以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。同図に示すように、デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ12と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ70と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)60と、電源スイッチ66と、が備えられている。
なお、本実施の形態に係るレリーズボタン60は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。そして、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン60を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ70の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)30と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD30に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するために操作されるモード切替スイッチ62と、LCD30の表示領域における上下左右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン64と、が備えられている。
一方、デジタルカメラ10の側面には、撮影によって得られたデジタル画像データが記録可能な記録メディア(ここでは、当該デジタル画像データが画像ファイルとして記録される記録メディア。)を装着することができるスロットSL1及びスロットSL2が設けられており、デジタルカメラ10の底面には、外部装置と所定のインタフェース規格(本実施の形態では、USB(Universal Serial Bus))により電気的に接続するために用いられるレセプタクル72が設けられている。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
同図に示すように、デジタルカメラ10は、前述のレンズ12を含んで構成された光学ユニット13と、レンズ12の光軸後方に配設されたCCD14と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)16と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)18と、を含んで構成されており、CCD14の出力端はCDS16の入力端に、CDS16の出力端はADC18の入力端に、各々接続されている。
ここで、CDS16による相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
一方、デジタルカメラ10は、所定容量のラインバッファを内蔵すると共に入力されたデジタル画像データを後述する第2メモリ40の所定領域に直接記憶させる制御を行う画像入力コントローラ20と、デジタル画像データに対して各種画像処理を施す画像信号処理回路22と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた形式で伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路24と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD30に表示させるための信号を生成してLCD30に供給する一方、LCD30に表示させる画像を示す映像信号(本実施の形態では、NTSC信号。)を生成してビデオ出力端子OUTに出力するビデオ/LCDエンコーダ28と、を含んで構成されている。なお、画像入力コントローラ20の入力端はADC18の出力端に接続されている。
また、デジタルカメラ10は、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU32と、AF機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施の形態では、CCD14による撮像によって得られた画像のコントラスト値。)を検出するAF検出回路34と、AE機能及びAWB(Automatic White Balance)機能を働かせるために必要とされる物理量(本実施の形態では、CCD14による撮像によって得られた画像の明るさを示す量(以下、「測光データ」という。)。)を検出するAE・AWB検出回路36と、CPU32による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により構成された第1メモリ38と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するVRAM(Video RAM)により構成された第2メモリ40と、を含んで構成されている。
更に、デジタルカメラ10は、スロットSL1に装着された記録メディア42A及びスロットSL2に装着された記録メディア42Bをデジタルカメラ10でアクセス可能とするためのメディアコントローラ42と、前述のレセプタクル72に接続されると共にUSB規格による外部との間の通信を司るUSBインタフェース46と、を含んで構成されている。
以上の画像入力コントローラ20、画像信号処理回路22、圧縮・伸張処理回路24、ビデオ/LCDエンコーダ28、CPU32、AF検出回路34、AE・AWB検出回路36、第1メモリ38、第2メモリ40、メディアコントローラ42、及びUSBインタフェース46は、各々システムバスBUSを介して相互に接続されている。
従って、CPU32は、画像入力コントローラ20、画像信号処理回路22、圧縮・伸張処理回路24、及びビデオ/LCDエンコーダ28の各々の作動の制御と、AF検出回路34及びAE・AWB検出回路36により検出された物理量の取得と、第1メモリ38、第2メモリ40、記録メディア42A、及び記録メディア42Bへのアクセスと、レセプタクル72に接続された外部装置との相互通信と、を各々行うことができる。
