JP2001161745A - 吸収性物品の包装材 - Google Patents

吸収性物品の包装材

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JP2001161745A JP35514899A JP35514899A JP2001161745A JP 2001161745 A JP2001161745 A JP 2001161745A JP 35514899 A JP35514899 A JP 35514899A JP 35514899 A JP35514899 A JP 35514899A JP 2001161745 A JP2001161745 A JP 2001161745A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収性物品の個装体を複数個整列包装して
も、個装体が互いに滑らず、整列包装する際の取り扱い
性が良い吸収性物品の包装材を提供すること。 【解決手段】 吸収性物品を個別に包装するための包装
材において、包装材の少なくとも一面における静摩擦係
数が0.35以上、動摩擦係数が0.35以上であり、
且つ動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が50
cN以上である吸収性物品の包装材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキンや
パンティライナー等の吸収性物品を個別に包装するため
の包装材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生理用
ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品の個別包装
材としては、柔軟なポリエチレンフィルム等が用いられ
ている。例えば、特開平10−72057号公報では、
吸収性物品の包装工程における包装材の滑り性や加工性
の改善を目的として、表面にエンボス処理を施した包装
材が提案されている。また、特開平11−164849
号公報では、吸収性物品の包装工程における包装材の走
行性及び個装体の外装包装時における作業性を両立させ
ることを目的として、片面に印刷層が形成された包装材
が提案されている。
【0003】しかし従来の包装材では、吸収性物品の個
装体を10個あるいは20個と多数整列させて包装袋に
複数個を収納した包装体を成形する際に、個装体同士が
滑りやすいという不都合がある。特に、中央部分が盛り
上がった形状の吸収性物品や伸縮材料が配された吸収性
物品は厚みが不均一であるので、その個装体も厚みが不
均一となる。その結果、個装体が更に滑り易くなり、一
部個装体が整列状態から飛び出してしまう等の不都合が
起こり、効率よく所定の整列包装ができず生産性に劣る
ことがあった。
【0004】従って、本発明は、吸収性物品の個装体を
複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包
装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費
の低減に資する吸収性物品の包装材を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸収性物品を
個別に包装するための包装材において、前記包装材の少
なくとも一面における静摩擦係数が0.35以上、動摩
擦係数が0.35以上であり、且つ動摩擦係数測定時に
観察される荷重の変動幅が50cN以上である吸収性物
品の包装材を提供することにより前記目的を達成したも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、
本発明の吸収性物品の包装材によって包装された生理用
ナプキンの個装体の斜視図が示されており、図2には、
本発明の吸収性物品の包装材によって個装された生理用
ナプキンの個装体を複数個収納してなる包装袋の一部破
断斜視図が示されており、図3には図2におけるIII −
III 線断面図が示されている。
【0007】図1〜図3に示すように、本実施形態の吸
収性物品の包装材1は、吸収性物品としての生理用ナプ
キン2を個別に包装するために用いられ、個別に包装さ
れて形成された個装体3は包装袋4に複数個整列され数
段に積層されて収納される。
【0008】包装材1は矩形のシートからなり、外面及
