JP3749808B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに使用され、画像のノイズを除去する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、デジタル複合機はその機能の一つとして、予めユーザが設定を行うことにより、データのマスキング、拡大、縮小、データ間のマージ機能などの画像編集機能を有する。画像編集の従来例としては、例えば特開平5−324623号公報、特開平6−121152号公報、特開平7−322050号公報などに数多く提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本や小冊子の原稿をスキャナにより読み取ってイメージデータとして保存し、必要な時点でその原稿を複数部プリントすることは、デジタル複合機としては一般的な使われ方である。この場合、本や小冊子の厚みにより、実際に必要のない部分に陰(黒画素ノイズ)が入ると、実際にプリントアウトされる出力は美しいとは言えない。この場合、一連の画像入力におけるデータとして無効な部分は、入力完了時にそれまでに入力されたデータの履歴データによって出力時に除去することが望ましい。
【0004】
また、例えば入力原稿が既にコピーされたものであって統一的に傾いた傾向(スキュー)を持っており、その原稿をADFにより自動的に給紙して読み取ってプリントした場合にも同様である。したがって、この場合にも出力時にスキューを除去、補正することが望ましい。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑み、原稿画像の不要なノイズを除去して出力することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、原稿画像のノイズの特徴が記憶されたノイズ記憶手段と、原稿の複数ページ分の画像データ上に前記ノイズ記憶手段に記憶された原稿のノイズが統一的に存在するか否かを判定し、存在する場合に原稿画像データからそのノイズを除去するノイズ除去手段とを備えた構成とした。
【0007】
この場合、前記原稿のノイズとして、例えばブック原稿が開いた状態で読み取られた場合の中央の影が挙げられる。この影は、原稿が傾いて読み取られた場合の四隅の影であって、ノイズ除去手段は、その影を除去した後にさらに傾きを補正する機能を有する。また、さらに、ノイズ除去手段によりノイズが除去された画像データを編集する手段をさらに設けるとよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すブロック図、図2は図1の画像形成装置のノイズ除去処理を示す説明図、図3は図1の画像形成装置の傾き補正処理を示す説明図、図4は図1の画像形成装置の画像補正処理を説明するためのフローチャート、図5は図1の画像形成装置の画像編集処理を説明するためのフローチャートである。
【0009】
図1において、画像形成装置は、信号の流れに沿って画像入力部1、画像履歴読取部/一時記憶部2、画像補正処理部4、及び画像出力部5を備え、画像履歴読取部2には、履歴判定テンプレート6が接続され、画像補正処理部3及び画像編集部4には画像記憶装置7が接続されている。また、操作パネル8が設けられ、画像履歴読取部/一時記憶部2、画像補正処理部3及び画像編集部4に対して操作入力可能になっている。
【0010】
このような各部を備えた画像形成装置では、履歴画像入力部1はCCDを用いたスキャナにより、原稿画像をその解像度に応じたイメージデータとして取り込む。画像履歴読取部/一時記憶部2は画像入力部1を介して入力したイメージデータを一時的に保存するとともに、その入力データとは別にすべての入力画像データの履歴を記憶する。この画像履歴データは一つのジョブを単位として必ず一つ存在し、これによりそのジョブの画像データの傾向を判定することができる。
【0011】
履歴判定テンプレート6は、よく使用される原稿の種類によってその入力画像の特長が予め記録されたファイルであり、これによって、入力画像データの有効部分と無効部分をシステムが判断する時の基準となる。この履歴判定テンプレート6の情報の最も簡単な例として、分厚い本の見開きページをコピーすると、この出力画像には、
I.見開きページの中心線(谷)部分に、黒い帯(陰)が出る。
II.四隅(上、下、左、右端)に黒い帯(陰)が出る。
などの特長が現れる。これは最も単純な例であるが、履歴判定テンプレート6はこのようなヒント情報のアルゴリズムが集められたファイルである。
【0012】
