[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
図1(A)に示すように、デジタルカメラ10の本体12は略箱型で、正面から見て左側に、本体12の把持を容易とするための把持部が形成された形状とされている。本体12の正面側中央にはレンズ14が取り付けられており、本体12のレンズ14の上方には、ユーザが撮影範囲等を目視で確認するための光学ファインダ16、低照度での撮影等の場合に補助光を発するためのストロボ18が取り付けられている。また、光学ファインダ16の正面から見て右側に被写体までの焦点距離を測定するためのAFセンサ17が設けられている。
また、本体12の上面には、シャッタボタン20が設けられている。本体12の正面から左側側面には、メモリカード(図示省略)を装填可能なスロット22が設けられており、スロット22の挿入口は蓋部22Aにより覆われている。
図1(B)に示すように、本体12の背面の上方には電源スイッチ24が設けられている。この電源スイッチ24をオンすることによりデジタルカメラ10の各部へ電力が供給される。
また、本体12の背面には、透過型液晶(半透過型液晶でもよい)からなるLCD(液晶ディスプレイ)26が設けられており、LCD26は、蛍光管やLED等によって構成されるバックライトを備えた構成とされている。なお、LCD26は撮影画像を動画像としてリアルタイム表示(所謂、スルー画像として表示)することが可能であり、この場合LCD26はファインダとして機能する。
LCD26の右側には、複数のスイッチ28が設けられてる。これらのスイッチ28には、例えばメニュー画面を表示するためのメニュースイッチ、表示されたメニュー画面に従って各種設定等の選択を行うための選択スイッチ、撮影モードを切り替えるためのモード切替スイッチ等が含まれる。
図2にはデジタルカメラ10の電気系の構成が示されている。レンズ14は詳しくはオートフォーカス(AF)機構を備えたズームレンズ(焦点距離可変レンズ)であり、レンズ14のAF機構及びズーム機構は駆動回路60によって駆動される。
本体12の内部におけるレンズ14の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ30が配置されており、被写体を反射してレンズ14に入射された光はエリアCCDセンサ30の受光面に結像される。エリアCCDセンサ30は、受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表すアナログの信号を画像信号として出力する。
エリアCCDセンサ30は、駆動回路60が内蔵しているタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動されて画像信号を出力する。
レンズ14とエリアCCDセンサ30との間には絞り32が配置されている。絞り32は駆動回路60によって駆動される。絞り32は、絞り量を連続的に変更可能な単一の絞りで構成してもよいし、絞り量が異なる複数の絞りを切り替える構成としてもよい。駆動回路60には、更にストロボ18(図2では図示省略)も接続されており、ストロボ18は低照度であることが検出された場合や、ユーザによって発光が指示された場合に発光制御される。
レンズ14を介してエリアCCDセンサ30の受光面に結像された被写体像は、各センサで入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。このようにして蓄積された信号電荷は、駆動回路60から加えられる駆動パルスによって読み出され、信号電荷に応じた電圧信号(アナログ画像信号)として順次エリアCCDセンサ30から出力される。
エリアCCDセンサ30には、シャッターゲートを介してシャッタードレインが設けられており、駆動回路60がシャッターゲートをシャッターゲートパルスによって駆動することにより、蓄積した信号電荷をシャッタードレインに掃き出すことができる。すなわち、エリアCCDセンサ30は、駆動回路60から出力されるシャッターゲートパルスによって各センサに蓄積される電荷の蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
エリアCCDセンサ30から読み出されたR、G、Bの各信号は、A/D変換器34に出力され、このA/D変換器34によりR、G、Bのデジタル信号に変換された後、信号処理回路36へ出力される。
なお、A/D変換する前に、相関二重サンプリング(CDS)処理やR、G、Bの各色信号の信号レベルの調整(プリホワイトバランス処理)等の所定のアナログ信号処理を行うようにしてもよい。
