JP3749053B2 - 補器の車体取付用ブラケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車に取り付けられるサンバイザーなどの如き補器をパネルに取り付けるための車体取付用ブラケットに関し、詳細にはネジを使用せずにワンタッチで補器をパネルに取り付け可能とする補器の車体取付用ブラケットを提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の運転席又は助手席のフロントウィンドー上端には、サンバイザーが設けられている。サンバイザーの種類によっては、例えばバイザーにバニティーミラーが設けられたものがあり、夜間でも使用できるようにランプを備えたものもある。
【0003】
かかるランプを備えたサンバイザー101は、例えば図11に示すように、当該サンバイザー101を車体に固定するためのブラケット102を固定シャフト103の先端に有し、そのブラケット102を、車体のインナーパネル104にネジ止めすることで固定される。
【0004】
以下に、サンバイザー101をインナーパネル104に固定する方法について説明する。先ず、図11及び図12に示すように、フロントウィンドー105上端のインナーパネル104に形成された孔部106より車内へワイヤハーネス107を引出し、その先端に設けられたコネクタ108に、前記ブラケット102より導出された電線109の先端に取り付けられたコネクタ110を結合させる。これらコネクタ108、110同士の結合作業は、熟練を要した作業者の手作業で行う。
【0005】
次に、結合したコネクタ108、110とワイヤハーネス107をインナーパネル104に形成した孔部106から前記インナーパネル104とアウターパネル111間の空間部112に収めながら前記サンバイザー101を取り付けて行く。すなわち、図13に示すように、コネクタ108、110とワイヤハーネス107を前記空間部112に収めながら前記ブラケット102に形成されたグロメットスクリュー113を、インナーパネル104に形成したブラケット取付孔114(図11参照)に挿入し、前記ブラケット102をインナーパネル104側へ押し込む。
【0006】
次に、図14に示すように、円筒形状をなすグロメットスクリュー113の中心孔にネジ115を挿入してネジ締めを行う。すると、図15及び図16に示すように、グロメットスクリュー113の先端部より高さ方向に形成されたスリット118より、前記グロメットスクリュー113の先端部が前記ネジ115によって押し広げられ、その押し広げられたグロメットスクリュー113の片部116、116が前記ブラケット取付孔114の開口周縁部に押圧されることにより、前記ブラケット102が前記インナーパネル104に固定される。
【0007】
そして、ネジ締めが終了したら、図14及び図16に示すように、ブラケット102のネジ115を隠すためのカバー117を、前記ブラケット102に装着する。このように作業行程を経ることで、前記サンバイザー101を前記インナーパネル104に固定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにしてサンバイザー101を固定してしまうと、コネクタ108、110が結合不完全な状態(半嵌合状態)で組み付けられてしまってもそれが判らない。また、自動車の走行による振動でコネクタ108、110が外れてしまってもサンバイザー101を取り外さない限り判らない。
【0009】
また、図16に示すように、三角形状のブラケット102の場合、カバー117の取付け向きが判り難く、取付け作業性の悪化、カバー117の装着向きを謝ってしまう等の虞れがある。これにより、カバー117ががたつき、異音を発することにもなる。
【0010】
そこで本発明は、上述の課題を解決するために提案されたものであり、コネクタの結合状態を目視により確認でき且つコネクタの結合不完全状態を無くすことができると共に、カバーの謝った向きでの組付けを防止し且つがたつきによる異音発生を防止できる補器の車体取付用ブラケットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、パネルに補器を固定する車体取付用ブラケットにおいて、第1のコネクタを有した第1のブラケットと、前記第1のブラケットに合体して前記第1のコネクタと結合する第2のコネクタを有すると共に、前記パネルに形成されたブラケット取付孔に挿通されて該パネルに係止される円筒状のグロメットスクリューと、前記補器を支持する