JP3757674B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに採用される駆動力制御装置の改良に関し、特に、駆動力特性を補正するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から車両に用いられる駆動力制御装置としては、例えば、特開平9−242862号公報に開示されるように、登坂走行時に路面の勾配抵抗を推定し、この勾配抵抗に応じて変速比を補正し、勾配抵抗の増加によって加速度または車速が低下するのを抑制するものが知られている。
【0003】
これは、スロットル開度とエンジン回転数からマップなどに基づいてエンジントルクを推定し、そのエンジントルクに変速機の変速比と最終減速比を乗じて出力トルクを求め、この出力トルクと車速から加速抵抗、転がり抵抗及び空気抵抗を差し引いて勾配抵抗を算出し、勾配抵抗に応じた目標エンジントルクとなるように制御している。
【0004】
また、特開平10−329585号公報に開示されるように、電子制御スロットルバルブと無段変速機を採用し、運転者のアクセル操作に応じた目標駆動力を決定する場合、定常目標駆動力の変化から求めた目標駆動力の時系列波形を決定して、この時系列波形から求めた過渡的な目標駆動力となるように、駆動力の補正を行うものが知られており、運転者の意図に沿って過渡の目標駆動力を設定しようとするものである。
【0005】
さらに、特開平8−200112号公報に開示されるように、加速時に車輪のスリップを抑制するトラクションコントロール制御装置において、運転者が操作したアクセル踏み込み量に応じてトラクションコントロール制御中の目標駆動力を増減することで、アクセル踏み込み量に対する加速応答性と車両の安定性を確保しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の駆動力制御装置においては、いずれも、運転者のアクセル踏み込み量の変化に対して、目標駆動力の追従性を向上しようというものであり、アクセル踏み込み量がほとんど変化しないで、走行抵抗が急激に変化した場合については、目標駆動力が走行抵抗の急変に追従してしまうという問題があった。
【0007】
すなわち、アクセル踏み込み量がほとんど変化していない状態で、駆動輪がマンホール通過の際にスリップした場合や段差の通過などで走行抵抗が急激に変化すると、上記特開平10−329585号や特開平8−200112号のように、アクセル踏み込み量に対する目標駆動力を演算するものでは、通常の目標駆動力に対して駆動力の補正量を考慮していないため、結果として出力される駆動力の目標値は変化せずに、走行抵抗が急変した分だけ車両にショックを生じる場合がある。
【0008】
さらに、上記前者の特開平9−242862号公報のように、勾配抵抗等の走行抵抗の増加分に応じて駆動力補正を行うものでは、例えば、図8に示すように、アクセル踏み込み量がほとんど変化していない状態で、駆動輪がマンホール通過の際にスリップした場合などでは、走行抵抗の急変に応じて、駆動力の補正量(図中駆動力加算補正量)も図中破線で示すように急激に減少、増大するため、車両加速度も図中破線のように、急減及び急増することになって、車両にショックが発生して、運転者に違和感を与えるという問題があった。また、この場合、制御装置やセンサ等にノイズが混入して、走行抵抗増加量の演算結果が急変すると、上記と同様に、駆動力加算補正量も急変して車両にショックが発生する場合があった。
【0009】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、アクセル踏み込み量がほとんど変化していない状態で走行抵抗が急激に変化した場合に、運転者へ違和感を与えるような車両ショックの発生を防止しながらも、駆動力の補正を円滑に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、車両の速度を検出する車速検出手段と、前記アクセルペダル踏み込み量と車速に基づいて通常目標駆動力を設定する通常目標駆動力設定手段と、基準走行抵抗に対して増加した走行抵抗を目標補正量として演算する補正量演算手段と、前記通常目標駆動力に目標補正量を加算したものを目標駆動力として演算する駆動力補正手段と、この補正された目標駆動力となるように駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、
前記駆動力補正手段は、目標補正量の変化速度を演算する変化速度演算手段と、この変化速度に基づいて前記通常目標駆動力へ加算する目標補正量を調整する目標補正量調整手段とを備えた。
