JP3747782B2 - 搬送ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録紙などのシートの搬送に用いる搬送ローラに関し、特に、製版機などの感光シートの搬送に適した搬送ローラに関する。
【0002】
【背景技術】
周知のように、例えば製版機やカラープリンタなどの感光シートXの給紙パスにおいては、図4に示すような駆動ローラA及び支持軸Bに支持される複数の搬送ローラD(従動ローラ)を用いて感光シートXを搬送する。即ち、図4の符号“E”は案内板であり、これらの搬送ローラDはEリングFを用いて支持軸Bの長さ方向に隣り合った状態とされ、駆動される駆動ローラAの周面に転接されて給紙パスに沿って感光シートを送る。
【0003】
ちなみに、製版機などで用いる感光シートは、感光面が酸化亜鉛層などの非常に柔らかい樹脂層で構成されているため、感光面に強い圧力が加わったり、表面で0.01mmといった凸のある硬い表面が接触するだけでキズ付き、画像品質が極端に劣化するから、硬質の樹脂成形ローラを搬送ローラとして使用することができない。
このため、痛み易い表面をもった感光シートXなどの給紙パスには、感光シートXに対する接触面をゴムなどの軟質材料で構成した図5に示すようなゴムローラが搬送ローラDとして用いられている。
【0004】
つまり、この搬送ローラDは、前述した支持軸Bに対して自転可能に嵌められる金属または樹脂製の軸筒スリーブd1 及び同軸筒スリーブd1 の外周面に一体成形されるゴムなどの軟質材料からなる摩擦接触筒d2 から構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構造の搬送ローラDは、軸筒スリーブd1 を中子として金型K1 と金型K2 との間で摩擦接触筒d2 を成形して得られるが、金型K1 と金型K2 のパーティングラインに対応した摩擦接触筒d2 の一端外周エッジYに小さなリング状バリが生じ、このバリが感光シートXの感光面に当たると、微妙な感光面に擦りキズなどが発生する。このようなバリによる画像品質の劣化は、感度や感光特性等が著しく改善された金属箔ベースの感光シートで特に問題になり、擦りキズの発生で、せっかくの感光特性が充分に発揮されない事態となっている。
【0006】
本発明の目的は、以上に述べたような従来の搬送ローラの問題に鑑み、ゴムなどの摩擦接触層の表面に形成されるバリが搬送される感光シートに悪影響を与えない搬送ローラ構造を得るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、ゴムなどの弾性体で構成されて外周面に搬送シートが接触される摩擦接触筒と、この摩擦接触筒に内挿される硬質の軸筒スリーブとを備え、前記摩擦接触筒は内径が軸筒スリーブの外径より小さな中間厚肉部及びこの中間厚肉部に連続的に成形される両端薄肉部を有し、前記軸筒スリーブは均一厚みの円筒である搬送ローラを提案するものである。
【0008】
本発明によれば、摩擦接触筒のエッジにバリが形成されても、組立状態のバリの位置は摩擦接触筒の中間部外周面よりも充分に内径側に偏位した状態となるため、同バリが感光シートの感熱面に接触して擦りキズが発生するのを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図4について本発明の実施例の詳細を説明する。
図1は本発明を施した製版機の全体断面を示し、外部光を遮光できる機体1の右下部にはそれぞれサイズの異なったマスターシートロールを装架できる第1給紙装置2A及び第2給紙装置2Bが内蔵される。
【0010】
これらの第1給紙装置2A及び第2給紙装置2Bは、マスターシートロールを取り付けられる着脱自在な装架ドラム2a、マスターシートXの先端を引き出す繰出ローラ2b、同マスターシートXを指定された長さに切断するカッター2c、給紙ローラ2dをそれぞれ備え、切断されたマスターシートX(感光シート)は第1パス3a及び第2パス3bを通って給紙パス3に送り出される。
これらの第1パス3a、第2パス3b、給紙パス3はマスターシートXを案内する案内板3c、案内板3cに付設される駆動ローラ3d、本発明の多数の搬送ローラ11(後述する。)で構成される。
同給紙パス3の途中にはマスターシートXに荷電を行う帯電電極4が設けられ、同帯電電極4を通ったマスターシートXは副走査速度で調速駆動される機体1の上部中央のフィードロール5に供給される。
【0011】
フィードロール5に位置したマスターシートXの表面には、レーザ走査ユニット6から原稿画像がビーム走査され、同走査によりマスターシートXの感光面に原稿画像が潜像化された後、同マスターシートXは機体1の左半部にある湿式現像装置7に引き渡される。
