JP2001192134A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents
シート給送装置及び画像形成装置Info
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Abstract
て、ローラ圧接部の永久歪みを低減したコスト的にも安
価なローラ構成としながら、スポンジ材料等のリタード
ローラで得られたのと同等のシート束分離性能を長期に
渡って維持する。 【解決手段】 リタードローラ10は、芯金部5と、芯
金部5に取り付けられる弾性体からなるローラ本体部1
0rとを有し、ローラ本体部10rは、芯金部5に取り
付けられた状態で内部に空気層を有する中空形状とさ
れ、芯金部5と係合する内周部1と、内周部1から延接
する一対の側壁部3,3と、一対の側壁部と接続されフ
ィードローラと接触する外周部2とからなり、外周部2
が側壁部3よりも厚く形成される。
Description
びこれを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等のシ
ートに画像を形成する画像形成装置に関する。
機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、画
像形成手段にシートを給送するシート給送装置が備えら
れている。以下、従来の画像形成装置及びシート給送装
置について、図6を参照して説明する。
真方式によりシートに画像を形成するものであり、筐体
としての画像形成装置本体101の一側部に、多量のシ
ートS’を積載収納可能な給送デッキ102が備えら
れ、画像形成装置本体101内の下部には、所定量のシ
ートS’を積載収納する給送カセット103,105が
着脱可能に備えられている。
部としての給送デッキ102、及び各給送カセット10
3,105の設置部位には、それぞれ、リタード分離方
式のシート分離手段を有するシート給送装置106,1
07,109が備えられている。
3,105内のシートS’は、それぞれのシート給送装
置106,107,109によって画像形成部に給送さ
れると、まず、回転停止しているレジストローラ対11
0に送られて、ここで斜行状態の矯正が行われる。
る潜像とのタイミングをとってレジストローラ110が
回転することにより、シートS’は、感光体ドラム11
1と転写帯電器112との間に送られて、ここで感光体
ドラム111上のトナー像が転写され、画像形成処理が
なされる。
により定着器(定着ローラ対)115に送られて、ここ
で転写されたトナー像をシート面に定着させるための定
着処理がなされる。
に複写を行う通常複写モードの他に、シートS’への両
面複写を行う両面複写モードと多重複写を行う多重複写
モードを備えており、通常複写モードの場合には、定着
処理後のシートS’は、内排出ローラ対117により機
外の排出トレイ119上に排出される。
の場合には、定着処理後のシートS’は、内排出ローラ
対116またはスイッチバックローラ対127により再
給送パス120及び両面搬送パス126を介して中間ト
レイ121上に一時的に積載収納される。そして、中間
トレイ121上に収納されたシートS’は、再給送装置
130により再び画像形成のためにレジストローラ対1
10に搬送され、以後は片面複写と同一のプロセスを経
て、機外の排出トレイ119上に排出される。
記リタード分離方式のシート給送装置の構成について説
明する。図7に、リタード分離方式で構成された従来の
シート給送装置を示す。図7のシート給送装置201
は、図6の画像形成装置におけるレジストローラ対11
0、感光体ドラム111、転写帯電器112等からなる
画像形成部にシート202を供給するものであり、前記
画像形成装置のシート給送装置106,107,109
に共通した概略構成を示している。
台上に複数枚のシートが積み重ねられて収納されたシー
ト収納装置203から最上層のシート202を1枚ずつ
給送するピックアップローラ205と、このピックアッ
プローラ205によりシート収納装置203から給送さ
れたシート202を画像形成装置本体内(図示矢印b方
向)へ搬送するように回転するフィードローラ206
と、このフィードローラ206に圧接して対向位置し、
