JP3755486B2 - 放送記録再生装置および放送記録再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばニア・ビデオ・オン・デマンド(時間差配信サービス)が採用されるCATVにおける端末に適用され放送記録再生装置および放送記録再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、放送局から送られる信号は、アナログのビデオ/オーディオ信号であった。近年、ディジタル技術の発達に伴い、この放送局からの伝送がディジタル化しつつある。また、MPEGに代表されるデータ圧縮技術の進歩によって、例えば既存のアナログ1チャンネルの伝送帯域に約10チャンネルの信号を送ることが可能となりつつある。
【0003】
データ圧縮技術を利用したディジタルCATVにおいて、映画を時間差配信するニア・ビデオ・オン・デマンドと称されるサービスの提供が検討されている。これは、複数チャンネルを使用して同じ映画を所定時間の時間差をもたせて送信し、加入者が最大この時間待つだけで、映画を見ることを可能とするサービスである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ニア・ビデオ・オン・デマンドのサービスにおいては、映画を見ている途中で一旦停止することができない、という問題があった。若し、映画を見るのを中断すると、最初から見る必要があったり、記憶しているシーンを他のチャンネルの映画の中から探す必要がある。
【0005】
さらに、ニア・ビデオ・オン・デマンドのサービスにおいては、再生開始の指示を発生してから、実際に映画を見ることができるまで、数分程度、待たねばならない問題点があった。
【0006】
従って、この発明の目的は、時間差配信されるプログラムを見ている途中で、一時的に再生を中断し、中断後に続きの画像を見ることを可能とする放送記録再生装置および放送記録再生方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、同一のプログラムが所定の時間差でもって配信されるニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにおける放送記録再生装置において、
上記時間差に相当するデータ量以上のプログラムのデータを記憶することが可能で、且つデータ書き込みとデータ読み出しを平行して行うことが可能なメモリ手段と、
ユーザのコマンドを入力するユーザ入力手段と、
上記メモリ手段の読み出し出力による選択されたプログラムの再生中に、上記ユーザ入力手段により上記プログラムの再生を一旦中断するポーズ指令が発生すると、ポーズ動作の開始時点以降も上記選択されたプログラムの上記メモリ手段に対する書き込みを継続し、上記ユーザ入力手段によりポーズ解除指令が発生すると、上記メモリ手段に書き込まれている上記ポーズ動作の開始時点からの上記選択されたプログラムのデータを読み出すと同時に、ポーズ解除の時点より後で、これと最も近い時点の後続データを上記メモリ手段に書き込む制御手段と
を備えることを特徴とする放送記録再生装置である。
【0008】
請求項3の発明は、同一のプログラムが所定の時間差でもって配信されるニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにおける放送記録再生方法において、
上記時間差に相当するデータ量以上のプログラムのデータを記憶することが可能なメモリに対してデータ書き込みとデータ読み出しを平行して行うステップと、
ユーザのコマンドを入力するユーザ入力ステップと、
上記メモリ手段の読み出し出力による選択されたプログラムの再生中に、上記ユーザ入力ステップにより上記プログラムの再生を一旦中断するポーズ指令が発生すると、ポーズ動作の開始時点以降も上記選択されたプログラムをメモリ手段に対する書き込みを継続するステップと、
上記ユーザ入力ステップによりポーズ解除指令が発生すると、上記メモリ手段に書き込まれている上記ポーズ動作の開始時点からの上記選択されたプログラムのデータを読み出すと同時に、ポーズ解除の時点より後で、これと最も近い時点の後続データを上記メモリ手段に書き込むステップと
を備えることを特徴とする放送記録再生方法である。
【0011】
