JP3748764B2 - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被帯電体に対して微小ギャップをあけて対向配置された帯電部材と、その帯電部材に対して電圧を印加する電源装置とを有する帯電装置と、その帯電装置を有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
帯電部材に電圧を印加し、その帯電部材と被帯電体との間のギャップに放電を生ぜしめることにより被帯電体を帯電させる上記形式の帯電装置は従来より公知である(例えば特開平3−240076号公報)。この形式の帯電装置によると、オゾンの発生を効果的に抑えることができ、しかも帯電部材と被帯電体が互いに離間しているので、帯電部材に含まれている物質が被帯電体の表面に付着して帯電むらを起こす不具合を阻止することができる。
【0003】
上述の帯電装置は、各種技術分野において広く利用できるものであるが、図10は、その一例として、画像形成装置に採用された帯電装置を示す。ここに例示した帯電装置1は、回転自在に支持された帯電ローラより成る帯電部材2と、その帯電部材2に電圧を印加する電源装置3とを有し、帯電部材2は、被帯電体の一例であるドラム状の像担持体5に対して微小ギャップGをあけて対置され、像担持体5と帯電部材2はそれぞれ矢印方向に回転する。ここに例示した像担持体5は、導電性の基体6の表面に感光層7を積層した感光体より成り、帯電部材2は、導電性の芯金8の外周面に弾性層9を積層し、その弾性層9の外周面に高抵抗層10を積層したローラより成る。
【0004】
帯電部材2の芯金8に対し、電源装置3から所定の電圧が印加され、これにより帯電部材2と像担持体5の間に生じる放電に伴って、像担持体表面が所定の極性に帯電される。この電圧印加方式として、従来より、帯電部材2に対し定電圧制御された直流電圧を印加するDC印加方式と、帯電部材2に対して直流定電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するAC印加方式の2つの方式が知られている。以下、そのそれぞれの印加方式の概略と、その欠点を明らかにする。
【0005】
先ず、DC印加方式を採用して、帯電部材2に対し、プラス又はマイナスの直流電圧を印加し、その印加電圧の絶対値を徐々に高めていくと、図11に示すように、或る電圧値V1から像担持体表面の帯電が開始され、それ以降は印加電圧値と像担持体表面の帯電電位は比例する。従って、像担持体表面を例えば−750Vに帯電させる場合には、定電圧制御されたV2の直流定電圧を帯電部材2に印加すればよい。
【0006】
ところが、帯電部材2と像担持体5のわずかな偏心や、その作動時に発生する振動などによって、帯電部材2と像担持体5との間のギャップGは変動する。従って、帯電部材2に直流定電圧を印加した場合、そのギャップGの変動に伴って、帯電後の像担持体の表面電位が大きく変化する。図12は、ギャップGがそれぞれG1,G2及びG3であるときの印加電圧値と像担持体5の表面電位の関係を示す説明図である。各ギャップの大小は、G1>G2>G3である。この図から判るように、例えば、像担持体表面を−750Vに帯電させるべく、帯電部材2にV2の直流定電圧を印加したとしても、ギャップGがG1からG3の範囲で変動した場合、像担持体表面の実際の表面電位は、ΔVで示す範囲で変化し、像担持体表面を一定の値に帯電させることはできない。従って、帯電後の像担持体表面を露光して静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を形成したとき、そのトナー像に著しい濃度むらが発生する。このようにDC印加方式には決定的な欠点があり、特に画像形成装置の帯電装置にこの方式を採用することは不適当である。
【0007】
一方、従来のAC印加方式は、定電圧制御された直流電圧に、定電流制御された交流電圧を帯電部材2に印加するものである。図13は、このAC印加方式を採用した場合、像担持体5と帯電部材2との間のギャップGが、G1、G2、G3と変化したときに、帯電部材2に供給される電流値に対して、像担持体表面の帯電電位がいかに変化するかを示した説明図である。ここでは、G1は80μm、G2は60μm、G3は40μmであり、帯電部材2に印加する交流電圧の周波数は一定である。また図13の横軸は、帯電部材2に供給される交流の電流値(実効値)であり、直流成分の電流値は含まれていない。但し、直流成分の電流値は、交流成分の電流値に比べて極めて低く、従って直流成分の電流値を含めた値と像担持体表面の帯電電位の関係も、実質的に図13に示したところと変りはない。本明細書における「電流」又は「電流値」なる文言は、特に、ことわりのない限り、帯電部材に印加される交流の電流又はその電流値を意味するものとする。
【0008】
図13から判るように、ギャップGがいかに変動しても、帯電部材2に供給される電流値と像担持体表面の帯電電位の関係はほぼ一定となり、その電流値がI0以上になると、像担持体表面の帯電電位はほぼ一定の値に維持され、その値は、帯電部材2に印加した直流定電圧(図の例では−750V)の値にほぼ一致する。帯電部材2に印加する直流定電圧の値が、0Vを含めたいかなるときも、帯電部材2に供給される電流値がI0となったとき、像担持体表面の帯電電位はほぼ一定の値に保たれる。これは、環境が変化したときも同様である。従って、帯電部材にI0以上の定電流を供給することによって、帯電後の像担持体の表面電位を一定に保ち、濃度むらのない高品質な画像を形成することが可能となる。
【0009】
上述したように、特に画像形成装置においては、AC印加方式を採用することが有利である。ところが、本発明者が従来のAC印加方式を詳細に検討したところ、この方式にも次に説明する重大な欠点のあることが明らかとなった。
【0010】