び内面を有する。包装材1の内面は、所定の剥離処理が
なされてナプキン2が載置される面である。包装材1の
外面は、包装材1によってナプキン2が個装されて個装
体3となされたときに、該個装体3の外面をなす面であ
る。
【0009】而して包装材1は、その少なくとも一面、
本実施形態においては外面における静摩擦係数が0.3
5以上、好ましくは0.35〜1.0の範囲となされて
いる。静摩擦係数が0.35未満であると、個装体3を
複数個整列させて包装袋4に収納する工程において、個
装体3同士の間に滑りが生じ、効率良く所定の整列包装
ができない。
【0010】また、包装材1は、その外面における動摩
擦係数が0.35以上、好ましくは0.35〜1.0の
範囲となされている。動摩擦係数が0.35未満である
と、個装体3の整列搬送時、個装体3同士の間に滑りが
生じた際にその抑制効果がなく、結果的に個装体3の整
列が乱れバラバラになってしまう危険性がある。
【0011】包装材1の静摩擦係数および動摩擦係数の
値の大小関係に特に制限は無いが、静摩擦係数と動摩擦
係数との比(前者/後者)が1.2以下、特に0.8〜
1.2であることが望ましい。このような静摩擦係数お
よび動摩擦係数の関係は、包装体1が後述する凹凸パタ
ーンを有している場合に特に顕著である。そして、双方
の摩擦係数を0.35以上とすることで個装体3を複数
個整列させても滑りが生じず、仮に諸原因により多少の
整列ズレが生じても、それ以上の滑りが抑制される。
【0012】包装材1は、その動摩擦係数測定時に観察
される荷重の変動幅が50cN以上、好ましくは80c
N以上、更に好ましくは100cN以上になされてい
る。荷重の変動幅が50cN未満であると、個装体3の
整列搬送時、滑りが生じたときに、その滑りを途中で止
めて個装体3の整列がそれ以上乱れることを防止する効
果が得られない。表面凹凸の高さに応じて前記変動幅は
調整可能である。前記変動幅の上限値は200cNであ
ることが望ましい。200cNを超えると、包装材1に
シリコン等による剥離処理を施す上で、凹凸高さが高す
ぎて安定処理できないという不具合を生じる可能性があ
る。
【0013】尚、本実施形態において前記の静摩擦係数
および動摩擦係数は、包装材1の外面同士を接触させて
摩擦させたときの値をいう。
【0014】包装材1の静摩擦係数および動摩擦係数
は、JIS K 7125に従い以下の方法により測定
される。測定環境は、JIS K 7100に規定され
る状態とする。包装材を縦×横=100mm×100m
mの大きさに切り出し、これを測定サンプルとする。次
に、63mm×63mm×厚み7mmのステンレス板に
つり手がついた機具(63mm×63mmの正面及び背
面を有し、63mm×7mmの側面を4面有し、一側面
の中央につり手が設けられたステンレス製の治具)に、
測定サンプルの測定面(本実施形態においては包装材の
外面)が表になるように巻きつけ固定して、測定用のス
ベリ片を得る。測定サンプルに弛みや皺が出ないよう
に、前記機具の背面全面を測定サンプルで覆い、つり手
を通す穴を開けて貼りつけ(包装材の縦方向をつり手と
同じ方向に貼り付ける)、更に正面を、テープを用いて
貼り付けてスベリ片を得る。次いで、摩擦係数測定で滑
らせる台(縦500mm×横300mmのステンレス
板)上に、包装材を縦×横=250mm×100mmの
大きさに切り出し、切り出された包装材の測定面(本実
施形態においては包装材の外面)が表になるように、ス
テンレス板上にシワのないように、周りをテープで貼り
付けて滑り測定台とする(切り出された包装材の縦方向
とステンレス板の縦方向とが同一となるようにする)。
この滑り測定台を水平にした上に、前記スベリ片の背面
を当接させておき、該スベリ片上にスベリ片と重りの荷
重が計1kgとなるように、荷重をかけて、引張速度2
00mm/min、引張距離60mm、チャート速度3
0mm/minの条件にて摩擦係数の測定を行う。得ら
れたチャートより常法に準じて静摩擦係数を求め、更に
動き出した後の平均荷重より動摩擦係数を求める。(摩
擦係数としては、静摩擦力が0.35kgなら静摩擦係
数は0.35となる。) 滑り測定台及びスベリ片に取り付けられた包装材の互い
に縦方向同士の摩擦係数を5点、及びそれぞれ横方向の
摩擦係数を5点の計10点の平均値を静摩擦係数及び動
摩擦係数として求める。
【0015】動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動
