JP3756227B2 - 隠蔽葉書 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接着面を容易に剥がすことのできる隠蔽葉書に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、隠蔽葉書としては感圧接着剤層が設けられた葉書紙片の感圧接着剤層面に隠蔽すべき情報をプリントした後に、感圧接着剤層を内側にして2つ折りして加圧することにより剥離可能に接着した構成のもので、葉書の接着部を剥離し易くするために切欠、糊止め等の剥離開始部を設けたもの、ないしは折目線と対向する端縁に沿って別に接着剤を塗布することにより端縁部を強く接着すると共に、強く接着した箇所の内側に切り取り用のミシン目を形成して剥離し易くしたもの等が使用されている。
【0003】
しかしながら、前者の構成のものにおいては、感圧接着剤層による接着力は、加圧する圧力は勿論のこと、感圧接着剤塗布用紙のロツト、圧着時の外気条件等により大きくばらつく為、適正接着力の調整が困難であり、郵送中に何らかのきっかけにより剥離してしまつて隠蔽性が保てなくなり、一方接着力が強い場合には、剥離開始部から剥離しようとしても容易に剥離せず葉書紙片が層間剥離してしまい所定の面で剥離せず隠蔽葉書として用をなさなくなるという欠点がある。また、後者の場合には、別に接着剤を塗布する工程が必要になるのでコスト高となる上に、隠蔽すべき情報をプリントするためにプリンターを通す際に、強い接着力を得るために別途塗布した接着剤がプリンターの搬送ベルト、ローラー等で擦れて固まりとなつた接着剤が、ベルト、ローラー等に付着すると共にその付着物が葉書紙片上に落ちてプリント不良が発生するという問題があつた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加圧接着する際に接着力がある程度ばらついた場合においても、郵送中に剥離して隠蔽情報が露出してしまうことがなく、且つ容易に剥離することのできる隠蔽葉書を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明の第1の態様は、片面に感圧接着剤層(2)が積層された葉書紙片(1)の略中央に設けられた折目線(6)にて前記感圧接着剤層(2)を内側にして2つ折りすることで対面する葉書上紙片(1a)と葉書下紙片(1b)とを剥離可能に接着する隠蔽葉書において、前記感圧接着剤層(2)は前記葉書上紙片(1a)または前記葉書下紙片(1b)の少なくとも一方に設けられ、剥離不能に接着する感圧接着剤からなり、前記感圧接着剤層(2)の面上に、少なくとも前記折目線(6)に対向する葉書端縁から所定間隔をおいた位置に略平行に設けられた切取線(5)を含む所定幅の領域に形成されたベタ印刷層(4a、4b)からなる非接着部と、前記非接着部から見て葉書端縁側の領域は前記感圧接着層同士が接着されてなる強接着部と、前記非接着部から見て折目線側の領域に形成された網点印刷層(3)からなる弱接着部と、を設けたことを特徴とする隠蔽葉書である。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記葉書上紙片(1a)ないし前記葉書下紙片(1b)の上下端縁に沿つて、前記網点印刷層(3)上に一定幅のベタ印刷層(4a、4b)を設けたことを特徴とする隠蔽葉書である。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、上記第1または2の態様において、前記切取線(5)が前記葉書下紙片(1b)に形成された微細ミシン目(8)であることを特徴とする隠蔽葉書である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の隠蔽葉書の実施例を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるI−I断面図、図2は図1に示す隠蔽葉書を展開した状態を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるI−I断面図、図3は本発明の隠蔽葉書の他の実施例を示すもので、(イ)は展開した状態の平面図、(ロ)は2つ折りして接着した横断面図、図4は本発明の隠蔽葉書の更に他の実施例を示す展開した状態の平面図であつて、1は葉書紙片、1aは葉書上紙片、1bは葉書下紙片、2は感圧接着剤層、3は網点印刷層、4a, 4bはベタ印刷層、5は切取線、6は折目線、7は剥離開始部、8は微細ミシン目をそれぞれ表す。
【0010】
本発明の隠蔽葉書の実施例は図1に示すとおりで、平面形状は図1(イ)に示すように、左端の折目線6で2つ折りされ折目線6に対向する端縁の内側に沿つて鋏等でカツトされる切取線5が設けられている。横断面形状は図1(ロ)に示すように、折目線6に対向する端縁に沿って所定幅で感圧接着剤層2面同士が接着された部分を有し、その内側には一定の幅でベタ印刷層4aを介して感圧接着剤層2面同士が接着された部分があり、更にその内側には網点印刷部3を介して感圧接着剤層2面同士が接着された部分が形成されており、ベタ印刷層4aに対応する位置に切取線5が設けられている。網点印刷部3の構成は使用する感圧接着剤層2にもよるが、全体の10〜30%の網点面積のものが好ましい。
【0011】
