JP4206256B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機を備えた車両の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無段変速機の変速制御では、車速とアクセル操作量に応じた変速パターンを目標入力軸回転数のマップとして記憶し、運転状態に応じた目標入力軸回転数から目標変速比を決定していた(特開平4−54371号公報参照)。
【0003】
この従来例では、比較的小さなアクセル操作量でほぼ一定車速で走行する定常走行状態から、急加速を意図してアクセル操作量を急増させるキックダウン操作を行っても、このときのアクセル操作量に対応する目標変速比に実変速比が到達するまでにはある程度の時間がかかるため、エンジン回転数はすぐに上昇するにもかかわらず駆動力が増大せず、その間はエンジンが空吹かしされたような状態となり運転者に違和感を与える。
【0004】
この対策として、加速要求の大きなときには変速比変化を抑制することが考えられ、例えばスロットル開度がしきい値以上になったら変速比を一定に固定するものが提案されている(特許第2593432号等)。これは、一定変速比の決め方はスロットル開度がしきい値における変速マップ上の変速比になる。このように、大きな変速比になる前に変速比を固定することにより、エンジン回転の増加が速やかに駆動力の増加をもたらすので、スロットル増加から加速感が得られるまでの時間的遅れが短くなり、それだけ違和感が減少すると共に体感上の加速応答性が向上する。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−54371号公報
【特許文献2】
特許第2593432号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらその反面、このような一定変速比の決定方法では、スロットル開度を前記しきい値およびヒステリシス設定分から戻さない限り一定変速比に保たれたままとなり、運転者の当初の加速意図が満たされた後も変速比の変化が起こらないので、そのことが却って違和感をもたらすことになってしまう。換言すれば、変速比変化を発生させるためには、アクセルペダルを意図して大きく戻す操作が必要になってしまう。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、牽引などによる走行抵抗の増加に係わらずキックダウン加速時には運転者の加速意図に応じた車速の上昇を確実に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車速とアクセル操作量を含む車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記車速とアクセル操作量に応じた変速比を決定する変速比決定手段と、前記決定された変速比に基づいて無段変速機の変速比を制御する制御手段とを備えた無段変速機の変速制御装置において、
加速要求の大きさを判定する加速要求判定手段と、前記加速要求の大きさに基づいてダウンシフトの変速特性とアップシフトの変速特性をそれぞれ決定する加速用変速特性決定手段と、前記加速要求が予め設定した基準値よりも大きいときには、前記ダウンシフト変速特性に基づいて前記変速比決定手段で決まる目標変速比よりも抑制されたダウンシフト目標変速比へダウンシフトを行った後、前記アップシフト変速特性に基づくアップシフト目標変速比によりアップシフトを行う加速制御手段と、前記加速制御手段によるダウンシフト後に加速状態を判定する加速状態判定手段と、この加速状態が予め設定した値以下の場合には、前記加速状態に基づいて選択されたアップシフト変速特性に対して、前記アップシフトの目標変速比を加速状態に応じた補正値によってダウンシフト側へ補正するアップシフト目標変速比補正手段とを備え、前記加速制御手段は、加速要求毎に設定され、加速状態に応じて徐々に変化する値であるアップシフト量初期値から、加速状態の増加に応じて徐々に減少する補正量を減算した値を、前記加速要求に基づいて選択された変速特性から減算することにより演算されたアップシフト変速特性に基づくアップシフト目標変速比によりアップシフトを行う
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記加速状態判定手段は、エンジンの出力トルクを検出または推定して駆動力を算出する駆動力演算手段と、算出された駆動力と予め設定された走行抵抗から現在の駆動力で実現可能な車速を先読み車速として演算する先読み車速演算手段と、この先読み車速と現在の車速の差により判定する。
【0010】
また、第3の発明は、前記第2の発明において、前記アップシフト目標変速比補正手段は、前記先読み車速と現在の車速の差が大きいほどアップシフト目標変速比をダウンシフト側へ補正する。
【0011】
また、第4の発明は、前記第1ないし第3の発明のいずれかひとつにおいて、前記加速用変速特性決定手段は、加速要求の大きさに応じて予め設定された複数のダウンシフト変速特性から一つを選択するとともに、加速要求の大きさに応じて予め設定された複数のアップシフト変速特性から一つを選択する。
