JP3046440B2 - エスカレータ装置 - Google Patents

エスカレータ装置

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JP3046440B2
JP3046440B2 JP4030832A JP3083292A JP3046440B2 JP 3046440 B2 JP3046440 B2 JP 3046440B2 JP 4030832 A JP4030832 A JP 4030832A JP 3083292 A JP3083292 A JP 3083292A JP 3046440 B2 JP3046440 B2 JP 3046440B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常運転と、車椅子搬
送運転とを切り替えることができるエスカレータ装置に
係り、特に、このようなエスカレータ装置に設けられる
安全装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】既に提案されている車椅子搬送可能なエ
スカレータ装置は、図7乃至図13に示されるように構
成されている。
【0003】すなわち図7に示されるように、建物の各
階床の間にはトラス1が傾斜して架設されており、この
トラス1には踏段チェーン5aがループ状に敷設されて
いる。この踏段チェーン5aには複数の移動踏段5、
5、…が各車輪の支軸を介して連結されている。踏段チ
ェーン5aの折返し部にはスプロケット3、4が軸装さ
れており、このスプロケット3、4が回転することによ
り複数の移動踏段5、5、…が踏段チェーン5aを介し
て循環移動するようになっている。なお、移動踏段5の
車輪はトラス1内に設けられたガイドレール(図示せ
ず)により案内される。移動踏段5の両側のトラス1に
は、一対の欄干6が立設されており、両欄干6の外周に
は、移動手摺7が移動踏段5を同期して移動するように
設けられている。
【0004】複数の移動踏段5の一部には、車椅子搭載
用のステップを構成するための少なくとも一対の特殊踏
段8,9が設けられている。なお、以下、説明の簡略化
のため、エスカレータ装置が上昇運転を行う場合を想定
して説明を行うこととし、一対の特殊踏段8,9のうち
先行する踏段を先行踏段8、先行踏段8に続く踏段を後
行踏段9ということとする。
【0005】図8乃び図9に示されるように、先行踏段
8内には支持板10が敷設されており、この支持板10
の中程には伝動軸11が垂直に貫通して軸装されてい
る。また、伝動軸11の両端部には、一方にピニオン1
2a、他方に傘歯車12bが軸装されている。ピニオン
12aは、トラス1の乗り場側と降り場側の乗降口近く
に設置された対応する駆動装置13のラック13aに噛
合うことができるような位置に設けられている。ラック
13aは車椅子搬送運転モードを通常運転モードとの切
り替えを行うときに駆動装置13により上昇させられて
ピニオン12aと噛合い(図8参照)、通常運転モード
のときには下降されてピニオン12aと噛み合わないよ
うになっている。一方、傘歯車12bは、先行踏段8の
ブラケットに軸装された回転軸14の傘歯車14aに噛
合っており、この回転軸14の両端部には、ピニオン1
5a、15bが軸装されている。さらに又、図9に示さ
れるように、この両ピニオン15a、15bの位置する
先行踏段8の案内部材8aには、係合体16、16が前
後方向へ摺動するように水平に設けられており、各係合
体16の各ラック16aには、ピニオン15a、15b
がそれぞれ噛合っている。また、図9乃至図11に示さ
れるように、先行踏段8に隣接する後行踏段9内の側板
には、保持板17が水平に設けられており、この保持板
17には、例えば、パンタグラフのような水平支持機構
(平行リンク機構ともいう)18が伸縮自在に設けられ
ており、この水平支持機構18の上部には、係止部19
aを有する踏板19が水平に敷設されている。
【0006】従って、上述したエスカレータ装置は、通
常運転時には、駆動装置13のラック13aとピニオン
12aが非噛合状態に置かれるから、図9に示されるよ
うに先行踏段8の係合体16は収納されたままの状態と
なる。従って、特殊踏段(先行踏段8および後行踏段
9)は、他の通常の移動踏段5と同様の状態で移動手摺
