JP2001120592A - 吸収性物品の包装材 - Google Patents
吸収性物品の包装材Info
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Abstract
も、個装体が互いに滑らず、整列包装する際の取り扱い
性が良い吸収性物品の包装材を提供すること。 【解決手段】 吸収性物品を個別に包装するための包装
材において、前記包装材は、その少なくとも一面に所定
の樹脂を主成分とする被膜層を有しており、前記一面お
ける静摩擦係数が0.4〜1.2、平均動摩擦係数が
0.3〜1.0であり、且つ動摩擦係数測定時に観察さ
れる荷重の変動幅が25cN以下である吸収性物品の包
装材。
Description
パンティライナー等の吸収性物品を個別に包装するため
の包装材及び該包装材によって吸収性物品が個別に包装
されてなる吸収性物品の個装体に関する。
ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品の個別包装
材としては、柔軟なポリエチレンフィルム等が用いられ
ている。例えば、特開平11−164849号公報で
は、吸収性物品の包装工程における包装材の走行性及び
個装体の外装包装時における作業性を両立させることを
目的として、片面に印刷層が所定の面積率で形成された
包装材が提案されている。
装体を10個あるいは20個と多数整列させて包装袋に
複数個を収納した包装体を成形する際に、個装体同士が
滑りやすいという不都合がある。特に、中央部分が盛り
上がった形状の吸収性物品や伸縮材料が配された吸収性
物品は厚みが不均一であるので、その個装体も厚みが不
均一となる。その結果、個装体が更に滑り易くなり、一
部個装体が整列状態から飛び出してしまう等の不都合が
起こり、効率よく所定の整列包装ができず生産性に劣る
ことがあった。
複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包
装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費
の低減に資する吸収性物品の包装材を提供することを目
的とする。
個別に包装するための包装材において、前記包装材は、
その少なくとも一面に所定の樹脂を主成分とする被膜層
を有しており、前記一面側おける静摩擦係数が0.4〜
1.2、平均動摩擦係数が0.3〜1.0であり、且つ
動摩擦係数測定時に観察される荷重の変動幅が25cN
以下である吸収性物品の包装材を提供することにより前
記目的を達成したものである。
が個別に包装されてなる吸収性物品の個装体であって、
該個装体は所定形状の隆起部を有し、該隆起部の厚みと
その周辺部の厚みとの差が3mm以上であり、且つ該隆
起部の幅が、該個装体の幅の50%以下である吸収性物
品の個装体を提供するものである。
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1〜図3
に示すように、本実施形態の吸収性物品の包装材1は、
吸収性物品としての生理用ナプキン2を個別に包装する
ために用いられ、個別に包装されて形成された個装体3
は包装袋4に複数個整列され数段に積層されて収納され
る。
び内面を有する。包装材1の内面は、所定の剥離処理が
なされてナプキン2が載置される面である。包装材1の
外面は、包装材1によってナプキン2が個装されて個装
体3となされたときに、該個装体3の外面をなす面であ
る。
本実施形態においては外面側における静摩擦係数が0.
4〜1.2となされている。静摩擦係数が0.4未満で
あると、個装体3同士が滑りやすくなってしまい、効率
良く所定の整列包装ができず生産性が劣ってしまう。静
摩擦係数が1.2超であると、個装体3の摩擦が大きく
なって、生産ラインにおいて引っかかりが生じて搬送性
が低下してしまい、やはり生産性が劣ってしまう。静摩
擦係数は、個装体3同士の滑り防止及び生産ラインでの
個装体3の搬送性の一層の向上の点から、0.6〜1.
