JP3755356B2 - ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3755356B2
JP3755356B2 JP31495199A JP31495199A JP3755356B2 JP 3755356 B2 JP3755356 B2 JP 3755356B2 JP 31495199 A JP31495199 A JP 31495199A JP 31495199 A JP31495199 A JP 31495199A JP 3755356 B2 JP3755356 B2 JP 3755356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
abnormality
endless belt
detection
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31495199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001130779A (ja
Inventor
進 木林
直人 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP31495199A priority Critical patent/JP3755356B2/ja
Publication of JP2001130779A publication Critical patent/JP2001130779A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3755356B2 publication Critical patent/JP3755356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置にかかり、特に、無端ベルトの幅方向の位置変動を修正する機能を備え、ベルト搬送装置の異常を検出するベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト搬送装置を備えたものとして、複写機やプリンタ等の画像形成装置がある。画像形成装置に備えられたベルト搬送装置は、例えば、無端状の中間転写ベルト、感光体ベルトや用紙搬送ベルトなどが挙げられる。
【0003】
画像形成装置には、中間転写ベルト等の無端ベルト上に、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した画像形成ユニットを個別に備えたタンデム型のカラー画像形成装置がある。
【0004】
一般に、無端ベルトを所定数のロールで支持し、何れかのロールを駆動ロールとして無端ベルトを走行させるベルト駆動装置では、走行中の無端ベルトが幅方向(ベルト走行方向と直交する方向)に移動する、所謂ベルトの蛇行(ベルトウォーク)が発生する。このベルトの蛇行現象は、上述したタンデム型のカラー画像形成装置において、例えば無端状の中間転写ベルト上に各色の画像を重ね転写する際に、各色の画像の相対的な位置ずれを生じる。すなわち、画像の色ずれや色むらの原因となる。従って、高品質な出力画像を得るためには、ベルトの蛇行を修正する必要がある。
【0005】
そこで、ベルトの蛇行を修正するものとしては、ベルト軸方向の位置を検出し、検出したベルト軸方向の位置に基づいてステアリングロールを傾けて、ベルトの蛇行を制御する方式が提案されている。
【0006】
また、特公平8−257579号公報に記載の技術では、ベルトの位置を検出するオン・オフセンサを軸方向に3つ並べて一定時間出力がない場合、異常として検出している。
【0007】
一方、ベルトエッジ位置を連続的にアナログ検出する方式が提案されている。この方式では、ベルトエッジ位置を連続的にアナログ検出し、ベルトエッジ位置が所定のしきい値を越えた場合に異常検出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平8−257579号公報に記載の技術では、オン・オフセンサの故障などによる異常時にコントロール不能になるとベルトは一方向に蛇行し、ロールを保持するフレーム等に接触し、ベルトを破損してしまい、画像形成が不可能になる、という問題がある。
【0009】
また、ベルトエッジ位置を連続的にアナログ検出する方式では、ベルトのエッジ位置を所定のしきい値で判断して異常と検出する際に、ベルトのエッジ位置の凸凹に影響され、正常な異常検出ができない、という問題があった。また、ベルトの位置を検出するセンサが故障し、一定の値を出力した場合には、異常が検出できない、という問題もある。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、ベルト制御の異常を正確に検出することができると共に、異常時にベルトの破損を防止することが可能なベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、無端ベルトと、該無端ベルトを支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちの何れかを駆動ロールとし、該駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト搬送装置であって、前記無端ベルトの幅方向の位置変動を修正する修正手段と、前記無端ベルトの幅方向のエッジ位置を検出する検出手段と、前記検出手段に基づいて前記修正手段を制御する制御手段と、少なくとも前記制御手段又は前記検出手段からの情報に基づいてベルト搬送装置の異常を検出する異常検出手段と、を備え、電源投入してから所定時間の間、前記異常検出手段による異常検出を禁止することを特徴としている。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、検出手段により検出することによって得られる無端ベルトのエッジ位置の検出データに基づいて修正手段を制御することによって無端ベルトの幅方向の位置ずれを修正する。
【0013】
また、異常検出手段が少なくとも制御手段又は検出手段からの情報に基づいて、ベルト搬送装置の異常を検出するので、ベルト制御の異常を正確に検出することができる。また、異常時には、ベルト搬送装置の動作を停止するようにすれば、異常時の無端ベルトの破損を防止することが可能である。
また、例えばメンテナンス等により無端ベルトの交換を行った直後は、無端ベルトの位置が正常な位置にない場合あり、ベルト搬送装置が正常に制御されているにもかかわらず異常と判断される場合がある。そこで請求項1に記載の発明によれば、電源投入してから所定時間の間、異常検出手段による異常検出を禁止、すなわち、異常検出手段の異常検出を電源投入して所定時間経過後から開始するようにすることによって、上述のようなベルト搬送装置が正常に制御されているにもかかわらず異常と判断されてしまうのを防止することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記異常検出手段は、前記検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化がない場合に、前記検出手段の異常であると判断することを特徴としている。
【0015】
