JP3703308B2 - 油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトなどに用いる油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフトに用いられる油圧制御装置としては、例えば、図3に示すものがある。
図3に示した従来の油圧制御装置は、図示していないリフトおよびチルトシリンダを制御する切換弁1、2を、制御流路3に対してパラレルに接続している。そして、この制御流路3を、コンペンセータバルブ4および供給流路5を介してポンプPに接続している。
【0003】
上記コンペンセータバルブ4は、第1、2パイロット室4a、4bを備えるとともに、第1パイロット室4a側にスプリング4cを設けている。
また、このコンペンセータバルブ4には、余剰流路6を接続するとともに、この余剰流路6にアタッチメント用のアクチュエータを制御する切換弁7を接続している。そして、この余剰流路6も、コンペンセータバルブ4および供給流路5を介してポンプPに接続している。
なお、上記切換弁1、2は、中立位置で閉じて制御流路3を遮断するが、切換弁7は、中立位置で開いて余剰流路6とタンク流路tとを連通する。
【0004】
上記のコンペンセータバルブ4は、その切り換え位置によってポンプPの吐出量のうち、制御流路3側に振り分けられる流量と、余剰流路6側に振り分けられる流量とを決める。そして、このコンペンセータバルブ4の切り換え位置は、第1、2パイロット室4a、4bの圧力作用とスプリング4cのバネ力とのバランスによって決まるが、第1、2パイロット室4a、4bに導かれるパイロット圧については、後で詳しく説明する。
【0005】
上記コンペンセータバルブ4の上流側には、第1パイロット流路8を接続している。この第1パイロット流路8には、流量制御弁9を接続するとともに、その下流に絞り10を設けている。そして、この絞り10の下流側の圧力を流量制御弁9の第1パイロット室9aに導き、上流側の圧力を第2パイロット室9bに導くようにしている。
また、流量制御弁9は、その第1パイロット室9a側にスプリング9cを設けていて、絞り10の前後の差圧を、このスプリング9cのバネ力に相当する圧力に保つことによって、そこを通過する流量を一定に保つ制御機能を発揮する。
なお、図中符号11は、第2パイロット室9bに通じる流路に設けたダンパオリフィスである。
【0006】
上記第1パイロット流路8の絞り10よりも下流側には、パイロット圧設定用のリリーフ弁12を接続している。そして、このリリーフ弁12の上流側から分岐した流路13に第1シャトル弁14を接続し、この第1シャトル弁14にリリーフ弁12で設定されたパイロット圧を導くようにしている。
また、上記第1シャトル弁14には、第2シャトル弁15を接続している。この第2シャトル弁15には、切換弁1に接続した第1負荷圧流路16と、切換弁2に接続した第2負荷圧流路17とを接続している。そして、これら第1、2負荷圧流路16、17によって、切換弁1、2にそれぞれ接続した図示していないリフトおよびチルトシリンダの負荷圧を第2シャトル弁15に導くようにしている。
【0007】
第2シャトル弁15は、第1、2負荷圧流路16、17からの負荷圧のうち、高い方の負荷圧を選択して、その圧力を第1シャトル弁14に導く。
したがって、第1シャトル弁14は、この第2シャトル弁15で選択した圧力と、上記リリーフ弁12で設定した圧力とのうち、高い方の圧力を選択して、その選択した圧力を第1パイロット圧供給流路18を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに導く。
また、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bには、切換弁1、2の上流側の圧力を第2パイロット圧供給流路19を介して導くようにしている。
したがって、コンペンセータバルブ4は、切換弁1、2の上流側の圧力とリリーフ弁12で設定されたパイロット圧とのバランスで動作する場合と、同じく切換弁1、2の上流側の圧力とその下流側の圧力とのバランスで動作する場合とがある。
【0008】
一方、上記リリーフ弁12の上流側に発生したパイロット圧は、流路13から分岐した第2パイロット流路20を介して各切換弁1、2、7のパイロット室1a、2a、7aにパイロット元圧として導かれる。そして、このパイロット元圧を比例電磁式減圧弁1b、2b、7bで制御して、各切換弁1、2、7のスプールに作用させるようにしている。
また、上記切換弁1、2は、その中立位置において、第1、2負荷圧流路16、17をタンクT側に連通させる連通流路21、22をそれぞれ備えている。したがって、切換弁1、2を中立位置に戻せば、第1、2負荷圧流路16、17がタンク圧になる。
【0009】
これら連通流路21、22を設けたのは、コンペンセータバルブ4を正常に制御して、ポンプ圧が異常に高くなったりしないようにするためである。
例えば、切換弁1に接続した図示していないリフトシリンダを所定のストローク位置に保つ場合、この切換弁1を中立位置に保持するが、このように中立位置に保持していても、リフトシリンダのストローク位置を保つ保持圧がこの切換弁1に作用すると、スプールとスリーブとの僅かな隙間を介してその下流側の第1負荷圧流路16に流れ込んでしまう。
このような場合に、もし、切換弁1の連通流路21がないとしたら、第2シャトル弁15および第1シャトル弁14を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aにこの保持圧が供給される。そして、この保持圧が第1パイロット室4aにこもってしまう。このように保持圧が第1パイロット室4aにこもってしまうと、コンペンセータバルブ4を正常に制御できなくなる。そして、コンペンセータバルブ4が図示する左側位置に保たれたまま切換弁1、2を中立位置にすると、ポンプ圧が異常に高くなるという問題があった。
