JP3750457B2 - 冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は膨張弁の開度調整を行うことで圧縮機の吸入状態を制御をするエアコンや冷凍機等の冷凍空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置においては、冷凍空調装置の能力確保のために膨張弁の開度調整を行い、蒸発器出口の冷媒過熱度を制御することが一般に行われている。図7は冷凍空調便覧新版第5版2巻P137に記載の冷凍空調装置の回路図である。この例においては蒸発器の出入口の温度を測定し、この温度差から蒸発器出口の過熱度を演算し、この過熱度が目標値となるよう膨張弁の開度を制御する方法が記されている。
また蒸発器出口の冷媒の乾き度を蒸発器の蒸発温度、凝縮器の凝縮温度、圧縮機の吐出温度から推定し、膨張弁の開度を制御する方法については特開昭54−49661が挙げられる。この従来例では、圧縮機の圧縮過程を等エントロピー変化と仮定し、圧縮機の吸入状態を蒸発温度、凝縮温度、吐出温度から求め、圧縮機の吸入状態と蒸発器出口状態が等しいとして蒸発器出口状態を求め、蒸発器出口の冷媒の乾き度を推定している。そしてこの蒸発器出口の冷媒乾き度の目標値が0.85〜0.9になるように膨張弁の開度を制御する方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
膨張弁の開度の制御では、冷凍空調装置の運転効率を考えると蒸発器での出入口の冷媒エンタルピ差が大きくなるように制御される必要がある。一方あまりに冷媒エンタルピ差が大きくなるように制御すると、蒸発器内での二相部分が減少し過熱ガス部分が増加し、過熱ガス部分の伝熱性能が二相部分に比べ低下することから蒸発器全体での伝熱性能も低下してしまうので、蒸発器の伝熱性能から見るとできるだけ過熱ガス部分が少なくなるように制御される必要がある。この両者の兼ね合いから実際には蒸発器出口が過熱ガスになるかどうか(冷媒の乾き度1.0程度)で制御できると冷凍空調装置の運転効率がよくなる。また冷凍空調装置に用いられる蒸発器では冷媒の分岐数が複数あるものが多く、蒸発器入口で各分岐に分配がなされる場合分配が均等に行われず、各分岐の冷媒流量が異なる場合が発生する。このような状況では、流量が少なく分配された分岐では冷媒の相変化が起こりやすく途中で過熱ガスとなる一方で流量が多く分配された分岐では冷媒の相変化が起こりにくく蒸発器出口でも二相のままという状態が生じる。従って蒸発器出口がちょうど過熱ガスになるかどうかの状態に制御しても、ある分岐では過熱ガスとなっている領域が存在し、蒸発器の伝熱性能が低下する。このような場合は蒸発器の伝熱性能が低下しないよう蒸発器出口がちょうど過熱ガスになるかどうか(冷媒の乾き度1.0程度)よりも若干液冷媒を含む湿り気味の状態にし、冷媒の乾き度が1.0よりもやや小さくなるように制御する方が冷凍空調装置の運転効率がよくなる。
【0004】
従って従来の膨張弁の開度の制御方法では以下に示すような問題が発生する。まず蒸発器出口の過熱度を演算し、この過熱度が目標値となるよう膨張弁の開度を制御する場合であるが、この場合過熱度の検知精度を考えると実際には過熱度が3℃以上になるように制御がなされる。このときは蒸発器出口で過熱ガスになっていることから、蒸発器内に過熱ガス部分が存在し蒸発器の伝熱効率が低下する。特に分岐が複数あり、分配が適切に行われていない熱交換器では過熱ガス部分がさらに増加し蒸発器の伝熱効率が低下する。従って冷凍空調装置の運転効率が低下するという問題があった。またこの制御方法で蒸発器内に過熱ガス部分が存在しないように制御しようとしても、蒸発器の出口が過熱ガスでない場合、過熱度の演算値は常に0となってしまい、蒸発器出口の冷媒がどの程度液冷媒を含むか判別できない。従って冷媒の乾き度が1.0よりもやや小さくなるように制御するということができないという問題があった。
【0005】
次に特開昭54−49661記載の圧縮機の圧縮過程を等エントロピー変化と仮定し、圧縮機の吸入状態を蒸発温度、凝縮温度、吐出温度から求め、圧縮機の吸入状態と蒸発器出口状態が等しいとして蒸発器出口状態を求め、蒸発器出口の冷媒の乾き度を推定し、この蒸発器出口の冷媒乾き度の目標値が0.85〜0.9になるように膨張弁の開度を制御する場合であるが、この場合には以下のような問題点が生じる。まず冷媒乾き度の目標値が0.85〜0.9に設定されていることから蒸発器内は二相部分のみが占めることになり蒸発器の伝熱性能は良好となるが、一方で蒸発器出口での冷媒乾き度が小さいため蒸発器出入口でのエンタルピ差が小さくなり、冷凍空調装置の運転効率が低下するという問題点があった。
また圧縮機の圧縮過程を等エントロピー変化と仮定し、圧縮機の吸入状態を求めているが、圧縮過程が等エントロピー変化となるのは圧縮中に断熱されている場合であり、実際の圧縮機の中では冷媒は圧縮機内のモータ発熱などの影響を受け等エントロピー変化となり得ない。従って圧縮機の圧縮過程を等エントロピー変化と仮定し、圧縮機の吸入状態を求めても圧縮機の吸入状態を正確に求めることができないという問題があった。
またこの従来例では、凝縮温度、蒸発温度、吐出温度、吸入ガス乾き度のマップを持ちこのマップをもとに運転中の吸入ガス乾き度を推定するとあるが、吐出温度に関しては冷凍空調装置周囲の外気温度の影響が大きく、同一凝縮温度、蒸発温度、吸入ガス乾き度であっても外気温度によっては吐出温度は10℃以上異なってくる。従来例ではこの外気温度の影響が考慮されていないため、圧縮機の吸入状態を正確に求めることができないという問題があった。
またこの従来例では、冷凍空調装置の運転条件の変化によって圧縮機吐出温度が上昇する場合など運転状態に異常事態が発生したときの対応法が示されておらず、冷凍空調装置運転の際の信頼性が低くなるという問題点があった。
【0006】
この発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、圧縮機の吸入乾き度を正確に検知し、その検知結果に基づいて膨張弁の制御を行い、圧縮機の吸入乾き度が適切な状態になるように制御することで運転効率のよい冷凍空調装置を提供する。また、運転状態を検知し、それに対応して圧縮機の吸入乾き度が適切な状態になるように膨張弁の制御を行うことで信頼性の高い冷凍空調装置を提供することを目標とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷凍空調装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出し、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定して、前記圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する冷凍空調装置であって、前記目標値を運転状況に応じて変更するようにしたものである。
【0008】
また、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段とを備えたものである。
【0009】
また、縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を0.90〜1.0とするものである。
【0010】
また、出温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するものである。
【0011】