ピックアップローラ205によって給送されたシートが
複数枚の場合にはフィードローラ206の回転方向と逆
搬送方向に回転して1枚のシート202に分離するため
のリタードローラ207と、前記感光体ドラム111等
の画像形成手段の手前に配置された搬送ローラ対209
とを具備している。
207は、それぞれ図7に示すように、フィードローラ
軸215及びリタードローラ軸216に取り付けられた
芯金部206h,207hと、芯金部206h,207
hに取り付けられるローラ本体としての弾性部206
r,207rとからなる。
ラ206及びリタードローラ207との間のシート通過
領域210にはガイド部材211が配置され、フィード
ローラ206及びリタードローラ207と搬送ローラ対
209との間、及び搬送ローラ対209と画像形成装置
本体との間にガイド部材212が配置され、それぞれシ
ート202が案内搬送されるようになっている。
ーラ207は、図8に示す駆動伝達装置213によって
駆動される。駆動伝達装置213は、図8に示すよう
に、フィードローラ206が軸支されるフィードローラ
軸215と、リタードローラ207が軸支されるリター
ドローラ軸216及びこのリタードローラ軸216に連
結されたリタードローラ駆動軸217とが、略平行に設
けられている。
動自在な支持部材に支持され、フィードローラ軸215
に対して並行に接離可能となっている。また、リタード
ローラ軸216とリタードローラ駆動軸217との間に
は、カップリング219及びトルクリミッター220が
配置されている。さらに、フィードローラ軸215の端
部には、図示しない画像形成装置本体のメイン駆動手段
から駆動入力ベルト221を介して伝達された駆動力を
フィードローラ軸215に伝達する電磁クラッチ222
が設けられている。
ローラ駆動軸217との間には、フィードローラ軸21
5に伝達された回転駆動力をリタードローラ駆動軸21
7に伝達するリタード駆動ベルト223が巻き掛けられ
ている。なお、カップリング219は、リタードローラ
207が変位しても、駆動をリタードローラ駆動軸21
7からリタードローラ軸216に伝達するためのもので
ある。
ローラ206及びリタードローラ207の駆動動作につ
いて説明する。図示しない画像形成装置本体のメイン駆
動手段から回転駆動力が与えられると、この回転駆動力
は、駆動入力ベルト221に伝達されることにより、給
送タイミングに応じてON−OFF制御される電磁クラ
ッチ222のアマチュア部に設けられたプーリ225に
入力される。
クラッチ222のロータ部と一体に回転するフィードロ
ーラ軸215と、リタードローラ駆動軸217及びリタ
ードローラ軸216とが、リタード駆動ベルト223に
よって連結されているので、フィードローラ軸215と
リタードローラ軸216及びリタードローラ駆動軸21
7とが互いに同方向に回転し、フィードローラ206と
リタードローラ207は、給送タイミングON時に同期
して回転駆動される。
02が給送方向(図7、図8に示す矢印b方向)に1枚
ずつ送られる際には、リタードローラ207は、フィー
ドローラ206及びシート202との間の摩擦力により
トルクリミッター220が空転することにより、リター
ドローラ駆動軸217の駆動回転方向と逆方向に回転
し、圧接して対向位置するフィードローラ206に対し
て連れ回り回転する。
数枚のシート202が給送された(束搬送)際には、リ
タードローラ207とシート202との間の摩擦力より
も複数枚のシート202間の摩擦力が小さいことから、
トルクリミッター220が空転せずに駆動がかかること
により、リタードローラ207は、リタードローラ駆動
軸217の回転駆動方向と同方向に回転する。これによ
り、複数枚送られたシート202の中のフィードローラ
206側すなわち最上部のシート202とそれ以外のシ
ート202とを分離し、画像形成装置本体内へのシート
202の重送を防止するようになっている。
ラ207で分離しきれずに画像形成装置本体内へ複数枚
のシートが送られる現象と定義され、ピックアップロー
ラ205により複数枚のシートがリタードローラ207
まで送られる現象である「束搬送」と区別される。
よるシート202の給送、分離条件を満足する理論式に
ついて説明する。
摩擦係数 μBP :フィードローラ206とシート202間の摩擦