例えば、検出手段に接続される接続線の断線や検出手段の故障等の場合には、例えば、検出手段の出力がない(ゼロ)であったり、最大値になったりする。この場合には、一定時間一定の出力値が検出手段より出力される。そこで、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、異常検出手段が検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化ない場合に、検出手段の異常であると判断することにより、検出手段に異常が発生した場合でも直ちに異常検出ができ、無端ベルト等の損傷を防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記異常検出手段は、前記修正手段の修正量が所定値を越えた場合に、前記修正手段の異常であると判断することを特徴としている。
【0017】
ベルト搬送装置が正常時に行う修正手段の制御量(修正量)は小さいが、例えば、修正手段に異常が発生したり、暴走するような場合には、修正手段による修正量が大きくなったり、最大修正量付近まで制御され、無端ベルトの位置制御が不可能になる。そこで、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明において、異常検出手段が修正手段の修正量が所定値を超えた場合に、修正手段の異常であると判断することにより、修正手段の異常を確実に検出することができ、無端ベルト等の損傷を防止することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、無端ベルトと、該無端ベルトを支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちの何れかを駆動ロールとし、該駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト搬送装置であって、前記無端ベルトの幅方向の位置変動を修正する修正手段と、前記無端ベルトの幅方向のエッジ位置を検出する検出手段と、前記検出手段に基づいて前記修正手段を制御する制御手段と、少なくとも前記制御手段又は前記検出手段からの情報に基づいてベルト搬送装置の異常を検出する異常検出手段と、を備え、前記異常検出手段が、前記検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化がない場合に、前記検出手段の異常であると判断すると共に、前記修正手段の修正量が所定値を越えた場合に、前記修正手段の異常であると判断することを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、検出手段により検出することによって得られる無端ベルトのエッジ位置の検出データに基づいて修正手段を制御することによって無端ベルトの幅方向の位置ずれを修正する。
また、異常検出手段が少なくとも制御手段又は検出手段からの情報に基づいて、ベルト搬送装置の異常を検出するので、ベルト制御の異常を正確に検出することができる。また、異常時には、ベルト搬送装置の動作を停止するようにすれば、異常時の無端ベルトの破損を防止することが可能である。
また、例えば、検出手段に接続される接続線の断線や検出手段の故障等の場合には、例えば、検出手段の出力がない(ゼロ)であったり、最大値になったりする。この場合には、一定時間一定の出力値が検出手段より出力される。そこで、請求項4に記載の発明によれば、異常検出手段が検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化ない場合に、検出手段の異常であると判断することにより、検出手段に異常が発生した場合でも直ちに異常検出ができ、無端ベルト等の損傷を防止することができる。
更に、ベルト搬送装置が正常時に行う修正手段の制御量(修正量)は小さいが、例えば、修正手段に異常が発生したり、暴走するような場合には、修正手段による修正量が大きくなったり、最大修正量付近まで制御され、無端ベルトの位置制御が不可能になる。そこで、請求項4に記載の発明によれば、異常検出手段が修正手段の修正量が所定値を超えた場合に、修正手段の異常であると判断することにより、修正手段の異常を確実に検出することができ、無端ベルト等の損傷を防止することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記異常検出手段による異常検出は、電源投入して所定時間経過後から開始することを特徴としている。
【0021】
例えばメンテナンス等により無端ベルトの交換を行った直後は、無端ベルトの位置が正常な位置にない場合あり、ベルト搬送装置が正常に制御されているにもかかわらず異常と判断される場合がある。そこで請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明において、異常検出手段の異常検出を電源投入して所定時間経過後から開始するようにすることによって、上述のようなベルト搬送装置が正常に制御されているにもかかわらず異常と判断されてしまうのを防止することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記異常検出手段は、前記検出手段により検出されたエッジ位置の平均値を算出し、該平均値が所定値を越えた場合に前記無端ベルトの位置が異常であると判断することを特徴としている。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、異常検出手段が、検出手段により検出されたエッジ位置の平均値を算出し、該平均値が所定値を越えた場合に無端ベルトの位置が異常であると判断するようにすることによって、無端ベルトのエッジの凸凹に左右されることなくベルト位置の異常を確実に検出することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明において、前記無端ベルトのベルト搬送方向の位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記異常検出手段が、前記位置検出手段による検出信号に基づいて、前記無端ベルトの位置異常を検出することを特徴としている。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の発明のおいて、無端ベルトのベルト搬送方向の位置を検出する位置検出手段を更に設け、位置検出手段による検出信号に基づいて、無端ベルトの位置異常を検出することもできる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のベルト搬送装置を備えたことを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のベルト搬送装置を画像形成装置に設けるようにしてもよい。例えば、画像形成装置の中間転写ベルトを搬送するベルト搬送装置や用紙などを搬送するベルト搬送装置に適用することが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0027】
図1には本発明の実施の形態に関わる画像形成装置10の概略構成が示されている。図1に示すように、画像形成装置10は、無端ベルトからなる中間転写ベルト12が、駆動ロール14、ステアリングロール16、2次転写ロール18及び従動ロール20、22、24により、所定の張力を持って支持されている。また、中間転写ベルト12上には、そのベルト走行方向xに従って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した画像形成ユニット26、28、30、32が順に配設されている。
【0028】