また、縮温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するものである。
【0012】
また、発温度の検知値が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するものである。
【0013】
また、出温度の検知値と凝縮温度の検知値との偏差が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を高く設定するものである。
【0014】
また、蒸発器内に冷媒温度を検出する温度センサを2カ所以上設け、定の2つの温度センサの検出値の差が予め定められた値以上になる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するものである。
【0015】
また、入乾き度の変化に対して検出する吐出温度の応答が遅れる場合、吐出温度の過去の変化履歴から予測される所定時間経過後の吐出温度を用いるものである。
【0016】
また、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置とし、房運転の場合は暖房運転の場合よりも冷媒ガス乾き度の目標値を大きくするものである。
【0017】
また、蒸発器又は凝縮器を複数並列に接続し、並列な液配管の長さに応じて膨脹弁の開度の割り振りを決定するものである。
【0018】
また、前記蒸発器は入口が複数に分岐されているものである。
【0019】
また、前記蒸発器は入口が複数のパスに分岐されると共に、分岐された複数のパスのうち少なくとも一つのパスの過熱度が所定値以上である場合には、前記圧縮機の吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するものである。
また、冷凍空調装置の制御方法は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置において、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサを備え、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定するステップと、、圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度の目標値を運転状況に応じて変更するステップと、前記推定された圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度が前記乾き度の目標値となるように前記膨張弁の開度を制御するステップとからなるものである。
また、温度センサを用いて凝縮温度又は/および蒸発温度を検出する代わりに冷凍空調装置の高圧又は/および低圧を検知する圧力センサを用いたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下本発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1による冷凍空調装置の冷媒回路図である。図において、1は室外機、であり、2は圧縮機、3は四方弁、4は室外熱交換器、5は電子膨張弁、7は室内熱交換器、6は室外機1と室内熱交換器7を接続する液配管、8は室外機1と室内熱交換器7を接続するガス配管、9は計測制御装置、10a、10b、10c、10d、10eは温度センサであり、温度センサ10aは圧縮機2の吐出温度、温度センサ10bは室外熱交換器4の中間の冷媒温度、温度センサ10cは室外熱交換器4の冷房運転時の出口側の冷媒温度、温度センサ10dは室内熱交換器7の冷房運転時の入口側の冷媒温度、温度センサ10eは室内熱交換器7の中間の冷媒温度を計測する。計測制御装置9では温度センサ10a、10b、10c、10d、10eで計測された値を取り込み、その値をもとに演算を行って、電子膨張弁5の開度の制御を行う。尚、これら温度センサは通常圧縮機や蒸発器、凝縮器の保護のために付いているものなので、本発明の制御を行なうために新たなセンサを付加しなくても実現でき、この点においてリサイクル処理に伴う解体性に優れている。
【0021】
次に本発明の実施の形態1における冷媒の流れを説明する。まず冷房運転について説明する。冷房運転では四方弁3は図1実線の方向に流れるよう流路設定される。そして圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は四方弁3を経て凝縮器となる室外熱交換器4で冷媒は室外機1周囲の外気と熱交換し凝縮液化された後、電子膨張弁5で減圧され低圧の二相冷媒となり、その後液配管6をへて室内熱交換器7に流入する。そして蒸発器となる室内熱交換器7で冷媒は蒸発ガス化しながら室内側空気の熱を奪い冷却する。その後冷媒はガス配管8、四方弁3を通じたのち、圧縮機2に吸入される。
一方、暖房運転では四方弁3は図1波線の方向に流れるよう流路設定される。そして圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒はガス配管8を経て凝縮器となる室内熱交換器7で凝縮液化されながら、室内側空気に温熱を供給する。その後液配管6を経て電子膨張弁5で減圧され低圧の二相冷媒となり、蒸発器となる室外熱交換器4で外気と熱交換し蒸発ガス化された後、四方弁3を通じたのち、圧縮機2に吸入される。
【0022】
次に本発明の実施の形態1における電子膨張弁5の開度制御方法について説明する。電子膨張弁5の開度制御は圧縮機2の吸入冷媒の乾き度Xsを推定し、推定された吸入冷媒の乾き度Xsが目標値Xsmとなるように制御する。このときの電子膨張弁5の開度制御方法についてのフローチャートを図2に示す。まず最初に圧縮機2の吸入乾き度Xsの推定方法について説明する。
【0023】
冷房運転時は以下のように圧縮機2の吸入乾き度を推定する。まず温度センサ10aで圧縮機2の吐出温度Td、温度センサ10bで室外熱交換器4での凝縮温度CT、温度センサ10eで室内熱交換器7での蒸発温度ETを計測しその情報を計測制御装置9に取り込む(S1)。計測制御装置9では、予め図8に示すように圧縮機2の吸入乾き度が1のときの吐出温度TdのマップがCT、ET毎に用意されている。この吐出温度Tdのマップは圧縮機2の実運転時の性能データの測定値および、性能データをもとに解析される圧縮機2の効率をもとに推定された値が記載されている。一般に圧縮機2では圧縮行程が理想的に等エントロピー変化と仮定された場合よりも効率が低下するため、この吐出温度Tdの値は等エントロピー変化と仮定して求めた値よりも高い値となる。測定された凝縮温度CT、蒸発温度ETおよび圧縮機2の吸入乾き度が1のときの吐出温度Tdのマップより、現在のCT、ET条件下で吸入乾き度が1であった場合の吐出温度Td0を求める(S2)。
【0024】
次にTd0の値の外気温度補正を実施する(S3)。これは圧縮機2からの放熱により、室外機1まわりの外気温度が異なると同じCT、ETであっても吐出温度Tdが異なり、外気温度が低い場合はTdは低く、外気温度が高くなる場合はTdは高くなるからである。従って表1のマップ作成時に想定した外気温度よりも外気温度が低い場合はTd0を低く、外気温度が高くなる場合はTd0を高く補正する。なお外気温度については図1の冷凍空調装置の場合、外気温度の測定センサが存在しないため、室外熱交換器4の凝縮温度CTをもとに推定する。室外熱交換器4の伝熱性能より、凝縮温度CTは外気温度に対して概ねある一定温度ΔTC高い値となるため、外気温度については凝縮温度CT−ΔTCとして推定する。