固定シャフトの先端側部を保持するシャフト固定部とを有した第2のブラケットと、前記第1のブラケットが合体される側とは反対側の前記第2のブラケットに装着され、前記グロメットスクリューの中心孔に挿通されてその先端部を押し広げて前記ブラケット取付孔に係止させるグロメットスクリュー用突起を有したカバーとを備え、前記第1のブラケットには、ロック爪を有したロック片が形成されており、前記第2のブラケットには、前記ロック片を挿通させる孔部が形成され且つ前記ロック爪と係合する係合凸部を有したロックアームが前記孔部に臨むようにして撓み空間を持って形成されており、前記カバーには、前記撓み空間に挿入されて前記ロックアームを前記ロック片に押し付けるロック用突起が形成されており、前記ロック爪と前記係合凸部とが係合して前記第1のブラケットと前記第2のブラケットが合体されていることを特徴とする。
【0012】
この発明では、第1のコネクタを有した第1のブラケットに形成したロック片を、第2のコネクタを有した第2のブラケットに形成した孔部に挿通させて、前記ロック片に設けたロック爪を前記孔部に臨んで設けられたロックアームの係合凸部に係合させることで、第1のブラケットと第2のブラケットが合体されて前記第1のコネクタと前記第2のコネクタが結合される。このように、第1のブラケットと第2のブラケットを合体させることのみで、それぞれのブラケットに設けられた第1のコネクタと第2のコネクタを結合させることができる。
【0014】
また、本発明では、カバーに形成されたロック用突起を第2のブラケットに形成された撓み空間に挿入することで、前記ロック用突起により前記ロックアームがロック片側へ付勢されてロック爪と係合凸部との係合力がより一層高まり、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットの合体力が増す。
【0015】
また、本発明では、カバーを外さない限り、前記ロック爪と前記係合凸部との係合状態を解除することができないため、コネクタ外れによる接続不良が回避される。
【0016】
また、本発明では、前記ロック爪と前記係合凸部とが係合不良である場合は、前記ロックアームが前記ロック爪に押されて前記撓み空間が狭まるか或いは無くなるかして、前記カバーに形成されたロック用突起が前記撓み空間に入り込めず、第1のコネクタと第2のコネクタとが嵌合不良であることが判る。つまり、第1のコネクタと第2のコネクタの嵌合状態を検知することができる。また、カバーを取付けなくても、第2のブラケットに形成された孔部より前記ロック爪と前記係合凸部との係合状態が目視により確認でき、さらには、前記撓み空間の大小(大きさ)によってもその係合状態を目視により確認することができる。
【0017】
また、本発明では、ロック用突起を撓み空間に挿入して前記カバーを前記第2のブラケットに装着するため、カバーの向きが異なると前記第2のブラケットに装着できず、前記カバーの誤装着を防止することができる。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項記載の補器の車体取付用ブラケットにおいて、前記カバーには、前記第2のブラケットに係止される係合爪が形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明では、第2のブラケットに形成される係止爪をカバーに形成しているため、カバーが前記第2のブラケットに対して強固に装着され、前記カバーのがたつき及び振動による異音が発生しない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
本実施形態は、本発明を、例えば自動車の運転席又は助手席のフロントウィンドー上端に設けられるサンバイザー(補器)を車体(パネル)に固定するためのブラケットを、ワンタッチで簡単且つ確実に装着固定できるように構成した補器の車体取付用ブラケットに適用したものである。
【0022】
『車体取付用ブラケットの構造』
本実施形態における補器の車体取付用ブラケット1は、図1に示すように、車体のインナーパネル2にサンバイザー(図示は省略する)を固定するためのもので、前記サンバイザーを支持する固定シャフト3の先端に取り付けられる。かかる車体取付用ブラケット1は、第1のコネクタである雄コネクタ部4を有した第1のブラケットであるパネル側ブラケット5と、パネル側ブラケット5に合体して雄コネクタ部4と結合する第2のコネクタである雌コネクタ部6を有すると共に、インナーパネル2に形成されたブラケット取付孔7、7に挿通されて該インナーパネル2に係止される円筒状のグロメットスクリュー8、8を有した第2のブラケットであるバイザ側ブラケット9と、パネル側ブラケット5が合体される側とは反対側のバイザ側ブラケット9に装着されるカバー10とからなる。