従来のAC印加方式は、帯電部材2と像担持体5との間のギャップGが変動しても、帯電部材2に常に一定の電流が供給されるように、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値をそのギャップGの変動に対応させて変化させる制御方式である。従って、理想的な定電流制御を行うことができれば、その定電流値をI0以上に設定することによって、帯電後の像担持体の表面電位を常に一定に保つことができる。
【0011】
ところが、従来一般に使用されている電源装置3の場合、ギャップGの変動に追従して、そのギャップGの大きさに対応した値の電圧を出力するとき、或る応答時間が必要とされるため、その出力のタイミングがギャップGの変動に追いつかず、或る瞬間のギャップGの大きさがG1であったとしたとき、帯電部材2に例えばI0の定電流を供給すべく、そのギャップG1に適したピーク間電圧を帯電部材2に印加した時、ギャップGの大きさは既にG1以外の大きさに変化していて、そのギャップGの大きさに見合っていないピーク間電圧が帯電部材2に印加されることになる。これにより、帯電部材2に過多な電圧が印加されたときには像担持体表面の電位が高くなりすぎ、逆に帯電部材2に過少の電圧が印加されたときは、像担持体表面の電位が低くなってしまい、その表面電位にむらができることになる。かかる像担持体表面を露光して静電潜像を形成し、これをトナー像として可視像化すれば、特にそのハーフトーン画像に濃度むらが発生し、その濃度むらが横すじ模様として現われ、その画質が劣化する欠点を免れない。
【0012】
被帯電体表面に帯電むらが発生する上述の欠点は、帯電装置を画像形成装置以外の装置に採用したときも同様に発生し得るものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した新規な認識に基づきなされたものであり、その第1の目的は、上述した従来の欠点を効果的に抑制することのできる帯電装置を提供することである。
【0015】
また、本発明の第2の目的は、上述の帯電装置を有する画像形成装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記第1の目的を達成するため、被帯電体に対して微小ギャップをあけて対向配置された帯電部材と、該帯電部材に対して、定電圧制御された直流電圧に、ピーク間電圧が定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧を印加する電源装置と、変動するギャップの大きさを検知するギャップ検知手段とを具備し、前記ギャップ検知手段により検知された最大ギャップの大きさに対応したピーク間電圧を前記帯電部材に印加することを特徴とする帯電装置を提案する(請求項1)。
【0022】
また、上記請求項1に記載の帯電装置において、定電圧制御される前記ピーク間電圧の値は、前記ギャップ検知手段により検知されたギャップの大きさが最大のときに被帯電体の表面電位がほぼ一定となるピーク間電圧値のうちの最小の電圧値に設定されると有利である(請求項2)。
【0023】
さらに、本発明は、上記第1の目的を達成するため、被帯電体に対して微小ギャップをあけて対向配置された帯電部材と、該帯電部材に対して、定電圧制御された直流電圧に、ピーク間電圧が定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧を印加する電源装置とを具備し、定電流制御された交流電圧を前記帯電部材に印加し、被帯電体の表面電位がほぼ一定の値に飽和したときに前記帯電部材に供給される電流の値を飽和電流値としたとき、前記帯電部材に対し、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加し、このとき帯電部材に供給される電流の値が前記飽和電流値となったときのピーク間電圧値を、帯電部材に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすると共に、前記帯電部材と前記被帯電体が、互いに同期して回転する回転体より成り、帯電部材に対し、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加して該帯電部材に供給される電流値を検出するとき、その1回の検出につき、帯電部材と被帯電体の周長の最小公倍数に相当する距離、帯電部材と被帯電体を回転させることを特徴とする帯電装置を提案する(請求項3)。
【0036】
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置において、前記帯電部材が、被帯電体に対向して回転する帯電ローラより成ると有利である(請求項4)。
【0038】
また、本発明は、上記第2の目的を達成するため、請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電装置と、像担持体より成る被帯電体を有することを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項5)。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0040】
図1は画像形成装置の一例を示す概略図であり、この画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成されるものである。画像形成装置本体内には、被帯電体の一例であるドラム状の像担持体5が配置され、ここに示した像担持体5も、図10に示したものと同様に、ドラム状の基体6の外周面に感光層7が積層された感光体より成る。この像担持体5には、帯電ローラとして構成された帯電部材2が、微小ギャップGをあけて対向配置されている。この帯電部材2も、図10に示した帯電部材と同じく、導電性の芯金8と、その外周面に積層されたゴムなどから成る弾性層9より成る外層と、その外周面に積層された高抵抗層10より成る。弾性層9の代りに、例えば樹脂より成る硬質の外層を用いることもでき、また高抵抗層10を省略することもできる。いずれの場合も外層は中抵抗の導電性材料より成ることが好ましい。
【0041】