0であることが好ましい。
均動摩擦係数が0.3〜1.0となされている。平均動
摩擦係数が0.3未満であると、前述の静摩擦係数の場
合と同様に個装体3同士が滑りやすくなってしまい、効
率良く所定の整列包装ができず生産性が劣ってしまう。
平均動摩擦係数が1.0超であると、個装体3の摩擦が
大きくなって、生産ラインにおいて引っかかりが生じて
搬送性が低下してしまい、やはり生産性が劣ってしま
う。平均動摩擦係数は、個装体3同士の滑り防止及び生
産ラインでの個装体3の搬送性の一層の向上の点から、
0.4〜0.7であることが好ましい。
される荷重の変動幅が25cN以下となされている。荷
重の変動幅が荷重の変動幅が25cN超であると、個装
体3同士の滑り防止効果に劣ってしまう。個装体3同士
の滑り防止効果の一層の向上の点から、荷重の変動幅は
20cN以下、特に15cN以下であることが好まし
い。荷重の変動幅の下限値に特に制限は無く0に近づく
ほど好ましいが、現実的には下限値は5cN程度とな
る。
および平均動摩擦係数は、包装材1の外面側同士を接触
させて摩擦させたときの値をいう。
数は、JIS K 7125に従い以下の方法により測
定される。測定環境はJIS K 7100に規定され
る状態とする。包装材を縦×横=100mm×100m
mの大きさに切り出し、これを測定サンプルとする。次
に、63mm×63mm×厚み7mmのステンレス板に
つり手がついた機具(63mm×63mmの正面及び背
面を有し、63mm×7mmの側面を4面有し、一側面
の中央につり手が設けられたステンレス製の治具)に、
測定サンプルの測定面(本実施形態においては包装材の
外面)が表になるように巻きつけ固定して、測定用のス
ベリ片を得る。測定サンプルに弛みや皺が出ないよう
に、前記機具の背面全面を測定サンプルで覆い、つり手
を通す穴を開けて貼りつけ(包装材の縦方向をつり手と
同じ方向に貼り付ける)、更に正面を、テープを用いて
貼り付けてスベリ片を得る。次いで、摩擦係数測定で滑
らせる台(縦500mm×横300mmのステンレス
板)上に、包装材を縦×横=250mm×100mmの
大きさに切り出し、切り出された包装材の測定面(本実
施形態においては包装材の外面)が表になるように、ス
テンレス板上にシワのないように、周りをテープで貼り
付けて滑り測定台とする(切り出された包装材の縦方向
とステンレス板の縦方向とが同一となるようにする)。
この滑り測定台を水平にした上に、前記スベリ片の背面
を当接させておき、該スベリ片上にスベリ片と重りの荷
重が計1kgとなるように、荷重をかけて、引張速度2
00mm/min、引張距離60mm、チャート速度3
0mm/minの条件にて摩擦係数の測定を行う。得ら
れたチャートより常法に準じて静摩擦係数を求め、更に
動き出した後の平均荷重より平均動摩擦係数を求める。
(摩擦係数としては、静摩擦力が0.35kgなら静摩
擦係数は0.35となる。) 滑り測定台及びスベリ片に取り付けられた包装材の互い
に縦方向同士の摩擦係数を5点、及びそれぞれ横方向の
摩擦係数を5点の計10点の平均値を静摩擦係数及び動
摩擦係数として求める。
幅については、引張速度を低速にするほど表面特性の違
いが顕著になる傾向にあることから、本発明では、引張
速度50mm/min、引張距離80mm、チャート速
度30mm/minの条件にて、前記手順に従い測定す
る。摩擦係数の測定チャートの一例を図4に示す。この
チャートより、前記スベリ片が動き出し最初の荷重のピ
ークPを過ぎた後の荷重の極大平均値(動摩擦係数を求
めたチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番
目までの極大値の平均値を算出したもの、図4中、
A1 、A2 、A3 )及び極小平均値(動摩擦係数を求め
たチャート範囲にて、上記ピークPを過ぎた後の3番目
までの極小値の平均値を算出したもの、図4中、B1 、
B2 、B3 )を各々求め、極大平均荷重と極小平均荷重
との差を荷重の変動幅とする。
摩擦係数が測定される面である外面に所定の樹脂を主成
分とする被膜層を有していることで、前記静摩擦係数及
び平均動摩擦係数並びに荷重の変動幅が前記の範囲内と
なされている。
は、例えばウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体などが用いられる。
特に、摩擦性及び耐熱性に優れており、また包装材1の
周縁をヒートシールして個装体3を形成する際のヒート
シール性が優れる点から、ウレタン樹脂を用いることが
好ましい。
