JP3750611B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字濃度が高く、熱応答性が良好で層間強度が強く、ヘッドマッチング性、特にヘッド粕の少ない感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱エネルギーを与えることにより記録を得る感熱記録層を有する感熱記録体としては、ロイコ染料と呈色剤との反応を利用したもの、ジアゾニウム塩化合物とカプラーとの反応を利用した、いわゆるジアゾ型感熱記録体およびキレート化合物を利用したキレート型感熱記録体などがある。これら感熱記録体の中でもとりわけ、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなく、POSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、CRT医療画像などの各種プリンターの記録媒体としても広範囲に使用されている。近年、プリンタの高速印字化、低エネルギーでも高濃度の印字発色を求められており、高感度な感熱記録体が必要となって来ている。
【0003】
支持体上に、ロイコ系染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体において、発色感度向上のために上記2成分以外に発色感度向上剤いわゆる増感剤として、例えばシュウ酸ジベンジルエステル系化合物、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、ステアリン酸アミド等の化合物を併用する事が一般的に行われている。このような増感剤を使用した場合、溶融物質が記録体内に多く含有されるため、記録後に溶融物がサーマルヘッドへ付着するといったカス付着の問題が生じやすい。これを改良するため、更には発色感度向上を目的として吸油性顔料を使用した下塗り層の技術があるが、十分な発色感度は得られていない。さらに高感度化のための方法として、感熱記録層と支持体との間に微小中空粒子を主成分とする層を設ける(特開昭60−248390号公報)、感熱記録層と支持体の間に発泡性微粒子層を設ける(特開昭59−225987号公報、特開昭59−171685号公報)方法等が提案されている。これらは、感熱記録層と支持体との間に下塗り層を設け、感熱ヘッドから与えられるエネルギーを有効に使うものであり、発色感度向上に効果があり実用化されているものも一部ある。しかし、発泡性微粒子を用いる場合には、加熱発泡工程という非効率的な工程が必要であり、さらに均一に発泡させることが困難な事から表面の均一化を達成することが難しく、印字品質の安定性を欠くと言う欠点を生じる。また、微小中空粒子を用いる場合は、微小中空粒子が、熱溶融物の吸収性に劣るため、ヘッド粕が生じる傾向がある。また微小中空粒子を結着させるために多量のバインダーが必要となることから、さらにヘッド粕が生じ易くなる。
したがって高感度化とヘッド粕という相反する問題を簡便な方法にて解決する方法が望まれているのが現状である。
【0004】
さらに、特開平2−164580号公報には、プラスチック中空球体をしぼませて凹凸表面を形成した多孔性の非球状中空フィラーを含有させた中間層を設けることが提案されている。しかし、支持体との結着力が充分でない。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、下塗り層を有する感熱記録体において、印字濃度が高く、熱応答性が良好で、層間強度が強く、ヘッドマッチング性、特にヘッド粕の少ない感熱記録体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、付加重合し得るモノマー、モノマーの重合開始剤および多価イソシアネートとを含有した油相を水性媒体中に乳化し、該乳化物を加熱重合して得られる、ポリウレタン/ポリウレア樹脂とモノマーの付加重合物との複合微粒子を含有する下塗り層を支持体上に設け、該下塗り層上に熱エネルギーを与えることにより記録することができる感熱記録層を設けたことを特徴とする感熱記録体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する付加重合し得るモノマーとは、分子内に付加重合可能な不飽和結合を1個以上有するものであり、主としてエチレン誘導体が用いられる。
具体例としては、例えばイソブチルビニルエーテル、メチルビニルスルフィド、N−ビニルカルバゾール、p−スルホニルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、trans−2−ブテン、cis−2−ブテン、塩化アリル、塩化イソプロピレン、trans−塩化イソプロペニル、cis−塩化イソプロペニル、塩化アリル、スチレン、プロピレン、1−ヘキセン、オクタデセン、イソブテン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸イソプロペニル、エチルビニルエーテル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、マレイン酸ブチル、アクリルアミド、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、イタコン酸、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸n−ブチル、クロトン酸iso−ブチル、クロトン酸sec−ブチル、クロトン酸tert−ブチル等が挙げられる。なかでもスチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸2-エチルヘキシルなどは工業的にも多く使用されており、安価なため好ましい。もちろんこれらは2種以上を併用してもよい。
【0008】
本発明で用いられる付加重合し得るモノマーを重合させるための重合開始剤としては、熱エネルギーを吸収して、まず1次ラジカルを生成し、これがモノマーと反応して生長ラジカルをつくる反応(開始)までの重合開始機能を有するものであれば良く、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、次亜硝酸tert−ブチル、2、2’−アゾビス−イソブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、1、1’−アゾビス−1−シクロヘキセンカルボニトリル、ジメチル−2、2’−アゾビスイソブチレート、4、4’−アゾビス−4−吉草酸、1、1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、過酸化水素−鉄(II)塩、過硫酸塩−亜硫酸水素ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジシクロヘキシルペルオキシジカルボナート、などが挙げられる。なかでも過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、2、2’−アゾビス−イソブチロニトリル、 1、1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)などが好ましく使用される。