帯電部材2は図2に示すように、像担持体5に対して平行に延び、その各長手方向端部には、絶縁性材料より成るスペーサ11が固定されている。ここに示したスペーサ11は、樹脂製のフィルムとその一方の面に塗布された粘着剤とから成り、そのフィルムが帯電部材2の外周面に1周分巻き付けられ、粘着剤によって帯電部材2に接着されている。かかるフィルムの外周面が像担持体5の周面に圧接し、帯電部材2と像担持体5との間にギャップGが形成される。粘着剤とフィルムの合計の厚さは例えば60μmである。
【0042】
画像形成動作時に、像担持体5は図1における時計方向に回転駆動され、このときスペーサ11を介して像担持体表面に圧接した帯電部材2は、像担持体5の回転に従動して回転する。帯電部材2を図示していない駆動装置によって、矢印方向に回転駆動するように構成することもできる。
【0043】
像担持体5と帯電部材2が回転するとき、その帯電部材2の芯金8には、電源装置3によって後述する電圧が印加され、これによって帯電部材2と像担持体5との間に放電が生ぜしめられ、これによって像担持体表面が所定の極性に帯電される。この例では、像担持体表面がほぼ−750Vに帯電されるものとする。図1に符号4で示すものは、電源装置3を制御する制御手段としてのCPUである。
【0044】
上述のように、帯電装置1は、被帯電体の一例である像担持体5に対して微小ギャップGをあけて対向配置された帯電部材2と、CPU4より成る制御手段により制御されて、帯電部材2に対して電圧を印加する電源装置3とを有し、電源装置3から帯電部材2に電圧を印加することにより被帯電体を帯電するように構成されている。
【0045】
帯電装置1によって帯電された像担持体表面には、露光装置の一例であるレーザ書き込みユニット12から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって像担持体表面に静電潜像が形成される。レーザ光Lが照射されて表面電位の絶対値が低下した部分が静電潜像、すなわち画像部となり、レーザ光が照射されずに表面電位がほぼ帯電電位に保たれた部分が地肌部となる。次いで、この静電潜像は、現像装置27を通るとき、マイナスに帯電されたトナーによって、トナー像として可視像化される。
【0046】
一方、像担持体5に対置された転写装置の一例である転写ローラ13と像担持体5との間に、所定のタイミングで転写材Pが給送され、このとき像担持体上に形成されたトナー像が転写材P上に静電的に転写される。トナー像を転写された転写材Pは、引き続き図示していない定着装置を通り、このとき熱と圧力の作用によってトナー像が転写材上に定着される。転写材に転写されずに像担持体表面に残された転写残トナーは、クリーニング装置14によって除去される。
【0047】
図1に示した各要素を画像形成装置本体にそれぞれ別個に組み付けてもよいが、図示した例では、帯電装置1の帯電部材2と、像担持体5より成る被帯電体の少なくとも2つが一体的に組み付けられて像担持体ユニットが構成され、そのユニットが画像形成装置本体に着脱可能に装着されている。
【0048】
また、図2に示すように、芯金8の長手方向各端部は、軸受16に回転自在に支持され、その各軸受16は、像担持体ユニットのユニットケース17の各側板17Aに形成された開口18に、像担持体5に対して接近又は離隔自在に嵌合し、圧縮ばね19によって像担持体5の側に向けて加圧されている。
【0049】
ここで、帯電部材2と像担持体5との間のギャップGは、その帯電部材2と像担持体5の偏心や、その作動時の振動などによって周期的又はランダムに変動する。これにより従来の帯電装置においては、前述のように、像担持体上に形成されたトナー像に濃度むらが発生する欠点を免れなかった。
【0050】
そこで、本例の帯電装置1においては、電源装置3により、帯電部材2に対して、定電圧制御された直流電圧に、ピーク間電圧が定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧が印加されるように構成されている。かかる構成により、ギャップGが変動しても、帯電後の像担持体5の表面電位をほぼ一定に保つことができる。その理由を図3に基づいて説明する。
【0051】
図3は、−750Vの直流定電圧と、ピーク間電圧Vppが定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧を帯電部材2の芯金8に印加して、像担持体表面を帯電したときの、そのピーク間電圧Vppと像担持体の表面電位との関係の一例を示す説明図である。各線X1,X2,X3及びX4は、ギャップGがそれぞれ80μm、60μm、40μm及び0のときの関係を示している。交流電圧の周波数は一定である。
【0052】
図3から判るように、ギャップGがいかなるときも、交流のピーク間電圧Vppが或る値以上となると、像担持体の表面電位はほぼ一定の値を示し、その値は帯電部材2に印加した直流定電圧(図の例では−750V)にほぼ一致している。すなわち、ギャップGが80μmのときは、ピーク間電圧がVp1以上となると像担持体の表面電位はほぼ−750Vの一定の値となり、同様にギャップGがそれぞれ60μm、40μm、0のときは、ピーク間電圧がそれぞれVp2、Vp3、Vp4以上となると、像担持体の表面電位は、全てほぼ−750Vの一定の値となる。
【0053】
一方、帯電部材2を像担持体表面から離間させるスペーサ11の厚みは予め判っているので、ギャップGが変動するとしても、その最大ギャップの大きさは、実験等により予め把握することができる。そこで、或る型式の画像形成装置では、その像担持体5と帯電部材2が回転したときの最大のギャップGが、例えば80μmであった場合には、直流定電圧に、Vp1以上の定電圧制御されたピーク間電圧値の交流電圧を重畳した電圧を帯電部材2に印加する。最大のギャップGが60μmであったときは、Vp2以上の定電圧制御されたピーク間電圧を持つ交流電圧を、また最大のギャップGが40μmであったときは、Vp3以上の定電圧制御されたピーク間電圧の交流電圧を直流定電圧と共に帯電部材2に印加するのである。このようにすれば、その各画像形成装置の作動時に、ギャップGがいかなる大きさになったときも、像担持体表面をほぼ一定の電位(図3の例ではほぼ−750V)に帯電させることができる。しかも、帯電部材2に印加する交流電圧を定電流制御するのではなく、定電圧制御するので、定電流制御の場合にみられたハーフトーン画像の濃度むら、すなわち横すじ模様が現われる不具合を防止できる。このように、定電圧制御されるピーク間電圧の値を、ギャップGの大きさがいかなるときも、被帯電体の表面電位がほぼ一定となる値に設定することにより、従来のDC印加方式やAC印加方式の場合に発生していた欠点を全て除去することができる。
