JP3752138B2 - ステップズームレンズカメラ - Google Patents

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  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、カム溝を有するカムリングの回転角を制御してフォーカシングを行うステップズームレンズカメラに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
古典的ズームレンズは、ズーミング時には複数の変倍レンズ群を予め定めたズーミング軌跡で移動させてピント位置を移動させることなく焦点距離を変化させ、シャッタレリーズ時には被写体距離に応じてフォーカスレンズ群を移動させるものである。フォーカスレンズ群は、変倍レンズ群とは独立していることもいずれかの変倍レンズ群と共通であることもある。このような古典的ズームレンズは、カム溝を有するカムリングを手動あるいは電動で無段階に回転駆動させる機械式のズームレンズに広く採用されてきた。
【0003】
これに対して、ステップズームレンズは、カム溝を有するカムリングの回転角をパルス制御するタイプのレンズに採用されている。このステップズームレンズは、テレ端からワイド端までを有限段数からなる複数の焦点距離ステップに分割し、各ステップにおいてカムリングの回転角を制御することによって、ズーミングを伴ってフォーカシング動作しながら無限遠から最短撮影距離までの全ての被写体距離に合焦できるように設定することを特徴としており、カムリングの回転角は、被写体距離情報に基づきそのステップ内に存在する焦点距離との組み合わせで合焦するようにパルス制御される。
【0004】
こうしたステップズームレンズでは、カムリングの取付角のずれなどの原因で、フォーカシングに際してカム溝の有効領域(ステップ域)を外れて利用すると、ピントずれを生じる。ズームレンズのピントずれは他にも様々な原因によって起こるが、ステップズームレンズでは特に、各ステップで正しいカム溝領域を用いているか否か、すなわちカムリングの回転角度位置が適切であるか否かを容易にチェックできることが望ましい。また、カム溝のステップ域は、無限遠距離から最短撮影距離に合焦させる設計上のカム溝領域に加え、ピント調整分などの余裕を持たせるための調整領域を有する場合があり、調整領域も含めたステップ域全体のどの領域が実際に使用されているかを容易にチェックできることが望ましい。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、各ステップでのカム溝使用状態やカムリングの回転角を容易に確認することが可能なステップズームレンズカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
以上の目的を達成するための本発明は、回転駆動されるカムリング;このカムリングに形成した、ワイド端からテレ端までを複数に分割した複数のステップ域と、該複数のステップ域を接続する移行域とを有するカム溝;カムリングと相対回転可能で光軸方向には相対移動不能に結合された直進部材;及び、この直進部材によって直進案内され上記カム溝に従って光軸方向に進退する、カム移動レンズ群;を有し、カム溝の各ステップ域は、カムリングの回転により焦点距離を変化させながら無限遠から最短撮影距離までの被写体に合焦可能な位置にカム移動レンズ群を移動させるステップズームレンズカメラに適用されるものである。すなわち本発明のステップズームレンズカメラは、カムリングのカム溝中に含まれる複数のステップ域の光軸を中心とする形成角度がそれぞれ異なること;直進部材の後端面に、形成角度が最大であるステップ域に対応する長さの周方向観察窓を有すること;カムリングの後端面に周方向位置を異ならせて、周方向観察窓から観察可能な、複数のステップ域を表す複数のステップ域表示指標を有すること;及び、この複数のステップ域表示指標がそれぞれ、当該ステップ域表示指標が表すカム溝のステップ域の形成角度を最長のステップ域の形成角度から差し引いた形成角度を有すること;を特徴としている。この構成によれば、鏡筒組み立て状態からでも、カムリング後端面側からの観察によって、カムリングの回転角や、各ステップにおけるカム溝の使用状態を容易かつ正確に知ることができる。
【0007】
この本発明は焦点距離ステップとカムリングの回転位置との相対関係を容易に確認させるものであるから、カム溝に案内されるカム移動レンズ群とは別に、カムリングの回転駆動により、該カムリングの回転角と線形の関係で光軸方向に移動される、変倍レンズ群を兼ねるフォーカスレンズ群を有している構成で特に有効である。
【0008】
複数のステップ域表示指標のうち、形成角度が最大であるステップ域を表すステップ域表示指標は、周方向観察窓内の幅内に収まる径の円形状に形成することが好ましい。
【0009】
ムリング側のステップ域表示指標は、該カムリングの後端面上の凹部として形成し、直進部材の後端面との干渉を避けることが好ましい。
【0010】
また、カム溝は、撮影を行わない収納位置にカム移動レンズ群を保持させる収納域を有し、カムリングの後端面にはさらに、周方向観察窓から観察可能な、該収納域の周方向位置を表す収納域表示指標を形成してもよい。
【0011】
この収納域表示指標は、周方向観察窓の両端部に対応する間隔で周方向に離間された一対の指標から構成されることが好ましい。
【0012】
また、カム溝の各ステップ域は、カムリングの回転に応じて無限遠から最短撮影距離までの被写体に合焦可能な位置にカム移動レンズ群を移動させることができるフォーカシング領域と;該フォーカシング領域の両側に設けた、カムリングの回転位置を変化させたときフォーカシング領域の合焦機能を損なうことなくカム移動レンズ群を光軸方向に移動させる調整領域と;を有していることが好ましい。このような構成であれば、各ステップで調整領域を含むステップ域の使用状態を容易に確認することができる。