幅については、引張速度を低速にするほど表面特性の違
いが顕著になる傾向にあることから、本発明では、引張
速度50mm/min、引張距離80mm、チャート速
度30mm/minの条件にて、前記手順に従い測定す
る。摩擦係数の測定チャートの一例を図4に示す。この
チャートより、前記スベリ片が動き出し最初の荷重のピ
ークPを過ぎた後の荷重の極大平均値(動摩擦係数を求
めたチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番
目までの極大値の平均値を算出したもの、図4中、
1 、A2 、A3 )及び極小平均値(動摩擦係数を求め
たチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番目
までの極小値の平均値を算出したもの、図4中、B1
2 、B3 )を各々求め、極大平均荷重と極小平均荷重
との差を荷重の変動幅とする。
【0016】包装材1の表面は、前記静摩擦係数および
動摩擦係数が測定される面である外面に微細な凹凸パタ
ーンを有していることで、前記静摩擦係数および動摩擦
係数が前記の範囲内となされている。該凹凸パターン
は、例えば図5に示すように、相対的に凹凸高さ及び凹
凸間隔がそれぞれ小さなミクロ凹凸パターンと、相対的
に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ大きなマクロ凹凸パ
ターンとが組み合わされた形状の不規則な凹凸パターン
であることが好ましい。このような不規則な凹凸パター
ンとすることにより、凹凸面同士で当接させて滑らす際
に凹凸が互いに係合する数が増え、滑りが一層効果的に
防止される。
【0017】外面に前記不規則な凹凸パターンを有する
包装材1は、該外面における平均表面粗さ(Ra)が2
〜15μm、特に3〜10μmとなされていることが好
ましい。また、その際の外面における最大高さ(Ry)
および最大十点平均粗さ(Rz)は、前記平均表面粗さ
の2倍以上、特に2〜10倍であることが、凹凸面同士
を当接させて滑らす際の凹凸間の係合力が高まり、滑り
が効果的に防止される点から好ましい。
【0018】更に、外面に前記不規則な凹凸パターンを
有する包装材1は、凹凸の平均間隔(Sm)が50〜5
00μm、特に100〜300μmであり、個々の凹凸
の最小間隔が50μm未満、特に20〜40μmである
ことが、凹凸面同士を当接させて滑らす際に、凹凸が互
いに係合する数を有効に増やす事ができ、滑りを一層効
果的に防止できる点から好ましい。
【0019】更に、前記凹凸の平均間隔(Sm)を求め
る際に観測される個々の凹凸間隔は、その最大間隔と最
小間隔との差が300μm以上、特に400μm以上で
あることが、凹凸面同士を当接させて滑らす際の凹凸間
の係合力、及び凹凸が互いに係合する数を同時に向上さ
せることができ、滑りを一層効果的に防止できる点から
好ましい。更に、この時、凹凸の最小間隔は前述の通り
50μm未満であることが、滑り防止の観点から好まし
い。
【0020】上述のごとき不規則な凹凸パターンを包装
材外面に形成する際に、前記マクロ凹凸パターンと前記
ミクロ凹凸パターンとを効果的に配置することで、個装
体3同士の滑りをより良く防止でき、且つシリコン等に
よる剥離処理を施す上で有効な包装材を得ることができ
る。
【0021】前記平均表面粗さ(Ra)、最大高さ(R
y)、最大十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(S
m)、凹凸の最小間隔および個々の凹凸間隔は、以下の
方法により測定される。包装材を縦×横=70mm×2
0mm及び20mm×70mmの大きさに切り出し、7
0mm×26mmのマイクロスライドガラスに、シワの
ない様に測定面(本実施形態においては包装材の外面)
以外の箇所をテープで固定して貼り付け、測定サンプル
とする。この測定サンプルについて、表面粗さ計〔東京
精密(株)製、商品名「surfcom 300B」〕により、5μ
m針、走査速度0.3mm/sec、40mgfの荷
重、Traverse Length 8mm、Cut off 0.8mmの測
定条件で、装置の通常の測定方法に従って、平均表面粗
さを測定する。測定サンプルの縦方向(n=5)、横方
向(n=5)計10点の平均表面粗さを求め、その平均
値を平均表面粗さとする。また、その際に得られた粗さ
曲線により、JIS B 0601 1976記載の定
義に従い、測定サンプルの縦方向(n=5)、横方向