この履歴判定テンプレート6と入力画像がすべて入力された後の画像履歴データによって、画像補正処理部3が入力画像の有効データ部分と無効データ部分を判断し、画像補正データを作成する。画像補正処理部3により最終的に作成された画像補正データは、そのジョブの全画像入力データと共に画像記憶装置7に保存される。
【0013】
ユーザの要求により、その画像データが出力(プリント)される時は、この画像補正データをもとに、不必要なデータ(ノイズ)部分がマスキングされて画像出力部5に渡される。このため、出力結果に不必要なデータが現れることがなく、鮮明な画像としてプリントされる。もし、ユーザが必要に応じてその補正状態を確認したり、さらに補正をマニュアル操作によって追加したい場合、あるいは、その元の画像データを編集したい(すべての画像データに会社のロゴマーク等を追加したい)場合などには、タッチペン入力付き操作パネル8によってユーザが指示すると画像編集部4がこの処理を実行する。この一連の処理により、ユーザが意識することなく画像補正された出力(プリント)を提供することも、逆にユーザが意識しながら、画像補正、編集することも可能である。
【0014】
この処理の具体例を図2を参照して説明する。図2は一例として、分厚い本を開いた原稿(見開き2ページ分)を3ページ(合計6ページ)入力し、自動画像補正機能により補正される様子を示す。この例では、連続していないページが3ページ入力(スキャン)されたことにより、中心線部の陰(ノイズ)部分の帯幅に変化があることを示している。
【0015】
この場合には、全てのページが入力された時点で、画像履歴読取部2はその画像履歴データを元に判断した結果、帯幅に変化があるものの中心線近傍に連続した黒データがあることを読み取り、また、予めシステムが持っている履歴判定テンプレート6と照合した結果、この帯をノイズ(無効データ)と判断する。また、このノイズの種類を履歴判定テンプレート6で判断する。この結果、全ての連続したノイズ(無効データ)の論理和をノイズとみなし、その部分を出力時にマスキングして白データとして出力する。この例では、各ページの中心線部の陰(黒データ)の3ページの論理和がとられたものがノイズ(無効データ)としてマスキングされ、白データとしてプリントされる例を示している。
【0016】
次に、スキュー補正の例を図3を参照して説明する。図3は一例として、原稿が既にコピーされた二次原稿であり、しかもスキュー傾向にある原稿が3ページ入力された場合を示している。図2と同様に全てのページが入力された時点で、画像履歴読取部2はその画像履歴データを元に判断した結果、全ての画像データが一定の傾き傾向にあることを判断し、また、履歴判定テンプレート6と照合した結果、3ページ全てに統一的に四隅(上、下、左、右端)に黒い帯(陰)があることで、ノイズ(無効データ)もあるとの判断結果を出す。
【0017】
したがって、四隅(上、下、左、右端)をマスキングして白データに補正し、また、画像履歴データから文字列の傾き角度を読み取り、その角度分、画像データを回転してスキューを補正する。これによりスキューが補正された、ノイズのないプリント出力が得られる。特に、ここでは、全てのページの画像入力データの論理和がとられたデータが画像履歴データとして利用される。このデータにおいては、文字列部分はある幅を持った黒画像データして残っていることになり、その傾きを検出して、スキュー補正を行っていることを示している。
【0018】
次に図4に示すフローチャートを参照して画像補正処理手順について説明する。まず、画像入力部1を介して入力された1ページ分の画像データは、一時記憶装置2に保存される前に、履歴判定テンプレート6と比較される。この結果を元に、入力画像データと別の領域に、画像蓄積データが保存される(ステップS1〜S4)。この処理は、入力画像のページ分繰返され(ステップS4)、その都度、画像蓄積データの内容は変更(上書き)される。履歴判定テンプレート6との比較結果により異なるが、最も単純な例では、全ての画像データの論理和がとられたものが、画像蓄積データとなることもある。
【0019】
この最終の画像蓄積データは、再び履歴判定テンプレートと比較され(ステップS5)、ノイズ除去処理が必要か否かが判定される(ステップS6)。もし必要であれば、どの部分のノイズを除去するかの領域を定義したノイズ除去処理補正ファイルがこのジョブに対して作成される(ステップS7)。また、履歴判定テンプレートとの比較結果からスキュー補正が必要であると判断された場合は(ステップS8)、そのスキュー角度を画像蓄積データから検出し、スキュー補正処理ファイルがこのジョブに対して作成される(ステップS9)。最終的に、入力された全ページの画像データとこのジョブに対する一つのノイズ除去処理補正ファイルとスキュー補正処理ファイルが記憶装置に保存される(ステップS10)。