【0013】
【発明の実施形態】
本実施形態は、2群タイプのズームレンズカメラに本発明を適用したものである。最初にステップズームレンズカメラを構成するズームレンズ鏡筒11の全体構造を説明し、次に本発明の特徴部分を説明する。なお、以下の説明において、光軸方向あるいは光軸と平行な方向とは、カメラ完成状態における撮影レンズの撮影光軸Oに沿う方向を指すものとする。
【0014】
カメラの本体部に固定されたハウジング12の内側には、固定鏡筒13が固定されている。この固定鏡筒13の内周面には雌ヘリコイド14が形成されており、さらに雌ヘリコイド14の形成領域を一部切除して、光軸Oと平行な一対の直進案内溝15が形成されている。
【0015】
固定鏡筒13には光軸方向へ長く切欠部が形成されていて、この切欠部に多連ピニオン16が取り付けられる。多連ピニオン16は、光軸Oと平行な回動中心で回動可能に支持され、そのピニオン部の歯面が固定鏡筒13の内側に突出されている。ハウジング12には、モータ支持板17を介してズームモータ18が設置されており、このズームモータ18の駆動軸の回転は、ズームギヤ列19を介して多連ピニオン16に伝達される。
【0016】
ズームモータ18の駆動軸には複数のスリットが形成されたスリット円板20が固定されており、このスリット円板20の回転をフォトインタラプタ21で検出することにより、ズームモータ18の駆動量を検出することができる。ズームレンズ鏡筒11の繰出及び収納動作量はズームモータ18の駆動量に応じたものであるから、このスリット円板20とフォトインタラプタ21からなるパルス検出機構を用いて、後述するカムリング25の回転角をパルス制御することができる。
【0017】
固定鏡筒13の雌ヘリコイド14には、カムリング25の外周面の後端付近に形成された雄ヘリコイド26が螺合されている。雄ヘリコイド26の光軸方向の幅は、カムリング25の最大繰出時に外観に露出しない程度に形成されている。このカムリング25にはさらに、雄ヘリコイド26が形成された同一周面上に、雄ヘリコイド26と平行な領域で複数の外周ギヤ部27が設けられている。それぞれの外周ギヤ部27の歯は光軸Oと平行な方向に形成されており、これに前述の多連ピニオン16が噛合している。
【0018】
カムリング25の内部には、直進案内環28が配設されている。直進案内環28の後端部付近には半径方向外方に突出する外方フランジ29を有し、さらに直進案内間28の後端面には直進案内板(直進部材)30が固定されている。この外方フランジ29と直進案内板30によって、カムリング25後端部に設けた内方フランジ31を挟むことによって、直進案内環28はカムリング25に対して、光軸方向には相対移動不能かつ相対回転は可能に結合される。
【0019】
また直進案内板30には、周方向に位置を異ならせて、半径方向外方に一対の直進案内突起32が突設されている。それぞれの直進案内突起32は、固定鏡筒13に形成した前述の直進案内溝15にそれぞれ摺動可能に係合している。従って、直進案内環28及び直進案内板30は、光軸方向にはカムリング25と一体に移動されるが、撮影光軸Oを中心とする周方向には固定鏡筒13に対する相対回転が規制されている。つまり直進案内されている。
【0020】
以上のカムリング25と直進案内環28がズームレンズ鏡筒11の第1の繰出段部を構成する。この第1繰出段部は、ズームモータ18によって多連ピニオン16が所定のレンズ繰出方向に回転されると、外周ギヤ部27を介してカムリング25が回転され、雌ヘリコイド14と雄ヘリコイド26の関係によって固定鏡筒13からカムリング25が回転しながら繰り出される。同時に、直進案内環28とカムリング25は相対回転可能に結合されているため、直進案内環28は、固定鏡筒13に対して直進案内されながらカムリング25と共に撮影光軸に沿って移動する。
【0021】
カムリング25と直進案内環28の間には、レンズ支持筒35が位置している。レンズ支持筒35の内側にはシャッタ取付環36が固定され、シャッタ取付環36の前端部にはシャッタブロック37が固定されている。シャッタブロック37はシャッタブレード38を開閉させるためのシャッタ駆動モータ34(図9)を内蔵しており、シャッタ用FPC(フレキシブルプリント回路)44を介してCPU60(図9)から送られるシャッタ開閉信号に応じてシャッタブレード38を開閉させることができる。
【0022】
シャッタブロック37はさらに、1群レンズ枠39を介して第1レンズ群L1(変倍レンズ群を兼ねるフォーカスレンズ群)を支持している。1群レンズ枠39の外周面とシャッタブロック37の内周面には、互いに螺合する調整ねじ24が形成されており、第1レンズ枠39は、シャッタブロック37やレンズ支持筒35に対して、調整ねじ24に従って光軸方向位置を調整することができる。この光軸方向位置の調整の際には、1群レンズ枠39とレンズ支持筒35の間に設けたフリクション部材33によって、1群レンズ枠39の位置は安定させることができる。1群レンズ枠39の位置が決まったら、例えば接着剤P(図6にのみ示す)でレンズ支持筒35に固定させる。よって鏡筒完成状態では、第1レンズ群L1はレンズ支持筒35に固定され、レンズ支持筒35と一体的に光軸方向へ移動されるようになる。
【0023】
図1に示すように、直進案内環28は、周面が3つの部分円筒状の直進案内部40に分割された、不完全な筒型形状をなしている。一方、レンズ支持筒35に固定されたシャッタ取付環36には、それぞれが光軸Oと平行な方向へ向かう3つの第1直進案内溝41と3つの第2直進案内溝42が、周方向に交互に形成されている。このうち、それぞれの第1直進案内溝41には、直進案内環28の3つの直進案内部40の各々が嵌合している。この直進案内溝41と直進案内部40との嵌合関係によって、シャッタ取付環36とレンズ支持筒35とシャッタブロック37とは、光軸方向に直進案内される。