【0023】
<バイザ側ブラケットの構成>
バイザ側ブラケット9は、図1に示すように、インナーパネル2に固定される内装材であるトリム11を挟んでパネル側ブラケット5とは反対側に設けられて前記インナーパネル2に固定される。かかるバイザ側ブラケット9には、図2及び図8に示すように、固定シャフト3の先端側部を保持するシャフト固定部12が形成されている。シャフト固定部12は、その中心に固定シャフト3を挿通させるシャフト固定用孔13を有した円筒体として形成されている。
【0024】
また、上記バイザ側ブラケット9には、図2及び図8に示すように、雌コネクタ部6を装着させるコネクタ装着部14が形成されている。かかるコネクタ装着部14は、シャフト固定部12の前方に雌コネクタ部6を装着させる凹部として形成され、該雌コネクタ部6をがたつきなく嵌合装着せしめる。このコネクタ装着部14には、雌コネクタ部6の雌コネクタハウジング15に形成されたロック係合用孔部16に入り込んで前記雌コネクタ部6をバイザ側ブラケット9に固定するコネクタ固定用ロック爪17、17が形成されている。
【0025】
また、上記バイザ側ブラケット9には、図1及び図8に示すように、インナーパネル2に形成されたブラケット取付孔7、7に挿通されて該インナーパネル2に形成されるグロメットスクリュー8、8が形成されている。グロメットスクリュー8、8は、後述するカバー10に形成されたグロメットスクリュー用突起18、18を挿通させる中心孔19を有した円筒体として形成されている。かかるグロメットスクリュー8、8は、先端から基端側に亘りその高さ方向に形成されたスリット20により、その円筒体を略三等分とした変位可能なスクリュー片部8a、8a、8aを有している。
【0026】
そして、上記グロメットスクリュー8、8の基端部には、上記パネル側ブラケット5を支えるためのブラケット支持部21、21が形成されている。ブラケット支持部21、21は、上記グロメットスクリュー8、8の直径よりも大きな円筒体として形成されており、該グロメットスクリュー8、8の基端部に一体化されている。このブラケット支持部21、21は、円環状をなす上端面にパネル側ブラケット5を載置させて、該パネル側ブラケット5を支持することになる。
【0027】
また、上記バイザ側ブラケット9には、図2及び図8に示すように、パネル側ブラケット5を合体させるための合体凹部22、22が形成されている。合体凹部22、22は、コネクタ装着部14の両脇に形成されており、後述するパネル側ブラケット5に形成された取付爪23、23を嵌合させて前記パネル側ブラケット5を前記バイザ側ブラケット9に位置決め合体させるようになす。
【0028】
また、上記バイザ側ブラケット9には、図2及び図8に示すように、インナーパネル2に形成されたコネクタ挿通用孔24よりインナーパネル2とアウターパネル間の空間部(図示は省略する)に臨んで前記インナーパネル2の内面に係止される引掛け爪部25、25が形成されている。
【0029】
また、上記バイザ側ブラケット9には、図3に示すように、後述するパネル側ブラケット5に形成されたロック爪26、26を先端に有したロック片27、27を挿通させる孔部28、28が形成されている。この孔部28、28には、前記ロック爪26、26と係合する係合凸部29、29を有したロックアーム30、30が設けられている。かかるロックアーム30、30は、パネル側ブラケット5を合体させる側を基端部としてカバー10が装着される裏面側へ垂下する舌片形状として形成されており、その自由端側を上記孔部28、28に臨ませるようにして当該バイザ側ブラケット9との間に撓み空間31を持って形成されている。
【0030】
上記バイザ側ブラケット9に取付けられる雌コネクタ部6は、図1及び図2に示すように、コネクタ装着部14に嵌合装着される雌コネクタハウジング15を有する。雌コネクタハウジング15には、サンバイザーに設けられたランプと接続されるリード線32、32の先端に設けられた端子33、33を収容する端子収容室34が形成されている。また、雌コネクタハウジング15には、バイザ側ブラケット9に形成されたコネクタ固定用ロック爪17、17を挿通係合させるロック係合用孔部16が形成されている。
【0031】