ポーズ指令が発生した時から所定時間のプログラムデータがメモリ手段に書込まれる。ポーズ解除指令が発生すると、メモリ手段に蓄えられているプログラムのデータが読出される。従って、ポーズ指令が発生した後のプログラムを引き続いて見ることができる。また、この読出し期間中に、さらに後続データが探され、メモリ手段に書込まれる。この動作が繰り返される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、ニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにおける端末装置の構成を示す。1は、チューナを示し、チューナ1によって、ヘッドエンドからケーブルを介して送信される放送信号の所望のチャンネルが選択される。一例として、1伝送チャンネル当りの伝送容量を24.5Mbps 以上として、3.5Mbps のレートに圧縮された同一のビデオ情報を7チャンネル送ることとしている。映画ソフトが2時間のものの場合、(120分÷7≒17分)の関係から、チャンネル間の時間差が17分とされる。
【0013】
チューナ1で選局された信号が復調器2で復調された後、エラー訂正回路3でエラー検出およびエラー訂正され、通信路で発生したエラーが訂正される。エラー訂正された信号は、ディマルチプレクサ4に供給される。ディマルチプレクサ4は、複数のプログラムから所望の一つのプログラムを選択する。このために、マイクロコンピュータ5から発生した制御信号(制御信号の信号路を図1においては、破線で示す)がディマルチプレクサ4に供給される。マイクロコンピュータ5に対しては、キーボード、マウス等のマンマシンインターフェースを介された信号が供給される。
【0014】
ディマルチプレクサ4で選択された出力信号がスイッチ回路6の一方の入力端子7aに供給される。スイッチ回路6に対しては、バッファ8が接続され、バッファ8に対してMPEGデコーダ9が接続されている。MPEG以外の画像データの圧縮のための符号を使用しても良い。MPEGデコーダ9の復号データは、図示しないが、ベースバンド処理回路を介してモニタに供給され、モニタによって、受信画像が再生される。
【0015】
エラー訂正回路3によってエラー訂正されたデータは、プログラムセレクタ10および12と、セレクタコントローラ11および13とに対しても供給される。プログラムセレクタ10およびセレクタコントローラ11は、記憶装置としてのハードディスクドライブ14によって記憶すべきプログラムを選択する。この選択されたプログラムがスイッチ回路16の一方の入力端子17aに供給される。セレクタコントローラ11には、マイクロコンピュータ9からの信号が供給され、プログラムセレクタ10が指定したプログラムを選択するための制御信号が生成される。
【0016】
ハードディスクドライブ14は、スイッチ回路16で選択されたデータを書込むための記録プロセッサ18、記録プロセッサ18と接続されたバッファ19、バッファ19からのデータを書込むためのヘッドおよびディスク20、ディスクから読出されたデータが蓄えられるバッファ21、バッファ21と接続された再生プロセッサ22と、読出し/書込みを制御するためのコントローラ23によって構成されている。コントローラ23にはマイクロコンピュータ5から制御信号が供給され、ハードディスクドライブ14の動作は、マイクロコンピュータ5によって制御可能とされている。このハードディスクドライブ14としては、既存の構成のものを使用することができ、例えばその容量は、446.25MBである。
【0017】
ハードディスクドライブ14からの読出しデータがスイッチ回路24の一方の入力端子25aに供給される。スイッチ回路24の出力がスイッチ回路6の入力端子7bに供給される。スイッチ回路6に対しては、上述したように、バッファ8、MPEGデコーダ9が接続されている。従って、ハードディスクドライブ14の再生データをモニタにより再生することができる。スイッチ回路6の制御は、ポーズ等のユーザーのコマンドにより、マイクロコンピュータ5によりなされる。
【0018】
また、破線で囲んで示す15は、ディジタル信号記録再生装置、例えばディジタルVCR(ビデオカセットテープレコーダ)である。ディジタルVCR15は、プログラムセレクタ12で選択されたデータを書込むための記録プロセッサ26、記録/再生切換えスイッチ27、スイッチ27を介された記録プロセッサ26からのデータを記録するためのヘッドおよびテープ28、テープから再生されたデータが供給される再生プロセッサ29と、記録/再生を制御するためのメカニズムコントローラ30によって構成されている。ヘッドおよびテープ28は、ドラムに斜めに磁気テープが巻き付けられ、この磁気テープを回転ヘッドが走査するヘリカルスキャン型の構成のものである。記録/再生切換えスイッチ27およびコントローラ30にはマイクロコンピュータ5から制御信号が供給され、ディジタルVCR15の動作がマイクロコンピュータ5によって制御可能とされている。
