JP3752491B2 - 車椅子踏段付エスカレーターの運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多数の踏段が連結された搬送帯に、要時に複数の踏段の踏板を係合して車椅子積載面を形成する車椅子積載手段が設けられた車椅子踏段付エスカレーターの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3〜図11は、特開平5−8982号公報に示された構成に類似した車椅子踏段付エスカレーターを示す図で、図3は縦断側面図、図4は図3における車椅子搬送状況を示す図3の要部拡大図、図5は図4の下部仕掛装置箇所の拡大図、図6は図5の下部仕掛装置に関連した動作を説明する図、図7は図5の下部仕掛装置に関連した他の動作を説明する図、図8も図5の下部仕掛装置に関連した他の動作を説明する図、図9は図4の下部仕掛装置の拡大図、図10は図9の平面図、図11は図4の上部仕掛装置の拡大図である。
【0003】
図において、1は傾斜して配置されたエスカレーターの主枠、2は主枠1の長手に沿う両側に立設された欄干、3は欄干2の外周を循環移動する移動手摺、4は主枠1の上方側乗降口、5は主枠1の下方側乗降口、6は搬送帯で、多数の踏段7が無端状に連結されて主枠1内を循環移動する。
【0004】
70は詳細は後述するが要時に搬送帯6に形成される車椅子積載面で、踏段7の一つを構成する第一積載踏段71の踏板72、踏段7の他の一つを構成し第一積載踏段71の主枠1下方側に配置された第二積載踏段73の踏板74及び踏段7の他の一つを構成し第二積載踏段73の主枠1下方側に配置された第三積載踏段75の踏板76によって構成される。
【0005】
8は要時に第一積載踏段71の踏板72から突出して第二積載踏段73の踏板74に係合する第一係合腕、9は要時に第二積載踏段73の踏板74から突出して第三積載踏段75の踏板76に係合する第二係合腕、10は第三積載踏段75の踏板76に設けられて主枠1の下方側に配置されて要時に上方へ突出する車止め機構である。
【0006】
11は車椅子積載手段で、第一積載踏段71、第二積載踏段73、第三積載踏段75、第一係合腕8、第二係合腕9、車止め機構10を主要部材として構成されている。12は車椅子積載面70に乗り込んだ車椅子利用者である。
【0007】
13は第一積載踏段71に設けられた伝動機構で、長手が第一積載踏段71の幅方向に配置された第一軸14、第一軸14に固定された第一歯車15、第一軸14と平行に配置されて主枠1の上方寄りに配置された第二軸16、第二軸16に固定されて第一歯車15と噛み合う第二歯車17、第一軸14の上側に平行に配置された第三軸18、第三軸18に固定されて第一係合腕8下面のラックと第一歯車15に噛み合う第三歯車19及び第三歯車19に設けられて過剰回転時にスリップする過負荷防止機構20によって構成されている。
【0008】
なお、詳細な説明を省略するが第二積載踏段73及び第三積載踏段75にも、それぞれ伝動機構13と同様な伝動機構が設けられる。そして、第二積載踏段73では伝動機構により第二係合腕9が作動し、第三積載踏段75では伝動機構により車止め機構10が作動する。また、伝動機構13他の伝動機構の動作により車椅子積載手段11の第一係合腕8及び第二係合腕9が突出して踏板72、踏板74、踏板76が連結されて車椅子積載面70が構成される。
【0009】
21は主枠1の下方側に設けられた下部仕掛装置で、リフト用電動機22、リフト用電動機22の出力軸に固定されたカム23、カム23に係合されて上下変位可能に構成された可動仕掛部24、可動仕掛部24に設けられた車止め用電動機25、可動仕掛部24に枢着されて車止め用電動機25により駆動される鎖車26、可動仕掛部24に枢着されて鎖車26の上方に互いに離れて配置された案内車27及び鎖車26及び案内車27に巻掛けられて上側に水平部を形成し伝動機構13の第二歯車17と噛み合うチェーン28によって構成されている。
【0010】
29は主枠1の上方側に設けられた上部仕掛装置で、リフト用電動機22、リフト用電動機22の出力軸に固定されたカム23、カム23に係合されて上下変位可能に構成された可動仕掛部24及び可動仕掛部24の上面の長手に沿って配置されて固定され下部仕掛装置21と同様に上側に水平部を形成したチェーン30によって構成されている。
【0011】
なお、下部仕掛装置21及び上部仕掛装置29は、要時にリフト用電動機22の動作によるカム23の変位によって可動仕掛部24が上昇して伝動機構13に係合する。そして、動作することにより伝動機構13を介して、第一係合腕8及び第二係合腕9の突出又は引退による踏板72、踏板74、踏板76の連結又は解放による車椅子積載面70を構成するか又は解除する。
31は欄干2の下方側乗降口5寄り設けられた下方運転盤、32は欄干2の上方側乗降口4寄り設けられた上方運転盤である。
【0012】
