JP3751653B2 - 2サイクルエンジンの気筒休止制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、2サイクルエンジンの気筒休止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2サイクルエンジンは、低速回転,低負荷運転域においては、掃気が十分に行われずシリンダ内に排気ガスが残留し、不整燃焼が発生し易く、エンジン回転が不安定となるという問題がある。
【0003】
上記エンジン回転の不安定性を改善する方法として、一部気筒の運転を停止して運転気筒数を減少させる気筒休止運転を行う方法がある。この運転気筒数の減少により、排気系における排気ガス圧力(背圧)が低下したり、また排気パルスが作用することにより排気ガスの排出,掃気の導入を阻害する排気干渉が抑制されることから、気筒当たりの吸気量が増大し、エンジン回転が安定化する効果が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら各気筒の排気ポートを気筒配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続した集合排気エンジンの場合、単に気筒休止運転を行っただけではエンジン回転の低速安定性向上効果は十分ではなく、その休止気筒の選定、気筒休止運転中の燃料噴射量,点火時期を集合排気エンジン特有の観点から制御する必要がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、集合排気方式を採用した場合の低速安定性を向上できる2サイクルエンジンの気筒休止制御装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、各気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えたV型6気筒クランク軸縦置き2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、2つの気筒を休止する気筒休止運転が選択されたとき、一方のバンクの排気ガスの流れ方向最上流側に位置する最上流気筒と他方のバンクの最上流気筒からの排気パルスが作用する下流側排気パルス作用気筒の両方を休止する休止気筒選択手段を備えたことを特徴とする2サイクルエンジンの気筒休止制御装置。
【0008】
ここで本発明における下流側排気パルス作用気筒とは、図4における最上流気筒▲1▼に対しこれの下流側に位置する気筒▲5▼のように、該気筒▲5▼の排気ポートの閉時期と上記最上流気筒▲1▼の開時期とがオーバーラップすることにより両気筒が連通する関係にある気筒であり、このオーバーラップにより気筒▲1▼の排気ポートが開いた時の強い圧力波が気筒▲5▼に作用する。なお、この場合、排気圧力は排気ポートが開いた直後に最大になるため、オーバーラップ期間においては、後に開いた気筒の排気圧力が先に開いている気筒に影響を与える。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、気筒休止運転時にも運転される気筒に空燃比検出センサ34を配設したことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、排気ガスの流れ方向に沿って上流側から順に配置された上,中,下気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えた2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備え、該第2制御マップは、何れの気筒を休止するかによって設定される気筒休止パターンに応じた燃料噴射量,点火時期を設定する複数の休止パターン対応マップから構成されており、上記上気筒を休止させる上気筒休止パターン対応マップでは、中気筒と下気筒との気筒休止運転時の燃料噴射量の差を全気筒運転時の燃料噴射量の差より小さくするように設定されていることを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、各気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えた2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備え、該第2制御マップが、休止気筒を固定する休止気筒固定運転用マップと、休止気筒を切り替える休止気筒切替運転用マップとから構成されており、該休止気筒切替運転用マップによる燃料噴射量,点火時期が、休止気筒固定運転用マップによる燃料噴射量,点火時期よりそれぞれ減量,遅角されていることを特徴としている。
【0014】
【作用】