信号処理回路36は、画像信号のゲイン量を調整するためのゲイン調整回路、色補正を行うための色補正回路、ガンマ補正を行うためのガンマ補正回路等を含んで構成される。A/D変換されたR、G、Bのデジタル信号は、信号処理回路36においてゲイン調整処理や色補正、ガンマ補正処理等の各種信号処理が施される。
信号処理回路36は、バス38を介してメモリコントローラ40、CPU42、各種操作I/F44、輝度・色差信号処理回路(YC処理回路)46、符号化処理回路48、メディアI/F50、DMAC52、LCD26を駆動するLCDドライバ62等と接続されている。
信号処理回路36で処理された画像データは、メモリコントローラ40を介してSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)54に記憶される。
メモリコントローラ40には、SDRAM54及びフラッシュROM(Read Only Memory)56が接続されており、CPU42のメモリマップとSDRAM54の内部アドレスとの変換や、SDRAM54の記憶内容を維持するためのリフレッシュ処理を所定間隔で実行する。
フラッシュROM56には、CPU42で実行される制御プログラムが記憶されている。
SDRAM54のメモリマップは、例えば、フラッシュROM56に記憶されたプログラムが記憶されるプログラム領域、CPU42の作業用領域であるCPUワーク領域、画像データ等が記憶される画像データワーク領域等で構成される。
SDRAM54のプログラム領域には、ブート時、すなわち電源オン時にフラッシュROM56からプログラムがコピーされるようになっている。従って、CPU42は、SDRAM54のプログラム領域からプログラムを読み込んでデジタルカメラ10の各回路を統括制御する。
CPU42は、プログラムの一部を構成する制御命令を記憶するための比較的小容量の命令キャッシュを備えている。CPU42は、SDRAM54のプログラム領域からプログラムを構成する制御命令を読み込んで実行するが、実行された制御命令は命令キャッシュに記憶される。
CPU42は、各種操作I/F44からの入力信号に基づいて対応する回路を制御するとともに、レンズ14のズーミング動作や自動焦点調節(AF)動作の制御、並びに自動露出調節(AE)の制御やシャッタスピードの制御等を行う。
各種操作I/F44には、前述したシャッタボタン20、電源スイッチ24、スイッチ28、その他の各種の入力手段が含まれる。なお、これらの入力手段は、スイッチボタン、ダイヤル、スライド式ツマミなど種々の形態があり、タッチパネルやLCD26の画面上において設定メニューや選択項目を表示してカーソルで所望の項目を選択する態様もある。
各種操作I/F44はカメラ本体に配設されていてもよいし、リモコン送信機としてカメラ本体と分離した構成にすることも可能である。
CPU42は、SDRAM54に記憶された撮影画像の画像データやAFセンサ17によって検出された検出信号に基づいて、焦点評価演算やAE演算などの各種演算を行い、その演算に基づいて、レンズ14及び絞り32の駆動回路(例えば、AFモータやアイリスモータ等)60を制御してフォーカスレンズを合焦位置に移動させるとともに、絞り32を適正絞り値に設定する。
なお、AF制御は、本実施形態ではAFセンサ17の検出信号を用いて行うが、この他に例えば、G信号の高周波成分が最大になるようにフォーカスレンズを移動させるコントラストAF方式等を採用することができる。
また、AE制御には、1フレームのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV)を求め、この撮影EVに基づいて絞り値とシャッタースピードを決定し、駆動回路60を介して絞り16を駆動するとともに、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによってエリアCCDセンサ30の電荷の蓄積時間を制御する。従って、デジタルカメラ10のレンズ14を被写体に向けるだけで、最適な露出調整が行われるとともに、ピント合わせが自動的に行われる。
撮影記録時においては、シャッタボタン20の「半押し」時に上述した測光動作を複数回繰り返して正確な撮影EVを求め、この撮影EVに基づいて撮影時の絞り値とシャッタースピードを最終的に決定する。そして、シャッタボタン20の「全押し」時に前記最終的に決定した絞り値になるように絞り16を駆動し、また、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによって電荷の蓄積時間を制御する。なお、AE、AFは本実施の形態で採用された形態の他に、周知の技術を適用するようにしてもよい。
