JP3750500B2 - 電子カメラ及び撮影方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタルカメラ等の電子カメラ装置に係るズーム撮影技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラを始めとする、デジタル画像を撮影、記録する撮像装置でズーム機能を備えたものがある。
ズーム機能は大別して2つに分類される。1つは光学レンズを移動して撮像素子に結像させる画像の倍率そのものを変化させる光学ズームであり、他の1つは撮像素子に結像した画像の一部を切り出してそれをデジタル処理することによって拡大する電子ズーム(デジタルズーム)である。
【0003】
光学ズームは目的の画像を撮像素子全体に結像させることができ、明瞭な画像を得ることが可能であるが、目的の画角を決めるまでに繰り返しズームモータを駆動してレンズを移動させなければならず、特にデジタルカメラのように携帯型の撮像装置では電源として電池を用いているのでレンズ移動の繰り返しにより電池の消耗が増大する。これに対し、電子ズームはデジタル処理によってズーム画像を得るので電池の消耗を促すことはほとんどないが、ズームにより得られた画像の画質は光学ズームより劣っている。
【0004】
また、上述したズーム撮影時の問題点に関し、特開平5−191704号公報にはズームモータ駆動による電力消費を最小限に抑えながら実際の映像記録時に高画質の映像を得ることを目的として、被写体に対する画角決定時には電子ズームを使用し、記録する画像に対しては光学ズームを使用するように構成した電子撮像装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平5−191704号公報に開示の電子撮像装置では、撮影指示をしてから光学ズームのためのレンズの移動が完了するまでに時間を必要とするので撮影動作がこの時間分遅れてしまうといった問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ズーム撮影時に、記録する画像に対して光学ズームを使用する場合に、撮影指示と撮影動作の間にタイムラグが生じない電子カメラ及び撮影方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の発明の電子カメラは、撮影待機時には電子ズームを用い、撮影記録時には光学ズームを用いる電子カメラにおいて、被写体像を取り込んで表示する撮影待機時にズームの実行を指示するズーム指示手段と、このズーム指示手段によるズーム指示に応じて電子ズームを実行する電子ズーム手段と、ズーム指示手段によるズーム指示がなされない時間を計測する計測手段と、この計測手段によって計測された時間が所定時間を超えると、電子ズームから光学ズームにズーム方法を切り換えるズーム制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、第2の発明は上記第1の発明の電子カメラにおいて、ズーム指示手段によるズーム指示によって、電子ズームが行われている被写体像及びズーム制御手段によりズーム方法が切換えられ、光学ズームが行われている被写体像を表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、第3の発明は上記第1又は2の発明の電子カメラにおいて、ズーム制御手段によりズーム方法が切り換えられ、光学ズームが行われている被写体像を撮影記録指示に基づいて保存記録する保存記録手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、第4の発明は上記第1乃至3の発明の電子カメラにおいて、外部電源の供給を検知する外部電源検知手段を備え、この外部電源検知手段によって外部電源の供給が検知されない場合はズーム制御手段によるズーム方法の切り換えを行うことを特徴とする。
【0014】