各々の画像形成ユニット26、28、30、32は、それぞれ図示しない装置本体フレームに回転可能に軸支された感光体ドラム26a、28a、30a、32aと、各々の感光体ドラム26a、28a、30a、32aの表面をレーザビーム等で走査露光する画像書き込み部26b、28b、30b、32bを有している。また、各々の感光体ドラム26a、28a、30a、32aの周囲には、そのドラム回転方向(図示の時計回り方向)に従って、帯電器26c、28c、30c、32c、現像器26d、28d、30d、32d、1次転写ロール26e、28e、30e、32e及びクリーナ26f、28f、30f、32fが順に配設されている。
【0029】
さらに中間転写ベルト12の走行経路上には、ベルトホームセンサ34とエッジセンサ36とが配置されている。なお、エッジセンサ36は、本発明の検出手段に相当し、ベルトホームセンサ34は、本発明の位置検出手段に相当する。
【0030】
このうち、ベルトホームセンサ34は、中間転写ベルト12の周長方向1箇所に設けられたマーク等を検知するもので、ベルト走行方向xにおいてイエロー(Y)の画像形成ユニット26の上流側に配置されている。なお、ベルトホームセンサ34により出力されるマーク等の検出信号は、画像をベルトシーム(継ぎ目)と重ならないようにするために、画像形成タイミングを決定するためにも用いられる。
【0031】
エッジセンサ36は、中間転写ベルト12のエッジ位置を検出するもので、ベルト走行方向xにおいてブラック(K)の画像形成ユニット32の下流側に(ステアリングロール16の手前)に配置されている。
【0032】
また、画像形成対象となる用紙38は図示しない給紙カセットに収容され、その給紙カセットの用紙繰出側に設けられたピックアップロール40により一枚ずつ繰り出される。繰出された用紙38は、所定数のロール対42により図中破線で示す経路を辿って搬送され、2次転写ロール18の圧接位置へと送られる。
【0033】
図2には、上述のエッジセンサ36の概略構成が示されている。
【0034】
図2に示すように、中間転写ベルト12の一端部には、スプリング36aの引っ張り力をもって接触子36bの一端側が圧接状態に保持されている。この場合、スプリング36aによる接触子36bの圧接力は、中間転写ベルト12を変形させない程度の適度な大きさに設定されている。なお、本実施の形態では、0.1(N)の力で中間転写ベルト12に接触するように調整されている。また、接触子36bは、その中間部位を支軸36cにて回動自在に支持され、その支軸36cを境にした接触子36bの他端側に変位センサ36dが対向状態に配設されている。
【0035】
このエッジセンサ36においては、ベルト蛇行時における中間転写ベルト12の幅方向yへの動きが、そのベルトエッジに圧接する接触子36bの動き(揺動動作)に置き換えられる。この時、接触子36bの動き(変位)に対応して変位センサ36dの出力レベルが変動するため、変位センサ出力36dに基づいてベルトエッジの位置変動を検出することができる。
【0036】
なお、エッジセンサ36については、中間転写ベルト12の位置変動(蛇行)に応じた出力を発生するものであれば、特にいずれの構成を採用しても構わない。例えば、図3に示すように、中間転写ベルト12のエッジ部分を介してLED(Light Emitting Diode)44と光量センサ46を対向状態に配置し、LED44から出射される光が光量センサ46に入射される光量に応じてセンサ出力レベルが変化するものであっても良い。
【0037】
続いて、上述のように構成された画像形成装置10を用いてカラー画像を形成する場合の動作手順について説明する。
【0038】
先ず、駆動ロール14の回転によって中間転写ベルト12をx方向に走行させると、そのベルト走行中において、ベルトホームセンサ34から出力されたマーク検出信号(ベルトホーム信号)を基準に各々の画像形成ユニット26、28、30、32で画像の書き込みが順に開始される。次いで、中間転写ベルト12上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色画像が順次重ね転写(1次転写)され、これによって1つのカラー画像が形成される。その後、カラー画像は中間転写ベルト12の走行と共に2次転写ロール18へと搬送され、そこで中間転写ベルト12上のカラー画像が用紙38に一括転写(2次転写)される。カラー画像が転写された用紙38は、用紙搬送系48によって定着器50に搬送され、そこで画像の定着処理(加熱、加圧等)がなされた後、図示しないトレイに排出される。
【0039】
こうした一連の画像形成動作において、中間転写ベルト12の位置がその幅方向(ラテラル方向)に蛇行してずれると、各々の画像形成ユニット26、28、30、32によって中間転写ベルト12上に転写される画像の位置に相対的なずれが生じる。これが出力画像(カラー画像)の色ずれや色むらとなって現れる。
【0040】
そこで、中間転写ベルト12の蛇行を修正するために、ステアリングロール16を傾き動作させる構成が組み込まれている。
【0041】
図4には、蛇行修正のための基本的な構成を示す概略図が示されている。図4において、ステアリング制御装置52は、蛇行修正のための駆動源となるステアリングモータ54の駆動状態を制御するもので、そのためのモータ制御信号(モータドライブ信号)をステアリングモータ54に出力する。ステアリングモータ54としては、その回転角度や回転速度を高精度に制御可能なステッピングモータ等を用いることができる。また、ステアリング制御装置52には、上述したベルトホームセンサ34とエッジセンサ36とが接続されており、ベルトホームセンサ34からはベルトホーム信号が、エッジセンサ36からはベルトエッジ信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0042】
一方、ステアリングロール16を傾き動作させるメカ的な構成としては、揺動アーム56と偏心カム58を備えている。揺動アーム56は、その中間部位を支軸60にて回動自在に支持されている。また、揺動アーム56の一端にはステアリングロール16の一端部が回動自在に接続され、その反対側のアーム他端に偏心カム58が圧接状態に保持されている。この偏心カム58は、ステアリングモータ54の駆動により回転動作するものである。
【0043】
続いて、ステアリングロール16の傾き動作による中間転写ベルト12の蛇行修正の原理につき、図5を用いて説明する。
【0044】
先ず、図5(A)に示すように、偏心カム58が所定の角度で停止し、その停止角度に対応してステアリングロール16がほぼ水平(傾きがゼロ)に保持された状態では、走行中の中間転写ベルト12が幅方向yに移動(蛇行)しないものと仮定する。
【0045】
この状態から、図5(B)に示すように、ステアリングモータ54の駆動により偏心カム58を図5(B)に示すように半時計回りに回転させると、偏心カム58の偏心量に応じて揺動アーム56がθ1方向に揺動する。これにより、ステアリングロール16の一端が揺動アーム56によって持ち上げられるため、その持ち上げ量に応じてステアリングロール16に傾きが生じる。この時、ステアリングロール16にも巻き付けられた中間転写ベルト12は、揺動アーム56にて持ち上げられたロール端側に移動する。
【0046】
これに対して、図5(C)に示すように、ステアリングモータ54の駆動により偏心カム58を図5(C)に示すように時計回りに回転させると、偏心カム58の偏心量に応じて揺動アーム56がθ2方向に揺動する。これにより、ステアリングロール16の一端が揺動アーム56によって押し下げられるため、その押し下げ量に応じてステアリングロール16に傾きが生じる。この時、ステアリングロール16に巻きつけられた中間転写ベルト12は、揺動アーム56にて押し下げられたロール端と反対側に移動する。
【0047】