7と共に移動して乗客を搬送する。
【0007】また、一方で、車椅子搬送運転時には、図
7に示されるように、乗り場側の乗降口で呼出しスイッ
チ20により係員が呼出され、係員が切替スイッチ21
を切替えると車椅子運転モードになり、図8に示す駆動
装置13が駆動される。ラック13aがピニオン12a
と噛合する位置に上昇すると、先行踏段8の移動により
ピニオン12aが回転するから、このピニオン12aの
伝動軸11の傘歯車12bがこれに噛合う傘歯車14a
を回転させる。すると、この傘歯車14aの回転軸14
の各ピニオン15a、15bがこれに噛合う各ラック1
6aを後方へ移動するから、この各ラック16aと一体
の係合体16が後方へ突出して停止することにより、図
10に示されるように係合体16が水平支持機構18と
一体の踏板19の係止部19aに係合する。この係合を
維持して先行踏段8がガイドレール2の傾斜部を移動し
て上昇することにより、図11に示されるように、水平
支持機構18が上方へ延びて踏板19を先行踏段8と同
一の高さに水平に支持する。
【0008】このように後行踏段9の踏板を先行踏段9
の踏板と同じ高さにすることにより車椅子搭載用ステッ
プが構成される。係員が身障者の車椅子を搭載した後、
乗込み確認ボタン(図示せず)が操作されると、通常の
速度で運転される。
【0009】車椅子搭載用ステップが降り場側の乗降口
の近くにくると、減速開始リミットスイッチ(図示せ
ず)が動作され、乗降口まで減速運転となり、乗降口で
微速運転ないし停止状態となる。乗降口で係員により車
椅子が降ろされ、降車確認ボタン(図示せず)が操作さ
れると、移動踏段5が減速運転されるとともに降り場側
の駆動装置13が駆動され、ラック13aがピニオン1
2aと噛み合ってピニオン12aを逆回転させ、前述し
た逆の動作をして元の通常運転に復帰する。
【0010】ところが上述したエスカレータ装置におい
ては、何等かの原因により、係合体16が後方へ摺動し
なかったり、または、係合体16が収納途中の状態で停
止したりすることも考えられる。万一このような事態が
生じた場合、前者の場合には踏板19が確実に支持され
ていないため、車椅子運転時、車椅子が転倒するおそれ
がある。また、後者の場合、言い換えれば降り場側で係
合体16が元の位置に確実に収納されなかった場合に
は、通常運転状態に復帰させた後に装置の各部に干渉が
生じて損傷が生じるおそれもある。
【0011】上述した問題点の解決を目的とするエスカ
レータ装置が、特開昭61−178391号に開示され
ている。ここに開示されたエスカレータ装置の要部を図
12および図13に示す。
【0012】図12及び図13に示すように、先行踏段
8内には、横長いピニオン24が回転自在に軸装されて
おり、このピニオン24には、左右一対のラック25
a、25bが噛合っている。又、各ラック25a、25
bには、それぞれ一対のローラ26a、26bが付設さ
れており、これらローラ26a、26bにより、各ラッ
ク25a、25bは垂直方向に案内されてピニオン24
の回転に伴い交互に昇降する。ピニオン24には、係合
体16のラック16aが歯車機構を介して連結されてお
り、係合体16のラック16aが前後方向に移動すると
ピニオン24が回転するようになっている。さらに、ピ
ニオン24の下位のトラス1には、両ラック25a、2
5bに対応して作動杆27が支軸28で垂直に立設され
ており、この作動杆27の上端部の傍らには、エスカレ
ータ装置の運転を停止させるための停止スイッチ29が
付設されている。
【0013】上述したエスカレータ装置において、車椅
子搬送運転時には、係合体16が正常に後方へ突出して
停止し、この係合体16が水平支持機構18の係止部1
9aに係合しておれば、ピニオン24の回転により一方
のラック25aが上昇し、他方のラック25bが降下し
た状態に保持され、一方で通常運転時には、ピニオン2
4の逆回転によりラック25aが降下し、ラック25b
が上昇した状態に保持されるので、それぞれの運転時に
ラック25a、25bが対応する作動杆27に対して干
渉しない位置に保持され正常な状態での運転を可能にし
ている。
【0014】しかし、何等かの原因により、係合体16
が有効に作動しないでラック25aが上昇しないとき、
あるいはラック25bが上昇しないときはラック25a