【0010】
そこで、この従来の装置では、切換弁1を中立位置に戻したときに、第1負荷圧流路16を連通流路21にタンクT側に連通して、リフトシリンダの保持圧が第1パイロット室4aにこもらないようにした。したがって、コンペンセータバルブ4を正常に制御することができ、ポンプ圧が異常に高くなったりしない。
なお、図中符号23はメインリリーフ弁、符号24はコンペンセータバルブ4のダンパオリフィスである。
また、符号25は切換弁1、2、7の各パイロット室1a、2a、7a内のパイロット圧を、タンク流路tに排出するための排出流路である。
【0011】
次に、この従来の油圧制御装置の作用を説明する。
切換弁1、2を図示の中立位置に保ってポンプPを駆動すると、切換弁1、2が閉じているため、制御流路3には流れが生じずに、この切換弁1、2の上流側の圧力が第2パイロット圧供給流路19を介してコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに導かれる。
また、コンペンセータバルブ4の上流側に設けた流量制御弁9には、一定流量の圧油が通過し、その下流に設けたリリーフ弁12の上流側に、このリリーフ弁12の設定圧に相当するパイロット圧が発生する。そして、このパイロット圧が流路13を介して第1シャトル弁14に導かれる。
【0012】
一方、この第1シャトル弁14には、切換弁1、2で制御する図示していないリフトおよびチルトシリンダの負荷圧も導かれるようになっているが、このとき切換弁1、2が閉じているので、リフトおよびチルトシリンダの負荷圧は発生しない。したがって、第1シャトル弁14は、上記パイロット圧を高圧選択して、その圧油を第1パイロット圧供給流路18を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに導く。
したがって、コンペンセータバルブ4は、第1パイロット室4aのパイロット圧による作用力およびスプリング4cのバネ力と、第2パイロット室4bのパイロット圧の作用力とがバランスした位置を保つ。
そして、上記のバランスした状態から、ポンプPの吐出圧が上昇すれば、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bの作用力が打ち勝つので、コンペンセータバルブ4が図中右側の位置に切り換わり、ポンプPの吐出油を余剰流路6側に流す。この余剰流路6に導かれた圧油は、切換弁7の中立流路およびタンク流路tを介してタンクTに排出される。
【0013】
上記の状態から切換弁1、2のうちのいずれか一方の切換弁、例えば切換弁1を切り換えたとすると、この切換弁1が、その切り換え量に応じた絞り開度を保つ。そして、この切換弁1による絞りの上流側の圧力がコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに導かれ、下流側の圧力が第2シャトル弁15を経由して第1シャトル弁14に導かれる。
上記の状態から切換弁1に接続した図示していないリフトシリンダの負荷圧がリリーフ弁12の設定圧以上になると、第1シャトル弁14が切り換わり、この負荷圧が第1パイロット室4aに導かれる。したがって、コンペンセータバルブ4が、切換弁1に接続したリフトシリンダに対してロードセンシング機能を発揮する。すなわち、切換弁1の開度によって決まる絞り前後の差圧が、一定になるように制御する。したがって、リフトシリンダには、その負荷変動に係りなく、一定の流量が供給される。
【0014】
なお、制御流路3に供給される制御流量以上の余剰流量は、余剰流路6からアタッチメント用のアクチュエータを制御する切換弁7に供給される。したがって、切換弁7を切り換えれば、余剰流量でアタッチメント用のアクチュエータを動かすことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、切換弁1、2を切り換えたときに、コンペンセータバルブ4の下流側に非常に高いサージ圧が発生し、それによってタンク通路tとタンクTとを接続するホースが抜けたり、切換弁1、2、7に設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが外れたりするという問題があった。これら問題点を以下に詳しく説明する。
【0016】
例えば、切換弁1のみを図中右側の切り換えている状態から、この切換弁1を中立状態に戻すと、連通通路21によって第1負荷圧流路16とタンクT側とが連通する。そのため、第1負荷圧流路16内の圧力がタンク圧となり、この第1負荷圧流路16に連通する第1パイロット室4aの圧力が急激に低下する。
ただし、上記第1負荷圧流路16と第1パイロット室4aとの間には第1、2シャトル弁14、15があり、これら第1、2シャトル弁14、15が完全に切り換われば、第1パイロット室4aにはリリーフ弁12の設定圧で決まるパイロット圧が供給されることになるが、これら第1、2シャトル弁14、15が完全に切り換わる前に、第1パイロット室4aの圧力が急激に低下する。
【0017】
一方、このコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bには、第2パイロット圧供給流路19を介して切換弁1の負荷圧が導かれているので、その両パイロット室4a、4bの圧力差が大きくなる。そのため、このコンペンセータバルブ4は、図中右側の位置に急激に切り換わる。
このようにコンペンセータバルブ4が急激に切り換わると、非常に高いサージ圧が発生する。そして、この高いサージ圧が余剰流路6から切換弁7を介してタンク流路tに伝わる。
【0018】
このタンク流路t側は、通常タンク圧なので、それほど高い圧力が作用することが考慮されてなく、例えば、このタンク流路tとタンクTとを実際に接続するホースなどは、ホースバンドで簡単に固定されているだけである。このようなホースに、上記のような高いサージ圧が何度も作用すると、その度にホースが徐々に抜けていき、最終的にホースが外れてしまうという問題があった。