【0054】
ところで、本例のAC印加方式の場合、像担持体の表面電位をほぼ一定の値に帯電させることのできるピーク間電圧を帯電部材2に印加すればよいのであるから、例えば図3にVp5で示した大きな電圧を印加してもよい。このようにすれば、最大ギャップが40μmであるときも、またこれよりも大きい60μmであるときも、さらにはその最大ギャップが80μmであるときも上述の効果を奏することができる。しかも帯電部材2に印加するピーク間電圧値を簡単に設定することができる。
【0055】
ところが、ピーク間電圧値が大きくなりすぎると、像担持体5が疲労しやすくなる。例えば、最大ギャップが80μmであったとき、帯電部材2に対しVp5のピーク間電圧を印加したとすると、特に、回転する像担持体5と帯電部材2との間のギャップGが最小となった時、帯電部材2に印加される電圧値が過剰となり、帯電部材2と像担持体5との間に形成される電界の強さが強くなりすぎて像担持体の疲労が促進され、その寿命が短められる。しかも像担持体表面にトナーフィルミングが形成されやすくなり、これによって異常画像が発生するおそれもある。
【0056】
そこで、定電圧制御されたピーク間電圧の値を、ギャップGの大きさがいかなるときも、被帯電体たる像担持体の表面電位がほぼ一定となるピーク間電圧値のうちの最小の電圧値に設定することが好ましい。例えば、図3において最大ギャップGが80μmであるときは、ピーク間電圧値をVp1に設定し、また60μmのときはVp2に、40μmのときはVp3にそれぞれ設定するのである。このようにすれば、回転する像担持体5と帯電部材2の間のギャップGが最小になったときも、帯電部材2に過剰な電圧が印加されることはなく、上述した不具合の発生を阻止することができる。
【0057】
ところで、ギャップGは各種の要因で変動するものであり、その1つに、帯電部材2の温度、又はその近傍の湿度を挙げることができる。帯電部材2の温度が高くなると、その帯電部材2の弾性層9がゴムにより構成されている場合、その弾性層9が軟化し、フィルムより成るスペーサ11がその弾性層9にくい込む。この結果、ギャップGが狭くなる。温度が低下すれば、逆にギャップGは広くなる。また帯電部材2の近傍の湿度が上昇すると、帯電部材2の径がわずかではあるが大きくなり、これによってギャップGが狭くなり、逆に湿度が低下するとギャップGは広くなる。
【0058】
また、本発明者による各種の検討の結果、帯電部材2のまわりの雰囲気が高温高湿環境となると、帯電部材2の弾性層9の抵抗値が変化するため、図3に示した各線X1,X2,X3,X4がこの図における左方にシフトした状態となり、逆に低温低湿環境下では、右方にシフトした状態となる。
【0059】
従って、帯電部材2に印加するピーク間電圧値を前述のように設定しただけであると、温湿度の変化により、そのピーク間電圧値が適正な値からずれてしまうおそれがある。例えば、或る型式の画像形成装置の最大ギャップGが40μmであることが実験により確認され、これに対応してピーク間電圧値をVp3に設定した場合、画像形成装置本体内の温湿度が大きく低下すると、最大ギャップGは40μmよりも広くなり、しかも帯電部材2の抵抗値が変化するので、ピーク間電圧値が不足し、像担持体表面の帯電不足が発生する。
【0060】
そこで、画像形成装置本体内の適所、例えば帯電部材2の近傍に、帯電部材2の温度と、その帯電部材2の近傍の湿度のうちの少なくとも一方を検知するセンサ15(図1)より成る環境検知手段を設け、その検知結果に応じて、帯電部材2に印加するピーク間電圧の値を変更するように構成することが好ましい。このようにすれば、温湿度がいかに変化しても、常に適正なピーク間電圧を帯電部材2に印加し、像担持体表面の帯電不足の発生を阻止し、また帯電部材2に過剰な電圧が印加される不具合も防止できる。環境検知手段として、帯電部材2の外周面に当接するサーミスタなどを用いることもできる。また、温度検知センサと湿度検知センサを別々に設け、これらのセンサによって環境検知手段を構成してもよい。
【0061】
また画像形成装置本体内の温湿度だけでなく、帯電装置の構成要素の経年変化によってもギャップGが変動する。図2に示した帯電部材2の場合は、そのスペーサ11が像担持体表面に圧接した状態で帯電部材2が回転するので、スペーサ11は経時的に摩耗し、ギャップGが徐々に狭くなる。これによっても、ピーク間電圧値が適正な値からずれるおそれがある。これに対処するため、帯電部材2が使用された時間に応じて、ピーク間電圧の値を変更するように構成することが好ましい。例えば、画像形成回数をカウントし、そのカウント値が或る値に達する毎に、帯電部材2に印加するピーク間電圧の値を小さくする。これにより、スペーサ11が経年変化しても、適正な値のピーク間電圧を帯電部材2に印加することができる。
【0062】
また、前述のように、帯電部材2と像担持体5との間の最大ギャップを予め実験的に確認し、その値に応じたピーク間電圧値を設定することができるが、回転する帯電部材2と像担持体5の間の変動するギャップGの大きさを検知するギャップ検知手段を設け、その検知結果に基づいて、ピーク間電圧の値を設定するように構成することもできる。例えば、図4に示すように、帯電部材2と像担持体5の間のギャップGを挟んで、発光部20と受光部21を対置させ、発光部20から出射し、ギャップGを通過した光を受光部21にて受光し、このときの受光量によって、最大ギャップGを検知する。そして、その最大ギャップGの大きさに対応したピーク間電圧値を帯電部材2に印加する。検知された最大ギャップGが例えば60μmであったときは、帯電部材2に印加するピーク間電圧の値をVp2以上に設定するのである。