もちろんこれらは、2種以上併用することもできる。重合開始剤の量については、特に制限はなく公知技術に従えば良いが、モノマーに対して0.1〜20質量%の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜10質量%である。
【0009】
本発明に使用される多価イソシアネートとしては、芳香族多価イソシアネートや脂肪族イソシアネートがあげられる。芳香族多価イソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートおよびこれらの多量体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこの多量体から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。多量体とは二量体、三量体等を表す。上記の芳香族多価イソシアネートを用いることで高感度化が可能となる。本理由は定かでないが、芳香族多価イソシアネートは、脂肪族多価イソシアネートと比較してその構造に由来する物性としてガラス転位温度が高く、被覆性に優れることおよび複合微粒子の膜壁としての強度が高いため、個々の複合微粒子が完全に密着したフィルム状にならないことが要因と推定される。しかしながら、これらの芳香族多価イソシアネートはそのもの自身が着色しており、さらに温度、湿度がかかると経時的に着色が強くなり感熱記録体が黄変する問題があった。
【0010】
黄変を抑制するためには、芳香族多価イソシアネートにポリエチレングリコールを付加した多価イソシアネートが好ましく、付加するポリエチレングリコールは平均分子量が300〜1000、好ましくは300〜600、より好ましくは300〜500未満である。分子量が1000を超えると結晶性が高くなること、および溶融点を有するようになり好ましくない。ポリエチレングリコールの付加量としては、芳香族多価イソシアネートに対し2〜10質量%、好ましくは2〜7質量%である。付加量が2質量%より小さくなると黄変に対する効果が少なく、10質量%を超えると複合微粒子生成時に凝集が激しくなり製造し難い。
【0011】
さらに本発明の効果を損なわない範囲で、本発明で使用されるポリエチレングリコールを付加した芳香族多価イソシアネート以外の多価イソシアネートを併用する事も可能である。その具体例としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加物、トリレジンイソシアネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシアネートプレポリマー等があげられる。
【0012】
使用する多価イソシアネートにおいて、ポリエチレングリコールを付加した芳香族多価イソシアネートに対する他の多価イソシアネートの使用量は、ポリエチレングリコールを付加した芳香族多価イソシアネートに対し、200質量%未満が好ましく、150質量%未満がより好ましい。200質量%以上になると、黄変が起こったり、本発明の効果である感度の向上が減少する傾向にある。
【0013】
とりわけ、脂肪族イソシアネートの併用は、本発明の複合微粒子を調製する際、調製しやすい利点があり、該脂肪族イソシアネートの使用量は、ポリエチレングリコールを付加した芳香族多価イソシアネートに対して、20〜150質量%程度が好ましい。
【0014】
本発明で使用する多価イソシアネートの使用量は、付加重合し得るモノマーに対し、5〜100質量%、好ましくは10〜80質量%である。5質量%未満であると本発明の複合微粒子の生成が難しく、100質量%を超えると感度向上の効果が減少するだけでなく、多価イソシアネートが高価なため不経済である。
【0015】
複合微粒子は、以下の方法で製造される。多価イソシアネート、付加重合し得るモノマーおよび該モノマーの重合開始剤を混合し、こうしてできた油相をポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、さらに必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を35〜95℃の温度範囲で加温することにより、硬化、重合反応をさせて、ポリウレタン/ポリウレア樹脂とモノマーの付加重合物との複合微粒子は製造される。なお、該油相中には、本発明の所望の効果を損なわない範囲で他の物質、例えば紫外線吸収剤、油溶性蛍光染料、油溶性蛍光増白剤などを添加することも可能である。
【0016】
複合微粒子化に際して用いられる乳化剤(保護コロイド物質)としては、特開平6−40158号公報に例示の各種のアニオン、ノニオン、カチオンまたは両性水溶性高分子化合物等が使用される。また同時に界面活性剤、消泡剤などを使用してもよい。乳化剤の使用量については特に限定はないが、モノマー、重合開始剤および多価イソシアネートを含有する油相量に対して1〜30質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。
【0017】
また、反応性物質として使用されるポリアミンとしては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等が挙げられる。
【0018】
本発明の複合微粒子は、ポリウレタン/ポリウレア樹脂がモノマーの付加重合物の表面に分布していることが好ましい。表面に分布している構造とは、モノマーの付加重合物表面の一部にポリウレタン/ポリウレア樹脂が存在している構造や、モノマーの付加重合物表面がすべてポリウレタン/ポリウレア樹脂で覆われた2層構造などが挙げられる。
【0019】
本発明で使用される複合微粒子の一次粒子の平均粒子径は0.5〜5.0μmであることが望ましい。5.0μmを超えると感度向上効果は減少傾向にあり、0.5μmより小さな粒径を得るには、乳化分散時の攪拌を相当強力にする必要があり、乳化分散物も凝集しやすくなるので調製がむずかしい。
【0020】