また、第5の発明の撮影方法は、撮影待機時には電子ズームを用い、撮影記録時には光学ズームを用いる電子カメラにおいて、 被写体像を取り込んで表示する撮影待機時にズーム指示操作の有無を調べ、ズーム指示操作が所定時間ない場合に電子ズームから光学ズームへの切り換えを行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は電子カメラの一実施例のブロック図である。
電子カメラ100は、光学系10、信号処理系20、一次メモリ系30、表示系40、制御部50、保存メモリ60、操作部70及びレンズ駆動系80からなる。
光学系10は被写体光像をCCD21上に結像させるレンズ群からなり、レンズ駆動系80のズームモータ82によって前後に移動するズームレンズ11を含んでいる。
【0016】
信号処理系20は、光学系によって結像された被写体光像を電気信号に変換するCCD(撮像素子)21、CCD21を制御するCCD制御部22及び信号変換処理を行い電気信号を映像信号(YUV)に変換して画像データを出力するYUVプロセッサ23を備えている。
【0017】
一次メモリ系30は、制御部50の制御下でYUVプロセッサ23から取り込んだ画像データの画像メモリ32への記憶及び読出し、ビデオエンコーダ41への送出のタイミング等を制御するメモリコントローラ31及びDRAM等の揮発性メモリからなり、画像(画像データ)を一時的に記憶する画像メモリ32を含んでいる。
【0018】
表示系40(表示手段)は、メモリコントローラ31によって画像メモリ32から読み出された画像データをビットマップイメージに展開し、ビデオ出力部(液晶ディスプレイ)42に出力するビデオエンコーダ41、液晶ディスプレイ等の表示画面を備えたビデオ出力部42を含んでいる。
【0019】
制御部50(検知手段、ズーム制御手段、計測手段)は、CPU、RAM、プログラム格納用メモリ及びタイマ等の周辺回路を有したマイクロプロセッサ構成を有しており、CPUは上述の各回路及び図示しない電源切換えスイッチ等にバスラインを介して接続し、プログラム格納用メモリに格納されている制御プログラムによりデジタルカメラ全体の制御を行なうと共に、キー処理部72からの信号に対応してプログラム格納用メモリに格納されている各モード処理用のプログラムや本発明に基づくズーム制御プログラムや電子ズーム処理プログラム(電子ズーム手段)等を取り出して、デジタルカメラ100の各機能の実行制御等を行なう。なお、プログラム格納メモリには上述した各プログラムのほか定数やメニューデータを格納している。
【0020】
保存メモリ60(保存記録手段)はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリからなり、撮影画像を保存記憶(記録)する。なお、保存メモリをフラッシュメモリに代えてメモリカード等の着脱可能なメモリを用いるようにしてもよい。
【0021】
操作部70は、処理モード選択スイッチ711、ズーム操作キー712、シャッターキー713、・・・、電源ボタン719等のキーを備えたキー部71と、キー部71のキーが操作されるとそのキーの操作信号を生成して制御部50に送出するキー処理部72を備えている。
また、ズーム操作キー(ズーム指示手段)712はズームレンズ11のWIDE側への移動を指示するWIDEキー(つまり、被写体を遠ざけるズームダウンキー)とTELE側への移動を指示するTELEキー(被写体を近づけるズームアップキー)からなり、キー処理部72はWIDEキーが押されるとWIDE信号を制御部50に送出し、TELEキーが押されるとTELE信号を制御部50に送出する。
また、シャッターキー713はハーフシャッター操作(シャッター半押しやシャッタータッチ等、シャッターキー713を全押ししない操作)とフルシャッター操作(シャッターを全押しする操作)の2系統の操作が可能であり、キー処理部72はハーフシャッター操作(撮影記録指示ではない所定の操作)とフルシャッター操作(撮影記録指示操作)では異なる信号を生成する。本実施では後述するようにハーフシャッター操作の有無を電子ズームから光学ズームの切り換え時のトリガとしているがこれに限定されない。また、フルシャッター操作は撮影指示を意味している。
【0022】