気筒配置方向に延びる集合排気通路を備えた集合排気エンジンの場合、最上流気筒からの排気パルスの作用方向と排気ガス流れ方向とが一致することから、上記排気パルスが作用する下流側気筒には排気ガスが侵入し易い。従って、休止気筒を選択するに当たって、最上流気筒と、該気筒の排気パルスが作用する下流側気筒を運転し、その中間の気筒を休止するようにした場合には、上記最上流気筒からの排気ガスにより上記下流側排気パルス作用気筒の燃焼が不安定になる。
【0015】
請求項1の発明によれば、気筒休止運転選択時には、最上流気筒又は下流側排気パルス作用気筒の何れか一方又は両方を休止させるようにしたので、つまり最上流気筒と下流側排気パルス作用気筒との同時運転を回避したので、最上流気筒からの排気ガス,排気パルスにより下流側排気パルス作用気筒の燃焼が乱れることはなく、エンジン回転の低速安定性を向上できる。
【0016】
請求項2の発明によれば、空燃比検出センサを気筒休止運転時にも運転される気筒に設けたので、気筒休止運転時においても空燃比の管理を行うことが可能である。
【0017】
請求項3の発明によれば、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備えたので、全気筒運転,気筒休止運転の何れにおいても適切な燃焼が可能となる。
【0018】
即ち、気筒休止を行うと、各気筒の排気圧の影響具合が変化するため吸入空気量,シリンダ内の残留ガス量が全気筒運転時と異なるので、1つの制御マップに基づいて両運転の燃焼を最適に制御することは極めて困難である。請求項4の発明では、全気筒運転,気筒休止運転のそれぞれに最適の第1,第2制御マップを備えたので、両運転の燃焼を最適に制御できる。
【0019】
また、上記気筒休止運転用の第2制御マップを、気筒休止パターンに応じた燃料噴射量,点火時期を設定する複数の休止パターン対応マップで構成したので、休止パターンの変化に対応した制御が可能である。
【0020】
即ち、同じ気筒休止運転であっても、例えば上流側の気筒を休止するか下流側の気筒を休止するか等の休止パターンによって運転気筒への吸入空気量,シリンダ内残留ガス量が異なり、必要な燃料噴射量も異なることとなるが、請求項4の発明では、休止パターンに応じた制御マップを備えたので、休止パターンによる吸入空気量等の変化に対応でき、常に最適燃焼状態を確保できる。
【0021】
請求項4の発明によれば、上記気筒休止運転用の第2制御マップを、休止気筒固定運転用マップと休止気筒切替運転用マップとで構成したので、気筒休止運転状態に応じた適正な燃料噴射量と点火時期に制御でき、常に最適な燃焼を確保できる。
【0022】
気筒休止運転時において、休止気筒を切り替えるようにした場合には、燃料が休止時にシリンダ内に溜まることから燃料噴射量を減少させ、また燃焼力を揃えるために点火時期を遅角させるのが望ましい。また、連続運転気筒用と運転・休止繰り返し気筒用とに専用の制御マップを備えたので、上記燃料を減少したり点火時期を遅角させる等の制御が可能である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1ないし図17は、本発明の一実施例によるエンジンの休止気筒制御装置を説明するための図であり、図1は全体構成を示す図、図2は制御領域を示すスロットル開度−エンジン回転数特性図、図3は各気筒の排気ガス圧力を示す図、図4は各気筒の排気パルスの影響関係を示す図、図5〜図7はエンジン回転数−スロットル開度−燃料噴射量の関係を示すマップ図、図8,図9はそれぞれ全気筒運転と気筒休止運転における燃料噴射量,点火時期の変化を示す比較図、図10は燃料噴射量,点火時期制御のフロー図、図11,図12は気筒休止運転,全気筒運転切替時の燃料噴射量,点火時期を示す図、図13,図14はそれぞれ休止気筒の燃料噴射量,筒内圧力の変化を示す図、図15は気筒休止運転,全気筒運転切替時の点火時期の変化を示す図、図16,図17はそれぞれ休止気筒固定運転と休止気筒切替運転における燃料噴射量,点火時期の変化を示す比較図である。
【0024】
図1において、1は船外機用水冷式V型6気筒2サイクルクランク軸縦置きエンジンであり、該エンジン1は、シリンダブロック2の進行方向前側の前合面にクランクケース3を、後合面にシリンダヘッド4をそれぞれ結合し、シリンダブロック2の一方,他方のバンクに形成された6つの気筒▲1▼〜▲6▼内にピストン7を挿入し、該各ピストン7を各コンロッド7aで1本のクランク軸8に結合した構造のものである。なお15は点火プラグである。
【0025】
図1のA−A線断面図部分に示すように、上記気筒▲1▼,▲3▼,▲5▼は図示右側バンクS(以下Sバンクと記す)に、気筒▲2▼,▲4▼,▲6▼は図示左側バンクP(以下Pバンクと記す)にそれぞれ上下方向(クランク軸方向)に並列配置されており、▲1▼〜▲6▼の順序で、クランク角60度の等間隔で点火が行われる。以下、場合によって気筒▲1▼,▲2▼を上気筒、気筒▲3▼,▲4▼を中気筒、気筒▲5▼,▲6▼を下気筒と呼ぶ。
【0026】