【0020】
次に図5を参照して画像補正編集処理について説明する。ユーザがあるジョブのプリント出力を要求した場合、その補正を自動的に行ってプリント出力するか、ユーザーがフロントパネルにて確認しながら、補正を実行するか、さらに、マニュアルにて補正を追加、修正するかをモードによって指定することができる(ステップS11、S12)。補正の実行に関しては、そのジョブの画像データと補正ファイルを一時記憶部2上にデータとして読み出し、その補正ファイルの内容によって無効データの領域をマスキングして画像出力部5に送出する。
【0021】
もしユーザーが補正処理とは別に画像編集を必要とした時には、この時点で操作パネル8からタッチペン入力にて、入力された指示内容に応じて画像データが画像編集部4により編集されて画像出力部5に送出される。最終的には、画像補正済で、ユーザーの要求に応じて画像編集された鮮明な画像をデジタル複合装置一つで実現することができる。
【0022】
図5を参照して詳しく説明すると、画像補正出力モードの場合、まず、その画像補正ファイルを参照し(ステップS13)、次いで画像補正出力結果の確認をユーザが行う場合にはその画像補正出力をサムネイルで表示し(ステップS14→S15)、修正を行う場合にはユーザがタッチペン入力に修正する(ステップS16→S17)。また、画像編集をユーザが行う場合にはユーザがタッチペン入力に修正した後に最終結果をプリント出力する(ステップS19→S20→S21)。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、原稿の複数ページ分の画像データ上に原稿のノイズが統一的に存在するか否かを判定し、存在する場合に原稿画像データからそのノイズを除去するようにしたので、原稿画像の不要なノイズを除去して出力することができる。また、自動補正モードを実行することにより、ユーザーは特に事前に領域を指定することなく、画像データの不要な部分をマスクし、出力プリント時には、読みやすい品質に補正することができる。
【0024】
請求項2記載の発明によれば、ブック原稿が開いた状態で読み取られた場合の中央の影を除去して出力することができる。
【0025】
請求項3記載の発明によれば、原稿が傾いて読み取られた場合の四隅の影を除去してさらに傾きを補正することができる。
【0026】
請求項4記載の発明によれば、必要に応じて補正前と補正後の状態を確認し、さらに完全な補正をかけることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の画像形成装置のノイズ除去処理を示す説明図である。
【図3】図1の画像形成装置の傾き補正処理を示す説明図である。
【図4】図1の画像形成装置の画像補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1の画像形成装置の画像編集処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 画像履歴読み取り部
3 画像補正処理部
4 画像編集部
6 履歴判定テンプレート
7 画像記憶装置
8 操作パネル
Claims (4)
- 入力された画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置において、
原稿画像のノイズの特徴が記憶されたノイズ記憶手段と、
原稿の複数ページ分の画像データ上に前記ノイズ記憶手段に記憶された原稿のノイズが統一的に存在するか否かを判定し、存在する場合に原稿画像データからそのノイズを除去するノイズ除去手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記原稿のノイズは、ブック原稿が開いた状態で読み取られた場合の中央の影であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記原稿のノイズは、原稿が傾いて読み取られた場合の四隅の影であって、前記ノイズ除去手段はその影を除去した後にさらに傾きを補正することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記ノイズ除去手段によりノイズが除去された画像データを編集する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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