レンズ駆動系80は、制御部50からの制御信号に基づいてズームモータ82の駆動信号を生成するズームモータ制御部81及びズームモータ制御部81からの駆動信号によって駆動され、ズームレンズ11を光軸に沿って前後に移動させるズームモータ82を含んでいる。
【0023】
なお、電子カメラ100に外部電源入力端子部90を設けるように構成し、ACアダプタ等の外部電源のソケットがさし込まれるとそれを検知して制御部50にACアダプタ差し込み検知信号を送出するセンサ(外部電源検知手段(図示せず))を備えるようにしてもよい。
【0024】
図1で、撮影待機時には、CCD21によって取り込まれた被写体像はYUVプロセッサ23を介して画像メモリ32に送られる。また、取り込まれた画像は同時にビデオエンコーダ41に送られ、スルー画像表示が行われる。
図2は光学ズームと電子ズームの概念図である。
光学ズームはズームモータ82を駆動することにより、図2(a)、(a’)に示すようにズームレンズ11の位置を移動させることにより、焦点距離f、f’を変化させて行う。ズームレンズ11の移動によって図2(b)、(b’)に示すようにCCD21に結像される画像サイズが変化する。
一方、図2(b)に示すように光学レンズを介して画像メモリ32に取り込まれた画像の一部分を切り出してデジタル画像処理によって拡大処理を行うことによりズーム画像を得る。また、電子ズームされた画像はビデオエンコーダ41に送られてスルー画像表示される。
【0025】
図3は本発明の撮影方法を適用した電子カメラの動作例を示すフローチャートであり、図3(a)は電池駆動のみの電子カメラの動作例を示し、図3(b)はACアダプタ駆動と電池駆動が混在した電子カメラの動作例を示す。
【0026】
本実施例では、ハーフシャッター操作(シャッターキー713の半押し)が行われ撮影画像が決定されるまでは電子ズームによって被写体の画角を選択し、撮影者が画角を決定してハーフシャッター操作を押した時点で電子ズームで決定した倍率までズームレンズ11を移動させる。
これにより、撮影待機時(スルー画像表示時)は電子ズームで電池の消耗を気にかけることなくスムースな操作で被写体の画角を決めることができる。また、ハーフシャッター操作が行われた時点でズームレンズ11を移動するので、フルシャッター操作(撮影指示操作)までの間に光学ズームが行われ、光学ズーム動作による撮影動作(画像記憶動作)の遅れ(タイムラグ)が生じない。また、撮影指示直前に光学ズームによる明瞭なズーム画像(実際に保存記録される画像)を確認することができ、この確認結果に基づいて撮影指示操作を行うことができる。
先ず、図3(a)により電池駆動の電子カメラ100の撮影モード時の動作について説明する。ここで、処理モード選択スイッチ711の操作により撮影モードが設定された場合、ズームレンズ11を所定(初期)位置に固定する動作(必要ならズームレンズ11を所定位置に移動する動作を含む)を実行する。
【0027】
ステップS1:(画像の取り込み)
図3(a)で、光学系10によりCCD21に結像される被写体像はCCD21で電気信号に変換されYUVプロセッサ23で画像データに変換され、メモリコントローラ31により所定のタイミングで画像メモリ32に取り込まれる。
【0028】
ステップS2:(スルー画像表示)
また、上記ステップS1で画像メモリ32に取り込まれた画像は、メモリコントローラ31により同じタイミングでビデオエンコーダ41に送られ、イメージ展開されてビデオ出力部(表示画面)42にスルー画像表示される。
【0029】
ステップS3:(ズーム指示判定)
制御部50はキー処理部72から送られてくる信号を調べ、ズーム操作キー712が押されたか否か(つまり、ズーム指示があったかどうか)を判定し、ズーム指示があった場合にはS4に遷移し、そうでない場合はS9に遷移する。
【0030】
ステップS4:(ズーム方向の判定)
次に、制御部50はズーム操作キー712の種類から指示の内容(つまり、ズーム方向がWIDE側か、TELE側か)を調べる。そして、押されたズーム操作キー712がWIDEキーの場合にはズーム方向はWIDE側と判定してS5に遷移し、TELEキーの場合にはズーム方向はTELE側と判定してS8に遷移する。