そして、上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおける第三積載踏段75の伝動機構13と下部仕掛装置21は次に述べるように動作する。すなわち、例えば下方側乗降口5から車椅子利用者12を上方側乗降口4へ搬送する場合に、下方運転盤31の操作により下部仕掛装置21のリフト用電動機22が付勢されてカム23を介して可動仕掛部24が上昇位置に配置される。そして、搬送帯6が低速で上方運転されて移動し、その搬送帯6の停止直前に図6に示すようにチェーン28に第三積載踏段75の第二歯車17が係合する。
【0013】
また、車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図6に示す矢印A方向へ駆動されると、伝動機構13の動作により車止め機構10を引退方向へ動作させる。そして、第三歯車19の余剰回転が過負荷防止機構20の作用によりスリップする。また、搬送帯6が車椅子利用者12を乗り込ませるために停止した状態では図7に示すようにチェーン28に第二歯車17が係合する。
【0014】
そして、車椅子利用者12が搬送帯6に乗り込むと、車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図8に示す矢印B方向へ駆動される。これにより、伝動機構13の動作により車止め機構10を突出方向へ動作させ、また第三歯車19の余剰回転が過負荷防止機構20の作用によりスリップする。
【0015】
なお、車椅子利用者12を乗り込ませるための搬送帯6の低速移動によって、第一積載踏段71、第二積載踏段73の伝動機構13が下部仕掛装置21のチェーン28に係合される。このときにチェーン28が移動しないようにする必要があるので、下部仕掛装置21の車止め用電動機25はブレーキ付き電動機が使用されて車止め用電動機25の消勢時には回転が制動される。
【0016】
また、車椅子利用者12を乗り込ませるための搬送帯6の移動による第三積載踏段75の第二歯車17と下部仕掛装置21のチェーン28との係合から搬送帯6の停止までの間、すなわち図6から図7の状態に到る間は車止め用電動機25の回転が制動される。これによって、第二歯車17とチェーン28の噛み合い時におけるチェーン28の移動が阻止される。
【0017】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおいて、下方側乗降口5から車椅子利用者12を上方側乗降口4へ搬送する場合に、下方運転盤31の操作により下部仕掛装置21のリフト用電動機22が付勢されてカム23を介して可動仕掛部24が上昇位置に配置される。そして、搬送帯6が低速で上方運転されて移動する。
【0018】
これにより、低速移動する搬送帯6における第一積載踏段71、第二積載踏段73の伝動機構13の第二歯車17が、下部仕掛装置21の制動されたチェーン28に係合する。この係合による第二歯車17の回転によって第一係合腕8、第二係合腕9がそれぞれ突出して踏板72、踏板74、踏板76が連結されて車椅子積載面70が構成される。
【0019】
そして、さらに搬送帯6が低速で上方運転されて搬送帯6が移動し、第三積載踏段75の第二歯車17が図7に示すように案内車27相互の中間でチェーン28に係合する。この状態で車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図6に示す矢印A方向に駆動されて車止め機構10が引退する。そして、車止め機構10が引退した状態で、下方側乗降口5から車椅子利用者12が搬送帯6の低速移動中に車椅子積載面70に乗り込む。
【0020】
次に、車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図8に示す矢印B方向に駆動されて車止め機構10が突出する。そして、搬送帯6がさらに低速移動して、第三積載踏段75の伝動機構13が下部仕掛装置21から外れると搬送帯6が加速されて高速になり、すなわち定格速度になり上方側乗降口4へ運転される。
【0021】
そして、運転された搬送帯6が上方側乗降口4へ近づくと減速し、低速移動状態で上部仕掛装置29に第一積載踏段71、第二積載踏段73の伝動機構13の第二歯車17が係合する。これにより、上部仕掛装置29の固定されたチェーン30に係合する。この係合による第二歯車17の回転によって第一係合腕8、第二係合腕9がそれぞれ引退して踏板72、踏板74、踏板76の連結が解除されて車椅子積載面70が解消される。
【0022】
また、第三積載踏段75の第二歯車17が上部仕掛装置29の固定されたチェーン30に係合して回転し、図6に示す状況と同様な動作により車止め機構10が引退する。そして、搬送帯6が停止して車椅子利用者12が上方側乗降口4へ下り立つ。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の車椅子踏段付エスカレーターの運転方法において、車椅子利用者12搬送用の運転操作により搬送帯6が低速移動し、低速移動中に車椅子積載手段11が仕掛装置と係合し車椅子積載面70が形成される。また、搬送帯6の低速移動中に車椅子利用者12が車椅子積載面70に乗り込むと共に、低速移動中に車止め機構10が突出する。