上記雌コネクタハウジング15には、ヒンジ部35、35を介して図2中矢印X方向に可動自在な電線保護部材36が設けられている。電線保護部材36は、固定シャフト3内を通してシャフト固定部12の先端より導出される電線32、32を覆って保護するキャップとして形成されており、該シャフト固定部12の先端に装着される。そして、上記電線保護部材36のヒンジ部35、35と連接するアーム部39、39は、固定シャフト3の先端から端子収容室34へと導出されるそれぞれの電線32、32を覆うようにして保護している。また、電線保護部材36には、上記雌コネクタハウジング15に設けられたキャップ止め突起37を挿通係合させて、図1に示す如くヒンジ部35を折曲げ部として該電線保護部材36を雌コネクタハウジング15に固定保持させる係合孔部38が形成されている。
【0032】
<パネル側ブラケットの構成>
パネル側ブラケット5は、図1及び図9に示すように、トリム11を挟んでバイザ側ブラケット9と合体して互いの雄コネクタ部4と雌コネクタ部6とを結合させる。かかるパネル側ブラケット5には、上記バイザ側ブラケット9に固定された雌コネクタ部6と結合する雄コネクタ部4が設けられている。雄コネクタ部4には、インナーパネル2とアウターパネル間の空間部に配索されたワイヤハーネスの先端に接続された端子(図示は省略する)を収容させる端子収容室40を有した雄コネクタハウジング41が形成されている。この雄コネクタハウジング41は、上記した雌コネクタ部6の雌コネクタハウジング15に挿入嵌合して、それぞれの端子を電気的に接触させる。
【0033】
また、上記パネル側ブラケット5には、バイザ側ブラケット9に形成された合体凹部22、22に嵌合して当該バイザ側ブラケット9と合体するための取付爪23、23を有している。取付爪23、23は、図1及び図9に示すように、略L字状をなす爪として形成され、トリム11に形成された開口部42よりバイザ側ブラケット9側へ臨むようになっている。
【0034】
また、上記パネル側ブラケット5には、前記開口部42を介してグロメットスクリュー8、8を遊嵌させる円形孔部43、43と、上記した電線保護部材36との接触を防止するための逃げ孔部44と、トリム11を係止するトリム係止爪部45とが形成されている。
【0035】
また、上記パネル側ブラケット5には、図3及び図9に示すように、先端にロック爪26、26を有したロック片27、27が形成されている。ロック片27、27は、バイザ側ブラケット9へと垂下する矩形状をなす舌片として形成され、該バイザ側ブラケット9に形成された孔部28、28に挿通されるようになっている。このロック片27、27の先端に形成されたロック爪26、26は、バイザ側ブラケット9に形成されたロックアーム30、30の係合凸部29、29と係合するようになされている。
【0036】
<カバーの構成>
カバー10は、図1に示すように、パネル側ブラケット5が合体される側とは反対側のバイザ側ブラケット9に装着され、当該バイザ側ブラケット9を覆うようになっている。このカバー10には、図1及び図10に示すように、バイザ側ブラケット9の外周縁部に係合して、当該バイザ側ブラケット9にカバー10を固定するための係合爪である組込用爪46が複数箇所に形成されている。
【0037】
また、上記カバー10には、固定シャフト3を挿通させるための切欠き部48が形成されている。切欠き部48は、カバー10の外側縁の一部からそのほぼ中心部に亘る位置までストレートに形成された切欠き溝として形成されている。また、上記カバー10には、上記バイザ側ブラケット9に形成された撓み空間31に挿入されて上記ロックアーム30、30を上記パネル側ブラケット5に形成されたロック片27、27に押し付けるロック用突起49、49が形成されている。
【0038】
上記ロック用突起49、49は、図3及び図10に示すように、矩形状をなす舌片として形成され、先端側に行くに従って互いの対向距離を広げるように垂線に対してθなる角度を有して形成されている。つまり、ロック用突起49、49は、カバー10の内面10aに対して垂直ではなく斜めに形成されている。このように形成されたロック用突起49、49を上記撓み空間31に嵌入すると、上記ロックアーム30、30がこのロック用突起49、49に押されて上記ロック片27、27側へ押し付けられて行くことになる。
【0039】
<サンバイザーの取付け方法>
以上のように構成された車体取付用ブラケット1を用いたサンバイザーの車体への取付けは、次のように行う。
【0040】