【0012】
また、第5の発明は、前記第4の発明において、前記アップシフト変速特性は、ダウンシフト後の変速比から車速の増大に応じて変速比の小側へ変速する変速量を設定する。
【0013】
また、第6の発明は、前記第5の発明において、前記アップシフト変速特性は、加速要求が大きいほど車速の増大に応じて変速比の小側へ変速する変速量を小さく設定する。
【0014】
また、第7の発明は、前記第1ないし第6の発明のいずれか一つにおいて、前記加速要求判定手段は、アクセル操作量に基づいてアクセル操作速度を検出し、このアクセル操作速度とアクセル操作量に基づいて加速要求の大きさを判定する。
【0015】
また、第8の発明は、前記第1ないし第7の発明のいずれか一つにおいて、前記加速制御手段は、前記加速要求を比較する基準値を車速とアクセル操作量に応じて変更する。
【0016】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、加速要求毎に設定され、加速状態に応じて徐々に変化する値であるアップシフト量初期値から、加速状態の増加に応じて徐々に減少する補正量を減算した値を、前記加速要求に基づいて選択された変速特性から減算することにより演算されたアップシフト変速特性に基づくアップシフト目標変速比によりアップシフトを行い、また、加速要求が大きいとき(例えば、キックダウン加速時)には、変速比決定手段で決まる通常の変速よりも抑制されたダウンシフト変速特性のダウンシフト目標変速比でダウンシフトを行った後、アップシフト変速特性によるアップシフト目標変速比で変速比の小側へアップシフトを行うことで、加速途上のエンジン回転速度の過大な上昇と車両加速度の減少を抑制して、車両加速度の立ち上がりと落ち込みをバランスさせ、運転者の加速意図に応じた車両加速度を確実に得ることができ、ダウンシフト後に加速の伸びが鈍化したときには、アップシフトの目標変速比を加速状態に応じた補正値によってダウンシフト側へ補正するので、牽引や登坂などの走行抵抗が増加したときであっても、常時加速意図に応じた加速感を得ることができ、さらに、加速状態に応じた補正値によって徐々にアップシフトが行われるので、アクセル操作量に対する目標変速比が実変速比に到達するまでの時間を短縮でき、無段変速機を備えた車両の運転性を大幅に向上できるのである。
【0017】
また、第2の発明は、現在の駆動力で実現可能な先読み車速と実際の車速の差から加速状態を判定することで、アクセル操作量が大きいにも係わらず車速が伸びないような走行抵抗の増加を迅速かつ正確に判定できる。
【0018】
また、第3の発明は、ダウンシフト後のアップシフトでは、先読み車速と現在の車速の差が大きいほどアップシフト目標変速比をダウンシフト側へ補正するので、車速の鈍化が小さくなるように変速を行って、加速を維持することができる。
【0019】
また、第4の発明は、加速用の変速特性は、複数のダウンシフト変速特性と複数のアップシフト変速特性からそれぞれ一つを選択するので、運転状態の変化に関わらず、運転者の加速意図に応じた変速を実現できる。
【0020】
また、第5の発明は、アップシフト変速特性は、ダウンシフト後の変速比から車速の増大に応じて変速比の小側への変速量を設定したので、ダウンシフト後のアップシフト時に車両加速度の落ち込みを抑制でき、加速の伸びを提供することができる。
【0021】
また、第6の発明は、加速要求が大きいほど車速の増大に応じて変速比の小側へ変速する変速量を小さく設定したので、加速意図の大きさに沿ってエンジン回転速度を上昇させて、運転者の期待に応じた車両加速度を得ることができる。
【0022】
また、第7の発明は、アクセル操作速度とアクセル操作量に基づいて加速要求の大きさを判定するので、運転者の加速意図を的確に判定できる。
【0023】
また、第8の発明は、加速要求を比較する基準値を車速とアクセル操作量に応じて変更するので、運転状態の変化に関わらず運転者の加速意図に応じて、ダウンシフトを行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明を適用した車両の概略構成を示し、エンジン11にトルクコンバータ12を備えた無段変速機10を連結して、走行状態に応じて最適な運転状態となるように、エンジン11の出力と無段変速機10の変速比を制御するコントローラ1を備えている。なお、無段変速機10の無段変速機構としては、Vベルト式やトロイダル式を採用することができる。
【0026】
コントローラ1は、運転状態に応じてエンジン11の燃料噴射量制御、点火時期制御などを行い、また、運転状態に応じて変速比を無段階に制御する。このコントローラ1は、エンジン制御手段と、変速制御手段を兼ね備える統合型の制御装置を示す。
【0027】