従って、中間転写ベルト12の幅方向yへの位置変動を上述したエッジセンサ36で検出し、その検出結果に基づいてステアリングモータ54を駆動し、ステアリングロール16の傾きを適宜制御することにより、中間転写ベルト12の蛇行を修正することができる。なお、中間転写ベルト12の蛇行を適切に修正するためには、中間転写ベルト12の位置変動(蛇行)を正確に検出し、その検出結果に基づいてステアリングロール16の傾きを最適条件で制御する必要がある。
【0048】
本実施の形態においては、ステアリングロール16の傾きを制御するステアリング制御システムとして、図6に示すような構成を採用している。図6において、コントローラ52aは、上述したステアリング制御装置52を構成するものであり、特に、実際の画像形成動作(画像形成モード)においてステアリングロール16の傾きを制御するものである。コントローラ52aは、主に、補償器62、演算部64、及び記憶部66により構成されている。なお、ステアリングモジュール68は、上述したステアリングロール16、揺動アーム56及び偏心カム58を含む機構であり、本発明の修正手段に相当する。また、ベルトモジュール70は、上述した中間転写ベルト12とこれを走行されるロール類(14,20、22、24)を含む機構である。
【0049】
補償器62は、その入力情報となるベルトの位置変動量w(r、n)の情報に基づいてゲインと周波数特性を決定し、位置変動量w(r、n)の情報に対応したステアリング量s(r、n)の制御情報をモータドライバ72に出力する。ここで、“r”はベルトの周回数、“n”はベルトの走行方向に対応した番地である。これに対して、モータドライバ72は、補償器62から出力された制御情報に従ってステアリングモータ54を駆動し、このステアリングモータ54の駆動によってステアリングモジュール54におけるロール傾き角度θ(t)が制御される。なお、本実施の形態では、ステアリングモータ54にステッピングモータを採用していることから、補償器62から出力れる制御情報s(r、n)はモータステップ数に対応したものとなる。
【0050】
一方、A/D変換器74は、エッジセンサ36から出力されるアナログの検出信号E(r、n)をデジタル信号に変換し、そのデジタル化した検出信号を演算部64に出力する。演算部64は、A/D変換器74より出力されたデジタル信号、すなわちベルトエッジの検出データを平均化してエッジデータe(r、n)を作成する。
【0051】
また、記憶部66は、中間転写ベルト12のエッジ形状データp(n)をテーブル形状(以下、エッジ形状テーブルという)で記憶する。このエッジ形状テーブルは、画像形成装置10の製造時や中間転写ベルト12の交換時、或いは画像形成装置10の定期的なメンテナンス時など、通常の画像形成モードとは別のモードで予め作成されたものである。なお、その際のテーブル作成手順に付いては後述する。
【0052】
続いて、通常の画像形成モードにおいて、コントローラ52aにより実行されるステアリング制御の手順について説明する。
【0053】
中間転写ベルト12の走行中においては、ベルトエッジ位置がエッジセンサ36によって連続的に検出され、これによってベルトエッジ位置変動に対応した連続情報がエッジセンサ36から出力される。ただし、エッジセンサ36から出力されるベルトエッジの位置情報E(t)は、ベルトの蛇行による位置変動量W(t)とベルトエッジ形状(凸凹)による位置変動P(t)の両方を含んだものとなる。
【0054】
これに対して、コントローラ52aにおいては、上述したベルトホームセンサ34からのベルトホーム信号を基準に、所定のサンプルタイミングでエッジセンサ36からの検出データを取り込み、これをA/D変換器74によりデジタル信号に変換する。この時、ベルトホーム信号を基準にしたサンプルタイミングは、中間転写ベルト12が1周する間にN個の検出データが得られるように設定される。更に、その検出データの個数Nは、中間転写ベルト12の走行方向に対応した番地の数nと1対1の関係を満たすように設定される。なお、中間転写ベルト12の周回数rは、ベルトホームセンサ34からベルトホーム信号が出力されるたびに1ずつ加算され、中間転写ベルト12の走行方向の番地nは、ベルトホーム信号が出力されるたびにリセットされる。
【0055】
この時、各々のサンプルタイミングにおいて、それぞれ1つの検出データを取り込むようにしてもよいが、このようにした場合は、個々の検出データに含まれるノイズ成分が検出誤差となって現れることも懸念される。
【0056】
そこで本実施の形態においては、各々のサンプルタイミングにおいて、1つの検出データにつき、例えば数10msecの微小ピッチで複数(m)のデータを取り込むようにしている。そして、各々のサンプルタイミングで取り込まれたm個の検出データを順に演算部64に出力し、演算部64によって平均化処理するようにしている。
【0057】
具体的には、最初(1番目)のサンプルタイミングで例えば5つの検出データ(m=5)を取り込んだ場合、これら5つの検出データの加算値をそのデータ数(5)で割って平均化し、これを番地n=1に対応する検出データとする。そして、これと同様の処理を2番目以降のサンプルタイミングで取り込んだ検出データについても繰り返し行うことにより、番地nに対応するN個の検出データe(r、n)を取得する。
【0058】
このように各々のサンプルタイミングで取り込んだ複数のデータをそれぞれ平均化することにより、個々のデータに含まれるノイズ成分が削除(相殺)されるため、検出誤差の少ない正確な検出データe(r、n)を得ることができる。
【0059】
続いて、コントローラ52aにおいては、演算部64により生成されたエッジ位置の検出データe(r、n)と、記憶部66に記憶されたエッジ形状データp(n)とが比較される。この時、演算部64からは、上述したサンプルタイミングに対応して時系列的に検出データe(r、n)が生成されることから、例えば1番目に生成された検出データe(r、n)に対しては、その番地情報“1”に対応して記憶部66に記憶されているエッジ形状データp(1)が比較対象となる。
【0060】
なお、検出データr(r、n)に含まれるrの値は、中間転写ベルト12の周回数に応じて変化するが、比較対象となるエッジ形状データP(n)は、rの値に関係なく選択される。すなわち、rの値が異なる検出データがあっても、nの値が同じであれば、同一のエッジ形状データが比較対象として選択される。
【0061】
ここで、コントローラ52aにおける検出データe(r、n)とエッジ形状データp(n)との比較では、それらの差分が演算によって求められる。この場合の差分データは、上述の如くエッジセンサ36によって検出されるベルトエッジの位置情報E(t)の中から、ベルトエッジ形状(凸凹)による位置変動成分P(t)を差し引いた値となるため、ベルトの蛇行による位置変動成分W(t)に対応したデータとなる。
【0062】
そこで、コントローラ52aにおいては、上述の差分による位置データと予め設定された基準の位置データ(REF)とを比較して、基準位置に対するベルトの位置変動量w(r、n)を算出する。この位置変動量w(r、n)は、基準位置からのベルトのずれ方向に応じて正(+)/負(−)が反転したものとなる。
【0063】
従って、この位置変動量w(r、n)に基づいてステアリング量s(r、n)を設定し、これに基づいてステアリングモータ54を駆動制御することにより、中間転写ベルト12のエッジ形状による誤差成分を排除した形で、ベルトの蛇行を適切に修正することが可能となる。
【0064】
また、中間転写ベルト12が1周する間の位置変動(蛇行)に関しても、高い応答性を持って詳細に制御することができるため、画像形成開始時において1枚目の画像が出力されるまでの時間(例えば複写機におけるFCOT(Fast Copy Output Time)を短縮することができると共に、用紙搬送時等の外乱に対する蛇行制御を安定して行うことができる。