【0019】
ディジタルVCR15は、例えば25Mbpsのディジタルデータを記録および再生することができる。また、磁気テープとしては、カセットテープが使用でき、例えば比較的小型のカセットテープは、60分の25Mbpsのディジタルデータの記録が可能とされている。ヘッドおよびテープ28からの再生信号が記録/再生切換えスイッチ27を介して再生プロセッサ29に供給される。記録プロセッサ26は、入力ディジタル信号(ディジタルビデオ信号、ディジタルオーディオ信号等)に対して、エラー訂正符号化、フォーマット化、ディジタル変調等の処理を施す。再生プロセッサ29は、ディジタル復調、フォーマット分解、エラー訂正等の処理を行なう。
【0020】
ディジタルVCR15により再生されたディジタル信号がプログラムセレクタ31に供給され、プログラムセレクタ31の選択信号がスイッチ回路16の入力端子17b、スイッチ回路24の入力端子25bに供給される。プログラムセレクタ31は、マイクロコンピュータ5からの制御信号が供給され、ユーザーが選択したプログラム例えば映画の先頭部分データをプログラムセレクタ31が選択する。
【0021】
ディジタルVCR15には、図2Aに示すように、1個のカセットテープ(記録時間が60分)がL1、L2およびL3の区間に3等分される。斜線を付した先頭のテープ区間L1(記録時間が20分)には、プリビューデータおよび複数のプログラムの先頭部分のデータが記録される。以下の説明では、ニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにより送信されるプログラムとして、映画の例をあげているが、これ以外のビデオソフトに対しても、この発明を適用できる。また、受信され映画のタイトル数を7としているが、この数も一例である。
【0022】
図2Bは、テープ区間L1に対するプリビューデータおよび先頭部分の記録の態様を示す。L1の中で、先頭の区間L11には、7個の映画タイトルのプリビューデータPRV1〜PRV7が記録され、残りの区間L12には、これらのプログラム先頭部分データPRG1〜PRG7が記録される。一例として、記録時間でもって、(L11=2分24秒、L12=17分)とされる。ここで、プリビューデータは、対応する映画の内容の複数のシーンをつなぎ合わせた紹介用のものであり、一方、先頭部分データは、映画の先頭から17分間の内容のデータである。
【0023】
これらのプリビューデータおよび先頭部分データは、例えば3.5Mbpsのデータレートである。一方、ディジタルVCR15は、25Mbpsのディジタル信号を記録することができる。従って、(3.5Mbps×7=24.5Mbps)の関係から、7チャンネル分のプリビューデータおよび先頭部分データをテープに記録することができる。一例として、図2Cに示すように、テープ上に7個の分割トラックが形成され、各分割トラックに7チャンネル(CH1〜CH7)の記録信号をそれぞれ記録するマルチトラックフォーマットが使用される。すなわち、チャンネルCH1として、プリビューデータPRV1および先頭部分データPRG1が記録され、チャンネルCH2として、プリビューデータPRV2および先頭部分データPRG2が記録され、以下同様にして、プリビューデータおよび先頭部分データが記録される。
【0024】
カセットテープの残りの区間L2およびL3は、ユーザーが端末システムの大容量バッファとして任意に使用することができる。例えばこれらの区間に対して、ユーザーが選択した映画を記録することができる。この記録は、MPEGの形態でなされる。(25Mbps/3.5Mbps≒7.14)の関係から、20分の区間(L2あるいはL3)には、(20分×7.14=144.3分=2時間24分)のMPEGデータの記録が可能である。具体的には、ヘッドおよびテープ28のドラム(回転ヘッド)の回転数およびテープ速度を共に、標準(25Mbpsのデータを記録する状態)のものの1/7とする。
【0025】