係数 μCP :リタードローラ207とシート202間の摩擦
係数 μAPP:ピックアップローラ205加圧部下のシート2
02間の摩擦係数 μBPP:フィードローラ206とリタードローラ207
とのニップ部のシ ート材202間の摩擦
係数 N :リタードローラ207の加圧力 T :トルクリミッター220の空転トルク r :リタードローラ207の半径 W :ピックアップローラ205の加圧力 である。
分離条件、(式3)はリタードローラ207の連れ回り
条件をそれぞれ満足する式である。
ーラ加圧部の摩擦係数はさほど大きくばらつくことはな
いため、μAPP ≒μBPP=μPP と置き換えると、(式
1)及び(式2)は、それぞれ以下の(式4)(式5)
となる。
7の加圧力Nとトルクリミッター220の空転トルクT
をパラメータとしてグラフ化したものを図9に示す。同
図において、斜線部が給送領域である。
めには、各ローラとシート間の摩擦係数を大きくする
か、ピックアップローラ205の加圧力を小さくするこ
とが必要となり、また、リタードローラ207の加圧力
Nとトルクリミッター220の空転トルクTを共に大き
くする方向(図中右上の方向)の条件下に給送条件を設
定した方が給送領域は広くなることが理解できる。
域を大きく拡大する新技術として、シート収納装置から
束搬送されたシートに対する分離性能を格段に向上させ
たシート給送装置が特開平07−117880号公報に
て提案されている。これは、リタードローラをフィード
ローラよりも硬度の小さいスポンジ等の弾性材料で構成
し、フィードローラとリタードローラとが圧接したとき
のニップ形状について、リタードローラ側に凹形状とな
るようにしたことで、従来の合成ゴム製リタードローラ
では得られなかった下記3項目の効果が得られる画期的
な技術である。
裁き能力の向上 ・リタードローラの弾性体化による分離動作時のローラ
びびり音の解消、分離されるシートのあばれ防止 ・トルクリミッターの必要トルクが低減されることによ
るローラ寿命向上、斜行の軽減。
るスポンジ等の弾性材料を用いたリタードローラであっ
ても、以下に述べるような欠点があった。
けて通れない材料であるため、フィードローラに対して
常時圧接されニップ部が凹形状となった状態のリタード
ローラは、長期放置、特に高温高湿環境下に放置され続
けると、凹形状のニップ部がやがて元の略真円形状には
復元しにくくなる。
部分のリタードローラ半径が小さくなるために、ローラ
外周接線方向のシート束の戻し力が増大する。これは、
ピックアップローラによって束搬送されたシートの束を
分離するには好都合な現象であるが、シート1枚づつの
通常の搬送時にはリタードローラ連れ回りの抵抗が大き
くなるため、フィードローラへのダメージが累積された
結果、フィードローラのスリップによる給送ジャムが多
発する要因になってしまう。
の表層の強度を保つために、スポンジ母材の外周面にコ
ーティングを施していたため、ローラ単体としてのコス
トが合成ゴムに対してどうしても割高になってしまうと
いう問題があった。
ドローラと同様な効果が期待される他の技術としては、
特開平6−329282号公報、特開平6−34034
3号公報、特開平10−316257号公報等で提案さ
れた合成ゴムを用いて中空化したローラが挙げられる。
ィードローラの概略形状を示す。図において、300は
中空リタードローラにおけるゴム等の弾性体の部分(ロ
ーラ本体部)、206rは図7及び図8に示したフィー
ドローラ206のローラ本体部であり、図10では全体
の1/4の部分を抽出して示している。これら各ローラ
本体部300,206rは、それぞれ回転可能に軸支さ
れた不図示の芯金部(図7,図8参照)に取り付けられ
る。
金部の軸(以下、芯金軸という。)に平行なX−Y平面
による断面をX−Y断面と呼び、芯金軸に垂直なY−Z
平面による断面をY−Z断面と呼ぶことにする。また、
図11は芯金軸に平行なX−Y断面でのニップ部につい
ての断面形状図であり、中空リタードローラのローラ本
体部300において、図11の点線で囲まれた領域31
0の部分を内周部と、領域320の部分を外周部と、領
域330の部分を側壁部と、それぞれ呼ぶことにする。
ここで、内周部とは、前記芯金部と係合する部分であ
り、側壁部とは、内周部の両端から延接される部分であ