【0024】
このため、車椅子利用者12が車椅子積載面70の正常位置に乗り込んでいないときに、車椅子利用者12の乗り込み位置が突出した車止め機構10から外れたり、特に大型車椅子の利用者12である場合は突出した車止め機構10により車輪が押し上げられたりした状態で搬送帯が移動する恐れがあるという問題点があった。
【0025】
この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、低速移動する搬送帯に車椅子積載面が形成され、車止め機構が突出した状態から搬送帯が自動的に加速動作しない車椅子踏段付エスカレーターの運転方法を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車椅子踏段付エスカレーターの運転方法においては、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に搬送帯の低速移動中において複数の踏段の踏板を係合して搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、車椅子積載面の主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦、時限装置及び早期出発用釦とが設けられる。そして、車椅子上昇搬送運転時に、搬送帯の停止後の車止め上昇用釦兼出発用釦の操作により車止め機構が突出動作し、この動作後の時限装置の所定時限経過及び早期出発用釦の操作のいずれかにより搬送帯が起動する。
【0027】
また、この発明に係る車椅子踏段付エスカレーターの運転方法においては、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に搬送帯の低速移動中において複数の踏段の踏板を係合して搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、車椅子積載面の主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦及び時限装置とが設けられる。そして、車椅子上昇搬送運転時に、搬送帯の停止後の車止め上昇用釦兼出発用釦の第一回操作により車止め機構が突出動作し、この動作後の時限装置の所定時限経過及び時限装置の所定時限中の車止め上昇用釦兼出発用釦の第二回操作のいずれかにより搬送帯が起動する。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態の一例を示す下方車椅子搬送運転盤の正面図である。なお、図1の他は前述の図3〜図11と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成されている。図において、42は欄干2の下方側乗降口5寄り設けられた下方車椅子搬送運転盤で、車止め上昇用釦兼出発用釦38、時限装置39、非常停止釦36及び早期出発用釦43が設けられている。
【0029】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターにおいて、下方側乗降口5から車椅子利用者12を上方側乗降口4へ搬送する場合に、下方運転盤31の人為操作により下部仕掛装置21のリフト用電動機22が付勢されてカム23を介して可動仕掛部24が上昇位置に配置される。そして、搬送帯6が低速で上方運転されて移動する。
【0030】
これにより、移動する搬送帯6における第一積載踏段71、第二積載踏段73の伝動機構13の第二歯車17が、下部仕掛装置21の制動されたチェーン28に係合する。この係合による第二歯車17の回転によって第一係合腕8、第二係合腕9がそれぞれ突出して踏板72、踏板74、踏板76が連結されて車椅子積載面70が構成される。
【0031】
そして、さらに搬送帯6が低速で上方運転されて搬送帯6が移動し、第三積載踏段75の第二歯車17が図7に示すように案内車27相互の中間でチェーン28に係合し搬送帯6が停止する。この状態で車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図6に示す矢印A方向に駆動されて車止め機構10が引退する。そして、車止め機構10が引退した状態で、下方側乗降口5から車椅子利用者12が車椅子積載面70に乗り込む。
【0032】
次に、下方車椅子搬送運転盤42の車止め上昇用兼出発用釦38が人為操作されることにより車止め用電動機25が付勢されてチェーン28が図8に示す矢印B方向に駆動されて車止め機構10が突出する。これと共に時限装置39が作動して所定時限経過後、例えば数十秒後に出発指令が発せられて搬送帯6が起動し次第に加速されて定格速度となり上方側乗降口4へ運転される。また、時限装置39の所定時限経過を待つ前に早期出発用釦43を操作することにより出発指令が発せられて搬送帯6が運転される。