【0025】
このようにして得られたTd0をもとに圧縮機2の吸入乾き度Xsを推定する(S4)。図3は圧縮機2の圧縮過程の変化をPH線図に表したものである。図中の実線は現在運転中の冷凍空調装置の圧縮過程の変化、点線は吸入乾き度が1である場合の圧縮過程の変化であり、点1は現在運転中の冷凍空調装置の圧縮機2の吐出状態、点2は現在運転中の冷凍空調装置の圧縮機2の吸入状態、点3は吸入乾き度Xsが1である場合の圧縮機2の吐出状態、点4は吸入乾き度Xsが1である場合の圧縮機2の吸入状態である。凝縮温度CT、蒸発温度ETが同じであり、圧縮機2の出入口圧力が同じである場合は圧縮機2の効率はほぼ同一となるため、圧縮過程の変化は吸入乾き度が1である場合の圧縮過程を平行移動したものとなる。従って、点1のエンタルピh1と点3のエンタルピh3の偏差h1−h3と、点2のエンタルピh2と点4のエンタルピh4の偏差h2−h4は等しくなる。従って現在運転中の冷凍空調装置の圧縮機2の吸入エンタルピh2はh2=h1−h3+h4となる。エンタルピh1は凝縮温度CT、および吐出温度Tdより、エンタルピh3は凝縮温度CT、および吸入乾き度が1である場合の吐出温度Td0より、エンタルピh4は蒸発温度ET、および吸入乾き度1ということからそれぞれ冷媒の物性計算より求めることができるので、これらの値から圧縮機2の吸入エンタルピh2を求めることができる。蒸発温度ET、およびエンタルピh2から現在運転中の冷凍空調装置の圧縮機2の吸入乾き度Xsは冷媒の物性計算から求めることができる。
【0026】
なお、吐出温度Tdについては冷凍空調装置の運転状態の変化に対しての応答が遅いため、冷凍空調装置の状態が過渡的に変化している場合は、現在の吸入乾き度Xsの変化に応答した値となっていない可能性がある。このような状況が予測される場合には吐出温度Tdの過去の変化履歴から吸入乾き度Xsの変化に応答が表れると予測される時間経過後の吐出温度Tdの値をもとめ、このTdの値から図3のエンタルピh1の値を求めるようにする。
【0027】
暖房運転時は、温度センサ10aで圧縮機2の吐出温度Td、温度センサ10eで室内熱交換器7での凝縮温度CT、温度センサ10bで室外熱交換器4での蒸発温度ETを計測しその情報を計測制御装置9に取り込む。また外気温度の推定に関しては、暖房運転時には室外熱交換器4の伝熱性能より、蒸発温度ETは外気温度に対して概ねある一定温度ΔTH低い値となるため、外気温度については蒸発温度ET+ΔTHとして推定する。その他の吸入乾き度Xsの推定方法については冷房運転と同様に実施する。
【0028】
以上のように求めた吸入乾き度Xsが吸入乾き度の目標値Xsmとなるように設定する(S5)。吸入乾き度の目標値Xsmは以下のように決定する。図4は、本発明に際して暖房運転中の冷凍空調装置のCOPが圧縮機2の吸入乾き度Xsによってどのように変化するか求めた図である。図で横軸は圧縮機2の吸入乾き度Xs、縦軸は冷凍空調装置のCOP比であり、この運転での最大COPに対する比を表している。図にあるようにCOPは吸入乾き度Xs=0.95の状態で最大となる。また吸入乾き度0.9〜1.0の範囲では冷凍空調装置のCOPは最大COPから10%低下する程度で行えており、比較的効率のよい運転が行えることがわかる。一方従来例にあった乾き度0.85〜0.9の範囲では冷凍空調装置のCOPは最大COPから10%〜20%低下しており、この範囲の吸入乾き度Xsでは効率の悪い運転を行うようになることがわかる。
冷凍空調装置のCOPが図4のように吸入乾き度0.95で最大となる理由は、(1)冷凍空調装置の運転効率を考えると蒸発器での出入口での冷媒エンタルピ差が大きくなるように制御される必要がある一方で、あまりに冷媒エンタルピ差が大きくなるように制御すると、蒸発器内での二相部分が減少し過熱ガス部分が増加し、過熱ガス部分の伝熱性能が二相部分に比べ低下することから蒸発器全体での伝熱性能も低下してしまうので、できるだけ過熱ガス部分が少なくなるように制御される必要があるため、この両者の兼ね合いから実際には蒸発器出口が過熱ガスになるかどうか(冷媒の乾き度1.0程度)で制御できると冷凍空調装置の運転効率がよくなるという点、および(2)冷凍空調装置に用いられる蒸発器では冷媒の分岐数が複数あるものが多く、蒸発器入口で各分岐に分配がなされる場合分配が均等に行われず、各分岐の冷媒流量が異なる場合が発生し、このような状況では、流量が少なく分配された分岐では冷媒の相変化が起こりやすく途中で過熱ガスとなる一方で流量が多く分配された分岐では冷媒の相変化が起こりにくく蒸発器出口でも二相のままという状態が生じ、従って蒸発器出口がちょうど過熱ガスになるかどうかの状態に制御しても、ある分岐では過熱ガスとなっている領域が存在し、蒸発器の伝熱性能が低下する。このような場合は蒸発器の伝熱性能が低下しないよう蒸発器出口がちょうど過熱ガスになるかどうか(冷媒の乾き度1.0程度)よりも若干液冷媒を含む湿り気味の状態にし、冷媒の乾き度が1.0よりもやや小さくなるように制御する方が冷凍空調装置の運転効率がよくなる、という以上2つの理由による。冷凍空調装置の運転としては効率のよい運転が望ましいので吸入乾き度Xsの目標値Xsmは0.95と設定する。
【0029】
なお冷房運転の場合は室外機1周囲の外気温度が蒸発温度ETに比べると20〜40℃高くなること、および蒸発器が室内熱交換器7となり、圧縮機2の吸入までの間にガス配管8が配置されていることから室内熱交換器7から圧縮機2の吸入までの配管で冷媒が外気によって加熱される場合が生じる。このような場合、蒸発器での伝熱効率がよくなるよう蒸発器出口の冷媒の乾き度が1.0よりもやや小さく0.95程度になるような運転をしても、圧縮機2吸入の乾き度としては0.95より大きくなる。従って図4の吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係が図4右側方向に移動する。従って冷房運転の場合は暖房運転よりも目標とする吸入乾き度の値Xsmを若干大きく設定する。
【0030】
また蒸発器の分配状況によっても図の吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係が移動する。分配状況がよくなれば蒸発器出口の冷媒の乾き度が1.0に近くなるように制御する方が冷凍空調装置の運転効率がよくなるため吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係は図4右側方向に移動する。一方、分配状況が悪くなれば冷媒の乾き度が蒸発器のガス部分が存在しないよう蒸発器出口の冷媒乾き度が1.0から遠くなるように制御する方が冷凍空調装置の運転効率がよくなるため吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係は図4左側方向に移動する。このように蒸発器によっても吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係が異なってくるため、蒸発器の特性に応じて冷凍空調装置の運転効率がよくなる吸入乾き度Xsに目標値Xsmを設定する。ただしこの蒸発器性能による吸入乾き度Xsと冷凍空調装置COPの相関関係の移動量は大きくても0.05程度となるので、吸入乾き度Xsの目標値Xsmの設定範囲としては0.95±0.05、すなわち0.9〜1.0の範囲で設定される。
【0031】