上記クランク角度の設定により、図4(b)に示すように、上気筒▲1▼の排気ポートが開くタイミングと下気筒▲5▼の排気ポートが閉じるタイミングがラップしており、このラップ期間だけ両気筒▲1▼,▲5▼が連通し、上気筒▲1▼からの強い排気ガス圧力が下気筒▲5▼に作用する。また中気筒▲3▼の開タイミングと上気筒▲1▼の閉タイミングがラップすることから中気筒▲3▼からの排気圧力が上気筒▲1▼に作用し、同様にして下気筒▲5▼からの排気圧力が中気筒▲3▼に作用する。この関係はPバンクにおいても同様である。
【0027】
また各気筒の燃焼圧力(排気圧力)は上気筒▲1▼,▲2▼が最大であり、中気筒▲3▼,▲4▼、下気筒▲5▼,▲6▼と弱くなる。これは以下の理由による。吸入空気量を増加し、排気ガスを十分に掃気するには、排気脈動を有効利用するのが効果的であり、そのためには比較的長い排気管長を要する。本実施例の船外機用エンジンではその構造上十分な排気管長が得られないが、図からも明らかなように、上気筒▲1▼,▲2▼は比較的長い排気管長を得ており、この排気脈動を効果的に利用できる点で燃焼強度が高く、即ち強燃焼が生じ易くなっている。一方、下気筒▲5▼,▲6▼は、吸気脈動が十分に得られない上に、排気ガスの流れ方向と上記上気筒からの排気パルスの作用方向とが一致しており、そのため吸気量が少なく、残留ガス量が多くなり、結果的に燃焼強度が弱く、即ち強燃焼が生じ難くなっている。
【0028】
従って本実施例では、気筒▲1▼,▲2▼が最上流気筒であり、気筒▲5▼,▲6▼が下流側排気パルス作用気筒である。上気上気筒▲1▼,▲2▼と、下気筒▲5▼,▲6▼とを同時に燃焼させると、多量の排気ガスが気筒▲5▼,▲6▼内に侵入し易くなり、燃焼が不安定となる。
【0029】
上記Sバンク気筒▲1▼,▲3▼,▲5▼の各排気ポート5a,5b,5cは該各気筒の配列方向に沿って延びる右側集合排気通路5に接続されており、該集合排気通路5に接続された右排気管9aはマフラ10内に開口している。また上記Pバンク気筒▲2▼,▲4▼,▲6▼の各排気ポート6a,6b,6cは該各気筒の配列方向に沿って延びる左側集合排気通路6に接続されており、該集合排気通路6に接続された左排気管9bはマフラ10内に開口している。なお、上記マフラ10内に排出された排気ガスは排気管10aを介して推進器の回転軸の周囲を通って水中は排出される。
【0030】
また上記クランクケース4の各気筒用クランク室には各気筒毎に独立の吸気系を構成する吸気管11が連通接続されており、該各吸気管11には逆流防止用リード弁12,燃料噴射弁13,スロットル弁14が配設されている。なお16は上記燃料噴射弁13に高圧燃料を供給する燃料供給系である。
【0031】
また本実施例エンジン1は、エンジン回転数を検出するクランク角センサ17と、スロットル弁14の開度(負荷)を検出するスロットルセンサ18と、上記上気筒 (1) の酸素濃度、ひいては空燃比を検出するO2 センサ19とを備えている。
【0032】
上記O2 センサ19は、上記上気筒 (1) の排気ポート5aより燃焼室側に開口するように形成された排気取出通路19aの下流端に接続されており、これにより吹き抜けガスをほとんど含まない略既燃ガスのみの酸素濃度を検出し、ひいては上記上気筒 (1) に供給される空気と燃料との混合気の空燃比を検出するようになっている。
【0033】
本実施例エンジン1は、エンジンの点火時期,燃料噴射量,噴射時期,及び気筒休止運転等を制御するECU20を備えており、該ECU20は以下の手段として機能する。
I.エンジン回転数,スロットル開度から判断されるエンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段として。
II. 気筒休止運転が選択されたとき休止すべき気筒を選択する休止気筒選択手段として。
III. 全気筒運転における燃料噴射制御手段として。
IV. 気筒休止運転における燃料噴射制御手段として。
V.全気筒運転における点火時期制御手段として。
VI. 気筒休止運転における点火時期制御手段として。
VII.休止気筒を運転復帰させる場合に何れの気筒から復帰させるか等を制御する復帰気筒制御手段として。
VIII. 休止気筒を運転復帰させる場合の燃料噴射制御手段として。
IX. 休止気筒を運転復帰させる場合の点火時期制御手段として。
X.気筒休止運転が解除された後、気筒休止運転に戻る場合の固定休止気筒選択手段として。
【0034】
また上記ECU20は、上記点火時期,燃料噴射制御を行うために、全気筒運転時の各気筒毎の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップ(全気筒運転マップ)と、気筒休止運転選択時の各気筒毎の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップ(気筒休止運転マップ)とを備えている。
【0035】