また、デジタルカメラ10はストロボ18及び図示しない調光用の受光素子を有し、各種操作I/F44に含まれるストロボモード設定ボタンの操作に応じて、低輝度時にストロボ18を自動的に発光させる「低輝度自動発光モード」、被写体輝度にかかわらずストロボ18を発光させる「強制発光モード」、又はストロボ18の発光を禁止させる「発光禁止モード」等に設定される。
CPU42はユーザーが選択したストロボモードに応じて、ストロボ18のメインコンデンサの充電制御や、発光管(例えば、キセノン管)への放電(発光)タイミングを制御するとともに、受光素子からの測定結果に基づいて発光停止の制御を行う。受光素子はストロボの発光によって照らされる被写体からの反射光を受光し、受光量に応じた電気信号に変換する。受光素子の信号は図示せぬ積分回路により積算され、積算受光量が所定の適正受光量に達した時にストロボの発光が停止される。
信号処理回路36で各種信号処理が施された画像データは、YC処理回路46へ送られ、RGBデータから輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換される。
YC処理回路46において生成された輝度・色差信号(YC信号と略記する)は、SDRAM54に書き戻される。SDRAM54に記憶されたYC信号はLCDドライバ62に出力され、所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換されてLCD26に出力される。なお、LCD26はYC信号入力対応のタイプのものを適用してもよいし、RGB信号入力タイプのものを適用してもよく、表示装置に対応したドライバが適用される。
エリアCCDセンサ30から出力される画像信号によって画像データが定期的に書き換えられ、その画像データから生成される映像信号がLCDドライバ62を介してLCD26に供給されることにより、エリアCCDセンサ30が捉える画像がリアルタイムに動画像(スルー画像)として、又はほぼ連続した画像としてLCD26に表示される。
この動画像は、所定のフレームレート(フレーム画像の表示間隔)で表示される。また、各フレーム画像は、例えば信号処理回路36によって画像データの間引き等が行われ、静止画像と比較してサイズが縮小されてSDRAM54に記憶される。
LCD26は電子ビューファインダーとして利用でき、撮影者はLCD26の表示画像又は光学ファインダ16によって撮影画角を確認することができる。シャッタボタン20の押下操作など所定の記録指示(撮影開始指示)操作に呼応して、記録用の画像データの取り込みが開始される。
撮影者が各種操作I/F44から撮影記録の指示を入力すると、CPU42は必要に応じて符号化処理回路48にコマンドを送り、これにより符号化処理回路48はSDRAM54上のYCデータをJPEGその他の所定の形式に従って圧縮する。圧縮された画像データはメディアI/F50を介して記録メディア58に記録される。
非圧縮の画像データを記録するモード(非圧縮モード)が選択されている場合には、符号化処理回路48による圧縮処理を実施せずに、非圧縮のまま画像データが記録メディア58に記録される。
記録メディア58としては、具体的には、例えばスマートメディア等の半導体メモリを用いたメモリーカードが適用される。記録メディアの形態は上記のものに限らず、PCカード、マイクロドライブ、マルチメディアカード(MMC)、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなど種々の形態が可能であり、使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。
また、再生モード時には記録メディア58から読み出された画像データが符号化処理回路48によって伸張処理され、LCDドライバ62を介してLCD26に出力される。
DMAC(DMA Controller)52は、例えば信号処理回路36から出力される画像データや記録メディア58から読み込んだ画像データ等のデータをCPU42を介さずにメモリコントローラ40を介してSDRAM54にDMA転送させるものである。
また、デジタルカメラ10は手ぶれ判定機能を有し、AFセンサ17及びエリアCCDセンサ30による測光に基づいてCPU42が演算を行い、手ぶれが発生する状況を撮影前に判断する。また、これに加えて、AE制御で決定したシャッタスピードやレンズ14の焦点距離(例えば、フォーカスレンズやズームレンズの位置)に応じても手ぶれを判定する。例えば、シャッタスピードが高速になればなるほど、図3(A)に示すように、手ぶれの発生確率が増え、焦点距離が近ければ近いほど、図3(B)に示すように、手ぶれの発生確率が増えるので、それぞれの閾値等を設けて手ぶれを判定することができる。なお、手ぶれ判定の方法についてはその他の周知の技術を適用することもできる。
