JP3477954B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3477954B2
JP3477954B2 JP30000795A JP30000795A JP3477954B2 JP 3477954 B2 JP3477954 B2 JP 3477954B2 JP 30000795 A JP30000795 A JP 30000795A JP 30000795 A JP30000795 A JP 30000795A JP 3477954 B2 JP3477954 B2 JP 3477954B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
無段変速機の変速制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車などの車両に用いられる
無段変速機としては、Vベルト式やトロイダル式(摩擦
車式)などが知られており、このような無段変速機の変
速制御装置では、エンジンのスロットル開度(またはア
クセル開度、以下同様)と、車速に基づいて無段変速機
に入力される回転数の目標値を設定し、この目標回転数
に応じた変速比となるように連続的に制御しており、例
えば、特開平6−81934号公報に開示されるものが
知られている。
【0003】これは、図14に示すように、車速VSP
とスロットル開度TVOから所定の変速マップに基づい
て無段変速機17の目標入力回転数Npを演算する目標
入力回転数演算部14と、車両の重量勾配抵抗Rw、ス
ロットル開度TVO及びスロットル開度の変化率dTV
Oから予め設定したマップに基づいて補正量CNpを演
算する補正量演算手段91と、目標入力回転数Npに補
正量CNpを加算して補正目標入力回転数Npcを演算
する制御量演算手段92と、この制御量演算手段92の
補正目標入力回転数Npcに応じた変速比RTOを無段
変速機17へ指令するコントローラ93から構成されて
いる。
【0004】車両の重量勾配抵抗Rw、スロットル開度
TVO及びスロットル開度の変化率dTVOに基づい
て、車速VSPとスロットル開度TVOから求めた無段
変速機17の目標入力回転数Npを補正して、急加速時
や登坂走行時等での駆動力を確保しようとするものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の変速制御装置においては、図6の破線で示すよう
に、時間Aでスロットル開度TVOが増大して運転者が
加速を開始すると、目標入力回転数Npは、加速開始と
同時に補正量CNpが加算されるため、補正目標入力回
転数Npcは急激に増大する。そして、無段変速機17
の変速比も時間Aから急激に増大して時間Bまでに変速
がほぼ終了するが、加速開始から時間Bまでの間では、
エンジントルクは目標入力回転数の急増に呼応して無段
変速機17の入力軸の回転上昇のために消費されてしま
い、したがって、変速が終了する時間Bまでは車両はほ
とんど加速せず、アクセルペダルを踏み込んでから実際
に車両の加速が開始されるまでに応答遅れが発生して、
運転者に違和感を与えるのに加え、変速終了後の時間B
からは急激に駆動トルクが増大して車両の加速が開始さ
れるため、運転者に不快感を与えて運転性を低下させる
という問題点があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、急加速時などでの無段変速機の応答遅れを
抑制して、違和感や不快感を与える事なく運転者の運転
操作に応じた加速を行うことが可能な無段変速機の変速
制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、無段変速
機50の変速比を変更する変速比変更手段51と、アク
セルペダルの開度TVOを検出する開度検出手段53
と、車両の速度VSPを検出する車速検出手段54と、
前記車速VSPとアクセルペダルの開度TVOに応じて
無段変速機50の入力軸の目標入力回転数Npを演算す
る目標入力回転数演算手段55と、前記入力軸回転数が
目標入力回転数Npに一致するように前記変速比変更手
段51を制御する変速制御手段52とを備えた無段変速
機の変速制御装置において、前記アクセルペダルの開度
TVOの変化率dTVOを演算する開速度演算手段56
と、アクセルペダルの開度TVOが増大したときから所
定時間Tまでは前記目標入力回転数Npより緩やかに増
大させる一方、所定時間T以上では急増するように補正
目標入力回転数Npcを演算する補正手段とを備え、前記
変速制御手段52は、補正手段57からの補正目標入力
回転数Npcに応じて変速比変更手段51を制御する。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、図15に示すように、前記補正手段57は、前記
アクセルペダルの開度TVOが増大したときに、開度の
変化率dTVOに応じて前記目標入力回転数Npの変化
率を変更した補正目標入力回転数Npcを演算する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、図15に示すように、前記補正手段57は、前記
アクセルペダルの開度TVOが増大を開始したときから
の時間を計測するタイマ58と、このタイマ58の計測
時間とアクセルペダルの開度の変化率dTVOに応じて
目標入力回転数Npの変化率を変更した補正目標入力回
転数Npcを演算する。
【0010】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、図16に示すように、前記補正手段57は、前記
アクセルペダルの開度が増大を開始したときからの時間
を計測するタイマ58と、このタイマ58の計測時間が