上記全気筒運転用燃料噴射量マップは、図5に示すように、エンジン回転数−スロットル開度(Thvθ)に応じた基本燃料噴射量を求める基本マップと、該基本燃料噴射量を上記上,中,下気筒の吸入空気量特性に応じて補正する気筒間補正マップとから構成されている。
【0036】
上記気筒休止運転用燃料噴射量マップは、図6,図7に示すように、休止パターンに応じて、上気筒▲1▼,▲2▼を固定的に休止し、残り気筒を固定的に運転する場合のパターン1用マップ(図6)と、下気筒▲5▼,▲6▼を固定的に休止し、残り気筒を固定的に運転する場合のパターン2用マップ(図7)とからなり、該各パターン1,2のマップは何れも基本マップと気筒間補正マップで構成されている。
【0037】
次に本実施例の作用効果について説明する。
〔I.運転方式選択手段としての機能〕
図2に示すように、スロットル開度又はエンジン回転数に応じて4気筒運転,あるいは5気筒運転からなる気筒休止運転と、6気筒運転(全気筒運転)とを選択する。この場合、スロットル開度による切替か、エンジン回転数による切替かの選択は選択スイッチ(図示せず)で選択される。
【0038】
ここで気筒休止は後述する休止気筒を固定する場合、切り替える場合の何れにおいても点火を停止することによって行われ、またこの休止気筒への燃料供給は各気筒独立に設けられた燃料噴射弁13によって継続される。
【0039】
運転方式の切替をスロットル開度に基づいて行う場合は、運転気筒数を減少させる場合の閉じ側スロットル開度(第1スロットル開度)θcと運転気筒数を増加させる場合の開き側スロットル開度(第2スロットル開度)θoとの間に所定のヒステリシス開度Δθを設ける。
【0040】
また運転方式の切替をエンジン回転数に基づいて行う場合は、運転気筒数を減少させる場合の減少側エンジン回転数(第1エンジン回転数)Mcと運転気筒数を増加させる場合の増加側エンジン回転数(第2エンジン回転数)Moとの間に所定のヒステリシス回転数ΔMを設ける。
【0041】
上記ヒステリシス回転数ΔMは、上記ヒステリシス開度Δθに対応するエンジン回転数ΔM′より大きく設定する必要がある。これは以下の理由による。本実施例のような船舶用エンジンの場合には、同一スロットル開度であっても波等の影響でエンジン回転数が大きく変化する。従ってエンジン回転数に基づいて上記切替を行う場合には、ヒステリシス回転数を比較的大きく設定しないと運転気筒数が変動するハンチングが発生する懸念があるからである。
【0042】
これに対してスロットル開度で上記切替を行うようにした場合には、ヒステリシスΔθひいてはΔM′を小さく設定しても上記ハンチングを抑制できる。従って、スロットル開度で上記切替を行うほうが望ましい。
【0043】
〔II. 休止気筒選択手段としての機能〕
a.休止気筒の選択に当たっては、休止気筒の位相が等間隔となるように休止気筒を選択する。本実施例エンジン1の各気筒▲1▼〜▲6▼の爆発間隔は60度等間隔であり、休止気筒の位相を等間隔にするために、例えばPバンクの上気筒▲2▼とSバンクの下気筒▲5▼を休止する。これにより2つの気筒が爆発する毎に1つの気筒が休止することとなり、気筒休止状態での全体としての爆発間隔が等間隔となり、出力発生時期のバランスが良好となり低速安定性が得られる。
【0044】
b.また各バンクにおいて最上流気筒と該気筒からの排気ガス,排気パルスの影響を受ける下流側排気パルス作用気筒との同時燃焼が起こらないように休止気筒を選択する。本実施例ではこの同時燃焼を回避するためにもPバンクの上気筒▲2▼とSバンクの下気筒▲5▼を休止する。これによりSバンクでは最上流の上気筒▲1▼運転時には下流側排気パルス作用気筒の下気筒▲5▼休止であり、Pバンクでは下気筒▲6▼運転時には上気筒▲2▼休止であり、上記同時燃焼を回避している。
【0045】
最上流気筒,下流側排気パルス作用気筒の同時燃焼を回避したので、以下の理由により、気筒休止運転における低速安定性を確保できる。図4(a)は、各気筒の排気パルスの影響関係を説明するための図である。上気筒▲1▼,中気筒▲3▼,下気筒▲5▼からの排気パルスはそれぞれ下気筒▲5▼,上気筒▲1▼,中気筒▲3▼に作用する。これは図4(b)に示すように、影響される側の気筒▲5▼,▲1▼,▲3▼の排気ポートが閉タイミングと影響する側の気筒▲1▼,▲3▼,▲5▼の排気ポートの開タイミングがラップしているからである。また上気筒▲1▼又は▲2▼からの排気ガスの流れ方向及び上記排気パルスの影響方向が一致していることから下気筒▲5▼又は▲6▼の燃焼が乱れ易い。本実施例では下気筒▲6▼運転中には上気筒▲2▼は休止しており、また上気筒▲1▼運転中には下気筒▲5▼は休止しているので、上記排気ガス,排気パルスによる影響を回避でき、低速安定性を向上できる。
【0046】
〔III.全気筒運転時の燃料噴射制御手段としての機能〕