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD14を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD14に供給するタイミングジェネレータ48が設けられており、当該タイミングジェネレータ48の入力端はCPU32に、出力端はCCD14に、各々接続されており、CCD14の駆動は、CPU32によりタイミングジェネレータ48を介して制御される。
更に、CPU32はモータ駆動部50の入力端に接続され、モータ駆動部50の出力端は光学ユニット13に備えられた焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータに接続されている。
本実施の形態に係る光学ユニット13に含まれるレンズ12は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは各々CPU32の制御下でモータ駆動部50から供給された駆動信号によって駆動される。
CPU32は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御して光学ユニット13に含まれるレンズの焦点距離を変化させる。
また、CPU32は、CCD14による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
更に、前述のレリーズボタン60、モード切替スイッチ62、十字カーソルボタン64、及び電源スイッチ66の各種ボタン類及びスイッチ類(図2では、「操作部52」と総称。)はCPU32に接続されており、CPU32は、これらのボタン類及びスイッチ類に対する操作状態を常時把握できる。
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10には、電源回路54と電池56が備えられており、電源回路54は、CPU32による制御の下に、電池56から出力された電力に基づいて適切な作動用の電力を生成して各部に供給する。なお、錯綜を回避するために、同図では、電源回路54から電力が供給される各部への接続線の図示を省略している。
ところで、本実施の形態に係るAE・AWB検出回路36では、図3に示すように、CCD14による撮像等によって得られたデジタル画像データが示す被写体像を所定数×所定数(本実施の形態では、8×8)の分割領域に分割し、各分割領域毎に当該分割領域の平均的な明るさを示す測光データを逐次導出するように構成されている。従って、CPU32は、最新の各分割領域毎の測光データをAE・AWB検出回路36から任意に取得することができる。
CCD14が本発明の撮像手段に、操作部52が本発明の操作手段に、CPU32が本発明の判断手段、移行手段、電源オフ手段、及び解除手段に、各々相当する。
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。まず、撮影時におけるデジタルカメラ10の作用を簡単に説明する。
光学ユニット13を介した撮像によってCCD14から出力された被写体像を示す信号は順次CDS16に入力されて相関二重サンプリング処理が施された後にADC18に入力され、ADC18は、CDS16から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換して画像入力コントローラ20に出力する。
画像入力コントローラ20は内蔵しているラインバッファにADC18から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦第2メモリ40の所定領域に格納する。
第2メモリ40の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU32による制御下で画像信号処理回路22によって読み出され、これらにAE・AWB検出回路36により検出された物理量(測光データ)に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号を第2メモリ40の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
なお、LCD30は、CCD14による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD30をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、ビデオ/LCDエンコーダ28を介して順次LCD30に出力する。これによってLCD30にスルー画像が表示されることになる。
ここで、レリーズボタン60がユーザによって全押し状態とされたときには、その時点で第2メモリ40に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路24によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後にメディアコントローラ42を介して記録メディア42Aに記録する。
次に、図4を参照して、デジタルカメラ10において実行される電力切替処理について説明する。なお、図4は、電源スイッチ66がオン状態とされているときにデジタルカメラ10のCPU32で実行される電力切替処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
同図のステップ100では、AE・AWB検出回路36から所定の分割領域における測光データを取得して第1メモリ38の所定領域に記憶し、次のステップ102では、変数Nに0(零)を代入する。なお、上記所定の分割領域として、本実施の形態では、被写体像の中心部に位置する4つの分割領域と、被写体像の四隅に各々位置する4つの分割領域の合計20の分割領域(図3の破線で囲まれた分割領域)の測光データを適用する。これによって、被写体像の中心部に動きがなく、かつ被写体像の周辺部に動きがある場合と、被写体像の周辺部に動きがなく、かつ被写体像の中心部に動きがある場合と、の双方の場合に対応できるようにしている。