【0024】
レンズ支持筒35の後端付近の外周面には雄ヘリコイド45が形成されており、この雄ヘリコイド45は、カムリング25の内周面に形成した雌ヘリコイド46に螺合している。カムリング25が回転すると雌ヘリコイド46と雄ヘリコイド45の螺合関係によって、直進案内環28を介して直進案内されたレンズ支持筒35が、カムリング25(第1の繰出段部)に対して光軸方向に前後移動される。つまり、レンズ支持筒35は、ズームレンズ鏡筒11の第2段目の繰出段部を構成している。第1レンズ群L1は、このレンズ支持筒35と共に光軸方向に移動する。
【0025】
また、シャッタ取付環36の第2直進案内溝42には、第2レンズ群(カム移動レンズ群)L2を支持する2群レンズ枠47に設けた3つの直進案内部48が光軸方向に摺動可能に嵌合している。この直進案内部48と第2直進案内溝42の嵌合関係により、2群レンズ枠47は直進案内される。2群レンズ枠47の各直進案内部48からは、半径方向外方へ向けてカムローラ49が突設されており、このカムローラ49が、カムリング25の内周面に形成した2群案内カム溝50に摺動可能に嵌まっている。2群案内カム溝50は撮影光軸Oに対して所定の傾斜を有しており、カムリング25が回転したときには、該2群案内カム溝50とカムローラ49の関係によって、直進案内された2群レンズ枠47がレンズ支持筒35に対して光軸方向に前後移動される。つまり、カムリング25が回転したときには、第2レンズ群L2は、2群案内カム溝50の形状に従って、第1レンズ群L1に対して光軸方向に相対移動する。
【0026】
本実施形態のズームレンズカメラは、テレ端からワイド端までを有限段数からなる複数の焦点距離ステップに分割し、各ステップにおいてカムリング25の回転角を制御することによって、ズーミングを伴ってフォーカシング動作しながら無限遠(∞)から最短撮影距離(近)までの全ての被写体距離に合焦できるように設定した、いわゆるステップズームレンズカメラである。第1レンズ群L1は、ヘリコイドによって、カムリング25の回転角(回転量)に対して線形の軌跡で光軸方向に移動される。一方、第2レンズ群L2は、ステップ内でこの第1レンズ群L1との相対間隔が変化してピント位置が変わるように、2群案内カム溝50によって案内されている。
【0027】
ワイド端からテレ端までの焦点距離の各ステップや鏡筒収納位置は、固定鏡筒13の内周面に固定したコード板51と、第1の繰出段部を構成する直進案内板30に固定されたブラシ52との摺接位置の変化によって、有限段数の距離情報として検出することができる。コード板51はリード線55を介してCPU60に接続されており、固定鏡筒13に対する直進案内板30(第1の繰出段部)の光軸方向移動に応じてコード板51とブラシ52の摺接位置が変化すると焦点距離(ステップ)が検出される。ブラシ52は、ブラシ押え板53と固定ねじ54を介して直進案内板30に固定されている。
【0028】
図9に示すように、ズームレンズカメラ10はさらに、ズーム操作部材61、シャッタレリーズ部材62、測距モジュール63及び測光モジュール64を備えており、これらの各部材はCPU60に接続されている。ズーム操作部材61は、ズームレンズ鏡筒11にズーミング指令、すなわちワイド側からテレ側への移動指令、及びテレ側からワイド側への移動指令を与えるものである。シャッタレリーズ部材62は、レリーズボタンから構成されるもので、その一段押しで測距モジュール63への測距指令と測光モジュール64への測光指令を与え、二段押しでシャッタブロック37のシャッタ駆動モータ34を動作させる。シャッタ駆動モータ34は、測光モジュール64からの測光出力を受けて、シャッタブレード38を所定時間開放する。また、CPU60に接続するROM(EEPROM)65が設けられている。
【0029】
ROM65には、各焦点距離ステップ内において、無限遠撮影距離(∞)から最短撮影距離(近)の間の被写体への合焦位置にズームレンズ系を移動させるためのカムリング25の回転角(パルス数)を求めるための演算式がメモリされている。
【0030】
また、ズームレンズ鏡筒11の前端部には、鏡筒収納状態で第1レンズ群L1の前方空間を閉じ、撮影状態で開く開閉バリヤ機構が設けられている。開閉バリヤ機構は、レンズ支持筒35の前端付近に設けたバリヤ取付台70に支持された一対のバリヤ羽根71、該一対のバリヤ羽根71を閉じ方向に付勢するバリヤ付勢ばね72、バリヤ駆動環73などを備えている。バリヤ駆動環73は、ズームレンズ鏡筒11を構成するレンズ支持筒35の光軸方向の進退動作に応じて回転し、一対のバリヤ羽根71を開閉させる。
【0031】
レンズ支持筒35の前方には、この開閉バリヤ機構の前部を覆う化粧板75が設けられ、該化粧板75の前面は化粧リング76で覆われている。また、カムリング25の前端部には別の化粧リング77が装着されている。さらに、固定鏡筒13の前部は、カメラの本体部を構成する前カバー78で覆われている。
【0032】
以上のステップズームレンズカメラのズームレンズ系は、次のように動作する。図6の鏡筒収納状態あるいは図7のワイド端からズームモータ18が繰出方向に駆動されると、固定鏡筒13からカムリング25が回転して繰り出され、直進案内環28は、固定鏡筒13によって直進案内されながらカムリング25と共に前方へ移動する。カムリング25が回転繰出されると、該カムリング25の内周面とヘリコイド結合されかつ直進案内されたレンズ支持筒35が、第1レンズ群L1と共にさらに光軸前方に移動される。同時に、第2レンズ群L2は、2群案内カム溝50の案内によって、レンズ支持筒35の内側を第1レンズ群L1とは異なる軌跡で移動する。よって、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2は、互いの間隔を相対的に変化させつつ全体として光軸前方に移動され、ズーミングが行われる。図8のテレ端からズームモータ18を収納方向に駆動させると、ズームレンズ鏡筒11と各レンズ群L1、L2は鏡筒繰出時とは反対に動作する。