り、外周部とは、側壁部と接続されフィードローラと接
触する部分である。
ラに加えている力と同等の加圧力で、従来の中空リター
ドローラのローラ本体部300(以下、単に中空リター
ドローラ300という。)にフィードローラ206のロ
ーラ本体部206r(以下、単にフィードローラ206
rという。)を圧接したときの変形状態を示したX−Y
断面図であり、図13は同様に変形状態を示したY−Z
断面図である。
空リタードローラ300では、フィードローラ206r
と圧接した際には、外周部における芯金軸方向の中央部
410においてフィードローラ206rと当接せずに浮
いてしまっていた。このため、従来の中空リタードロー
ラ300では、シート搬送時には、芯金軸方向に均一な
ニップが形成されるスポンジ製ローラと同等な分離性能
が得られなかった。
部が芯金軸方向中央部でフィードローラ206rから浮
いてしまう原理を説明するためのX−Y断面図である。
ーラ300の外周部方向(図14の矢印A方向)に押圧
されると、中空リタードローラ300においては、側壁
部が図14の矢印B方向に変形し、外周部における芯金
軸方向の中央部410をフィードローラ206と離れる
方向に持ち上げるような力が生じる。これにより、中空
リタードローラ300は、外周部の外周面が太線420
に示すような曲げ変形を起こし、外周部における芯金軸
方向の中央部410がフィードローラ206rから浮い
てしまう。
るフィードローラ206rと中空リタードローラ300
の近接量(フィードローラ206rの中空リタードロー
ラ300への侵入量)は、中空リタードローラ300に
おいて、図15の太線420に示すような外周部の曲げ
剛性よりも、図14に示すように、側壁部の曲げ剛性に
依存する。そして、側壁部の曲げ剛性は、一定以上の加
圧力に対しては、座屈的な変形を起こして急激に低下す
ることが判明している。このように、側壁部が座屈的に
変形した状態になると、中空リタードローラ300は、
加圧力の増加に伴ってフィードローラ206rに対する
侵入量が急激に増加し、側壁部が図12の領域440の
位置でフィードローラ206rに接触してしまい、耐久
性の面でも問題が発生した。
タード分離方式のシート給送装置及びこのシート給送装
置を備えた画像形成装置において、ローラ圧接部の永久
歪みを低減したコスト的にも安価なローラ構成としなが
ら、スポンジ材料等の弾性体リタードローラで得られた
のと同等のシート束分離性能を長期に渡って維持するこ
とにある。
の第1の構成は、シートを収納支持するシート収納手段
と、シート収納手段からシートを給送する給送手段と、
給送手段により給送されたシートを1枚ずつ分離搬送す
るためのシート分離搬送手段と、を具備したシート給送
装置において、シート分離搬送手段は、シート給送方向
に回転するフィードローラと、フィードローラに圧接
し、トルクリミッタを介してシートの給送方向とは逆方
向に回転力を付与されるリタードローラと、を備え、リ
タードローラは、芯金部と、芯金部に取り付けられる弾
性体からなるローラ本体部とを有し、ローラ本体部は、
芯金部に取り付けられた状態で内部に空気層を有する中
空形状とされ、かつ、厚みが均一でない部分を有するこ
とを特徴とする。
第1の構成において、リタードローラのローラ本体部
は、芯金部と係合する内周部と、内周部から延接する一
対の側壁部と、一対の側壁部と接続されフィードローラ
と接触する外周部とからなり、外周部が側壁部よりも厚
く形成されたことを特徴とする。
第1又は第2の構成において、リタードローラのローラ
本体部は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)・シリコンゴム等の合成ゴムからなることを特徴と
する。
第2又は第3の構成において、リタードローラのローラ
本体部は、外周部の厚みが、側壁部の厚みの1.1倍〜
4倍であることを特徴とする。
第2乃至第4のいずれか1の構成において、リタードロ
ーラのローラ本体部は、芯金部の軸方向の中央における
外周部の外径が、芯金部の軸方向の両端における外周部
の外径よりも大きい、断面略正クラウン型とされたこと
を特徴とする。
第5の構成において、リタードローラのローラ本体部
は、外周部の厚みが芯金部の軸方向で一定であることを
特徴とする。