先ず、図1に示すように、パネル側ブラケット5をトリム11に装着する。すなわち、トリム11に形成された開口部42に取付爪23、23、雄コネクタハウジング41、ロック片27、27及びトリム係止爪部45を臨ませ、前記トリム係止爪部45を前記トリム11に引っ掛けて、前記パネル側ブラケット5を前記開口部42を覆うようにして装着する。そして、パネル側ブラケット5が装着されたトリム11をインナーパネル2に固定する。
【0041】
次に、固定シャフト3の先端に固定されたバイザ側ブラケット9を、トリム11を挟んで前記パネル側ブラケット5に合体させる。すなわち、トリム11に形成された開口部42にグロメットスクリュー8、8、電線保護部材36、雌コネクタ部6及び引掛け爪部25、25を臨ませ、前記取付爪23、23をバイザ側ブラケット9の合体凹部22、22に対応させて、前記バイザ側ブラケット9をパネル側ブラケット5側へ合体させて行く。
【0042】
なお、グロメットスクリュー8、8は、パネル側ブラケット5に形成された円形孔部43、43及びインナーパネル2に形成されたブラケット取付孔7、7に臨み、その先端部がインナーパネル2とアウターパネル間の空間部に突出する。また、電線保護部材36が、パネル側ブラケット5に形成された逃げ孔部44に臨む。
【0043】
上記バイザ側ブラケット9をパネル側ブラケット5に合体させて行くと、パネル側ブラケット5に形成されたロック片27、27が、上記バイザ側ブラケット9に形成された孔部28、28に挿入されて行くと共に、雌コネクタ部6の雌コネクタハウジング15に前記雄コネクタ部4の雄コネクタハウジング41が嵌合されて行く。そして、図4に示すように、バイザ側ブラケット9とパネル側ブラケット5とが合体すると、雄コネクタハウジング41と雌コネクタハウジング15が結合すると共に、ロック片27、27のロック爪26、26とロックアーム30、30の係合凸部29、29とが係合する。これらロック爪26、26と係合凸部29、29との係合により、パネル側ブラケット5とバイザ側ブラケット9との合体状態がロックされることになる。
【0044】
上記ロック爪26、26と上記係合凸部29、29との係合状態は、図4に示すように、バイザ側ブラケット9に形成された孔部28、28より目視により見ることができる。そのため、パネル側ブラケット5とバイザ側ブラケット9とが完全に合体されているか否か、または、雄コネクタハウジング41と雌コネクタハウジング15とが結合されているか否かを目視により観察することができ、コネクタの半嵌合状態をサンバイザー取付け完了前に検知することができる。
【0045】
上記ロック爪26、26と上記係合凸部29、29とが図4に示す如く正常に係合すると、雄コネクタハウジング41と雌コネクタハウジング15とが確実に結合し、且つ撓み空間31が所望の空間部を保持する。そうでない場合は、係合凸部29、29がロック爪26、26に押されて上記ロックアーム30、30が撓み、前記撓み空間31が狭くなるか或いは無くなり、雄コネクタハウジング41と雌コネクタハウジング15が不完全結合な半嵌合状態となる。
【0046】
次に、図4に示すように、カバー10をバイザ側ブラケット9に装着させる。すなわち、カバー10に形成したグロメットスクリュー用突起18、18を、図4及び図6に示すように、グロメットスクリュー8、8の中心孔19に挿通させる。すると、図7に示すように、グロメットスクリュー8、8の先端部が、グロメットスクリュー用突起18、18に押し広げられる。これにより、スクリュー片部8a、8a、8aの先端側が開き、当該スクリュー片部8a、8a、8aがブラケット取付孔7、7の開口周縁部に押圧される。その結果、車体取付用ブラケット1がインナーパネル2に固定される。
【0047】
また、カバー10に形成されたロック用突起49、49が、前記バイザ側ブラケット9の撓み空間31内に入り込む。すると、図5に示すように、上記ロック用突起49、49によって上記ロックアーム30、30がパネル側ブラケット5に形成されたロック片27、27側へと付勢せしめられ、上記ロック爪26、26と上記係合凸部29、29との係合状態がより一層確実なものとなる。
【0048】
このように、本実施形態の補器の車体取付用ブラケットによれば、カバー10をバイザ側ブラケット9に装着するワンタッチ作業で簡単且つ確実に車体取付用ブラケット1をインナーパネル2に固定することができる。また、ブラケット固定用のネジが不要となり且つそのネジ締め作業も不要となるため、部品点数及び作業工数の削減が図れる。また、ネジの斜め締めなどによるネジ締め不良も無くなるため、ネジと電線やコネクタとが接触してショートする事故を防止できる。さらに、ネジサイズ違いによるブラケットの破損も防止できる。