【0033】
各焦点距離ステップでのフォーカシング動作は次のように制御される。ズーム操作部材61を操作して以上の鏡筒繰出または収納動作が行われると、コード板51とブラシ52が摺接されて複数に分割された焦点距離ステップのいずれかが検出される。本実施形態では、各ステップの収納(ワイド端)側の所定位置にステップ検出位置が設定されていて、このステップ検出位置から少し繰り出た位置にフォーカシング時のパルスカウントの基準位置としている。図示しないが、本ズームカメラは撮影光学系とは別にファインダ光学系を有しているため、ズーム操作の時点では合焦させる必要はない。よってズーム操作を解除すると、ズームレンズ鏡筒11は、各ステップのパルスカウント基準位置よりも鏡筒収納方向の待機位置で停止する。
【0034】
この待機状態においてレリーズボタンが半押しされ、測距モジュール63による測距動作が行われるとCPU60が被写体距離を検出する。すると、この被写体へ合焦する位置にズームレンズ系を移動させるためのカムリング25の回転角が、ROM65内に格納された演算式に基づいてCPU60により演算される。ここで演算されたカムリング25の回転角度位置は、パルスカウント基準位置におけるカムリング25の回転角度位置と比較され、カムリング25を該基準位置から合焦用の回転角度位置まで駆動するために必要なズームモータ18の駆動パルスが決定される。
【0035】
ここでレリーズボタンが全押しされてシャッタレリーズ部材62からオン信号が入力されると、ズームモータ18を駆動してズームレンズ鏡筒11を繰出方向に動作させ、ブラシ52とコード板51の接点接触時点、すなわちパルスカウント基準位置からズームモータ18のパルスカウントを開始する。このパルスカウントは、前述のスリット円板20とフォトインタラプタ21を用いて行う。そして、先に演算により決定したパルス数が検出されるとズームモータ18を停止してズームレンズ系を合焦位置に保持し、シャッタ駆動モータ34によりシャッタブレード38を開閉させて撮影が行われる。撮影後には、ズームレンズ鏡筒11は再びステップごとの待機位置まで戻る。
【0036】
なお、ここでは、シャッタレリーズ時に合焦動作を行うようにしているが、フォーカシングの駆動形態はこれには限定されず、例えば測距完了時点で合焦動作を行っても構わない。また、各ステップでのズームレンズ鏡筒の待機位置も以上の説明と異なっていてもよい。
【0037】
【本発明の特徴部分の説明】
前述のように、本実施形態のステップズームレンズカメラでは、各焦点距離ステップにおいて、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2がズーミングを伴いながらフォーカシングするようになっており、このフォーカシング動作はカムリング25の回転によって与えられる。詳細には、レンズ支持筒35に固定された第1レンズ群L1は、カムリング25を回転させたときに、最もフィルム面(撮像面)に接近するワイド端から、最も離間するテレ端までのズーミング域において線形にフィルム面(撮像面)との距離を増減する。これに対し、第2レンズ群L2は、こうした線形の仮想のズーミング軌跡(第1レンズ群L1とともにピント位置を変化させることなく連続的に焦点距離を変化させるような軌跡)とは異なる非線形の軌跡で移動される。
【0038】
すなわち、図10に示すように、第2レンズ群L2を案内する2群案内カム溝50は、ワイド端からテレ端までのズーミング域内において、1ないし4の4ステップに分割された非線形の軌跡を持っている。この2群案内カム溝50の分割ステップ溝を、ワイド端側から順に、ステップ溝50−i(i=1〜4)とする。ステップ溝50−iは、各ステップ内において、それぞれ無限遠撮影距離(∞)と最短撮影距離(近)の間の各被写体の合焦位置に2群レンズL2を移動させることができる軌跡であり、前述の仮想ズーミング軌跡に対して変位している。
【0039】
各ステップ溝50−iの両端部には調整領域50aが設けられている。カムリング25の停止位置は、設計上、被写体距離に応じてステップ溝50−iの中に設定される。ところが、ステップズームレンズカメラでは、ズーミング調整(各焦点距離でのピント位置を一致させる調整)やfB調整(ピント位置を撮像面(フィルム面)位置に一致させる調整)を、シャッタレリーズ時にカムリングの回転角の設定(補正)で行うことができる。例えば、本実施形態のズームレンズ系では、レンズ支持筒35に対する第1レンズ群L1の光軸方向位置を調整してズーミング調整を行い、さらにカムリング25の回転角の変化によってfB調整を行うようにすることができる。この場合、第2レンズ群L2は、fB調整因子に応じて、被写体距離とは無関係に(被写体距離に合算して)、シャッタレリーズ時にソフト的に移動させる必要があるが、調整領域50aを設けることで、このfB調整因子による第2レンズ群L2の移動量を確保することができる。また、ズーミング調整とfB調整の両方を、シャッタレリーズ時にカムリングの回転角の設定(補正)で行うことも可能である。この場合、第2レンズ群L2は、ズーミング調整因子とfB調整因子に応じて、被写体距離とは無関係に(被写体距離に合算して)、シャッタレリーズ時にソフト的に移動されることになるが、この場合もズーミング調整因子とfB調整因子に応じた第2レンズ群L2の移動量は、調整領域50aによって確保される。
【0040】
すなわち、ステップ溝50−iの端部を両側の調整領域50a内で動かしても、各ステップ溝50−i内での合焦動作は、全く同様に行うことができる。図10で具体的に説明すると、基本のステップ溝50−4をステップ溝50−4’のように、調整領域50aを用いて変化させても、合焦動作は全く同様に行うことができる。つまり、2群案内カム溝50においては、設計上のステップ溝50−iを挟んで両側の調整領域50aまでが、各焦点距離ステップで用いられる有効カム溝領域(ステップ域)56−i(i=1〜4)を構成している。