【0033】
そして、運転された搬送帯6が上方側乗降口4へ近づくと減速し、低速移動状態で上部仕掛装置29に第一積載踏段71、第二積載踏段73の伝動機構13の第二歯車17が係合する。これにより、上部仕掛装置29の固定されたチェーン30に係合する。この係合による第二歯車17の回転によって第一係合腕8、第二係合腕9がそれぞれ引退して踏板72、踏板74、踏板76の連結が解除されて車椅子積載面70が解消される。
【0034】
また、第三積載踏段75の第二歯車17が上部仕掛装置29の固定されたチェーン30に係合して回転し、図6に示す状況と同様な動作により車止め機構10が引退する。そして、搬送帯6が停止して車椅子利用者12が上方側乗降口4へ降り立つ。
【0035】
このように、下方側乗降口5から車椅子利用者12を上方側乗降口4へ搬送する場合に、搬送帯6が低速移動して車椅子積載面70が形成され、車止め機構10が引退した状態で搬送帯6が一端停止する。そして、車椅子利用者12が車椅子積載面70に乗り込むと、車止め上昇用兼出発用釦38の人為操作により車止め機構10が突出する。
【0036】
次いで、時限装置39の所定時限経過後に出発指令が発せられて搬送帯6が起動し次第に加速されて定格速度により運転される。また、時限装置39の所定時限経過を待つ前に早期出発用釦43を操作することにより出発指令が発せられて搬送帯6が運転される。
【0037】
このような構成によって、搬送帯6が停止している時限装置39の所定時限中に、車椅子利用者12が車椅子積載面70の所定位置に乗り込んでいるかどうかを確認することができる。そして、もし車椅子利用者12が所定位置に乗り込んでいないときには、非常釦36によって搬送帯6を停止させることができる。
【0038】
このように、車止め機構10の突出を介して自動的に搬送帯6が加速動作することがない。したがって、車椅子利用者12が車椅子積載面70の所定位置に乗り込んでいない状態で、搬送帯6が定格速度となり上方側乗降口4へ運転される不具合を未然に防止することができる。
【0039】
また、時限装置39の所定時限経過を待つ前に早期出発用釦43を操作することにより出発指令が発せられて搬送帯6が運転される。したがって、車椅子利用者12が車椅子積載面70の所定位置に乗り込んでいる場合に、車椅子搬送能率を向上することができる。
【0040】
実施の形態2.
図2も、この発明の他の実施の形態の一例を示す下方車椅子搬送運転盤の正面図である。なお、図2の他は前述の図3〜図11と同様に車椅子踏段付エスカレーターが構成されている。図において、44は欄干2の下方側乗降口5寄り設けられた下方車椅子搬送運転盤で、車止め上昇用釦兼出発用釦45、時限装置39及び非常停止釦36が設けられている。
【0041】
上記のように構成された車椅子踏段付エスカレーターは、前述の図1の実施の形態において早期出発用釦43を省くと共に、また車止め上昇用釦兼出発用釦45の第一回操作後の時限装置39の所定時限中であって所定時限経過を待つ前にに車止め上昇用釦兼出発用釦45を第二回操作することによって出発指令が発せられる機能を追加したものである。
【0042】
これによって、車椅子利用者12が車椅子積載面70の所定位置に乗り込んでいる場合に、車椅子搬送能率を向上することができる。したがって、詳細な説明を省略するが図2の実施の形態においても図1の実施の形態と同様な作用が得られる。また、釦の数が少なくなるので製作費を低減することができる。
【0043】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に搬送帯の低速移動中において複数の踏段の踏板を係合して搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、車椅子積載面の主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦、時限装置及び早期出発用釦とを設けたものである。そして、車椅子上昇搬送運転時に、搬送帯の停止後の車止め上昇用釦兼出発用釦の操作により車止め機構が突出動作し、この動作後の時限装置の所定時限経過及び早期出発用釦の操作のいずれかにより搬送帯が起動する。
【0044】
これによって、主枠の下方側乗降口から車椅子積載面の所定位置に、車椅子利用者が乗り込んで車止め上昇用釦兼出発用釦の操作により車止め機構が突出動作した後に、時限装置の時限経過によって他の操作を要することなく搬送帯が起動して定格速度により運転される。また、時限装置の時限中に早期出発用釦が操作されると搬送帯が起動して定格速度により運転される。
【0045】
したがって、車椅子利用者が車椅子積載面の所定位置に乗り込んでいない状態では、時限装置の時限中に非常釦等により搬送帯の起動を阻止することが可能であって、搬送帯が上方側乗降口へ連続的に運転される不具合を未然に防止する効果がある。また、車椅子利用者が車椅子積載面の所定位置に乗り込んでいる場合には、時限装置の時限経過を待たず早期に搬送帯を起動させることができ、車椅子搬送能率を向上する効果がある。