【0031】
ステップS5:(電子ズームの倍率判定)
上記ステップS4でWIDEキーが押されたとき、制御部50は電子ズームの倍率を調べ、倍率が最小倍率(=1)より大きいか否かを判定し、倍率が最小倍率1より大きい場合にはS7に遷移し、そうでない場合(つまり、最小倍率の時)にはS6に遷移する。
【0032】
ステップS6:(WIDE側への光学ズーム)
上記ステップS5でWIDEキーが押されたとき電子ズームの倍率が最小倍率(=1)の場合には、デジタル画像処理(電子ズーム)ではこれ以上広範囲の画像(WIDE側の画像)を得ることができないので、制御部50はズームモータ制御部81にズームレンズ11をWIDE側に移動させるように制御信号を送り、ズームモータ駆動信号を生成させてズームモータ82を駆動させ、ズームレンズ11をWIDE側に移動させ、S1に遷移する。
【0033】
ステップS7:(WIDEの場合の電子ズーム)
WIDEキーが押されたとき電子ズーム倍率が1より大きい場合には(電子ズームが行われていれば)、制御部50は電子ズームの倍率を下げる方向にデジタル縮小処理を行いS1に遷移する。
【0034】
ステップS8:(TELEの場合の電子ズーム)
上記ステップS4でTELEキーが押された場合には、制御部50は電子ズームの倍率を上げる方向にデジタル拡大処理を行いS1に遷移する。
【0035】
ステップS9:(画角決定トリガ(ズーム方法切り換え指示)の有無判定)
ユーザはズームの際、画角を決定するとハーフシャッター操作を行う。
制御部50はキー処理部72から送られてくる信号を調べ、ハーフシャッター操作が行われたか否かを判定し、ハーフシャッター操作(シャッターボタン712の半押しやタッチ操作)が行われた場合(つまり、画角決定操作=電子ズームから光学ズームへの切り換え指示操作が行われた場合)にはS10に遷移し、そうでない場合にはS1に遷移する。
【0036】
ステップS10:(電子ズームの倍率判定)
制御部50は電子ズームの倍率を調べ、倍率が1か否かを判定し、倍率が1の場合にはS13に遷移し、そうでない場合にはS11に遷移する。
【0037】
ステップS11:(光学ズーム)
電子ズームの倍率が1(=最小倍率)でない場合には、制御部50はズームモータ制御部81に制御信号を送り、ズームモータ駆動信号を生成させてズームモータ82を駆動させ、光学ズームによるズーム結果(ズーム倍率)が電子ズームに相当する倍率(厳密にはズーム倍率+光学ズーム)になるまでズームレンズ11を移動させる。
【0038】
ステップS12:(電子ズーム倍率のリセット)
制御部50は上記ステップS11のズームレンズ11の移動と同時に電子ズームの倍率を1(最小倍率)にリセットし、S13に遷移する。
【0039】
ステップS13:(画像の取り込み)
光学系10によりCCD21に結像される被写体像はCCD21で電気信号に変換されYUVプロセッサ23で画像データに変換され、メモリコントローラ31により所定のタイミングで画像メモリ32に取り込まれる。
【0040】
ステップS14:(スルー画像表示)
また、上記ステップS13で画像メモリ32に取り込まれた画像は、メモリコントローラ31により同じタイミングでビデオエンコーダ41に送られ、イメージ展開されてビデオ出力部(表示画面)42にスルー画像表示される。
【0041】
ステップS15:(撮影指示の有無判定)
制御部50はキー処理部72から送られてくる信号を調べ、フルシャッター操作(シャッターキー713の全押し)が行われたか否かを判定し、フルシャッター操作が行われた場合(つまり、撮影指示があった場合)にはS16に遷移し、そうでない場合にはS13に制御を戻す。
【0042】
ステップS16:(画像の保存記憶)
制御部50は画像メモリ32に取り込まれている画像データに圧縮処理を施して保存メモリ60に保存記憶する。また、保存記録終了後、ズームレンズ11を所定位置に戻してからステップS1に遷移する。
【0043】