次のステップ104では、CPU32に内蔵された不図示のタイマを用いて所定時間(本実施の形態では、3秒)の経過待ちを行い、次のステップ106では、再びAE・AWB検出回路36から上記所定の分割領域における測光データを取得して第1メモリ38の他の領域に記憶する。
次のステップ108では、上記ステップ100及びステップ106において第1メモリ38に記憶した測光データに基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定し、肯定判定の場合は上記ステップ102に戻り、否定判定の場合にはステップ110に移行する。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、上記ステップ108における被写体像に動きがあったか否かの判定を、上記ステップ106において記憶した測光データと、上記ステップ100において記憶した測光データとを対応する分割領域毎に各々比較し、測光データが所定値(本実施の形態では、上記ステップ100において記憶した当該分割領域の測光データの10%に相当する値)以上変化した分割領域数が所定数(本実施の形態では、適用した分割領域数の2分の1に相当する10)以上存在するか否かを判定することによって行う。また、上記ステップ102〜ステップ108の処理を繰り返して実行する場合に上記ステップ108では、直前のステップ106の処理によって記憶した測光データと、その前回のステップ106の処理によって記憶した測光データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。
ステップ110では、変数Nを1だけインクリメントし、次のステップ112では、上記ステップ106において記憶した測光データによって示される被写体像の全体的な明るさが所定レベル(本実施の形態では、最大明るさの5%の明るさに相当するレベル)を越えているか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ114に移行して、予め定めた自然数である値VLを第1所定値として設定した後にステップ118に移行し、否定判定の場合にはステップ116に移行して、値VLより小さな自然数として予め定めた値VSを第1所定値として設定した後にステップ118に移行する。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、上記被写体像の全体的な明るさとして、上記ステップ106において記憶した各分割領域毎の測光データの平均値を適用している。
ステップ118では、変数Nの値が上記ステップ114又は上記ステップ116において設定された第1所定値を越えているか否かを判定し、否定判定の場合は上記ステップ104に戻って再び上記ステップ104〜ステップ116の処理を実行し、肯定判定の場合にはステップ120に移行する。なお、上記ステップ104〜ステップ118の処理を繰り返して実行する場合に上記ステップ108では、直前のステップ106の処理によって記憶した測光データと、その前回のステップ106の処理によって記憶した測光データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。
ステップ120では、デジタルカメラ10の消費電力を低減させる省電力モードに移行させるように電源回路54を制御する。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、省電力モードに移行させる制御として、電源回路54からビデオ/LCDエンコーダ28及びLCD30への作動用の電力の供給を停止させる制御を適用しているが、これに限らず、測光データの生成に関係する各部(光学ユニット13、CCD14、タイミングジェネレータ48、モータ駆動部50、AE・AWB検出回路36等)及びCPU32を除く他の各部(圧縮・伸張処理回路24、メディアコントローラ42等)への電力供給を停止させる制御を適用してもよいし、CPU32に供給されるクロック信号の周波数を必要最小限に低減させる制御を適用してもよいし、これらの制御の組み合わせを適用してもよい。
以上の処理により、被写体像に動きがあると認められる間は上記ステップ102〜ステップ108の処理が繰り返して実行され、被写体像に動きがないと認められた状態が、上記ステップ104で経過待ちが行われる所定時間と、上記ステップ114又はステップ116において設定された第1所定値とに応じて決定される所定時間(請求項1記載の発明の「所定時間」に相当し、以下、「第1の時間」という。)を越えて継続された時点でステップ120に移行されて省電力モードに移行されることになる。また、このとき、上記第1所定値として被写体像の全体的な明るさが所定レベル以下である場合は、他の場合より小さな値が設定されるので、デジタルカメラ10が、電源スイッチ66がオン状態とされたままポケット、鞄、収納ケース等に収納された場合には、上記第1所定値として小さな値が設定され、他の場合より早いタイミングで省電力モードに移行させることができる。
次のステップ122では、CPU32に内蔵された不図示のタイマを用いて所定時間(本実施の形態では、3秒)の経過待ちを行い、次のステップ124では、再びAE・AWB検出回路36から上記所定の分割領域における測光データを取得して第1メモリ38の他の領域に記憶する。
次のステップ126では、上記ステップ106及びステップ124において第1メモリ38に記憶した測光データに基づいて被写体像に動きがあったか否かを上記ステップ108と同様の手順で判定し、肯定判定の場合はステップ128に移行して省電力モードを解除することにより通常のモードに復帰させた後、上記ステップ102に戻り、否定判定の場合にはステップ130に移行する。
ステップ130では、変数Nを1だけインクリメントし、次のステップ132では、変数Nの値が上記第1所定値より大きな自然数として予め定めた第2所定値を越えているか否かを判定し、否定判定の場合は上記ステップ122に戻って再び上記ステップ122〜ステップ130の処理を実行し、肯定判定の場合にはステップ134に移行する。なお、上記ステップ122〜ステップ132の処理を繰り返して実行する場合に上記ステップ126では、直前のステップ124の処理によって記憶した測光データと、その前回のステップ124の処理によって記憶した測光データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。