【0019】
また、サージ圧は、タンク流路tに接続した排出流路25を介して切換弁1、2、7のパイロット室1a、2a、7aにも伝わるが、これらパイロット室1a、2a、7aも、それほど高い圧力に対する構造になっていないので、上記サージ圧による予想以上の高圧が作用すると、これらパイロット室1a、2a、7aに設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが故障したり、これら比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが切換弁1、2、7から外れたりするという問題があった。
【0020】
つまり、この従来の装置では、非常に高いサージ圧が発生するため、タンク流路tなど高い圧力に対してほとんど考慮されていない部分に悪影響を与えるという問題があった。
この発明の目的は、切換弁1、2を切り換えたときに発生するサージ圧を、低く抑えることができる油圧制御装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポンプと、このポンプに接続した供給流路と、この供給流路に接続するとともにその切り換え位置に応じてポンプからの圧油を制御流路側と余剰流路側とに振り分けるコンペンセータバルブと、このコンペンセータバルブの上流側から一定流量を分流する流量制御弁と、この流量制御弁の下流側に接続したパイロット圧設定用のリリーフ弁と、上記制御流路に接続するとともにアクチュエータを制御する切換弁と、上記アクチュエータの負荷圧が導かれる負荷圧流路と、この負荷圧流路で導いた負荷圧と上記リリーフ弁の上流側に発生するパイロット圧とを高圧選択する選択弁と、この選択弁で選択した圧油をコンペンセータバルブの第1パイロット室に導く第1パイロット圧供給流路と、切換弁の上流側の圧力をコンペンセータバルブの第2パイロット室に導く第2パイロット圧供給流路とを備え、上記切換弁は、中立状態で負荷圧流路とタンクとを連通させる構成にした油圧制御装置を前提とする。
【0022】
第1の発明は、上記装置を前提としつつ、コンペンセータバルブの第1パイロット室と供給流路とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、供給流路から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする。
第2の発明は、上記装置を前提としつつ、コンペンセータバルブの第1パイロット室と第2パイロット室とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスと、第2パイロット圧供給流路に設けた第2オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、第2パイロット室から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に示した第1実施例は、第1パイロット圧供給流路18と供給流路5とをリリーフ弁26を介して接続し、第1パイロット圧供給流路18に第1オリフィス27を設けている。ただし、上記第1オリフィス27は、第1パイロット圧供給流路18のリリーフ弁26を接続した部分よりも第1シャトル弁14側に設けている。そして、その他の構成は、上記従来の装置と同じなので、同じ構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1に示すように、コンペンセータバルブ4の第1パイロット圧供給流路18と供給流路5とをリリーフ弁26を介して接続している。このように接続したので、リリーフ弁26が開けば、供給流路5と第1パイロット室4aとが連通し、供給流路5の圧油がコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに供給される。
ただし、上記リリーフ弁26の設定圧は、コンペンセータバルブ4をロードセンシング制御する圧力の範囲、すなわち、スプリング4cのバネ力に相当する差圧分よりも大きくしている。このようにすれば、コンペンセータバルブ4がロードセンシング機能を発揮しているときに、リリーフ弁26が開いたりしないので、コンペンセータバルブ4の制御に悪影響を与えたりしない。
【0025】
また、第1パイロット圧供給流路18には、第1オリフィス27を設けているが、この第1オリフィス27は、上記リリーフ弁26を接続した位置よりも第1シャトル弁14側に位置させている。このように第1パイロット圧供給流路18に第1オリフィス27を設けたのは、第1パイロット室4aから第1シャトル弁14側に流れる流量を規制するためである。
【0026】
次に、この第1実施例の装置の作用を説明する。
例えば図示していないリフトシリンダを作動させている状態から切換弁1を切り換えてそれを中立位置に戻すと、連通流路21によって第1負荷圧流路16がタンクTに連通する。そのため、この第1負荷圧流路16がタンク圧になり、この第1負荷圧流路16に連通するコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aの圧力が低下する。
このように第1パイロット室4aの圧力が低下すると、この第1パイロット室4aに第1パイロット圧供給流路18を介して接続したリリーフ弁26の上流側と下流側との差圧が大きくなる。そして、この差圧がリリーフ弁26の設定圧以上になると開き、供給流路5から第1パイロット室4aに圧油が供給される。
【0027】
このように第1パイロット室4aに供給流路5から圧油が供給されれば、この第1パイロット室4aの圧力が緩やかに低下する。そのため、コンペンセータバルブ4が急激に切り換わったりしない。
