JP3748751B2 - 吸収性物品の包装材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品を個別に包装するための包装材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生理用ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品の個別包装材としては、柔軟なポリエチレンフィルム等が用いられている。例えば、特開平10−72057号公報では、吸収性物品の包装工程における包装材の滑り性や加工性の改善を目的として、表面にエンボス処理を施した包装材が提案されている。また、特開平11−164849号公報では、吸収性物品の包装工程における包装材の走行性及び個装体の外装包装時における作業性を両立させることを目的として、片面に印刷層が形成された包装材が提案されている。
【0003】
しかし従来の包装材では、吸収性物品の個装体を10個あるいは20個と多数整列させて包装袋に複数個を収納した包装体を成形する際に、個装体同士が滑りやすいという不都合がある。特に、中央部分が盛り上がった形状の吸収性物品や伸縮材料が配された吸収性物品は厚みが不均一であるので、その個装体も厚みが不均一となる。その結果、個装体が更に滑り易くなり、一部個装体が整列状態から飛び出してしまう等の不都合が起こり、効率よく所定の整列包装ができず生産性に劣ることがあった。
【0004】
従って、本発明は、吸収性物品の個装体を複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費の低減に資する吸収性物品の包装材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収性物品を個別に包装するための包装材において、前記包装材の少なくとも面における静摩擦係数が0.35以上、動摩擦係数が0.35以上であり、且つ動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が50cN以上であり、
前記包装材における前記静摩擦係数および前記動摩擦係数が測定される面が、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ小さな凹凸パターンと、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ大きな凹凸パターンとが組み合わされた形状の不規則な凹凸パターンを有する吸収性物品の包装材を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の包装材によって包装された生理用ナプキンの個装体の斜視図が示されており、図2には、本発明の吸収性物品の包装材によって個装された生理用ナプキンの個装体を複数個収納してなる包装袋の一部破断斜視図が示されており、図3には図2におけるIII −III 線断面図が示されている。
【0007】
図1〜図3に示すように、本実施形態の吸収性物品の包装材1は、吸収性物品としての生理用ナプキン2を個別に包装するために用いられ、個別に包装されて形成された個装体3は包装袋4に複数個整列され数段に積層されて収納される。
【0008】
包装材1は矩形のシートからなり、外面及び内面を有する。包装材1の内面は、所定の剥離処理がなされてナプキン2が載置される面である。包装材1の外面は、包装材1によってナプキン2が個装されて個装体3となされたときに、該個装体3の外面をなす面である。
【0009】
而して包装材1は、その少なくとも一面、本実施形態においては外面における静摩擦係数が0.35以上、好ましくは0.35〜1.0の範囲となされている。静摩擦係数が0.35未満であると、個装体3を複数個整列させて包装袋4に収納する工程において、個装体3同士の間に滑りが生じ、効率良く所定の整列包装ができない。
【0010】
また、包装材1は、その外面における動摩擦係数が0.35以上、好ましくは0.35〜1.0の範囲となされている。動摩擦係数が0.35未満であると、個装体3の整列搬送時、個装体3同士の間に滑りが生じた際にその抑制効果がなく、結果的に個装体3の整列が乱れバラバラになってしまう危険性がある。
【0011】
包装材1の静摩擦係数および動摩擦係数の値の大小関係に特に制限は無いが、静摩擦係数と動摩擦係数との比(前者/後者)が1.2以下、特に0.8〜1.2であることが望ましい。このような静摩擦係数および動摩擦係数の関係は、包装体1が後述する凹凸パターンを有している場合に特に顕著である。そして、双方の摩擦係数を0.35以上とすることで個装体3を複数個整列させても滑りが生じず、仮に諸原因により多少の整列ズレが生じても、それ以上の滑りが抑制される。
【0012】
包装材1は、その動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が50cN以上、好ましくは80cN以上、更に好ましくは100cN以上になされている。荷重の変動幅が50cN未満であると、個装体3の整列搬送時、滑りが生じたときに、その滑りを途中で止めて個装体3の整列がそれ以上乱れることを防止する効果が得られない。表面凹凸の高さに応じて前記変動幅は調整可能である。前記変動幅の上限値は200cNであることが望ましい。200cNを超えると、包装材1にシリコン等による剥離処理を施す上で、凹凸高さが高すぎて安定処理できないという不具合を生じる可能性がある。
