JP3749801B2 - 軟磁性金属ガラス合金 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3元系を主体とした軟磁性金属ガラス合金に関するもので、広い過冷却液体を有し、優れた軟磁気特性を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から多元素合金のある種のものは、結晶化の前の過冷却液体の状態においてある広い温度領域を有し、これらは、金属ガラス合金(glassy alloy)を構成するものとして知られている。そして、この種の金属ガラス合金は、従来公知の液体急冷法で製造したアモルファス合金の薄帯に比べてはるかに厚いバルク状のアモルファス合金となることも知られている。
【0003】
従来、アモルファス合金の薄帯と言えば、1960年代において最初に製造されたFe-P-C系のアモルファス合金、1970年代において製造された(Fe,Co,Ni)-P-B系、(Fe,Co,Ni)-Si-B系合金、1980年代において製造された(Fe,Co,Ni)-M(Zr,Hf,Nb)系合金、(Fe,Co,Ni)-M(Zr,Hf,Nb)-B系合金が知られているが、これらは、いずれも、105K/sレベルの冷却速度で急冷して製造する必要があり、製造されたものの厚さは50μm以下の薄帯であった。
また、金属ガラス合金では、厚さ数mmのものが得られ、このような種類の金属ガラス合金として、1988年〜1991年にかけて、Ln-Al-TM、Mg-Ln-TM、Zr-Al-TM(ただし、Lnは希土類元素、TMは遷移金属を示す。)系等の組成のものが発見されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこれらの金属ガラス合金は、いずれも、室温において磁性を持つことはなく、この点において磁性材料として見た場合に工業的には大きな制約があった。
従って、従来より室温で磁性を有し、厚いバルク状のものを得ることができる可能性を有する金属ガラス合金の研究開発が進められている。
【0005】
ここで各種の組成の合金において、過冷却液体状態を示すとしても、これらの過冷却液体の温度間隔ΔTx、即ち、結晶化開始温度(Tx)とガラス遷移温度(Tg)との差、即ち、(Tx−Tg)の値は一般に小さく、現実的には、 金属ガラス形成能に乏しく、実用性のないものであることを考慮すると、前記の通りの広い過冷却液体の温度領域を持ち、冷却によって金属ガラスを構成することのできる合金の存在は、従来公知のアモルファス合金の薄帯としての厚さの制約を克服可能なことから、冶金学的には大いに注目されるものである。
しかし、工業材料として発展できるか否かは、室温で強磁性を示す金属ガラス合金の発見が鍵となっている。
【0006】
ここで最近に至り、5元系あるいは6元系の合金において磁性を有する金属ガラス合金の存在が報告されるようになってきた。
【0007】
本願発明者らは、これら5元系あるいは6元系の組成系において広い過冷却液体領域を有し、強磁性を発現する理由として、原子半径の異なる多くの元素からなる多元系合金とすることで、原子間の結び付きを高め、ΔTxを出すとともに、添加成分の調整により過冷却液体領域を広げることができるものと推定しており、このような背景から本願発明者らは多元系の組成を中心として材料開発を進めてきた。また、組成系として3元系程度で金属ガラス合金を製造できるならば、より好ましいと考えられるが、3元系の金属ガラス合金で磁性を発現するものは知られていない。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、過冷却液体の温度間隔が極めて広く、室温で軟磁性を有し、従来の液体急冷法で得られるアモルファス合金薄帯よりも厚く製造できる可能性を有する3元系を主体とする軟磁性金属ガラス合金を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る軟磁性金属ガラス合金は、下記組成式で表され、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが0K以上を有する軟磁性金属ガラス合金。
Fe100−x−y Ti
ただし、x及びyは、原子%で72≦100− x y ≦79≦ x ≦1114≦ y ≦22を満たす範囲である。
この組成系において室温で強磁性を示し過冷却領域の温度間隔ΔTxの広い金属ガラス合金が得られる。この金属ガラス合金は3元系を主体とするものであり、構成元素数を少なくできるので製造が容易であるとともに、高い比抵抗を有する。
【0010】
前記本発明組成において、前記ΔTxが40K以上であり、x及びyは原子%で74≦100− x y ≦79、5≦ x ≦1114≦ y ≦17を満たす範囲であることが好ましい。
本発明は、飽和磁束密度が0.70T以上、透磁率が13000以上であり、x及びyは、原子%で74 . 3≦100− x y ≦79 . 0、4 . ≦x≦10 . 3、14 . ≦ y ≦20 . を満たす範囲であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る軟磁性金属ガラス合金は、Feを主成分とし、これにZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、V、Cr、Wのうちの1種又は2種以上と、Bを所定量添加した成分系で実現される。
本発明に係る軟磁性金属ガラス合金は、一般式において、