全気筒運転における燃料噴射量の制御は、図5の全気筒運転燃料噴射量マップに基づいて行われる。この場合の各気筒への燃料噴射量は、図8(a)に示すように、上気筒が最大で、中気筒,下気筒と少なくなっている。上述のように船外機の場合は、その構造上、排気脈動効果が得られるに十分な長さの排気管長を確保するのは困難であるが、上気筒は比較的排気管長が長いことから排気脈動による吸気増量効果が高いために燃料噴射量も多くなっている。一方、下気筒については、排気ガス流れ方向と排気パルス作用方向とが一致していることから吸気量が少なくなり、そのため燃料噴射量も少なくなっている。
【0047】
〔IV. 気筒休止運転時の燃料噴射制御手段としての機能〕
気筒休止運転における燃料噴射量の制御は、休止パターンに応じた気筒休止運転燃料噴射量マップ(図6,7参照)に基づいて行われる。上気筒▲1▼,▲2▼を休止する場合はパターン1のマップ(図6)に基づいて各気筒への燃料噴射量が制御される。この休止パターン1の場合には、図8(b)に示すように、全気筒運転の場合(同図(a)参照)に比較して、全体的に見て大幅に増量されており、かつ下気筒と上気筒との間の噴射量の差が小さくなっている。これは、上気筒の休止により排気ガスの背圧が低下し、また下気筒への影響が無くなったことから下,中気筒の吸気量が大幅に増大し、全体の噴射量が増加したのである。また上気筒による影響が無くなったことから下気筒の吸気量が中気筒なみとなり、その結果、下気筒,中気筒の噴射量差が縮小したものである。
【0048】
一方、下気筒を休止した場合(気筒休止パターン2)の燃料噴射量の制御は、図7のマップに基づいて行われる。この場合図8(c)に示すように、全気筒運転の場合に比較して、全体的にみると上気筒は若干減量,中気筒は大幅増量となっている。これは下気筒の休止により背圧が低下したこと及び下気筒からの影響が無くなったことから中気筒の噴射量が大幅に増量され、また中気筒による上気筒への影響が増加して上気筒の噴射量が若干減少したものであり、またその結果、上気筒と中気筒との噴射量差が縮小している。
【0049】
〔V.全気筒運転時の点火時期制御手段としての機能〕
全気筒運転の場合には、図9(a)に示すように、全体的には従来エンジンと同様に全気筒ともエンジン回転数の増加に伴って進角制御される。一方、個別気筒ごとに見ると、上流側気筒ほど遅角傾向に制御されている。これは上述のように上流気筒ほど燃料噴射量が多いことから各気筒の燃焼強度を均一化するために、燃料噴射量が多いほど進角量を減少させたものである。
【0050】
〔VI. 気筒休止運転時の点火時期制御手段としての機能〕
パターン1の上気筒休止運転では、図9(b)に示すように、全気筒運転に比較して、全体的に見ると低速回転側は遅角させ、中速回転側で進角させている。これは低速側では噴射量の大幅増による燃焼強度の過剰増加を抑制し、中速側では運転気筒数減少による出力低下を補うためである。なお各気筒別に見ると、下気筒の噴射量がより大きく増加していることから遅角量を大きくし、下気筒と中気筒の点火時期の差が縮小している。
【0051】
パターン2の下気筒休止運転では、図9(c)に示すように、全気筒運転に比較して、全体的に見ると低速回転側は遅角させ、中速回転側で変化なしとし、特に中気筒の低速回転側での遅角量を大きくしている。これは中気筒の噴射量増による燃焼強度のアンバランスを抑制するためである。

【0052】
図10は上記燃料噴射制御,点火時期制御のフロー図であり、エンジン運転状態に基づいて気筒休止運転を行うか否かが判定され(ステップS1)、気筒休止運転域でない場合には全気筒運転用のマップが参照され(ステップS2)、また気筒休止運転域である場合には、休止パターン1か又は2かの判断がなされ、それぞれ休止パターン1用の制御マップ又は休止パターン2用の制御マップが参照され(ステップS3〜S5)、最適の点火時期,燃料噴射量に制御される(ステップS6)。
【0053】
〔VII.復帰気筒制御手段としての機能〕
気筒休止運転から全気筒運転に復帰する場合には、a.運転気筒数の増加数を1気筒ずつとし、b.強燃焼の生じにくい下気筒を先に復帰し、c.また運転気筒数変化による状態変化を認識され難くすることが、復帰時のショックによるつながり性悪化の問題を回避するために重要である。
【0054】
a.本実施例エンジン1の4気筒運転による気筒休止運転では、Pバンクの上気筒▲2▼とSバンクの下気筒▲5▼を休止している。この場合、6気筒運転の全気筒運転に復帰するには先ず、Sバンクの下気筒▲5▼を復帰して5気筒運転とし(図11(a),(b))、次にPバンクの上気筒▲2▼を復帰する(同図(c))。
【0055】
排気を集合させている船舶用2サイクルエンジンでは、上述の運転気筒数を減少させる場合の説明で明らかにしたのと同様に、運転気筒数を増加すると、休止から運転に復帰した気筒は勿論のこと既に運転している気筒の燃料噴射量,点火時期も大きく変化するので、運転気筒数増加時に燃焼の乱れが生じ易い。そこで本実施例では、1気筒ずつ増加させるようにしたものであり、これにより少なくとも片バンクの燃焼の乱れを抑えることができ、気筒休止運転から全気筒運転へのつながり性を改善できる。
【0056】