3.5MbpsのデータをディジタルVCR15によって記録するための他の方法としては、ドラム回転数を標準のものとし、テープ速度を標準の1/7とするものを採用できる。この場合、3.5Mbpsのデータが時間軸変換によって、25Mbpsのデータに変換され、この変換されたデータが7回に1回の割合で間欠的にテープに記録される。さらに、テープ速度およびドラム回転数を標準のものと等しくして、テープ送り動作を間欠的に行なう方法も可能である。これらの標準データレートよりも、低レートのディジタル信号を記録する方法は、フレキシブルレート記録方法と称される。
【0026】
上述のこの発明の一実施形態の動作について、図3および図4を参照して説明する。図3は、動作の概略を示すフローチャートである。最初の41で示すステップが準備のステップであり、ここでは、ディジタルVCR15によって、テープの区間L1にプリビューデータおよび先頭部分データが記録される。この記録は、夜間等のユーザーがシステムを利用していない時になされる。
【0027】
準備のステップ41では、ユーザーがディジタルVCR15にテープカセットを装着し、ニア・ビデオ・オン・デマンドのサービスを受ける準備を行なうと決定し、マンマシーンインターフェース(リモコンのコマンダも可能)を操作する。マイクロコンピュータ5がこの指令を受けて、メカニズムコントローラ30に対する制御信号を発生し、ディジタルVCR15がテープの先頭まで巻き戻しを実行して待機する。
【0028】
次に、7チャンネルのプリビューデータおよび先頭部分データがチューナ1、復調器2を介してエラー訂正回路3に供給される。プログラムセレクタ12は、プリビューデータをある時点で送られてくることを、エラー訂正回路3の出力から検出し、その情報をマイクロコンピュータ5に伝える。これにより、マイクロコンピュータ5は、プリビューデータの送られている時点よりも、例えば1〜2秒程度早く、記録/再生切換えスイッチ27およびメカニズムコントローラ30に対して制御信号を送出する。
【0029】
それによって、メカニズムコントローラ30は、ヘッドおよびテープ28を制御し、プログラムセレクタ12によっで選択され、記録プロセッサ26および記録/再生切換えスイッチ27を介されたプリビューデータおよび先頭部分データをテープの先頭の区間L1に記録する(ステップ42)。図4では、この記録動作がREC1で示されている。プリビューデータの受信が終了すると、その終了情報をプログラムセレクタ12がマイクロコンピュータ5に送り、マイクロコンピュータ5からメカニズムコントローラ30に与えられる制御信号によって、テープ走行が停止する。その直後に、図4において、REW1で示すように、テープの先頭(すなわち、プリビューデータの始め)位置まで、テープが巻き戻される。
【0030】
次に、図3のステップ43では、ディジタルVCR15によってプリビューデータを再生し、このプリビューデータを見て、ユーザーが見たい映画を決定する。マンマシーンインターフェースからのユーザーの指令がマイクロコンピュータ5へ伝えられ、その情報に基づいてマイクロコンピュータ5がメカニズムコントローラ30に対してテープ再生の指令を発生する。この再生動作は、図4において、PB1で示すものである。プリビューデータをVCR15が再生し終わった時点で、テープが停止される。
【0031】
ディジタルVCR15で再生されたプリビューデータが記録/再生切換えスイッチ27、再生プロセッサ29およびプログラムセレクタ31を介してスイッチ回路24の入力端子25bに供給される。さらに、スイッチ回路6およびバッファ8を介してMPEGデコーダ9に供給される。従って、モニタの画面には、7個の映画のプリビュー画面(各映画のプリビュー画面が2分24秒の長さ)が再生される。この場合、7個の映画のプリビュー画面が時間的に順次モニタ上に表示される。但し、1画面を分割して7個のプリビュー画面を表示しても良い。ユーザーは、このプリビュー画面を見ることによって、受信を希望する映画を決定する。再生プロセッサ29を制御することによって、プリビュー画面の表示態様を設定することができる。
【0032】
そして、プリビュー画面をユーザーが見て、希望する映画を指定する。例えば各映画を区別するために番号が設定されており、この番号を指定することによって、見たい映画が指定される。映画(番号)指定の情報は、マイクロコンピュータ5に与えられる。
【0033】
そして、ステップ44において、選択された映画をユーザーが実際に鑑賞する。マイクロコンピュータ5は、ユーザーが映画を選択した時に、メカニズムコントローラ30に対して制御信号を与え、ディジタルVCR15に再生動作を行なわせる。これは、図4において、PB2で示すものであり、先頭部分データが再生される。このディジタルVCR15からの先頭部分データがプログラムセレクタ31に供給される。プログラムセレクタ31は、マイクロコンピュータ5からの制御信号によって、ユーザーが選択した映画の先頭部分データのみを選択的に出力する。この動作以外では、プログラムセレクタ31は、単にデータを通過させるだけで、選択処理を行なわない。先頭部分データの再生が終了すると、VCR15が停止状態となる。