コントローラ1には、アクセルペダル操作量APO(またはアクセル操作量)を検出するアクセルセンサ5、車両の走行速度(以下車速VSP)を検出する車速センサ4、エンジン11の回転速度Neを検出するエンジン回転センサ2、無段変速機10の入力軸回転速度Ntを検出する入力軸回転センサ3などが接続され、車両の運転状態として検出する。なお、ここでは、車速センサ4は、無段変速機10の出力軸回転速度OutRevを検出し、これに終減速比や車両の仕様に応じた定数(タイヤ半径など)を乗じたものを車速VSPとする。
【0028】
図2は本発明による変速制御の一例を示すフローチャートで、コントローラ1のマイクロコンピュータにより周期的(例えば、数十msec毎)に実行される。
【0029】
本制御では、運転状態に応じて変速比を可変制御する制御モード(これを以下「ノーマルモード」という。)から所定の加速条件(キックダウン加速)を満たしたときに変速比の変化を抑制する制御モード(これを以下「リニアモード」という。)へと移行させ、さらに、キックダウン加速などの再加速時では検出した車速の伸びが鈍化したときには、走行抵抗増加時リニアモードへ切り換えるものである。
【0030】
なお、図には明記しないが、これらのルーチンのバックグラウンドにおいて運転状態としてアクセル操作量APOと車速VSPの検出処理が行われる。また、以下の説明中で符号Sを付して示した数字は図2の処理ステップに対応している。
【0031】
まず、ステップS1では、制御フラグFを参照して、前回の制御モードがノーマルモードとリニアモードの何れであるかを判定して、前回の制御モードがノーマルモードであれば、ステップS2のキックダウン操作判定へ進む一方、前回の制御モードがリニアモードであれば、ステップS4へ進んで、リニアモードの解除条件が成立したか否かを判定する。なお、制御フラグFは、例えば、1のときにリニアモードを、0のときにノーマルモードを示す。
【0032】
ステップS2では、キックダウン操作か否かを判定する。まず、検出したアクセル操作量APOと、このアクセル操作量APOの前回値との差からアクセル操作速度dAPOを求める。
【0033】
そして、現在の車速VSPとアクセル操作量APOから、図3に示すマップより、アクセル操作速度のしきい値となる基準値dAPOLを求め、アクセル操作速度dAPOが基準値dAPOLを超えていれば、キックダウン操作であると判定して、ステップS3に進み、キックダウン以外のアクセル操作であればステップS30に進んでノーマルモードの制御を行う。
【0034】
なお、図3のアクセル操作量APOと車速VSPに応じたアクセル操作速度の基準値dAPOLのマップは、アクセル操作量APOを複数の範囲に区分けし、また、車速VSPを複数の範囲に区分けして、アクセル操作量APOの範囲と車速VSPの範囲毎にそれぞれ基準値dAPOLが設定されている。
【0035】
次に、キックダウン操作と判定されたステップS3では、制御フラグF=1にセットした後、ステップS5に進んで運転者の加速意図(加速要求)を判定する。
【0036】
ステップS5では、上記ステップS2で求めたアクセル操作速度dAPOとアクセル操作量APOに基づいて、図4のマップから加速意図を検索する。このマップにおいて、アクセル操作量APOが大きい場合には、アクセル操作速度dAPOに関わらず、加速意図が大であると判定し、アクセル操作量APOが中間領域(例えば、APOが3/8〜6/5)では、アクセル操作速度dAPOが大きければ加速意図は中と判定し、アクセル操作速度dAPOが小さければ加速意図が小と判定する。なお、アクセル操作量APOの大きさに応じて変化する加速意図には所定のヒステリシスが設けられ、制御のハンチングを防止する。
【0037】
次に、ステップS6では、モードフラグMfを参照して、リニアモードの中でダウンシフトモードとアップシフトモードを切り替えるか否かを判定する。
【0038】
モードフラグMfが0の場合には、ダウンシフトモードからアップシフトモードへの切り換えが完了していないので、モード移行有りと判定し、また、モードフラグMf=1の場合には、ダウンシフトモードからアップシフトモードへの移行が完了しているので、モード移行なしと判定する。そして、モード移行有りの場合には、ステップS7へ進む一方、モード移行なしの場合にはステップS19へ進む。
【0039】
ステップS7では、ダウンシフトモードとアップシフトモードの何れであるかを判定する。
【0040】
ここでは、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)が設定されていないか、または、実際の変速比(入力軸回転速度impRev/出力軸回転速度OutRev)がダウンシフト変速比DW_ratio(0)に到達していなければ、ダウンシフトモードと判定して、ステップS8に進む。
【0041】
一方、実変速比がダウンシフト量DW_ratio(0)に到達していれば、アップシフトモードと判定するとともに、モードフラグMfに1を加算してからステップS10へ進む。
【0042】
ダウンシフトモードのステップS8では、上記ステップS5で判定した加速意図に基づいて、図5のマップから加速意図に応じたダウンシフトの変速特性を選択する。
【0043】