【0063】
上述したギャップGの検知を、画像形成時、又は非画像形成時の適時に実行し、その検知結果に基づいて、その都度、ピーク間電圧値を設定すれば、温湿度の変化や経年変化により最大ギャップGが変化しも、常に適正な値のピーク間電圧を帯電部材2に印加することが可能となる。従って、抵抗値の環境変動が少ない材料で帯電部材2が構成されていれば、環境検知手段の検知結果や、帯電部材2の使用時間の検知結果に基づいて、帯電部材2に印加するピーク間電圧値を設定する必要はない。
【0064】
この場合も、定電圧制御されるピーク間電圧の値を、ギャップ検知手段により検知されたギャップGの大きさが最大のときに被帯電体、この例では像担持体の表面電位がほぼ一定となるピーク間電圧値のうちの最小の電圧値に設定することが好ましい。検知された最大ギャップGが例えば60μmであったときは、帯電部材2に印加するピーク間電圧の値をVp2に設定するのである。これにより、帯電部材2に過剰な電圧が印加されて、像担持体の劣化が促進されるような不具合を防止できる。
【0065】
また、帯電部材2に印加するピーク間電圧値を次のように設定することもできる。
【0066】
図13を参照して先に説明したように、従来のAC印加方式を採用した場合、帯電部材2に供給される定電流値がI0以上であれば、ギャップGがいかなるときも像担持体表面をほぼ一定の値(図13の例では−750V)に維持することができる。電流値がI0以上であると、像担持体表面の電位が飽和するのである。そこで、定電流制御された交流電圧を帯電部材2に印加し、被帯電体(この例では像担持体)の表面電位がほぼ一定の値に飽和したときに、帯電部材2に供給される電流の値、すなわちI0以上の電流値を飽和電流値ISと称することにすると、この飽和電流値ISを予め実験的に求め、その値を記憶しておく。
【0067】
一方、画像形成装置のウォームアップ時、或いは画像形成終了後などの非画像形成時に、帯電部材2に対して、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加する。このときの電圧印加を予備印加と称することにすると、その予備印加時に帯電部材2に供給される電流の値が前述の飽和電流値ISとなったときのピーク間電圧値を検出する。そして、画像形成動作時に、前述の定電圧(本例では−750V)に、上述の如く検出されたピーク間電圧値を重畳した定電圧を帯電部材2に印加して、像担持体表面を帯電する。検出されたピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とするのである。
【0068】
より具体的に示すと、例えば画像形成動作が開始される前のウォームアップ時に、電源装置3から帯電部材2に対して、或るピーク間電圧値VR1の交流電圧を印加して像担持体5を少なくとも1回転させ、帯電部材2を連れ回りさせる。このとき、CPU4において、帯電部材2に供給された電流値IR1が飽和電流値ISの範囲に入っているかを判定し、電流値IR1が飽和電流値ISに達していない場合は、電流値IR1が過少であるので、電源装置3からの出力されるピーク間電圧値を上げてこれをVR2とし、上述したところと全く同様にして、そのVR2のピーク間電圧を帯電部材2に印加し、このとき帯電部材2に供給される電流値IR2での判定を行う。
【0069】
上述した動作を繰り返し実行することにより、帯電部材2に供給される電流値が飽和電流値ISとなったときのピーク間電圧値を見い出すことができる。そこで、画像形成動作時に、前述の定電圧(本例では−750V)に、このピーク間電圧値の交流電圧を重畳した電圧を帯電部材2に印加して、像担持体表面を帯電させる。このようにすれば、環境が変化したり、スペーサ11の摩耗が進んだときも、帯電部材2に対して、必ず飽和電流値ISの電流、換言すれば像担持体表面を所定の電位(本例では−750V)に帯電させることのできる値のピーク間電圧を帯電部材2に印加することができる。この印加電圧設定方法を採用すると、環境検知手段やギャップ検知手段の検知結果、或いは帯電部材2の使用時間の検知結果に基づいて帯電部材2に印加するピーク間電圧値を設定する必要がなくなり、画像形成装置の構成を簡素化することができる。
【0070】
また、この印加電圧設定方法を採用する場合も、その予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の値が、飽和電流値ISのうちの最小の値I0となったとき、又はその最小の値I0に最も近くなったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすることが望ましい。
【0071】
先の具体例に即して説明すると、予備印加時に、帯電部材2に対して、ピーク間電圧値VR1の交流電圧を印加して像担持体5を少なくとも1回転させ、帯電装置2を連れ回りさせる。このとき、CPU4において、帯電部材2に供給された電流値IR1と飽和電流値のうちの最小の電流値I0とを比較し、IR1<I0であれば、電源装置3から出力されるピーク間電圧値を上げてこれをVR2とする。次いで、このピーク間電圧値VR2の交流電圧を帯電部材2に印加し、このとき帯電部材2に供給される電流値IR2と、基準となる最小の電流値I0とを比較する。逆にIR1>I0であったときは、電源装置3からの出力ピーク間電圧値を下げてVR3とし、このピーク間電圧値VR3の交流電圧を帯電部材2に印加し、このとき帯電部材2に供給される電流IR3と最小の値I0とを比較する。この動作を繰り返すことにより、帯電部材2に供給される電流値が飽和電流値ISのうちの最小の値I0となったとき、又はその最小の値I0に最も近くなったときのピーク間電圧値を検出できる。そして、定電圧(例えば−750V)に、その検出された値のピーク間電圧を持つ交流電圧を重畳した電圧を帯電部材2に印加して像担持体を帯電するのである。このようにすれば、像担持体5の帯電時に、帯電部材2に過剰な電圧が印加されて像担持体の劣化が促進される不具合を防止できる。