【0013】
尚、本実施形態において前記の静摩擦係数および動摩擦係数は、包装材1の外面同士を接触させて摩擦させたときの値をいう。
【0014】
包装材1の静摩擦係数および動摩擦係数は、JIS K 7125に従い以下の方法により測定される。測定環境は、JIS K 7100に規定される状態とする。
包装材を縦×横=100mm×100mmの大きさに切り出し、これを測定サンプルとする。
次に、63mm×63mm×厚み7mmのステンレス板につり手がついた機具(63mm×63mmの正面及び背面を有し、63mm×7mmの側面を4面有し、一側面の中央につり手が設けられたステンレス製の治具)に、測定サンプルの測定面(本実施形態においては包装材の外面)が表になるように巻きつけ固定して、測定用のスベリ片を得る。測定サンプルに弛みや皺が出ないように、前記機具の背面全面を測定サンプルで覆い、つり手を通す穴を開けて貼りつけ(包装材の縦方向をつり手と同じ方向に貼り付ける)、更に正面を、テープを用いて貼り付けてスベリ片を得る。
次いで、摩擦係数測定で滑らせる台(縦500mm×横300mmのステンレス板)上に、包装材を縦×横=250mm×100mmの大きさに切り出し、切り出された包装材の測定面(本実施形態においては包装材の外面)が表になるように、ステンレス板上にシワのないように、周りをテープで貼り付けて滑り測定台とする(切り出された包装材の縦方向とステンレス板の縦方向とが同一となるようにする)。
この滑り測定台を水平にした上に、前記スベリ片の背面を当接させておき、該スベリ片上にスベリ片と重りの荷重が計1kgとなるように、荷重をかけて、引張速度200mm/min、引張距離60mm、チャート速度30mm/minの条件にて摩擦係数の測定を行う。
得られたチャートより常法に準じて静摩擦係数を求め、更に動き出した後の平均荷重より動摩擦係数を求める。(摩擦係数としては、静摩擦力が0.35kgなら静摩擦係数は0.35となる。)
滑り測定台及びスベリ片に取り付けられた包装材の互いに縦方向同士の摩擦係数を5点、及びそれぞれ横方向の摩擦係数を5点の計10点の平均値を静摩擦係数及び動摩擦係数として求める。
【0015】
動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅については、引張速度を低速にするほど表面特性の違いが顕著になる傾向にあることから、本発明では、引張速度50mm/min、引張距離80mm、チャート速度30mm/minの条件にて、前記手順に従い測定する。摩擦係数の測定チャートの一例を図4に示す。このチャートより、前記スベリ片が動き出し最初の荷重のピークPを過ぎた後の荷重の極大平均値(動摩擦係数を求めたチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番目までの極大値の平均値を算出したもの、図4中、A1 、A2 、A3 )及び極小平均値(動摩擦係数を求めたチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番目までの極小値の平均値を算出したもの、図4中、B1 、B2 、B3 )を各々求め、極大平均荷重と極小平均荷重との差を荷重の変動幅とする。
【0016】
包装材1の表面は、前記静摩擦係数および動摩擦係数が測定される面である外面に微細な凹凸パターンを有していることで、前記静摩擦係数および動摩擦係数が前記の範囲内となされている。該凹凸パターンは、例えば図5に示すように、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ小さなミクロ凹凸パターンと、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ大きなマクロ凹凸パターンとが組み合わされた形状の不規則な凹凸パターンである。このような不規則な凹凸パターンとすることにより、凹凸面同士で当接させて滑らす際に凹凸が互いに係合する数が増え、滑りが一層効果的に防止される。
【0017】
外面に前記不規則な凹凸パターンを有する包装材1は、該外面における平均表面粗さ(Ra)が2〜15μm、特に3〜10μmとなされていることが好ましい。また、その際の外面における最大高さ(Ry)および最大十点平均粗さ(Rz)は、前記平均表面粗さの2倍以上、特に2〜10倍であることが、凹凸面同士を当接させて滑らす際の凹凸間の係合力が高まり、滑りが効果的に防止される点から好ましい。
【0018】
更に、外面に前記不規則な凹凸パターンを有する包装材1は、凹凸の平均間隔(Sm)が50〜500μm、特に100〜300μmであり、個々の凹凸の最小間隔が50μm未満、特に20〜40μmであることが、凹凸面同士を当接させて滑らす際に、凹凸が互いに係合する数を有効に増やす事ができ、滑りを一層効果的に防止できる点から好ましい。
【0019】