一般に、サージ圧は、流路を急激に切り換えることによって生じるが、このようにコンペンセータバルブ4の急激な切り換え作動を防止すれば、発生するサージ圧を低く抑えることができる。
したがって、タンク流路tとタンクTとの間を接続する図示していないホースが外れたり、切換弁1、2、7に設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが外れたりしない。
【0028】
図2に示した第2実施例は、上記第1実施例のリリーフ弁26の上流側を、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに接続したものであり、その他の構成は第1実施例と全く同じである。
ただし、この実施例のダンパオリフィス24がこの発明の第2オリフィスに相当する。
この第2実施例の装置によれば、リリーフ弁26が開くと、第2パイロット室4bの圧油が第1パイロット室4aに供給される。そのため、上記第1実施例と同様に第1パイロット室4a内の圧力が緩やかに低下する。
【0029】
また、第2パイロット室4bの圧油を第1パイロット室4aに導く構成にしているので、この第2パイロット室4bには、第2パイロット圧供給流路19から圧油が供給されることになる。そのため、第2パイロット圧供給流路19に流れが生じるが、この第2パイロット圧供給流路19には、ダンパオリフィス24を設けているので、このダンパオリフィス24を通過する際に圧力損失が生じる。したがって、この圧力損失分、第2パイロット室4bに供給される圧油の圧力が低下する。このように第2パイロット室4bの圧力が低下すれば、コンペンセータバルブ4のスプールを図中左方向に押す力が小さくなる。
【0030】
つまり、この第2実施例の装置では、第1パイロット室4aの圧力を緩やかに低下させるとともに、コンペンセータバルブ4のスプールを図中左方向に押す第2パイロット室4b側の作用力も小さくしているので、コンペンセータバルブ4の切り換え速度をさらに緩やかにすることができる。
したがって、この第2実施例によれば、第1実施例よりも発生するサージ圧をさらに低く抑えることができる。
なお、上記第1、2実施例において、第1シャトル弁14がこの発明の選択弁に相当する。
【0031】
【発明の効果】
第1の発明によれば、コンペンセータバルブの第1パイロット室と供給流路との差圧が、リリーフ弁の設定圧以上になると、それが開いて供給流路から第1パイロット室に圧油が供給される構成にした。そのため、切換弁を切り換えてそれを中立位置に戻したときに、第1パイロット室がタンクに連通したとしても、第1パイロット室の圧力が急にタンク圧になったりせず、その圧力は緩やかに低下する。したがって、コンペンセータバルブが急に切り換わったりしない。このようにコンペンセータバルブが急に切り換わらないようにしたので、発生するサージ圧を低く抑えることができる。
【0031】
第2の発明によれば、コンペンセータバルブ4の第1パイロット室と第2パイロット室との差圧がリリーフ弁の設定圧以上になると、それが開いて第2パイロット室から第1パイロット室に圧油が供給される構成にした。そのため、切換弁を切り換えてそれを中立位置に戻したときに、第1パイロット室がタンクに連通したとしても、第1パイロット室が急にタンク圧になったりせず、その圧力は緩やかに低下する。したがって、コンペンセータバルブが急に切り換わるのを防止できる。
【0032】
しかも、このとき、第1パイロット室には、第2パイロット室から圧油が供給されるので、第2パイロット室には第2パイロット圧供給流路から圧油が供給される。そして、この供給される圧油、第2パイロット圧供給流路に設けた第2オリフィスを通過する際に圧力損失で低下するので、コンペンセータバルブのスプールを押す力が小さくなる。つまり、コンペンセータバルブを切り換える作用力が小さくなる。したがって、コンペンセータバルブの急激な切り換え作動をより防止でき、発生するサージ圧をより低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の回路図である。
【図2】第2実施例の回路図である。
【図3】従来の装置の回路図である。
【符号の説明】
1、2 切換弁
3 制御流路
4 コンペンセータバルブ
4a 第1パイロット室
4b 第2パイロット室
5 供給流路
6 余剰流路
9 流量制御弁
12 リリーフ弁
14 この発明の選択弁に相当する第1シャトル弁
16 第1負荷圧流路
17 第2負荷圧流路
18 第1パイロット圧供給流路
19 第2パイロット圧供給流路
24 この発明の第2オリフィスに相当するダンパオリフィス
26 リリーフ弁
27 第1オリフィス
T タンク
P ポンプ
【発明の属する技術分野】
この発明は、フォークリフトなどに用いる油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォークリフトに用いられる油圧制御装置としては、例えば、図3に示すものがある。
図3に示した従来の油圧制御装置は、図示していないリフトおよびチルトシリンダを制御する切換弁1、2を、制御流路3に対してパラレルに接続している。そして、この制御流路3を、コンペンセータバルブ4および供給流路5を介してポンプPに接続している。
【0003】
上記コンペンセータバルブ4は、第1、2パイロット室4a、4bを備えるとともに、第1パイロット室4a側にスプリング4cを設けている。
また、このコンペンセータバルブ4には、余剰流路6を接続するとともに、この余剰流路6にアタッチメント用のアクチュエータを制御する切換弁7を接続している。そして、この余剰流路6も、コンペンセータバルブ4および供給流路5を介してポンプPに接続している。
なお、上記切換弁1、2は、中立位置で閉じて制御流路3を遮断するが、切換弁7は、中立位置で開いて余剰流路6とタンク流路tとを連通する。
【0004】