【0065】
続いて、本実施の形態においけるエッジ形状テーブルの作成手順について説明する。
【0066】
図7はエッジ形状テーブルの作成手順を示すフローチャートである。図7はエッジ形状テーブルの作成時における中間転写ベルト12の位置変動状態を示す図である。なお、エッジ形状テーブルの作成に係る一連の処理はステアリング制御装置52によって実行される。その実行時期は上述の如く画像形成装置10の製造時やベルト交換時など、通常の画像形成時とは別に設定される。
【0067】
先ず、画像形成装置10の製造時等において、中間転写ベルト12を所定数のロールに張架した場合、その取付位置の誤差等により、ベルトのエッジ位置は予め設定された基準位置から若干(例えば数mm単位で)ずれた状態となる。
【0068】
そこで、ステップ100においては、エッジセンサ36からの検出データに基づいてステアリングモータ54を駆動することで、ステアリングロール16の傾き動作を制御(ステアリング制御1)する。但し、この時点では、ベルトエッジ形状が未知の情報となっているため、エッジセンサ36の検出データだけを用いてステアリング制御を行うことになる。
【0069】
これにより、中間転写ベルト12のエッジ位置は、上述のステップ100でのステアリング制御1により、図8に示すようにベルト取付時の位置から徐々に基準位置(REF)へと近づいていく。なお、図8においては、ベルトエッジ形状による変動成分を含んだベルトエッジ位置の動きを破線で示し、ベルトエッジ形状による変動成分を含まない本来のベルトの動きを実線で示している。
【0070】
続いて、ステップ102で、エッジセンサ36からの検出データに基づいて、中間転写ベルト12の移動量(蛇行量)W(n)が予め設定された許容範囲Waになったか否かを判定する。判定が否定された場合には、再びステップ102へ戻りステップ102の判定が肯定されるまで繰り返し、ステップ102の判定が繰り返される。
【0071】
ステップ102の判定が肯定された場合には、ステップ104へ移行し、中間転写ベルト12の移動量W(n)におけるステアリングロール16の傾き角度を固定する。この時固定されるステアリングロール16の傾き角度は、中間転写ベルト12が基準位置付近で安定走行している状態の角度となる。
【0072】
ここで、上述のように中間転写ベルト12が基準位置付近で安定走行している状態で、ステアリングロール16の傾きを固定した理由について説明する。
【0073】
先ず、一般にステアリングロール16の傾き角度を固定すると、中間転写ベルト12はその幅方向において図9に示すように一定の割合(以下、ウォークレートと称す)で一方向に移動する。但し、中間転写ベルト12のエッジ形状は、その組立上、正確に直線とはならないため、エッジセンサ36によるエッジ位置の検出データは、ベルト自体のエッジ形状(凸凹形状)が足されたかたちで測定される。この時、時間軸に対する中間転写ベルト12の位置変動の傾き(ウォークレート)は直線(図9の破線)で表されるため、この傾き成分(ウォークレート成分)を検出データから差し引くことにより、中間転写ベルト12のエッジ形状データを算出することができる。
【0074】
ところが、エッジ形状データの算出に際して、その元になるエッジ位置の検出データのウォークレート(ベルトの移動割合)が大きいと、エッジ形状データを算出する際の歪が大きくなって精度が悪化する。
【0075】
図10は、ウォークレートに対するエッジ形状データの誤差を測定した結果である。図10に示すように、ウォークレート(μm/cycle)を小さくした方が、エッジ形状データの誤差が小さくなることがわかる。
【0076】
このような理由から本実施の形態では、中間転写ベルト12のエッジ形状データを算出するにあたり、ウォークレートを所定のレベル(0.5mm/cycle以下)に抑えるべく、ステアリング制御を行い、上述の歪による誤差が極力小さくなるように配慮している。
【0077】
但し、中間転写ベルト12が基準位置付近で安定走行している状態であっても、ステアリングロール16の傾き角度を固定した後は、中間転写ベルト12が所定の割合(0.5mm/cycle以下)で基準位置(REF)から少しずつずれていく。
【0078】
そこでステップ104でステアリングロール16の傾き角度を固定し、ステップ106へ移行して、ステアリングロール16の傾き角度を固定した時点から中間転写ベルト12がRL回転したか否かを判定し、ステップ106の判定が肯定されるまでステップ106を繰り返す。すなわち、中間転写ベルト12をRL周にわたって走行させ、その時のベルトエッジの位置情報、すなわちエッジセンサ36の検出データを取得する。但し、この場合のベルト周回数は2周以上(RL≧2)とする。また、エッジセンサ36によるベルトエッジ位置のサンプルタイミングは、上述のステアリング制御時と同様にベルトホームセンサ34からのベルトホーム信号を基準にして、ベルト1周あたりN個の検出データが得られるように設定する。
【0079】
これにより、例えばベルト周回数を3周(RL=3)とし、ベルト1周当りのサンプル回数を10回(N=10)とした場合は、図11(A)に示すような検出データが得られる。そこで、ステップ108へ移行し、この検出データを用いてエッジ形状データを以下のように算出する。
【0080】
先ず、エッジセンサ36によるサンプル開始時の検出データをe(r1、N)とすると、1サンプル周期あたりのウォークレートWRは以下の(1)式によって求められる。ここで、“r1”はエッジ形状テーブルの作成処理を開始直前のベルト周回数である。
【0081】
【数1】
Figure 0003755356
【0082】
次に、(1)式によって求めたウォークレート成分WRを以下の(2)式によって検出データe(r、n)から除去することにより、図11(B)に示すようにベルトのエッジ形状成分p(r、n)だけを抽出する。
【0083】
【数2】
Figure 0003755356
【0084】
次に、以下の(3)式を用いて、RL周(本例では3周)分のエッジ形状データを平均化処理することにより、図11(C)に示すようにベルト1周分のエッジ形状データp0(n)を算出する。この平均化処理により、エッジセンサ36を用いたベルトエッジ位置の検出精度を高めることができる。
【0085】
【数3】
Figure 0003755356
【0086】
但し、これによって得られたエッジ形状データp0(n)は、その平均値が基準値(REF=0)から外れた、所謂DCオフセット成分を持っている。従って、このエッジ形状データp0(n)を用いて実際にステアリング制御を行うと、中間転写ベルト12のエッジ位置が上述のオフセット成分により基準位置から一定量ずれた状態で制御されることになるため、そのオフセット成分を以下の(4)式を用いて除去する。
【0087】
【数4】
Figure 0003755356
【0088】
これにより、図11(D)に示すように、中間転写ベルト12のエッジ形状データの平均値がほぼゼロとなり、このエッジ形状データp(n)をエッジ形状テーブルのデータとして記憶部66に記憶する。
【0089】
一方、こうしてエッジ形状データp(n)を算出するまでの間、ステアリングロール16の傾き角度は固定されたままであるため、中間転写ベルト12は一定の割合で一方向に移動している。そのため、中間転写ベルト12の位置は基準位置(REF)からずれた状態にある。
【0090】