【0049】
また、本実施形態の補器の車体取付用ブラケットによれば、カバー10に形成されたロック用突起49、49をバイザ側ブラケット9に形成された撓み空間31に挿入することで、ロック爪26、26と係合凸部29、29との係合力がより一層高まり、パネル側ブラケット5とバイザ側ブラケット9との合体力が増し、ひいては雄コネクタ部4と雌コネクタ部6との結合が確実なものとなる。また、カバー10を外さない限り、ロック爪26、26と係合凸部29、29との係合状態を解除することができないため、コネクタ外れによる接続不良が回避される。
【0050】
また、本実施形態の補器の車体取付用ブラケットによれば、ロック爪26、26と係合凸部29、29とが係合不良である場合は、ロックアーム30、30がロック爪26、26に押されて撓み空間31が狭まるか或いは無くなるかして、前記カバー10に形成されたロック用突起49、49が前記撓み空間31に入り込めず、雌コネクタ部6と雄コネクタ部4とが嵌合不良であることが判る。つまり、雌コネクタ部6と雄コネクタ部4の嵌合状態を検知することができる。また、カバー10を取付けなくても、バイザ側ブラケット9に形成された孔部28、28より前記ロック爪26、26と前記係合凸部29、29との係合状態が目視により確認でき、さらには、前記撓み空間31の大小(大きさ)によってもその係合状態を目視により確認することができる。
【0051】
また、本実施形態の補器の車体取付用ブラケットによれば、ロック用突起49、49を撓み空間31に挿入して前記カバー10をバイザ側ブラケット9に装着するため、カバー10の向きが異なると前記バイザ側ブラケット9に装着できず、前記カバー10の誤装着を防止することができる。また、バイザ側ブラケット9に形成される組込用爪47をカバー10に形成しているため、カバー10が前記バイザ側ブラケット9に対して強固に装着され、前記カバー10のがたつき及び振動による異音が発生しない。
【0052】
以上、本発明を適用した具体的な一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
【0053】
上述の実施形態では、サンバイザーを補器としたが、本発明では、上記補器としてサンバイザーに制限されない。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0055】
請求項1記載の発明によれば、第1のコネクタを有した第1のブラケットに形成したロック片を、第2のコネクタを有した第2のブラケットに形成した孔部に挿通させて、前記ロック片に設けたロック爪を前記孔部に臨んで設けられたロックアームの係合凸部に係合させることで、第1のブラケットと第2のブラケットが合体されて前記第1のコネクタと前記第2のコネクタが結合される。このように、第1のブラケットと第2のブラケットを合体させることのみで、それぞれのブラケットに設けられた第1のコネクタと第2のコネクタを簡単且つ確実に結合させることができる。
【0056】
また、本発明によれば、カバーに形成されたロック用突起を第2のブラケットに形成された撓み空間に挿入することで、前記ロック用突起により前記ロックアームがロック片側へ付勢されてロック爪と係合凸部との係合力がより一層高まり、前記第1のブラケットと前記第2のブラケットとの合体力を増すことができる。
【0057】
また、本発明では、カバーを外さない限り、前記ロック爪と前記係合凸部との係合状態を解除することができないため、コネクタ外れによる接続不良を回避することができる。
【0058】
また、本発明では、前記ロック爪と前記係合凸部とが係合不良である場合は、前記ロックアームが前記ロック爪に押されて前記撓み空間が狭まるか或いは無くなるかして、前記カバーに形成されたロック用突起が前記撓み空間に入り込めず、第1のコネクタと第2のコネクタとが嵌合不良であることが判る。つまり、第1のコネクタと第2のコネクタの嵌合状態を検知することができる。また、カバーを取付けなくても、第2のブラケットに形成された孔部より前記ロック爪と前記係合凸部との係合状態が目視により確認でき、さらには、前記撓み空間の大小(大きさ)によってもその係合状態を目視により確認することができる。
【0059】
また、本発明では、ロック用突起を撓み空間に挿入して前記カバーを前記第2のブラケットに装着するため、カバーの向きが異なると前記第2のブラケットに装着できず、前記カバーの誤装着を防止することができる。