【0011】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記目標補正量調整手段は、前記変化速度が予め設定した上限値よりも大きいときに、変化速度が上限値となるように目標補正量の大きさを規制する。
【0012】
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記目標補正量調整手段は、前記変化速度が予め設定した下限値よりも小さいときに、変化速度が下限値となるように目標補正量の大きさを規制する。
【0013】
また、第4の発明は、前記第3の発明において、前記目標補正量調整手段は、前記変化速度の下限値の絶対値を、前記上限値の絶対値よりも大きく設定する。
【0014】
また、第5の発明は、前記第1の発明において、前記補正量演算手段は、エンジンに連結された補機の作動状態を検出する補機作動状態検出手段と、この補機の作動状態が変化したときには、前記目標補正量調整手段による目標補正量の調整を予め設定した時間だけ禁止する補正量変更手段を設ける。
【0015】
また、第6の発明は、前記第1の発明において、前記補正量演算手段は、前記車速に応じた基準走行抵抗を演算する基準走行抵抗演算手段と、車両の加速度に応じた加速抵抗を演算する加速抵抗演算手段と、エンジンの出力トルクを演算するエンジントルク演算手段と、このエンジントルクと自動変速機の運転状態及び基準車両重量に基づいて車両の駆動トルクを演算する駆動トルク演算手段と、この駆動トルクから前記基準走行抵抗及び加速抵抗を差し引いて、走行抵抗の増加量を演算する走行抵抗増加量演算手段と、この走行抵抗増加量に基づいて目標補正量を演算する手段とを備える。
【0016】
また、第7の発明は、前記第1の発明において、前記目標補正量調整手段は、前記変化速度の下限値の絶対値と、前記上限値の絶対値を車速に応じて変更する。
【0017】
【発明の効果】
第1の発明は、通常目標駆動力に加速抵抗や勾配抵抗などで増加した走行抵抗を加算して目標駆動力を補正する場合、走行抵抗が増減すると目標補正量も増減するが、この目標補正量の変化速度に応じて目標補正量を調整するようにしたため、例えば、アクセルペダルの踏み込み量がほとんど変化しない状態で走行抵抗が急激に増減したときに、変化速度の大きさに応じて目標補正量を調整することで、駆動力の急変を防止でき、運転者に違和感を与えるような車両のショックを抑制しながら、走行抵抗の変化に応じて駆動力の補正を滑らかに行うことができる。
【0018】
また、第2の発明は、アクセルペダルの踏み込み量がほとんど変化しない状態で、駆動輪が段差を超えたり、ノイズなどによる演算誤差で走行抵抗が急増しても、変化速度が予め設定した上限値よりも大きいときには、変化速度が上限値となるように目標補正量が規制されるため、目標駆動力が急増するのを防いで車両にショックが生じるのを抑制しながら、上限値に応じて目標駆動力の補正を滑らかに行うことが可能となる。
【0019】
また、第3の発明は、アクセルペダルの踏み込み量がほとんど変化しない状態で駆動輪がマンホールを通過したり、ノイズなどによる演算誤差で走行抵抗が急減しても、変化速度が予め設定した下限値よりも小さいときには、変化速度が下限値となるように目標補正量が規制されるため、目標駆動力が急減するのを防いで車両にショックが生じるのを抑制しながら、下限値に応じて目標駆動力の補正を滑らかに行うことが可能となる。
【0020】
また、第4の発明は、車両の減速側となる変化速度の下限値の絶対値を、同じく加速側となる上限値の絶対値よりも大きく設定することで、ノイズなどによる走行抵抗の急激な変化によって車両にショックが生じるのを防止しながら、運転者に違和感を与えない範囲で、迅速に駆動力の補正を行うことができ、運転性と駆動力の制御性能を両立させることができる。
【0021】
また、第5の発明は、エンジンに連結された補機、例えば、エアコンディショナやパワーステアリング装置の作動状態が変化すると、走行抵抗は急激に変化するが、これら補機の作動による走行抵抗増加量の変化に対しては、予め設定した時間だけ変化速度に応じた目標補正量の調整を禁止し、走行抵抗増加量の変動に応じて迅速に駆動力補正を行うことで、意図しない減速や加速感の低下を抑制し、運転者に与える違和感を低減して運転性を向上させることができる。
【0022】
また、第6の発明は、空気抵抗や転がり抵抗などの基準となる走行抵抗に加えて、加速抵抗を加味することで、駆動系のトルク伝達効率の経年変化などを吸収して加速不足を補うことができる。
【0023】
また、第7の発明は、変化速度の下限値及び上限値の絶対値を、車速に応じて変化させるようにしたため、運転者に違和感を与えることなく幅広い運転領域で駆動力補正をより滑らかに行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、エンジン101にトルクコンバータを備えた自動変速機103を連結し、走行状態に応じて最適な駆動力となるようにエンジン101の出力と自動変速機103の変速比(入出力軸回転数比)を制御するパワートレイン・コントロール・モジュール50(以下PCM50とする)を備えた車両に本発明を適用した一例を示す。