上記のコンペンセータバルブ4は、その切り換え位置によってポンプPの吐出量のうち、制御流路3側に振り分けられる流量と、余剰流路6側に振り分けられる流量とを決める。そして、このコンペンセータバルブ4の切り換え位置は、第1、2パイロット室4a、4bの圧力作用とスプリング4cのバネ力とのバランスによって決まるが、第1、2パイロット室4a、4bに導かれるパイロット圧については、後で詳しく説明する。
【0005】
上記コンペンセータバルブ4の上流側には、第1パイロット流路8を接続している。この第1パイロット流路8には、流量制御弁9を接続するとともに、その下流に絞り10を設けている。そして、この絞り10の下流側の圧力を流量制御弁9の第1パイロット室9aに導き、上流側の圧力を第2パイロット室9bに導くようにしている。
また、流量制御弁9は、その第1パイロット室9a側にスプリング9cを設けていて、絞り10の前後の差圧を、このスプリング9cのバネ力に相当する圧力に保つことによって、そこを通過する流量を一定に保つ制御機能を発揮する。
なお、図中符号11は、第2パイロット室9bに通じる流路に設けたダンパオリフィスである。
【0006】
上記第1パイロット流路8の絞り10よりも下流側には、パイロット圧設定用のリリーフ弁12を接続している。そして、このリリーフ弁12の上流側から分岐した流路13に第1シャトル弁14を接続し、この第1シャトル弁14にリリーフ弁12で設定されたパイロット圧を導くようにしている。
また、上記第1シャトル弁14には、第2シャトル弁15を接続している。この第2シャトル弁15には、切換弁1に接続した第1負荷圧流路16と、切換弁2に接続した第2負荷圧流路17とを接続している。そして、これら第1、2負荷圧流路16、17によって、切換弁1、2にそれぞれ接続した図示していないリフトおよびチルトシリンダの負荷圧を第2シャトル弁15に導くようにしている。
【0007】
第2シャトル弁15は、第1、2負荷圧流路16、17からの負荷圧のうち、高い方の負荷圧を選択して、その圧力を第1シャトル弁14に導く。
したがって、第1シャトル弁14は、この第2シャトル弁15で選択した圧力と、上記リリーフ弁12で設定した圧力とのうち、高い方の圧力を選択して、その選択した圧力を第1パイロット圧供給流路18を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに導く。
また、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bには、切換弁1、2の上流側の圧力を第2パイロット圧供給流路19を介して導くようにしている。
したがって、コンペンセータバルブ4は、切換弁1、2の上流側の圧力とリリーフ弁12で設定されたパイロット圧とのバランスで動作する場合と、同じく切換弁1、2の上流側の圧力とその下流側の圧力とのバランスで動作する場合とがある。
【0008】
一方、上記リリーフ弁12の上流側に発生したパイロット圧は、流路13から分岐した第2パイロット流路20を介して各切換弁1、2、7のパイロット室1a、2a、7aにパイロット元圧として導かれる。そして、このパイロット元圧を比例電磁式減圧弁1b、2b、7bで制御して、各切換弁1、2、7のスプールに作用させるようにしている。
また、上記切換弁1、2は、その中立位置において、第1、2負荷圧流路16、17をタンクT側に連通させる連通流路21、22をそれぞれ備えている。したがって、切換弁1、2を中立位置に戻せば、第1、2負荷圧流路16、17がタンク圧になる。
【0009】
これら連通流路21、22を設けたのは、コンペンセータバルブ4を正常に制御して、ポンプ圧が異常に高くなったりしないようにするためである。
例えば、切換弁1に接続した図示していないリフトシリンダを所定のストローク位置に保つ場合、この切換弁1を中立位置に保持するが、このように中立位置に保持していても、リフトシリンダのストローク位置を保つ保持圧がこの切換弁1に作用すると、スプールとスリーブとの僅かな隙間を介してその下流側の第1負荷圧流路16に流れ込んでしまう。
このような場合に、もし、切換弁1の連通流路21がないとしたら、第2シャトル弁15および第1シャトル弁14を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aにこの保持圧が供給される。そして、この保持圧が第1パイロット室4aにこもってしまう。このように保持圧が第1パイロット室4aにこもってしまうと、コンペンセータバルブ4を正常に制御できなくなる。そして、コンペンセータバルブ4が図示する左側位置に保たれたまま切換弁1、2を中立位置にすると、ポンプ圧が異常に高くなるという問題があった。
【0010】
そこで、この従来の装置では、切換弁1を中立位置に戻したときに、第1負荷圧流路16を連通流路21にタンクT側に連通して、リフトシリンダの保持圧が第1パイロット室4aにこもらないようにした。したがって、コンペンセータバルブ4を正常に制御することができ、ポンプ圧が異常に高くなったりしない。
なお、図中符号23はメインリリーフ弁、符号24はコンペンセータバルブ4のダンパオリフィスである。
また、符号25は切換弁1、2、7の各パイロット室1a、2a、7a内のパイロット圧を、タンク流路tに排出するための排出流路である。
【0011】
次に、この従来の油圧制御装置の作用を説明する。
切換弁1、2を図示の中立位置に保ってポンプPを駆動すると、切換弁1、2が閉じているため、制御流路3には流れが生じずに、この切換弁1、2の上流側の圧力が第2パイロット圧供給流路19を介してコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに導かれる。
また、コンペンセータバルブ4の上流側に設けた流量制御弁9には、一定流量の圧油が通過し、その下流に設けたリリーフ弁12の上流側に、このリリーフ弁12の設定圧に相当するパイロット圧が発生する。そして、このパイロット圧が流路13を介して第1シャトル弁14に導かれる。