所定値以下であるか否かを判定する加速経過時間判定手
段59と、アクセルペダルの開度の変化率dTVOに応
じた第1の補正量と、同じくアクセルペダルの開度の変
化率に応じてこの第1補正量より大きな第2補正量をそ
れぞれ演算する補正量演算手段60と、前記判定結果が
所定値以下の場合には前記第1補正量を目標入力回転数
Npに加算する一方、そうでない場合には前記第2補正
量を加算して補正目標入力回転数Npcを演算する補正目
標入力回転数演算手段61とを備える。
【0011】また、第5の発明は、前記第4の発明にお
いて、前記補正量演算手段60は、第1補正量を負の値
で演算する一方、第2補正量を正の値で演算する。
【0012】また、第6の発明は、前記第1の発明にお
いて、図16に示すように、前記補正手段57は、前記
アクセルペダルの開度が増大を開始したときからの時間
を計測するタイマ58と、このタイマ58の計測時間が
所定値以下であるか否かを判定する加速経過時間判定手
段59と、アクセルペダルの開度の変化率dTVOに応
じた第1の補正比率と、同じくアクセルペダルの開度の
変化率dTVOに応じてこの第1補正比率より大きな第
2補正比率をそれぞれ演算する補正量演算手段60と、
前記判定結果が所定値以下の場合には前記第1補正比率
を目標入力回転数Npに乗算する一方、そうでない場合
には前記第2補正比率を乗算して補正目標入力回転数N
pcを演算する補正目標入力回転数演算手段61とを備え
る。
【0013】また、第7の発明は、前記第4ないし第6
の発明のいずれかひとつにおいて、図16に示すよう
に、前記補正目標入力回転数演算手段は、前記車速VS
Pと開度TVOに応じた目標入力回転数演算手段55か
らの目標入力回転数Npまで補正目標入力回転数Npcを
増大させる。
【0014】また、第8の発明は、前記第2ないし第7
の発明のいずれかひとつにおいて、前記補正手段は、図
17に示すように、前記アクセルペダルの開度の変化率
dTVOが所定値以下であるか否かを判定する加速終了
判定手段62と、前記判定結果が所定値以下の場合には
補正を終了する補正終了手段63とを備える。
【0015】また、第9の発明は、前記第8の発明にお
いて、前記補正終了手段63は、図17に示すように、
前記補正終了時の補正目標入力回転数Npcを、前記目標
入力回転数演算手段55からの目標入力回転数へ向けて
連続的に変化させる切換手段64を備える。
【0016】
【作用】したがって、第1の発明は、アクセルペダルの
開度TVOが増大したときから所定時間Tまでは前記目
標入力回転数Npより緩やかに増大させる一方、所定時
間T以上では急増するように補正目標入力回転数Npcを
演算する補正手段とを備えることで、無段変速機の入力
軸回転数を所定時間Tまでは目標入力回転数Npより緩
やかに上昇して車速VSPをまず増大させた後、補正目
標入力回転数Npcを急増させる。したがって、一旦、車
両を加速させた後に補正目標入力回転数Npcを急増させ
ることにより、入力軸回転数の増大に奪われるエンジン
トルクを低減して、運転操作に同期した加速状態を得な
がら、目標の変速比へ向けてダウンシフトすることがで
き、さらに前記従来例のように、変速終了後に駆動トル
クが過大に増大して運転者へショックを与えるようなこ
とがなくなって、違和感や不快感を防止することがで
き、無段変速機を備えた車両の加速性能及び乗心地を大
幅に向上させることができる。
【0017】また、第2の発明は、アクセルペダルの開
度TVOが増大する加速状態のときに、開度の変化率d
TVOに応じた速度で、目標入力回転数Npへ向けて変
速比が変更されるため、無段変速機の入力軸回転数の急
激な増大を防いで、アクセルペダルの操作に応じて車両
を加速することができる一方、その他の運転状態、例え
ば、定速又は減速走行では、アクセルペダルの開度TV
Oと車速VSPに応じて目標入力回転数Npに基づく変
速比が設定され、円滑に走行を行うことができる。
【0018】また、第3の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、加速を開始してからの時間とアクセル
ペダルの開度の変化率dTVOに応じて変化する補正目
標入力回転数Npcによって補正され、例えば、アクセル
ペダルを踏み込んで加速する場合などでは、加速開始直
後の変速比の変化する速度は小さく、それ以降の変化速
度を大きくし、同時にこれら変化速度をアクセルペダル
開度の変化率dTVOに応じた速度に設定することによ
り、加速開始直後では、補正目標入力回転数Npcを緩や
かに増大して、エンジントルクを車両の加速に利用し、
車速VSPがある程度増大した後には目標入力回転数N
pへ向けて変速比の変更速度を増大できるため、急激な
入力回転数の増大による応答性の低下を防いで、アクセ
ルペダルの操作に応じて確実に車両を加速することがで
きる。
【0019】また、第4の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、加速を開始してからの時間とアクセル
ペダルの開度の変化率dTVOに応じて変化する補正目
標入力回転数Npcによって補正され、所定時間以下の加
速初期では、第1補正量によって変速比の変化する速度
は小さく、所定時間を越えると第2補正量によって変化
速度を大きくし、同時にこれら変化速度をアクセルペダ
ル開度の変化率dTVOに応じた速度に設定することに
より、加速開始直後では、補正目標入力回転数Npcを第
1補正量に応じて緩やかに増大して、エンジントルクを
車両の加速に利用し、車速VSPがある程度増大した所
定時間後には、より大きな第2補正量によって目標入力
回転数Npへ向けて変速比の変更速度を増大できるた
め、急激な入力回転数の増大による応答遅れを防いで、
アクセルペダルの操作に応じて確実に車両を加速するこ
とができる。