そして、本実施形態に係わるデジタルカメラ10は、手ぶれ判定によって手ぶれが発生すると判定された場合に、LCD26に表示されるスルー画像に残像を発生させるようになっており、これによって手ぶれが発生している場合には、手ぶれが強調されたスルー画像がLCD26に表示されるので、視覚的に手ぶれを確認することができる。
LCD26に表示されるスルー画像の残像の発生は、本実施形態ではLCD26に印加する電圧を制御することで行う。例えば、通常の場合に図4(A)に示すようにt1からt2の間に電圧を印加するとすると、LCD26の透過率は図4(B)に示すように応答するので、図4(C)に示すように、電圧の立ち上がり及び立ち下がり時に電圧の立ち上がり及び立ち下がりを一時停止或いは緩やかになるようにすることで、図4(D)に示すように、LCD26の透過率の変化が図4(B)に対して緩やかになり応答速度が低下して残像を発生することができる。なお、図4(E)に示すように、電圧の立ち上がり及び立ち下がりをオーバーシュートさせることで、図4(F)に示すように、LCD26の応答速度を高速にすることが可能であり、通常時の動作は図4(E)に示すように、印加電圧の立ち上がり及び立ち下がりにオーバーシュートを設けた電圧を印加するようにしてもよい。
すなわち、本実施形態では、手ぶれ発生すると判定した場合に、LCD26に印加する電圧を通常動作時の印加電圧に対して、最大と最小電圧に達する前に電圧変化を一時停止か緩やかになるように制御を行うことで、LCD26の応答速度を低下させるようになっている。
なお、LCD26への印加電圧の制御は、本実施形態では、電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時共に行うが、電圧の立ち上がり時または立ち下がり時のみ行うようにしてもよい。
続いて、上述のように構成された本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10の作用として、手ぶれ判定時のLCD26の制御(手ぶれ表示制御)について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラ10の手ぶれ表示制御の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図5は、シャッタボタン20が半押しにされた時に行われる処理として説明する。
まず、ステップ100では、手ぶれ警告モードか否かCPU42によって判定される。該判定は、デジタルカメラ10に設けられた各種スイッチを操作することによって警告モードが選択されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ102へ移行し、否定された場合には、ステップ108へ移行する。なお、ステップ100は省略して常に手ぶれ警告を行うようにしてもよい。
ステップ102では、手ぶれ判定処理がCPU42によって行われる。手ぶれ判定処理は、例えば、AE制御で決定したシャッタスピードや、AF制御で決定したレンズ14の位置等を取得し、上述したように、シャッタスピードと焦点距離に対する予め定めた閾値を用いて判定することができるが、この他の周知の技術を適用するようにしてもよい。なお、手ぶれ判定処理は、本実施形態では、シャッタスピードと焦点距離の双方を用いて判定するが、これに限るものではなく、例えば、何れか一方のみを用いて手ぶれ判定を行うようにしてもよい。
次に、ステップ104では、手ぶれ判定処理で手ぶれが発生すると判定されたか否かCPU42によって判定される。該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合にはステップ108へ移行する。
ステップ106では、LCDドライバ62による印加電圧制御が行われるようにCPU42によって制御される。すなわち、手ぶれが発生すると判定された場合には、CPU42がLCDドライバ62を制御することで、図4(C)に示すように、電圧の立ち上がり、立ち下がりを一時停止或いは緩やかになるように印加電圧が制御される。これによって、図4(D)に示すように、LCD26の応答速度が図4(B)に対して低下し、LCD26に表示されるスルー画像に残像が発生し、手ぶれが発生していることを強調することができる。従って、LCD26に表示される画像によって視覚的に手ぶれを確認することができる。
そして、ステップ108では、撮影か否かCPU42によって判定される。該判定は、例えば、シャッタボタン20が全押しされたか否かをCPU42が判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、上述のステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ108の判定が肯定されたところでステップ110へ移行する。