【0026】
このPCM50は、アクセルペダル開度センサ105(アクセルペダル操作位置検出手段)からのアクセル踏み込み量APO(または、スロットル開度)、自動変速機103の変速レンジを切り換えるレンジ選択レバー107(またはインヒビタスイッチ)からのセレクト信号、車速センサ11が検出した車速VSP、クランク角センサ(図示せず)からのエンジン回転数NRPMなどが入力され、エンジン101の燃料噴射量TPや、吸入空気量Qa、点火時期を制御したり、自動変速機103の変速比制御及び油圧制御を行って駆動軸へ伝達されるトルクを制御する。
【0027】
吸入空気量Qaを制御するため、エンジン101の吸気通路にはアクチュエータによって開閉駆動される電子制御スロットルバルブ102が介装されており、PCM50から送られたスロットルバルブ開度信号に基づいて、スロットル・コントロール・モジュール51(以下TCM51とする)が電子制御スロットルバルブ102の開度を制御する。
【0028】
自動変速機103は、PCM50からの変速指令に応じて変速比を連続的に変更可能な無段変速機で構成され、PCM50は、車速センサ11が検出した車速VSPに所定の定数を乗じた値を出力軸回転数Noとして演算して、入力軸回転センサ12が検出した入力軸回転数Ninと出力軸回転数Noとの比から求めた実際の変速比RATIOが、PCM50からの指令値(目標変速比tRATIO)と一致するように、図示しない変速機構の制御を行う。なお、自動変速機103は、例えば、ベルト式やトロイダル式の無段変速機等で構成される。
【0029】
また、エンジン101には補機として、エアコンディショナのコンプレッサ120やパワーステアリング装置の油圧ポンプ121が連結される。
【0030】
そして、これらの補機が消費するエンジン出力、すなわち、走行抵抗を把握するため、コンプレッサ120等に設けた液圧センサ(図示せず)が検出した冷媒の液圧をPCM50へ送出するとともに、油圧ポンプ121等に設けたパワーステアリング装置の油圧センサ(図示せず)が検出した油圧をPCM50へ送出し、PCM50はこれら液圧、油圧の大きさに応じて補機の運転状態を検出する。
【0031】
ここで、PCM50で行われる駆動力制御の一例は、図2に示すようなブロック図で表現され、所定の制御周期、例えば10msec毎に各演算が実行されるものである。
【0032】
図2において、通常目標駆動力演算部1は、アクセルペダル開度センサ105からのアクセル踏み込み量APOと、車速センサ11が検出した車速VSPに基づいて、基準となる平坦路相当の目標駆動力を、予め設定したマップより通常目標駆動力(トルク)tTd_nとして求める。
【0033】
なお、図2に示すように、通常目標駆動力tTd_nのマップは、アクセル踏み込み量APOをパラメータとして車速VSPに応じて設定され、
tTd_n= MAP[APO、VSP]
で与えられる。
【0034】
一方、走行抵抗増加量演算部2では、予め設定した走行抵抗の基準値(基準走行抵抗RLDTRQ)に対して増加した走行抵抗を、燃料噴射量TP、エンジン回転数NRPMや車速VSPなどの運転状態に基づいて走行抵抗増加量RESTRQとして演算し、駆動力補正量演算部3は、この走行抵抗増加量RESTRQの大きさに応じて一次目標加算補正駆動力TADDFDを演算する。
【0035】
そして、変化速度演算部31は、駆動力補正量演算部3が出力した一次目標加算補正駆動力TADDFDから、遅延手段9が出力する駆動力補正量ADDFDの前回値ADDFDoldを差し引いて変化速度JGDTADDとして演算する。
【0036】
この場合、
JGDTADD=ADDFD−ADDFDold
として演算された変化速度JGDTADDは、10msec当たりの一次目標加算補正駆動力TADDFDの変化量を示す。なお、遅延手段9は1サイクル前の駆動力補正量ADDFDを保持して、前回値ADDFDoldとして出力するものである。
【0037】
次に、変化速度調整部4では、変化速度演算部31からの変化速度JGDTADDが、予め設定した上限値DLTFPLDSと下限値DLTFMNSを超えないように調整したものを、目標変化速度DLTFとして出力する。
【0038】
そして、加算補正量演算部5は、この目標変化速度DLTFに遅延手段9からの前回の駆動力補正量ADDFDoldを加えたものを、駆動力補正量ADDFDとして演算する。
【0039】
補正目標駆動力演算部6では、上記通常目標駆動力演算部1で求めた通常目標駆動力tTd_nに、加算補正量演算部5で求めた駆動力補正量ADDFDを加算して、目標駆動力tTdを、