得られた複合微粒子の形は、凹凸面もしくは凹面をもった貝殻の形をしたパスタであるコンキリエに似た構造のものも含まれ、外界に対して大きく開かれた多くのボイドで構成されているため、記録時に生じる熱溶融物(発色成分)をそのボイドに効率良く吸収することが可能になり、サーマルヘッドへのカス付着防止にも寄与する。また、一般に下塗り層の断熱効果により、記録感度が向上するといわれているが、本発明の複合微粒子は、この多くのボイドの要因で断熱効果の高い空気層が下塗り層中で構築され、熱エネルギーを効率良く感熱記録層へ取り組むことが可能となって、記録感度が向上すると考えられる。
【0021】
さらに本発明の下塗り層において、複合微粒子の他に顔料を併用することは、高感度化、ヘッド粕の減少の上でさらに好ましい。顔料としては、無機系顔料、有機系顔料があげられ、該顔料の配合比は本発明で用いられる複合微粒子に対し10〜500質量%、好ましくは50〜300質量%である。10質量%未満では併用効果が乏しく、500質量%より多くなると層間強度が低下する。
【0022】
本発明で用いられる無機系顔料としては、特に限定されるものではないが、JIS−K−5101による吸油量が70〜200ml/100gである吸油性顔料が特に記録感度に優れていて好ましい。かかる顔料の平均粒子径(二次粒子径)としては0.5〜20μm、好ましくは0.5〜3μmである。因みに、吸油性顔料の吸油量が70ml/100g未満では記録感度を高める効果が少なくなり、200ml/100gを越えると均一な下塗り層が形成され難くなり、記録画質が低下する恐れがある。
上記吸油性顔料としては、例えば焼成カオリン、炭酸マグネシウム、無定型シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等があげられる。
【0023】
有機系顔料としては、特に限定されるものではないが、有機中空粒子や実包型有機顔料があげられる。有機中空粒子の具体例としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体を単独または共重合した樹脂等を殻とする粒子が挙げられる。有機中空粒子の中空度(粒子の全体積に対する粒子内空隙部の体積の比率)としては、50〜98%が好ましい。実包型有機顔料の具体例としては例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体を単独または共重合した樹脂の粒子等があげられる。
なお、顔料は無機系顔料、有機系顔料を各々単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
【0024】
本発明における複合微粒子はそれ自身が接着剤としての能力を有しているバインダー顔料として作用するため、通常は下塗り層中に接着剤を必要としないが、さらに下塗り層の層間強度を高めるために接着剤を併用してもよい。かかる接着剤としては、例えばゼラチン、カゼイン、デンプンおよびその誘導体、メチルセルローズ、エチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセルローズ、メトキシセルローズ、完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アクリルアミド−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩等の水溶性高分子、およびスチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂等の疎水性高分子が挙げられる。疎水性高分子はラテックスの形態で使用するのが好ましい。使用する場合の接着剤量は下塗り層の全固形量に対して、2〜30質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%である。
【0025】
本発明における下塗り層は、複合微粒子分散液、および必要により顔料、接着剤、助剤とを共に混合攪拌して調製された下塗り層用塗液を支持体上に、乾燥後の塗布量が2〜15g/mとなるように塗布乾燥して形成される。
下塗り層用塗液中に含有される助剤としては、界面活性剤、着色染料、蛍光染料、滑剤、消泡剤等があげられる。
【0026】
本発明において、感熱記録層に含有される無色ないし淡色のロイコ染料としては、各種公知のものが挙げられ、例えば、トリアリール系、ジフェニルメタン系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フルオラン系などのロイコ体が好ましく使用できる。その具体例としては、例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ]−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオランおよび3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。
【0027】
本発明においては、前記黒色発色を与えるロイコ染料の中でも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、および2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランが地肌かぶりを生じにくいという点で好ましい。
もちろんこれら染料を2種以上併用する事も可能である。
【0028】
赤もしくは赤紫、オレンジ色系統の発色を与えるロイコ染料としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等をあげることができる。
【0029】
赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色を与えるロイコ染料としては、さらに3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、および2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオランをあげることができる。
【0030】
赤色、赤紫色、およびオレンジ色系統の発色を与えるロイコ染料として、さらに3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3’−フタリド〕などをあげることができる。
【0031】
青色発色を与えるロイコ染料としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、および3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオランなどをあげることができる。
【0032】
緑色発色を与えるロイコ染料としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドなどをあげることができる。これらのなかでも3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリドが、地肌かぶりが少ないという点から好ましい。