更に、前記凹凸の平均間隔(Sm)を求める際に観測される個々の凹凸間隔は、その最大間隔と最小間隔との差が300μm以上、特に400μm以上であることが、凹凸面同士を当接させて滑らす際の凹凸間の係合力、及び凹凸が互いに係合する数を同時に向上させることができ、滑りを一層効果的に防止できる点から好ましい。更に、この時、凹凸の最小間隔は前述の通り50μm未満であることが、滑り防止の観点から好ましい。
【0020】
上述のごとき不規則な凹凸パターンを包装材外面に形成する際に、前記マクロ凹凸パターンと前記ミクロ凹凸パターンとを効果的に配置することで、個装体3同士の滑りをより良く防止でき、且つシリコン等による剥離処理を施す上で有効な包装材を得ることができる。
【0021】
前記平均表面粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、最大十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)、凹凸の最小間隔および個々の凹凸間隔は、以下の方法により測定される。
包装材を縦×横=70mm×20mm及び20mm×70mmの大きさに切り出し、70mm×26mmのマイクロスライドガラスに、シワのない様に測定面(本実施形態においては包装材の外面)以外の箇所をテープで固定して貼り付け、測定サンプルとする。この測定サンプルについて、表面粗さ計〔東京精密(株)製、商品名「surfcom 300B」〕により、5μm針、走査速度0.3mm/sec、40mgfの荷重、Traverse Length 8mm、Cut off 0.8mmの測定条件で、装置の通常の測定方法に従って、平均表面粗さを測定する。測定サンプルの縦方向(n=5)、横方向(n=5)計10点の平均表面粗さを求め、その平均値を平均表面粗さとする。
また、その際に得られた粗さ曲線により、JIS B 0601 1976記載の定義に従い、測定サンプルの縦方向(n=5)、横方向(n=5)計10点の最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)を求め、各平均値をそれらの値とする。また前記粗さ曲線から凹凸の間隔および凹凸の最小間隔を求める。
これら以外に特に明示していない測定条件は、JIS B 0601 1976に準じる。
【0022】
包装材1の動摩擦係数および静摩擦係数ならびに動摩擦係数の変動幅が前述した範囲となるようにするためには、例えば前述したミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンが形成されるように、包装材1をエンボス処理すればよい。
【0023】
包装材1に、不規則な凹凸パターンのエンボス処理を施すには、例えばエンボスロール面に不規則な凹凸パターンを彫刻する方法、所望の粒径の金属粒子等をエンボスロール面に吹きつけて表面を粗くする方法、或いはゴム等の粒子を練り込めるような材質のエンボスロールにおいては、所望の粒径の粒子にてロール表面を形成させる方法等によって得られたエンボスロールを用いればよい。
【0024】
本実施形態の包装材1を用いて図1に示すようにナプキン2を個装し、封止用のタブテープ5で開封部を封止して保管すると、タブテープ5の初期接着力が十分なものでも、保存時において、接着力が経時的に上昇して開封時に包装材1が破れるという不都合も発生しない。特に、包装材1に前述したミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンが形成されていると、初期接着力が十分なものとなり、しかも接着力の経時的上昇が効果的に抑制され、初期接着力を安定的に維持できる。この理由は次のように推察される。即ち、規則的な凹凸パターンが形成されている包装材を用いる場合、該凹凸パターンが粗いものであると、タブテープとの接着面積が小さくなることから、初期接着力が小さくなってしまうが、接着力の経時的な上昇は見られない。一方、包装材に形成された規則的な凹凸パターンが細かいものであると、タブテープとの接着面積が大きくなり初期接着力も大きくなるが、アンカー効果によって経時的に接着力が上昇してしまう。これに対して、包装材に前述したミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンが形成されていると、粗さの大きな規則的な凹凸パターンと、粗さの小さな規則的な凹凸パターンとの長所(即ち初期接着力が十分で且つ接着力の経時的上昇が抑制される)が発現する。
【0025】
本実施形態の包装材1は、後述する標準テープを用い、後述する方法によって測定された、接着力の上昇率が20%以下、特に15%以下であることが好ましい。
【0026】
前記標準テープとしては、日東電工(株)製、ポリエステルテープ(品名、ND13B、20mm幅)を用いる。前記初期接着力および接着力の上昇率の測定方法は以下の通りである。包装材1の外面に対して、包装材1の原反巻き方向(MD方向)に直交する方向に前記標準テープを貼り付け、2kgローラーにて加圧し、23±3℃で30分〜1時間放置する。放置後、引張速度300mm/分で包装材1と前記標準テープとの剥離強度(前記標準テープの長手方向の剥離強度)を測定し、その極大平均荷重を求め、初期接着力とする。また、同様に作成したサンプルを、60℃恒温室にて3日間放置し、更に23±3℃にて調温させた後、前記と同様の測定法にて保存後の接着力(極大平均荷重)を求める。そして以下の式から接着力の上昇率を算出する。