【0041】
4段に分けられた各有効カム溝領域56−1、56−2、56−3、56−4の間には、移行域50bが設けられている。移行域50bは、隣接する有効カム溝領域56−iを接続するカム溝であり、各有効カム溝領域56−iを前述した仮想のズーミング軌跡に近づける作用をする。また、2群案内用カム溝50は、鏡筒収納時にカムローラ49を案内する収納域50cを有しており、この収納域50cとワイド端ステップ用の有効カム溝領域56−1との間にも移行域50dが設けられている。さらに、ステップ溝50−4を含む有効カム溝領域56−4の先には、カムローラ49を2群案内カム溝50内に導入させるための導入部50eが形成されている。
【0042】
つまり、ワイド端からテレ端までの4つの各ステップにおいて、無限遠撮影距離から最短撮影距離までの全域で(ピント調整分を含めた)フォーカシング動作を行った場合、カムローラ49が有効カム溝領域56−i内で移動していれば、カムリング25は適切な回転角度位置にあることになる。逆に、各ステップでカムローラ49が有効カム溝領域56−iを外れて移行域50b、50dや導入部50eに入ると、ピントずれの原因となる。本ステップズームレンズカメラでは、以下に説明する構成によって、各焦点距離ステップにおけるカムリング25の回転角度位置、すなわち2群案内カム溝50の使用状況を、分解せずに容易に確認できるようにしている。
【0043】
図11ないし図13に示すように、カムリング25の後端面には周方向に位置を異ならせて、収納域表示指標80、ワイド端ステップ用指標(ステップ域表示指標)81、第2ステップ用指標(ステップ域表示指標)82、第3ステップ用指標(ステップ域表示指標)83、テレ端ステップ用指標(ステップ域表示指標)84が形成されている。各指標80〜84は、カムリング25の後端面から一段奥まった凹状に形成されている。一方、カムリング25の後端面を覆う直進案内板30には、これらの指標80〜84に対応する半径方向位置に、指標観察窓(周方向観察窓)85が貫通形成されている。指標観察窓85は、光軸Oを中心とする周方向に長い窓部であり、直進案内板30を(直進案内環28と共に)カムリング25と相対回転可能に結合させたときに、ズームレンズ鏡筒11の後端側から指標観察窓85を通して指標80〜84を観察することができる。なお、図10に表れている各指標80〜84は、見やすくするために塗りつぶして示している。
【0044】
指標観察窓85と指標80〜84の関係について、図23を参照して具体的に説明する。図23は回転方向に形成されている要素を直線状に展開した図である。指標観察窓85の周方向長さα(光軸Oを中心とする形成角度)は、全ステップ領域の指標を全て確認すべく、前述の4段の有効カム溝領域56−iのうち、最も長いテレ端側の有効カム溝領域56−4の回転角(光軸Oを中心とする形成角度)に対応させて形成されている。そして、各ステップ域を表すステップ用指標81〜84のそれぞれの周方向長さ(光軸Oを中心とする形成角度)は、対応するステップの有効カム溝領域56−iの回転角(光軸Oを中心とする形成角度)を、最も長い有効カム溝領域56−4から差し引いた差分値d(1〜3)に対応させて決定されている。すなわち、ワイド端ステップを表すワイド端ステップ用指標81は、有効カム溝領域56−4からワイド端ステップの有効カム溝領域56−1の回転角を差し引いた差分値d1の長さに形成されている。同様に、第2ステップ用指標82の長さは、有効カム溝領域56−4と有効カム溝領域56−2の差分値d2として決定され、第3ステップ用指標83の長さは、有効カム溝領域56−4と有効カム溝領域56−3の差分値d3として決定されている。テレ端ステップ用指標84に関しては、この差分値がゼロなので、長円状をなす他の指標81〜83とは異なり、視認するのに必要な最低限の大きさに円形状に形成されている(図13参照)。具体的には、図22に示すように、テレ端ステップ用指標84は、指標観察窓85の幅よりも小径の円形状に形成されている。カムリング25と直進案内板30を組み合わせたときの、指標観察窓85と各指標81〜84の相対的な位置関係は、各指標81〜84が指標観察窓85内で観察されるときに、対応する有効カム溝領域56−iが用いられるように設定されている。また、収納位置を示す2つの収納域表示指標80は、指標観察窓85の両端に位置することで収納位置にあることが確認が出来るように、有効カム溝領域56−4の回転角に対応した距離だけ離れて配置されている(図14参照)。
【0045】
これにより、各ステップ領域において正常な状態でカムリング25が動くと、対応する指標81〜84が指標観察窓85の一端部から他端部まで移動する状態が視認できる。例えば、図23では、ワイド端ステップ用指標81が、指標観察窓85内を実線で示す一端部位置から破線で示す他端部位置まで移動するということは、カムリング25が有効カム溝領域56−1を使用するワイド端ステップWの回転角で駆動されていることを示す。中間距離の第2、第3ステップM1、M2も同様であり、各指標82、83が指標観察窓85内を実線で示す位置から破線で示す位置まで移動されていれば、カムリング25が有効カム溝領域56−2、56−3を使用する回転角で駆動されていることになる。さらに、テレ端ステップ用指標84が、指標観察窓85内を実線で示す位置から破線で示す位置まで移動するということは、カムリング25が有効カム溝領域56−1を使用するテレ端ステップTの回転角で駆動されていることを示す。
【0046】