【0072】
ところで、上述のように、最小の値I0を基準にして印加電圧値を設定する際、その予備印加時の様子を詳細に検討すると、このとき像担持体5と帯電部材2は共に回転しているので、その間のギャップGは時々刻々変動している。従って、予備印加時に、帯電部材2にピーク間電圧値VR1,VR2…の各交流電圧を印加したとき、帯電部材2に供給される電流値は、ギャップGの変動に伴って、図5に示すように変化する。従って、このように変化する電流のうちのどの電流値を飽和電流値ISの最小の値I0と比較するかが問題となる。
【0073】
先ず、一番確実な方法は、前述の予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の最小値Iminと、基準となる電流値I0とを比較し、その最小値Iminが飽和電流値のうちの最小の値I0に最も近く、かつその最小の値I0以上になったときのピーク間電圧値を検出する。そして、画像形成動作時に、直流電圧(−750V)に、検出したピーク間電圧の交流電圧を重畳した電圧を帯電部材2に印加して像担持体5を帯電すれば、像担持体表面の電圧が所定の値(−750V)よりも低くなることを防止できる。従ってこれが一番確実な方法であると言える。
【0074】
帯電部材2を流れる電流が最小値Iminであるとき、ギャップGは最大となっており、このときの最小値Iminが、基準となる電流値I0に一致したときのピーク間電圧値、又はその電流値I0以上であって、その値I0に最も近くなったときのピーク間電圧値を、直流電圧と共に帯電部材2に印加して像担持体5を帯電すれば、回転中の像担持体5と帯電部材2の間のギャップGの大きさがいかなる値になったときも、必ず、像担持体の表面電位が所定値(−750V)となる値のピーク間電圧を帯電部材2に印加することができる。例えば、ギャップGの最大値が80μmである場合、そのギャップGが80μmとなった時点で、帯電部材2に供給される電流値は最小値Iminとなるので、このときの最小電流値Iminが基準となる電流値I0となったときのピーク間電圧値を帯電部材2に印加すれば、帯電部材2には必ずVp1以上の値のピーク間電圧が印加されることになり、像担持体表面の帯電不足が発生するおそれはない。
【0075】
上述のように、予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の最小値Iminが、飽和電流値ISのうちの最小の値I0に最も近く、かつその最小の値I0以上になったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすることにより、像担持体表面の帯電不足を防止でき、しかも帯電部材に過多な電圧を印加される不具合も防止できる。
【0076】
ところが、図5に鎖線で示すように、予備印加時に何らかの異常が発生し、帯電部材2に異常に低い電流が流れることがあり、このような場合、その異常電流の最小値と基準となる電流値I0とを比較したとすれば、適正なピーク間電圧値を検出することはできない。
【0077】
従って、予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の異常電流値を除いた最小の電流値Iminが、飽和電流値ISのうちの最小の値I0に最も近く、かつその最小の値I0以上になったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすることが望ましい。例えば、帯電部材2に流れる電流の値が、その最大値Imax×0.7以下となったときは、これを異常電流であると判定し、その異常電流値を除いた電流の最小値Iminと基準となる電流値I0とを比較するのである。これにより、より適正なピーク間電圧値を設定することが可能となる。
【0078】
また、上述の方法に代え、予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の平均値Iavが、飽和電流値ISのうちの最小の値I0に所定の値αを付加した基準電流値に最も近くなったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすることもできる。付加する値αの大きさは、予め、この制御方式を行った場合の電位特性を調べておくことにより実験的に求められる。この方法によると、適正なピーク間電圧値を厳格に正しく設定することは困難であり、例えば像担持体の帯電時に、ギャップGが80μmであった時、帯電部材2に印加されるピーク間電圧値が適正な値Vp1よりも多少高くなり、又は低くなることもあり得るが、実際上、これは、画質に影響を与えるような値ではない。平均値Iavに基づいてピーク間電圧値を設定する方法は、前述の最小値Iminに基づいてピーク間電圧値を設定する方法よりも、制御が簡単で実用的である。
【0079】
上述の最小値Imin、或いは異常電流値を除いた最小値Iminを、基準となる電流値I0と比較する方法は、前述のように、予備印加時に、帯電部材2に供給される電流値が飽和電流値ISとなったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とする電圧設定方法にも採用できる。すなわち、予備印加的に、帯電部材2に供給される電流の最小値Iminが、飽和電流値となったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とし、或いは予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の異常電流値を除いた最小の電流値Iminが、飽和電流値ISとなったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とするのである。
【0080】
或いは、予備印加時に、帯電部材2に供給される電流の平均値が、飽和電流値ISのうちの最小の値I0に所定の値αを付加した基準電流値以上になったときのピーク間電圧値を、帯電部材2に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすることもできる。