(n=5)計10点の最大高さ(Ry)、十点平均粗さ
(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)を求め、各平均値を
それらの値とする。また前記粗さ曲線から凹凸の間隔お
よび凹凸の最小間隔を求める。これら以外に特に明示し
ていない測定条件は、JIS B 0601 1976
に準じる。
【0022】包装材1の動摩擦係数および静摩擦係数な
らびに動摩擦係数の変動幅が前述した範囲となるように
するためには、例えば前述したミクロ凹凸パターンとマ
クロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パター
ンが形成されるように、包装材1をエンボス処理すれば
よい。
【0023】包装材1に、不規則な凹凸パターンのエン
ボス処理を施すには、例えばエンボスロール面に不規則
な凹凸パターンを彫刻する方法、所望の粒径の金属粒子
等をエンボスロール面に吹きつけて表面を粗くする方
法、或いはゴム等の粒子を練り込めるような材質のエン
ボスロールにおいては、所望の粒径の粒子にてロール表
面を形成させる方法等によって得られたエンボスロール
を用いればよい。
【0024】本実施形態の包装材1を用いて図1に示す
ようにナプキン2を個装し、封止用のタブテープ5で開
封部を封止して保管すると、タブテープ5の初期接着力
が十分なものでも、保存時において、接着力が経時的に
上昇して開封時に包装材1が破れるという不都合も発生
しない。特に、包装材1に前述したミクロ凹凸パターン
とマクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パ
ターンが形成されていると、初期接着力が十分なものと
なり、しかも接着力の経時的上昇が効果的に抑制され、
初期接着力を安定的に維持できる。この理由は次のよう
に推察される。即ち、規則的な凹凸パターンが形成され
ている包装材を用いる場合、該凹凸パターンが粗いもの
であると、タブテープとの接着面積が小さくなることか
ら、初期接着力が小さくなってしまうが、接着力の経時
的な上昇は見られない。一方、包装材に形成された規則
的な凹凸パターンが細かいものであると、タブテープと
の接着面積が大きくなり初期接着力も大きくなるが、ア
ンカー効果によって経時的に接着力が上昇してしまう。
これに対して、包装材に前述したミクロ凹凸パターンと
マクロ凹凸パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パタ
ーンが形成されていると、粗さの大きな規則的な凹凸パ
ターンと、粗さの小さな規則的な凹凸パターンとの長所
(即ち初期接着力が十分で且つ接着力の経時的上昇が抑
制される)が発現する。
【0025】本実施形態の包装材1は、後述する標準テ
ープを用い、後述する方法によって測定された、接着力
の上昇率が20%以下、特に15%以下であることが好
ましい。
【0026】前記標準テープとしては、日東電工(株)
製、ポリエステルテープ(品名、ND13B、20mm
幅)を用いる。前記初期接着力および接着力の上昇率の
測定方法は以下の通りである。包装材1の外面に対し
て、包装材1の原反巻き方向(MD方向)に直交する方
向に前記標準テープを貼り付け、2kgローラーにて加
圧し、23±3℃で30分〜1時間放置する。放置後、
引張速度300mm/分で包装材1と前記標準テープと
の剥離強度(前記標準テープの長手方向の剥離強度)を
測定し、その極大平均荷重を求め、初期接着力とする。
また、同様に作成したサンプルを、60℃恒温室にて3
日間放置し、更に23±3℃にて調温させた後、前記と
同様の測定法にて保存後の接着力(極大平均荷重)を求
める。そして以下の式から接着力の上昇率を算出する。
【0027】
【数1】
【0028】包装材1の構成材料としては、ポリエチレ
ン〔直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)〕、ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アク
リル酸共重合体(EA)、スチレン−イソプレン共重合
体(SIS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
S)、オレフィン系エラストマー等の一種又はそれらの
混合物が挙げられる。包装材1は、これらの材料の単層
体又は積層体から構成される。また、包装材1の内面に