【0020】また、第5の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、所定時間以下の加速初期では、第1補
正量が目標入力回転数Npから減算されて補正目標入力
回転数Npcは小さくなり、変速比の変化する速度は小さ
いため、急激な入力軸回転数の増大を防いでエンジント
ルクを車両の加速に利用する一方、車速VSPがある程
度増大した所定時間後には、目標入力回転数Npにより
大きな第2補正量を加算することで、変速比の変更速度
を増大できるため、加速要求に応じたダウンシフトを迅
速に行うことができる。
【0021】また、第6の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、所定時間以下の加速初期では、第1補
正比率によって補正目標入力回転数Npcは小さくなり、
変速比の変化する速度は小さいため、急激な入力軸回転
数の増大を防いでエンジントルクを車両の加速に利用で
きる一方、車速VSPがある程度増大した所定時間後に
は、より大きな第2補正比率を乗算することで補正目標
入力回転数Npcを増大し、変速比の変更速度を増大でき
るため、加速要求に応じたダウンシフトを迅速に行うこ
とができる。
【0022】また、第7の発明は、補正目標入力回転数
演算手段は、車速VSPと開度TVOに応じた目標入力
回転数演算手段からの目標入力回転数Npまで補正目標
入力回転数Npcを増大させるため、所定時間経過後には
運転状態に応じた目標入力回転数Npへダウンシフトす
ることができる。
【0023】また、第8の発明は、アクセルペダルの開
度の変化率dTVOが所定値以下、例えば、負の値にな
ると、アクセルペダルが戻されて運転者の加速要求が終
了したと判断でき、アクセルペダルの開度の変化率dT
VOに応じた補正を終了して、車速VSPと開度TVO
に応じた目標入力回転数Npによる変速比へ復帰するこ
とができる。
【0024】また、第9の発明は、アクセルペダルが戻
されて補正が終了すると、このときの補正目標入力回転
数Npcを、車速VSPと開度TVOに応じた目標入力回
転数Npへ向けて連続的に変化させることができ、補正
終了時の変速の切換を円滑に行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0026】図1に示すように、無段変速機17はコン
トローラ16に制御される図示しない変速比変更手段に
よって、車両の運転状態に応じた所定の変速比に設定さ
れるもので、無段変速機17は、例えば、Vベルト式や
トロイダル式などで構成される。
【0027】この無段変速機17を制御する変速制御装
置は、車速VSPを検出する車速センサ11と、スロッ
トル開度センサ12からのスロットル開度TVOを入力
として、予め設定した変速マップに基づいて無段変速機
17の目標入力回転数Npを演算する目標入力回転数演
算部14と、スロットル開度TVOを微分することで、
アクセルペダルの開度の変化率であるスロットル開速度
dTVOを演算する演算装置13と、このスロットル開
度の変化率dTVOとスロットル開度TVOとから後述
するように、目標入力回転数Npを補正して補正目標入
力回転数Npcをコントローラ16へ出力する補正量演算
装置15と、補正目標入力回転数Npcから無段変速機1
7の目標変速比RTOを演算して上記変速比変更手段を
駆動するコントローラ16から構成される。
【0028】上記変速制御装置はマイクロプロセッサ等
を主体に構成されており、車速VSPやスロットル開度
TVO等から車両の運転状態を検出して、運転状態に応
じた補正目標入力回転数Npcを演算すると共に、アクチ
ュエータなどから構成された変速比変更手段へ、無段変
速機17の入力軸回転数が補正目標入力回転数Npcに一
致するように目標変速比RTOを指令し、図示しない出
力軸と結合した駆動軸へエンジンからの駆動力を所定の
変速比で伝達する。
【0029】このような変速制御装置で行われる制御の
一例を、図2、図3のフローチャートに示し、これらフ
ローチャートを参照しながら制御内容について詳述す
る。
【0030】図2は、所定時間毎に実行される変速制御
のメインルーチンを示し、図3は、スロットル開度TV
Oの変化率dTVOに応じて補正を行うサブルーチンを
示す。
【0031】図2のメインルーチンでは、まず、ステッ
プS1で上記したような各センサ等から車両の運転状態
を読み込み、ステップS2では、ステップS1で読み込
んだスロットル開度TVO及び車速VSPに基づいて、
予め設定した変速マップから無段変速機17の入力軸回
転数の目標値である目標入力回転数Npを演算する。こ
の演算に用いるマップは、例えば、スロットル開度TV
Oをパラメータとして、車速VSPに応じた目標入力回
転数Npを予め設定したもので、変速制御装置の図示し
ないROM等の記憶手段に格納されている。
【0032】ステップS3では、後述するステップS1
00以降で、スロットル開度TVOの変化率であるスロ
ットル開速度dTVOに応じて、加速時等の目標入力回
転数Npを補正し、制御目標値である補正目標入力回転
数Npcを演算する。
【0033】そして、ステップS4では、スロットル開
速度dTVOに応じた補正後の補正目標入力回転数Npc
に、無段変速機17の入力軸回転数が一致するように目
標変速比RTOを演算して、ステップS5で、無段変速
機17の変速比変更手段へ制御信号を出力して、無段変
速機17の変速比を所定の値に制御する。
【0034】図3のフローチャートは、上記ステップS
3で行われるスロットル開速度dTVOに応じた加速時
の補正制御の詳細を示し、まず、ステップS100で
は、スロットル開度TVOを微分することにより、変化
率であるスロットル開速度dTVOを求める。