感圧接着剤層2面同士が接着された端縁に沿つた部分は剥離不能に強く接着しており、その内側のベタ印刷層4aを介して感圧接着剤層2面同士が接着された部分は、ベタ印刷層4aと感圧接着剤層2とは接着しないため非接着部を形成し、網点印刷部3を介して感圧接着剤層2面同士が接着された部分は、感圧接着剤層2面同士が接触する面積が小さくなつている分だけ接着強度は弱くなつており容易に剥離できる弱接着状態である。したがつて、隠蔽葉書の隠蔽部を見開く場合に、鋏等により切取線5にて端縁に沿つた強接着部を切り取ると、切り取られた端縁が、ベタ印刷層4aを介して感圧接着剤層2面同士が接着された非接着部となるので、下端の剥離開始部7をきっかけにして、網点印刷部3を介して感圧接着剤層2面同士が接着された弱接着部を容易に剥離することができる。したがつて、隠蔽葉書を見開く際に葉書紙片1が端縁から層間剥離することがない。
【0012】
図1に示す隠蔽葉書の展開した状態は図2に示すとおり、葉書上紙片1aと葉書下紙片1bとが折目線6を介して連接されてなる葉書紙片1の上側の面に感圧接着剤層2が積層され、葉書上紙片1aの内面の折目線6と対向する端縁から所定距離をおいた位置に縦方向の全長にわたつて下端が剥離開始部7となつているベタ印刷層4aが設けられ、ベタ印刷層4aの内端と折目線6の間には網点印刷層3が設けられている。上記実施例では、ベタ印刷層4aおよび網点印刷層3を葉書上紙片1aの内面に設けているが、葉書下紙片1bの内面の設けるようにしてもよい。図2(ロ)に示す葉書紙片1をベタ印刷層4aおよび網点印刷層3が内面になるように折目線6にて2つ折りして加圧接着することにより、剥離可能に接着した図1に示す隠蔽葉書が得られる。
【0013】
図2に示す葉書紙片1の葉書上紙片1aの内面の網点印刷層3面および葉書下紙片1bの内面に、個人情報等の隠蔽する必要のある情報をデータ出力によりプリントした後にプリント面を内側にして折目線6にて2つ折りして加圧接着することにより、図1に示す本発明の隠蔽葉書が得られる。上記の隠蔽葉書の構成とすることにより、加圧する圧力を一定の強い圧力に設定して接着させることにより、感圧接着剤層2面同士が接触する箇所は強固に接着し、網点印刷層3を介して感圧接着剤層2面が接触する箇所は強く接着せず剥離可能な弱い接着状態が得られるので、接着力を剥離可能な適度の強度にするために、加圧接着する圧力の微調整を行う必要がなくなる。上記の構成にすることにより、隠蔽葉書の端縁の内側に沿つたベタ印刷層4a上に設けられている切取線5にて強接着部を切り取ることにより、剥離開始部7から容易に剥離して見開くことができる。
【0014】
隠蔽葉書の他の実施例は図3に示すとおりであり、展開した状態は図3(イ)に示すように、葉書上紙片1aおよび葉書下紙片1bの両方の裏面に網点印刷層3が設けられていると共に、葉書下紙片1bの折目線6と対向する端縁から所定間隔をおいた内側の、2つ折りした際にベタ印刷層4aに対向する位置に微細ミシン目8が形成された構成である。こうすることにより、隠蔽葉書の側端縁に沿つた裏面側に微細ミシン目8が形成される。微細ミシン目8の形状としては切目と残存部の長さの比が1:1〜2:1の微細なミシン目が好ましく、切目の長さが0.2〜0.3mm程度の微細なミシン目が適している。2つ折りして接着した状態は図3(ロ)のとおりであり、微細ミシン目8の箇所で微細ミシン目8を外側にして隠蔽葉書を折り曲げることにより、葉書下紙片1bが微細ミシン目8に沿つて裂けて、ベタ印刷層4aが露出するので、下端の開封開始部7の部分から隠蔽葉書を容易に剥離して見開くことができる。上記構成の場合には鋏等により端縁に沿つて切り取る手間がなくなり開封がより容易になる。
【0015】
隠蔽葉書の更に他の実施例は図4に示すとおり、図2に示す隠蔽葉書においてベタ印刷層4bを葉書上紙片1aの内面の上下の端縁に沿つて形成した構成である。図4の構成にすることにより、完成した隠蔽葉書を端縁の切取線5にて切り取り、葉書を剥離して見開く際に、ベタ印刷層4a,4b により周縁が非接着部とされているので、隠蔽葉書の上下の端縁から葉書紙片1が紙の層間で剥離してくることがないので更に剥離性がよくなる。
【0016】
本発明の隠蔽葉書を作製するには、片面に感圧接着剤層2が積層された用紙を使用して、隠蔽葉書に必要な固定事項およびベタ印刷層4a,4b 、網点印刷層3をオフセツト方式等により印刷して、図2(イ)に示す展開した状態の葉書紙片1を縦方向に2面付けしたA4サイズの帳票を作製する。作製された帳票の内面の網点印刷層3面および折目線6に対して網点印刷層3と対称な面に、隠蔽を必要とする個人情報等をノンインパクトプリンター等を使用してデータ出力プリントした後に、折目線6にてプリント面を内側にして2つ折りし、個々の葉書紙片1に切り離して、加圧接着することにより行われる。加圧する圧力は感圧接着剤層2面同士が完全に接着する強い圧力により加圧することで、データのプリントされた網点印刷層3の設けられた領域は容易に剥離できる隠蔽葉書が得られる。
【0017】
ベタ印刷層4a,4b および網点印刷層3を形成するためのインキとしては、隠蔽葉書の固定事項を印刷するのに使用するインキを使用することができる。感圧接着剤層2はその面同士を合わせて加圧しないと接着しない性質を有するので、印刷インキ層が感圧接着剤層2間に介在する場合は接着しなくなる。隠蔽葉書の固定事項の印刷は通常オフセツト方式にて印刷されるので、その際に使用するオフセツトインキにて同時にベタ印刷層4a,4b および網点印刷層3を印刷するのが好ましい。そうすることにより、ベタ印刷層4a,4b および網点印刷層3を形成すための工程を別に設ける必要がないので効果的である。なお、上記実施例においては、ベタ印刷層4a,4b は葉書上紙片1aの裏面にのみ設けているが、葉書下紙片1bの裏面にも折目線6に対称となるようにベタ印刷層4a,4b を設けてもよい。