Fe100-x-yxy
で表記することができ、この一般式において、3原子%≦x≦14原子%、9原子%≦y≦23原子%なる関係が好ましく、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
更に前記の成分系において、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である。
前記の組成系において、Tiを含む組成系でΔTxが20K以上であることが好ましい。また、前記の組成系においてΔTxが60K以上であることがより好ましい。
【0012】
「組成限定理由」
本発明組成系において主成分であるFeは磁性を担う元素であり、高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を得るために重要である。また、Feを多く含む成分系においてΔTxが大きくなり易く、Feを多く含む成分系において元素MとBの含有量を適正な値とすることで、ΔTxの値を60K以上にすることができる。
【0013】
MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、V、Cr、Wのうちの1種又は2種以上からなる元素である。これらはアモルファスを生成させるために有効な元素であり、元素Mのうち、特にTiが有効である。
【0014】
Bは、高いアモルファス形成能があり、本発明では9原子%以上、23原子%以下の範囲で添加する。この範囲を外れてBが9原子%未満であると、ΔTxが消滅するために好ましくなく、22原子%よりも大きくなるとアモルファスが形成できなくなるために好ましくない。
【0015】
前記Fe100-x-yxyなる組成式において、元素Mの組成比を示すxが5原子%≦x≦11原子%の範囲、Bの組成比を示すyが14原子%≦y≦22原子%の範囲であることが先の組成範囲より好ましく、更には、元素Mの組成比を示すxが5原子%≦x≦10原子%の範囲、Bの組成比を示すyが14原子%≦y≦18原子%の範囲であることがより好ましい。なお、これらの組成範囲の中でも、ΔTxを60K以上とするためには、元素MをTiとして、5原子%≦Ti≦11原子%、14原子%≦B≦17原子%の範囲とすることが好ましい。
【0016】
前記組成系の軟磁性金属ガラス合金材を製造するには、例えば、各成分の元素単体粉末を用意し、前記組成範囲になるようにこれらの元素単体粉末を混合し、次いでこの混合粉末をArガス等の不活性ガス雰囲気中において、るつぼ等の溶解装置で溶解して所定組成の合金溶湯を得る。
次にこの合金溶湯を単ロール法を用いて急冷することで、軟磁性金属ガラス合金薄帯を得ることができる。単ロール法とは、回転している金属ロールに溶湯を吹き付けて急冷し、溶湯を冷却した薄帯状の金属ガラスを得る方法である。なおここで、金属ガラス合金を製造する場合に用いる方法は単ロール法に限らず、双ロール法あるいはアモルファス合金を製造する場合に用いられている他の種々の方法で差し支えない。更に金属ガラス合金として薄帯以外の形状を得る場合にはアトマイズ法などの急冷粉末製造法、射出成形法などの方法でも差し支えない。
【0017】
ここで従来からFe系の合金として、Fe-P-C系、Fe-P-B系、Fe-Ni-Si-B系等の組成のものがガラス遷移を起こすものとして知られているが、これらの合金の過冷却液体の温度間隔ΔTxはいずれも20K以下と極めて小さく、実際的に金属ガラス合金として構成することはできない。
これに対して、本発明方法で製造するべき軟磁性金属ガラス合金は、この過冷却液体の温度間隔ΔTxが、20Kを超えて、30K以上を確実に得られ、組成によっては40〜63Kという顕著な温度間隔を有し、これまでの知見から知られるFe基合金からは全く予期されないものである。しかも、軟磁性についても室温で優れた特性を有するこの系の軟磁性金属ガラス合金は、これまでの知見に見られない全く新規なもので、これまでアモルファス合金が薄帯としてしか実現できなかったのに対し、バルク状のものの製造を可能とし、遥かに実用性に優れたものとなる。
【0018】
以上のように得られた本発明組成系の金属ガラス合金は、過冷却液体の温度間隔ΔTxが20Kを大きく超えて、組成によっては63Kの極めて高いΔTxを示し、従来一般のアモルファス材料に比べて溶湯から急冷して製造する際の急冷条件を緩くできるので、薄帯であれば従来のアモルファス材料の薄帯よりも厚いものを得ることができ、急冷時の製造条件によっては数mmの厚さを有するバルク状のものを得ることができる可能性を有する。
【0019】
また、本発明組成系の金属ガラス合金は、透磁率が極めて高く、実効透磁率において13000を超えるものを容易に得ることができ、組成に応じて29000の極めて優れた実効透磁率を得ることができる。よって本発明組成系の金属ガラス合金を磁気ヘッドのコア材として適用することが可能であり、その場合に従来のアモルファス材料よりも厚いものを利用できるので従来の薄いアモルファス薄帯を積層して構成していたコア材よりも磁性材料の占積率を高めた好適なものを得ることができる。
【0020】
次に、本発明組成系の金属ガラス合金は、組成によって1.9〜2.0×10-6・Ω・m程度の高い比抵抗を有するので、高周波用途に供した場合に渦電流損失を低減することが可能であり、磁気ヘッドやトランス等の高周波対応の磁気部品用として好適である。
【0021】
【実施例】
種々の組成比のFe-Ti-B母合金をアーク炉で溶製した。溶製には小塊状の純鉄とTiとBを所定量秤量し、これらを溶解することで母合金を製造した。