次に電子膨張弁5の開度制御方法について説明する。電子膨張弁5の開度は現在運転中の冷凍空調装置の吸入乾き度Xsと吸入乾き度の目標値Xsmの大小によって決定される(S6)。冷凍空調装置の吸入乾き度Xsが吸入乾き度の目標値Xsmより大きい場合は電子膨張弁5の開度を現在の開度より大きく制御し、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに近づくように制御する。一方冷凍空調装置の吸入乾き度Xsが吸入乾き度の目標値Xsmより小さい場合は電子膨張弁5の開度を現在の開度より小さく制御し、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに近づくように制御する(S7)。なお開度変更量については吸入乾き度Xsと目標値Xsmとの偏差にもとづくPID制御で行ってもよいし、ファジー制御などを適用してもよい。
【0032】
以上に示したように吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように制御することで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0033】
なお凝縮温度CT、蒸発温度ETの計測には室外熱交換器4、室内熱交換器7の中間の温度を測定するように設定されているが、測定場所は凝縮温度CT、蒸発温度ETを測定できる場所であれば、熱交換器中間に限るものではない。凝縮温度CTを測定するのであれば、凝縮器内でガス冷媒が二相冷媒に相変化する点から、二相冷媒が液冷媒に相変化する点の間に温度センサ10を設ければよいし、蒸発温度ETを測定するのであれば、蒸発器では入口から冷媒は二相状態であるので、蒸発器入口から蒸発器内で二相冷媒がガス冷媒に相変化する点の間に温度センサ10を設ければよい。例えば、冷房運転では室内熱交換器7が蒸発器となるので、蒸発温度として蒸発器入口の温度を測定する温度センサ10dで測定される温度を用いてもよい。暖房運転では室外熱交換器4が蒸発器となるので、蒸発温度として蒸発器入口の温度を測定する温度センサ10cで測定される温度を用いてもよい。
また凝縮温度CT、蒸発温度ETを計測する代わりに冷凍空調装置の高圧、低圧を圧力センサで検知しても良い。冷凍空調装置に使用される冷媒の物性より高圧から凝縮温度CT、低圧から蒸発温度ETを求めることができる。圧力センサの設置場所については、高圧、低圧を計測できるところならどこでもよく、高圧を検知するセンサの設置場所は圧縮機2の吐出側から電子膨張弁5入口まで、低圧を検知するセンサの設置場所は電子膨張弁5出口から圧縮機2の吸入側の範囲で検知可能となる。
【0034】
また凝縮温度CTの計測については凝縮器の出口温度から推定される凝縮温度を用いてもよい。凝縮温度CTと凝縮器出口温度とでは、過冷却度SC分凝縮器出口温度が低くなるが、冷凍空調装置で蒸発器の出口状態がある一定の状態に制御される場合、この過冷却度SCの値はほぼ一定の値となる。従って凝縮器出口温度を計測し、計測値に過冷却度SCの値を加えることで凝縮温度としてもよい。冷房運転時には凝縮器の出口温度を温度センサ10Cで計測しこの計測値に過冷却度SCの与えることで凝縮温度とし、暖房運転時には凝縮器の出口温度を温度センサ10dで計測し、この計測値に過冷却度SCを加えることで凝縮温度とすることができる。
【0035】
なおこの冷凍空調装置の冷媒としては現在冷凍空調装置の冷媒としてよく用いられているR22でもよいし、HFC系の単一冷媒であるR32、R134a、またHFC系の混合冷媒であるR407C、R410A、R404Aでもよい。またプロパンやブタンなどのHC系冷媒およびその混合冷媒、アンモニア、炭酸ガス、水などの自然冷媒などでもよい。これらのどのような冷媒であっても本発明では吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように制御することで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。特に従来広く使われていたR22冷媒よりも蒸発器における温度勾配が小さい冷媒を用いれば、蒸発温度をより正確に検出することができるので、冷媒ガス乾き度がより正確に求まり、精度が向上する。
【0036】
また冷凍空調装置の冷凍機油として用いられる油としては鉱油、エステル油、アルキルベンゼン油、エーテル油などを用いてもよいし、冷媒が冷凍機油に対して相溶、非相溶(弱相溶を含む)いずれであってもよい。いずれの場合も本発明では吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように制御することで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。特にアルキルベンゼン系油等の非相溶油系の冷凍機油を用いた場合、配管にスラッジが付きにくくなるため、各温度センサからの検出値がより実際の冷媒温度に近いものとなり、本発明に好適である。
【0037】
また冷凍空調装置に用いられる熱交換器としては室内側、室外側とも空気と熱交換するとして説明したが、熱交換器において冷媒が水あるいはその他の媒体と熱交換する場合においても同様に制御を行うことで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0038】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2における冷凍空調装置の冷媒回路図である。図5は室内熱交換器7が複数台接続されているマルチタイプの冷凍空調装置の場合を示した図であり、前述の図1と同符号は相当部分を示している。また 実施の形態2における冷媒の流れは実施の形態1における冷媒の流れと同様であるので説明を省略する。
【0039】
この場合の電子膨張弁5a、5bの開度制御は以下のように実施する。冷房運転の場合は、温度センサ10aで圧縮機2の吐出温度Td、温度センサ10bで室外熱交換器4での凝縮温度CT、温度センサ10eで室内熱交換器7aでの蒸発温度ETa、温度センサ10gで室内熱交換器7bでの蒸発温度ETbを計測しその情報を計測制御装置9に取り込む。蒸発温度ETについては複数測定可能であるので、ETa、ETbの値のうち低い方の値もしくは両者の平均値をETとする。そして実施の形態1の場合と同様に圧縮機2の吸入乾き度Xsを演算する。次に吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように電子膨張弁5a、5bの制御を行うが、まず電子膨張弁5a、5bの開度の合計値をどの値に制御するかを現在の開度の合計値、および吸入乾き度Xsと目標値Xsmの偏差から決定する。
【0040】
電子膨張弁5a、5bの開度の合計値は現在運転中の冷凍空調装置の吸入乾き度Xsと吸入乾き度の目標値Xsmの大小によって決定される。冷凍空調装置の吸入乾き度Xsが吸入乾き度の目標値Xsmより大きい場合は電子膨張弁5の開度の合計値を現在の開度の合計値より大きく制御し、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに近づくように制御する。一方冷凍空調装置の吸入乾き度Xsが吸入乾き度の目標値Xsmより小さい場合は電子膨張弁5a、5bの開度の合計値を現在の開度の合計値より小さく制御し、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに近づくように制御する。なお開度変更量については吸入乾き度Xsと目標値Xsmとの偏差にもとづくPID制御で行ってもよいし、ファジー制御などを適用してもよい。