第5の構成において、リタードローラのローラ本体部
は、芯金部の軸方向の中央における外周部の厚みが、芯
金部の軸方向の両端における外周部の厚みよりも厚くな
るように形成されたことを特徴とする。
第5の構成において、リタードローラのローラ本体部
は、外周部の内径が芯金部の軸方向で一定であることを
特徴とする。
第5の構成において、リタードローラのローラ本体部
は、外周部と側壁部との接続部における外周部の外径が
側壁部の頂点の外径よりも大きく形成されることによ
り、外周部と側壁部との間に段差部が形成されたことを
特徴とする。
は、第2乃至第9のいずれか1の構成において、リター
ドローラのローラ本体部は、外周部の外周面に、シート
の粉除去のためのローレット部が形成されたことを特徴
とする。
は、第1乃至第10のいずれか1の構成において、フィ
ードローラは、芯金部と、芯金部に取り付けられるロー
ラ本体部とを有し、ローラ本体部がエチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)・シリコンゴム等の合成ゴ
ムからなることを特徴とする。
のいずれか1の構成を備えたシート給送装置と、シート
給送装置から給送されたシートに画像を形成する画像形
成手段とを備えることを特徴とする。
照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施の形態で
は、図6乃至図9で説明した画像形成装置及びリタード
分離方式のシート給送装置に適用されるリタードローラ
について説明し、他の部分の構成については上述の通り
であり、その説明を省略する。
ラは、フィードローラに圧接する前の状態(以下、圧接
前状態という。)について図示しており、各部の寸法に
ついてもこの圧接前状態を基準として説明する。
て、本発明の第1の実施の形態について説明する。
り、第1の実施の形態のリタードローラの上半分側につ
いて抽出した、芯金軸方向(図1の矢印AB方向)に平
行なX−Y断面図である。このリタードローラ10は、
芯金部5と、芯金部5に取り付けられる弾性体からなる
ローラ本体部10rとを有している。そして、リタード
ローラ10のローラ本体部10rは、図1に示すよう
に、芯金部5と係合する一対の内周部1と、各内周部1
から延接する一対の側壁部3,3と、各側壁部3と接続
されフィードローラと接触する外周部2とにより内部に
空気層を有する中空形状とされている。ローラ本体部1
0rの材質は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)・シリコンゴム等の合成ゴムとする。
0rとローラ本体部10rと芯金部5とを一体化する際
に、芯金部5に対して圧入係合される部分であり、薄肉
円筒形状で相互に略同心円上に位置する。リタードロー
ラ10では、ローラ本体部10rの各内周部1が芯金部
5の溝部5aに対して密着することにより、内部の空気
が漏れないようになっている。
し、図1に示すように、内周部1よりも狭い幅となって
いる、また、外周部2の外周面には、シートの粉除去の
ためのローレット部4が形成されている。
側に接続され、芯金部5の軸方向両端側で内周部1と外
周部2と支持する。側壁部3は、内周部1の幅よりも外
周部2の幅の方が狭くなっていることから、外周部2側
に行くにつれて中央に湾曲する形状となっている。
部10rは、外周部2の厚みが側壁部3の厚みよりも厚
く形成されている。具体的には、外周部2と側壁部3と
の厚みの比は、側壁部3に対して外周部2が1.1倍〜
4倍の範囲の値となるようにする。
おける芯金軸方向の中央部外径R1が芯金軸方向の端部
の外径R2よりも大きい正クラウン型となっている。具
体的には、中央部外径R1が32.0mm、端部の外径
R2が31.6mmとなっている。
芯金軸方向で一定となっており、ローレット部4を除い
た部分の肉厚H1が1.5mm、ローレット部4の肉厚
H2が1.0mmとなっている。これに対して、各側壁
部3の厚みL1は、外周部2よりも薄い1.0mmとな
っている。
のリタードローラ10によれば、シートの搬送時にフィ
ードローラに対して圧接された場合に、芯金軸方向の全
域で接触するようになり、スポンジ材料等で形成された
従来のリタードローラと同等のシート束分離性能を長期
に渡って維持することができる。