後述する剥離処理を行う場合には、包装材1に耐熱性が
要求されることから、包装材1の内面側に密度が0.9
3g/cm3 以上のポリエチレンやポリプロピレン等の
耐熱性を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0029】包装材1における内面はナプキン2に当接
する面である。そして、該内面には、ナプキンの非肌当
接面側に塗布された、着衣への固着用のホットメルト粘
着剤に対する剥離処理がなされている。剥離処理には、
シリコーン等の剥離剤が用いられる。包装材1の内面に
剥離剤をムラなく均一に塗工する点から、該内面の平均
表面粗さ(Ra)は0〜10μm、特に0〜5μmであ
ることが好ましい。
【0030】中央部分が盛り上がった形状のナプキンや
伸縮材料が配されたナプキンを図1に示す個装体3とな
すと、該個装体3は、中央部の厚みが他の部位よりも厚
く、厚みの不均一な立体形状を有するものとなる。この
ような立体形状の個装体を図2及び図3に示すように包
装袋に入れると、その工程中に個装体3同士が滑って一
部の個装体が整列状態から飛び出してしまう等の不都合
が起こり易い。しかし、本実施形態の包装材1を用いれ
ば、包装材1外面の微細な凹凸が互いに係合して滑り難
くなる。その結果、個装体を複数個整列包装する際の取
り扱い性が良好となり、生産性が高くなり製造経費の低
減が図られる。即ち、包装材1は、個装体となしたとき
の厚みが不均一となることで該個装体の表面が非平面形
状となるナプキン等の吸収性物品の包装材料として特に
好適である。
【0031】〔実施例1〕個装フィルムAの製造 樹脂組成物として、密度0.935g/cm3 のL−L
DPE70重量%および密度0.925g/cm3 のL
DPEの30重量%をブレンドしたものを用いた。この
樹脂組成物をTダイから押し出して坪量25g/m2
単層のフィルムを形成した。このフィルムを、ランダム
な凹凸パターンが彫刻されたエンボス金属ロールと、ゴ
ムロールからなる受けロールとの間を通してエンボスを
転写させ、ランダムな凹凸パターンを付与した。エンボ
ス金属ロールとしては、金属ロール面の平均表面粗さ
(Ra)が10μmに設計されたものを用いた。フィル
ムのゴムロール面側に、剥離剤としてのシリコンを塗工
し乾燥させて剥離処理を施した。このようにして、外面
側全面がエンボス処理面であり、内面側全面が剥離処理
面である個装フィルムAを得た。
【0032】〔実施例2〕個装フィルムBの製造 エンボス金属ロールとして、金属ロール面の平均表面粗
さ(Ra)が20μmに設計されたものを用いた以外は
実施例1と同様にして個装フィルムBを得た。
【0033】〔比較例1〕個装フィルムCの製造 実施例1と同じ樹脂組成物をTダイから押し出して坪量
25g/m2 の単層のフィルムを形成した後、このフィ
ルムを梨地エンボスロールと、ゴムロールからなる受け
ロールとの間に通してエンボスを転写させ、梨地エンボ
スパターンを付与した。これ以外は実施例1と同様にし
て個装フィルムCを得た。
【0034】〔比較例2〕個装フィルムDの製造 比較例1で用いた梨地エンボスロールよりも粗い梨地エ
ンボスロールを用いる以外は比較例1と同様にして個装
フィルムDを得た。
【0035】〔性能評価〕実施例及び比較例で得られた
個装フィルムについて、その外面の静摩擦係数および動
摩擦係数ならびに動摩擦係数測定時に観察される荷重の
変動幅を前述の方法によって測定した。また各個装フィ
ルムの外面の平均表面粗さ(Ra)、最大高さ(R
y)、最大十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(S
m)、凹凸の最小間隔および個々の凹凸間隔を前述の方
法によって測定した。更に各個装フィルムを用いて中央
部分が盛り上がった形状のナプキンを図1に示す状態に
個装し、個装体を20個整列させて包装袋にパック詰め
したときの加工性を以下の基準で評価した。尚、この個
装体は、厚みが不均一であり表面が非平面形状となって
いた(平坦ではなかった)。更に前記標準テープを用い
た場合の接着力の上昇率を前述の方法により測定した。
これらの結果を纏めて表1に示す。尚、各実施例の個装
フィルムの外面には、ミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸
パターンとを組み合わせた不規則な凹凸パターンが形成
されていた。