b.また上記復帰気筒の選択に当たってつながり性を良好にするには強燃焼の生じ難い気筒を選択することが効果的である。本実施例エンジン1の下気筒では、上気筒からの排気パルスの作用方向と排気ガスの流れ方向が一致することからシリンダ内の残留排気ガス量が多く、運転復帰した場合に強燃焼が生じ難い。そこで本実施例では、運転気筒数を増加するに当たって、まず強燃焼の生じ難いSバンクの下気筒▲5▼を復帰して5気筒運転を行うようにしたので、復帰時の強燃焼によるショックを抑制でき、つながり性を改善できる。
【0057】
上記5気筒運転から6気筒運転に移行する場合は、強燃焼の生じ易いPバンクの上気筒▲2▼を復帰する訳であるが、この6気筒運転移行時には、エンジン回転数が比較的高くなっており、エンジン全体の発生エネルギーが大きいので、上記強燃焼が生じてもそれほど影響は無い。
【0058】
c.そして上記つながり性を改善するには、例えば5気筒運転から6気筒運転へあるいはその逆の切替ポイントを滑走状態(プレーニング)移行域のエンジン回転速度あるいはスロットル開度に設定するのが有効である(図2参照)。この滑走状態移行域では、船体の姿勢変化が大きく、気筒数変化によるエンジン回転数変化,音質変化を認識しにくいからである。
【0059】
また同一スロットル開度での運転気筒数が多い方のエンジン回転数を低く制御することも有効である。例えば図2のA部拡大図に示すように、スロットル開度θoにおいて、4気筒運転から5気筒運転る切り替えた場合には、Δmだけエンジン回転数を低下させるのである。
【0060】
このように制御するのは以下の理由による。運転気筒数が増加した場合のつながり性が低下したと感じる要因としてエンジン回転数の増加がある。気筒数が増加すると燃焼回数が増加し音が大きくなるため、同一回転数であっても回転数が高くなったと感じ易い。そこで運転気筒数増加時には、切替時付近における気筒数増加側のエンジン回転数を低くする。
【0061】
〔VIII. 運転復帰時の燃料噴射制御手段しての機能〕
エンジン回転数の増加に伴って4気筒運転から5気筒運転を経て6気筒運転に復帰する。この気筒数増加時には図12に示すように、燃料噴射量は減量制御し、また点火時期は遅角制御する。これにより復帰気筒増加時のショックを抑制し、つながり性を改善する。
【0062】
ここで図13に示すように、各運転気筒への気筒当たりの燃料噴射量は、エンジン回転数の増加とともに増量し、運転気筒増加時に一旦ΔQだけ減量した後、再びエンジン回転数の増加とともに増量するように制御される(同図の実線参照)。
【0063】
一方、4気筒運転状態における休止気筒であるSバンクの下気筒▲5▼及びPバンクの上気筒▲2▼に対する燃料噴射量は、同図に一点鎖線で示すように、アイドル回転付近の低速回転域における燃料噴射量Q1を5気筒運転移行時の燃料噴射量Q2より大きくするとともに、回転数の増加に伴ってQ2に向かって徐々に減少させる。また5気筒運転状態では、休止気筒である上気筒▲2▼への燃料噴射量は運転復帰まで上記Q2から僅かに増加するよう制御する。
【0064】
運転復帰時のショックを緩和してつながり性を向上するには、復帰予定気筒▲5▼への燃料量は破線で示すQ3のように少量に設定することが望ましいと考えられる。しかしこのように減量すると、吸気経路壁面への燃料付着がほとんど無くなり、例えば上記アイドリング回転に近い低速回転でトローリングしている場合に急加速のためにスロットルを急に開いても初期には燃料が壁面に付着し、シリンダ内導入量が増加しないことから加速応答性が悪く、上記急加速の要請に応えることができない。本実施例では、特に上記トローリング回転数付近での燃料量をQ1と増大するとともに、5気筒運転移行時の燃料量をQ2と減少したので、上記トローリング中の急加速要請に応えることができるとともに、5気筒運転移行時の強燃焼によるショックを緩和してつながり性を改善できる。
【0065】
図14は低速回転時における休止気筒への燃料増量効果を説明するための筒内圧力を計測した実験結果を示す。同図(a)は休止気筒への燃料量を上記Q3程度に減量した場合、同図(b)は本実施例の場合である。燃料量少なくした場合には、急加速開始時に筒内圧力が上昇しておらず(同図B部)、失火が発生していることが判る。これに対して、本時の場合には、直ちに筒内圧力が上昇しており、確実に燃焼していることが判る。
【0066】
〔IX. 運転復帰時の点火時期制御手段としての機能〕
図15に実線で示すように、運転復帰時のショックを緩和してつながり性を改善するために運転中の気筒の点火時期を遅角させて強燃焼の発生を防止するとともに、運転復帰気筒の点火時期については、同図に破線で示すように、正規点火時期(運転中気筒の点火時期)D1よりさらにΔD遅角させた遅角状態から点火を開始し、上記正規点火時期に徐々に進角させる。この遅角徐変制御は5気筒運転から6気筒運転への移行時にも同様に行われる。
【0067】
〔X.気筒休止運転が解除された後、気筒休止運転に戻る場合の固定休止気筒選択手段としての機能〕