ステップ134では、電源スイッチ66がオフ状態とされたときと同様の処理を行うことにより電源オフの状態とし、その後に本電力切替処理プログラムを終了する。
上記ステップ122以降の処理により、上記ステップ120の処理によって省電力モードに移行されてから、上記ステップ122で経過待ちが行われる所定時間と上記第2所定値とに応じて決定される所定時間(請求項3記載の発明の「第3の時間」に相当し、以下、「第3の時間」という。)が経過するまでの期間において被写体像に動きがあったと認められた場合には、自動的に省電力モードが解除されて通常のモードに復帰される。これによって、省電力モードに移行した後の通常のモードへの復帰の手間を無くすることができ、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
これに対し、省電力モードに移行されてから上記第3の時間が経過するまでの期間において被写体像に動きがあったと認められなかった場合には、電源をオフするタイミングであるものと見なしてステップ134にて電源オフの状態としている。
次に、図5を参照して、デジタルカメラ10において実行される第2電力切替処理について説明する。なお、図5は、前述の電力切替処理プログラム(図4も参照)の実行途中でデジタルカメラ10のCPU32により所定時間毎に割り込み処理として実行される第2電力切替処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
同図のステップ200では、省電力モードに移行されているか否かを判定し、否定判定の場合はステップ202に移行して、操作部52(レリーズボタン60、モード切替スイッチ62、十字カーソルボタン64、電源スイッチ66)に対する操作が行われていない時間が上記第1の時間より長い時間として予め定めた第1所定時間(本実施の形態では3分。)を越えたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ204に移行して前述の電力切替処理(図4も参照)のステップ120の処理と同様にして省電力モードに移行させた後に本第2電力切替処理プログラムを終了し、否定判定の場合には上記ステップ204の処理を実行することなく本第2電力切替処理プログラムを終了する。
一方、上記ステップ200において肯定判定された場合、すなわち、省電力モードに移行されている場合にはステップ206に移行し、操作部52に対する操作が行われていない時間が予め定めた第2所定時間(本実施の形態では5分。)を越えたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ208に移行して前述の電力切替処理のステップ134の処理と同様にして電源オフの状態とした後に本第2電力切替処理プログラムを終了し、否定判定の場合には上記ステップ208の処理を実行することなく本第2電力切替処理プログラムを終了する。
本第2電力切替処理により、前述の電力切替処理によって省電力モードに移行されない場合であっても、操作部52に対する操作が第1所定時間を越えて行われない場合には自動的に省電力モードに移行させることができる。また、本第2電力切替処理により、前述の電力切替処理又は本第2電力切替処理により省電力モードに移行された後において、前述の電力切替処理によって通常のモードに復帰されない場合であっても、操作部52に対する操作が第2所定時間を越えて行われない場合には自動的に通常のモードに復帰させることができる。
なお、本実施の形態では、被写体像に動きがあったか否かの判定に用いる測光データとして、被写体像の中心部に位置する4つの分割領域と、被写体像の四隅に各々位置する4つの分割領域の合計20の分割領域(図3の破線で囲まれた分割領域)の測光データを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、撮影対象とする被写体の動作状態や処理速度の制限等に応じて被写体像の中心部に位置する分割領域のみを適用する形態や、被写体像の周辺部に位置する分割領域のみを適用する形態等とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、被写体像の動きを検出するためにAE・AWB検出回路36によって検出された測光データを用いた形態について説明したが、本第2実施形態では、被写体像の動きを検出するために撮像によって得られたデジタル画像データを直接用いる形態について説明する。なお、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10の構成は、上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10と同一であるので、ここでの説明は省略する。また、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10の撮影時における作用も上記第1実施形態と同一であるので、ここでの説明は省略する。
以下、図6を参照して、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10において実行される電力切替処理について説明する。なお、図6は、電源スイッチ66がオン状態とされているときに本第2実施形態に係るデジタルカメラ10のCPU32で実行される電力切替処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、図4に示されるプログラムと同一の処理を行うステップについては図4と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図6のステップ100Bでは、この時点で第2メモリ40に記憶されているデジタル画像データ(ここでは、YC信号)を読み出して第1メモリ38の所定領域に記憶する。また、ステップ106Bでは、この時点で第2メモリ40に記憶されているデジタル画像データ(ここでは、YC信号)を読み出して第1メモリ38の他の所定領域に記憶する。