tTd=tTd_n+ADDFD
として算出する。
【0040】
こうして得られた目標駆動力tTdは、目標駆動力を実現する制御手段としての目標エンジントルク設定部7と目標変速比設定部8へそれぞれ出力される。
【0041】
目標エンジントルク設定部7では、目標駆動力tTdを実変速比RATIOで除したものを目標エンジントルクtTeとして求め、上記TCM51は目標エンジントルクtTeを実現するように電子制御スロットルバルブ102の開度を決定するとともに、図示しないエンジン制御部では、この目標エンジントルクtTeを実現する燃料噴射量TPや点火時期をエンジン101に指令する。
【0042】
また、目標変速比設定部8では、この目標駆動力tTdと車速VSPに基づいて、予め設定したマップより目標変速比tRATIOを求めて、自動変速機103の変速機構を駆動し、実際の変速比RATIOを目標変速比tRATIOに一致させる。
【0043】
ここで、走行抵抗増加量演算部2は、エンジン101と自動変速機103の運転状態に応じて駆動軸の駆動トルクTRQOUTを求める駆動トルク演算部21と、車速VSPに応じた走行抵抗RLDTRQを求める基準走行抵抗設定部22と、加速度GDATAに基づいて加速抵抗トルクGTRQを演算する加速抵抗トルク演算部23から構成され、駆動トルクTRQOUTから走行抵抗RLDTRQと加速抵抗トルクGTRQを差し引いたものが、走行抵抗増加量RESTRQとして出力される。
【0044】
すなわち、駆動トルク演算部21では、図示しないエンジン制御部で設定された燃料噴射量TPと、検出したエンジン回転数NRPMより、予め設定したマップに基づいてエンジン出力トルクENGTRQを求め、このエンジン出力トルクENGTRQに変速比RATIOとトルクコンバータのトルク伝達比τRATIOを乗じて駆動軸に伝達されている駆動トルクTRQOUTを、
TRQOUT=ENGTRQ×RATIO×τRATIO
として演算する。
【0045】
一方、基準となる走行抵抗RLDTRQは、車速VSPに応じて一意的に決定され、図示の基準走行抵抗設定部22に示すようなマップより、
RLDTRQ=MAP[VSP]
として演算される。
【0046】
さらに、加速抵抗トルク演算部23では、車速VSPの微分値や加速度センサなどから加速度GDATA[m/s2]を求め、これに基本車両重量WV、タイヤ半径rTIRE、終減速比ZRATIOを乗じて、駆動軸上の加速抵抗トルクGTRQを、
GTRQ=GDATA×WV×rTIRE×ZRATIO
として演算する。
【0047】
そして、走行抵抗増加量RESTRQは、
RESTRQ=TRQOUT−(RLDTRQ+GTRQ)
となる。
【0048】
次に、走行抵抗増加量演算部2が出力した走行抵抗増加量RESTRQに基づいて一次目標加算補正駆動力TADDFDの演算を行う駆動力補正量演算部3では、演算される一次目標加算補正駆動力TADDFDを、
TADDFD<RESTRQ/rTIRE
のように設定して、走行抵抗増加分の100%未満に相当する値を、加算補正する駆動力として設定する。
【0049】
ここで、駆動力補正量演算部3に設定された、一次目標加算補正駆動力TADDFDのマップについて、図3を参照しながら説明する。
【0050】
まず、一次目標加算補正駆動力TADDFDは、走行抵抗増加量演算部2で求めた走行抵抗増加量RESTRQに対して、駆動系のトルク伝達効率の経年変化などを吸収しながら加速不足を補うために設定されるものである。
【0051】
しかし、走行抵抗増加量RESTRQの演算誤差や、微少な向かい風等で走行抵抗がばらつくと、唐突な加速が生じて運転者に違和感を与える場合がある。このため、図3に示すRES_TLEV1以下のように、
0≦RESTRQ≦RES_TLEV1
として、走行抵抗増加量RESTRQが微少な範囲では、一次目標加算補正駆動力TADDFD=0とすることで、演算誤差や走行抵抗増加量RESTRQのばらつきによる唐突な加速感の発生を防止する。
【0052】
一方、走行抵抗増加量RESTRQが増大して、図中RES_TLEV2で示したように、ある程度大きな値を超えると、
TADDFD=ADDFDLMmax
として、予め設定した値ADDFDLMmaxに固定する。
【0053】
これは、走行抵抗増加量がある程度以上大きくなった場合には、演算誤差などによって走行抵抗増加量RESTRQが過大になるのを防止し、加算補正する駆動力を制限することで過剰な加速を防ぐ。
【0054】
そして、走行抵抗増加量RESTRQが、微少値RES_TLEV1から増大する区間、
RES_TLEV1≦RESTRQ≦RES_TLEV2
では、
TADDFD=0.5×RESTRQ/rTIRE