【0018】
【発明の効果】
葉書上紙片と葉書下紙片とが折目線にて連接され且つ片面に感圧接着剤層が積層された葉書紙片を感圧接着剤層面を内側にして2つ折りして剥離可能に接着した隠蔽葉書において、葉書上紙片ないし葉書下紙片の少なくとも一方の感圧接着剤層面に、折目線に対向する端縁から所定間隔をおいた内側の位置に、網点印刷層を設けるかないしは網点印刷層および一定幅のベタ印刷層を設け、折目線に対向する端縁に平行に切取線を設けた構成の隠蔽葉書とすることにより、葉書紙片の感圧接着剤層面に隠蔽すべき情報をプリントした後に、2つ折りにして加圧接着する際に、接着力を適正な強さにするために感圧接着剤塗布用紙のロツト、外気条件等に合つた圧力の微調整をする必要がなくなるので、所定の一定圧力により加圧接着させるだけで、ベタ印刷層が設けられた箇所では接着せず、網点印刷層が設けられた箇所では剥離可能な適度の接着力が得られ、感圧接着剤層が露出する端縁部は強接着となるので、郵送中に剥離が発生することがなく、葉書を開封する際には強接着部を切取線に沿って切り取ることにより、ベタ印刷層部から剥離を開始し網点印刷層が設けられた領域を容易に剥離することができるので、葉書を見開くのが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の隠蔽葉書の実施例を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるI−I断面図である。
【図2】図1に示す隠蔽葉書を展開した状態を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)におけるI−I断面図である。
【図3】本発明の隠蔽葉書の他の実施例を示すもので、(イ)は展開した状態の平面図、(ロ)は2つ折りして接着した横断面図である。
【図4】本発明の隠蔽葉書の更に他の実施例を示す展開した状態の平面図である。
【符号の説明】
1 葉書紙片
1a 葉書上紙片
1b 葉書下紙片
2 感圧接着剤層
3 網点印刷層
4a, 4b ベタ印刷層
5 切取線
6 折目線
7 剥離開始部
8 微細ミシン目
Claims (3)
- 片面に感圧接着剤層が積層された葉書紙片の略中央に設けられた折目線にて前記感圧接着剤層を内側にして2つ折りすることで対面する葉書上紙片と葉書下紙片とを剥離可能に接着する隠蔽葉書において、
前記感圧接着剤層は前記葉書上紙片または前記葉書下紙片の少なくとも一方に設けられ、剥離不能に接着する感圧接着剤からなり、
前記感圧接着剤層の面上に、少なくとも前記折目線に対向する葉書端縁から所定間隔をおいた位置に略平行に設けられた切取線を含む所定幅の領域に形成されたベタ印刷層からなる非接着部と、
前記非接着部から見て葉書端縁側の領域は前記感圧接着層同士が接着されてなる強接着部と、
前記非接着部から見て折目線側の領域に形成された網点印刷層からなる弱接着部と、
を設けたことを特徴とする隠蔽葉書。 - 前記葉書上紙片ないし前記葉書下紙片の上下端縁に沿つて、前記網点印刷層上に一定幅のベタ印刷層を設けたことを特徴とする請求項1記載の隠蔽葉書。
- 前記切取線が前記葉書下紙片に形成された微細ミシン目であることを特徴とする請求項1または2記載の隠蔽葉書。
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JP24080995A JP3756227B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 隠蔽葉書 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24080995A JP3756227B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 隠蔽葉書 |
Publications (2)
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JPH0958159A JPH0958159A (ja) | 1997-03-04 |
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Family
ID=17065012
Family Applications (1)
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JP24080995A Expired - Lifetime JP3756227B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-08-25 | 隠蔽葉書 |
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-
1995
- 1995-08-25 JP JP24080995A patent/JP3756227B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0958159A (ja) | 1997-03-04 |
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