【0012】
この湿式現像装置7で原稿画像を現像されたマスターシートXは、湿式現像装置7の出口側に隣り合わされた加熱定着装置8で乾燥されてトナー画像を定着され、機体1の左側上部に設ける排紙ローラ9の排出運動で機体1外部の捕集トレー10上に捕集されることになる。
なお、図示は省略するけれども、マスターシートXの通過タイミングを検出するため、前述した湿式現像装置7の入口には通過するマスターシートXの先端を検出する現像部入口センサS1 が、通過するマスターシートXの後端を検出する排紙センサS2 が排紙ローラ9位置に配置される。
【0013】
図2及び図3は前述した製版機に用いる本発明の第1実施例による搬送ローラ11であり、この搬送ローラ11は金属または樹脂などの硬質材料からなる軸筒スリーブ12と、この軸筒スリーブ12が内部に圧入されるゴムなどの軟質弾性材料製の摩擦接触筒13とで構成され、それぞれ別工程で製造される軸筒スリーブ12が摩擦接触筒13に圧入され、同軸筒スリーブ12が支持軸(図示せず)に自転可能に支持されて従動ローラとして用いられる。
【0014】
詳しく説明すると、全体を均一肉厚の円筒部品として加工される前記軸筒スリーブ12は、内挿される支持軸の外径よりも僅かに大きな内径D1 と軸方向長さL1 をもっている。
また、均一な外径の中空部品としてゴムなどの弾性材料で成形される摩擦接触筒13は、前記軸筒スリーブ12の外形D2 よりも小さな内径D3 の中間厚肉部13aと、この中間厚肉部13aの両端に一体成形される両端薄肉部13b,13cとからなり、摩擦接触筒13の全体長さL2 は軸筒スリーブ12の軸方向長さL1 よりも僅かに短くしてある。
そして、中間厚肉部13aは軸筒スリーブ12の軸方向長さL1 よりも充分に短い長さL3 とされ、摩擦接触筒13の両端薄肉部13b,13cは中間厚肉部13aの厚みに比較して充分に小さな厚みL4 で、しかも中間厚肉部13aの両端面から長さL5 だけ張り出した寸法としてある。
【0015】
したがって、第1実施例による搬送ローラ11は、以上のような構造であるから、弾性材料で成形された摩擦接触筒13中に硬質の軸筒スリーブ12を圧入すると、軸筒スリーブ12からの圧力で中間厚肉部13aが放射方向に拡大変形するが、両端薄肉部13b,13cには外力が作用しないため、全体として樽型に変形する。
このため、両端薄肉部13b,13cの外周エッジに金型のパーテングラインに沿ったバリが残っていても、同バリの位置はマスターシートXに接触することのない内周位置となるため、バリの存在により擦りキズが発生するのを防止できる。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、比較的簡単な構造で、しかもキズ付き安い感光面などを損傷することのない搬送ローラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による搬送ローラを施した製版機の断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による搬送ローラの分解図である。
【図3】同搬送ローラの組立状態の断面図である。
【図4】従来の給紙パスの斜視図である。
【図5】従来の搬送ローラの断面図である。
【符号の説明】
X マスターシート(感光シート)
11 搬送ローラ
12 軸筒スリーブ
13 摩擦接触筒
13a 中間圧肉部
13b,13c 両端薄肉部
Claims (1)
- ゴムなどの弾性体で構成されて外周面に搬送シートが接触される摩擦接触筒と、この摩擦接触筒に内挿される硬質の軸筒スリーブとを備え、前記摩擦接触筒は内径が軸筒スリーブの外径より小さな中間厚肉部及びこの中間厚肉部に連続的に成形される両端薄肉部を有し、前記軸筒スリーブは均一厚みの円筒であることを特徴とする搬送ローラ。
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JP2001003681A JP3747782B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-01-11 | 搬送ローラ |
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JP2001003681A JP3747782B2 (ja) | 2001-01-11 | 2001-01-11 | 搬送ローラ |
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Family Applications (1)
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