【0081】
前述の各構成の予備印加時に、交流電圧に適宜な値の直流電圧を重畳した電圧を帯電部材2に印加してもよい。この場合には、帯電部材2には、交流成分の電流と、直流成分の電流の総電流が供給されるが、直流成分の電流値は、交流成分の電流値に比べて非常に低い値であるため、帯電部材2に交流電圧だけを印加したときの前述の印加電圧設定方法によって、ピーク間電圧値を適正に設定することが可能である。
【0082】
ところで、前述の予備印加時に、像担持体5を1回転させれば、その像担持体自体の偏心などに基づくギャップGの変動に対応した電流値を検出することができる。ところが、本例の帯電部材2のように、帯電部材2が像担持体の回転と共に回転する回転体より成るときは、両者間のギャップGは、帯電部材2の偏心などの影響によっても変動する。従って、両者間のギャップGの変動に対応する電流値を検出するには、両者の周長の最小公倍数に相当する距離、帯電部材2と像担持体5を回転させる必要がある。例えば、ローラより成る帯電部材2の直径が12mm、ドラムより成る像担持体の直径が30mmであるとしたとき、その周長はそれぞれ12π及び30πとなるので、その最小公倍数の60πの長さ分、像担持体5と帯電部材2を回転させて前述の予備印加を行い、最適なピーク間電圧値を設定する。この場合には、像担持体5は2回転し、帯電部材2は5回転する。
【0083】
上述のように、帯電部材と被帯電体が、互いに同期して回転する回転体より成るときは、帯電部材に対し、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加して帯電部材に供給される電流値を検出するとき、すなわち予備印加時に、その1回の検出につき、帯電部材と被帯電体の周長の最小公倍数に相当する距離、帯電部材と被帯電体を回転させることにより、適正なピーク間電圧値を設定することが可能となるのである。
【0084】
図6は、電源装置3とCPU4の機能を説明するブロック図である。この図に基づいて前述の予備印加時の動作の一例を説明すると、先ずCPU4からの出力信号により、電源装置3の電圧出力部24から、VR1のピーク間電圧値の交流電圧が帯電部材2に印加される。このとき、微小固定抵抗rの両端にかかる電圧値V0が検知信号としてCPU4に取り込まれ、その電圧値に相当する電流値の最小値Iminと、基準となる電流値I0とが比較演算される。その結果に応じて変更された目標電圧値指令がCPU4から出力され、電源装置3の出力部24からは、VR2又はVR3のピーク間電圧値の交流電圧が帯電部材2に印加される。このときも、固定抵抗rの両端にかかる電圧値V0が検知信号としてCPU4に取り込まれ、上述したところと同様の動作が実行される。かかる動作が繰り返されて適正なピーク間電圧値が検出されると、電源装置3に対して目標値固定信号が出力される。これにより、画像形成動作時に、電源装置3から、固定された適正な電圧が帯電部材2に印加される。
【0085】
検出電流値の平均値と基準電流値(I0+α)とを比較するように構成したときも、その平均値IavがCPU4において演算され、上述したところと同様にして、平均値Iavと基準電流値(I0+α)とが比較演算される。
【0086】
ところで、以上説明した実施形態例は、ギャップGの変動により、像担持体表面の帯電電位が影響される欠点を、帯電部材2に印加する電圧の値を制御することにより解決するものである。これに対し、像担持体5と帯電部材2の間のギャップGの大きさがほぼ一定に保たれるように、そのギャップGの大きさを調整するギャップ調整手段を設ければ、ギャップGを常にほぼ一定に保つことが可能となり、前述のいずれの電圧印加方式を採用しても、また従来のAC印加方式、或いは従来のDC印加方式を採用しても、像担持体表面の電位をほぼ一定の所定値に保ち、高品質な画像を形成することが可能となる。帯電部材2の抵抗の変動による影響は、前述のように温湿度を検知することにより補償することができる。
【0087】
ここで、例えば、図7に示し、かつ図2に鎖線で付加して示すように、帯電部材2の長手方向各端部を回転自在に支持する各軸受け16にカム受け部16Aを一体に設け、その各カム受け部16Aに、軸22を介して回転自在に支持されたカム23を圧接させる。そして、そのカム23を回転させることにより、スペーサ11を介しての帯電部材2と像担持体5との圧接力を調整し、ギャップGの大きさを調整することができる。このように、帯電部材2がスペーサ11を介して被帯電体に圧接している場合、ギャップ調整手段によって、スペーサ11を介しての帯電部材2と被帯電体との圧接力を調整することにより、ギャップGを調整することができる。
【0088】
像担持体5と帯電部材2の偏心に基づくギャップGの周期的なギャップGの変動に対応させて、カム23の回転位置を制御することにより、そのギャップGの変動を解消することも可能であるが、このギャップ調整手段により、前述の温湿度に基づくギャップGの変動と、スペーサ11の摩耗によるギャップGの変動を、特に効果的になくし、或いはその変動を軽微なものにすることができる。すなわち、前述のセンサ15(図1)の検知結果に応じて、カム23の角度位置を調整制御し、また画像形成回数のカウント値が或る値に達する毎にカム23の角度位置を変え、温湿度と、スペーサ11の摩耗によるギャップGの変動を補償して、そのギャップGが常に一定に保たれるようにするのである。この構成は、帯電部材2が、図9に示したように回転することのない部材より成り、従って帯電部材2と像担持体5との間のギャップGが、これらの回転により周期的に変動しない場合に特に有利に採用することができる。
【0089】
上述のように、帯電部材2の温度と該帯電部材2の近傍の湿度のうちの少なくとも一方を検知する環境検知手段の検知結果に応じてギャップGの大きさを調整するようにギャップ調整手段を構成し、また帯電部材2が使用された時間に応じてギャップGの大きさを調整するようにギャップ調整手段を構成することにより、温湿度の変化や、スペーサ11の摩耗にかかわらず、ギャップGを常にほぼ一定の値に維持して、像担持体上に高品質なトナー像を形成することができる。