またはラック25bが対応する作動杆27に当接する。
すると、作動杆27は支軸28を中心として旋回して、
停止スイッチ29を作動させ、これによりエスカレータ
の運転が停止される。
【0015】このようにして、上述したエスカレータ装
置では、装置の損傷を防止しつつ安全に、車椅子搬送運
転および通常運転を実施している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】車椅子搬送運転時に
は、係合体16が後行踏段に完全に係合している必要が
あり、もしそうでない場合には、車椅子の転倒等の事故
が生じる可能性もある。一方、車椅子搬送運転から通常
運転に復帰させる場合、係合体16が先行踏段8内に完
全に収容されていることが必要であり、もし、係合体1
6が先行踏段8から後方にわずかでも突出していると、
後行踏段9と干渉して後行踏段9を破損させるおそれが
ある。従って、係合体16の状態を確実に検知する必要
がある。
【0017】しかしながら、上述したエスカレータ装置
においては、ラック25aと他のラック25bは係合体
16の作動量に応じて進退量が決まるため、係合体16
の動作が途中で止まると、ラック25a、25bもそれ
ぞれのストローク位置の途中で止まることになる。この
ような場合、係合体16の動作に異常があるにも関わら
ず、ラック25a、25bが対応する作動杆27に当接
しない場合も生じうる。このような場合、係合体16の
異常を的確に検知することができないという問題が生じ
る。
【0018】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、先行踏段の係合体の動作を容易かつ高精
度に検出し、車椅子搬送または通常運転を安全かつ確実
に行うことができるエスカレータ装置を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、踏板と、前記踏板を水平姿勢を維持した
まま昇降可能に支持する水平支持機構とを有する第1の
踏段と、前記第1の踏段に隣接して設けられた第2の踏
段と、前記第1の踏段に向けて水平方向に進退可能に前
記第2の踏段に取り付けられた係合体であって、通常運
転時に前記第2の踏段内に収容され、車椅子搬送運転時
に前記第1の踏段の踏板と係合して前記第1の踏段の踏
板を前記第2の踏段の踏板と同一高さに維持する係合体
と、前記第2の踏段に取り付けられるとともに前記係合
体に向けて付勢された第1の係止部材であって、前記係
合体が前記第1の踏段の踏板と適正に係合した位置にあ
る場合にのみ変位して前記係合体に嵌合し、前記係合体
の水平方向の変位を拘束する第1の係止部材と、前記第
2の踏段に取り付けられるとともに前記係合体に向けて
付勢された第2の係止部材であって、前記係合体が前記
第2の踏段に適正に収容された位置にある場合にのみ変
位して前記係合体と嵌合し、前記係合体の水平方向の変
位を拘束する第2の係止部材と、通常運転と車椅子搬送
運転の切り替え時に、前記係合体に対する前記第1また
は第2の係上部材の嵌合を解除する手段と、前記第1及
び第2の係止部材の変位状態をそれぞれ検出する検出手
段と、前記検出手段により前記係合体が前記第1の踏段
の踏板と適正に係合していない状態にあること又は前記
係合体が前記第2の踏段に適正に収容されていない状態
にあることが検出された場合に、エスカレータ装置の運
転を停止する手段と、を備えたエスカレータ装置を提供
する。
【0020】
【実施例】以下、図1乃至図8を参照して本発明による
エスカレータ装置の一実施例について説明する。なお、
以下の実施例の説明においては、上述した従来例と同一
若しくは類似の機能を果たす構成部材については、同一
符号を付して説明を行うものとする。
【0021】図7において、符号1は、建物の各階床の
間に傾斜して架設されたトラスであって、このトラス1
には、踏段チェーン5aがループ状に敷設されている。
踏段チェーン5aに連結された複数の移動踏段5、5、
…はスプロケット3、4により回転されることにより循
環移動する。この移動踏段5、5、…の循環移動と同期
して移動手摺7も循環移動するようになっている。
【0022】移動踏段5の一部には、車椅子搭載用のス
テップを構成するのための特殊踏段すなわち先行踏段8
および後行踏段9が設けられている。この特殊踏段によ