【0027】
【数1】
Figure 0003748751
【0028】
包装材1の構成材料としては、ポリエチレン〔直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)〕、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EA)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、オレフィン系エラストマー等の一種又はそれらの混合物が挙げられる。包装材1は、これらの材料の単層体又は積層体から構成される。また、包装材1の内面に後述する剥離処理を行う場合には、包装材1に耐熱性が要求されることから、包装材1の内面側に密度が0.93g/cm3 以上のポリエチレンやポリプロピレン等の耐熱性を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
包装材1における内面はナプキン2に当接する面である。そして、該内面には、ナプキンの非肌当接面側に塗布された、着衣への固着用のホットメルト粘着剤に対する剥離処理がなされている。剥離処理には、シリコーン等の剥離剤が用いられる。包装材1の内面に剥離剤をムラなく均一に塗工する点から、該内面の平均表面粗さ(Ra)は0〜10μm、特に0〜5μmであることが好ましい。
【0030】
中央部分が盛り上がった形状のナプキンや伸縮材料が配されたナプキンを図1に示す個装体3となすと、該個装体3は、中央部の厚みが他の部位よりも厚く、厚みの不均一な立体形状を有するものとなる。このような立体形状の個装体を図2及び図3に示すように包装袋に入れると、その工程中に個装体3同士が滑って一部の個装体が整列状態から飛び出してしまう等の不都合が起こり易い。しかし、本実施形態の包装材1を用いれば、包装材1外面の微細な凹凸が互いに係合して滑り難くなる。その結果、個装体を複数個整列包装する際の取り扱い性が良好となり、生産性が高くなり製造経費の低減が図られる。即ち、包装材1は、個装体となしたときの厚みが不均一となることで該個装体の表面が非平面形状となるナプキン等の吸収性物品の包装材料として特に好適である。
【0031】
〔実施例1〕
個装フィルムAの製造
樹脂組成物として、密度0.935g/cm3 のL−LDPE70重量%および密度0.925g/cm3 のLDPEの30重量%をブレンドしたものを用いた。この樹脂組成物をTダイから押し出して坪量25g/m2 の単層のフィルムを形成した。このフィルムを、ランダムな凹凸パターンが彫刻されたエンボス金属ロールと、ゴムロールからなる受けロールとの間を通してエンボスを転写させ、ランダムな凹凸パターンを付与した。エンボス金属ロールとしては、金属ロール面の平均表面粗さ(Ra)が10μmに設計されたものを用いた。フィルムのゴムロール面側に、剥離剤としてのシリコンを塗工し乾燥させて剥離処理を施した。このようにして、外面側全面がエンボス処理面であり、内面側全面が剥離処理面である個装フィルムAを得た。
【0032】
〔実施例2〕
個装フィルムBの製造
エンボス金属ロールとして、金属ロール面の平均表面粗さ(Ra)が20μmに設計されたものを用いた以外は実施例1と同様にして個装フィルムBを得た。
【0033】
〔比較例1〕
個装フィルムCの製造
実施例1と同じ樹脂組成物をTダイから押し出して坪量25g/m2 の単層のフィルムを形成した後、このフィルムを梨地エンボスロールと、ゴムロールからなる受けロールとの間に通してエンボスを転写させ、梨地エンボスパターンを付与した。これ以外は実施例1と同様にして個装フィルムCを得た。
【0034】
〔比較例2〕
個装フィルムDの製造
比較例1で用いた梨地エンボスロールよりも粗い梨地エンボスロールを用いる以外は比較例1と同様にして個装フィルムDを得た。
【0035】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた個装フィルムについて、その外面の静摩擦係数および動摩擦係数ならびに動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅を前述の方法によって測定した。また各個装フィルムの外面の平均表面粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、最大十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)、凹凸の最小間隔および個々の凹凸間隔を前述の方法によって測定した。更に各個装フィルムを用いて中央部分が盛り上がった形状のナプキンを図1に示す状態に個装し、個装体を20個整列させて包装袋にパック詰めしたときの加工性を以下の基準で評価した。尚、この個装体は、厚みが不均一であり表面が非平面形状となっていた(平坦ではなかった)。更に前記標準テープを用いた場合の接着力の上昇率を前述の方法により測定した。これらの結果を纏めて表1に示す。尚、各実施例の個装フィルムの外面には、ミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンが形成されていた。