【0012】
一方、この第1シャトル弁14には、切換弁1、2で制御する図示していないリフトおよびチルトシリンダの負荷圧も導かれるようになっているが、このとき切換弁1、2が閉じているので、リフトおよびチルトシリンダの負荷圧は発生しない。したがって、第1シャトル弁14は、上記パイロット圧を高圧選択して、その圧油を第1パイロット圧供給流路18を介してコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに導く。
したがって、コンペンセータバルブ4は、第1パイロット室4aのパイロット圧による作用力およびスプリング4cのバネ力と、第2パイロット室4bのパイロット圧の作用力とがバランスした位置を保つ。
そして、上記のバランスした状態から、ポンプPの吐出圧が上昇すれば、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bの作用力が打ち勝つので、コンペンセータバルブ4が図中右側の位置に切り換わり、ポンプPの吐出油を余剰流路6側に流す。この余剰流路6に導かれた圧油は、切換弁7の中立流路およびタンク流路tを介してタンクTに排出される。
【0013】
上記の状態から切換弁1、2のうちのいずれか一方の切換弁、例えば切換弁1を切り換えたとすると、この切換弁1が、その切り換え量に応じた絞り開度を保つ。そして、この切換弁1による絞りの上流側の圧力がコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに導かれ、下流側の圧力が第2シャトル弁15を経由して第1シャトル弁14に導かれる。
上記の状態から切換弁1に接続した図示していないリフトシリンダの負荷圧がリリーフ弁12の設定圧以上になると、第1シャトル弁14が切り換わり、この負荷圧が第1パイロット室4aに導かれる。したがって、コンペンセータバルブ4が、切換弁1に接続したリフトシリンダに対してロードセンシング機能を発揮する。すなわち、切換弁1の開度によって決まる絞り前後の差圧が、一定になるように制御する。したがって、リフトシリンダには、その負荷変動に係りなく、一定の流量が供給される。
【0014】
なお、制御流路3に供給される制御流量以上の余剰流量は、余剰流路6からアタッチメント用のアクチュエータを制御する切換弁7に供給される。したがって、切換弁7を切り換えれば、余剰流量でアタッチメント用のアクチュエータを動かすことができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置では、切換弁1、2を切り換えたときに、コンペンセータバルブ4の下流側に非常に高いサージ圧が発生し、それによってタンク通路tとタンクTとを接続するホースが抜けたり、切換弁1、2、7に設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが外れたりするという問題があった。これら問題点を以下に詳しく説明する。
【0016】
例えば、切換弁1のみを図中右側の切り換えている状態から、この切換弁1を中立状態に戻すと、連通通路21によって第1負荷圧流路16とタンクT側とが連通する。そのため、第1負荷圧流路16内の圧力がタンク圧となり、この第1負荷圧流路16に連通する第1パイロット室4aの圧力が急激に低下する。
ただし、上記第1負荷圧流路16と第1パイロット室4aとの間には第1、2シャトル弁14、15があり、これら第1、2シャトル弁14、15が完全に切り換われば、第1パイロット室4aにはリリーフ弁12の設定圧で決まるパイロット圧が供給されることになるが、これら第1、2シャトル弁14、15が完全に切り換わる前に、第1パイロット室4aの圧力が急激に低下する。
【0017】
一方、このコンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bには、第2パイロット圧供給流路19を介して切換弁1の負荷圧が導かれているので、その両パイロット室4a、4bの圧力差が大きくなる。そのため、このコンペンセータバルブ4は、図中右側の位置に急激に切り換わる。
このようにコンペンセータバルブ4が急激に切り換わると、非常に高いサージ圧が発生する。そして、この高いサージ圧が余剰流路6から切換弁7を介してタンク流路tに伝わる。
【0018】
このタンク流路t側は、通常タンク圧なので、それほど高い圧力が作用することが考慮されてなく、例えば、このタンク流路tとタンクTとを実際に接続するホースなどは、ホースバンドで簡単に固定されているだけである。このようなホースに、上記のような高いサージ圧が何度も作用すると、その度にホースが徐々に抜けていき、最終的にホースが外れてしまうという問題があった。
【0019】
また、サージ圧は、タンク流路tに接続した排出流路25を介して切換弁1、2、7のパイロット室1a、2a、7aにも伝わるが、これらパイロット室1a、2a、7aも、それほど高い圧力に対する構造になっていないので、上記サージ圧による予想以上の高圧が作用すると、これらパイロット室1a、2a、7aに設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが故障したり、これら比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが切換弁1、2、7から外れたりするという問題があった。
【0020】
つまり、この従来の装置では、非常に高いサージ圧が発生するため、タンク流路tなど高い圧力に対してほとんど考慮されていない部分に悪影響を与えるという問題があった。