【0034】
このように、予めVCR15には、各映画の先頭部分が記録されているので、ユーザーの選択動作に応答して、選択された映画を直ちに見ることができる。従って、ニア・ビデオ・オン・デマンドシステムでありながら、待ち時間なく、選択された映画を見ることができる。
【0035】
選択された映画の先頭部分データをVCR15が再生している間に、図4において、破線で示すように、ハードディスクドライブ14が選択された映画の先頭部分に続く部分の書込みを開始する。すなわち、プログラムセレクタ10によって選択された映画の続く部分が識別され、スイッチ回路16の入力端子17aを介して記録プロセッサ18に対して、先頭部分に続く映画のデータ(受信データ)が供給される。そして、バッファ19を介してヘッドおよびディスク20に供給され、ディスク上に記録される。
【0036】
ハードディスクドライブ14が書込みと読出しとを並行して行い、ハードディスクドライブ14の読出しデータをスイッチ回路24およびスイッチ回路6を介してバッファ8に供給することによって、映画の先頭部分より後の部分をユーザーが見ることができる。また、この映画を見ている途中で、ポーズが可能とされている。
【0037】
さらに、図3のステップ45は、最初の再生かどうかを決定するステップである。若し、最初の再生と決定されるならば、処理がステップ46に移り、VCR15からハードディスクドライブ14に対して、プリビューデータがロードされる。この場合、スイッチ回路16が入力端子17bを選択する状態とされる。そして、図4において、REW2で示すように、テープがトップ位置まで巻き戻され、PB3で示すように、プリビューデータを再生し、停止する。このプリビューデータがスイッチ回路16を介してハードディスクドライブ14の記録プロセッサ18に供給される。ハードディスクドライブ14は、プリビューデータをディスク上の所定の位置に記録する。この記録位置は、マイクロコンピュータ5からの指令がコントローラ23に対して供給されることで規定できる。
【0038】
ステップ45において、最初の再生でないと決定されると、処理がステップ47に移る。このステップ47では、ハードディスクドライブ14に記録されたプリビューデータが読出され、その読出されたプリビューデータがスイッチ回路24および6を介してバッファ8に供給され、ユーザーは、ハードディスクドライブ14で再生されたプリビューデータに基づくプリビューを見ることができる。このプリビューを見て、実際に見る映画をユーザーが選択する。ステップ47の後は、ステップ44の選択した映画をユーザーが見る。
【0039】
上述のこの発明の一実施形態におけるポーズ動作について説明する。すなわち、映画を見ている途中で、一時見るのを中断し、次に見るのを再開する時に、中断する直前のシーンに続くシーンから見ることができる動作がポーズである。ポーズ動作は、ディジタルVCR15が先頭部分データを再生している期間におけるポーズ動作と、ハードディスクドライブ14からの読出しデータによる映画を見ている期間におけるポーズ動作とがある。
【0040】
ディジタルVCR15の再生中に、ユーザーがポーズ指令をキー操作等によって発生すると、そのポーズ指令をマイクロコンピュータ5が受け取り、ディジタルVCR15のメカニズムコントローラ30に対して、ポーズ指令を発生する。メカニズムコントローラ30は、これに応答してディジタルVCR15をポーズ状態に制御する。
【0041】
ハードディスクドライブ14の読出しデータを見ている途中のポーズ動作について、図5を参照して説明する。図5Aには、既存のアナログ1チャンネルに対して、7個のチャンネル(チャンネル1〜チャンネル7)が挿入され、120分の映画プログラムを所定時間(120÷7≒17分)の時間差で配信する例であって、7個のチャンネルの時系列が同一時間軸に対して並べられて示されている。aは、プログラムのトップを示し、bがプログラムのエンドを示す。図示しないが、他のタイトルの映画も図2Aと同様に、アナログの1チャンネルを使用して伝送される。また、各チャンネルにおいて、同一プログラムが2回連続しているが、これは、より長い時間(例えば一日中)の連続の一部を示すものである。一例として、ディジタルVCR15が記録する先頭部分データは、7個の映画プログラムのそれぞれの先頭の17分のデータ(a〜c)であり、また、ハードディスクドライブ14は、この時間差のデータを記憶可能な容量を有している。