【0036】
〔個装体のパック詰め時の加工性〕
○・・・個装体同士の滑りが発生せずトラブル無くパック詰め出来た。
×・・・個装体同士が滑り、整列状態が崩れてパック詰め出来なかった。
【0037】
【表1】
Figure 0003748751
【0038】
表1に示す結果から明らかなように、整列状態の崩れ易い厚みが不均一な個装体をパック詰めする場合、静摩擦係数および動摩擦係数ならびに動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が特定の範囲内にある各実施例の個装フィルムを用いると、個装体同士の滑りが発生せず、円滑にパック詰めできることが判る。特に、ミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンを包装材外面に形成することで標準テープとの接着力の経時的な上昇を抑える効果があることが判る。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、吸収性物品の個装体を複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費の低減に資する吸収性物品の包装材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の包装材によって包装された生理用ナプキンの個装体の斜視図である。
【図2】本発明の吸収性物品の包装材によって包装された生理用ナプキンの個装体を複数個収納してなる包装袋の一部破断斜視図である。
【図3】図2におけるIII −III 線断面図である。
【図4】包装材の外面の摩擦係数の測定チャートの一例を示す図である。
【図5】包装材の外面の凹凸パターンの一例を示す粗さ曲線である。
【符号の説明】
1 包装材
2 生理用ナプキン
3 個装体
4 包装袋
5 タブテープ

Claims (6)

  1. 吸収性物品を個別に包装するための包装材において、前記包装材の少なくとも面における静摩擦係数が0.35以上、動摩擦係数が0.35以上であり、且つ動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が50cN以上であり、
    前記包装材における前記静摩擦係数および前記動摩擦係数が測定される面が、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ小さな凹凸パターンと、相対的に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ大きな凹凸パターンとが組み合わされた形状の不規則な凹凸パターンを有する吸収性物品の包装材。
  2. 開封部を封止するための封止用のタブテープを有する請求項1記載の吸収性物品の包装材。
  3. 標準テープ〔日東電工(株)製、ポリエステルテープ(品名、ND13B、20mm幅)〕を用い、以下の方法で測定された接着力の上昇率が20%以下である請求項2記載の吸収性物品の包装材。
    包装材の外面に対して、包装材の原反巻き方向(MD方向)に直交する方向に前記標準テープを貼り付け、2kgローラーにて加圧し、23±3℃で30分〜1時間放置する。放置後、引張速度300mm/分で包装材と前記標準テープとの剥離強度(前記標準テープの長手方向の剥離強度)を測定し、その極大平均荷重を求め、初期接着力とする。また、同様に作成したサンプルを、60℃恒温室にて3日間放置し、更に23±3℃にて調温させた後、前記と同様の測定法にて保存後の接着力(極大平均荷重)を求める。そして以下の式から接着力の上昇率を算出する。
    接着力の上昇率(%)=(保存後の接着力(g)−初期接着力(g))/初期接着力(g)×100
  4. 前記包装材における前記静摩擦係数および前記動摩擦係数が測定される面の平均表面粗さ(Ra)が2〜15μmであり、最大高さ(Ry)及び最大十点平均粗さ(Rz)がそれぞれ前記平均表面粗さ(Ra)の2倍以上であり、凹凸の平均間隔(Sm)が50〜500μmであり、且つ個々の凹凸の最小間隔が50μm未満である請求項2又は3記載の吸収性物品の包装材。
  5. 前記包装材における前記静摩擦係数および前記動摩擦係数が測定される面において、前記凹凸の平均間隔(Sm)を求める際に観測される個々の凹凸間隔について、その最大間隔と最小間隔との差が300μm以上である請求項2〜4の何れかに記載の吸収性物品の包装材。
  6. 前記吸収性物品は、個装体となしたときの厚みが不均一となることで該個装体の表面が非平面形状となるものである請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品の包装材。
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