うに、従来のリタードローラにおいて芯金軸方向の中央
部に生ずる浮きは、前述したように外周部での曲げ変形
によって起こる。これに対しては、実施の形態のように
外周部2を厚肉化することにより、外周部2の前記曲げ
変形が起こりにくくなり、結果として芯金軸方向中央部
でのシートからの浮きが解消され、外周部2がフィード
ローラに対し芯金軸方向全域で接触するようになる(図
3参照)。
近接量は、側壁部3の曲げ剛性よりも外周部2の曲げ剛
性(図4参照)に依存するようになり、一定以上の加圧
力に対しても側壁部3が座屈的な変形を起こさなくな
り、加圧力に対するフィードローラ、リタードローラの
近接量が安定し、側壁部3とフィードローラが接触する
ことはなくなる。
3の肉厚も同様に厚くした場合には、ニップ幅が所定以
上確保できなくなり、3枚以上のシートが送られた時の
分離性能が悪化する。従って、実施の形態のように、側
壁部3の厚みを少な目に設定し、外周部2の厚みを側壁
部3に対して1.1倍〜4倍の範囲で調整することで、
所定のニップ幅を維持しつつ軸方向中央の浮きが抑えら
れ、スポンジ製のリタードローラと同等の分離性能が得
られるようになる。
形態に係るリタードローラの上半分側について抽出して
表した、芯金軸方向(図2の矢印AB方向)に平行なX
−Y断面図である。なお、第1の実施の形態と同一機能
の部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略す
る。
は、上述のリタードローラ10と同様に、芯金部5と、
内周部1、ローレット部4が形成された外周部2、側壁
部3からなる合成ゴム製のローラ本体部20rとを有
し、外周部1の厚みが側壁部3の厚みよりも1.1倍〜
4倍の範囲で厚く形成され、外周部2における芯金軸方
向の中央部外径が軸方向端部の外径よりも大きい正クラ
ウン型となっている。なお、外周部2の中央部外径(R
1=32.0mm)と端部の外径(R2=31.6m
m)については第1の実施の形態と同様である。
芯金軸方向で一定(図2においてR1=R2)であり、
このため外周部2の内面2aが芯金軸方向に直線状とな
っている。また、このリタードローラ20では、外周部
2の厚みにつき、芯金軸方向端部の厚みよりも芯金軸方
向中央部の厚み方が厚くなるように形成されている。具
体的には、本実施の形態では、外周部2のローラ本体部
の厚みは、ローレット部4を除いた部分の軸方向端部の
肉厚H4が1.25mm、ローレット部4を除いた部分
の外周部軸方向中央部の肉厚H3が1.65mm、ロー
レット部4の肉厚H2が mmとなっている。これに
対して、側壁部3,3の厚みL1は、外周部2よりも薄
い1.0mmとなっている。
0の加圧時の変形状態を図3と図4に示す。図3はX−
Y断面内変形状態、図4はY−Z断面内変形状態であ
る。なお、リタードローラ20と当接するフィードロー
ラ206については、図7乃至図15で説明した従来と
同様のものであり、回転可能に軸支される芯金部206
hに対してエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)・シリコンゴム等の合成ゴム製のローラ本体部20
6rが取り付けられた構成となっている(図7、図8参
照)。
適用した実施の形態のリタードローラによれば、フィー
ドローラ206rとの芯金軸方向の浮きは完全に解消さ
れた。また、スポンジ等の材料のリタードローラで得ら
れるシート束分離性能を長期に渡って維持することがで
きた。
形態に係るリタードローラの上半分側について抽出して
表した、芯金軸方向(図5の矢印AB方向)に平行なX
−Y断面図である。なお、第1の実施の形態と同一機能
の部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略す
る。
は、上述のリタードローラ10,20と同様に、芯金部
5と、内周部1、ローレット部4が形成された外周部
2、側壁部3からなる合成ゴム製のローラ本体部30r
とを有し、外周部1の厚みが側壁部3の厚みよりも1.
1倍〜4倍の範囲で厚く形成され、外周部2における芯
金軸方向の中央部外径が軸方向端部の外径よりも大きい
正クラウン型となっている。なお、外周部2の中央部外
径(R1=32.0mm)と端部の外径(R2=31.