なお、上記ステップS3のズーム操作キー712の操作タイミングとズームの関係について述べると、ズームレンズ11の初期位置よりTELE側の範囲内においてズーム操作キー712が操作された場合は光学ズームを使うことなく電子ズームのみが使用される(ステップS7、S8参照)。一方、ズームレンズ11の初期位置よりWIDE側でズーム操作キーを操作する場合は光学ズームが使用される(ステップS6参照)。
【0044】
また、上記図3(a)のステップS3でズーム操作キー712が操作されない場合にはステップS3→ステップS9→ステップS1の順に動作し、ステップS9でハーフシャッター操作が行われるかステップS3でズーム操作キー712が操作されるまでこのサイクルを繰り返す。
また、図3(a)のステップS3でズーム操作キー712が操作されるとステップS4→ステップS8の電子ズーム、ステップS4→S5→S7の電子ズームまたはステップS4→S5→S6の光学ズームが行われ、ステップS9でハーフシャッター操作が行われるまでズーム動作を繰り返し、ハーフシャッター操作が行われると光学ズームが行われる。
つまり、上記構成により、画角決定前は電子ズームと光学ズームを併用し、画角決定から撮影記録指示までの間に電子ズームから光学ズームへの切り換えを行うので、光学ズーム使用比率が少なく、電池の消耗度が少ない。また、ハーフシャッター操作が行われた時からズームレンズ11を移動するので、フルシャッター操作(S15)前に光学ズームによる明瞭なズーム画像を確認できる。
【0045】
また、撮影指示前に電子ズームから光学ズームへの切り換え動作を行うので光学ズーム動作による撮影動作(画像記録動作)の遅れが生じない。
なお、上記図3(a)では画角決定(ハーフシャッター操作)前は電子ズームと光学ズームを併用し、画角決定から撮影記録指示までの間に電子ズームから光学ズームへの切り換えを行う例について説明したが、画角決定前は電子ズームのみを行い画角決定から撮影記録指示までの間に電子ズームから光学ズームへの切り換えを行うようにしてもよい。具体的には図3(a)のステップS5でズーム倍率が1(=最小倍率)の場合にステップS13に遷移するようにすればよい(この場合、S6は不要となる)。この場合、ズームレンズ11の所定位置をWIDE端とすれば、光学ズームによる全範囲を電子ズームによりカバーすることができ、また、電子ズームから光学ズームへの切り換え動作を行う際に、電子ズーム倍率をそのまま光学ズーム倍率として用いることができる。
【0046】
また、画角決定前は電子ズームと光学ズームを併用し、画角決定から撮影記録指示までの間(保存記録時)も電子ズームと光学ズームを併用するようにしてもよい。この場合は、電子ズームの光学ズームに対する使用比率が画角決定から撮影記録指示までよりも撮影待機時(画角決定前)のほうが高い、つまり、同一のズーム倍率変更動作を行う場合、画角決定から撮影記録指示の間のズーム動作で消費される電力よりも撮影待機時のズーム動作で消費される電力の方を小さくするために、例えば、撮影待機時は光学ズーム動作はWIDEとWIDE/TELEの間の幾つかの点(離散点)だけ移動するようにし、電子ズームは光学ズームで対応できる焦点範囲の範囲を動作するように構成する。また、この場合、光学ズームの倍率の変化を撮影待機時はWIDE方向とTELE方向で異なるように設定して切り換えタイミングにヒシテリシスを持たせ、ズームレンズ11の頻繁な方向切り換えを防止し、節電するように構成する。
【0047】
なお、上記図3(a)のフローチャートでは光学レンズを移動(つまり、電子ズームから光学ズームへの切り換え動作を開始)するタイミングにハーフシャッター操作を用いた(S9)が、これに限定されない。例えば、別にズーム倍率の決定キーを設けてもよく、また、TELEキーとWIDEキーが同時押しされた場合に電子ズームから光学ズームへの切り換え動作を開始するようにしてもよい。
【0048】
また、上記図3(a)のフローチャートのデジタル拡大処理はプログラム格納ROMに格納されているプログラムに基づいて制御部50で行ってもよいが、デジタル演算用の専用回路を設けより高速な電子ズーム操作を実現するようにしてもよい。
【0049】