この発明の目的は、切換弁1、2を切り換えたときに発生するサージ圧を、低く抑えることができる油圧制御装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ポンプと、このポンプに接続した供給流路と、この供給流路に接続するとともにその切り換え位置に応じてポンプからの圧油を制御流路側と余剰流路側とに振り分けるコンペンセータバルブと、このコンペンセータバルブの上流側から一定流量を分流する流量制御弁と、この流量制御弁の下流側に接続したパイロット圧設定用のリリーフ弁と、上記制御流路に接続するとともにアクチュエータを制御する切換弁と、上記アクチュエータの負荷圧が導かれる負荷圧流路と、この負荷圧流路で導いた負荷圧と上記リリーフ弁の上流側に発生するパイロット圧とを高圧選択する選択弁と、この選択弁で選択した圧油をコンペンセータバルブの第1パイロット室に導く第1パイロット圧供給流路と、切換弁の上流側の圧力をコンペンセータバルブの第2パイロット室に導く第2パイロット圧供給流路とを備え、上記切換弁は、中立状態で負荷圧流路とタンクとを連通させる構成にした油圧制御装置を前提とする。
【0022】
第1の発明は、上記装置を前提としつつ、コンペンセータバルブの第1パイロット室と供給流路とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、供給流路から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする。
第2の発明は、上記装置を前提としつつ、コンペンセータバルブの第1パイロット室と第2パイロット室とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスと、第2パイロット圧供給流路に設けた第2オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、第2パイロット室から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に示した第1実施例は、第1パイロット圧供給流路18と供給流路5とをリリーフ弁26を介して接続し、第1パイロット圧供給流路18に第1オリフィス27を設けている。ただし、上記第1オリフィス27は、第1パイロット圧供給流路18のリリーフ弁26を接続した部分よりも第1シャトル弁14側に設けている。そして、その他の構成は、上記従来の装置と同じなので、同じ構成要素については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図1に示すように、コンペンセータバルブ4の第1パイロット圧供給流路18と供給流路5とをリリーフ弁26を介して接続している。このように接続したので、リリーフ弁26が開けば、供給流路5と第1パイロット室4aとが連通し、供給流路5の圧油がコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aに供給される。
ただし、上記リリーフ弁26の設定圧は、コンペンセータバルブ4をロードセンシング制御する圧力の範囲、すなわち、スプリング4cのバネ力に相当する差圧分よりも大きくしている。このようにすれば、コンペンセータバルブ4がロードセンシング機能を発揮しているときに、リリーフ弁26が開いたりしないので、コンペンセータバルブ4の制御に悪影響を与えたりしない。
【0025】
また、第1パイロット圧供給流路18には、第1オリフィス27を設けているが、この第1オリフィス27は、上記リリーフ弁26を接続した位置よりも第1シャトル弁14側に位置させている。このように第1パイロット圧供給流路18に第1オリフィス27を設けたのは、第1パイロット室4aから第1シャトル弁14側に流れる流量を規制するためである。
【0026】
次に、この第1実施例の装置の作用を説明する。
例えば図示していないリフトシリンダを作動させている状態から切換弁1を切り換えてそれを中立位置に戻すと、連通流路21によって第1負荷圧流路16がタンクTに連通する。そのため、この第1負荷圧流路16がタンク圧になり、この第1負荷圧流路16に連通するコンペンセータバルブ4の第1パイロット室4aの圧力が低下する。
このように第1パイロット室4aの圧力が低下すると、この第1パイロット室4aに第1パイロット圧供給流路18を介して接続したリリーフ弁26の上流側と下流側との差圧が大きくなる。そして、この差圧がリリーフ弁26の設定圧以上になると開き、供給流路5から第1パイロット室4aに圧油が供給される。
【0027】
このように第1パイロット室4aに供給流路5から圧油が供給されれば、この第1パイロット室4aの圧力が緩やかに低下する。そのため、コンペンセータバルブ4が急激に切り換わったりしない。
一般に、サージ圧は、流路を急激に切り換えることによって生じるが、このようにコンペンセータバルブ4の急激な切り換え作動を防止すれば、発生するサージ圧を低く抑えることができる。
したがって、タンク流路tとタンクTとの間を接続する図示していないホースが外れたり、切換弁1、2、7に設けた比例電磁式減圧弁1b、2b、7bが外れたりしない。
【0028】
図2に示した第2実施例は、上記第1実施例のリリーフ弁26の上流側を、コンペンセータバルブ4の第2パイロット室4bに接続したものであり、その他の構成は第1実施例と全く同じである。
ただし、この実施例のダンパオリフィス24がこの発明の第2オリフィスに相当する。
この第2実施例の装置によれば、リリーフ弁26が開くと、第2パイロット室4bの圧油が第1パイロット室4aに供給される。そのため、上記第1実施例と同様に第1パイロット室4a内の圧力が緩やかに低下する。
【0029】
また、第2パイロット室4bの圧油を第1パイロット室4aに導く構成にしているので、この第2パイロット室4bには、第2パイロット圧供給流路19から圧油が供給されることになる。そのため、第2パイロット圧供給流路19に流れが生じるが、この第2パイロット圧供給流路19には、ダンパオリフィス24を設けているので、このダンパオリフィス24を通過する際に圧力損失が生じる。したがって、この圧力損失分、第2パイロット室4bに供給される圧油の圧力が低下する。このように第2パイロット室4bの圧力が低下すれば、コンペンセータバルブ4のスプールを図中左方向に押す力が小さくなる。