【0041】
そしてこの開度の合計値を電子膨張弁5a、5bに割り振る。この割り振る比については室内熱交換器7a、7bの運転容量比で割り振る。例えば室内熱交換器7aの運転容量が2.8kW、7bの運転容量が4.0kWであったときに、制御前の電子膨張弁5aの開度が84パルス、5bの開度が120パルス、合計の開度が204パルスであり、吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように制御するために合計の開度が221パルスとなる場合は、221パルスを容量比2.8:4.0の比で割り振って電子膨張弁5aの開度を91パルス、電子膨張弁5bの開度を130パルスに制御する。
【0042】
この場合の電子膨張弁5a、5bの開度制御は以下のように実施する。冷房運転の場合は、温度センサ10aで圧縮機2の吐出温度Td、温度センサ10bで室外熱交換器4での凝縮温度CT、温度センサ10eで室内熱交換器7aでの蒸発温度ETa、温度センサ10gで室内熱交換器7bでの蒸発温度ETbを計測しその情報を計測制御装置9に取り込む。蒸発温度ETについては複数測定可能であるので、ETa、ETbの値のうち低い方の値もしくは両者の平均値をETとする。そして実施の形態1の場合と同様に圧縮機2の吸入乾き度Xsを演算する。次に吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように電子膨張弁5a、5bの制御を行うが、まず電子膨張弁5a、5bの開度の合計値をどの値に制御するかを現在の開度の合計値、および吸入乾き度Xsと目標値Xsmの偏差から決定する。
【0043】
なお、電子膨張弁5の開度の割り振りについては室内熱交換器7の運転容量比で行っているが、その他に予め決められた比で割り振ってもよい。この比については例えば室内熱交換器7の運転容量に加えて液配管6a、6bの長さを考慮して決めても良い。液配管6の長さにアンバランスがある場合、各液配管6での圧力損失が異なり、液配管6の長さが長い場合には液配管6の圧力損失が大きくなる。液配管6の圧力損失が大きくなると、電子膨張弁5における圧力差が小さくなるので、電子膨張弁5において同一冷媒流量を流そうとした場合には電子膨張弁5の開度を大きく制御する必要がある。従って液配管6の長さが長い場合には、接続されている電子膨張弁5の開度に割り振る比を室内熱交換器7の運転容量比よりも大きく設定する。また室内熱交換器7で温度調節される空間の設定温度に応じてその比を決定しても良い。冷房運転時には、室内熱交換器7で温度調節される空間の設定温度が高い場合は冷房運転に必要な容量が減少するので、運転容量で割り振られる比よりも少ない比で割り振り、逆に温度調節される空間の設定温度が低い場合は冷房運転に必要な容量が増加するので、運転容量で割り振られる比よりも多い比で割り振る。
【0044】
また、電子膨張弁5の開度の割り振りについては、各室内熱交換器7出口の冷媒の状況を計測してその状況に基づいて補正を行っても良い。例えば、図5にあるように各室内熱交換器7a、7bに接続されているガス配管8a、8bの室外機1接続点における温度を温度センサ10h、10iで測定する。理想的には各室内熱交換器7の出口の冷媒状態は同一となるので、温度センサ10h、10i設置部の冷媒の乾き度は、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに制御されている場合、両者ともXsmという値になる。ここで電子膨張弁5の開度の割り振りが適切でない場合は、各室内熱交換器7の出口の冷媒状態が異なるため、温度センサ10h、10i設置部の冷媒の乾き度は、吸入乾き度Xsが目標値Xsmに制御されていても両者の値はXsmとは異なる。ここで、両者の値が異なるときに問題となるのは片方の室内熱交換器7の出口が過熱ガスとなり室内熱交換器7の伝熱性能が低下する場合である。室内熱交換器7の出口が過熱ガスとなっている場合は温度センサ10h、10i設置部でも冷媒状態は過熱ガス状態となる。従って過熱度SHを温度センサ10hの計測値−温度センサ10eの計測値、温度センサ10iの計測値−温度センサ10gの計測値と演算し、SH>0となっている場合は室内熱交換器7の出口が過熱ガスになっていると判断する。室内熱交換器7の出口が過熱ガスになっていると判断された場合には、接続されている電子膨張弁5に割り振られる開度の設定を大きく補正し、室内熱交換器7に多くの冷媒流量を流すように制御することで室内熱交換器7の出口が過熱ガスとなることを回避する。
【0045】
次に暖房運転の場合は、温度センサ10aで圧縮機2の吐出温度Td、温度センサ10eで室内熱交換器7aでの凝縮温度CTa、温度センサ10gで室内熱交換器7bでの蒸発温度CTb、温度センサ10bで室外熱交換器4での蒸発温度ETを計測しその情報を計測制御装置9に取り込む。凝縮温度CTについては複数測定可能であるので、CTa、CTbの値のうち大きい方の値もしくは両者の平均値をCTとする。そして実施の形態1の場合と同様に圧縮機2の吸入乾き度Xsを演算する。次に吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように電子膨張弁5a、5bの制御を行うが、まず電子膨張弁5a、5bの開度の合計値をどの値に制御するかを現在の開度の合計値、および吸入乾き度Xsと目標値Xsmの偏差から決定する。
【0046】
各電子膨張弁5の開度の制御については冷房運転の場合と同様に、接続されている室内熱交換器7の容量比に基づいて制御する。なお開度の合計値を割り振る比については、冷房運転と同様に接続されている液配管6、ガス配管8の長さ、あるいは室内熱交換器7で温度調節される空間の設定温度に応じてその比を決定しても良い。
【0047】
また、電子膨張弁5の開度の割り振りについては、各室内熱交換器7出口の冷媒の状況を計測してその状況に基づいて補正を行っても良い。理想的には各室内熱交換器7の出口の冷媒状態は同一となるのが望ましいが、電子膨張弁5の開度の割り振りが適切でない場合は、各室内熱交換器7の出口の冷媒状態が異なる。ここで、冷媒状態が異なるときに問題となるのは片方の室内熱交換器7の出口の過冷却度SCが極端に大きくなる運転状態となり、室内熱交換器7の内部で伝熱性能の悪い液部の存在部分が大きくなり、室内熱交換器7の伝熱性能が低下する場合である。そこで各室内熱交換器7の過冷却度SCを温度センサ10eの計測値−温度センサ10dの計測値、温度センサ10gの計測値−温度センサ10fの計測値と演算し、両過冷却度SCの値を比較する。このとき両過冷却度SCの値が大きく異なる場合、SCの値が大きくなっている室内熱交換器7については接続されている電子膨張弁5に割り振られる開度の設定を大きく補正し、室内熱交換器7に多くの冷媒流量を流すように制御することで室内熱交換器7の過冷却度SCが極端に大きくならないように制御する。
【0048】
以上のようにマルチタイプの冷凍空調装置であっても吸入乾き度Xsが目標値Xsmになるように制御し、また接続されている各室内熱交換器7のアンバランスを解消することで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0049】
また実施の形態2では接続されている室内熱交換器7の台数が2台の場合について説明を行ったが3台以上室内熱交換器7が接続されている場合であっても同様に制御を行うことで、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0050】
実施の形態3.