【0035】次に、ステップS101では、スロットル
開速度dTVOが0より大きいか、すなわち、アクセル
ペダルが踏み込まれて、運転者が加速ないし駆動力の増
大を要求したか否かを判定し、アクセルペダルが踏み込
まれてスロットル開速度dTVOが0より大きい場合に
は、ステップS102へ進んで、加速時の補正制御中を
示す制御フラグFをONにセットする。
【0036】一方、アクセルペダルが踏み込まれていな
いスロットル開速度dTVOが0以下の場合には、ステ
ップS103へ進んで、スロットル開速度dTVOが負
の所定値α未満であるか否かを判定することにより、ア
クセルペダルが戻されて加速状態が終了したか否かを判
定し、スロットル開速度dTVOがα未満であれば、加
速状態が終了したと判定して、ステップS105で、制
御フラグF及びタイマtのリセットして補正制御処理を
終了する。なお、この所定値αは、例えば、−0.5/
8等に設定される。
【0037】加速状態と判定されてステップS102で
制御フラグFがセットされると、ステップS104で、
タイマtがリセット状態(=0)であるか判定され、リ
セットされていれば、ステップS106でタイマtのカ
ウント(インクリメント)が開始される。
【0038】次に、ステップS107で制御フラグFが
ONであるか否かを判定して、補正制御中であることを
確認する。なお、ステップS105で制御フラグFをリ
セットした場合には、ステップS107の判定により補
正制御処理は終了し、上記図1のフローチャートへ復帰
する。
【0039】補正制御は、タイマtの大きさに応じて制
御内容が後述するように変化するため、ステップS10
8では、タイマtの値が所定時間T未満であるか否かを
判定して、タイマtが所定時間T未満の場合にはステッ
プS109へ進む一方、所定時間Tを経過後であればス
テップS110へ進む。
【0040】なお、この所定時間Tは、例えば、アクセ
ルペダルが踏み込まれて加速が開始され、車速VSPが
所定値だけ増大するのに要する時間として設定される。
【0041】タイマtが所定時間T未満の場合には、ス
テップS109で、補正量CNpを正の補正量CNp1
として演算する一方、タイマtが所定時間T以上の場合
には、ステップS110で、補正量CNpを負の補正量
CNp2として演算し、これら演算は、スロットル開速
度dTVOに応じて次のように行う。
【0042】 CNp1=α1×dTVO−β1 …(1) CNp2=α2×dTVO−β2 …(2) なお、α1、2及びβ1、2は所定の定数である。
【0043】上記補正量CNp1、CNp2は図4のグラ
フに示すように、スロットル開速度dTVOの増大に比
例してそれぞれ絶対値が増大し、補正量CNpは、タイ
マtが所定時間T未満では正、所定時間T以上では負の
値となる。
【0044】こうして、タイマtの大きさに応じて、ス
ロットル開速度dTVOに比例した正または負の値とし
て補正量CNpを求めた後、ステップS111で、上記
ステップS2で求めた目標入力回転数Npから上記補正
量CNpを減算して、補正目標入力回転数Npcを演算す
る。
【0045】Npc=Np−CNp …(3) したがって、タイマtが所定時間T未満の間は、目標入
力回転数Npから補正量CNp1が減算される一方、タ
イマtが所定時間T以上になると、目標入力回転数Np
に補正量CNp2が加算され(負値の減算)、補正目標
入力回転数Npcは図5のグラフに示すように、アクセル
ペダルを踏み込んで加速を開始した時間Aから、タイマ
tが所定時間Tとなるまでの間は、補正目標入力回転数
Npcを所定の変速マップから求めた目標入力回転数Np
より補正量CNp1だけ小さく設定する一方、タイマt
が所定時間T以上になると、補正目標入力回転数Npcを
所定の変速マップから求めた目標入力回転数Npより補
正量CNp2だけ大きく設定するのである。
【0046】ここで、アクセルペダルを踏み込んでいる
にも拘わらず、補正目標入力回転数Npcが低下するのを
防止するため、ステップS112では、補正目標入力回
転数Npcの前回値(i−1)と現在値(i)を比較し
て、補正量CNp1の増大によって現在値(i)の方が
小さくなるような場合には、ステップS113で前回値
(i−1)を現在値(i)として代用する。
【0047】次に、ステップS114では、上記のよう
に補正された補正目標入力回転数Npcが、エンジン回転
数の上限または下限を越えないように修正し、例えば、
補正目標入力回転数Npcがエンジンの許容最大回転数以
上の場合には、Npcを許容最大回転数に設定する一方、
補正目標入力回転数Npcがアイドリング回転数未満とな
った場合には、Npcをアイドリング回転数に設定する。
【0048】以上のように、ステップS100〜S11
4の処理を行うことにより、タイマtが所定時間T未満
の加速初期では、スロットル開速度dTVOの大きさに
応じて、目標入力回転数Npの増大が抑制され、図5の
グラフに示すように、変速マップに応じた目標入力回転
数Npは、前記従来例と同様に、スロットル開度TVO
の増大に応じて急増するのに対し、補正目標入力回転数
Npcはスロットル開速度dTVOの大きさに応じて抑制
され、緩やかに上昇する。
【0049】したがって、図6に示すように、スロット
ル開度TVOに応じて増大したエンジントルクにって車
速VSPを速やかに増大させることができ、アクセルペ
ダルを踏み込んだ時間Aから車速VSPの増大を行うこ
とが可能となって、運転者の意図に応じた加速ないし駆
動力の増大を実現でき、前記従来例のような応答遅れを
抑制して、無段変速機を備えた車両の運転性を大幅に向
上させることがきるのである。
【0050】そして、加速を開始した時間Aから所定時
間Tを経過すると、補正量CNpは、負の補正量CNp
2に変更され、加速初期とは逆に、補正目標入力回転数