【0030】
つまり、この第2実施例の装置では、第1パイロット室4aの圧力を緩やかに低下させるとともに、コンペンセータバルブ4のスプールを図中左方向に押す第2パイロット室4b側の作用力も小さくしているので、コンペンセータバルブ4の切り換え速度をさらに緩やかにすることができる。
したがって、この第2実施例によれば、第1実施例よりも発生するサージ圧をさらに低く抑えることができる。
なお、上記第1、2実施例において、第1シャトル弁14がこの発明の選択弁に相当する。
【0031】
【発明の効果】
第1の発明によれば、コンペンセータバルブの第1パイロット室と供給流路との差圧が、リリーフ弁の設定圧以上になると、それが開いて供給流路から第1パイロット室に圧油が供給される構成にした。そのため、切換弁を切り換えてそれを中立位置に戻したときに、第1パイロット室がタンクに連通したとしても、第1パイロット室の圧力が急にタンク圧になったりせず、その圧力は緩やかに低下する。したがって、コンペンセータバルブが急に切り換わったりしない。このようにコンペンセータバルブが急に切り換わらないようにしたので、発生するサージ圧を低く抑えることができる。
【0031】
第2の発明によれば、コンペンセータバルブ4の第1パイロット室と第2パイロット室との差圧がリリーフ弁の設定圧以上になると、それが開いて第2パイロット室から第1パイロット室に圧油が供給される構成にした。そのため、切換弁を切り換えてそれを中立位置に戻したときに、第1パイロット室がタンクに連通したとしても、第1パイロット室が急にタンク圧になったりせず、その圧力は緩やかに低下する。したがって、コンペンセータバルブが急に切り換わるのを防止できる。
【0032】
しかも、このとき、第1パイロット室には、第2パイロット室から圧油が供給されるので、第2パイロット室には第2パイロット圧供給流路から圧油が供給される。そして、この供給される圧油、第2パイロット圧供給流路に設けた第2オリフィスを通過する際に圧力損失で低下するので、コンペンセータバルブのスプールを押す力が小さくなる。つまり、コンペンセータバルブを切り換える作用力が小さくなる。したがって、コンペンセータバルブの急激な切り換え作動をより防止でき、発生するサージ圧をより低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の回路図である。
【図2】第2実施例の回路図である。
【図3】従来の装置の回路図である。
【符号の説明】
1、2 切換弁
3 制御流路
4 コンペンセータバルブ
4a 第1パイロット室
4b 第2パイロット室
5 供給流路
6 余剰流路
9 流量制御弁
12 リリーフ弁
14 この発明の選択弁に相当する第1シャトル弁
16 第1負荷圧流路
17 第2負荷圧流路
18 第1パイロット圧供給流路
19 第2パイロット圧供給流路
24 この発明の第2オリフィスに相当するダンパオリフィス
26 リリーフ弁
27 第1オリフィス
T タンク
P ポンプ
Claims (2)
- ポンプと、このポンプに接続した供給流路と、この供給流路に接続するとともにその切り換え位置に応じてポンプからの圧油を制御流路側と余剰流路側とに振り分けるコンペンセータバルブと、このコンペンセータバルブの上流側から一定流量を分流する流量制御弁と、この流量制御弁の下流側に接続したパイロット圧設定用のリリーフ弁と、上記制御流路に接続するとともにアクチュエータを制御する切換弁と、上記アクチュエータの負荷圧が導かれる負荷圧流路と、この負荷圧流路で導いた負荷圧と上記リリーフ弁の上流側に発生するパイロット圧とを高圧選択する選択弁と、この選択弁で選択した圧油をコンペンセータバルブの第1パイロット室に導く第1パイロット圧供給流路と、切換弁の上流側の圧力をコンペンセータバルブの第2パイロット室に導く第2パイロット圧供給流路とを備え、上記切換弁は、中立状態で負荷圧流路とタンクとを連通させる構成にした油圧制御装置において、上記コンペンセータバルブの第1パイロット室と供給流路とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、供給流路から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする油圧制御装置。
- ポンプと、このポンプに接続した供給流路と、この供給流路に接続するとともにその切り換え位置に応じてポンプからの圧油を制御流路側と余剰流路側とに振り分けるコンペンセータバルブと、このコンペンセータバルブの上流側から一定流量を分流する流量制御弁と、この流量制御弁の下流側に接続したパイロット圧設定用のリリーフ弁と、上記制御流路に接続するとともにアクチュエータを制御する切換弁と、上記アクチュエータの負荷圧が導かれる負荷圧流路と、この負荷圧流路で導いた負荷圧と上記リリーフ弁の上流側に発生するパイロット圧とを高圧選択する選択弁と、この選択弁で選択した圧油をコンペンセータバルブの第1パイロット室に導く第1パイロット圧供給流路と、切換弁の上流側の圧力をコンペンセータバルブの第2パイロット室に導く第2パイロット圧供給流路とを備え、上記切換弁は、中立状態で負荷圧流路とタンクとを連通させる構成にした油圧制御装置において、上記コンペンセータバルブの第1パイロット室と第2パイロット室とを接続するリリーフ弁と、第1パイロット圧供給流路に設けた第1オリフィスと、第2パイロット圧供給流路に設けた第2オリフィスとを備え、リリーフ弁が開くと、第2パイロット室から第1パイロット室に圧油が供給される構成にしたことを特徴とする油圧制御装置。
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