そして、ステップS9で現在の車速VSPに応じて、上記ステップS8で選択した変速特性からダウンシフト変速比DW_ratio(0)を求めて記憶する。
【0044】
この後、ステップS16へ進んで、次式から目標変速比Dratioを演算する。
【0045】
Dratio=DW_ratio(0)−UP_ratio(0)+UP_ratio(n) ……(1)
ただし、UP_ratio(0)はアップシフト量初期値、UP_ratio(n)は車速の増加に応じたアップシフト量(変速比の小側への変速量)の補正量である。
【0046】
なお、上記ステップS9からステップS16へ進んだ時点では、アップシフト量初期値UP_ratio(0)及びアップシフト量UP_ratio(n)は、ともに0で、目標変速比Dratio=DW_ratio(0)となる。
【0047】
次に、ステップS17では、目標入力軸回転速度DsrRevを、
DsrRev=Dratio×OutRev ………(2)
として求め、ステップS18に進んで目標変速比Dratioを出力し、無段変速機10の変速比を制御する。
【0048】
一方、上記ステップS7の判定で、アップシフトモードと判定されたステップS10では、駆動力と車速VSPから先読み車速tVSPを求めて、現在の車速VSPと先読み車速tVSPの差が所定値以上であるか否かより、実車速VSPの上昇がアクセル操作量APOに対して鈍っていないかを判定し、この判定結果に基づいて通常時アップシフトモード(通常時リニアモード)と走行抵抗増加時アップシフトモード(走行抵抗増加時リニアモード)とを切り替える。
【0049】
先読み車速tVSPを求めるに当たって、まず、エンジン11の出力トルクを求める。
【0050】
エンジン出力トルクは、コントローラ1のエンジン制御部で算出される燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)と、検出したエンジン回転速度Neなどから演算したり、エンジン11の特性図を備えている場合では、アクセル操作量APOとエンジン回転速度Neからエンジン出力トルクを推定する。
【0051】
そして、このエンジン出力トルクから次式により駆動力を算出する。
【0052】
駆動力 = エンジン出力トルク ×総減速比/タイヤ半径 ………(3)
ただし、総減速比は、現在の実変速比にディファレンシャルギアなどの減速比を合わせたものである。
【0053】
なお、トルクコンバータ12のロックアップクラッチ(図示省略)が解放状態のときには所定のトルク比に基づいてエンジン出力トルクを補正する。
【0054】
そして、図7に示すように、予め設定した走行抵抗マップ(平坦路相当)から平坦路において現車速を維持するための駆動力を算出し、上記(3)式で求めた駆動力との差を車速で割ることにより、車両で得られる加速度を算出し、加速度を積分して現車速に加算していくことにより、実現可能な車速を先読み車速tVSPとして求める。
【0055】
次に、現在の車速VSP(実車速)と先読み車速tVSPを、
先読み車速tVSP−実車速VSP > 所定値 ………(4)
により比較して、現在の駆動力による車速VSPが、先読み車速tVSPよりも所定値を超えて下回っていれば加速が鈍っていると判定して、ステップS11の走行抵抗増加時のアップシフトモードへ進む一方、先読み車速tVSPと実車速VSPの差が所定値以内であれば、駆動力に応じた加速が実現されていると判定して、ステップS14の通常のアップシフトモード処理を行う。
【0056】
加速性の判断のために、駆動力から得られる加速度を推定し、実際の加速度と比較しても良いが、アクセル操作によって推定加速度は大きく変化するため、ここでは、先読み車速へ換算することにより、確実にかつ誤判定の少ない加速の鈍化を判定できる。
【0057】
なお、上記(4)式の所定値は、車種や車両特性の設定事項で決定される。車速が低いほど加速鈍化が気になるため、例えば、車速が20Km/hでは所定値を5Km/hとして、車速が80Km/h以上では所定値を15Km/hとし、その間をリニアに補間して各車速における所定値を求める。
【0058】
また、車重は、例えば、車体重量と乗員2名分を足した値を用いる。乗員数の変化などによりこの車体重量は多少変化するが、通常、全重量の10%以内であり、登坂路や牽引時の走行抵抗の増減に比して小さい。
【0059】
ステップS11の走行抵抗増加時アップシフトモードでは、上記ステップS5で判定した加速意図に基づいて、図6のマップから加速意図に応じたアップシフトの変速特性を選択する。
【0060】
次に、ステップS12では、先読み車速tVSP−実車速VSPのを車速偏差eVSPとして、予め設定した図8に示すマップから、車速偏差eVSPに応じた変速比補正量ΔDawnを走行抵抗増加分の補正量(ダウンシフト量)として求める。
【0061】
また、ステップS13では、現在の車速VSPに応じて、上記ステップS11で選択したアップシフト変速特性からアップシフト量初期値UP_ratio(0)を求め、上記ステップS12で求めた走行抵抗増加分の変速比補正量ΔDawnから、
UP_ratio(0)=UP_ratio(0)−ΔDawn ………(5)