なお、本実施形態では指標81〜83は、前述の差分値d1〜3に対応する領域をすべて含めているため、円周に沿った長円状の指標として形成されているが、各指標81〜83の両端部分だけを残した形状にすることも原理的には可能である。しかし、このようにすると、テレ端ステップ用指標84や収納域表示指標80を含めた各指標の区別がしにくくなるので、本実施形態のように長円状にするなどして各指標の形状を異ならせ、視認性を高めることが望ましい。また、図23では概念的な説明のために各指標81〜84を矩形に表しているが、実際には図13に示すような長円状、あるいは楕円状などに形成して、その端部位置を視認しやすくすることが望ましい。逆に、指標観察窓85側の端部形状を、指標81〜84の端部を視認しやすくなるように工夫してもよい。
【0047】
前述したように、各焦点距離ステップを表す指標81〜84の周方向長さが異なるのは、それぞれが対応するステップにおける有効カム溝領域56−iの周方向長さ(光軸Oを中心とする形成角度、カムリング25の回転角)が異なるためである。例えば、本実施形態では、ワイド端側から焦点距離順に有効カム溝領域56−iの回転角が大きくなり、これに応じてワイド端ステップ用指標81が最も長く、第2ステップ用指標82、第3ステップ用指標83、テレ端ステップ用指標84の順で徐々に短くなるように形成されている。しかし、有効カム溝領域は、取り回し形状や調整領域の設定によっては、その回転角(光軸Oを中心とする形成角度)の大きさの順序が焦点距離の順序通りにならない可能性もある。こうした場合には、各ステップ用指標の周方向長さも、焦点距離ステップの順序通りに変化することにはならない。
【0048】
図14ないし図22に、指標観察窓85を通しての実際の指標観察状態を示す。図14は、ズームレンズ鏡筒11が収納位置にあるときの、カムリング25と直進案内板30を後端面側から示している。カムリング25に形成した一対の収納域表示指標80は、直進案内板30に形成した指標観察窓85の両端部に位置している。
【0049】
図15と図16は、ズームレンズ鏡筒11がワイド端ステップにあるときの、カムリング25と直進案内板30を後端面側から示している。図15は、収納位置から鏡筒繰出動作を行って最初にワイド端ステップの有効カム溝領域56−1に入った状態であり、このときカムローラ49は2群案内用カム溝50内のA1位置にある。図16は、このワイド端ステップのうち有効カム溝領域56−2の範囲内で最もテレ側まで繰り出した状態を示しており、このときカムローラ49は2群案内用カム溝50内のB1位置にある。すなわち、指標観察窓85を通してワイド端ステップ用指標81の全体が見えているときには、カムローラ49は、2群案内用カム溝50内でワイド端ステップ用の有効カム溝領域56−1に位置していることになる。
【0050】
他の分割ステップにおいても同様に、指標観察窓85を通してステップ用指標82〜84の全体が観察できる状態では、各焦点距離ステップの有効カム溝領域56−2、56−3、56−4(ステップ溝50−iと両側の調整領域50a)を用いて第2レンズ群L2を案内していることになる。例えば、図17と図18は、ズームレンズ鏡筒11の2段目のステップで、カムローラ49がそれぞれA2とB2位置にあるときの、カムリング25と直進案内板30の相対回転位置を表している。また、図19と図20は、ズームレンズ鏡筒11の3段目のステップで、カムローラ49がそれぞれA3とB3位置にあるときの、カムリング25と直進案内板30の相対回転位置を表している。さらに、図21と図22は、ズームレンズ鏡筒11のテレ端側のステップで、カムローラ49がそれぞれA4とB4位置にあるときの、カムリング25と直進案内板30の相対回転位置を表している。
【0051】
前述のように、各ステップ内の実際のフォーカシング動作では、無限遠距離から最短撮影距離までの撮影範囲全域は、有効カム溝領域56−iの全体より狭いステップ溝50−iの範囲で合焦させることができる。また、各ステップ溝50−iの両側には、当該ステップの合焦機能を損なわない形状の調整領域50aが設けられている。そのため、ピント調整分や機械的誤差などのためにカム溝の使用領域が設計上のステップ溝50−iの位置から若干シフトしても、調整領域50aの範囲内であれば問題なくフォーカシングさせることができる。この際、本実施形態の構成によれば、直進案内板30に形成した指標観察窓85を通してカムリング25側の指標80〜84の現れ方を観察することによって、各焦点距離ステップにおいてカム溝の実際の使用領域が設計上のステップ溝50−iの位置からどの程度シフトされているか、有効カム溝領域56−iにどの程度の余裕があるかを、容易に知ることができる。
【0052】
例えば、ズーミング調整とfB調整を含んだピント調整をソフト的に行った結果、ステップ内で有効カム溝領域56−iの余裕がほとんどなくなった場合にも、本実施形態の構成であれば当該状態を容易に視認できるため、ピントずれが生じる前に必要な対策を講じやすい。このような場合、本実施形態のズームレンズ鏡筒11では、第1レンズ群L1の光軸方向位置を調整してズーミング調整に相当する効果を持たせて、カム溝側での同調整分の負担を減らすということが可能である。
【0053】
また、鏡筒を組んだ状態で、各ステップにおいてカムローラ49が2群案内用カム溝50の移行領域50b、50dや導入部50eに入ってしまうような場合にはピントずれが生じるが、本実施形態の構成によれば各ステップでのカムリング25の回転位置の適否が分かるので、ピントずれの原因を特定することが容易である。
【0054】