本実施例では、4気筒運転では上気筒▲2▼及び下気筒▲5▼を固定的に休止し、5気筒運転では上気筒▲2▼を固定的に休止するようにしているので、燃焼が安定し、低速域での安定性及び燃費を向上できる。一方、同じ気筒を固定的に休止するので、該気筒の点火プラグに燃料が付着し、プラグファールが発生する可能性がある。そこで本実施例では、一旦メインスイッチがオフされた毎に再びメインスイッチがオンされた場合、及び全気筒運転が行われ、再び気筒休止運転に戻った場合には、休止気筒が前回の休止気筒と異なる気筒に変更される。
【0068】
例えば4気筒運転の場合には、上気筒▲2▼,及び下気筒▲5▼が休止されるが、その次には上気筒▲1▼,及び下気筒▲6▼が休止される。また5気筒運転の場合には、上気筒▲2▼が休止されるが、その次には上気筒▲1▼が休止される。これにより、休止中に点火プラグに付着した燃料は焼き切られることとなり、特定気筒においてプラグファールが生じるのを防止できる。
【0069】
ここで上実施例では、上記気筒休止運転パターン1又はパターン2において上気筒又は下気筒を固定的に休止するようにしたが、これ以外の休止パターンも採用可能である。図16,図17は、休止気筒固定運転又は休止気筒切替運転の場合の各気筒毎の燃料噴射量,点火時期の制御方法を説明するための図であり、これは請求項4の発明の一実施例である。なお、この場合の気筒休止は、燃料供給は継続しつつ点火のみを断続して行われる。
【0070】
下気筒,中気筒を交互に休止,運転するようにした場合(図16(b))は、図16(a)に示す下気筒を固定的に休止する場合に比較して、常時運転する上気筒への燃料噴射量はほとんど変化無いのに対し、中気筒,下気筒への燃料噴射量が大幅に減量されている。これは例えば中気筒運転サイクル中に下気筒の吸気経路に燃料が溜まるので、次の下気筒運転サイクルにおける燃料噴射量が大幅に減少するものである。
【0071】
また点火時期について見ると、休止気筒切替運転の場合(図17(b))は、図17(a)に示す下気筒固定休止の場合に比較して、常時運転する上気筒の点火時期はほとんど変化無いのに対し、中気筒,下気筒の点火時期は全体的に遅角制御されている。これは中,下気筒では1サイクル毎に点火されることから掃気がより完全に行われるので充填効率が高くなって燃焼強度が高くなり、上気筒との間に燃焼強度上のアンバランスが発生し易いのでこれを回避するためである。
【0072】
また上記実施例では、4気筒運転から5気筒運転を経て6気筒運転に移行する場合を説明したが、図18に示すように、上気筒▲2▼,下気筒▲5▼を休止した4気筒運転から上気筒▲2▼,下気筒▲5▼を同時に運転復帰する6気筒運転に移行する場合にも、図19に示すように、上記移行直前付近の休止気筒▲2▼,▲5▼の燃料噴射量を減量し、点火時期を遅角することが運転復帰時のショックを緩和するために有効である。この場合、より強燃焼の生じ易い上気筒▲2▼への燃料噴射量を下気筒▲5▼に較べてより一層減量し、又は点火時期をより一層遅角するのが望ましい。
【0073】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、気筒休止運転選択時には、最上流気筒又は下流側排気パルス作用気筒の何れか一方又は両方を休止して最上流気筒と下流側排気パルス作用気筒の同時燃焼を回避したので、最上流気筒からの排気ガスにより下流側排気パルス作用気筒の燃焼が乱れることはなく、エンジン回転の低速安定性を向上できる効果がある。
【0074】
請求項2の発明によれば、空燃比検出センサを気筒休止運転時にも運転される気筒に設けたので、気筒休止運転時においても空燃比の管理を行うことが可能となる効果がある。
【0075】
請求項3の発明によれば、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備えたので、全気筒運転,気筒休止運転の何れにおいても適切な燃焼制御が可能となる効果がある。
【0076】
また、上記気筒休止運転用の第2制御マップを、気筒休止パターンに応じた燃料噴射量,点火時期を設定する複数の休止パターン対応マップで構成したので、休止パターンの変化に対応した制御が可能となる効果がある。
【0077】
請求項4の発明によれば、上記気筒休止運転用の第2制御マップを、休止固定運転用マップと休止気筒切替運転用マップとで構成したので、固定的に休止される気筒、及び運転き休止が繰り返される気筒のそれぞれに最適な燃料噴射量,点火時期を設定することができ、常に最適な燃焼を確保できる効果がある。
【0078】
また、休止気筒切替運転における燃料噴射量,点火時期を休止気筒固定運転における燃料噴射量,点火時期より減量制御し、又は遅角制御したので、運転と休止が繰り返される気筒における燃料量と点火時期をより適正に制御でき、燃焼の安定性を確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例(第1実施例)による2サイクルエンジンの気筒休止制御装置を説明するための模式構成図である。