Npcは目標入力回転数Npよりも補正量CNp2だけ増
大する。
【0051】無段変速機17の入力軸回転数は、所定時
間Tまでは緩やかに上昇して車速VSPをまず増大させ
た後、補正目標入力回転数Npcを変速マップに応じた目
標入力回転数Npより大きく設定することで、運転者の
意図する加速に必要な変速比(ダウンシフト)を得るこ
とができ、前記従来例のように目標入力回転数Npを急
増させたことにより、エンジントルクが入力軸回転数の
増大に消費されるのに対し、一旦、車両を加速させた後
に補正目標入力回転数Npcを急増させることにより、入
力軸回転数の増大に奪われるエンジントルクを低減し
て、運転操作に同期した加速状態を得ながら、目標の変
速比へ向けてダウンシフトすることができ、さらに前記
従来例のように、変速終了後に駆動トルクが過大に増大
して運転者へショックを与えるようなことがなくなっ
て、違和感や不快感を防止することができ、無段変速機
17を備えた車両の加速性能及び乗心地を大幅に向上さ
せることができるのである。
【0052】なお、上記実施形態において、補正量CN
pの演算を一次関数としたが、これに限定されることは
なく、単調増加(または減少)関数で代用しても同様で
ある。
【0053】図7は、第2の実施形態を示し、前記第1
実施形態の(1)、(2)式における補正量CNp1
CNp2を、目標入力回転数Npに対する比率(%)と
したもので、補正量CNp1、CNp2はそれぞれ次式よ
り演算される。
【0054】 CNp1=α1×dTVO+β1 …(1)’ CNp2=α2×dTVO+β2 …(2)’ そして、ステップS111の補正目標入力回転数Npcは
次式のようになる。
【0055】Npc=Np/CNp …(3)’ 目標入力回転数Npの補正量CNpをスロットル開速度
dTVOの大きさに応じた比率としたため、要求駆動力
の小さい低スロットル開度の場合には補正量CNpを小
さく、要求駆動力の大きい高スロットル開度の場合には
補正量CNpを大きくできるので、要求駆動力に応じた
補正目標入力回転数Npcを得ることができる。
【0056】図8は第3の実施形態を示すフローチャー
トで、前記第1実施形態の図3に示したフローチャート
のステップS105で行われる、補正終了処理を示すも
ので、加速開始時の補正制御内容は、前記第1実施形態
と同様である。
【0057】前記第1実施形態では、補正制御の終了と
同時に補正量CNp2だけ増大した補正目標入力回転数
Npcから、変速マップに応じた目標入力回転数Npへ直
接切り換えられるのに対し、本実施形態では、補正制御
の終了時の補正目標入力回転数Npcから変速マップに応
じた目標入力回転数Npへの切り換えを、連続的に行う
ようにしたものである。
【0058】この補正制御終了処理は、上記ステップS
105に変わってステップS200以降の処理が行わ
れ、まず、ステップS200では補正制御を終了するた
め、制御フラグF及びタイマtをリセットしてから、ス
テップS201で、目標入力回転数Npの補正量CNp
を、補正目標入力回転数Npcから目標入力回転数Npま
で連続的に接続する所定時間Teで除した減少値Sの演
算を行う。
【0059】ステップS202でタイマtのカウントを
開始して、ステップS203でタイマtが所定の接続時
間Teになるまで、ステップS204〜206を実行す
る。
【0060】ステップS204では、補正量CNpから
上記減少値Sを減算した値を新たな補正量CNpとし、
ステップS205ではこの補正量CNpに目標入力回転
数Npを加算することで、補正目標入力回転数Npcを徐
々に減少させ、ステップS206では、タイマtのイン
クリメントを行う。
【0061】こうして、加速が終了して補正制御が終了
すると、図9の破線で示すように、補正量CNp2だけ
目標入力回転数Npより増大した補正目標入力回転数N
pcは、所定の減少値Sづつ減少して時間Te後には変速
マップに応じた目標入力回転数Npとなって、補正制御
によって目標入力回転数Npよりも大きく設定された補
正目標入力回転数Npcから目標入力回転数Npへの切り
換えを、連続的に行うことが可能となって補正制御終了
時の変速ショックを防いで無段変速機を備えた車両の乗
心地をさらに向上させることができるのである。
【0062】図10〜図12は第4の実施形態を示し、
前記第1実施形態の補正量CNpを、スロットル開速度
dTVOに応じた目標入力回転数Npの変化量dNpに
変更したもので、図10にこの補正制御の内容を示し、
このフローチャートは、図3のフローチャートに示した
ステップS109〜S113を、それぞれステップS1
09AからステップS113Aに変更したもので、その
他の構成は上記実施形態と同様であり、同一のものに同
一の図番を付して重複説明を省略する。
【0063】上記と同様に、タイマtが所定時間T未満
の場合には、ステップS109Aで、変化量dNpをス
ロットル開速度dTVOに応じた第1の変化量dNp1
として演算する一方、タイマtが所定時間T以上の場合
には、ステップS110Aで、同じくスロットル開速度
dTVOに応じて、かつ、第1の変化量dNp1より大
きい変化量dNpを第2の変化量dNp2として演算
し、これら演算は次のように行う。
【0064】 dNp1=α1×dTVO+β1 …(4) dNp2=α2×dTVO+β2 …(5) なお、α1、2及びβ1、2は所定の定数で、α2>α
1、β2>β1である。
【0065】上記変化量dNp1、dNp2は図11のグ
ラフに示すように、スロットル開速度dTVOの増大に
比例してそれぞれ増大し、タイマtが所定時間T未満の
変化量dNp1よりも、所定時間T以上での変化量dN
2の方が大きく設定される。
【0066】こうして、タイマtの大きさに応じて、ス
ロットル開速度dTVOに比例した第1または第2の変