【0033】
黄色系統の発色を与えるロイコ染料として、3,6−ジメトキシフルオラン、および1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレンなどがある。
上記のロイコ染料は単独で使用してもかまわないが、もちろん2種以上併用する事も可能である。
【0034】
ロイコ染料と共に併用される呈色剤としては、公知のものを用いる事ができる。例えば下記の如き公知のものが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、ハイドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−ペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2,2’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、1,3,3−トリメチル−1−(p−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシインダン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−トリメチレンジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,3−ジ〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、p−ヒドロキシ−N−(2−フェノキシエチル)ベンゼンスルホンアミド、1,8−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,6−ジオキサ−オクタン、(4−ヒドロキシフェニルチオ)酢酸−2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エチルエステル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−3−(p−トリルスルホニルオキシ)フェニルウレアなどの分子内に−SONH−結合を有するもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛などの芳香族カルボン酸の亜鉛塩などがあげられる。
【0035】
呈色剤の使用量としては、無色ないし淡色のロイコ染料に対して50〜500質量%が好ましい。もちろん、これらに限定されるものではなく、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用することもできる。
【0036】
本発明の感熱記録体では、目的に応じて記録層中に増感剤を添加することができ、具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。
これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に呈色剤に対して400質量%以下の範囲で調節するのが望ましい。もちろん、これらに限定されるものではなく、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用することもできる。
【0037】
本発明においては、主に発色記録画像の保存性向上のために、保存性向上剤を用いてもよい。このような保存性向上剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、および4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノールなどのフェノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、および4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸化合物などがあげられる。もちろん、保存性向上剤はこれらに限定されるものではなく、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用することもできる。
【0038】
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、ロイコ染料、呈色剤、さらに必要に応じて増感剤、保存性向上剤を一緒にまたは別々にボールミル、アトライター、サンドミルなどの粉砕機により粉砕した後、接着剤を混合攪拌して調製された感熱記録層用塗液を前記下塗り層上に塗布乾燥して得られる。
【0039】
本発明において、支持体は特に限定されないが、例えば非塩素薬品で漂白されたパルプから抄紙された上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム、古紙入り原紙等があげられる。
【0040】
感熱記録層用塗液に使用される接着剤の具体例としては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体などの水不溶性重合体のエマルションなどをあげることができる。
接着剤の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して5〜35質量%程度である。
【0041】
更に、感熱記録層用塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカなどの無機顔料;尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類;グリオキザール、ジアルデヒド澱粉、尿素ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、メチロール尿素、ケトン樹脂、ポリアミドエポキシ樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン、グリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン系化合物、キトサン、ほう酸、ほう砂、炭酸アンモニウムジルコニウム等の耐水化剤;および紫外線吸収剤;消泡剤;蛍光染料;着色染料;離型剤;酸化防止剤等があげられる。
顔料の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度である。
【0042】
本発明においては、記録部の耐薬品性、耐水性を高めたり、或いは記録走行性を高めるために保護層を設けることができる。かかる保護層は、例えば成膜性を有する接着剤、および必要により顔料とを主成分する保護層用塗液を感熱記録層上に塗布乾燥して形成される。