る。即ち前記被膜層は、前記樹脂100%から構成され
ていてもよく、或いは前記樹脂と少量の各種添加剤から
構成されていてもよい。該添加剤としては、例えば炭酸
カルシウムや硫酸バリウム等の無機フィラーが用いられ
る。該無機フィラーを用いることで、前記被膜層の表面
粗さが大きくなり、一層大きな摩擦力が得られる。前記
添加剤の量は、前記被膜層の1〜10重量%程度である
ことが好ましい。
って形成されている。前記被膜層の面積率は、前記外面
の面積の85%以上、特に95〜100%であること
が、摩擦力の発現部位が一層連続的になり、個装体3同
士の滑り防止効果が一層向上する点から好ましい。前記
被膜層は、半径1cmの円を考えた場合に、包装材1の
外面の任意の部分において測定された該円内での前記面
積率が前記の値以上となるように形成されていることが
好ましい。
場合、該被膜層は、所定のパターン、例えば亀甲模様、
格子模様等の所定の繰り返しパターンや、文字、図形、
記号等のパターンで形成される。
する樹脂液を、各種印刷方法、例えばグラビア印刷、フ
レキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法によって、包
装材1を構成するフィルムの一面に塗布・乾燥させるこ
とで形成される。また、ホットメルトコーター等を用
い、包装材1を構成するフィルムの一面に前記樹脂を薄
膜状に塗工し乾燥させて前記被膜層を形成することもで
きる。
/m2 、特に1〜3g/m2 となるように形成されてい
ることが、所望の摩擦力が発現し、且つ包装材1の周縁
をヒートシールして個装体3を形成する際のヒートシー
ル性が維持される点から好ましい。
ン〔直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)〕、ポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アク
リル酸共重合体(EA)、スチレン−イソプレン共重合
体(SIS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SB
S)、オレフィン系エラストマー等の一種又はそれらの
混合物が挙げられる。包装材1は、これらの材料の単層
フィルム又は積層フィルムから構成される。また、包装
材1の内面に後述する剥離処理を行う場合には、包装材
1に耐熱性が要求されることから、包装材1の内面側に
密度が0.93g/cm3 以上のポリエチレンやポリプ
ロピレン等の耐熱性を有する樹脂を用いることが好まし
い。
が形成される前に、該フィルムに所定の表面加工を施
し、その表面を梨地面やエンボス面となして、得られる
包装材1の風合い等を向上させてもよい。また前記フィ
ルムにコロナ放電処理等の表面処理を施し、該シートと
前記被膜層との密着性を高めてもよい。
する面である。そして、該内面には、ナプキンの非肌当
接面側に塗布された、着衣への固着用のホットメルト粘
着剤に対する剥離処理がなされていることが好ましい。
剥離処理には、シリコーン等の剥離剤が用いられる。包
装材1の内面に剥離剤をムラなく均一に塗工する点か
ら、該内面の平均表面粗さ(Ra)は0〜10μm、特
に0〜5μmであることが好ましい。
伸縮材料が配されたナプキンを図1に示す個装体3とな
すと、該個装体3は、中央部の厚みが他の部位よりも厚
い隆起部を有し、厚みの不均一な立体形状を有するもの
となる。このような立体形状の個装体を図2及び図3に
示すように包装袋に入れると、その工程中に個装体3同
士が滑って一部の個装体が整列状態から飛び出してしま
う等の不都合が起こり易い。しかし、本実施形態の包装
材1を用いれば、包装材1外面の微細な凹凸が互いに係
合して滑り難くなる。その結果、個装体を複数個整列包
装する際の取り扱い性が良好となり、生産性が高くなり
製造経費の低減が図られる。即ち、包装材1は、個装体
となしたときの厚みが不均一となることで該個装体の表
面が非平面形状となるナプキン等の吸収性物品の包装材
料として特に好適である。
性物品を個別に包装して個装体3を形成したときに、図
5に示すように、個装体3における隆起部3aの厚みT
1とその周辺部3bの厚みT2との差が3mm以上、特
に4mm以上であり、且つ隆起部3aの幅W1が、個装
体3の幅W2の50%以下、特に30%以下であるよう
な、表面が非平面形状である個装体であっても、包装材
として本実施形態の包装材を用いることにより、個装体
が互いに滑らず、整列包装する際の取り扱い性が良くな
る。ここで、隆起部3aの幅W1とは、個装体3を平面