【0042】
ある時間t0において、ユーザーが選択した映画(ここでは、図2Aに示すように伝送される映画を選択したものとしている。)の再生要求を出すと、図2Bに拡大して示すように、まず、ディジタルVCR15がテープの先頭区間L1の区間L12の先頭部分データを再生し、その中の選択した映画の先頭部分をプログラムセレクタ31が選択し、先頭部分を見ることができる。この間に、受信信号の中で、cに続くデータが存在するチャンネル(図2Bでは、チャンネル3)がプログラムセレクタ10によって選択され、ハードディスクドライブ14がcに続くデータ(17分のデータ)を書込む。
【0043】
次に、ディジタルVCR15が先頭部分の再生を終了した時点からスイッチ回路24が切り替わり、ハードディスクドライブ14の読出しデータ(図2Bにおいては、書込み動作の期間を実線で示し、読出し動作の期間を破線で示す)がスイッチ回路6を介してバッファ8に供給され、これによって、ユーザーがcの後の部分を見ることができる。以下、ハードディスクドライブ14が書込み動作と読出し動作とを並行して行い、ユーザーは、この読出されたデータによる映画を見ることになる。
【0044】
このようにして、ユーザーが選択した映画を鑑賞している途中で、ポーズ命令を発した場合について説明する。時点p0 において、ユーザーがポーズ指令が発生する。この時点までのプログラムの内容(a〜d)は、ユーザーが既に見終わっている。ポーズ指令が発生すると、ハードディスクドライブ14がその時点から17分間の映画のデータを記憶する。若し、ポーズ期間が17分間以上継続したならば、17分間(d〜e)のデータをハードディスクドライブ14が記憶した後に停止する。
【0045】
所定時間後のxp0 において、ユーザーがポーズオフ指令を発生する。このポーズオフ指令がマイクロコンピュータ5に与えられ、マイクロコンピュータ5がハードディスクドライブ14を制御し、ハードディスクドライブ14が17分間(d〜e)のデータを読出す。この読出しデータがハードディスクドライブ14からスイッチ回路24および6を介してバッファ8に供給され、ユーザーがポーズオン後の(d〜e)の映画を見ることができる。
【0046】
ハードディスクドライブ14の読出しがされている間に、ポーズオフの時点xp0 より後で、これと最も近い時点の後続データ(すなわち、eの後の17分間のデータ)を探し、ハードディスクドライブ14によってそれを書込む。図2Bの例では、チャンネル5のプログラム中の(e〜f)の区間がハードディスクドライブ14によって書込まれる。(d〜e)のデータの読出しの後では、(e〜f)のデータが読出される。このように、ハードディスクドライブ14は、読出しと書込みとを並行して行なう。具体的には、ハードディスクドライブ14に設けられているバッファ19および21を使用して、読出し動作と書込み動作とが時分割でなされる。
【0047】
以下、ハードディスクドライブ14に対する書込みとその読出しとが繰り返される。従って、ポーズオフの後でも、ユーザーは、ハードディスクドライブ14から読出されたデータに基づく映画を鑑賞する。書込みと読出しの繰り返し動作は、再生動作を終了するか、プログラムのエンドまで継続する。なお、受信データ中のプログラムの位置(c、d、e等)は、各チャンネルのプログラムのデータと同期したタイムコード等を利用して識別することが可能である。他の方法としては、チャンネル間の時間差(この例における17分)と、ポーズがオンされてから、オフされるまでの時間間隔とから、次の点がどのチャンネルのどこに発生するかを計算する方法を使用しても良い。また、ポーズオンの後のデータを記憶する時に、若干のオーバラップ部分を設けても良い。
【0048】
ポーズオンからポーズオフの期間が17分より短い場合では、ポーズオンから上述の(d〜e)と同様に、ハードディスクドライブ14が17分間のデータを書込む。その途中で、ポーズオフの指令が発生すると、その時点からハードディスクドライブ14の読出しが開始される。この場合、ハードディスクドライブ14は、同じチャンネルのデータの書込みを並行して続ける。17分間のデータの書込みが終了すると、その後の17分間のデータの書込みがなされる。一方、(d〜e)の区間のデータの読出しが終了すると、その後の17分間のデータがハードディスクドライブ14から読出される。このように、書込みと読出しとが繰り返され、ハードディスクドライブ14の再生データをユーザーが鑑賞する。