となるように設定され、上記したように、走行抵抗増加分の100%未満に相当する値を、加算補正する駆動力として設定する。
【0055】
すなわち、基本的に走行抵抗増加分のうち、100%よりも小さい値を加算補正することで、特に、登坂路など、運転者が視認可能な走行抵抗の増加では、走行抵抗増加分のうちの少しについては、運転者が自らアクセルペダルを踏み増しして加速補正を行うので、最も違和感のない自然な加速感を得ることができるのである。
【0056】
次に、制御周期毎の目標変化速度DLTFを演算する変化速度調整部4は、図4に示すように、予め設定したマップまたは関数などに基づいて設定され、変化速度演算部31が求めた一次目標加算補正駆動力TADDFDの変化速度JGDTADDが、
DLTFMNS≦JGDTADD≦DLTFPLS
となるように制限して目標変化速度DLTFを演算する。
【0057】
なお、上記下限値DLTFMNS以上、上限値DLTFPLS以下の範囲では、
DLTF=JGDTADD
として設定する。
【0058】
したがって、走行抵抗増加量RESTRQの大きさに応じた一次目標加算補正駆動力TADDFDは、その変化速度、すなわち、制御周期(1サイクル)当たりの増減量を下限値DLTFMNS以上、上限値DLTFPLS以下に制限された目標変化速度DLTFとして調整される。
【0059】
上限値DLTFPLSは、目標補正量tTdの増大側であり、加速度の上限値を規制する一方、下限値DLTFMNSは、目標補正量tTdの減少側であり、減速度の上限値を規制し、これら上限値及び下限値の関係は、
|DLTFPLS|<|DLTFMNS|。
に設定される。
【0060】
これは、加速側の駆動力変化と減速側の駆動力変化に対して、運転者が感じる違和感の度合いが異なることに着目している。
【0061】
すなわち、加速度の絶対値が同じ場合、減速側の方が加速側に比して、違和感を感じる場合が少ないため、変化速度DLTFの下限値DLTFMNSの絶対値を、上限値DLTFPLSの絶対値よりも大きくすることで、運転者に違和感を与えることなく、迅速な駆動力補正を行うことができ、運転性の確保と制御性能の向上を両立させることが可能となるのである。
【0062】
次に、上記駆動力制御の概要を表したものが図5のフローチャートで、また、図6のフローチャートは、図5の駆動力補正量ADDFDの演算を行うサブルーチンを示し、各フローチャートは、上記したように所定の制御周期で実行されるものである。
【0063】
まず、図5のステップS1で車速VSP、アクセル踏み込み量APO、エンジン回転数NRPM及び燃料噴射量TP等の運転状態を示す値を読み込んでから、ステップS2で、上記図2の通常目標駆動力演算部1と同様に、車速VSPとアクセル踏み込み量APOより通常目標駆動力tTd_nを演算する。
【0064】
また、ステップS3では、上記駆動トルク演算部21と同様に、エンジン回転数NRPM、燃料噴射量TPから求めたエンジントルクENGTRQと変速比RATIO及びトルクコンバータのトルク伝達比τRATIOから駆動トルクTRQOUTを求める。
【0065】
さらに、ステップS4では、上記図2の基準走行抵抗設定部22と同様にして、車速VSPに応じた走行抵抗RLDTRQを、予め設定したマップより求める。
【0066】
次に、ステップS5では、上記加速抵抗トルク演算部23と同様に、加速度GDATA[m/s2]と、基本車両重量WV、タイヤ半径rTIRE及び終減速比ZRATIOから駆動軸上の加速抵抗トルクGTRQを求める。
【0067】
そして、ステップS6では、駆動トルクTRQOUTから走行抵抗RLDTRQと加速抵抗トルクGTRQを差し引いて、走行抵抗増加量RESTRQを求める。
【0068】
一方、ステップS7では、上記駆動力補正量演算部3と同様にして、走行抵抗増加量RESTRQの大きさに応じて一次目標加算補正駆動力TADDFDを演算する。
【0069】
また、ステップS8では、上記変化速度演算部31、変化速度調整部4、加算補正量演算部5及び遅延手段9と同様に、変化速度JGDTADDに制限を加えた目標変化速度DLTFに、前回の駆動力補正量ADDFDoldを加算して駆動力補正量ADDFDを演算する。
【0070】
そして、ステップS9で、通常目標駆動力tTd_nに、この駆動力補正量ADDFDを加算して目標駆動力tTdを得る。
【0071】
次に、上記ステップS8で行われる、変化速度JGDTADDから駆動力補正量ADDFDの演算について、図6のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0072】
まず、ステップS10では、上記図2の変化速度演算部31と同様に、ステップS7で求めた一次目標加算補正駆動力TADDFDから前回の駆動力補正量ADDFDoldを差し引いて、制御周期に応じた変化速度JGDTADDを求める。
【0073】
次に、ステップS11では、変化速度JGDTADDが増大するか否かを判定し、増大する場合にはステップS12へ進む一方、減少する場合にはステップS14へ進む。
【0074】
増大する場合のステップS12では、変化速度JGDTADDが上限値DLTFPLS以下であるかを判定して、この上限値以下の場合にはステップS16へ進んで現在の変化速度JGDTADDを前回の駆動力補正量ADDFDoldに加算して駆動力補正量ADDFDを求める。
【0075】
一方、変化速度JGDTADDが上限値DLTFPLSを超える場合には、ステップS13へ進んで、制御周期毎の変化量となる変化速度を上限値DLTFPLSに規制し、
ADDFD=ADDFDold+DLTFPLS
として、前回の駆動力補正量ADDFDoldに、この上限値DLTFPLSを加算したものを駆動力補正量ADDFDとする。
【0076】
また、上記ステップS11の判定で、変化速度JGDTADDが減少または0となる場合(JGDTADD≦0)のステップS14では、変化速度JGDTADDが下限値DLTFMNS以上であるかを判定して、この下限値DLTFMNS以上の場合には、上記ステップS16へ進んで現在の変化速度JGDTADDを前回の駆動力補正量ADDFDoldに加算して駆動力補正量ADDFDを求める一方、変化速度JGDTADDが下限値DLTFMNSよりも小さい場合には、ステップS15へ進んで、制御周期毎の変化量を下限値DLTFMNSに規制し、
ADDFD=ADDFDold+DLTFMNS
として、前回の駆動力補正量ADDFDoldに、この下限値DLTFMNSを加算(実際には減算)したものを駆動力補正量ADDFDとする。
【0077】
こうして、ステップS13、S15、S16のいずれかで今回の駆動力補正量ADDFDを求めた後、ステップS17で、この駆動力補正量ADDFDを駆動力補正量前回値ADDFDoldに代入して、次回の演算に備えてから図5のメインルーチンへ復帰する。
【0078】
こうして演算された目標駆動力tTdは、上記図2の目標エンジントルク設定部7及び目標変速比設定部8でそれぞれ演算を行い、目標エンジントルクtTeと目標変速比tRATIOに基づいて、駆動力の補正制御を行う。
【0079】
以上のように、走行抵抗増加量RESTRQに応じた一次目標加算補正駆動力TADDFDと、前回の駆動力補正量ADDFDoldから求めた変化速度JGDTADDを、予め設定した上限値DLTFPLSと下限値DLTFMNSで規制して目標変化速度DLTFとし、この目標変化速度DLTに前回の駆動力補正量ADDFDoldを加算した駆動力補正量ADDFDを、通常目標駆動力tTd_nに加算して目標駆動力tTdを得るようにしたため、図7に示すように、アクセル踏み込み量APOがほぼ一定の状態で、駆動輪がマンホール通過時にスリップし、走行抵抗増加量RESTRQが一時的に急減した場合、制御周期毎の駆動力補正量ADDFDは、変化速度JGDTADDの下限値DLTFMNSによって過大な変動が規制されるため、この下限値DLTFMNSに応じた速度で駆動力補正量ADDFDが緩やかに変化し、また、マンホール通過後には元の走行抵抗増加量RESTRQへ復帰するが、このときも変化速度JGDTADDの上限値DLTFPLSによって過大な変動が規制されるため、この上限値DLTFPLSに応じた速度で駆動力補正量ADDFDが緩やかに復帰することになり、図7に示すように、車両に生じる加速度の変化は、図中実線で示すように緩やかに変化し、図中波線で示した前記従来例のように、急激な加減速によるショックの発生を防止でき、運転者に違和感を与えることなく駆動力の補正を円滑に行うことが可能となるのである。
【0080】
また、PCM50や各センサにノイズが混入したり、演算誤差によって走行抵抗増加量RESTRQが一時的に急変した場合であっても、上記と同様に、駆動力補正量ADDFDが過大に変動することがなく、運転者の意図しない加速度の急変を抑制しながら駆動力の加算補正を行って、車両の運転性を向上させることが可能となる。
【0081】
もちろん、走行抵抗増加量RESTRQが緩やかに変化した場合では、上記上限値DLTFPLSと下限値DLTFMNSの間で駆動力補正量ADDFDも緩やかに変化でき、車両にショックを生じることなく走行抵抗増加量RESTRQの変化に追従して目標駆動力tTdを変化させることができるのである。
【0082】
図8は第2の実施形態を示すフローチャートで、前記第1実施形態の図6に示したフローチャートのステップS10とS11の間に、エンジン101に設けた補機の運転状態に応じて上限値DLTFPLS及び下限値DLTFMNSによる調整を選択的に禁止するロジック(ステップS20〜S23)を付加したもので、その他は前記第1実施形態と同様に構成され、同一の処理に同一のステップ番号を付して重複説明を省略する。
【0083】
図8において、ステップS10で変化速度JGDTADDを演算した後には、ステップS20で補機の作動状態が変化した否かを判定する。
【0084】
ここで、エンジン101の補機としては、例えば、図1に示したように、エアコンディショナのコンプレッサ120やパワーステアリング装置の油圧ポンプ121が配置され、PCM50はコンプレッサ120等に設けた液圧センサ(図示せず)が検出した冷媒の液圧や、油圧ポンプ121等に設けたパワーステアリング装置の油圧センサ(図示せず)が検出した油圧に応じて補機の作動状態、すなわち、作動中、非作動中を判定する。
【0085】
そして、作動状態が変化したときは、ステップS21へ進んで補機変化タイマSMTIMに予め設定した初期値SMTIM0を設定してからステップS22へ進む一方、作動状態が変化していない場合には、そのままステップS22へ進む。
【0086】
ステップS22では、補機変化タイマSMTIMが0になったか否かを判定し、SMTIM=0になるとステップS10以降の処理を行って、前記第1実施形態と同様に、変化速度JGDTADDに上限値、下限値の制限を加えて駆動力補正量ADDFDを演算する。
【0087】
一方、SMTIMが0でない場合には、ステップS23へ進んで、補機変化タイマSMTIMの値を減算した後、ステップS16へ進んで、前回の駆動力補正量ADDFDoldに上記ステップS10で演算した変化速度JGDTADDを制限を加えずにそのまま加算する。
【0088】
したがって、補機の作動状態が変動してから、補機変化タイマSMTIMが0になるまでの所定時間の間は、変化速度JGDTADDへの制限が禁止され、走行抵抗増加量RESTRQに応じた変化速度JGDTADDで駆動力補正量ADDFDが求められる。
【0089】
なお、補機の作動状態が設定される初期値SMTIM0は、補機の作動状態変化による走行抵抗の増加が、走行抵抗増加量RESTRQに加算されるまでの応答遅れ等を考慮して設定され、例えば、SMTIM0→0までの減算が1秒以下となるように設定される。
【0090】
エアコンディショナやパワーステアリング装置の作動状態が変化すると、走行抵抗は急激に変化するが、これら補機の作動による走行抵抗増加量RESTRQの変化に対しては、迅速に駆動力補正を行った方が、運転者に対する違和感を低減することができる。
【0091】
例えば、エアコンディショナやパワーステアリングが非作動状態から作動状態に変化すると、走行抵抗増加量RESTRQの急増により運転者の意図しない減速や、加速感の低下が生じて、運転者に違和感を与えることになるが、これら、補機の作動状態が変化した場合には、所定時間だけ変化速度JGDTADDの規制を行わないようにしたため、走行抵抗増加量RESTRQの変動に応じて迅速に駆動力補正を行い、意図しない減速や加速感の低下等を抑制して運転性を向上できるのである。
【0092】
図9は第3の実施形態を示し、前記第1実施形態に示した、変加速度調整部4で設定される変化速度DLTFの上限値DLTFPLS及び下限値DLTFMNSを、それぞれ車速VSPに応じて変化させる場合のマップを示す。
【0093】
車速VSPが小さいときには、駆動力補正量ADDFDの変化速度が大きいと、運転者は車両のショックを感じる場合が多いのに対して、車速VSPがある程度以上大きくなると、駆動力補正量ADDFDの変化速度が大きくなっても車両ショックを感じない領域が広がる。
【0094】
そこで、上限値DLTFPLS及び下限値DLTFMNSの絶対値を、車速VSPの大きさに応じて0から徐々に増大するようにすれば、運転者に違和感を与えることなく幅広い運転領域で駆動力補正をより滑らかに行うことができる。
【0095】
なお、車速VSPに応じて増大する上限値DLTFPLS及び下限値DLTFMNSの絶対値は、予め設定した車速Vxでそれぞれ最大値DLTFPLSmax、DLTFMNSmaxとなるよう設定される。
【0096】
なお、上記実施形態では、図2に示した走行抵抗増加量演算部2において、加速抵抗トルクGTRQを求めたが、この他、上記第2実施形態のような補機負荷や、図示はしないが登坂抵抗、風損抵抗等を加えても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、駆動力を制御する車両の概略構成図。
【図2】パワートレイン・コントロール・モジュールで行われる駆動力制御の一例を示すブロック図。
【図3】図2に示した駆動力補正量演算部の一例を示し、走行抵抗増加量RESTRQに応じた一次目標加算補正駆動力TADDFDのマップである。
【図4】同じく変化速度調整部の一例を示し、変化速度JGDTADDに応じた目標変化速度DLTFのマップである。