次に、この母合金をルツボで溶解し、アルゴンガス減圧雰囲気中において40m/sで回転しているロールにルツボ下端のノズルから射出圧力5.9×104Paで回転中の金属ロールに吹き出して急冷する単ロール法を実施することにより、幅約1mm、厚さ約20μmの金属ガラス合金薄帯の試料を製造した。
得られた試料は、X線回折と示差走査熱量測定(DSC)により分析し、振動試料型磁力計(VSM)にて飽和磁化(σs)を測定し、直流B-Hループトレーサにより保磁力(Hc)を測定し、インピーダンスアナライザにより実効透磁率(μe)をいずれも室温で測定した。また、磁歪(λs)は三端子容量法により測定した。
【0022】
図1はFe76-94Ti2-246-24なる組成の合金のΔTxを示す三角組成図である。図1において〇印で示す試料が金属ガラス合金を示し、●印で示す試料がアモルファス合金を示し、△印で示す試料がアモルファスと結晶の混合組織の試料を示し、□印で示す試料が結晶質合金を示す。
この図に示す結果から、Fe-Ti-B系の3元系合金において、3原子%≦Ti≦14原子%、9原子%≦B≦22原子%、70原子%≦Fe≦80原子%の範囲とするとΔTxが発現する金属ガラスを得られ易いことがわかる。この範囲の中でも、5原子%≦Ti≦11原子%の範囲、14原子%≦B≦22原子%、72原子%≦Fe≦79原子%の範囲で仕切られる実線の範囲で確実にΔTxが30Kを超える優れた金属ガラスを得ることができることが明らかである。また、図1に示す測定結果から、FeとTiとBの3元系において、アモルファスを生成する組成領域の内部にΔTxを発現して金属ガラスになる領域が存在することが明らかになった。
更に、ΔTxとして、40を超える値を得るためには、5原子%≦Ti≦11原子%、14原子%≦B≦17原子%、74原子%≦Fe≦79原子%の範囲であることが好ましいことも明らかである。
【0023】
図2はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の保磁力を測定した結果を示す三角組成図である。この図に示す結果から本発明組成範囲の試料はいずれも低い保磁力を有することが判明した。
図3はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の磁化を測定した結果を示す三角組成図である。この図に示す結果から本発明組成範囲の試料はいずれも高い磁化を示すことが判明した。
図4はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の実効透磁率を測定した結果を示す三角組成図である。この図に示す結果から本発明組成範囲の試料はいずれも高い実効透磁率を示すことが判明した。これらの試料の中でも特に高いものにおいては、他の組成系の金属ガラス合金と比較しても極めて高い29000、26000、24000の実効透磁率を示した。
【0024】
図5はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金のキュリー温度を測定した結果を示す三角組成図、図6はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の融点を測定した結果を示す三角組成図、図7はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の結晶化開始温度を測定した結果を示す三角組成図である。更に図8はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金のガラス転移点を測定した結果を示す三角組成図、図9はFe-Ti-B系の3元系合金において、各組成合金の(ガラス転移点/融点)の値を示す三角組成図である。
これらの各図に示す測定結果から、本願発明金属ガラス合金のキュリー温度と融点と結晶化開始温度とガラス転移点を知ることができる。
【0025】
なお、各図に示す試料において、Fe77.9Ti6.515.6の組成の試料はΔTx=63Kを示し、Fe74.3Ti4.920.8の組成の試料はTg/Tm=0.58、Tm=1492Kを示し、Fe77.9Ti6.515.6の組成の試料は実効透磁率μe=29000を示し、Fe74.3Ti4.920.8の組成の試料はBs=1.21Tを示した。
図1において、Fe77.9Ti6.515.6の組成の試料はΔTx=63K、
Fe76.3Ti9.214.5の組成の試料はΔTx=60K、
Fe79.0Ti6.814.2の組成の試料はΔTx=58K、
Fe74.6Ti10.315.1の組成の試料はΔTx=54K、
Fe78.0Ti6.415.6の組成の試料はΔTx=49K、
Fe77.2Ti5.77.1の組成の試料はΔTx=34K、
Fe75.3Ti5.119.6の組成の試料はΔTx=32K、
Fe74.3Ti4.920.8の組成の試料はΔTx=39Kを示した。
なお、ΔTxにおいて63Kの最大値を示した試料の比抵抗を測定したところ、1.9×10-6・Ω・mの値を示し、Tg/Tmにおいて0.58の値を示した試料の比抵抗は2.0×10-6・Ω・mを示した。
【0026】
図3はそれぞれの組成において飽和磁化を測定した結果を示すが、図3において、Fe77.9Ti6.515.6の組成の試料は飽和磁化から得られる値として飽和磁束密度Bs=0.90Tを示した。