【0046】
また、この発明は以上説明したように、多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に搬送帯の低速移動中において複数の踏段の踏板を係合して搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、車椅子積載面の主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦及び時限装置とを設けたものである。そして、車椅子上昇搬送運転時に、搬送帯の停止後の車止め上昇用釦兼出発用釦の第一回操作により車止め機構が突出動作し、この動作後の時限装置の所定時限経過及び時限装置の所定時限中の車止め上昇用釦兼出発用釦の第二回操作のいずれかにより搬送帯が起動する。
【0047】
これによって、主枠の下方側乗降口から車椅子積載面の所定位置に、車椅子利用者が乗り込んで車止め上昇用釦兼出発用釦の第一回操作により車止め機構が突出動作した後に、時限装置の時限経過によって他の操作を要することなく搬送帯が起動して定格速度により運転される。また、時限装置の時限中に車止め上昇用釦兼出発用釦の第二回操作が行われると搬送帯が起動して定格速度により運転される。
【0048】
したがって、車椅子利用者が車椅子積載面の所定位置に乗り込んでいない状態では、時限装置の時限中に非常釦等により搬送帯の起動を阻止することが可能であって、搬送帯が上方側乗降口へ連続的に運転される不具合を未然に防止する効果がある。また、車椅子利用者が車椅子積載面の所定位置に乗り込んでいる場合には、時限装置の時限経過を待たず早期に搬送帯を起動させることができ、車椅子搬送能率を向上する効果がある。さらに、操作用の釦数が減少するので、製作費を低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す図で、下方車椅子搬送運転盤の正面図。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す図で、下方車椅子搬送運転盤の正面図。
【図3】 車椅子踏段付エスカレーターを示す縦断側面図。
【図4】 図3における車椅子搬送状況を示す図3の要部拡大図。
【図5】 図4の下部仕掛装置箇所の拡大図。
【図6】 図5の下部仕掛装置に関連した動作を説明する図。
【図7】 図5の下部仕掛装置に関連した他の動作を説明する図。
【図8】 図5の下部仕掛装置に関連した他の動作を説明する図。
【図9】 図4の下部仕掛装置の拡大図。
【図10】 図9の平面図。
【図11】 図4の上部仕掛装置の拡大図。
【符号の説明】
1 主枠、5 下方側乗降口、6 搬送帯、7 踏段、70 車椅子積載面、72 踏板、74 踏板、76 踏板、10 車止め機構、11 車椅子積載手段、38 車止め上昇用釦兼出発用釦、39 時限装置、43 早期出発用釦、45 車止め上昇用釦兼出発用釦。
Claims (2)
- 多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に上記搬送帯の低速移動中において複数の上記踏段の踏板を係合して上記搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、上記車椅子積載面の上記主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、上記主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦、時限装置及び早期出発用釦とを設け、車椅子上昇搬送運転時に、上記搬送帯の停止後の上記車止め上昇用釦兼出発用釦の操作により上記車止め機構が突出動作し、この動作後の上記時限装置の所定時限経過及び上記早期出発用釦の操作のいずれかにより上記搬送帯が起動する車椅子踏段付エスカレーターの運転方法。
- 多数の踏段が無端状に連結されて主枠を循環移動する搬送帯と、要時に上記搬送帯の低速移動中において複数の上記踏段の踏板を係合して上記搬送帯に車椅子積載面を形成し、水平姿勢を保って移動する車椅子積載手段と、上記車椅子積載面の上記主枠の下方寄り縁部に設けられて要時に突出する車止め機構と、上記主枠の下方側乗降口に配置された車止め上昇用釦兼出発用釦及び時限装置とを設け、車椅子上昇搬送運転時に、上記搬送帯の停止後の上記車止め上昇用釦兼出発用釦の第一回操作により上記車止め機構が突出動作し、この動作後の上記時限装置の所定時限経過及び上記時限装置の所定時限中の上記車止め上昇用釦兼出発用釦の第二回操作のいずれかにより上記搬送帯が起動する車椅子踏段付エスカレーターの運転方法。
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