6mm)については第1及び第2の実施の形態と同様で
ある。
壁部3との接続部における外周部2の外径が、側壁部3
の頂点の外径よりも大きく形成され、図5に示すよう
に、外周部2と側壁部3との間に段差部2bが形成され
ている。
第1の実施の形態と同様に芯金軸方向で一定となってお
り、段差部2bを含みローレット部4を除いた部分の肉
厚H5が1.5mm、ローレット部4の肉厚H2が1.
0mm、段差部2bの厚みH6が0.5mmとなってい
る。これに対して、側壁部3の厚みL1は、外周部2よ
りも薄い1.0mmとなっている。
のリタードローラ30によれば、上述のリタードローラ
10,20と同様に、芯金軸方向全域でフィードローラ
との接触が可能であり、さらには、側壁部3とフィード
ローラが段差部2bの分だけ離れているため、リタード
ローラ30とフィードローラとの加圧力が大きい場合で
あっても、フィードローラに対して側壁部3が接触しに
くいというメリットがある。
施の形態では、外周部2の厚みが芯金軸方向で一定とし
たが、上述の第2の実施の形態の如く、外周部2の厚み
につき、芯金軸方向端部よりも芯金軸方向中央部の方が
厚くなるようにしても良い。
ーラを有するリタード分離方式のシート給送装置及びこ
のシート給送装置を備えた画像形成装置によれば、ロー
ラ圧接部の永久歪みを低減したコスト的にも安価なロー
ラ構成としながら、スポンジ材料等のローラ本体部のリ
タードローラで得られたのと同等のシート束分離性能を
長期に渡って維持することが可能となる。
る各部の寸法は、上述の実施の形態の値に限定されるも
のではない。また、リタードローラのローラ本体部にお
ける外周部と側壁部との厚みの比は、側壁部に対して外
周部が1.1倍〜4倍の範囲であれば良く、上述の実施
の形態の値に限定されるものではない。
た電子写真方式の画像形成装置のみならず、インクジェ
ット方式、その他各種の画像形成装置に適用できること
は言うまでもない。
リタード分離方式のシート給送装置及びこのシート給送
装置を備えた画像形成装置において、ローラ圧接部の永
久歪みを低減したコスト的にも安価なローラ構成としな
がら、スポンジ材料等の弾性体リタードローラで得られ
たのと同等のシート束分離性能を長期に渡って維持する
ことが可能となる。
り、リタードローラの第1の実施の形態を示す芯金軸に
平行な断面図である。
図である。
形態のリタードローラの変形状態を示す芯金軸に平行な
断面図である。
る。
軸に平行な断面図である。
斜視図である。
分離条件、連れ回り条件を説明する図であり、リタード
ローラの加圧力とトルクリミッターの空転トルクをパラ
メータとしてグラフ化した給送領域図である。
ラの概略形状を示す図である。
側壁部について説明するための芯金軸に平行な断面図で
ある。
リタードローラの変形状態を示す芯金軸に平行な断面図
である。
リタードローラの変形状態を示す芯金軸と垂直方向の断
面図である。
部でフィードローラに対して浮く原理を説明するための
芯金軸と平行方向の断面図である。
リタードローラの曲げ変形状態を説明する図である。
段) 10r,20r,30r ローラ本体部 1 内周部 2 外周部 2a 外周部の内面 2b 段差部 3 側壁部 4 ローレット部 5 芯金部 5a 溝部 H1 外周部におけるローレット部を除いた部分の肉厚 H2 外周部におけるローレット部の肉厚 H3 外周部におけるローレット部を除いた部分の軸方
向中央部の肉厚 H4 外周部におけるローレット部を除いた部分の軸方
向端部の肉厚 H5 外周部における段差部を含みローレット部を除い
た部分の肉厚 H6 外周部における段差部の厚み L1 側壁部の厚み 102 給送デッキ(シート収納手段) 103,105 給送カセット(シート収納手段) 205 ピックアップローラ(給送手段) 206 フィードローラ(シート分離搬送手段) 206h 芯金部 206r 弾性部
Claims (12)
- 【請求項1】 シートを収納支持するシート収納手段
と、前記シート収納手段からシートを給送する給送手段
と、給送手段により給送された前記シートを1枚ずつ分
離搬送するためのシート分離搬送手段と、を具備したシ
ート給送装置において、 前記シート分離搬送手段は、シート給送方向に回転する
フィードローラと、前記フィードローラに圧接し、シー
トの給送方向とは逆方向に回転力を付与されるリタード
ローラと、を備え、 前記リタードローラは、芯金部と、前記芯金部に取り付
けられる弾性体からなるローラ本体部とを有し、前記ロ
ーラ本体部は、前記芯金部に取り付けられた状態で内部
に空気層を有する中空形状とされ、かつ、厚みが均一で
ない部分を有することを特徴とするシート給送装置。 - 【請求項2】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記芯金部と係合する内周部と、前記内周部から延
接する一対の側壁部と、前記一対の側壁部と接続され前
記フィードローラと接触する外周部とからなり、前記外
周部が前記側壁部よりも厚く形成されたことを特徴とす
る請求項1記載のシート給送装置。 - 【請求項3】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)・