により、アップシフト量初期値UP_ratio(0)をダウンシフト側に補正する。
【0062】
そして、ステップS16へ進んで、上記(1)式から目標変速比Dratioを演算し、ステップS17で目標変速比Dratioを求めた後、ステップS18で目標変速比Dratioを出力する。
【0063】
したがって、走行抵抗増加時アップシフトモードでは、アップシフト量初期値UP_ratio(0)が、ダウンシフト側の変速比補正量ΔDawnによって通常のアップシフトモードよりアップシフト量が抑制されることになる。あるいは、ダウンシフトによって車速VSPの増大が極めて低い場合(車速偏差eが極めて大きい場合)では、さらにダウンシフトした値が設定されて駆動力の増大が指令されることになる。
【0064】
なお、ステップS13からステップS16へ進んだ場合には、アップシフト量UP_ratio(n)は演算されていないので0とし、目標変速比Dratio=DW_ratio(0)−UP_ratio(0)となる。
【0065】
一方、上記ステップS10の判定で通常時アップシフトモードと判定されたステップS14では、上記ステップS5で判定した加速意図に基づいて、図6のマップから加速意図に応じたアップシフトの変速特性を選択する。
【0066】
次に、ステップS15では、現在の車速VSPに応じて、上記ステップS11で選択したアップシフト変速特性からアップシフト量初期値UP_ratio(0)を求めて記憶する。
【0067】
そして、ステップS16へ進んで、上記(1)式から目標変速比Dratioを演算し、ステップS17で目標変速比Dratioを求めた後、ステップS18で目標変速比Dratioを出力する。
【0068】
ただし、ステップS15からステップS16へ進んだ時点では、アップシフト量UP_ratio(n)は0で、目標変速比Dratio=DW_ratio(0)−UP_ratio(0)となる。
【0069】
こうして、ダウンシフトが完了したアップシフトモードの最初の制御サイクルでは、ステップS10〜S15で先読み車速tVSPと実車速VSPの偏差eVSPの大きさに応じて通常時アップシフトモードと走行抵抗増加時アップシフトモードのいずれかが選択され、走行抵抗増加時ではダウンシフト側の変速比補正量ΔDawnにより、通常のアップシフトモードよりアップシフト量が抑制されることになる。
【0070】
次に、上記ステップS6の判定で、モード移行なしと判定されたステップS19では、上記ステップS10と同様に駆動力から先読み車速tVSPを求め、実車速VSPとの差である車速偏差eの大きさに基づいて通常時アップシフトモードと走行抵抗増加時アップシフトモードの何れであるかを判定する。
【0071】
車速偏差eVSPが所定値を超えていれば車速の伸びが足りないため、走行抵抗増加時アップシフトモードと判定してステップS20に進む一方、車速偏差eが所定値以内であればアクセル操作量APOに応じた加速力(車速VSPの増大)が達成されているので、通常時アップシフトモードと判定してステップS23に進む。
【0072】
まず、走行抵抗増加時アップシフトモードであるステップS20では、上記ステップS5で判定した加速意図に基づいて、図6のマップから加速意図に応じたアップシフトの変速特性を選択する。
【0073】
ステップS21では、上記図8のマップから車速偏差eに基づいて変速比補正量ΔDawnを求める。
【0074】
次に、ステップS22では、現在の車速VSPに応じて、上記ステップS20で選択したアップシフト変速特性から車速の増加に応じたアップシフト量UP_ratio(n)を求めてから、上記ステップS21で求めた変速比補正量ΔDawnで、アップシフト量UP_ratio(n)を、
UP_ratio(n)= UP_ratio(n)−ΔDawn ………(6)
により補正する。
【0075】
そして、ステップS16へ進んで、上記(1)式から目標変速比Dratioを演算し、ステップS17、S18で目標変速比Dratioを出力する。
【0076】
一方、上記ステップS19の判定で、通常時アップシフトモードと判定されたステップS23では、上記ステップS5で判定した加速意図に基づいて、図6のマップから加速意図に応じたアップシフトの変速特性を選択する。
【0077】
そして、ステップS24で現在の車速VSPに応じて、上記ステップS23で選択したアップシフト変速特性から車速の増加に応じたアップシフト量UP_ratio(n)を求め、次回以降ではこのアップシフト量UP_ratio(n)を更新し、ステップS16へ進んで、上記(1)式から目標変速比Dratioを演算し、ステップS17、S18で目標変速比Dratioを出力する。
【0078】
次に、上記ステップS1で前回の制御モードがリニアモードであった場合に進むステップS4では、リニアモードとなった後に、アクセル操作量APOが0/8等の所定値以下に戻され、かつ、リニアモードとなってから所定時間を経過していれば、リニアモードを解除してステップS30へ進みノーマルモードの制御を行う。なお、リニアモードを解除する際には、制御フラグF、モードフラグMf、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)、アップシフト量初期値UP_ratio(0)、アップシフト量UP_ratio(n)、変速比補正量ΔDawnをそれぞれ0にリセットする。