ステップ110では、印加電圧制御されたか否かCPU42によって判定される。該判定は、ステップ416でLCDドライバ62による印加電圧制御が行われたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはそのまま一連の処理を終了し、肯定された場合には、ステップ112へ移行して、印加電圧制御が解除された後に一連の処理を終了する。
このように、本実施形態では、手ぶれ判定を行って手ぶれ発生時に、LCD2の応答速度を低下させてLCD26に表示する画像に残像を発生することにより、手ぶれ発生をLCD26の表示画像から視覚的に確認することができる。すなわち、LCD26の表示機能を効果的に使用して、手ぶれ警告を視覚的に促すことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、手ぶれ発生時にLCD26に表示する画像に残像を発生する方法として、LCDドライバ62からLCD26に印加する電圧を制御することで、LCD26の応答速度を遅くして、残像を発生するようにしたが、第2実施形態では、LCD26に表示するフレーム画像を重畳することによって残像を発生するものである。なお、デジタルカメラの外観の構成は第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係わるデジタルカメラは、第1実施形態に係わるデジタルカメラ10に対して、図6に示すように、手ぶれ表示用画像生成回路64がバス38に接続されている。なお、LCDドライバ62は第1実施形態で説明したLCD26の応答速度を遅くするための印加電圧の制御は行わないようになっている。
手ぶれ表示用画像生成回路64は、図7に示すように、予め定めた数のフレーム画像データを記憶するメモリ66を備えており(本実施形態では、3つのフレーム画像データ(1)〜(3)を順次記憶更新する)、SDRAM54からフレーム画像データ(YC信号)を読み出して、3つのフレーム画像データを順次記憶、更新するようになっている。なお、メモリ66は、SDRAM54内の領域に設けるようにしてもよい。
また、手ぶれ表示用画像生成回路64は、手ぶれが発生していない場合には、メモリ66に記憶された3つのフレーム画像データをLCDドライバ62に順次出力し、手ぶれ発生の場合には、3つのフレーム画像データが重畳されるようにLCDドライバ62に出力するようになっている。
ここで、上述のように構成された本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの作用として、手ぶれ表示制御について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラの手ぶれ表示制御の流れの一例を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同一処理については同一符号を付して説明する。
まず、ステップ100では、手ぶれ警告モードか否かCPU42によって判定される。該判定は、デジタルカメラに設けられた各種スイッチを操作することによって警告モードが選択されているか否かを判定することによってなされ、該判定が肯定された場合には、ステップ102へ移行し、否定された場合には、ステップ108へ移行する。なお、ステップ100は省略して常に手ぶれ警告を行うようにしてもよい。
ステップ102では、手ぶれ判定処理がCPU42によって行われる。手ぶれ判定処理は、例えば、AE制御で決定したシャッタスピードや、AF制御で決定したレンズ14の位置等を取得し、上述したように、シャッタスピードと焦点距離に対する予め定めた閾値を用いて判定することができるが、この他の周知の技術を適用するようにしてもよい。なお、手ぶれ判定処理は、本実施形態では、シャッタスピードと焦点距離の双方を用いて判定するが、これに限るものではなく、例えば、何れか一方のみを用いて手ぶれ判定を行うようにしてもよい。
次に、ステップ104では、手ぶれ判定処理で手ぶれが発生すると判定されたか否かCPU42によって判定される。該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合にはステップ108へ移行する。