【0090】
図2に示したスペーサ11は、ローラより成る帯電部材2の外周面に貼り付けられたフィルムによって構成されているが、図8に示すように、ローラより成る帯電部材2の芯金8の長手方向各端部に、例えば硬質樹脂などの絶縁性の剛体から成る円板状のスペーサ11をそれぞれ固定し、その両スペーサ11を像担持体5の表面に圧接させて、ギャップGを形成してもよい。また被帯電体は、図8に示すようなベルト状の像担持体5であってもよい。図8における符号30で示したローラは、ベルト状の像担持体5を挟んで、スペーサ11に対向したバックアップローラである。
【0091】
また、以上説明した各例においては、帯電部材が、被帯電体に対向して帯電する帯電ローラにより構成されているが、図9に示すように、例えば樹脂又はゴムなどから成るブレード状の帯電部材2を用い、その長手方向各端部に、樹脂、ゴム又はセラミックなどから成る絶縁性のスペーサ11を固定し、その帯電部材2を金属板などから成る支持部材25に固定し、その支持部材をばね26によって加圧して、スペーサ11を像担持体5の外周面に圧接させ、帯電部材2と像担持体5との間にギャップGを形成するようにしてもよい。この例では、支持部材25を介して、電源装置3からの電圧が帯電部材2に印加される。
【0092】
また、本明細書において用いられている文言「交流電圧」は、電圧値が周期的に変化する電圧を意味し、その交流電圧には、正弦波状の交流電圧はもとより、矩形波、三角波、その他の脈流波電圧なども含まれる。
【0093】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、被帯電体の表面を所定のほぼ一定の値に帯電させることができ、その帯電むらの発生を効果的に抑制することができる。しかも、帯電部材と被帯電体との間のギャップが変化しても、被帯電体の表面を所定のほぼ一定の値に帯電させることが可能である。
【0099】
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1に係る発明の効果に加えて、帯電装置に過剰の電圧が印加されることを防止できる。
【0102】
請求項3に係る発明によれば、温度や湿度が変化し、また帯電装置の構成要素が劣化しても、被帯電体の表面を所定のほぼ一定の値に帯電させることができる。しかも、帯電部材に印加する交流電圧の適正なピーク間電圧値をより正確に設定することができる。
【0106】
請求項4に係る発明によれば、帯電部材が帯電ローラより成るので、被帯電体を均一に帯電する効果を高めることができる。
【0108】
請求項5に係る発明によれば、上述の請求項1乃至4に係る各発明の効果を奏する帯電部材を有する画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】帯電部材と、その支持構造を示す部分断面図である。
【図3】帯電部材に印加するピーク間電圧値と像担持体表面の帯電電位との関係を示す説明図である。
【図4】ギャップ検知手段の一例を示す説明図である。
【図5】帯電部材に流れる電流を示す説明図である。
【図6】電源装置とCPUのブロック図である。
【図7】ギャップ調整手段の一例を示す図である。
【図8】スペーサの他の例を示す斜視図である。
【図9】帯電部材の他の例を示す斜視図である。
【図10】従来の帯電装置の一例を示す図である。
【図11】従来のDC印加方式を示す説明図である。
【図12】従来のDC印加方式の欠点を説明する図である。
【図13】従来のAC印加方式を説明する図である。
【符号の説明】
1 帯電装置
2 帯電部材
3 電源装置

Claims (5)

  1. 被帯電体に対して微小ギャップをあけて対向配置された帯電部材と、該帯電部材に対して、定電圧制御された直流電圧に、ピーク間電圧が定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧を印加する電源装置と、変動するギャップの大きさを検知するギャップ検知手段とを具備し、前記ギャップ検知手段により検知された最大ギャップの大きさに対応したピーク間電圧を前記帯電部材に印加することを特徴とする帯電装置。
  2. 定電圧制御される前記ピーク間電圧の値は、前記ギャップ検知手段により検知されたギャップの大きさが最大のときに被帯電体の表面電位がほぼ一定となるピーク間電圧値のうちの最小の電圧値に設定される請求項1に記載の帯電装置。
  3. 被帯電体に対して微小ギャップをあけて対向配置された帯電部材と、該帯電部材に対して、定電圧制御された直流電圧に、ピーク間電圧が定電圧制御された交流電圧を重畳した電圧を印加する電源装置とを具備し、定電流制御された交流電圧を前記帯電部材に印加し、被帯電体の表面電位がほぼ一定の値に飽和したときに前記帯電部材に供給される電流の値を飽和電流値としたとき、前記帯電部材に対し、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加し、このとき帯電部材に供給される電流の値が前記飽和電流値となったときのピーク間電圧値を、帯電部材に印加する交流電圧のピーク間電圧値とすると共に、前記帯電部材と前記被帯電体が、互いに同期して回転する回転体より成り、帯電部材に対し、定電圧制御された互いに異なったピーク間電圧値の交流電圧をそれぞれ印加して該帯電部材に供給される電流値を検出するとき、その1回の検出につき、帯電部材と被帯電体の周長の最小公倍数に相当する距離、帯電部材と被帯電体を回転させることを特徴とする帯電装置。
  4. 前記帯電部材が、被帯電体に対向して回転する帯電ローラより成る請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電装置と、像担持体より成る被帯電体を有することを特徴とする画像形成装置。
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