−31」という)を調製した。
実施例1の水酸化アルミニウム微粒子(CWL325LV)の代わりに、この「空焼きしたH−31」を用いた以外は実施例1と同様にして、熱伝導性シリコーンゴム組成物3を調製した。
[比較例2]
実施例1の水酸化アルミニウム微粒子(CWL325LV)の代わりに、平均粒子径9μmの加熱減量4.1質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(日本軽金属社製 BF083)を用いた以外は実施例1と同様にして、熱伝導性シリコーンゴム組成物4を調製した。
[比較例3]
実施例1の水酸化アルミニウム微粒子(CWL325LV)の代わりに、平均粒子径3.6μmの加熱減量4.9質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(昭和電工社製 HP350)を用いた以外は実施例1と同様にして、熱伝導性シリコーンゴム組成物5を調製した。
[実施例3]
比較例3で用いた平均粒子径3.6μmの加熱減量4.9質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(昭和電工社製 HP350)を、熱循環式オーブンで250℃、3時間乾燥させることにより、最終的に3.6μmの加熱減量2.1質量%の不定形状水酸化アルミニウム微粒子(以下、「空焼きしたHP350」という)を調製した。
実施例1の水酸化アルミニウム微粒子(CWL325LV)の代わりに、この「空焼きしたHP350」を用いた以外は実施例1と同様にして、熱伝導性シリコーンゴム組成物6を調製した。
実施例1〜3及び比較例1〜3について、得られた熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性充填剤の種類、平均粒径、質量変化(=加熱減量%)と熱伝導性シリコーンゴム(硬化物)の安定性評価の結果を、表1に示す。
Figure 0006339761
表1に示すとおり、加熱減量が4.0質量%未満である熱伝導性充填剤を用いることにより、高温保持試験後の熱伝導性シリコーンゴム硬化物の容器(ビーカー)への密着不良や硬化物の破壊(クラック)等が極めて効果的に抑制されることが分かった。特に、実施例1と比較例との対比から明らかなように、類似の水酸化アルミニウムを用いた場合でも、加熱減量4.0%を境にして、得られる熱伝導性シリコーンゴムの高温安定性が急激に悪化し、密着不良や硬化物の破壊が発生することが確認された。
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、基材への密着性に優れ、硬化に伴うクラックの発生を抑制することができるので、電気・電子部品の放熱接着剤、例えば、トランジスター、IC、メモリー素子等の電子部品を登載したプリント回路基板、ハイブリッドICのポッティング材や接着剤、半導体素子の接着剤、及びエンジンマウントの接着・シール剤として好適である。

Claims (9)

  1. (A)250℃で30分間保持した前後の熱重量分析(TGA)による質量変化が4.0質量%未満である、水酸化アルミニウムの熱伝導性充填剤、
    (B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
    (C)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、ケイ素原子結合アルケニル基、水酸基及びアルコキシを有しないオルガノポリシロキサン、及び
    (D)ヒドロシリル化反応用触媒
    を含む熱伝導性シリコーン組成物。
  2. 前記(B)成分が、分子鎖両末端にケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである、請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. 前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分100質量部に対して100〜2,000質量部である、請求項1または2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量が、前記(B)成分中のアルケニル基1モルに対してケイ素原子結合水素原子が0.5〜10モルとなる量である、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  5. (E)接着付与剤
    を更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  6. 前記(C)成分と前記(E)成分との合計量が、前記(B)成分と前記(C)成分と前記(E)成分との合計量に対して、0.5〜10質量%である、請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  7. (F)(A)成分以外の熱伝導性充填剤
    を更に含む、請求項1からのいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  8. 前記(A)成分と(F)成分のいずれか1つの成分、又は両方の成分がケイ素表面処理剤によって表面処理されている、請求項に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物を硬化させた熱伝導性部材。
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