視したときのXY平面におけるX方向及びY方向に関し
て測定された隆起部3aの長さのうち、短い方をいい、
隆起部3aが最狭部(例えばくびれ部)を有する場合に
は、該最狭部の幅が隆起部3aの幅W1となり、隆起部
3aが一定の幅である場合には当該幅が隆起部3aの幅
W1となる。また隆起部3aが最狭部を有さず且つ一定
の幅でもない場合(例えば幅が連続的に広がる場合又は
狭くなる場合等)には、最大幅が隆起部3aの幅W1と
なる。
DPE70重量%および密度0.925g/cm3 のL
DPEの30重量%をブレンドしたものを用いた。この
樹脂組成物をTダイから押し出して厚さ35μmの単層
のフィルムを形成した。このフィルムの片面にウレタン
樹脂からなる坪量1.0g/m2 の被膜層を形成した。
被膜層は、その面積率が100%となるように形成され
た。次いでフィルムの反対面に、剥離剤としてのシリコ
ンを塗工し乾燥させて剥離処理を施し、個装フィルムA
を得た。
成した。これ以外は実施例1と同様にして個装フィルム
Bを得た。
して個装フィルムCを得た。
ィルムDを得た。
個装フィルムについて、その外面側の静摩擦係数および
平均動摩擦係数ならびに荷重の変動幅を前述の方法によ
って測定した。また各個装フィルムを用いて中央部分が
盛り上がった形状の隆起部を有するナプキンを図1に示
す状態に個装し、個装体を20個整列させて包装袋にパ
ック詰めしたときのライン加工性を以下の基準で評価し
た。尚、この個装体は、厚みが不均一であり表面が非平
面形状となっていた(平坦ではなかった)。併せて該個
装体における隆起部の厚みT1とその周辺部の厚みT2
との差、及び隆起部の幅W1の個装体の幅W2に対する
割合を測定した。尚、T1及びT2の値は、ダイヤルゲ
ージ型厚み計を用い、10g/cm2 の荷重下で測定し
た。これらの結果を纏めて表1に示す。
ク詰め出来た。 ×・・・個装体同士が滑り、整列状態が崩れてパック詰
め出来なかった。
状態の崩れ易い厚みが不均一な個装体をパック詰めする
場合、被膜層が形成されており、静摩擦係数および平均
動摩擦係数ならびに荷重の変動幅が特定の範囲内にある
各実施例の個装フィルムを用いると、個装体同士の滑り
が発生せず、円滑にパック詰めできることが判る。
複数個整列包装しても、個装体が互いに滑らず、整列包
装する際の取り扱い性が良く、生産性向上及び製造経費
の低減に資する吸収性物品の包装材が提供される。
た生理用ナプキンの個装体の斜視図である。
た生理用ナプキンの個装体を複数個収納してなる包装袋
の一部破断斜視図である。
を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 吸収性物品を個別に包装するための包装
材において、前記包装材は、その少なくとも一面に所定
の樹脂を主成分とする被膜層を有しており、前記一面側
おける静摩擦係数が0.4〜1.2、平均動摩擦係数が
0.3〜1.0であり、且つ動摩擦係数測定時に観察さ
れる荷重の変動幅が25cN以下である吸収性物品の包
装材。 - 【請求項2】 前記被膜層の面積率が、前記一面の面積
の85%以上である請求項1記載の吸収性物品の包装
材。 - 【請求項3】 前記樹脂が、ウレタン樹脂からなる請求
項1又は2記載の吸収性物品の包装材。 - 【請求項4】 前記吸収性物品は、個装体となしたとき
の厚みが不均一となることで該個装体の表面が非平面形
状となるものである請求項1〜3の何れかに記載の吸収
性物品の包装材。 - 【請求項5】 請求項1記載の包装材によって吸収性物
品が個別に包装されてなる吸収性物品の個装体であっ
て、該個装体は所定形状の隆起部を有し、該隆起部の厚
みとその周辺部の厚みとの差が3mm以上であり、且つ
該隆起部の幅が、該個装体の幅の50%以下である吸収
性物品の個装体。
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- 1999-10-29 JP JP30990799A patent/JP3748748B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-10-19 TW TW89121906A patent/TW528594B/zh not_active IP Right Cessation
- 2000-10-27 CN CN 00130338 patent/CN1259026C/zh not_active Expired - Fee Related
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