化量dNpを求めた後、ステップS111Aで、前回の
目標入力回転数Npに上記変化量dNpを加算して、補
正目標入力回転数Npcを演算する。
【0067】Npc=Np+dNp …(6) したがって、タイマtが所定時間T未満の間は、前回制
御時の目標入力回転数Npに変化量dNp1が加算され
る一方、タイマtが所定時間T以上になると、目標入力
回転数Npにより大きな変化量dNp2が加算され、補
正目標入力回転数Npcは、図12(a)のグラフに示す
ように、アクセルペダルを踏み込んで加速を開始した時
間Aから、タイマtが所定時間Tとなるまでの間は、時
間Aでの目標入力回転数Npに順次第1の変化量dNp
1を加えることで、補正目標入力回転数Npcを所定の変
速マップから求めた目標入力回転数Npより補正量CN
1だけ小さく設定しながら、緩やかに増大させる一
方、タイマtが所定時間T以上になると、補正目標入力
回転数Npcを所定の変速マップから求めた目標入力回転
数Npに向けて、より大きな第2の変化量dNp2によ
り増大させるのである。
【0068】ここで、補正目標入力回転数Npcが目標入
力回転数を越えるのを防止するため、ステップS112
Aでは、補正目標入力回転数Npcが目標入力回転数Np
より大きいか否かを判定し、大きい場合にはステップS
113Aで、変速マップに応じた目標入力回転数Npを
補正目標入力回転数Npcとして代用するのである。
【0069】こうして、スロットル開速度dTVOに応
じた目標入力回転数Npの変化量dNpを、タイマtが
所定時間T未満では小さな変化量dNp1で、補正目標
入力回転数Npcを緩やかに上昇させ、一方、車速VSP
がある程度増大した所定時間T以降では大きな変化量d
Np2によって、スロットル開度TVOに応じた目標入
力回転数Npへ迅速に移行することにより、前記第1実
施形態と同様に、運転者の意図に応じた加速を行って無
段変速機を備えた車両の運転性を向上させることがで
き、特に、変速応答性の高いトロイダル式の無段変速機
等へ適用すれば、応答遅れを確実に防ぎながらも円滑な
変速を行うことが可能となる。
【0070】なお、所定時間Tを境に変化量dNpを変
化させたが、加速開始から変速終了までの時間を、T1
〜Tn等の複数の区間に分割し、各区間毎に設定した変
化量dNp1〜nを順次増大させることにより、より滑ら
かな変速を行うことができる。
【0071】あるいは、図12(b)に示すように、補
正目標入力回転数Npcの演算を、 Npc=tanh (Np) とすることで、加速初期の補正目標入力回転数Npcを小
さく設定しながら、さらに連続的に補正目標入力回転数
Npcを変速マップに応じた目標入力回転数Npへ移行さ
せることが可能となり、変速制御をさらに滑らかに行う
ことが可能となる。
【0072】また、無段変速機17の変速比変更手段と
してステップモータ等のアクチュエータを採用した場合
には、図13に示すように、前記第1実施形態のコント
ローラ16を、補正目標入力回転数Npcに応じて変速比
を演算する変速比演算手段16A、この変速比に応じて
アクチュエータの駆動目標位置を演算する駆動位置演算
手段16B、この駆動目標位置へアクチュエータを駆動
するとともに、アクチュエータの駆動速度を上記変化量
あるいは補正量から変換するモータ駆動装置16Cから
構成してもよい。
【0073】また、上記実施形態において、運転者の加
速意図を、スロットル開度センサ12によって検出した
が、図示はしないが、アクセルペダルの踏力センサや吸
気管路と連通したダイアフラムなどを用いても良い。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、補正
目標入力回転数Npcを所定時間Tまでは目標入力回転数
Npより緩やかに上昇して車速VSPをまず増大させた
後、急増させる。したがって、一旦、車両を加速させた
後に補正目標入力回転数Npcを急増させることにより、
入力軸回転数の増大に奪われるエンジントルクを低減し
て、運転操作に同期した加速状態を得ながら、目標の変
速比へ向けてダウンシフトすることができ、さらに前記
従来例のように、変速終了後に駆動トルクが過大に増大
して運転者へショックを与えるようなことがなくなっ
て、違和感や不快感を防止することができ、無段変速機
を備えた車両の加速性能及び乗心地を大幅に向上させる
ことができる。
【0075】また、第2の発明は、アクセルペダルの開
度TVOが増大する加速状態のときに、開度の変化率d
TVOに応じた速度で、目標入力回転数Npへ向けて変
速比が変更されるため、無段変速機の入力軸回転数の急
激な増大を防いで、アクセルペダルの操作に応じて車両
を加速することができる一方、その他の運転状態、例え
ば、定速又は減速走行では、アクセルペダルの開度TV
Oと車速VSPに応じて目標入力回転数Npに基づく変
速比が設定され、加速時の応答性を確保しながら円滑な
変速を行うことができ、無段変速機を備えた車両の運転
性を大幅に向上させることが可能となる。
【0076】また、第3の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、加速を開始してからの時間とアクセル
ペダルの開度の変化率dTVOに応じて変化する補正目
標入力回転数Npcによって補正され、アクセルペダルを
踏み込んで加速する場合などでは、加速開始直後の変速
比の変化する速度は小さく、それ以降の変化速度を大き
くし、同時にこれら変化速度をアクセルペダル開度の変
化率dTVOに応じた速度に設定することにより、加速
開始直後では、補正目標入力回転数Npcを緩やかに増大
して、エンジントルクを車両の加速に利用し、車速VS
Pがある程度増大した後には目標入力回転数Npへ向け
て変速比の変更速度を増大できるため、急激な入力回転
数の増大による応答性の低下を防いで、アクセルペダル