【0049】
このように、ポーズオンがされてから17分以内にポーズオフされ、その後、ポーズ動作がされない場合では、同一チャンネルの受信データのみで、プログラム全体を見ることができる。しかしながら、短いポーズ動作が何回か行なわれ、そのポーズ期間の累積が17分を超える時には、他のチャンネルのデータを利用する必要が生じる。
【0050】
また、上述のこの発明の一実施形態の動作説明から分かるように、ディジタルVCR15が各映画の先頭部分のデータを記録しているので、ユーザーが選択した映画の再生開始の指令を発生すると、待ち時間なしに選択した映画を見ることができる。
【0051】
上述の一実施形態および他の実施形態では、メモリとしてハードディスクドライブを使用しているが、これに限定されるものではなく、読出しと書込みとが並行して行なうことが可能な半導体メモリ、書込み可能な光ディスク等を使用することができる。
【0052】
【発明の効果】
この発明は、ニア・ビデオ・オン・デマンドのサービスを受ける時に、複数のプログラム中の任意に選択したプログラムに関して、再生途中で、再生を中断し、所定時間後に中断した続きから再生を再開することができる。また、複数のプログラム中の任意に選択したプログラムに関して、再生開始指令を発生してから、待ち時間なしに所望のプログラムを見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】ディジタルVCRが記録するデータを説明するための略線図である。
【図3】この発明の一実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態の動作説明のための略線図である。
【図5】この発明の一実施形態の動作説明のための略線図である。
【符号の説明】
4 ディマルチプレクサ
5 マイクロコンピュータ
10、12 プログラムセレクタ
14 ハードディスクドライブ
15 ディジタルVCR
Claims (3)
- 同一のプログラムが所定の時間差でもって配信されるニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにおける放送記録再生装置において、
上記時間差に相当するデータ量以上のプログラムのデータを記憶することが可能で、且つデータ書き込みとデータ読み出しを平行して行うことが可能なメモリ手段と、
ユーザのコマンドを入力するユーザ入力手段と、
上記メモリ手段の読み出し出力による選択されたプログラムの再生中に、上記ユーザ入力手段により上記プログラムの再生を一旦中断するポーズ指令が発生すると、ポーズ動作の開始時点以降も上記選択されたプログラムの上記メモリ手段に対する書き込みを継続し、上記ユーザ入力手段によりポーズ解除指令が発生すると、上記メモリ手段に書き込まれている上記ポーズ動作の開始時点からの上記選択されたプログラムのデータを読み出すと同時に、ポーズ解除の時点より後で、これと最も近い時点の後続データを上記メモリ手段に書き込む制御手段と
を備えることを特徴とする放送記録再生装置。 - 上記メモリ手段は、ハードディスクドライブである
ことを特徴とする請求項1に記載の放送記録再生装置。 - 同一のプログラムが所定の時間差でもって配信されるニア・ビデオ・オン・デマンドシステムにおける放送記録再生方法において、
上記時間差に相当するデータ量以上のプログラムのデータを記憶することが可能なメモリに対してデータ書き込みとデータ読み出しを平行して行うステップと、
ユーザのコマンドを入力するユーザ入力ステップと、
上記メモリ手段の読み出し出力による選択されたプログラムの再生中に、上記ユーザ入力ステップにより上記プログラムの再生を一旦中断するポーズ指令が発生すると、ポーズ動作の開始時点以降も上記選択されたプログラムをメモリ手段に対する書き込みを継続するステップと、
上記ユーザ入力ステップによりポーズ解除指令が発生すると、上記メモリ手段に書き込まれている上記ポーズ動作の開始時点からの上記選択されたプログラムのデータを読み出すと同時に、ポーズ解除の時点より後で、これと最も近い時点の後続データを上記メモリ手段に書き込むステップと
を備えることを特徴とする放送記録再生方法。
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