【図2】上記第1実施例装置の制御領域を示すスロットル開度−エンジン回転数特性図である。
【図3】上記第1実施例装置の各気筒の排気ガス圧力を示す図である。
【図4】上記第1実施例装置の各気筒の排気パルスの影響関係を示す図である。
【図5】上記第1実施例装置の全気筒運転用エンジン回転数−スロットル開度−燃料噴射量の関係を示すマップ図である。
【図6】上記第1実施例装置の気筒休止運転用エンジン回転数−スロットル開度−燃料噴射量の関係を示すマップ図である。
【図7】上記第1実施例装置の気筒休止運転用エンジン回転数−スロットル開度−燃料噴射量の関係を示すマップ図である。
【図8】上記第1実施例装置の全気筒運転と気筒休止運転における燃料噴射量の変化を示す比較図である。
【図9】上記第1実施例装置の全気筒運転と気筒休止運転における点火時期の変化を示す比較図である。
【図10】上記第1実施例装置の動作を説明するためのフロー図である。
【図11】上記第1実施例装置の気筒休止運転から全気筒運転への切替状況を示す模式図である。
【図12】上記第1実施例装置の気筒休止運転から全気筒運転への切替時の点火時期,燃料噴射量を示す図である。
【図13】上記第1実施例装置の燃料噴射量の変化を示す特性図である。
【図14】上記第1実施例装置の効果を説明するための筒内圧計測実験結果を示す図である。
【図15】上記第1実施例装置の運転気筒増加時の点火時期の変化を示す図である。
【図16】請求項6,7の発明に係る一実施例(第2実施例)の燃料噴射量の変化を示す比較図である。
【図17】上記第2実施例装置の点火時期の変化を示す比較図である。
【図18】上記実施例の変形例による復帰状態を示す模式図である。
【図19】上記変形例の点火時期,燃料噴射量を示す図である。
【図20】本発明の特許請求の範囲を説明するためのクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
▲1▼〜▲6▼ 気筒
5,6 集合排気通路
5a〜5c,6a〜6c 排気ポート
31 運転状態検出手段
32 運転方式選択手段32
33 休止気筒選択手段33

Claims (4)

  1. 各気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えたV型6気筒クランク軸縦置き2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、2つの気筒を休止する気筒休止運転が選択されたとき、一方のバンクの排気ガスの流れ方向最上流側に位置する最上流気筒と他方のバンクの最上流気筒からの排気パルスが作用する下流側排気パルス作用気筒の両方を休止する休止気筒選択手段を備えたことを特徴とする2サイクルエンジンの気筒休止制御装置。
  2. 請求項1において、気筒休止運転時にも運転される気筒に空燃比検出センサを配設したことを特徴とする2サイクルエンジンの気筒休止制御装置。
  3. 排気ガスの流れ方向に沿って上流側から順に配置された上,中,下気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えた2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備え、該第2制御マップは、何れの気筒を休止するかによって設定される気筒休止パターンに応じた燃料噴射量,点火時期を設定する複数の休止パターン対応マップから構成されており、上記上気筒を休止させる上気筒休止パターン対応マップでは、中気筒と下気筒との気筒休止運転時の燃料噴射量の差を全気筒運転時の燃料噴射量の差より小さくするように設定されていることを特徴とする2サイクルエンジンの気筒休止制御装置。
  4. 各気筒の排気ポートを該各気筒の配置方向に延びる1つの集合排気通路に接続してなる排気系を備えた2サイクルエンジンの気筒休止制御装置において、エンジン運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジン運転状態に応じて全気筒を運転する全気筒運転と一部気筒の運転を休止する気筒休止運転との何れかを選択する運転方式選択手段と、全気筒運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第1制御マップと、気筒休止運転選択時の燃料噴射量,点火時期を設定する第2制御マップとを備え、該第2制御マップが、休止気筒を固定する休止気筒固定運転用マップと、休止気筒を切り替える休止気筒切替運転用マップとから構成されており、該休止気筒切替運転用マップによる燃料噴射量,点火時期が、休止気筒固定運転用マップによる燃料噴射量,点火時期よりそれぞれ減量,遅角されていることを特徴とする2サイクルエンジンの気筒休止制御装置。
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