の操作に応じて確実に車両を加速することができ、無段
変速機を備えた車両の運転性を大幅に向上させることが
可能となる。
【0077】また、第4の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、加速開始直後では、補正目標入力回転
数Npcを第1補正量に応じて緩やかに増大して、エンジ
ントルクを車両の加速に利用し、車速VSPがある程度
増大した所定時間後には、より大きな第2補正量によっ
て目標入力回転数Npへ向けて変速比の変更速度を増大
できるため、急激な入力回転数の増大によって、エンジ
ントルクが無段変速機の入力軸の回転数増大に消費され
るのを低減して、アクセルペダルの操作に応じて確実に
車両を加速した後に、所定の目標入力回転数Npへ向け
てダウンシフトを行うことができ、応答性を確保しなが
ら変速終了後のショックを防いで、無段変速機を備えた
車両の運転性及び乗心地を大幅に向上させることが可能
となる。
【0078】また、第5の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、所定時間以下の加速初期では、第1補
正量が目標入力回転数Npから減算されて補正目標入力
回転数Npcは小さくなり、変速比の変化する速度は小さ
いため、急激な入力軸回転数の増大を防いでエンジント
ルクを車両の加速に利用する一方、車速VSPがある程
度増大した所定時間後には、目標入力回転数Npにより
大きな第2補正量を加算することで、変速比の変更速度
を増大できるため、加速要求に応じたダウンシフトを迅
速に行うことができ、応答性を確保しながら変速終了後
のショックを防いで、無段変速機を備えた車両の運転性
及び乗心地を大幅に向上させることが可能となる。
【0079】また、第6の発明は、加速状態で変速比を
変更する速度は、所定時間以下の加速初期では、第1補
正比率によって補正目標入力回転数Npcは小さくなり、
変速比の変化する速度は小さいため、急激な入力軸回転
数の増大を防いでエンジントルクを車両の加速に利用で
きる一方、車速VSPがある程度増大した所定時間後に
は、より大きな第2補正比率を乗算することで補正目標
入力回転数Npcを増大し、変速比の変更速度を増大でき
るため、加速要求に応じたダウンシフトを迅速に行うこ
とができ、応答性を確保しながら変速終了後のショック
を防いで、無段変速機を備えた車両の運転性及び乗心地
を大幅に向上させることが可能となる。
【0080】また、第7の発明は、補正目標入力回転数
演算手段は、車速VSPと開度TVOに応じた目標入力
回転数演算手段からの目標入力回転数Npまで補正目標
入力回転数Npcを増大させるため、所定時間経過後には
運転状態に応じた目標入力回転数Npへダウンシフトす
ることができ、加速要求に応じたダウンシフトを確実に
行うことができ、応答性を確保しながら変速終了後のシ
ョックを防いで、無段変速機を備えた車両の運転性及び
乗心地を大幅に向上させることが可能となる。
【0081】また、第8の発明は、アクセルペダルの開
度の変化率dTVOが所定値以下、例えば、負の値にな
ると、アクセルペダルが戻されて運転者の加速要求が終
了したと判断でき、アクセルペダルの開度の変化率dT
VOに応じた補正を終了して、車速VSPと開度TVO
に応じた目標入力回転数Npによる変速比へ復帰するこ
とができ、加速状態の補正制御から通常の変速制御へ円
滑に切り換えることができ、無段変速機を備えた車両の
運転性を大幅に向上させることが可能となる。
【0082】また、第9の発明は、アクセルペダルが戻
されて補正が終了すると、このときの補正目標入力回転
数Npcから、車速VSPと開度TVOに応じた目標入力
回転数Npへ向けて連続的に変化させることができ、補
正終了後の変速の切換を円滑に行って、変速制御の切換
を滑らかに行うことが可能となって、無段変速機を備え
た車両の運転性及び乗心地を大幅に向上させることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速制御装置のブロ
ック図。
【図2】変速制御装置で行われる制御のメインルーチン
を示すフローチャート。
【図3】加速時補正制御のサブルーチンを示すフローチ
ャート。
【図4】補正量CNp1、CNp2とスロットル開速度d
TVOの関係を示すグラフ。
【図5】補正目標入力回転数Npc、目標入力回転数Np
及びスロットル開度TVOと時間の関係を示すグラフ。
【図6】同じく、車速VSP、駆動トルク、変速比、目
標入力回転数及びスロットル開度TVOと時間の関係を
示すグラフ。
【図7】第2の実施形態を示し、補正量CNp1、CN
2とスロットル開速度dTVOの関係を示すグラフ。
【図8】第3の実施形態を示し、補正制御終了処理のフ
ローチャート。
【図9】同じく、補正目標入力回転数Npc、目標入力回
転数Np及びスロットル開度TVOと時間の関係を示す
グラフ。
【図10】第4の実施形態を示すフローチャート。
【図11】同じく、変化量dNp1、dNp2とスロット
ル開速度dTVOの関係を示すグラフ。
【図12】同じく、補正目標入力回転数Npc、目標入力
回転数Np及びスロットル開度TVOと時間の関係を示
すグラフで、(a)は変化量dNpを2つに分けた場合
を、(b)は補正目標入力回転数Npcをtanh(Np)で
変化させた場合を示す。
【図13】さらに、他の実施形態を示す変速制御装置の
ブロック図である。
【図14】従来の変速制御装置を示すブロック図であ
る。
【図15】第1ないし第3の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図。
【図16】第4ないし第7の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図。