ステップ107では、手ぶれ表示用画像生成回路64による手ぶれ表示制御が行われる。すなわち、手ぶれ表示用画像生成回路64が、図7(B)に示すように、メモリ66にフレーム画像データを順次記憶し、LCD表示用データとして記憶したフレーム画像データをLCDドライバ62に出力する際には、各メモリのフレーム画像データが重畳するように出力する。例えば、図7(B)に示すように、フレーム画像データ(1)はそのままLCDドライバ62に出力し、フレーム画像データ(2)はフレーム画像データと加算して平均を取ったフレーム画像データを出力し、フレーム画像データ(3)は、フレーム画像データ(1)〜(3)を加算して平均を取ったフレーム画像データを出力してメモリをリセットして、順次上記動作を繰り返す。これによって、手ぶれが発生していない場合には、図9(A)に示すように、残像のない画像がLCD26に表示され、手ぶれが発生している場合には、図9(B)、(C)に示すように、フレーム画像が重畳されてLCD26に表示される画像に残像が発生する。従って、LCD26に表示されたスルー画像によって視覚的に手ぶれを確認することができる。なお、図9(A)は手ぶれ警告モードが無効の場合にLCD26に表示される画像イメージを示し、図9(B)は、手ぶれ警告モードが設定され、手ぶれが大きい場合にLCD26に表示される画像イメージを示し、図9(C)は手ぶれ警告モードが設定され、手ぶれが小さい場合にLCD26に表示される画像イメージを示す。
また、ステップ104の判定が否定された場合には、そのままステップ108へ移行するが、この時、手ぶれ表示用画像生成回路64は、通常時(手ぶれ判定で手ぶれが発生してない場合)には、図7(A)に示すように、メモリ66にフレーム画像データを順次記憶し、記憶した順番にLCD表示データとしてLCDドライバ62に順次出力する。
そして、ステップ108では、撮影か否かCPU42によって判定される。該判定は、例えば、シャッタボタン20が全押しされたか否かをCPU42が判定することによってなされ、該判定が否定された場合には、上述のステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、ステップ108の判定が肯定されたところでステップ111へ移行する。
ステップ111では、手ぶれ警告モードでの撮影か否か判定される。該判定は、ステップ107で手ぶれ画像表示用画像生成回路64による表示画像の重畳が行われたか否かを判定することによってなされ、該判定が否定された場合にはそのまま一連の処理を終了し、肯定された場合には、ステップ113へ移行して、警告モードが解除された後に一連の処理を終了する。
このように、本実施形態では、手ぶれ判定を行って手ぶれ発生時に、フレーム画像を重畳してLCD26に表示することにより、手ぶれ発生をLCD26の表示画像から視覚的に確認することができる。すなわち、LCD26の表示機能を効果的に使用して、手ぶれ警告を視覚的に促すことができる。
なお、第2実施形態では、手ぶれ発生時にフレーム画像を重畳して表示する際の重ね合わせるフレーム画像の数を固定としたが、ズームレンズを移動させてTele(望遠)側での撮影時には微小な手ぶれでも画角の変化が大きく、この状態でフレーム画像を重畳すると重畳するフレーム数が多いと表示データの意味をなさなくなるので、画角変化が大きい場合は重畳するフレーム数は少ない方が好ましい。また、逆に微小な手ぶれで画角変化が少ないWide(広角)側では、重畳するフレーム数を多くした方がユーザへの警告として有効となる。そこで、ズームレンズのステップ数(ズームレンズの位置)に応じて重畳するフレーム数を可変するようにしてもよい。
例えば、図10(A)に示すように、Tele端からWide端にズームレンズが移動するに従って重畳するフレーム画像の数を増やすようにしてもよい。この場合には、手ぶれ表示用画像生成回路64は、図10(B)に示すように、複数のフレーム画像データを記憶するメモリ66を増やして、ズームレンズの位置に応じて記憶するフレーム画像数を可変とすることで実現可能である。なお、図10(B)では、最大5つのフレーム画像データを記憶することができ、ズームレンズの位置に応じて重畳するフレーム画像を1〜5に可変可能とすることが可能となる。
[第3実施形態]
第1実施形態では、手ぶれ発生時にLCD26に表示する画像に残像を発生する方法として、LCDドライバ62からLCD26に印加する電圧を制御することで、LCD26の応答速度を遅くして、残像を発生するようにし、第2実施形態では、フレーム画像を重畳することで、残像を発生するようにしたが、第3実施形態では、LCD26に表示する画像の特定領域を数フレーム固定することで、特定領域のみが残像となるようにしたものである。なお、デジタルカメラの外観の構成は第1実施形態と同一であるため詳細な説明を省略する。