そこで今度は、ステップ110へ移行して、上述のようにして得られたエッジ形状データp(n)を用いて、画像形成時と同様のステアリング制御(ステアリング制御2)を行う。これにより、中間転写ベルト12のエッジ位置は徐々に基準位置(REF)へと近づいていく。
【0091】
次に、ステップ112へ移行して、エッジセンサ36からの検出データに基づいて、中間転写ベルト12の移動量W(n)が予め設定された許容範囲Wbになったか否か判定する。判定が否定された場合には、再びステップ112の判定が行われ、判定が肯定されるまで繰り返される。
【0092】
ステップ112の判定が肯定、すなわち、中間転写ベルト12の移動量W(n)が許容範囲Wbに収まった、つまり中間転写ベルト12の位置が基準位置に戻った時点でステップ114へ移行し、ステアリング制御がスタンバイ状態(準備完了)となり、一連のテーブル作成処理が終了する。
【0093】
なお、上述した“N”、“RL”の値については任意に変更が可能であり、“N”の値(制御回数、サンプル回数)を増やすことでステアリング制御の緻密性が向上し、“RL”の値を増やすことで平均化処理の精度を向上することが可能である。
【0094】
また、ベルトの幅方向の位置変動(蛇行)を修正するための駆動手段としても、ステアリングロール16の傾き動作を利用したものに限らず、例えばベルトを支持する所定数のロールのうち、何れかのロールを軸方向に移動させることでベルトの位置変動を修正するものなど、他の手段を採用してもよい。
【0095】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10は、上述の如く通常はベルトの幅方向の位置変動(蛇行)を修正する制御がなされるが、次に示すような場合の時には、ベルトは正常の位置で制御できなくなり、一方向にウォーク(移動)してロールを支持するフレーム等に接触してベルトを破損してしまい、画像形成が不可能となってしまう。
【0096】
▲1▼画像形成装置10に衝撃的な外力等が加わったり、誤ってモジュールを組み立ったり部品不良等でロールアライメン(平行度)が設計値を越えて狂った場合。
【0097】
▲2▼温度、湿度や外力等でベルトとが変形したり、交換したベルトが不良品であった場合。
【0098】
▲3▼エッジセンサ36が故障やエッジセンサ36に接続される接続線が断線したり、ステアリングモータ54等のアクチュエータの動作が不良になり、エッジセンサ36の出力が異常になった場合。
【0099】
▲4▼ステアリングモータ54の故障、ステアリングモータ54に接続される接続線の断線や偏心カム58を含むステアリングモジュール68の異常でステアリングロール16が傾かなくなった場合。
【0100】
▲5▼ステアリング制御装置52のコントローラ52aに異常が発生し、コントロールソフトが誤作動した場合。
【0101】
そこで、本実施の形態では、図12に示すフローチャートに従って異常検出を行う。以下、図12のフローチャートを参照して上述のような場合の異常検出について説明する。
【0102】
先ず、ベルトホームセンサ34によるベルトホーム信号を検出して制御が開始される。ステップ200では、ベルトホーム信号が検出されたか否かが判定される。判定が否定された場合にはステップ202へ移行し、ステップ202で、前回のベルトホームの検出から所定時間Tf秒経過しているか否かが判定される。判定が肯定された場合は、ベルトホームの異常であることがわかる。なお、本実施の形態の画像形成装置10では、ベルト1周の時間が10秒とされており、Tfは、12秒に設定されている。
【0103】
また、ステップ202の判定が否定された場合には、再びステップ200へ戻る。ステップ200の判定が肯定された場合には、ステップ204へ移行する。
【0104】
ステップ204では、ベルトの周回数r=r+1とし、ステップ206へ移行する。ステップ206では、エッジセンサ36からの出力をA/D変換してエッジ位置e(r、n)を検出し、ステップ208では、検出されたエッジ位置e(r、n)がNf回連続変化ないか否か判定される。判定が肯定された場合には、エッジセンサ36の異常と判定される。なお、本実施の形態における画像形成装置10では、ベルト1周50回の制御を行うようになっており、Nfは10〜20が適している。また、エッジセンサ36の出力ノイズやA/D変換する際の誤差等があるので、一定のしきい値を設けて変化を検出するのが望ましい。
【0105】
ステップ208の判定が否定された場合には、ステップ210へ移行してウォーク(位置変動量)w(r、n)=e(r、n)−p(r、n)が算出される。
【0106】
続いて、ステップ212では、ステアリング量が算出(s(r、n)=K・w(r、n)、なお、Kは係数である)され、ステップ214でステアリング量を積分することによってステアリング角度A(r、n)=Σs(r、n)が求められる。
【0107】
ステップ216では、ステアリング角度が所定値Afを越えたか否か(|A(r、n)|>Af)判定される。判定が肯定された場合には、ステアリング角度異常であると判定される。なお、エッジ位置、ウォーク量やステアリング角度は基準の位置に対しての偏差を±の符号を付けて処理すると都合がよく、ステアリング角度の絶対値(||)で検出している。また、ステップ214の判定は、前回のステアリング量との偏差(|s(r、n)−s(r、n−m)|(m=1、2、3、…))の値を判断基準にしても同様にステアリング角度の異常を検出することができる。
【0108】
ステップ216の判定が否定された場合には、ステップ218へ移行して、画像形成が終了か否か判定される。判定が否定された場合には、ステップ220へ移行して、ベルトエッジe(r、n)のベルト1回転の平均BPを算出(BP=Σe(r、n)/N)し、ステップ222で所定値BPfを越えたか否か判定される(|BP|>BPf)。判定が肯定された場合には、ベルト位置異常であると判定される。例えば、図13(A)には、ベルトエッジ形状が大きい時のベルトエッジ測定結果が示されており、図13(B)には、ベルトエッジ形状が小さい時のベルトエッジ測定結果が示されている。図13(A)に示すように、ベルトエッジ形状が大きい時には、その凸凹によって異常検出してしまう。そこで、ベルト1回転の平均BPを算出して、平均BPが異常検出範囲(所定値BPf)を越えたか否か判定することによって、ベルトエッジの凸凹形状に影響されずにベルト位置異常を検出することができる。
【0109】
ステップ222の判定が否定された場合には、ステップ224へ移行して、ベルト1回転あたりの制御が終了(n=N)か否か判定される。判定が否定された場合には、ステップ226へ移行してn=n+1として上述のステップ204へ戻り、上述のステップが繰り返される。
【0110】
ステップ224の判定が肯定された場合には、上述のステップ200へ戻り、ベルトの次の回転についての制御が行われる。
【0111】
一方、ステップ218の判定が肯定された場合には、画像形成の終了として一連の処理が終了する。
【0112】
なお、図12に示されたベルトホーム異常、センサ異常、ステアリング角度異常、及びベルト位置異常の判定が行われた場合には、ベルトの搬送が停止されるように制御される。このように、各種の異常に対してベルト搬送を停止することにより、ベルトの損傷やその他画像形成装置10を構成するシステムの損傷を回避することができる。また、これらの異常を区別して、例えば、モニタ等に表示するようにすれば、画像形成装置10のトラブルの原因究明を早急に行うことができる。
【0113】