る車椅子搭載用ステップを構成する手法は図9乃至図1
1により先に説明した手法と同様である。エスカレータ
が車椅子搬送運転モードに切換えられ、特殊踏段が乗降
口に近付くと乗り込み減速リミットスイッチ(図示せ
ず)が動作し、減速運転となる。減速状態で移動しなが
ら特殊踏段の先行踏段8は図1に2点鎖線で示すように
係合体31が後方踏段9側に向けて突出され、後方踏段
9の水平支持機構の係止部19aに係合する。この係合
を維持して先行踏段8が上昇すると、図11に示すよう
に後行踏段9を持ち上げ、後行踏段9が先行踏段8と同
じ高さになって乗降口において車椅子搭載用ステップが
構成される。この車椅子搭載用ステップに車椅子が乗込
み、乗込み確認ボタン(図示せず)が操作されると、エ
スカレータは通常の速度で運転される。車椅子搭載用ス
テップが降車側の乗降口の近くにくると、減速開始リミ
ットスイッチ(図示せず)が動作され、乗降口まで減速
運転となり乗降口で減速ないしは停止する。乗降口で車
椅子が降りると、降車確認ボタン(図示せず)が操作さ
れ、減速運転中に先行踏段8の係合体31が引き戻さ
れ、後行踏段9との係合が解かれて通常の速度で運転さ
れる。
【0023】特殊踏段8,9のうち先行踏段8内には、
支持板10が敷設されている。この支持板10の中程に
は、伝動軸11が垂直に貫通して軸装されている。又、
この伝動軸11の各端部には、ピニオン12aと傘歯車
12bが軸装されており、このピニオン12aはトラス
1の乗り場側と降り場側とにそれぞれ設置された駆動装
置13のラック13aに噛合ったり、非噛合状態とな
る。傘歯車12bには、先行踏段8のブラケットに軸装
された回転軸14の傘歯車14aが噛合っており、回転
軸14の両端部には、それぞれピニオン15a、15b
が軸装されている(図8参照)。また、図1および図2
に示されるように、各ピニオン15a、15bに対応し
て、係合体31が設けられている。各係合体31は案内
部材8aにより前後方向(水平方向)へ摺動するように
案内されている。各係合体31に形成されたラック31
aには、対応するピニオン15a、15bが噛み合って
おり、回転軸14の回転に伴い、各係合体31は水平に
進退することができるようになっている。
【0024】2つある係合体31のうち一方の係合体3
1には、これと一体をなすように係止部材32が設けら
れており、この係止部材32の中程には、係止部32a
が下向きの凹部を形成して設けられている。この係止部
32aが形成された係止部材32の平坦な下面は摺動面
32bを構成している。
【0025】また、先行踏段8内には、支持枠体33が
設けられている。この支持枠体33には、第1係止杆3
4および第2係止杆35が間隔をおいて取り付けられて
いる。第1係止杆34および第2係止杆35の上端部
は、前述した係止部材32の摺動面32b上を摺動す
る。第1係止杆34および第2係止杆35はそれぞれコ
イルばね34a、35aで上方へ付勢されており、それ
ぞれの上端部が係止部材32の係止部32aと一致した
場合に、係止部32aに嵌合するようになっている。ま
た、各係止杆34、35の下端部には、それぞれ作動レ
バー36、37の一端が連結されている。作動レバー3
6、37の他端にはローラ36a、37aが設けられて
いる。各作動レバー36、37は、ピン軸36b、37
bを介して、先行踏段8に枢着されている。
【0026】また、図3に示されるように、走行路のト
ラス1の乗り場側と降り場側の乗降口の近くには、各作
動レバー36、37を動作させる昇降装置38が設けら
れている。昇降装置38は、アクチュエータ38aに案
内杆38cを介して接続されるとともに垂直方向に昇降
自在な水平方向を向いた押上片38bを有する。押上片
38bの両側にはテーパー部が形成されている。
【0027】一方、図1、図2および図6に示されるよ
うに、作動レバー36、37の走行路上と、先行踏段8
の下部に垂設された検出片8bの走行路上とには、踏段
の幅方向にずらして配置された各一対の検出スイッチS
1(常開接点)およびS3(常閉接点)と、S2(常開
接点)およびS4(常閉接点)とがそれぞれ設けられて
いる。特に図6に示されるように、各一対の検出スイッ
チS1、S3と、S2、S4とはそれぞれ直列接続され
て停止リレー39に接続されている。停止リレー39は