図11は、本発明の第3実施形態に係わるデジタルカメラの電気系の構成を示すブロック図である。なお、第1実施形態と同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係わるデジタルカメラは、第1実施形態に係わるデジタルカメラ10に対して、図11に示すように、SDRAM54に記憶されたYC信号のLCDドライバ62への出力制御を行うためのスルー画像表示用メモリコントローラ68がバス38に接続されている。なお、LCDドライバ62は第1実施形態で説明したLCD26の応答速度を遅くするための印加電圧の制御は行わないようになっている。
図12は、スルー画像表示用メモリコントローラ68が制御するメモリマップのイメージを示す。
スルー画像表示用メモリコントローラ68は、図12に示すように、第2実施形態と同様に、予め定めた数のフレーム画像データを記憶するメモリ70を備えており、(本実施形態では、3つのフレーム画像データ(1)〜(3)を順次記憶更新する)、SDRAM54からフレーム画像データ(YC信号)を読み出して、3つのフレーム画像データを順次記憶、更新するようになっている。なお、メモリ70は、SDRAM54内の領域に設けるようにしてもよい。
また、スルー画像表示用メモリコントローラ68は、手ぶれ発生時には、先頭アドレスを基準として予め定めたアドレス範囲(図12に示す先頭アドレスからオフセットした書き込み禁止アドレス範囲)のデータについて、1つ目のフレーム画像データ以外は書き込みを所定フレーム数(図12では、2フレーム)禁止して、上記書き込み禁止アドレス範囲については1つ目のフレーム画像データと同一データをLCDドライバ62に出力するようになっている。
従って、スルー画像表示用メモリコントローラ68が各フレーム画像データをLCDドライバ62に読み出す際には、1つ目のフレーム画像に対応するフレーム画像データをLCDドライバ62に出力し、2つ目のフレーム画像をLCDドライバ62に出力する際には、読み出すデータが書き込み禁止アドレス範囲に達したところで、1つ目のフレーム画像における書き込み禁止アドレス範囲の画像データをLCDドライバ62に出力し、3つ目のフレーム画像データをLCDドライバ62に出力する際にも、読み出すデータが書き込み禁止アドレス範囲に達したところで、1つ目のフレーム画像における書き込み禁止アドレス範囲の画像データをLCDドライバ62に出力し、3フレーム画像についてこのように処理が行われたところで、メモリ70がリセットされて、記憶された3つのフレーム画像データの更新が行われた後に、上述読み出しが繰り返される。これによって、図13に示すように、LCD26に表示される画像の上記書き込み禁止アドレス範囲に対応する特定領域が数フレーム固定された画像が表示され、他の領域については、通常通りのスルー画像が表示される。例えば、図13では、注目する固定物体がある特定領域が固定画像として表示され、大幅に手ぶれしている場合には、当該特定領域の固定物体が特定領域から大幅に離れた位置に表示され、小幅に手ぶれしている場合には、当該特定領域の固定物体が特定領域の近くに表示され、ほとんど手ぶれしていない場合には、重なって表示される。
従って、第2実施形態に係わるデジタルカメラの手ぶれ表示制御におけるステップ107の手ぶれ表示用画像生成回路64で行われる処理の代わりに、上述のスルー画像表示用メモリコントローラ68で行う処理を行うことで、特定領域のみを残像として表示することができ、LCD26に表示されたスルー画像によって視覚的に手ぶれを確認することができるので、LCD26の表示機能を効果的に使用して、手ぶれ警告を視覚的に促すことができる。
また、第2実施形態では、多くのフレーム画像を重畳させた場合に画角のずれが大きい場合、LCD26の画面上の表示が意味を持たなくなってしまう恐れがあるが、第3実施形態では、スルー画像表示中の特定領域(例えば、固定物体の有る領域等)に注目して、その領域データを継続して表示するので、画角のずれと手ぶれを確認することが可能となる。
なお、画像を固定する特定領域は、ユーザがデジタルカメラ10を操作して指定するようにしてもよいし、予め定めた領域を特定領域とするようにしてもよい。
また、第3実施形態では、手ぶれ発生時に特定領域の画像を固定して表示する際の特定領域の画像を固定するフレーム数を固定としたが、ズームレンズのステップ数(ズームレンズの位置)に応じて可変するようにしてもよい。
すなわち、第2実施形態において、図10(A)に示すように、Tele端からWide端にズームレンズが移動するに従って重畳するフレーム画像の数を増やすようにしてもよいことを説明したように、同様に、Tele端からWide端にズームレンズが移動するに従って特定領域の画像を固定するフレーム数を増やすようにしてもよい。
なお、上記の各実施形態では、本発明の撮影装置として、デジタルカメラを一例として説明したが、これに限るものではなく、例えば、デジタルビデオカメラ等の表示装置を備えたものに本発明を適用するようにしてもよい。