次に、図3(b)によりACアダプタ駆動及び電池駆動が混在する電子カメラ100の撮影時の動作について説明する。
上記図3(a)のフローチャートの例では、電子カメラ100が電池駆動される場合の撮影動作について説明したが、図3(a)のフローチャートのステップS3とS5の間に、図3(b)に示すようなACアダプタ駆動判定動作等のステップS4’−1〜S4’−4を付加することにより、ACアダプタ駆動及び電池駆動が混在する電子カメラ100の撮影時の動作についても本発明の撮影方法を適用することができる。
【0050】
つまり、図3(a)のフローチャートのステップS3のズーム指示判定動作でズーム指示があった場合にS4’−1に遷移するようにし、下記ステップS4’−1〜S4’−3の動作を行うようにする。なお、この場合、電子カメラ100はACアダプタ差し込み用の外部電源入力端子部90を備え、ACアダプタ差し込み用外部電源入力端子部90はACアダプタのソケットがさし込まれるとそれを検知して制御部50にACアダプタ差し込み検知信号を送出するセンサを備えている。
【0051】
ステップS4’−1:(ズーム方向の判定)
制御部50はズーム操作キー712の種類から指示の内容(つまり、ズーム方向がWIDE側か、TELE側か)を調べる。そして、押されたズーム操作キー712がWIDEキーの場合にはズーム方向はWIDE側と判定してS4’−2に遷移し、TELEキーの場合にはズーム方向はTELE側と判定して4’−3に遷移する。
【0052】
ステップS4’−2:(ACアダプタ駆動の有無判定▲1▼)
図3(b)のステップS4’−1でWIDEキーが押されたとき、制御部50はACアダプタ差し込み用の外部電源入力端子部90からの信号を調べてACアダプタ駆動か否かを判定し、ACアダプタ駆動の場合は電池消耗がないのでもっぱら光学ズームを行うようS6(図3(a))に遷移する。また、ACアダプタ駆動でない場合、つまり、電池駆動の場合は電子ズームの倍率判定のためにS5(図3(a))に遷移する。
【0053】
ステップS4’−3:(ACアダプタ駆動の有無判定▲2▼)
図3(b)のステップS4’−1でTELEキーが押されたとき、制御部50はACアダプタ差し込み用の外部電源入力端子部90からの信号を調べてACアダプタ駆動か否かを判定し、ACアダプタ駆動の場合は電池消耗がないのでもっぱら光学ズームを行うようS4’−4に遷移する。また、ACアダプタ駆動でない場合、つまり、電池駆動の場合は電子ズームの倍率を上げるためにS8(図3(a)に遷移する。
【0054】
ステップS4’−4:(TELE側への光学ズーム)
ACアダプタ駆動の場合は電池の消耗はないので光学ズームを行えばよい。制御部50はズームモータ制御部81にズームレンズ11をTELE側に移動させるように制御信号を送り、ズームモータ駆動信号を生成させてズームモータ82を駆動させ、ズームレンズ11をTELE側に移動させ、S1に遷移する。
【0055】
図3(a)と図3(b)のフローチャートの主要な相違点は、図3(b)ではズーム操作キー712(TELEキーまたはWIDEキー)が押された時に、ACアダプタ差し込み用端子部にACアダプタのソケットが差し込まれているか否かを判定して、ACアダプタ駆動されていれば光学レンズを移動させて目的のズーム倍率を得る点である。
【0056】
上記図3(b)の構成により、ACアダプタ駆動時には電子ズームを使用せずに光学ズームを使用するようにしたので常に明瞭なスルー画像を得ることができる。
また、ズーム操作時に自動的にACアダプタ駆動か否かを判定してACアダプタ駆動の場合には光学ズームに切り換えるため意識することなく電池の消耗を最小限にとどめることができる。
なお、上記図3(b)の例ではACアダプタ駆動時に光学ズームに切り換えるように構成したが、大容量バッテリ駆動時にも光学ズームに切り換えるように構成してもよい。
【0057】
また、上記図3(a)、(b)の説明では静止画撮影(電子スチルカメラ)を例としたが動画撮影(ムービーカメラ)の場合もステップS3〜S15のズーム操作判定〜撮影指示の間のズーム動作を適用することができる。なお、動画撮影の際、ステップS15でフルシャッター操作されることによりムービー撮影の開始が指示されると動画撮影が開始され、動画撮影中にズーム操作キーが押された場合は光学ズームによるズーム動作を行う。