そして、ステップ108Bでは、上記ステップ100B及びステップ106Bにおいて第1メモリ38に記憶したデジタル画像データに基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ102に戻り、否定判定の場合にはステップ110に移行する。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、上記ステップ108Bにおける被写体像に動きがあったか否かの判定を、上記ステップ106Bにおいて記憶したデジタル画像データと、上記ステップ100Bにおいて記憶したデジタル画像データとを対応する画素データ(ここでは、クロマ信号Cr)毎に各々比較し、画素データが所定値(本実施の形態では、上記ステップ100Bにおいて記憶した画素データの10%に相当する値)以上変化した画素データ数が所定数(本実施の形態では、被写体像1枚における全画素数の2分の1に相当する数)以上存在するか否かを判定することによって行う。
なお、ステップ102〜ステップ108Bの処理を繰り返して実行する場合に上記ステップ108Bでは、直前のステップ106Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、その前回のステップ106Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。また、ステップ104〜ステップ118の処理を繰り返して実行する場合にも上記ステップ108Bでは、直前のステップ106Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、その前回のステップ106Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。
一方、ステップ124Bでは、この時点で第2メモリ40に記憶されているデジタル画像データを読み出して第1メモリ38の所定領域に記憶する。そして、ステップ126Bでは、上記ステップ106B及びステップ124Bにおいて第1メモリ38に記憶したデジタル画像データに基づいて被写体像に動きがあったか否かを上記ステップ108Bと同様の手順で判定し、肯定判定の場合はステップ128に移行し、否定判定の場合にはステップ130に移行する。
なお、ステップ122〜ステップ132の処理を繰り返して実行する場合に上記ステップ126Bでは、直前のステップ124Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、その前回のステップ124Bの処理によって記憶したデジタル画像データと、に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判定する。
なお、本第2実施形態では、被写体像に動きがあったか否かの判定に用いるデジタル画像データとして被写体像の全域の画素データを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、撮影対象とする被写体の動作状態や処理速度の制限等に応じて図3の破線で囲まれた分割領域内の画素データのみを適用する形態、被写体像の中心部に位置する分割領域内の画素データのみを適用する形態、被写体像の周辺部に位置する分割領域内の画素データのみを適用する形態等や、一部画素データを間引いた画像データを適用する形態等とすることもできる。この場合は、本実施の形態に比較して、被写体像の動きの判定精度がやや低下するものの、処理速度を高速化することができる。
以上詳細に説明したように、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10では、撮像によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像に上記第1の時間以上動きがなかったと判断されたときに省電力モードに移行させているので、的確なタイミングで省電力モードに移行することができる。
また、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10では、省電力モードへの移行が行われない状態で操作部52に対する操作が上記第1の時間より長い第1所定時間以上行われなかったときに省電力モードに移行させているので、より的確なタイミングで省電力モードに移行することができる。
また、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10では、省電力モードに移行された後、被写体像に予め定めた第3の時間以上動きがなかったと判断されたときに電源オフの状態としているので、省電力効果を大幅に向上させることができる。
また、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10では、省電力モードに移行された後で、かつ電源オフの状態とされる前に、被写体像に動きがあったと判断されたときに上記省電力モードを解除しているので、省電力モードに移行した後の通常のモードへの復帰の手間を無くすることができ、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10では、デジタル画像データにより示される被写体像の全体的な明るさが所定レベル以下である場合、他の場合より上記第1の時間を短いものとしているので、省電力効果をより向上させることができる。
また、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10では、デジタル画像データの変化量に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判断しているので、被写体像に動きがあったか否かの判断にマージンを設けることができ、柔軟性の高い判断を行うことができる。
更に、上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10では、デジタル画像データに基づいて得られる被写体像の複数の分割領域における測光レベルの変化量に基づいて被写体像に動きがあったか否かを判断しているので、当該判断を短時間に行うことができる。
なお、上記各実施の形態において説明した各種処理プログラム(図4〜図6参照)の処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。