一対の検出スイッチS1、S3と、S2、S4のON−
OFF動作により励磁されるとエスカレータの運転を停
止し、非励磁になると運転が行なわれるように構成され
ている。
【0028】即ち、常開の検出スイッチS1、S2は検
出片8bが当接すると閉じ、常閉の検出スイッチS3は
作動レバー36のローラ36aが当接すると開き、常閉
の検出スイッチS4は作動レバー37のローラ37aが
当接すると開くようになっている。
【0029】次に、上記構成を有するエスカレータ装置
の作用について説明する。
【0030】(a)エスカレータの正常な通常運転時 この場合には、図1に示されるように、駆動装置13
(図8参照)が駆動されず、ラック13a、ピニオン1
2aが噛合っていない状態に置かれるから、上記先行踏
段8の係合体31は収納されたままであり、しかも第1
係止杆34が係止部32aに嵌合して上昇位置にあるの
で、検出スイッチS1が検出片8に当接することにより
閉じても、作動レバー36により常閉の検出スイッチS
3が開くため、停止リレー30は非励磁となり、正常な
運転が継続される。
【0031】(b)エスカレータの正常な車椅子搬送運
転時 車椅子運転に際して切替スイッチ21が操作されると、
駆動装置13及び昇降装置38が作動する。昇降装置3
8が作動すると、図3に示されるように両作動レバー3
6、37を介して、第1係止杆34及び第2係止杆35
がコイルばね34a,35aの弾力に抗して降下させら
れる。これにより、第1係止杆34が係合体31の係止
部32aから引き離されて、第1係止杆34は第2係止
杆35とともに係合部材32の下面に位置する。
【0032】この状態で、昇降装置38の押上片38b
を下降させる。次いで、駆動装置13を駆動してラック
13aを上昇させ、減速移動してきたピニオン12aを
ラック13aと噛み合わせる。そしてピニオン12aを
回転させることにより、ピニオン12aの伝動軸11の
傘歯車12b、傘歯車14a、回転軸14、各ピニオン
15a、15b、各ラック31aを介して、各ラック3
1aと一体の係合体31を後方へ突出させる。これによ
り、係合体31が水平支持機構18の係止部19aに係
合すると同時に、コイルばね35aにより付勢されてい
る第2係止杆35が係止部32aに嵌合する。
【0033】このとき、図4に示すように、第2係止杆
35が係止部材32に嵌合する一方、第1係止杆34の
先端は係止部材32の摺動面32b上に位置しているた
め、作動レバー37のローラ37aは下位置にあり、作
動レバー36のローラ36aは上位置にある。従って、
先行踏段8を移動させた場合、常開の検出スイッチS1
が検出片8bに当接して閉じても、常閉の検出スイッチ
S3が作動レバー37に当接することにより開くため、
停止リレー39は非励磁となり、運転が継続される。な
お、先行踏段8がガイドレール2の傾斜部を移動するこ
とにより、図4に示されるように、後行踏段9の踏板1
9は先行踏段8と同一の高さに水平に保持される。従っ
て、この状態で車椅子を安全に搬送することができる。
【0034】降り場側の乗降口で車椅子を降ろした後
は、切替スイッチ23により駆動装置13及び昇降装置
38を駆動することにより、前述と逆の動作をさせて元
の通常運転状態に復帰させることができる。
【0035】(c)エスカレータの異常運転時 車椅子搬送運転と通常運転との切り替えを行う際、図5
に示されるように、何等かの原因により係合体31が途
中で停止してしまった場合には、第1係止杆34と第2
係止杆35はいずれも係合部材32の係止部32aに嵌
合せず、両作動レバー36、37は共に水平な状態に維
持される。従って、この状態でエスカレータ装置を運転
した場合、常開の検出スイッチS1またはS2が対応す
る検出片8bに当接して閉じ、また、第1係止杆34の
作動レバー36または第2係止杆35の作動レバー37
が常閉の検出スイッチS3またはS4に当接しないた
め、検出スイッチS3、S4は閉状態に維持される。従
って、停止リレー39が励磁されてエスカレータの運転
が停止される。
【0036】以上説明したように、本実施例によれば、
係合部材32に向けてばね付勢された第1係止杆34お
よび第2係止杆35を設け、係合体31が後行踏段9に
適正に係合している場合、若しくは係合体が先行踏段8
に適正に収容されている場合にのみ、第1係止杆34お