【図5】パワートレイン・コントロール・モジュールで行われる駆動力制御の一例を示すメインルーチンのフローチャート。
【図6】同じく、図5の駆動力補正量演算の詳細を示すサブルーチンの一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の作用を示す説明図で、アクセル踏み込み量がほぼ一定のときに駆動輪がスリップした場合の、走行抵抗増加量、駆動力補正量、車両加速度と時間の関係を示し、図中実線が本発明を示し、図中破線が従来の駆動力制御を示す。
【図8】第2の実施形態を示し、パワートレイン・コントロール・モジュールで行われる駆動力制御の一例を示すフローチャート。
【図9】第3の実施形態を示し、変化速度調整部のマップで、車速VSPに応じた上限値と下限値の関係で、(A)が車速VSPに応じた上限値を、(B)が車速VSPに応じた下限値を示す。
【符号の説明】
1 通常目標駆動力設定部
2 走行抵抗増加量演算部
3 駆動力補正量演算部
4 変化速度調整部
5 加算補正量演算部
6 補正目標駆動力演算部
11 車速センサ
31 変化速度演算部
50 パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM)
101 エンジン
102 電子制御スロットルバルブ
103 自動変速機
105 アクセルペダル開度センサ
Claims (7)
- アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルペダル操作量検出手段と、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
前記アクセルペダル踏み込み量と車速に基づいて通常目標駆動力を設定する通常目標駆動力設定手段と、
基準走行抵抗に対して増加した走行抵抗を目標補正量として演算する補正量演算手段と、
前記通常目標駆動力に目標補正量を加算したものを目標駆動力として演算する駆動力補正手段と、
この補正された目標駆動力となるように駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えた車両の駆動力制御装置において、
前記駆動力補正手段は、目標補正量の変化速度を演算する変化速度演算手段と、
この変化速度に基づいて前記通常目標駆動力へ加算する目標補正量を調整する目標補正量調整手段とを備えたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。 - 前記目標補正量調整手段は、前記変化速度が予め設定した上限値よりも大きいときに、変化速度が上限値となるように目標補正量の大きさを規制することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記目標補正量調整手段は、前記変化速度が予め設定した下限値よりも小さいときに、変化速度が下限値となるように目標補正量の大きさを規制することを特徴とする請求項2に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記目標補正量調整手段は、前記変化速度の下限値の絶対値を、前記上限値の絶対値よりも大きく設定したことを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動力制御装置。
- 前記補正量演算手段は、
エンジンに連結された補機の作動状態を検出する補機作動状態検出手段と、
この補機の作動状態が変化したときには、前記目標補正量調整手段による目標補正量の調整を予め設定した時間だけ禁止する補正量変更手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。 - 前記補正量演算手段は、
前記車速に応じた基準走行抵抗を演算する基準走行抵抗演算手段と、
車両の加速度に応じた加速抵抗を演算する加速抵抗演算手段と、
エンジンの出力トルクを演算するエンジントルク演算手段と、
このエンジントルクと自動変速機の運転状態及び基準車両重量に基づいて車両の駆動トルクを演算する駆動トルク演算手段と、
この駆動トルクから前記基準走行抵抗及び加速抵抗を差し引いて、走行抵抗の増加量を演算する走行抵抗増加量演算手段と、
この走行抵抗増加量に基づいて目標補正量を演算する手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。 - 前記目標補正量調整手段は、前記変化速度の下限値の絶対値と、前記上限値の絶対値を車速に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
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