【0043】
保護層用塗液中に含有される接着剤としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、アクリル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス等が挙げられる。
更に、保護層塗液中には、上記感熱記録層塗液中に添加し得る助剤を添加することもできる。助剤のうち、顔料の使用量は、保護層の全固形分に対して5〜70質量%程度である。
【0044】
また、感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m、好ましくは3〜7g/m程度、保護層用塗液の塗布量は乾燥重量で0.5〜10g/m、好ましくは1〜5g/m程度である。
【0045】
上記の各層用塗液を塗布する方法としては、例えばエアーナイフ、ブレード、グラビア、ロールコーター、スプレー、ディップ、バー、カーテンおよびエクストルージョンなどの既知の塗布方法が挙げられる。
【0046】
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これにさらに加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、ディレードタック型の粘着剤、再湿接着剤などによる塗布加工を施すことにより粘着紙、ディレードタック紙、再湿接着紙としたり、或は磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることができる。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録紙とすることもできる。もちろん両面感熱記録体とすることもできる。
【0047】
感熱記録層上または保護層上に電子線または紫外線硬化層を設けることができる。電子線または紫外線硬化性化合物含有塗液を塗布した後、電子線または紫外線を照射して、硬化すれば、電子線または紫外線硬化層が形成される。塗布量としては、0.5〜10g/m程度が好ましい。さらに、その上に、UVインキ、フレキソインキなどで印刷することもできる。保護層にシリコンなどの離型剤を用いることにより本発明の感熱記録材料をライナーレスの粘着ラベルとして利用することもできる。この場合、印刷後に離型剤を塗工乾燥してもよい。また、感熱記録層や保護層の形成後にスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施すことなども可能である。
【0048】
【実施例】
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0049】
(実施例1)
▲1▼ 複合微粒子分散液の調製
付加重合し得るモノマーとしてスチレン28部と、2、2’−アゾビス−イソブチロニトリル1部と、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合体にポリエチレングリコールを2%付加した芳香族多価イソシアネート(商品名:XD−71−K19、三井武田ケミカル社製)12部を混合した溶液を、5%ポリビニルアルコール(商品名:PVA217EE、株式会社クラレ製)水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナイザー(商品名:T.K.ROBO MICS、特殊機化社製)を用い、回転数8500rpm の攪拌によって2分間、乳化分散(乳化分散後の平均粒子径0.85μm)した後、この乳化分散液に水を60部添加した後、65℃に昇温し8時間の硬化、重合反応を行わせて、一次粒子の平均粒子径1.5μmの複合微粒子分散液を調製した。
なお、上記複合微粒子分散液の固形分濃度は22%であった(水の蒸発があるため)。
【0050】
▲2▼下塗り層用塗液の調製
▲1▼にて調製した複合微粒子分散液をそのまま下塗り層用塗液とした。
【0051】
▲3▼感熱記録層用塗液の調製
・A液調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水40部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μm以下になるまで粉砕した。
・B液調製
シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が2μm以下になるまで粉砕した。
・C液の調製
2、2’−ビス[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテルを約55質量%含有する呈色剤(商品名:D−90、日本曹達社製)20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が2μm以下になるまで粉砕した。
【0052】
A液55部、B液80部、C液80部、酢酸ビニル変性でんぷん(商品名:ペトロコートC−8、日殿化学社製)の20%水溶液75部、炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント−15、白石カルシウム社製)10部、無定形シリカ(商品名:ミズカシールP-603、水沢化学社製)10部およびステアリン酸亜鉛の36%分散液10部、パラフィンワックスの30%分散液25部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0053】
▲4▼感熱記録体の作製
坪量51.5g/mの上質紙(中性紙)の片面に、下塗り層用塗液および感熱記録層用塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ8g/m、5g/mとなるように順次塗布乾燥して下塗り層、感熱記録層を形成して感熱記録体を得た。なお、感熱記録層を形成した後、スーパーカレンダー処理を施し平滑度(TAPPI NO.5−B)が1000±200秒となるようにした。
【0054】
(実施例2)
実施例1の複合微粒子分散液の調製において、4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネートの重合体にポリエチレングリコールを2%付加した芳香族多価イソシアネート(商品名:XD−71−K19、三井武田ケミカル社製)12部を、該芳香族多価イソシアネート8部、脂肪族多価イソシアネート(商品名:タケネートD170N、三井武田ケミカル社製)4部とした以外は、実施例1と同様の感熱記録体を得た。また、この時の複合微粒子の一次粒子の平均粒子径は1.2μmであった。
【0055】
(実施例3)