【0079】
なお、ノーマルモードの制御は、図9の変速マップに基づいて現在の車速VSPとアクセル操作量APOから目標入力軸回転速度DsrRevを求め、これを出力軸回転速度OutRevで除したものを目標変速比Dratioとしてから、ステップS17で出力する。
【0080】
一方、アクセル操作量APOが所定値以上を維持していれば運転者は加速を継続する意図を持っていると判定して、ステップS5に進んでリニアモードの制御を継続する。
【0081】
上記制御により、アクセル操作速度dAPOに基づいてキックダウン操作が判定されると、加速意図に応じたダウンシフト変速特性でダウンシフトが行われた後は、現在の駆動力で達成可能な先読み車速tVSPと実車速VSPの偏差eVSPの大きさに応じて、走行抵抗増加時アップシフトモードと通常時アップシフトモードのいずれかが選択されて、通常時アップシフトモードでは車速VSPの伸びに応じて徐々にアップシフトが行われ、走行抵抗増加時アップシフトモードでは車速偏差eの大きさに応じて、変速比補正量ΔDawnが変更されて、アップシフトモードでのアップシフト量が規制され、走行抵抗増加分によって加速が鈍くなった分を補償するのである。
【0082】
以下に走行抵抗増加分の違いによる制御の作用を説明する。
【0083】
<A.通常時のキックダウン操作>
ノーマルモードで平坦路または降坂路を走行中に、アクセルを踏み込んでアクセル操作速度dAPOが図3の基準値dAPOLを超えると、通常のキックダウン加速制御が開始されてリニアモードへ移行し、図4のマップから加速意図が判定される。
【0084】
まず、初回の制御では、モードフラグMf=0であるので、ステップS9、S10では、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)が設定される。
【0085】
ここで、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)は、図5で示したように、車速毎にダウンシフト変速比DW_ratio(0)が設定され、かつ、加速意図の大きさに応じて異なる変速特性が設定され、加速意図が大きいほどダウンシフト量(変速比の大側への変速量)が大きくなるように設定されている。
【0086】
そして、図10で示すように、キックダウン操作があった時点のダウンシフト変速比DW_ratio(0)が目標変速比Dratioとして設定される。
【0087】
次に、実変速比がダウンシフト変速比DW_ratio(0)=目標変速比Dratioに到達すると、このときの実車速VSPと、現在の駆動力で実現可能な先読み車速tVSPの比較が行われ、実車速VSPと先読み車速tVSPの偏差eVSPが所定値以下であれば通常時アップシフトモードが選択され、図11の破線で示すように、ダウン操作時の車速VSPに対応したダウンシフト完了時のアップシフト量初期値UP_ratio(0)が設定され、通常時アップシフトモードへ移行する。
【0088】
ここで、アップシフト量初期値UP_ratio(0)は、図6で示したように、車速毎にアップシフト量が設定され、かつ、加速意図の大きさに応じて異なる変速特性が設定され、加速意図が大きいほど車速に応じたアップシフト量が小さくなるように設定され、上記(1)式より、このアップシフト量に応じて変速比の小(Hi)側への変速が開始される。
【0089】
そして、リニアモードの解除条件が成立するまでは、制御周期毎にアップシフト量UP_ratio(n)が車速VSPの増大に応じて更新されて行くのである。
【0090】
したがって、図12で示すように、キックダウン操作後のダウンシフトモードでは、図5のマップによる変速特性に応じてダウンシフト量がノーマルモードの図9のノーマルモードの変速特性に比して規制され、図中A点からB点までの入力軸回転速度impRevに抑制されて、加速初期での車両加速度の高さと車両加速度の応答性を向上させる。
【0091】
ダウンシフトの目標変速比であるダウンシフト変速比DW_ratio(0)に到達した後には、加速意図に応じた図6のアップシフト変速特性と車速VSPよりアップシフト量初期値UP_ratio(0)が設定され、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)からこのアップシフト量初期値UP_ratio(0)を差し引いた値が目標変速比となり、図12において、B点以降は車速VSPの増大に応じて、図中実線のように徐々に変速比が小側に変更されて、加速途上のエンジン回転速度Neの過大な上昇と車両加速度の減少を抑制して、運転者の加速意図に応じた車両加速度を得ることができるのである。
【0092】
また、図12において図中波線は前記従来例(特願2001−182803号)によるもので、この従来例によれば、ダウンシフト量は本願発明のB点よりも大きく、その後小側への変速が本願発明よりも過大になっている。