【図17】第8又は第9の発明に対応するクレーム対応
図。
【符号の説明】
10 エンジン回転センサ 11 車速センサ 12 スロットル開度センサ 13 演算装置 14 目標入力回転数演算装置 15 補正量演算装置 16 コントローラ 17 無段変速機 50 無段変速機 51 変速比変更手段 52 変速制御手段 53 開度検出手段 54 車速検出手段 55 目標入力回転数演算手段 56 開速度演算手段 57 補正手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−81934(JP,A) 特開 平2−180367(JP,A) 特開 昭60−88259(JP,A) 特開 昭59−144849(JP,A) 特開 昭63−125446(JP,A) 特開 昭60−95252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無段変速機の変速比を変更する変速比変更
    手段と、 アクセルペダルの開度を検出する開度検出手段と、 車両の速度を検出する車速検出手段と、 前記車速とアクセルペダルの開度に応じて無段変速機の
    入力軸の目標入力回転数を演算する目標入力回転数演算
    手段と、 前記入力軸回転数が目標入力回転数に一致するように前
    記変速比変更手段を制御する変速制御手段とを備えた無
    段変速機の変速制御装置において、 前記アクセルペダルの開度の変化率を演算する開速度演
    算手段と、アクセルペダルの開度が増大したときから所定時間まで
    は前記目標入力回転数より緩やかに増大させる一方、所
    定時間以上では急増するように補正目標入力回転数を演
    算する補正手段とを備え、 前記変速制御手段は、補正手段からの補正目標入力回転
    数に応じて変速比変更手段を制御することを特徴とする
    無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は、 前記アクセルペダルの開度が増大したときに、開度の変
    化率に応じて前記目標入力回転数の変化率を変更した補
    正目標入力回転数を演算することを特徴とする請求項1
    に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】前記補正手段は、 前記アクセルペダルの開度が増大を開始したときからの
    時間を計測するタイマと、 このタイマの計測時間とアクセルペダルの開度の変化率
    に応じて目標入力回転数の変化率を変更した補正目標入
    力回転数を演算することを特徴とする請求項1に記載の
    無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記補正手段は、 前記アクセルペダルの開度が増大を開始したときからの
    時間を計測するタイマと、 このタイマの計測時間が所定値以下であるか否かを判定
    する加速経過時間判定手段と、 アクセルペダルの開度の変化率に応じた第1の補正量
    と、同じくアクセルペダルの開度の変化率に応じてこの
    第1補正量より大きな第2補正量をそれぞれ演算する補
    正量演算手段と、 前記判定結果が所定値以下の場合には前記第1補正量を
    目標入力回転数に加算する一方、そうでない場合には前
    記第2補正量を加算して補正目標入力回転数を演算する
    補正目標入力回転数演算手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】前記補正量演算手段は、第1補正量を負の
    値で演算する一方、第2補正量を正の値で演算すること
    を特徴とする請求項4に記載の無段変速機の変速制御装
    置。
  6. 【請求項6】前記補正手段は、 前記アクセルペダルの開度が増大を開始したときからの
    時間を計測するタイマと、 このタイマの計測時間が所定値以下であるか否かを判定
    する加速経過時間判定手段と、 アクセルペダルの開度の変化率に応じた第1の補正比率
    と、同じくアクセルペダルの開度の変化率に応じてこの
    第1補正比率より大きな第2補正比率をそれぞれ演算す
    る補正量演算手段と、 前記判定結果が所定値以下の場合には前記第1補正比率
    を目標入力回転数に乗算する一方、そうでない場合には
    前記第2補正比率を乗算して補正目標入力回転数を演算
    する補正目標入力回転数演算手段とを備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】前記補正目標入力回転数演算手段は、前記
    車速と開度に応じた目標入力回転数演算手段からの目標
    入力回転数まで補正目標入力回転数を増大させることを
    特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかひとつに
    記載の無段変速機の変速制御装置。
  8. 【請求項8】前記補正手段は、 前記アクセルペダルの開度の変化率が所定値以下である
    か否かを判定する加速終了判定手段と、 前記判定結果が所定値以下の場合には補正を終了する補
    正終了手段とを備えたことを特徴とする請求項2ないし
    請求項7のいずれかひとつに記載の無段変速機の変速制
    御装置。
  9. 【請求項9】前記補正終了手段は、 前記補正終了時の補正目標入力回転数を、前記目標入力
    回転数演算手段からの目標入力回転数へ向けて連続的に
    変化させる切換手段を備えたことを特徴とする請求項8
    に記載の無段変速機の変速制御装置。
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