JP3853447B2 - トルクコンバータ付き自動変速機を備えた車両のクリープ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジン出力をトルクコンバータを介して変速機に伝えるようにした車両におけるクリープ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータを有する自動変速機を備えた車両にあっては、コントロールレバーつまりセレクトレバーによって前進走行や後退走行などの走行レンジが設定されたときには、アクセルペダルを踏み込まなくとも、車両を微速走行させるように車両にはトルクコンバータを介してクリープトルクが伝達されることになる。
【0003】
したがって、たとえば、乗員がセレクトレバーを前進モードに設定した状態のもとでブレーキペダルを踏み込んで車両を停止させたときにも車輪には前進方向のトルクが伝達されるようになっているので、登坂路から発進する操作が容易となる。また、セレクタレバーが後退モードに設定された状態のもとでも車両には後退方向のトルクが伝達されるようになっているので、車庫入れや幅寄せなどのように車両を後退移動させる操作をブレーキペダルの操作のみでも行うことができるという利点もある。
【0004】
一方、車室内を快適な温度に維持するための自動車用空気調温装置は、冷房サイクルを駆動するためのコンプレッサを有しており、このコンプレッサはエンジンにより駆動されるようになっている。したがって、エンジンがアイドリング状態のときに、コンプレッサを作動させる際には、アイドリングの回転数を上昇させるようにアイドルアップ制御するようにしている。
【0005】
したがって、クリープトルクが車両に作用しているときに、アイドルアップ制御によりアイドリングの回転数が高められると、クリープトルクが上昇することになるので、特開昭61-96248号公報に示される自動変速機にあっては、エアコン用のコンプレッサの作動に連動してアイドリングの回転数が高められるときには、変速比を1速から2速に切り換えて車両には小さいクリープトルクを伝達するように制御している。
【0006】
また、特開平7-19337 号公報には、路面の勾配に応じて車両を停止状態または微速走行状態に設定するための必要トルクと、エンジン回転数に応じた出力トルクと、自動変速機の油温に応じた損失トルクとに基づいて自動変速機のギヤ比を求め、求められたギヤ比に最も近いギヤ比の変速段に制御するようにして、登坂路での停車時やアイドルアップ時などのクリープトルクが過大となるのを防止するようにしたクリープトルク制御装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、限られた数の変速段のうちから最適とされる変速段を選択し、クリープトルクを制御する場合には、変速段の数の範囲内でしか制御できないために、停止あるいは微速走行となるクリープトルクに近似させることができるが、一致させることができず、高い精度でトルク制御を行うことができない。また、急勾配の登坂路では必要とするクリープトルクを大きくしなければならないが、変速段変更によるトルク制御の方法では、絶対的な能力が不足して車両の後退移動に対応することができないという問題点がある。同様に、前述したように、アイドリングの回転数が高められるときに、変速比を1速から2速に切り換えてクリープトルクを小さく設定するように制御する場合にも、限られた変速段での制御しかできないという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、車両の状況に応じて高い精度でクリープ制御を行い得るようにすることにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明のクリープ制御装置は、トルクコンバータを備えた自動変速機におけるクリープ制御装置であって、車速および進行方向を検出する車速検出手段と、エンジンのアイドリング状態を検出するアイドリング検出手段と、自動変速機のセレクトレンジを検出するセレクトレンジ検出手段と、ブレーキの作動を検出するブレーキ検出手段と、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、前記アイドリング検出手段によりエンジンがアイドリング状態となったことを検出し、前記セレクトレンジ検出手段により前記セレクトレンジが走行レンジであることを検出し、かつ前記ブレーキ検出手段がブレーキの不作動を検出したときに、前記セレクトレンジと同方向に所定の目標車速でクリープするような吸入空気量となるように前記吸入空気量制御手段の作動をフィードバック制御するクリープ制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明のクリープ制御装置にあっては、スロットルバルブをバイパスして流れる吸入空気量を制御するISCバルブにより前記吸入空気量制御手段を構成しても良く、電子制御スロットルにより形成しても良い。また、路面の勾配を検出する勾配検出手段により、路面の勾配に応じて前記吸入空気量を前記吸入空気量制御手段にフィードフォワード制御するようにしても良い。さらに、エンジン回転数を検出して前記吸入空気量が所定の上限値を超えないように制御するようにしても良い。そして、前記目標クリープ車速をセレクトレンジ毎に可変にしても良い。
【0013】
本発明にあっては、車両の状況いかんに拘わらず、クリープ車速が一定に制御されるので、運転性や走行性が向上することになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態であるクリープ制御装置の制御回路を示すブロック図である。このクリープ制御装置は、車両の速度と進行方向つまり前進しているか後退しているかを検出する車速検出手段11と、エンジンに供給される混合気の量を制御するスロットルバルブつまり絞り弁の開度がアイドリング開度に設定されたか否かを検出するアイドリング検出手段12とを有し、さらに、車室内に設けられたコントロールレバーつまりセレクトレバーを乗員が操作することによって、パーキング(P)レンジやニュートラル(N)レンジ以外の前進(D)レンジや後退(R)レンジなどのように車両を走行させるレンジのうちのどの走行レンジに設定されているかを検出するセレクトレンジ検出手段13と、フットブレーキとサイドブレーキとの少なくともいずれかが作動状態となっているか否かを検出するブレーキ作動検出手段14とを有している。
【0016】
これらの検出手段11〜14の検出信号は、中央処理装置(CPU)などから構成されるクリープ制御手段15に送られるようになっており、このクリープ制御手段15からの制御信号によって、エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段16の作動が制御されるようになっている。
【0017】
図2は車速検出手段11の一例を示す図であり、車輪の回転に連動して回転する出力軸20には、図2(A)に示すように、第1パルスギヤ21と第2パルスギヤ22との2つのギヤが取り付けられており、これらは図2(B)に示すように、前進方向(矢印F方向)に位相差D1だけずれており、後退方向(矢印R方向)に位相差D2だけずれている。それぞれのパルスギヤ21,22の外方には、これらの外周面に光を照射する発光素子と、外周面からの反射光を受光する受光素子とが組み込まれた第1車速センサ23と第2車速センサ24が配置され、これらの車速センサ23,24はパルスギヤ21,22の回転方向に対して同一の位相となっている。
【0018】
図2(C)はたとえば車両を前進走行させた場合のそれぞれの車速23,24の受光素子により得られた反射光の強度を示すグラフであり、図2(D)は逆に車両を後退走行させた場合の反射光の強度を示すグラフである。反射光の強度の変化が図2(C)に示すような特性となれば、パルスギヤ21,22の前進方向の位相差D1によって両方の車速センサ23,24の反射波形が位相差E1となって現れ、車両は前進走行していると判断される。一方、反射光の強度分布が図2(D)に示すような特性となれば、両方の車速センサ23,24の反射波形が位相差E2となって現れ、車両は後退走行していると判断される。
【0019】
図2(E)はそれぞれの車速センサ23,24からの受光信号により車速と車両が前進か後退かの進行方向を判別する判別回路を示すブロック図であり、一方の車速センサ、たとえば第1の車速センサ23の信号は車速算出部25に送られて、車速センサ23からの信号によって車速が算出される。また、それぞれの車速センサ23,24の信号は位相差検出部26に送られて位相差がE1であるかE2であるかが検出され、その位相差に基づいて、前後進判定部27により車両の進行方向が判定される。
【0020】
図3はアイドルスピードコントロールバルブつまりISCバルブ30を示す図であり、このISCバルブ30は吸入空気量制御手段を構成している。図示するように、インテークマニホールド31に接続される流路32には、絞り弁つまりスロットルバルブ33が回動自在に設けられており、アクセルペダルの踏み込みによってスロットルバルブ33が開かれて、エンジンに供給される空気量が増大する。アクセルベダルが踏み込まれていない状態では、スロットルバルブ33は図示するように流路32を全閉する位置となる。
【0021】
流路32にはスロットルバルブ33の上流側と下流側とをスロットルバルブ33を迂回して連通させるバイパス通路34が形成されている。このバイパス通路34の開度を調整するために弁体35が軸方向に摺動自在となっており、この弁体35にバイパス通路34を閉じる方向のばね力を付勢するばね36が組み付けられ、このばね力に抗して弁体35を開く方向に作動するためにソレノイドコイル37が設けられている。これにより、バイパス流路を流れる空気の量が制御されることになり、スロットルバルブ33が全閉状態となったときにおけるエンジンのアイドリング回転が制御される。
【0022】
スロットルバルブ33にはアクセルペダルが図示しないワイヤなどによって連結されており、アクセルペダルの踏み込みによりスロットルバルブ33が駆動される。アクセルペダルの踏み込みが解除されて、アイドリング状態となったことを検出するために、図3に示すように、スロットルバルブ33にはこれの開度を検出するアイドルスイッチ38が設けられている。したがって、このアイドルスイッチ38によりアクセルペダルの踏み込み量がゼロとなったことを検出することができる。
【0023】
次に、図4および図5に示すフローチャートを参照しつつ、前記クリープ制御装置の作動について説明する。
【0024】
図4に示すステップS1では、車両のフットブレーキとサイドブレーキとの少なくともいずれかが作動されたブレーキ作動状態であるか否かが判断され、ステップS2ではセレクトレバーが走行レンジに設定されているか否かが判断され、ステップS3ではアイドリング状態となっているか否かが判断される。
【0025】
ブレーキ作動状態であるか否かは、フットブレーキとサイドブレーキのそれぞれに設けられたセンサからの信号によって検出される。走行レンジとしてはニュートラルレンジとパーキングレンジ以外の前進走行レンジと後退レンジがあり、これらのレンジが設定されたか否かは、セレクトレバーの位置を検出するセンサからの信号によって検出される。また、エンジンがアイドリング状態となっているか否かは、図3に示すアイドルスイッチ38からの信号により検出される。
【0026】
ステップS1〜S3の処理を経て、フットブレーキとサイドブレーキの何れも作動されておらず、セレクトレバーの操作により走行レンジが設定されており、しかもエンジンがアイドリング状態であることが判断された場合には、ステップS4のクリープ制御が実行され、それ以外の場合にはクリープ制御は実行されない。
【0027】
ステップS4で示すクリープ制御のサブルーチンを示すと図5の通りであり、ステップS5では車速検出手段11からの信号を読み取って車速Vが検出され、ステップS6では車速検出手段11からの信号に基づいてセレクトレバーがDレンジなどの前進走行レンジに設定されているか、あるいは後退レンジつまりRレンジに設定されているか否かが判断される。このステップS6でセレクトレバーが前進レンジに設定されていると判断された場合には、ステップS7が実行されて、ステップS5で読み取られた車速Vの値が前進目標クリープ車速VF と比較される。
【0028】
ステップS7において車速Vが前進目標クリープ車速VF よりも大きいと判断された場合、つまりステップS7でNOと判断された場合には、ステップS8が実行されて吸入空気量制御手段16としてのISCバルブ30に信号が送られてバイパス通路34の開度が小さく設定される。これにより、スロットルバルブ33が全閉状態となったエンジンアイドリング時にバイパス通路34を流れてエンジンに供給される吸入空気量が減少するようにフィードバック制御され、クリープ車速は減速される。
【0029】
一方、ステップS7において車速Vが前進目標クリープ車速VF よりも低いと判断された場合には、ステップS9が実行されて、前述とは逆にバイパス通路34を流れてエンジンに供給される吸入空気量が増加するようにフィードバック制御され、クリープ車速は増速される。
【0030】
ステップS6においてセレクトレバーが後退レンジに設定されていると判断された場合には、ステップS10が実行されて後退方向の車速−Vと後退目標クリープ速度−VR とが比較される。車速−Vが後退目標クリープ速度−VR よりも低い場合には、ステップS11において吸入空気量が減少するようにフィードバック制御される。そして、車速−Vが後退目標クリープ速度−VR よりも高い場合には、ステップS12において吸入空気量が増加するように制御される。
【0031】
したがって、車速の絶対値が目標車速の絶対値よりも小さいときには吸入空気量を増加し、車速の絶対値が目標車速の絶対値よりも大きいときには吸入空気量を減少することにより、車速は目標車速にフィードバック制御される。前述した前進目標クリープ車速VF としては、たとえば、VF =5km/hとなるように設定されており、後退目標クリープ車速VR としては、VR =-5km/hとなるように設定されている。ただし、これらの目標値は任意に設定することができる。
【0032】
このように、車両が走行レンジに設定されエンジンがアイドリング状態のもとで、ブレーキが作動されていないときには、クリープ車速が所定の値に設定されるので、登坂路発進時における車両の後退移動が防止されるとともに、ハンドルを大きな転舵角で操作して車庫入れを行う場合における走行性が向上し、運転性能が向上することになる。
【0033】
前記実施の形態にあっては、これまでに開発されているISCバルブ30を吸入空気量制御手段16としてそのまま使用しており、吸入空気量制御手段16を新たに開発することが不要となり、クリープ制御装置のコストを低減することができる。
【0034】
図6は吸入空気量制御手段16の他の実施の形態を示す図であり、この吸入空気量制御手段は、スロットルバルブ33をスロットルアクチュエータ41によって開閉するようにした電子制御スロットルにより構成されている。この電子制御スロットルにあっては、アクセルペダル42の踏み込み量を検出するアクセル量検出センサ43を有しており、このセンサ43からの信号によってスロットルアクチュエータ41が作動して、スロットルバルブ33の開度が制御されるようになっている。
【0035】
したがって、アクセル量検出センサ43はアクセルペダル42の踏み込みが解除されてアイドリング状態となったことを検出するアイドリング検出手段12を構成し、スロットルアクチュエータ41が吸入空気量制御手段16を構成することになり、アクチュエータ41によるスロットルバルブ33の開度は、アイドリング回転数用の補正量とクリープ補正量とを加えた量となる。このように、電子制御スロットルによりアイドリングの回転数を制御してクリープ車速を制御する場合には、ISCバルブ30よりも広い範囲での吸入空気量制御を行うことができる。
【0036】
本発明の他の実施の形態としては、図1に示すように、路面の勾配を検出する勾配検出手段17をクリープ制御手段15に接続することにより、路面の勾配に対応した車両の勾配を検出し、この検出信号をクリープ制御手段15に送るようにしても良い。
【0037】
図7はこのように勾配検出手段17を用いた場合において、検出された勾配角度と増減させる吸入空気量との関係を示すグラフであり、勾配量に応じて吸入空気の増減量を予め算出することにより、勾配による吸入空気量をフィードフォワード制御することができる。
【0038】
図8はこの実施の形態におけるクリープ制御のサブルーチンを示す図であり、図5に示す場合と共通するステップには同一のステップ符号が付されている。勾配検出手段17からはクリープ制御手段15に検出信号が送られるようになっており、路面の勾配量がステップS20において読み込まれ、ステップS21では読み込まれた勾配量の値に基づいて勾配分の補正量が算出される。
【0039】
このようにして、勾配に対応して車両が傾いている場合には、目標クリープ車速VF,VR となるように吸入空気量の補正値は、勾配によるフィードフォワード補正量と、車速によるフィードバック補正とが合計された値に設定される。したがって、登坂路発進などにおいては、坂道の勾配角度如何に拘わらず、常に一定車速のクリープトルクが発生することになり、ブレーキを解除した状態でも、車両の後退移動が抑制されるので、運転性が向上することになる。また、勾配検出手段17により検出された勾配角度に応じて吸入空気量がフィードフォワード制御されるので、ブレーキを作動させていた状態から離した状態に切り換えられたときに、車速を目標車速に迅速に収束することができ、車両の挙動が改善される。
【0040】
また、他の実施の形態としては、エンジン回転数を検出する手段18を設けるとともに、エンジン回転数の上限値と下限値とを設定する上下限リミッタを付加するようにし、これにより、過度なエンジン回転の上昇による急加速と過度な回転の低下による回転不調を防止するようにしても良く、エンジン回転数検出手段18によりエンジン回転数を検出して、エンジン回転数がアイドリング時のエンジン回転数の上限値を超えたら、吸入空気量の増加を禁止するようにしても良い。
【0041】
下り坂道で車速が目標車速を超えたときには、車速を下げるために吸入空気量を減少するように制御されるが、吸入空気量を減少させ過ぎると、エンジンの燃焼が悪化して運転性が悪化するので、運転性を確保するために、エンジン回転数がアイドリング時のエンジン回転数の下限値を下回った場合は吸入空気量の減少を禁止するようにしても良い。これにより、吸入空気量不足による車両の不安定な運転領域を回避して、安定した運転状態の確保が可能となる。
【0042】
さらに、他の実施の形態としては、目標車速VF,VR をセレクトレンジ毎に設定するようにしても良い。たとえば、1速および後退の走行レンジに比べて、2速発進する走行レンジでは目標車速を低く設定するようにしても良い。これにより、運転者の意図に合ったクリープトルク、クリープ車速を設定することができ、雪道などのように路面の摩擦係数が小さいときに、2速発進する走行レンジが選択された場合には、運転者は小さなクリープトルクでの発進を行うことができる。
【0043】
本発明のクリープ制御装置は、エンジン出力をトルクコンバータを介して変速機に伝えるようにした車両であれば、遊星歯車機構を備えた自動変速機を有する車両に適用することができるとともに、伝動ベルト等を用いた無段変速機を有する車両にも適用することができる。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0046】
車速に応じてエンジンに供給される吸入空気量が制御されてクリープ車速が所定の値に保持されるので、登降坂路での発進、旋回走行、車庫入れや幅寄せを含めて運転性や走行性が改善されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるクリープ制御装置を示すブロック図である。
【図2】(A)は車速検出手段の一例を示す正面図であり、(B)は断面図であり、(C)は前進時の車速センサにより得られる信号波形を示すグラフであり、(D)は後退時の車速センサにより得られる信号波形を示すグラフであり、(E)は車両の進行方向と車速を判別する判別回路を示すブロック図である。
【図3】吸入空気量制御手段としてのISCバルブを示す断面図である。
【図4】本発明のクリープ制御装置における制御手順を示すメインフローチャートである。
【図5】図4におけるクリーブ制御ステップのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】吸入空気量制御手段の他の実施の形態を示す概略図である。
【図7】路面の勾配と吸入空気量との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施の形態におけるクリープ制御ステップのサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 車速検出手段
12 アイドリング検出手段
13 セレクトレンジ検出手段
14 ブレーキ作動検出手段
15 クリープ制御手段
16 吸入空気量制御手段
17 勾配検出手段
21,22 パルスギヤ
23,24 車速センサ
25 車速算出部
26 位相差検出部
27 前後進判定部
31 インテークマニホールド
32 流路
33 スロットルバルブ
34 バイパス通路
35 弁体
36 ばね
37 ソレノイドコイル
38 アイドルスイッチ
Claims (6)
- トルクコンバータを備えた自動変速機におけるクリープ制御装置であって、
車速および進行方向を検出する車速検出手段と、
エンジンのアイドリング状態を検出するアイドリング検出手段と、
自動変速機のセレクトレンジを検出するセレクトレンジ検出手段と、
ブレーキの作動を検出するブレーキ検出手段と、
エンジンの吸入空気量を制御する吸入空気量制御手段と、
前記アイドリング検出手段によりエンジンがアイドリング状態となったことを検出し、前記セレクトレンジ検出手段により前記セレクトレンジが走行レンジであることを検出し、かつ前記ブレーキ検出手段がブレーキの不作動を検出したときに、前記セレクトレンジと同方向に所定の目標車速でクリープするような吸入空気量となるように前記吸入空気量制御手段の作動をフィードバック制御するクリープ制御手段とを有することを特徴とするクリープ制御装置。 - 請求項1記載のクリープ制御装置であって、前記吸入空気量制御手段がスロットルバルブをバイパスして流れる吸入空気量を制御するISCバルブであることを特徴とするクリープ制御装置。
- 請求項1記載のクリープ制御装置であって、前記吸入空気量制御手段が電子制御スロットルであることを特徴とするクリープ制御装置。
- 請求項1から3のいずれか1に記載のクリープ制御装置であって、路面の勾配を検出する勾配検出手段を有し、路面の勾配に応じて前記吸入空気量を前記吸入空気量制御手段にフィードフォワード制御することを特徴とするクリープ制御装置。
- 請求項1から4のいずれか1に記載のクリープ制御装置であって、エンジン回転数検出手段を有し、エンジン回転数が所定の範囲をはずれないように吸入空気量を制御することを特徴とするクリープ制御装置。
- 請求項1から5のいずれか1に記載のクリープ制御装置であって、前記目標車速をセレクトレンジ毎に可変にしたことを特徴とするクリープ制御装置。
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