【0060】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明の効果に加えて、第2のブラケットに形成される係止爪をカバーに形成しているため、カバーが前記第2のブラケットに対して強固に装着され、前記カバーのがたつき及び振動による異音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における補器の車体取付用ブラケットの分解斜視図である。
【図2】第2のブラケットとこれに装着される第2のコネクタの分解斜視図である。
【図3】第1のブラケット、第2のブラケット及びカバーの断面図である。
【図4】第1のブラケットが合体した第2のブラケットにカバーを取り付ける前の状態を示す断面図である。
【図5】第1のブラケットが合体した第2のブラケットにカバーが取り付けられた状態を示す断面図である。
【図6】グロメットスクリューにグロメットスクリュー用突起を挿入させる前の状態を示す要部拡大断面図である。
【図7】グロメットスクリューにグロメットスクリュー用突起を挿入させた状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】第2のブラケットを示すもので、(a)は平面図、(b)はそのA−A線断面図、(c)はそのB−B線断面図である。
【図9】第1のブラケットを示すもので、(a)は平面図、(b)はその右側面図、(c)はそのC−C線断面図である。
【図10】カバーを示すもので、(a)は平面図、(b)はそのD−D線断面図、(c)はその横断面図である。
【図11】従来の車体取付用ブラケットを用いてサンバイザーを車体のパネルに固定する前の状態を示す斜視図である。
【図12】コネクタを手作業によって結合する様子を示す図である。
【図13】結合したコネクタをパネル内の空間部に収めた後にブラケットをインナーパネル側へ押し込む様子を示す断面図である。
【図14】ブラケットをネジでインナーパネルに固定する様子を示す断面図である。
【図15】グロメットスクリューを示すもので、(a)はネジ締め前の状態を示す要部拡大斜視図、(b)はネジ締め後の状態を示す要部拡大斜視図である。
【図16】ネジを隠すためのカバーを装着する前の状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 車体取付用ブラケット
2 インナーパネル
3 固定シャフト
4 雄コネクタ部(第1のコネクタ)
5 パネル側ブラケット(第1のブラケット)
6 雌コネクタ部(第2のコネクタ)
7 ブラケット取付孔
8 グロメットスクリュー
9 バイザ側ブラケット(第2のブラケット)
10 カバー
11 トリム
18 グロメットスクリュー用突起
26 ロック爪
27 ロック片
28 孔部
29 係合凸部
30 ロックアーム
31 撓み空間
49 ロック用突起

Claims (2)

  1. パネルに補器を固定する車体取付用ブラケットにおいて、
    第1のコネクタを有した第1のブラケットと、前記第1のブラケットに合体して前記第1のコネクタと結合する第2のコネクタを有すると共に、前記パネルに形成されたブラケット取付孔に挿通されて該パネルに係止される円筒状のグロメットスクリューと、前記補器を支持する固定シャフトの先端側部を保持するシャフト固定部とを有した第2のブラケットと、前記第1のブラケットが合体される側とは反対側の前記第2のブラケットに装着され、前記グロメットスクリューの中心孔に挿通されてその先端部を押し広げて前記ブラケット取付孔に係止させるグロメットスクリュー用突起を有したカバーとを備え、
    前記第1のブラケットには、ロック爪を有したロック片が形成されており、前記第2のブラケットには、前記ロック片を挿通させる孔部が形成され且つ前記ロック爪と係合する係合凸部を有したロックアームが前記孔部に臨むようにして撓み空間を持って形成されており、前記カバーには、前記撓み空間に挿入されて前記ロックアームを前記ロック片に押し付けるロック用突起が形成されており、前記ロック爪と前記係合凸部とが係合して前記第1のブラケットと前記第2のブラケットが合体されている
    ことを特徴とする補器の車体取付用ブラケット。
  2. 前記カバーには、前記第2のブラケットに係止される係合爪が形成されていることを特徴とする請求項記載の補器の車体取付用ブラケット。
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