以下本発明の実施の形態3を図1に基づいて説明する。図1において符号および冷媒の流れ方は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0051】
冷凍空調装置の運転においては、運転状況に応じて圧縮機2の吐出温度が上昇する場合が生じる。例えば冷房運転時に凝縮器となる室外熱交換器4の周囲外気の温度が高い過負荷条件の場合には、冷凍空調装置の高圧が上昇し、それに伴い圧縮機2の吐出温度も上昇する。このとき圧縮機2の吐出温度が上昇しすぎると圧縮機2を破損する恐れがあるので、圧縮機2の吐出温度がある一定値以上に上昇しないように電子膨張弁5の制御を行う。そこで電子膨張弁5の制御において、圧縮機2の吐出温度が予め定められた値以上になったことを検知した場合、乾き度Xsの目標値Xsmの値をそれまでの目標値Xsmより小さな値に設定する。目標値設定以外の電子膨張弁5の制御については実施の形態1と同様に行う。このように電子膨張弁5の制御を行うと圧縮機2吸入の冷媒状態を目標値変更前より液が多く含まれるような状態の運転を実現できるので圧縮機2の吐出温度を低下することができる。そして圧縮機2の吐出温度が予め定められた値以下となり、圧縮機2破損の恐れがなくなった場合には、実施の形態1にあるように冷凍空調装置の運転効率がよくなるように乾き度Xsの目標値Xsmの設定を変更する。このように電子膨張弁5の制御を行うことで圧縮機2の破損を回避でき、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実現できる。
【0052】
また冷凍空調装置の運転においては、運転状況に応じて冷凍空調装置の高圧が上昇する場合が生じる。例えば冷房運転時に凝縮器となる室外熱交換器4の周囲外気の温度が高い過負荷条件の場合には、冷凍空調装置の高圧が上昇する。このとき高圧が上昇しすぎると冷凍空調装置の許容圧力を越え、冷凍空調装置を破損する恐れがあるので、高圧がある一定値以上に上昇しないように電子膨張弁5の制御を行う。高圧については凝縮温度CTから冷媒物性により換算し検知できるので、電子膨張弁5の制御において、凝縮温度CTが予め定められた値以上になったことを検知した場合、乾き度Xsの目標値Xsmの値をそれまでの目標値Xsmより小さな値に設定する。目標値設定以外の電子膨張弁5の制御については実施の形態1と同様に行う。このように電子膨張弁5の制御を行うと電子膨張弁5の開度を目標値変更前より大きな開度で運転するようになるため、電子膨張弁5での差圧が減少し、高圧を低下させることができる。そして凝縮温度CTの値が予め定められた値以下となり、高圧上昇の恐れがなくなった場合には、実施の形態1にあるように冷凍空調装置の運転効率がよくなるように乾き度Xsの目標値Xsmの設定を変更する。このように電子膨張弁5の制御を行うことで冷凍空調装置の破損を回避でき、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実現できる。
【0053】
また冷凍空調装置の運転においては、運転状況に応じて冷凍空調装置の蒸発温度が低下する場合が生じる。特に冷房運転時に凝縮器となる室外熱交換器4の周囲外気の温度が低い低温条件の場合には、冷凍空調装置の高圧が低下し、それに伴い冷凍空調装置の低圧も低下する。冷房運転で低圧が低下しすぎると室内熱交換器7での蒸発温度が0℃以下となり、室内熱交換器7で室内空気を冷却する際に生じるドレン水が氷結してしまう。その結果、室内熱交換器7での通風抵抗が増大し、室内熱交換器7での伝熱性能が低下したりあるいは氷結した氷が冷凍空調装置の運転停止時に融解し、融解量が多い場合には室内熱交換器7内のドレン受けから水があふれ露たれを生じたりする恐れがある。そこで低圧がある一定値以下に低下しないように電子膨張弁5の制御を行う。低圧については蒸発温度ETから冷媒物性により換算し検知できるので、電子膨張弁5の制御において、蒸発温度ETが予め定められた値以下になったことを検知した場合、乾き度Xsの目標値Xsmの値をそれまでの目標値Xsmより小さな値に設定する。目標値設定以外の電子膨張弁5の制御については実施の形態1と同様に行う。このように電子膨張弁5の制御を行うと電子膨張弁5の開度を目標値変更前より大きな開度で運転するようになるため、電子膨張弁5での差圧が減少し、低圧を上昇させることができる。そして蒸発温度ETの値が予め定められた値以上となり、低圧低下の恐れがなくなった場合には、実施の形態1にあるように冷凍空調装置の運転効率がよくなるように乾き度Xsの目標値Xsmの設定を変更する。このように電子膨張弁5の制御を行うことで室内熱交換器7の性能低下、および室内熱交換器7での露たれを回避でき、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実現できる。
【0054】
また冷凍空調装置の運転においては、運転状況に応じて冷凍空調装置の圧縮機2の吐出温度が低下し、同時に圧縮機2の吐出冷媒の過熱度SHdが減少する場合が生じる。特に運転条件によって冷凍空調装置の高低圧差が小さい場合には、圧縮機2の冷媒に対する仕事量が減少するため、吐出冷媒が加熱されにくい運転条件となり吐出冷媒の過熱度SHdが小さくなる状況が生じやすい。圧縮機2の吐出冷媒の過熱度SHdが小さくなると、圧縮機2が高圧シェルタイプであり、使用する冷凍機油が冷媒に対して相溶性であった場合には、冷凍機油への冷媒のとけ込み量が増大し、冷凍機油の粘度が低下し、圧縮機2の軸受けなどの焼き付けを引き起こし、圧縮機2が破損する恐れがある。また吐出冷媒の過熱度SHdが小さくなり、SHd=0となると、圧縮機2からはガス冷媒だけでなく液冷媒も吐出されるようになる。このような状況では液冷媒とともに圧縮機2内にある冷凍機油が液冷媒とともに吐出されやすくなるため、圧縮機2内の油量が低下、枯渇し、圧縮機2の軸受けなどの焼き付けを引き起こし、圧縮機2が破損する恐れがある。そこで吐出冷媒の過熱度SHdがある一定値以下に低下しないように電子膨張弁5の制御を行う。まず、吐出冷媒の過熱度SHdについては、SHd=吐出温度Td−凝縮温度CTで演算できる。そしてSHdの値がある予め定められた値以下になったことを検知した場合、乾き度Xsの目標値Xsmの値をそれまでの目標値Xsmより大きな値に設定する。目標値設定以外の電子膨張弁5の制御については実施の形態1と同様に行う。このように電子膨張弁5の制御を行うと電子膨張弁5の開度を目標値変更前より小さな開度で運転するようになるため、電子膨張弁5での差圧が増大し、冷凍空調装置の高低圧差が広がり、吐出温度が上昇し、それにともない吐出冷媒の過熱度SHdも大きくすることができる。そして吐出冷媒の過熱度SHdの値が予め定められた値以上となり、吐出冷媒の過熱度SHdの値が小さくなる恐れがなくなった場合には、実施の形態1にあるように冷凍空調装置の運転効率がよくなるように乾き度Xsの目標値Xsmの設定を変更する。このように電子膨張弁5の制御を行うことで圧縮機2の破損を回避でき信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実現できる。
【0055】
実施の形態4.