よび第2係止杆35のいずれか一方が係合部材32に嵌
合するように変位し、かつ他方が変位せず係合部材32
に嵌合しないようになっている。そして、第1係止杆3
4および第2係止杆35の変位状態に基づいて係合体3
1の後行踏段9への適正な係合または係合体の先行踏段
8への適正な収容がなされているか否かを検出するよう
になっている。このため、係合体31の状態を簡便かつ
確実に検出することができる。また、係合体31の動き
が第1係止杆34または第2係止杆35により拘束され
るため、運転中の振動等により係合体31が動いてしま
うことを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
係合体の作動を高精度に検出し、車椅子搬送運転または
通常運転を安全かつ確実に行うことができるエスカレー
タ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエスカレータ装置の一実施例を示
す図であって、その主要部を示す断面図。
【図2】図1の鎖線A−Aに沿う平面図。
【図3】通常運転と車椅子搬送運転との切り替え時の作
用を説明する図。
【図4】通常運転から車椅子搬送運転への移行が正常に
行われた状態を示す図。
【図5】車椅子搬送運転から通常運転から復帰が正常に
行われなかった状態を説明する図。
【図6】異常時にエスカレータ装置の運転を停止するた
めの電気回路図。
【図7】従来のエスカレータ装置の側面図。
【図8】図7の鎖線B−Bに沿う断面図。
【図9】図8の鎖線C−Cに沿う断面図。
【図10】従来のエスカレータの装置の作用を説明する
図。
【図11】従来のエスカレータの装置の作用を説明する
図。
【図12】従来の他のエスカレータの装置の断面図。
【図13】従来の他のエスカレータの装置の平面図。
【符号の説明】
8 第2の踏段(先行踏段) 9 第1の踏段(後行踏段) 18 水平支持機構 31 係合体 34 第2の係止部材(第2係止杆) 35 第1の係止部材(第1係止杆) 38 係合体に対する係止部材の嵌合を解除する手段
(昇降装置) S3 第2の係止部材の変位状態を検出する手段(検出
スイッチ) S4 第1の係止部材の変位状態を検出する手段(検出
スイッチ) 39 エスカレータ装置の運転を停止する手段(停止リ
レー)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】踏板と、前記踏板を水平姿勢を維持したま
    ま昇降可能に支持する水平支持機構とを有する第1の踏
    段と、 前記第1の踏段に隣接して設けられた第2の踏段と、 前記第1の踏段に向けて水平方向に進退可能に前記第2
    の踏段に取り付けられた係合体であって、通常運転時に
    前記第2の踏段内に収容され、車椅子搬送運転時に前記
    第1の踏段の踏板と係合して前記第1の踏段の踏板を前
    記第2の踏段の踏板と同一高さに維持する係合体と、 前記第2の踏段に取り付けられるとともに前記係合体に
    向けて付勢された第1の係止部材であって、前記係合体
    が前記第1の踏段の踏板と適正に係合した位置にある場
    合にのみ変位して前記係合体に嵌合し、前記係合体の水
    平方向の変位を拘束する第1の係止部材と、 前記第2の踏段に取り付けられるとともに前記係合体に
    向けて付勢された第2の係止部材であって、前記係合体
    が前記第2の踏段に適正に収容された位置にある場合に
    のみ変位して前記係合体と嵌合し、前記係合体の水平方
    向の変位を拘束する第2の係止部材と、 通常運転と車椅子搬送運転の切り替え時に、前記係合体
    に対する前記第1または第2の係上部材の嵌合を解除す
    る手段と、 前記第1及び第2の係止部材の変位状態をそれぞれ検出
    する検出手段と、 前記検出手段により前記係合体が前記第1の踏段の踏板
    と適正に係合していない状態にあること又は前記係合体
    が前記第2の踏段に適正に収容されていない状態にある
    ことが検出された場合に、エスカレータ装置の運転を停
    止する手段と、を備えたことを特徴とする、エスカレー
    タ装置。
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