シリコンゴム等の合成ゴムからなることを特徴とする請
求項1又は2記載のシート給送装置。 - 【請求項4】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記外周部の厚みが、前記側壁部の厚みの1.1倍
〜4倍であることを特徴とする請求項2又は3記載のシ
ート給送装置。 - 【請求項5】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記芯金部の軸方向の中央における前記外周部の外
径が、前記芯金部の軸方向の両端における前記外周部の
外径よりも大きい、断面略正クラウン型とされたことを
特徴とする請求項2乃至4のいずれか1に記載のシート
給送装置。 - 【請求項6】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記外周部の厚みが前記芯金部の軸方向で一定であ
ることを特徴とする請求項5記載のシート給送装置。 - 【請求項7】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記芯金部の軸方向の中央における前記外周部の厚
みが、前記芯金部の軸方向の両端における前記外周部の
厚みよりも厚くなるように形成されたことを特徴とする
請求項5に記載のシート給送装置。 - 【請求項8】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記外周部の内径が前記芯金部の軸方向で一定であ
ることを特徴とする請求項5記載のシート給送装置。 - 【請求項9】 前記リタードローラの前記ローラ本体部
は、前記外周部と前記側壁部との接続部における前記外
周部の外径が前記側壁部の頂点の外径よりも大きく形成
されることにより、前記外周部と側壁部との間に段差部
が形成されたことを特徴とする請求項5記載のシート給
送装置。 - 【請求項10】 前記リタードローラの前記ローラ本体
部は、前記外周部の外周面に、シートの粉除去のための
ローレット部が形成されたことを特徴とする請求項2乃
至9のいずれか1記載のシート給送装置。 - 【請求項11】 前記フィードローラは、芯金部と、前
記芯金部に取り付けられるローラ本体部とを有し、前記
ローラ本体部がエチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)・シリコンゴム等の合成ゴムからなることを特
徴とする請求項1乃至10のいずれか1記載のシート給
送装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1記載の
シート給送装置と、前記シート給送装置から給送された
シートに画像を形成する画像形成手段とを備えることを
特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000003177A JP2001192134A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | シート給送装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000003177A JP2001192134A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | シート給送装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001192134A true JP2001192134A (ja) | 2001-07-17 |
Family
ID=18532163
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000003177A Pending JP2001192134A (ja) | 2000-01-12 | 2000-01-12 | シート給送装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001192134A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019094166A (ja) * | 2017-11-22 | 2019-06-20 | 株式会社リコー | シート給送装置及び画像形成装置 |
-
2000
- 2000-01-12 JP JP2000003177A patent/JP2001192134A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019094166A (ja) * | 2017-11-22 | 2019-06-20 | 株式会社リコー | シート給送装置及び画像形成装置 |
JP7098916B2 (ja) | 2017-11-22 | 2022-07-12 | 株式会社リコー | シート給送装置及び画像形成装置 |
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