例えば、コード板51が所定の位置から光軸方向に若干ずれて取り付けられてしまった場合、各焦点距離ステップの検出タイミングに狂いを生じるので、カムリング25の回転角度位置が正確に制御されなくなる。そして、各ステップにおけるカムリング25の回転角のずれ量が、有効カム溝領域56−iの調整領域50aではカバーできないほど大きければ結果としてピントずれが起こる。こうしたカムリング25の回転位置ずれを起因とするピントずれの場合、コード板51やブラシ52が構成する焦点距離検出手段によって規定された各ステップで無限遠距離から最短撮影距離までの全域で合焦動作を行わせると、いずれかの被写体距離では、ステップ内であるにも関わらず、指標観察窓85を通して全体が観察されるべきカムリング25側の指標81〜84の一部あるいは全体が直進案内板30の背後に隠れて見えないという状態になる。また、鏡筒収納位置では、一対の収納域表示指標80が指標観察窓85内で同時には観察されなくなる。これは、各ステップで有効カム溝領域56−i以外の領域が使用されていることを意味しており、指標観察窓85内でのカムリング25側の指標80〜84の現れ方を観察すれば、それを容易に知ることができる。例えば、ワイド端ステップで最短撮影距離に合焦させるべくカムリング25を回転駆動させたときに、ワイド端ステップ用指標81が図16の位置よりも下方(時計方向)に進んで、その一部が直進案内板30の背後に隠れるようであれば、カムリング25は繰出方向(時計方向)に進み過ぎており、カムローラ49が次の移行域50bに入ってしまっていることになる。
【0055】
なお、以上では、主としてカムリング25と第2レンズ群L2の関係について説明したが、カムリング25の回転角がずれているということは、このカムリング25の回転角に対して線形の軌跡でヘリコイド移動される第1レンズ群L1の光軸方向位置もずれているということである。よって、本実施形態の構成では、第2レンズ群L2のみならず、第1レンズ群L1を含んだズームレンズ系全体が適正な位置にあるか否かを容易に観察することができる。
【0056】
逆に、ピントずれ状態において指標観察窓85と指標80〜84を観察した結果、各ステップにおけるカムリング25の回転位置が適正である場合には、他の要因でピントずれが起こっているものとみなすことができ、少なくともカムリング25の回転位置をピントずれの原因から除外することができる。
【0057】
以上のように、指標観察窓85内でのカムリング25側の指標80〜84の現れ方を観察すれば、各ステップにおけるカムリング25の回転角を確認することができ、各ステップにおける2群案内カム溝50の使用状況を確認することができる。この確認作業は、図1に示されるズームレンズ鏡筒11の各構成部品を組み合わせた状態で、該鏡筒の後方からの視認によって行うことができるので、鏡筒を細かく分解する必要がなく容易に行うことができる。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態のステップズームレンズカメラでは、回転駆動されるカムリング25の後端面に、光軸Oを中心とする形成角度の異なる各ステップを表す複数の指標81〜84(ステップ部分表示部)を形成し、直進案内された直進案内板30には、カムローラ49が有効カム溝領域56−i(ステップ域)を案内されているときに各指標81〜84を露出させる指標観察窓85を、形成角度最大のステップに対応する周方向長さで形成したので、カムリング25の回転角や2群案内カム溝50の使用位置を容易かつ正確に判断することができる。よって、カメラ組立工程においてピントずれを防止しやすくなり、またピントずれが生じた場合には、その原因究明を容易ならしめることができる。
【0059】
但し、本発明のステップズームレンズカメラは図示した実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では2段繰出式で2群構成のズームレンズについて説明したが、本発明はカムリングの回転によってフォーカシングさせるタイプの、いわゆるステップズームレンズカメラであれば、レンズ構成や繰出段数に関わりなく適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、各ステップでのカム溝使用状態やカムリングの回転角を容易に確認することが可能なステップズームレンズカメラを簡単な構成で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステップズームレンズカメラの一実施形態におけるズームレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図2】図1のズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図3】図1のズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】図1のズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図5】図1のズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図6】図1のズームレンズ鏡筒の収納状態を示す上半断面図である。
【図7】図1のズームレンズ鏡筒のワイド端における上半断面図である。
【図8】図1のズームレンズ鏡筒のテレ端における上半断面図である。
【図9】図1ないし図8に機械的構成を示すステップズームレンズカメラの制御回路系を示すブロック図である。
【図10】カムリングの展開図である。
【図11】カムリングと直進案内板を分解した状態の後方斜視図である。
【図12】カムリングと直進案内板を組み合わせた状態の後方斜視図である。
【図13】カムリングの後端部を示す図である。