また、本実施の形態では、ベルトの位置を高精度に制御しているが、ベルト交換等でベルトをベルトモジュール70にセットする場合、ベルトの位置が制御するべき位置とずれてしまい、異常と判断してしまうことがある。そこで、このような場合本実施の形態では、ベルト位置の異常検出を一定期間行わないようにすることによって対応するようにしている。通常ベルト交換は電源遮断後に行うので、電源投入後ベルト例えば2周に相当する時間の間、異常検出を行わないようにすることによって上述のような問題に対応することが可能である。この時、他の異常検出システムとしてベルト位置の異常を検出するようにしてもよい。例えば、ベルトホームセンサ34の信号でベルト蛇行の異常を検出することが可能であり、図14にベルトホームセンサ34を使用したベルト位置の異常検出方法を示す。ベルトとベルト幅方向両端のフレームA及びフレームBの隙間をWa、Wbとし、ベルトホームセンサ34の検出幅をWs、ベルトに設けられたマークの幅をWmとすると、Wm<Wa+Wb−Wsか否かを判定することによって、ベルトがフレームに接触する前に異常を検出することが可能となる。なお、図14(A)はベルトが正常に制御されている場合、図14(B)はベルトが異常制御でフレームA側に近づいて場合、(C)はベルトが異常制御でフレームB側に近づいて場合をそれぞれ示す。
【0114】
なお、本実施の形態においては、無端状の中間転写ベルト12を用いた画像形成装置を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えば無端状の感光体ベルトや用紙搬送ベルト等を用いた画像形成装置に本発明を適用するようにしてもよい。また画像形成装置以外の他の装置のベルト駆動装置としても適用可能である。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ベルト制御の異常を正確に検出することができると共に、異常時にベルトの破損を防止することが可能なベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】 エッジセンサの具体的な構成を示す図である。
【図3】 エッジセンサの他の構成を示す図である。
【図4】 蛇行修正の基本的な構成を示す図である。
【図5】 蛇行修正の原理を説明するための図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係るステアリング制御システムの構成図である。
【図7】 エッジ形状テーブルの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】 エッジ形状テーブルの作成時におけるベルトの位置変動状態を示す図である。
【図9】 ロールの傾き角度を固定した場合のベルトんの位置変動状態を説明するための図である。
【図10】 ベルトの移動割合に対するエッジ形状データの誤差を測定した際の測定結果を示す図である。
【図11】 エッジ形状データの算出手順を示す模式図である。
【図12】 蛇行修正時の異常検出を説明するフローチャートである。
【図13】 (A)はベルトエッジ形状が大きい時のベルトエッジ測定結果を示す図であり、(B)はベルトエッジ形状が小さい時のベルトエッジ測定結果を示す図である。
【図14】 ベルトホームセンサを使用したベルト位置の異常検出方法を示す図であり、(A)はベルトが正常制御されている場合を示し、(B)はベルトが異常制御でフレームA側にベルトが近づいた場合を示し、(C)はベルトが異常制御でフレームB側にベルトが近づいた場合を示す。
【符号の説明】
10 画像形成装置
12 中間転写ベルト
14 駆動ロール
16 ステアリングロール
18 2次転写ロール
20 従動ロール
22 従動ロール
24 従動ロール
34 ベルトホームセンサ
36 エッジセンサ
52 ステアリング制御装置
52a コントローラ
54 ステアリングモータ
56 揺動アーム
58 偏心カム
64 演算部
66 記憶部

Claims (8)

  1. 無端ベルトと、該無端ベルトを支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちの何れかを駆動ロールとし、該駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト搬送装置であって、
    前記無端ベルトの幅方向の位置変動を修正する修正手段と、
    前記無端ベルトの幅方向のエッジ位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段に基づいて前記修正手段を制御する制御手段と、
    少なくとも前記制御手段又は前記検出手段からの情報に基づいてベルト搬送装置の異常を検出する異常検出手段と、
    を備え
    電源投入してから所定時間の間、前記異常検出手段による異常検出を禁止することを特徴とするベルト搬送装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化がない場合に、前記検出手段の異常であると判断することを特徴とする請求項1に記載のベルト搬送装置。
  3. 前記異常検出手段は、前記修正手段の修正量が所定値を越えた場合に、前記修正手段の異常であると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルト搬送装置。
  4. 無端ベルトと、該無端ベルトを支持する所定数のロールとを有し、前記所定数のロールのうちの何れかを駆動ロールとし、該駆動ロールの回転によって前記無端ベルトを走行させるベルト搬送装置であって、
    前記無端ベルトの幅方向の位置変動を修正する修正手段と、
    前記無端ベルトの幅方向のエッジ位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段に基づいて前記修正手段を制御する制御手段と、
    少なくとも前記制御手段又は前記検出手段からの情報に基づいてベルト搬送装置の異常を検出する異常検出手段と、
    を備え、
    前記異常検出手段が、前記検出手段より出力される検出結果が所定期間の間変化がない場合に、前記検出手段の異常であると判断すると共に、前記修正手段の修正量が所定値を越えた場合に、前記修正手段の異常であると判断することを特徴とするベルト搬送装置。
  5. 前記異常検出手段による異常検出は、電源投入して所定時間経過後から開始することを特徴とする請求項4に記載のベルト搬送装置。
  6. 前記異常検出手段は、前記検出手段により検出されたエッジ位置の平均値を算出し、該平均値が所定値を越えた場合に前記無端ベルトの位置が異常であると判断することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のベルト搬送装置。
  7. 前記無端ベルトのベルト搬送方向の位置を検出する位置検出手段を更に備え、前記異常検出手段が、前記位置検出手段による検出信号に基づいて、前記無端ベルトの位置異常を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のベルト搬送装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のベルト搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