以下本発明の実施の形態4を図1、図6に基づいて説明する。図1において符号および冷媒の流れ方は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。図6は室内熱交換器7内の冷媒の流れ方を示した図である。図6において室内熱交換器7は例えばプレートフィンチューブ型熱交換器で、11は伝熱管、12は手前側の伝熱管接続配管13は奥側の伝熱管接続配管、14は伝熱フィン、15は冷房運転時の冷媒入口流路、16は冷房運転時の冷媒出口流路、17は分岐管である。
この熱交換器において冷房運転時は冷媒は冷媒入口流路15から流入した後、分岐管17で上側パス、下側パスに分岐されその後冷房出口流路16で上側パス、下側パスが合流する構造となっている。
また10dは冷房運転時の室内熱交換器7入口温度を測定する温度センサ、10eは上側パスの中間温度を測定する温度センサ、10fは下側パスの中間温度を測定する温度センサである。
また図6矢印方向に貫流送風機18によって熱交換器に室内空気が流入する構造となっている。なお図上室内空気の流出経路については省略している。以下の説明は室内熱交換器7が蒸発器となる冷房運転時の制御方法について行う。
【0056】
室内熱交換器7で図6のように冷媒流路に分岐がある場合には、運転条件などによって分岐管17での分配バランスが崩れ片側のパスに多くの冷媒が流れ、もう片側のパスは流れる冷媒流量が少なくなる状態が発生する可能性がある。このように分配バランスが崩れた場合、例えば、図6の上側パスに流れる冷媒流量が少なく、下側パスに流れる冷媒流量が多くなった場合、上側パスは冷媒流量が少ないため、冷媒が加熱蒸発されやすくなり、パスの途中から過熱ガス状態となって伝熱特性が悪化するため、上側パスでの伝熱量が減少する一方で、下側パスは冷媒流量が多いため冷媒が加熱蒸発されにくく、パスの終了まで二相冷媒状態となって良好な伝熱特性となるため、下側パスでの伝熱量が増加する。
【0057】
このとき室内熱交換器7の吸込空気の状態が高温・高湿であると、上側パスの部分を通過する空気は伝熱量が少ないので、高温・高湿の状態のまま送風機18に吸い込まれる。一方下側パスの部分を通過する空気は伝熱量が多いので、高温・高湿の状態から冷却除湿され、低温・低湿の空気状態をなって送風機18に吸い込まれる。そして送風機18では、高温・高湿の空気と低温・低湿の空気が合流、混合する。このように空気が混合すると、高温・高湿の空気は冷却され、その空気に含まれた水蒸気分が過飽和となって、送風機18に水滴が着露する。送風機18に水滴が着露する状態が継続すると、送風機18に着露した水滴が吹出口から室内熱交換器7外に出るようになる露飛び状態となり、冷凍空調装置運転の信頼性が低下することになる。
【0058】
電子膨張弁5の制御を実施の形態1にあるように制御した場合、室内熱交換器7出口の合流地点での乾き度は過熱ガスにならないように制御されるが、前述したように分配が悪い場合には、片側のパスは過熱ガス部分が存在し、片側のパスは二相冷媒状態なり、合流したものが過熱ガスとならない場合もある。そこで室内熱交換器7内で過熱ガスとなっている状況を検知した場合には電子膨張弁5の制御によって過熱ガス部分の発生を防止する。
【0059】
まず過熱ガス部分が発生しているかどうかの検知を以下のように行う。上側パスの中間部の温度センサ10eの検出値と蒸発器入口の温度センサ10dの検出値の差温をとると、上側パスの中間部の温度センサ10e設置位置での過熱度が演算できる。同様に下側パスの中間部の温度センサ10fの検出値と蒸発器入口の温度センサ10dの検出値の差温をとると、下側パスの中間部の温度センサ10f設置位置での過熱度が演算できる。両者の過熱度の演算値のうちどちらか少なくとも一方の過熱度が0以上のある一定値、例えば5℃以上になっている場合は当該パスの中間部の温度センサ10設置位置で過熱ガスとなっていることを表している。
【0060】
次に過熱ガス各パスの中間部の温度センサ10設置位置で過熱ガスとなっているか検知できた場合は、乾き度Xsの目標値Xsmの値をそれまでの目標値Xsmより小さな値に設定する。目標値設定以外の電子膨張弁5の制御については実施の形態1と同様に行う。このように電子膨張弁5の制御を行うと制御により蒸発器出口の乾き度も小さい方向に制御されるため、各パスのアンバランスがあってもパスの途中で過熱ガスとなる状況が発生することを防止でき、ひいては室内熱交換器7からの露飛びも防止できる。このように電子膨張弁5の制御を行うことで室内熱交換器7からの露飛びを防止でき、信頼性の高い冷凍空調装置の運転を実現できる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出し、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定して、前記圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する冷凍空調装置であって、前記目標値を運転状況に応じて変更するようにしたので、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0062】
また、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段とを備えたので、冷凍空調装置の運転状態を正確に目標に導き、効率よく運転することが可能となる。
【0063】
また、縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を0.90〜1.0とすることで、冷凍空調装置を効率のよい状態で運転することが可能となる。
【0064】
また、出温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するので、吐出温度を低下させることが可能となり、冷凍空調装置を信頼性高く運転することが可能となる。
【0065】
また、縮温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するので、凝縮温度を低下させることが可能となり、冷凍空調装置を信頼性高く運転することが可能となる。
【0066】
また、発温度の検知値が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するので、蒸発温度を上昇させることが可能となり、冷凍空調装置を信頼性高く運転することが可能となる。
【0067】
また、吐出温度の検知値と凝縮温度の検知値との偏差が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を高く設定するので、吐出温度の検知値と凝縮温度の検知値の偏差である吐出冷媒の過熱度を高くすることが可能となり、冷凍空調装置を信頼性高く運転することが可能となる。
【0068】
また、蒸発器内に冷媒温度を検出する温度センサを2カ所以上設け、定の2つの温度センサの検出値の差が予め定められた値以上になる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するので、蒸発器内に過熱ガス部分が存在しないようにすることが可能となり、蒸発器からの露飛びを防止でき、冷凍空調装置を信頼性高く運転することが可能となる。
【0069】
また、入乾き度の変化に対して検出する吐出温度の応答が遅れる場合、吐出温度の過去の変化履歴から予測される所定時間経過後の吐出温度を用いるので、乾き度の変化に吐出温度の変化を素早く追随させることが可能になり、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【0070】
また、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置とし、房運転の場合は暖房運転の場合よりも冷媒ガス乾き度の目標値を大きくするので、外気温度による影響に対しても正確な乾き度に基づいて膨脹弁の開度を制御でき、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能になる。
【0071】
また、蒸発器又は凝縮器を複数並列に接続し、並列な液配管の長さに応じて膨脹弁の開度の割り振りを決定するので、液配管長による圧力損失による影響に対しても正確な乾き度に基づいて膨脹弁の開度を制御でき、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能になる。
【0072】
また、前記蒸発器の入口が複数に分岐されているものであっても、冷媒ガスの乾き度に基づいて冷凍空調装置を効率的よく運転できる膨脹弁開度に制御できる。
【0073】
また、前記蒸発器は入口が複数のパスに分岐されると共に、分岐された複数のパスのうち少なくとも一つのパスの過熱度が所定値以上である場合には、前記圧縮機の吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定するので、冷媒分配状況にばらつきがあっても冷凍空調装置を効率よく運転することが可能になる。
また、冷凍空調装置の制御方法は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置において、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサを備え、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定するステップと、圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度の目標値を運転状況に応じて変更するステップと、前記推定された圧縮機吸入の冷 媒ガスの乾き度が前記乾き度の目標値となるように前記膨張弁の開度を制御するステップとからなるので、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