【図14】ズームレンズの収納状態におけるカムリングと直進案内板の相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図15】ズームレンズのワイド端ステップにおいて、有効カム溝領域の一方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図16】ズームレンズのワイド端ステップにおいて、有効カム溝領域の他方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図17】ズームレンズのワイド端側から2段目のステップにおいて、有効カム溝領域の一方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図18】ズームレンズのワイド端側から2段目のステップにおいて、有効カム溝領域の他方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図19】ズームレンズ鏡筒のワイド端側から3段目のステップにおいて、有効カム溝領域の一方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図20】ズームレンズ鏡筒のワイド端側から3段目のステップにおいて、有効カム溝領域の他方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図21】ズームレンズ鏡筒のテレ端ステップにおいて、有効カム溝領域の一方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図22】ズームレンズ鏡筒のテレ端ステップにおいて、有効カム溝領域の他方の端部でのカムリングと直進案内板との相対回転位置を、後端側から示した図である。
【図23】有効カム溝領域、指標観察窓、各ステップ用指標の関係を直線状に展開して示す図である。
【符号の説明】
11 ズームレンズ鏡筒
12 ハウジング
13 固定鏡筒
18 ズームモータ
20 スリット円板
21 フォトインタラプタ
25 カムリング
28 直進案内環
30 直進案内板(直進部材)
35 レンズ支持筒
36 シャッタ取付環
37 シャッタブロック
39 1群レンズ枠
47 2群レンズ枠
49 カムローラ
50 2群案内カム溝
50−1 50−2 50−3 50−4 ステップ溝
50a 調整領域
50b 50d 移行域
50c 収納域
50e 導入部
51 コード板
52 ブラシ
56−1 56−2 56−3 56−4有効カム溝領域(ステップ域)
60 CPU
61 ズーム操作部材
62 シャッタレリーズ部材
63 測距モジュール
64 測光モジュール
65 ROM
80 収納域表示指標
81 ワイド端ステップ用指標(ステップ域表示指標)
82 第2ステップ用指標(ステップ域表示指標)
83 第3ステップ用指標(ステップ域表示指標)
84 テレ端ステップ用指標(ステップ域表示指標)
85 指標観察窓(周方向観察窓
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群(カム移動レンズ群)
O 撮影光軸

Claims (7)

  1. 回転駆動されるカムリング;
    このカムリングに形成した、ワイド端からテレ端までを複数に分割した複数のステップ域と、該複数のステップ域を接続する移行域とを有するカム溝;
    上記カムリングと相対回転可能で光軸方向には相対移動不能に結合された直進部材;及び
    この直進部材によって直進案内され上記カム溝に従って光軸方向に進退する、カム移動レンズ群;
    を有し、上記カム溝の各ステップ域は、カムリングの回転により焦点距離を変化させながら無限遠から最短撮影距離までの被写体に合焦可能な位置にカム移動レンズ群を移動させるステップズームレンズカメラにおいて、
    上記カムリングのカム溝中に含まれる上記複数のステップ域の光軸を中心とする形成角度がそれぞれ異なること;
    上記直進部材の後端面に、形成角度が最大であるステップ域に対応する長さの周方向観察窓を有すること;
    上記カムリングの後端面に周方向位置を異ならせて、上記周方向観察窓から観察可能な、上記複数のステップ域を表す複数のステップ域表示指標を有すること;及び
    この複数のステップ域表示指標はそれぞれ、当該ステップ域表示指標が表すカム溝のステップ域の形成角度を上記最長のステップ域の形成角度から差し引いた形成角度を有すること;
    を特徴とするステップズームレンズカメラ。
  2. 請求項1記載のステップズームレンズカメラにおいて、上記カム溝に案内されるカム移動レンズ群とは別に、カムリングの回転駆動により、該カムリングの回転角と線形の関係で光軸方向に移動される、変倍レンズ群を兼ねるフォーカスレンズ群を有しているステップズームレンズカメラ。
  3. 請求項1または2記載のステップズームレンズカメラにおいて、形成角度が最大であるステップ域を表すステップ域表示指標は、上記周方向観察窓内の幅内に収まる径の円形状に形成されているステップズームレンズカメラ。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のステップズームレンズカメラにおいて、上記ステップ域表示指標は、カムリングの後端面に形成した凹部であるステップズームレンズカメラ。
  5. 請求項1から4いずれか1項記載のステップズームレンズカメラにおいて、上記カム溝は、撮影を行わない収納位置に上記カム移動レンズ群を保持させる収納域を有し、
    上記カムリングの後端面にはさらに、上記周方向観察窓から観察可能な、該収納域の周方向位置を表す収納域表示指標が形成されているステップズームレンズカメラ。
  6. 請求項5記載のステップズームレンズカメラにおいて、上記収納域表示指標は、上記周方向観察窓の両端部に対応する間隔で周方向に離間する一対の指標からなるステップズームレンズカメラ。
  7. 請求項1から6いずれか1項記載のステップズームレンズカメラにおいて、上記カム溝の各ステップ域は、
    カムリングの回転に応じて無限遠から最短撮影距離までの被写体に合焦可能な位置にカム移動レンズ群を移動させることができるフォーカシング領域と;
    該フォーカシング領域の両側に設けた、カムリングの回転位置を変化させたとき上記合焦機能を損なうことなくカム移動レンズ群を光軸方向に移動させる調整領域と;
    を有しているステップズームレンズカメラ。
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