実施例1の下塗り層用塗料調製において、有機顔料(商品名:グロスデール104S、固形分46%、三井化学社製)60部、実施例1にて調製した22%の複合微粒子分散液135部とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0056】
(実施例4)
実施例1の下塗り層用塗料調製において、有機顔料(商品名:グロスデール104S、固形分46%、三井化学社製)60部、実施例2にて調製した22%の複合微粒子分散液135部とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0057】
(実施例5)
実施例1の下塗り層用塗料調製において、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、吸油量90ml/100g、EC社製)28部、実施例2にて調製した22%の複合微粒子分散液135部、ポリアクリル酸ナトリウム塩の40%水溶液2部および水160部とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0058】
(実施例6)
実施例1の下塗り層用塗料調製において、中空微粒子顔料(商品名:ローペイクHP1055、固形分26.5%、ローム&ハース社製)105部、実施例2にて調製した22%の複合微粒子分散液135部とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0059】
(実施例7)
実施例1の下塗り層用塗料調製において、有機顔料(商品名:グロスデール104S、固形分46%、三井化学社製)140部、実施例2にて調製した22%の複合微粒子分散液135部、固形分濃度50%のスチレン−ブタジエン系ラテックス10部とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0060】
(比較例1)
実施例1の下塗り層塗料調製において、焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、吸油量90ml/100g、EC社製)70部、固形分濃度50%のスチレン−ブタシエン系ラテックス60部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液2部および水200部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用の塗液とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0061】
(比較例2)
実施例1の下塗り層塗料調製において、有機顔料(商品名:グロスデール104S、固形分46%、三井化学社製)150部、固形分濃度50%のスチレン−ブタシエン系ラテックス60部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用の塗液とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0062】
(比較例3)
実施例1の下塗り層塗料調製において、中空微粒子顔料(商品名:ローペイクHP1055、固形分26.5%、ローム&ハース社製)245部、固形分濃度50%のスチレン−ブタシエン系ラテックス60部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用の塗液とした以外は実施例1と同様の感熱記録体を得た。
【0063】
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行い、得られた結果を表1に示す。
【0064】
〔記録濃度およびヘッド粕〕
▲1▼感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い0.4mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、記録部の発色濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。またこの時のサーマルヘッドに付着したヘッド粕を目視評価した。
◎:サーマルヘッド上にヘッド粕が付着していない。
○:サーマルヘッド上にヘッド粕がほとんど付着していない(目視では見えないレベル)。
×:サーマルヘッド上にヘッド粕がかなり付着している。
▲2▼感熱評価機(商品名:DT310−2、株式会社サトー製)を用い0.18mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、記録部の発色濃度をマクベス濃度計(RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
【0065】
[層間強度]
感熱記録層面に粘着テープ(登録商標:セロテープ、18mm巾、セキスイ社製)を貼り付けた後、すばやくテープを剥がし、その際テープに取られる塗膜の状態を以下の如く目視評価した。
◎:塗膜が全く取られない。
○:塗膜が僅かに取られる状態。
×:塗膜が半分程度取られる状態。
【0066】
【表1】
Figure 0003750611
【0067】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明に係る感熱記録体は、印字濃度が高く、熱応答性が良好で層間強度が強く、かつヘッド粕の少ない感熱記録体であった。

Claims (4)

  1. 付加重合し得るモノマー、モノマーの重合開始剤および多価イソシアネートとを含有した油相を水性媒体中に乳化し、該乳化物を加熱重合して得られる、ポリウレタン/ポリウレア樹脂とモノマーの付加重合物との複合微粒子を含有する下塗り層を支持体上に設け、該下塗り層上に熱エネルギーを与えることにより記録することができる感熱記録層を設けたことを特徴とする感熱記録体。
  2. 多価イソシアネートが、少なくとも芳香族多価イソシアネートとポリエチレングリコールとの付加物の1種である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 芳香族多価イソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこの多量体から選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の感熱記録体。
  4. 下塗り層中に、さらに顔料を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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