また、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、前記温度センサにより検出された凝縮温度もしくは蒸発温度から外気温度を推定して、該推定外気温度により前記検出された吐出温度を補正する補正手段と、前記補正された吐出温度、前記検出された凝縮温度、前記検出された蒸発温度から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備えたので、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
また、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷房運転及び暖房運転が可能な冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備え、冷房運転の場合は暖房運転の場合よりも冷媒ガスの乾き度の目標値を大きくするので、外気温度による影響に対しても正確な乾き度に基づいて膨脹弁の開度を制御でき、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能になる。
また、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段にて推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度に基づいて前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は吸入乾き度の変化に対して検出する吐出温度の応答が遅れる場合、吐出温度の過去の変化履歴から予測される所定時間経過後の吐出温度を用いるので、乾き度の変化に吐出温度の変化を素早く追随させることが可能になり、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
また、冷凍空調装置は、温度センサを用いて凝縮温度又は/および蒸発温度を検出する代わりに冷凍空調装置の高圧又は/および低圧を検知する圧力センサを用いたので、冷凍空調装置を効率よく運転することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す冷凍空調装置の冷媒回路図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における電子膨張弁の制御方法を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態1に係わる圧縮機出入口での冷媒変化を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係わる圧縮機吸入乾き度と冷凍空調装置の運転効率COPの相関を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2を示す冷凍空調装置の冷媒回路図である。
【図6】 本発明の実施の形態4に係わる室内熱交換器の形態を示す図である。
【図7】 従来の冷凍空調装置の冷媒回路図である。
【図8】 圧縮機の吸入乾き度が1のときの吐出温度とを凝縮温度、蒸発温度毎に示したマップである。
【符号の説明】
1 室外機、2 圧縮機、3 四方弁、4 室外熱交換器、5 電子膨張弁、6 液配管、7 室内熱交換器、8 ガス配管、9 計測制御装置、10 温度センサ、11 伝熱管、12 伝熱管接続管、13 伝熱管接続管、14 伝熱フィン、15 入口管、 16 出口管 17 分岐管、 18 貫流送風機、 19 凝縮器、 20 受液器、 21 蒸発器、 22 アキュムレータ。

Claims (18)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出し、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定して、前記圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する冷凍空調装置であって、前記目標値を運転状況に応じて変更するようにしたことを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍空調装置。
  3. 縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を0.90〜1.0とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  4. 出温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  5. 縮温度の検知値が予め定められた設定値より高くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  6. 発温度の検知値が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  7. 出温度の検知値と凝縮温度の検知値との偏差が予め定められた設定値より低くなる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を高くすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  8. 蒸発器内に冷媒温度を検出する温度センサを2カ所以上設け、定の2つの温度センサの検出値の差が予め定められた値以上になる場合には、圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍空調装置。
  9. 入乾き度の変化に対して検出する吐出温度の応答が遅れる場合、吐出温度の過去の変化履歴から予測される所定時間経過後の吐出温度を用いることを特徴とする請求項1、2又は4記載の冷凍空調装置。
  10. 冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置とし、房運転の場合は暖房運転の場合よりも冷媒ガス乾き度の目標値を大きくすることを特徴とする請求項乃至9の何れかに記載の冷凍空調装置。
  11. 蒸発器又は凝縮器を複数並列に接続し、並列な液配管の長さに応じて膨張弁の開度の割り振りを決定することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の冷凍空調装置。
  12. 前記蒸発器は入口が複数に分岐されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の冷凍空調装置。
  13. 前記蒸発器は入口が複数のパスに分岐されると共に、分岐された複数のパスのうち少なくとも一つのパスの過熱度が所定値以上である場合には、前記圧縮機の吸入の冷媒ガス乾き度の目標値を低く設定することを特徴とする請求項乃至11の何れかに記載の冷凍空調装置。
  14. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置において、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサを備え、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定するステップと、圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度の目標値を運転状況に応じて変更するステップと、前記推定された圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度が前記乾き度の目標値となるように前記膨張弁の開度を制御するステップとからなる冷凍空調装置の制御方法。
  15. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、前記温度センサにより検出された凝縮温度もしくは蒸発温度から外気温度を推定して、該推定外気温度により前記検出された吐出温度を補正する補正手段と、前記補正された吐出温度、前記検出された凝縮温度、前記検出された蒸発温度から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする冷凍空調装置。
  16. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷房運転及び暖房運転が可能な冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段において推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度が予め定められた目標値となるよう膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備え、冷房運転の場合は暖房運転の場合よりも冷媒ガスの乾き度の目標値を大きくすることを特徴とする冷凍空調装置。
  17. 圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器を接続してなる冷凍空調装置であって、前記圧縮機の吐出冷媒の吐出温度と前記凝縮器での凝縮温度と前記蒸発器での蒸発温度とを検出する温度センサと、吐出温度、凝縮温度、蒸発温度の検出値から圧縮機吸入の冷媒ガスの乾き度を推定する推定手段と、前記推定手段にて推定された圧縮機吸入の冷媒ガス乾き度に基づいて前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は吸入乾き度の変化に対して検出する吐出温度の応答が遅れる場合、吐出温度の過去の変化履歴から予測される所定時間経過後の吐出温度を用いることを特徴とする冷凍空調装置。
  18. 前記温度センサを用いて前記凝縮温度又は/および前記蒸発温度を検出する代わりに冷凍空調装置の高圧又は/および低圧を検知する圧力センサを用いたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか、または請求項15乃至17のいずれかに記載の冷凍空調装置。
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