【0058】
図4は本発明の撮影方法を適用した電子カメラの他の動作例を示すフローチャートである。
上記図3のフローチャートに示した実施例ではハーフシャッター操作が行われた時にズームレンズを移動させ光学ズームを行うようにしたが、本実施例はハーフシャッター操作以外の場合にもズームレンズを移動させ光学ズームを行うようにした例であり、図4(a)は、図3(a)のステップS3でズーム操作キーが一定時間以上、操作されなかったときにもズームレンズを移動させるように構成した例である。つまり、図3(a)のステップS3とS9の間に下記ステップS3’−1〜S3’−4を加える。
【0059】
ステップS3’−1:(ズーム操作キーの無操作時間の判定)
図4(a)で、制御部50はタイマーからの時刻信号を基に前回のズーム操作キー712の操作から現時点までの時間(ズーム操作キーの無操作時間)を計測し、無操作時間が一定時間以上の場合には電子ズームから光学ズームに切り換えるためにS3’−2に遷移する。
【0060】
ステップS3’−2:(電子ズームの倍率判定)
ズーム操作キー12が一定時間以上無操作の場合には制御部50はその時点の電子ズームの倍率を調べ、倍率が1か否かを判定し、倍率が1の場合にはS1に遷移し、そうでない場合にはS3’−3に遷移する。
【0061】
ステップS3’−3:(光学ズーム)
電子ズームの倍率が1(=最小倍率でない)の場合には、制御部50はズームモータ制御部81に制御信号を送り、ズームモータ駆動信号を生成させてズームモータ82を駆動させ、光学ズームによるズーム結果が電子ズームに相当する倍率になるまでズームレンズ11を移動させる。
【0062】
ステップS3’−4:(電子ズーム倍率のリセット)
制御部50は上記ステップS3’−3のズームレンズ11の移動と同時に電子ズームの倍率を1(最小倍率)にリセットし、S1に遷移する。
【0063】
上記構成により、ハーフシャッター操作を行わなくても、ズーム操作キー712が所定時間操作されない場合にはズームレンズ11の位置を自動的に移動させるので、電池の消耗を防ぐことができると同時に、常に明瞭なスルー画像で被写体を確認することができる。また、ハーフシャッター操作の前に電子ズームから光学ズームへの切り換え動作が完了している場合、ハーフシャッター操作後、直ちにフルシャッター操作による撮影指示操作に移ることができる。
【0064】
また、図4(b)は、前記図3(a)のステップS3でズーム操作キーが操作された場合にズームレンズを移動させるように構成した例である。つまり、図3(a)のステップS3とS4の間に下記ステップS3”−1〜S3”−3を加える。
【0065】
ステップS3”−1:(ズームレンズの位置判定)
図4(b)で、制御部50はズームレンズ11の位置を調べ、ズームレンズ11が初期位置よりもTELE側にある場合にはS3”−2に遷移し、そうでない場合にはS4に遷移する。
【0066】
ステップS3”−2:(ズームレンズの初期位置へのリセット)
制御部50はズームモータ制御部81に制御信号を送り、ズームモータ82を駆動させてズームレンズ11を移動させて初期位置に戻す。
【0067】
ステップS3”−3:(電子ズーム倍率の変更)
制御部50は上記ステップS3”−2にズームレンズ11の移動と同時に、電子ズームの倍率を上げる方向にデジタル拡大処理を行う。
【0068】
上記構成により、ハーフシャッター操作を行わなくても、ズーム操作キー712が所定時間操作されない場合にはズームレンズ11の位置を自動的に移動させるので、電池の消耗を防ぐことができると同時に、常に明瞭なスルー画像で被写体を確認することができる。
以上、本発明の一実施例について説明したが本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
【0070】