JP31495199A 1999-11-05 1999-11-05 ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置 Expired - Fee Related JP3755356B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31495199A JP3755356B2 (ja) 1999-11-05 1999-11-05 ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31495199A JP3755356B2 (ja) 1999-11-05 1999-11-05 ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001130779A JP2001130779A (ja) 2001-05-15
JP3755356B2 true JP3755356B2 (ja) 2006-03-15

Family

ID=18059636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31495199A Expired - Fee Related JP3755356B2 (ja) 1999-11-05 1999-11-05 ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3755356B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8023872B2 (en) 2007-04-27 2011-09-20 Ricoh Company, Ltd. Belt device and image forming apparatus

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1464870B1 (en) 2003-04-02 2012-08-29 DAYCO EUROPE S.r.l. Drive assembly for driving a rotary member, in particular a combustion engine water pump shaft
JP4733437B2 (ja) 2005-06-10 2011-07-27 株式会社リコー ベルト走行装置及びこれを用いた画像形成装置
JP4509891B2 (ja) * 2005-08-24 2010-07-21 株式会社東芝 ベルト駆動装置
JP4513868B2 (ja) * 2008-02-12 2010-07-28 富士ゼロックス株式会社 ベルト回転装置及び記録装置
JP5183452B2 (ja) * 2008-12-17 2013-04-17 キヤノン株式会社 ベルト駆動装置及び画像形成装置
JP5264461B2 (ja) * 2008-12-17 2013-08-14 キヤノン株式会社 ベルト駆動装置及び画像形成装置
JP5409017B2 (ja) * 2009-01-07 2014-02-05 キヤノン株式会社 画像形成装置、および画像形成装置の制御方法
JP5404305B2 (ja) * 2009-10-21 2014-01-29 キヤノン株式会社 ベルト駆動装置及び画像形成装置
JP5700958B2 (ja) * 2010-06-24 2015-04-15 シャープ株式会社 ベルト搬送装置及びこれを用いる画像形成装置
JP5957215B2 (ja) * 2011-12-02 2016-07-27 株式会社ブリヂストン コンベヤベルト装置
JP5813602B2 (ja) * 2012-08-31 2015-11-17 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 駆動装置、およびこれを備えた画像形成装置
JP2020150101A (ja) * 2019-03-13 2020-09-17 パナソニックIpマネジメント株式会社 作業機および作業機の診断方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8023872B2 (en) 2007-04-27 2011-09-20 Ricoh Company, Ltd. Belt device and image forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001130779A (ja) 2001-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3976924B2 (ja) ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置
JP4733437B2 (ja) ベルト走行装置及びこれを用いた画像形成装置
JP3755356B2 (ja) ベルト搬送装置及びこれを備えた画像形成装置
US8867961B2 (en) Image forming apparatus capable of preventing belt from meandering
JP2005070117A (ja) 画像形成装置、および、画像形成装置の色ずれ補正方法
JP2007102189A (ja) 色ずれ補正装置、色ずれ補正方法、画像形成装置、色ずれ補正プログラム及び記録媒体
JP4866171B2 (ja) ベルト走行装置および画像形成装置
US20120224191A1 (en) Image Forming Apparatus
JP2009230111A (ja) 画像形成装置、位置ズレ補正制御方法、及び位置ズレ補正制御プログラム
JPH11295948A (ja) ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置
JP3633294B2 (ja) ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置
JP4263583B2 (ja) 画像形成装置
JP2000264479A (ja) ベルト搬送装置および画像形成装置
JP2011059578A (ja) ベルト駆動装置及び画像形成装置
JP5424088B2 (ja) ベルト駆動装置及びこれを用いた画像形成装置
JP2009020172A (ja) 画像形成装置
JP3632731B2 (ja) ベルト駆動装置及びこれを備えた画像形成装置
JP5141465B2 (ja) 画像形成装置
JP2010256592A (ja) 画像形成装置
US9141041B2 (en) Image forming apparatus
US8837963B2 (en) Image forming apparatus that forms color images on recording sheet based on image information
JP2010014970A (ja) 画像形成装置
JP5510272B2 (ja) 画像形成装置
JP3931467B2 (ja) 画像形成装置
JP2005345740A (ja) 画像形成装置およびそのトナー濃度調整方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100106

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110106

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120106

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130106

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140106

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees