JP3757126B2 - フォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構に関し、特に、作動油の流量を制御するためのスプール弁の開口量に応じて、作動油の流量制御を行うことができるようにすることにより、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるようにするとともに、微速制御におけるスプール弁のインチィング性能を向上させることができるフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フォークリフトにおいて、リフトを降下させるときの速度の制御は、図4に示すように、作動油がリフト昇降用の油圧シリンダLとタンクT間を接続する油圧回路の途中に、コントロールバルブV2を配設し、このコントロールバルブV2の操作により行うようにしている。
そして、このフォークリフトの油圧回路には、油圧シリンダLとコントロールバルブV2の間に、コントロールバルブV2とは別に固定オリフィス2Aを配設し、最大流量を規制するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のフォークリフトのように、リフトを降下させるときの速度の制御を、油圧シリンダLとコントロールバルブV2の間に配設した固定オリフィス2Aによって最大流量を制御することにより行うようにすると、スプール弁V2の開口量を絞っている場合等には、固定オリフィス2Aによる補償が効かず、特に、負荷圧力(作動油の圧力)によって流量が変化することとなる。
【0004】
これにより、具体的には、リフトに荷重がかかっている場合と無負荷の場合とでは、リフトの降下速度が変化し、リフトにかかっている荷重が大きく、負荷圧力が大きな場合にはリフトの降下速度が速くなり、一方、無負荷時のようにリフトにかかっている荷重が小さく、負荷圧力が小さな場合にはリフトの降下速度が遅くなり、特に、リフトに大きな荷重がかかっている場合のリフトの降下速度の制御が困難になるという問題があった。
【0005】
また、スプール弁V2の開口量を絞っている場合等には、固定オリフィス2Aによる補償が効かないため、微速制御におけるスプール弁のインチィング操作を行いにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、固定オリフィス2Aを用いる上記従来のフォークリフトの油圧回路の有する問題点に鑑み、フォークリフト用コントロールバルブに好適に用いられ、作動油の流量を制御するためのスプール弁の開口量に応じて、作動油の流量制御を行うことができるようにすることにより、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるようにするとともに、微速制御におけるスプール弁のインチィング性能を向上させることができるフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構は、リフト用の油圧シリンダと油圧ポンプ及び油圧タンクとを接続するよう配設した油圧回路を制御するようにしたコントロールバルブ内に、作動油の流量を制御するためのスプール弁を配設するとともに、スプール弁の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁を配設したフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構において、前記スプール弁及び圧力補償弁を平行に配設して、スプール弁の上流側の作動油の圧力が、油路を介して、圧力補償弁の前方の受圧面に、スプール弁の下流側の作動油の圧力が、油路及び圧力補償弁に穿設して形成された油路を介して、ばねにより付勢される圧力補償弁の後方の受圧面にかかるようにし、かつ、油路とタンクポートを接続する圧力補償弁が挿通された油路に、圧力補償弁が移動することによって作動油の流量が増減するように絞り部を形成してなることを特徴とする。
【0008】
このフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構は、リフト用の油圧シリンダと油圧ポンプ及び油圧タンクとを接続するよう配設した油圧回路を制御するようにしたコントロールバルブ内に、作動油の流量を制御するためのスプール弁を配設するとともに、スプール弁の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁を配設したフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構において、前記スプール弁及び圧力補償弁を平行に配設して、スプール弁の上流側の作動油の圧力が、油路を介して、圧力補償弁の前方の受圧面に、スプール弁の下流側の作動油の圧力が、油路及び圧力補償弁に穿設して形成された油路を介して、ばねにより付勢される圧力補償弁の後方の受圧面にかかるようにし、かつ、油路とタンクポートを接続する圧力補償弁が挿通された油路に、圧力補償弁が移動することによって作動油の流量が増減するように絞り部を形成するようにしているので、作動油の流量を制御するためのスプール弁の開口量に応じて、作動油の流量制御を行うことができ、これにより、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるようにするとともに、微速制御におけるスプール弁のインチィング性能を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1及び図2に、本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構を適用したフォークリフト用油圧回路及びコントロールバルブの一実施例を示す。
図1に示すフォークリフト用油圧回路において、Cはフォークリフトのチルト用の油圧シリンダ、Lは同リフト用の油圧シリンダ、Vはこれら両油圧シリンダC、Lを制御するために、両油圧シリンダC、Lと油圧ポンプP及び油圧タンクTとを接続するようにしたフォークリフト用コントロールバルブ、RVはリリーフバルブである。
【0011】
このフォークリフト用コントロールバルブVは、図2に示すように、その筐体1内に、作動油の流量を制御するためのスプール弁V1及びスプール弁V2を配設するとともに、スプール弁V2の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁V2の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁2を配設するようにしている。
【0012】
このうち、リフト用の油圧シリンダLを制御するスプール弁V2は、ポンプポート11と油圧シリンダLに接続されるシリンダポート12間を、油路13、スプール3が嵌挿されたスプール嵌挿孔3a及び油路14により接続するようにし、図2に示すスプール3の中立位置から、スプール3を左側に移動することにより、ポンプPから油圧シリンダLに作動油が供給され、これにより、リフトが上昇することとなる。
【0013】
一方、油圧シリンダLに接続されるシリンダポート12とタンクポート15間を、油路14、スプール3が嵌挿されたスプール嵌挿孔3a及び油路16により接続するようにし、図2に示すスプール3の中立位置から、スプール3を右側に移動することにより、油圧シリンダLからタンクTに作動油が戻され、これにより、リフトが降下することとなる。
【0014】
ところで、固定オリフィス2Aを用いる従来のフォークリフトの油圧回路によれば、リフトに荷重がかかっている場合と無負荷の場合とでは、リフトの降下速度が変化することは、上述のとおりであるが、本実施例のフォークリフト用コントロールバルブVにおいては、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるようにするため、スプール弁V2の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁V2の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁2を配設するようにしている。
【0015】
すなわち、リフトが降下するとき、油圧シリンダL内の作動油は、シリンダポート12、油路14、スプール3が嵌挿されたスプール嵌挿孔3a、油路16、タンクポート15を介して、タンクTに戻される。
【0016】
このとき、スプール弁V2の上流側の作動油の圧力が、油路14aを介して、圧力補償弁2の前方の受圧面21に、一方、スプール弁V2の下流側の作動油の圧力が、油路16及び圧力補償弁2に穿設して形成された油路22、23を介して、圧力補償弁2の後方の受圧面24にかかるようにしている。
なお、圧力補償弁2は、ばね25により前方に付勢されるようにしている。
【0017】
これにより、リフトにかかっている荷重が大きく、負荷圧力が大きな場合には、圧力補償弁2が、図2に示す圧力補償弁2の中立位置から右側に大きく移動することになり、これにより、油路16とタンクポート15を接続する絞り部2aが狭小とされ、作動油の流量が減少してリフトの降下速度が速くなることを防止することができる。
【0018】
一方、無負荷時のようにリフトにかかっている荷重が小さく、負荷圧力が小さな場合には、圧力補償弁2が、図2に示す圧力補償弁2の中立位置から右側に小さく移動することになり、これにより、油路16とタンクポート15を接続する絞り部2aが広くされ、作動油の流量が増加してリフトの降下速度を速くすることができる。
【0019】
このとき、リフトにかかっている荷重の大きさが同じ場合でも、スプール弁V2の開口量に応じて、圧力補償弁2の受圧面21、24にかかる作動油の圧力が変化することとなるため、スプール弁V2の開口量に応じて、作動油の流量を適切な値に制御することができる。
【0020】
これにより、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるとともに、作動油の流量の微調整を行うことができるので、微速制御におけるスプール弁のインチィング性能を向上させることができ、フォークリフトの操作性を著しく向上することができるものとなる。
【0021】
なお、圧力補償弁2の設置位置を、本実施例に示すように、スプール弁V2の下流側に設定することにより、ロードチェック機能が不要となる。
なお、図3に、圧力補償弁2の設置位置を、スプール弁V2の上流側に設定した実施例を示す(なお、本発明は、この構成を排除するものではない。)が、この場合は、ロードチェック機能が必要となる。
【0022】
以上、本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0023】
【発明の効果】
本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構によれば、リフト用の油圧シリンダと油圧ポンプ及び油圧タンクとを接続するよう配設した油圧回路を制御するようにしたコントロールバルブ内に、作動油の流量を制御するためのスプール弁を配設するとともに、スプール弁の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁を配設したフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構において、前記スプール弁及び圧力補償弁を平行に配設して、スプール弁の上流側の作動油の圧力が、油路を介して、圧力補償弁の前方の受圧面に、スプール弁の下流側の作動油の圧力が、油路及び圧力補償弁に穿設して形成された油路を介して、ばねにより付勢される圧力補償弁の後方の受圧面にかかるようにし、かつ、油路とタンクポートを接続する圧力補償弁が挿通された油路に、圧力補償弁が移動することによって作動油の流量が増減するように絞り部を形成するようにしているので、作動油の流量を制御するためのスプール弁の開口量に応じて、作動油の流量制御を行うことができ、これにより、負荷圧力に関係なく作動油の安定した流量制御を行えるようにするとともに、微速制御におけるスプール弁のインチィング性能を向上させることができ、フォークリフトの操作性を著しく向上することができる。
また、スプール弁を配設したコントロールバルブ内に圧力補償弁を組み込むようにし、特に、スプール弁及び圧力補償弁を平行に配設して、スプール弁の上流側の作動油の圧力が、油路を介して、圧力補償弁の前方の受圧面に、スプール弁の下流側の作動油の圧力が、油路及び圧力補償弁に穿設して形成された油路を介して、ばねにより付勢される圧力補償弁の後方の受圧面にかかるようにし、かつ、油路とタンクポートを接続する圧力補償弁が挿通された油路に、圧力補償弁が移動することによって作動油の流量が増減するように絞り部を形成するようにしたため、コントロールバルブを含む油圧回路を小形化及び簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構を適用したフォークリフト用油圧回路の一実施例を示す説明図である。
【図2】 同そのコントロールバルブの一実施例を示す断面図である。
【図3】 本発明のフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構を適用したフォークリフト用油圧回路の変形実施例を示す説明図である。
【図4】 従来のフォークリフト用油圧回路の説明図である。
【符号の説明】
C チルト用の油圧シリンダ
L リフト用の油圧シリンダ
V コントロールバルブ
V1 スプール弁
V1 スプール弁
P ポンプ
T タンク
1 筐体
2 圧力補償弁
3 スプール
Claims (1)
- リフト用の油圧シリンダ(L)と油圧ポンプ(P)及び油圧タンク(T)とを接続するよう配設した油圧回路を制御するようにしたコントロールバルブ(V)内に、作動油の流量を制御するためのスプール弁(V2)を配設するとともに、スプール弁(V2)の上流側と下流側の作動油の圧力がかかるようにして、スプール弁(V2)の開口量に応じて作動油の流量を制御する圧力補償弁(2)を配設したフォークリフト用コントロールバルブ(V)の作動油の流量制御機構において、前記スプール弁(V2)及び圧力補償弁(2)を平行に配設して、スプール弁(V2)の上流側の作動油の圧力が、油路(14a)を介して、圧力補償弁(2)の前方の受圧面(21)に、スプール弁(V2)の下流側の作動油の圧力が、油路(16)及び圧力補償弁(2)に穿設して形成された油路(22、23)を介して、ばね(25)により付勢される圧力補償弁(2)の後方の受圧面(24)にかかるようにし、かつ、油路(16)とタンクポート(15)を接続する圧力補償弁(2)が挿通された油路に、圧力補償弁(2)が移動することによって作動油の流量が増減するように絞り部(2a)を形成してなることを特徴とするフォークリフト用コントロールバルブの作動油の流量制御機構。
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