【0093】
このため、図13で示すように、図中一点鎖線または実線で示す本願リニアモードでは、車両加速度の最大値までの到達時間は、図中波線で示す従来例よりも速く、また、このときのエンジン回転速度Neは、従来例よりも低く抑制されている。このため、車両加速度の大きさと最大加速度までの到達時間を最適に設定でき、さらに、アップシフトモードでは、変速比の減少が従来例よりも抑制されるので、エンジン回転速度Neの上昇を確保して車両加速度の落ち込みを抑制でき、加速の伸びを体感することができる。
【0094】
そして、キックダウン操作時には、複数の変速特性から運転者の加速意図に応じた変速特性をダウンシフト側、アップシフト側でそれぞれ設定するようにしたので、車速毎のキックダウン加速要求に対してエンジン回転速度Neの設定の自由度を得ることができ、特に、加速意図に応じた変速特性を複数設定しておくことで、コントローラ1の演算負荷を低減しながら、車両加速度の立ち上がりと落ち込みのバランスを確保することができ、幅広い速度範囲で良好なキックダウン加速を実現することが可能となる。
【0095】
また、ダウンシフト後のアップシフトモードでは、図6で示したように、加速意図が大きいときほど車速に応じたアップシフト量を小さく設定したので、加速意図の大きさに沿ってエンジン回転速度を上昇させて、運転者の期待に応じた車両加速度を得ることができる。
【0096】
<B.走行抵抗増加時のキックダウン操作>
次に、他の車両を牽引中や登坂路など走行抵抗が大きいノーマルモードでアクセルを踏み込んでアクセル操作速度dAPOが図3の基準値dAPOLを超えるとキックダウン操作と判定され、図4のマップから加速意図が判定された後、上記と同様にリニアモードへ移行する。
【0097】
ここで、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)は、上記と同様であり、図5で示したように、加速意図が大きいほどダウンシフト量(変速比の大側への変速量)が大きくなるように設定された変速特性から設定される。
【0098】
ダウンシフトが完了したときに、実車速VSPと先読み車速tVSPの車速偏差eVSPが所定値を超えていれば、走行抵抗増加時アップシフトモードが選択され、車速偏差eの大きさに応じて変速比補正量ΔDawnが設定される。
【0099】
この変速比補正量ΔDawnによって、アップシフト量は通常時アップシフトモードに比してダウンシフト側(変速比の大側)に規制され、車速偏差eVSPが比較的小さい場合には、図11の特性Aのように、徐々にアップシフトが行われるが、車速偏差eVSPが大きい場合には、図中特性Bのようにアップシフト量=0となって、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)で車両の加速が継続され、さらに、車速偏差eVSPが極めて大きい場合(例えば、車速VSPが低下した場合)には、アップシフト量は負(ダウンシフト側)に反転して図中特性Cのように、ダウンシフト変速比DW_ratio(0)よりさらにダウンシフトを行って、車両の加速を行う。
【0100】
こうして、キックダウン操作時には、運転者の加速意図に応じたダウンシフト量でダウンシフトを行った後、アップシフトモードでは走行抵抗の大きさを車速VSPの伸びにより検出し、車速偏差eが少なくなるようにアップシフト量が補正されるので、走行抵抗の大きさに係わらず、加速のレスポンスと加速の伸びを実現して運転者の加速意図に応じた加速感を実現できるのである。
【0101】
例えば、図13に示すように、図中実線の走行抵抗増加時リニアモードは、図中一点鎖線の通常時リニアモードに比して車両加速度(図中前後G)のピークは走行抵抗の大きさに応じて低下するものの、加速度のピークは、図中破線の前記従来例よりも早く発生し、通常時リニアモードと同様に加速開始時の応答性を確保できる。その後のアップシフトでは、走行抵抗増加時リニアモードも通常時リニアモードと同様に、図中破線の前記従来例のような加速度の落ち込みを抑制して、運転者の加速意図に応じた車速VSPの伸びを実現できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を無段変速機の概略構成図。
【図2】コントローラで行われる変速制御の一例を示すフローチャート。
【図3】アクセル操作量APOと車速VSPに応じたアクセル操作速度dAPOの基準値dAPOLのマップ。
【図4】アクセル操作量APOとアクセル操作速度dAPOに応じた加速意図のマップ。
【図5】加速意図をパラメータとして車速に応じたダウンシフト変速比DW_ratio(0)のマップ。
【図6】加速意図をパラメータとして車速に応じたアップシフト量のマップ。
【図7】車速に応じた平坦路相当の走行抵抗を示すマップである。
【図8】車速偏差の大きさに応じたダウンシフト側への変速比補正量のマップである。
【図9】ノーマルモードで用いられるアクセル操作量APOをパラメータとした車速VSPに応じた目標入力軸回転速度のマップ。