同様に、Fe76.3Ti9.214.5の組成の試料は飽和磁束密度Bs=0.76Tを示し、Fe79.0Ti6.814.2の組成の試料は飽和磁束密度Bs=0.90Tを示し、Fe74.6Ti10.315.1の組成の試料は飽和磁束密度Bs=0.70Tを示し、Fe78.0Ti6.415.6の組成の試料は飽和磁束密度Bs=0.91Tを示し、Fe77.2Ti5.77.1の組成の試料は飽和磁束密度Bs=1.02Tを示し、Fe75.3Ti5.119.6の組成の試料は飽和磁束密度Bs=1.13Tを示した。また、Fe74.3Ti4.920.8の組成の試料は飽和磁束密度Bs=1.21Tを示した。
【0027】
図4は実効透磁率(μe)の測定結果を示すが、Fe77.9Ti6.515.6の組成の試料は実効透磁率μe=29000を示した。
同様に、Fe79.0Ti6.814.2の組成の試料は実効透磁率μe=26000を示し、Fe74.6Ti10.315.1の組成の試料は実効透磁率μe=24000を示し、Fe78.0Ti6.415.6の組成の試料は実効透磁率μe=15000を示し、Fe77.2Ti5.77.1の組成の試料は実効透磁率μe=13000を示し、Fe74.3Ti4.920.8の組成の試料は実効透磁率μe=15000を示した。
【0028】
更に、本発明組成系の軟磁性金属ガラス合金のビッカース硬度を測定したところ、1300〜1500Hvを示すことが判明した。このことから、本発明組成系の軟磁性金属ガラス合金を磁気ヘッドのコア材として用いた場合、耐摩耗性が良好な磁気ヘッドを提供することが期待できる。また、元素MをTiとすることにより、比較的安易に製造することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、Feを主成分とし、TiとBを含み、Fe 100−x−y Ti の組成式で示され、原子%で72≦100− x y ≦79、5≦ x ≦11、14≦ y ≦22の関係を有するものであって、過冷却液体の温度間隔ΔTxを0K以上にした3元系を主体とする金属ガラス合金であるので室温で強磁性を示すアモルファスの軟磁性金属ガラス合金を提供できる。また、高い透磁率を示し、磁化の値も優れたアモルファスの軟磁性金属ガラス合金を提供できる。
【0030】
また、前記組成系においてx 及び y は原子%で74≦100− x y ≦79、5≦ x ≦11、14≦ y ≦17を満たす範囲であるならば、室温で強磁性を示し、優れた実効透磁率と磁化を示し、ΔTxにおいて40Kを確実に超えるアモルファスの軟磁性金属ガラス合金を得ることができる。
次に、x及びyは、原子%で74 . 3≦100− x y ≦79 . 0、4 . ≦x≦10 . 3、14 . ≦ y ≦20 . 8を満たす範囲であるならば、飽和磁束密度が0 . 70T以上、透磁率が13000以上のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金のΔTxを示す三角組成図である。
【図2】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の保磁力を示す三角組成図である。
【図3】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の磁化を示す三角組成図である。
【図4】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の実効透磁率を示す三角組成図である。
【図5】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金のキュリー温度を示す三角組成図である。
【図6】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の融点を示す三角組成図である。
【図7】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の結晶化開始温度を示す三角組成図である。
【図8】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金のガラス転移点を示す三角組成図である。
【図9】 Fe76-94Ti2-246-24なる範囲の各種組成の合金の(ガラス転移点/融点)の値を示す三角組成図である。

Claims (3)

  1. 下記組成式で表され、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが0K以上を有する軟磁性金属ガラス合金。
    Fe100−x−y Ti
    ただし、x及びyは、原子%で72≦100− x y ≦79≦ x ≦1114≦ y ≦22を満たす範囲である。
  2. 前記ΔTxが40K以上であり、x及びyは原子%で74≦100− x y ≦79、5≦ x ≦1114≦ y ≦17を満たす範囲であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性金属ガラス合金。
  3. 飽和磁束密度が0.70T以上、透磁率が13000以上であり、x及びyは、原子%で74 . 3≦100− x y ≦79 . 0、4 . ≦x≦10 . 3、14 . ≦ y ≦20 . を満たす範囲であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性金属ガラス合金。
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