上記説明したように、第1の発明の電子カメラ及び第5の発明の撮影方法によれば、所定の指示(ハーフシャッター操作による指示)を行わなくても、電子ズーム指示が所定時間なされない場合には自動的に光学ズームに切り換えるので、電池の消耗を防ぐことができる。と同時に、常に明瞭なスルー画像で被写体を確認することができる。また、所定の指示の前に電子ズームから光学ズームへの切り換え動作が完了している場合、所定の指示後、直ちに撮像指示(フルシャッター操作)に移ることができる。
【0071】
また、第2の発明は上記第1の発明の電子カメラで、ズーム方法が切り換えられ光学ズームが行われている被写体像を表示部に表示するので、常に明瞭なスルー画像で被写体を確認することができる。
【0072】
また、第3の発明は上記第1又は第2の発明の電子カメラで、撮像指示時に、ズーム方法が切り換えられ光学ズームが行われている被写体像を保存記録するので、常に明瞭なズーム画像を保存記録することができる。
【0073】
また、第4の発明は上記第1乃至第3の発明の電子カメラで、外部電源が供給されている時には電子ズームを使用せずに光学ズームを使用するようにしたので常に明瞭なスルー画像を得ることができる。また、自動的に外部電源が供給されているか否かを判定し、外部電源が供給されている場合には光学ズームに切り換えるため意識することなく電池の消耗を最小限にとどめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子カメラの一実施例のブロック図である。
【図2】光学ズームと電子ズームの概念図である。
【図3】本発明の撮影方法を適用した電子カメラの動作例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の撮影方法を適用した電子カメラの他の動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
40 表示系(表示手段)
50 制御部(検知手段、ズーム制御手段、計測手段)
60 保存メモリ(保存記録手段)
90 外部電源入力端子部(外部電源検知手段)
100 電子カメラ
712 ズーム操作キー(ズーム指示手段)
Claims (5)
- 撮影待機時には電子ズームを用い、撮影記録時には光学ズームを用いる電子カメラにおいて、
被写体像を取り込んで表示する撮影待機時にズームの実行を指示するズーム指示手段と、
このズーム指示手段によるズーム指示に応じて電子ズームを実行する電子ズーム手段と、
前記ズーム指示手段によるズーム指示がなされない時間を計測する計測手段と、
この計測手段によって計測された時間が所定時間を超えると、前記電子ズームから光学ズームにズーム方法を切り換えるズーム制御手段
を備えたことを特徴とする電子カメラ。 - 前記ズーム指示手段によるズーム指示によって、電子ズームが行われている被写体像及び前記ズーム制御手段によりズーム方法が切り換えられ、光学ズームが行われている被写体像を表示する表示手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。 - 前記ズーム制御手段によりズーム方法が切り換えられ、光学ズームが行われている被写体像を撮影記録指示に基づいて保存記録する保存記録手段
を備えたことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の電子カメラ。 - 外部電源の供給を検知する外部電源検知手段を備え、
この外部電源検知手段によって外部電源の供給が検知されない場合は前記ズーム制御手段によるズーム方法の切り換えを行う
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子カメラ。 - 撮影待機時には電子ズームを用い、撮影記録時には光学ズームを用いる電子カメラにおいて、
被写体像を取り込んで表示する撮影待機時にズーム指示操作の有無を調べ、ズーム指示操作が所定時間ない場合に電子ズームから光学ズームへの切り換えを行うこと
を特徴とする撮影方法。
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