【図10】ダウンシフト変速比DW_ratio(0)を決定する様子を示す車速VSPに応じたダウンシフト変速比のマップ。
【図11】アップシフト量を決定する様子を示す車速VSPに応じたアップシフト量のマップ。
【図12】キックダウン加速を行ったときの車速VSPに応じた入力軸回転速度impRevのマップで、図中実線が本願通常時リニアモードの回転速度impRevの軌跡を示し、図中一点鎖線が走行抵抗増加時リニアモードの軌跡を示し、図中波線が従来例による回転速度impRevの軌跡を示す。
【図13】同じく、キックダウン加速を行ったときのアクセル操作量APO、エンジン回転速度、車両加速度G(前後G)と時間の関係を示すグラフで、図中実線が走行抵抗増加時リニアモード、図中一点鎖線が通常時リニアモードを示し、図中波線が従来例を示す。
【符号の説明】
1 コントローラ
2 エンジン回転センサ
3 入力軸回転センサ
4 車速センサ
5 アクセルセンサ
10 無段変速機
11 エンジン

Claims (8)

  1. 車速とアクセル操作量を含む車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記車速とアクセル操作量に応じた変速比を決定する変速比決定手段と、
    前記決定された変速比に基づいて無段変速機の変速比を制御する制御手段とを備えた無段変速機の変速制御装置において、
    加速要求の大きさを判定する加速要求判定手段と、
    前記加速要求の大きさに基づいてダウンシフトの変速特性とアップシフトの変速特性をそれぞれ決定する加速用変速特性決定手段と、
    前記加速要求が予め設定した基準値よりも大きいときには、前記ダウンシフト変速特性に基づいて前記変速比決定手段で決まる目標変速比よりも抑制されたダウンシフト目標変速比へダウンシフトを行った後、前記アップシフト変速特性に基づくアップシフト目標変速比によりアップシフトを行う加速制御手段と、
    前記加速制御手段によるダウンシフト後に加速状態を判定する加速状態判定手段と、
    この加速状態が予め設定した値以下の場合には、前記加速状態に基づいて選択されたアップシフト変速特性に対して、前記アップシフトの目標変速比を加速状態に応じた補正値によってダウンシフト側へ補正するアップシフト目標変速比補正手段と、
    を備え
    前記加速制御手段は、加速要求毎に設定され、加速状態に応じて徐々に変化する値であるアップシフト量初期値から、加速状態の増加に応じて徐々に減少する補正量を減算した値を、前記加速要求に基づいて選択された変速特性から減算することにより演算されたアップシフト変速特性に基づくアップシフト目標変速比によりアップシフトを行うことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記加速状態判定手段は、エンジンの出力トルクを検出または推定して駆動力を算出する駆動力演算手段と、算出された駆動力と予め設定された走行抵抗から現在の駆動力で実現可能な車速を先読み車速として演算する先読み車速演算手段と、この先読み車速と現在の車速の差により判定することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記アップシフト目標変速比補正手段は、前記先読み車速と現在の車速の差が大きいほどアップシフト目標変速比をダウンシフト側へ補正することを特徴とする請求項2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 前記加速用変速特性決定手段は、加速要求の大きさに応じて予め設定された複数のダウンシフト変速特性から一つを選択するとともに、加速要求の大きさに応じて予め設定された複数のアップシフト変速特性から一つを選択することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載の無段変速機の変速制御装置。
  5. 前記アップシフト変速特性は、ダウンシフト後の変速比から車速の増大に応じて変速比の小側へ変速する変速量を設定したことを特徴とする請求項4に記載の無段変速機の変速制御装置。
  6. 前記アップシフト変速特性は、加速要求が大きいほど車速の増大に応じて変速比の小側へ変速する変速量を小さく設定したことを特徴とする請求項5に記載の無段変速機の変速制御装置。
  7. 前記加速要求判定手段は、アクセル操作量に基づいてアクセル操作速度を検出し、このアクセル操作速度とアクセル操作量に基づいて加速要求の大きさを判定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の無段変速機の変速制御装置。
  8. 前記加速制御手段は、前記加速要求を比較する基準値を車速とアクセル操作量に応じて変更することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の無段変速機の変速制御装置。
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