【0036】〔個装体のパック詰め時の加工性〕 ○・・・個装体同士の滑りが発生せずトラブル無くパッ
ク詰め出来た。 ×・・・個装体同士が滑り、整列状態が崩れてパック詰
め出来なかった。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示す結果から明らかなように、整列
状態の崩れ易い厚みが不均一な個装体をパック詰めする
場合、静摩擦係数および動摩擦係数ならびに動摩擦係数
測定時に観察される荷重の変動幅が特定の範囲内にある
各実施例の個装フィルムを用いると、個装体同士の滑り
が発生せず、円滑にパック詰めできることが判る。特
に、ミクロ凹凸パターンとマクロ凹凸パターンとを組み
合わせた不規則な凹凸パターンを包装材外面に形成する
ことで標準テープとの接着力の経時的な上昇を抑える効
果があることが判る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、吸収性物品の個装体を
複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包
装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費
の低減に資する吸収性物品の包装材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の包装材によって包装され
た生理用ナプキンの個装体の斜視図である。
【図2】本発明の吸収性物品の包装材によって包装され
た生理用ナプキンの個装体を複数個収納してなる包装袋
の一部破断斜視図である。
【図3】図2におけるIII −III 線断面図である。
【図4】包装材の外面の摩擦係数の測定チャートの一例
を示す図である。
【図5】包装材の外面の凹凸パターンの一例を示す粗さ
曲線である。
【符号の説明】
1 包装材 2 生理用ナプキン 3 個装体 4 包装袋 5 タブテープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀尾 洋司 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C003 GA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収性物品を個別に包装するための包装
    材において、前記包装材の少なくとも一面における静摩
    擦係数が0.35以上、動摩擦係数が0.35以上であ
    り、且つ動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が
    50cN以上である吸収性物品の包装材。
  2. 【請求項2】 前記包装材における前記静摩擦係数およ
    び前記動摩擦係数が測定される面が、不規則な凹凸パタ
    ーンを有する請求項1記載の吸収性物品の包装材。
  3. 【請求項3】 前記包装材における前記静摩擦係数およ
    び前記動摩擦係数が測定される面が、相対的に凹凸高さ
    及び凹凸間隔がそれぞれ小さな凹凸パターンと、相対的
    に凹凸高さ及び凹凸間隔がそれぞれ大きな凹凸パターン
    とが組み合わされた形状の不規則な凹凸パターンを有す
    る請求項2記載の吸収性物品の包装材。
  4. 【請求項4】 前記包装材における前記静摩擦係数およ
    び前記動摩擦係数が測定される面の平均表面粗さ(R
    a)が2〜15μmであり、最大高さ(Ry)及び最大
    十点平均粗さ(Rz)がそれぞれ前記平均表面粗さ(R
    a)の2倍以上であり、凹凸の平均間隔(Sm)が50
    〜500μmであり、且つ個々の凹凸の最小間隔が50
    μm未満である請求項2又は3記載の吸収性物品の包装
    材。
  5. 【請求項5】 前記包装材における前記静摩擦係数およ
    び前記動摩擦係数が測定される面において、前記凹凸の
    平均間隔(Sm)を求める際に観測される個々の凹凸間
    隔について、その最大間隔と最小間隔との差が300μ
    m以上である請求項2〜4の何れかに記載の吸収性物品
    の包装材。
  6. 【請求項6】 前記吸収性物品は、個装体となしたとき
    の厚みが不均一となることで該個装体の表面が非平面形
    状となるものである請求項1〜5の何れかに記載の吸収
    性物品の包装材。
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