JP3746301B2 - 球状シリカ粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、球状シリカ粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、粒度分布がシャープであって、しかも2個以上の成長粒子が結合しているような凝集粒子がほとんどない単分散球状シリカ粒子の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、水−アルコール混合溶媒などの反応溶媒中で、アンモニアなどの塩基性触媒の存在下でテトラエトキシシランなどのアルコキシシランを加水分解し、この加水分解物を重縮合させて球状シリカ粒子を製造する球状シリカ粒子の製造方法が知られている。
【0003】
また、大粒径の球状シリカ粒子を得る方法として、
a)上記方法で得られた球状シリカ微粒子またはその他の方法で得られた無機酸化物微粒子をシード粒子として用い、
b)このようなシード粒子を反応溶媒中に分散し、
c)シード粒子が分散された反応溶媒中に、塩基性触媒の存在下でアルコキシシランを連続的に添加してアルコキシシランの加水分解反応およびこの加水分解物の重縮合反応を行ない、
d)シード粒子上にこの重縮合物を付着させてシード粒子を成長させる方法が知られている。
【0004】
しかしながら、このような方法では、アルコキシシランの反応過程で次々に新たな核が生成し、このためシャープな粒度分布を有し、かつ分散性が良好である球状シリカ粒子が得られない場合がある。
【0005】
他方、シード粒子を用いないで上記方法に従ってシリカ粒子を製造した場合、得られたシリカ粒子は粒径が大きくなるにつれて粒径が不揃いになる傾向がある。例えば水−アルコール混合溶媒などの反応溶媒中、アンモニアなどの塩基性触媒の存在下で、一時に全量のエチルシリケートを添加してシリカ粒子を製造した場合、均一な粒径を有するシリカ粒子が得られるのは、せいぜいこの粒径が0.2〜0.3μmまでの範囲であって、粒径がこの範囲を超えると得られたシリカ粒子の粒径が不揃いになるという問題がある。
【0006】
このため、粒径が均一で、かつ上記のような新たなシード粒子が生成しないような球状シリカ粒子の製造方法として、例えば次のような方法が提案されている。
【0007】
A)反応溶媒中で、テトラアルコキシシランと水とを、塩基性触媒の存在下で攪拌して、テトラアルコキシシランの加水分解およびこの加水分解物の重縮合反応を行なってシリカ粒子を生成し、次いでこのシリカ粒子が分散された反応溶媒中に、テトラアルコキシシランを添加してシリカ粒子を成長させる反応を繰り返し行なう方法(特開昭63−265806号公報)。
【0008】
B)加水分解可能なアルキルシリケートが有機溶媒に溶解されている溶液中に、アンモニア水を添加・混合してアルキルシリケートの加水分解およびこの加水分解物の重縮合反応を行なってシリカ粒子を生成する際に、前記溶液中に添加するアンモニア水を複数回に分けて添加する方法(特開平1−282116号公報)。
【0009】
しかしながら、これらの方法によって得られるシリカ粒子は、均一性が必ずしも充分でなく、特に数個の成長粒子が結合しているような凝集粒子の生成を抑えることが困難であった。また、所望の粒径を有する単分散シリカ粒子を得るには、長時間を要し、生産性に問題があった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、上記従来技術の問題点を克服するためになされたもので、粒度分布がシャープであって、しかも上述したような凝集粒子がほとんどない大粒径の単分散球状シリカ粒子が短時間で生産できるような球状シリカ粒子の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法は、加水分解性有機ケイ素化合物を、水と有機溶媒との混合溶媒中で、塩基性触媒の存在下で加水分解して球状シリカ粒子を製造する方法であって、前記混合溶媒中に塩基性触媒と加水分解性有機ケイ素化合物とを交互に添加して加水分解性有機ケイ素化合物を加水分解し、この加水分解生成物の重縮合により生成した微細な一次粒子を凝集させて、球状シリカ粒子の成長を行なわせることを特徴としている。
【0012】
上記本発明に係る方法で球状シリカ粒子を製造する際、加水分解性有機ケイ素化合物としてテトラアルコキシシランを用いることが好ましく、塩基性触媒としてアンモニアを用いることが好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法においては、加水分解性有機ケイ素化合物、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が用いられる。
【0014】
(R1)nSi(OR2)4-n …(I)
(式中、nは、0ないし3の整数である。R1は、アルキル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R2は、アルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子である。)
前記式(I)で表される加水分解性有機ケイ素化合物としては、具体的には、テトラメトキシシランなどの4官能シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、前記3官能シランの1部がメチル基、エチル基、ビニル基で置換された2官能シランなどが挙げられる。
【0015】
これらの加水分解性有機ケイ素化合物の中でも4官能シラン、特に下記式(II)で表されるテトラアルコキシシランが好ましい。
Si(OR)4 …(II)
(式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基である。)
このようなテトラアルコキシシランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン(メチルシリケート)、テトラエトキシシラン(エチルシリケート)、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられる。
【0016】
また、これらの加水分解性有機ケイ素化合物は2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法では、上記加水分解性有機ケイ素化合物の反応溶媒として水と有機溶媒との混合溶媒が用いられる。
【0017】
この混合溶媒には、水との相溶性に優れた有機溶媒が用いられる。
このような有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのモノアルコール類、エチレングリコールなどのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド類、フレオンなどのフッ化炭化水素類が挙げられる。
【0018】
また、この有機溶媒は、加水分解性有機ケイ素化合物の溶解性に優れていることが必要である。このため、本発明では、加水分解性有機ケイ素化合物の種類に応じて、上記のような有機溶媒の中から選択された1種または2種以上の有機溶媒が用いられる。
【0019】
例えば加水分解性有機ケイ素化合物がテトラアルコキシシランである場合、有機溶媒として、モノアルコール類が主として用いられる。
このような有機溶媒と水との混合溶媒中に含まれている加水分解性有機ケイ素化合物の溶解性は、有機溶媒の量が少ないと低下する傾向がある。すなわち、有機溶媒の量が少ないと、加水分解性有機ケイ素化合物およびこの化合物から形成されたシリカ粒子を含む反応液がエマルジョン化し易く、シリカ粒子が凝集したりあるいは球状でない不定形なシリカ粒子を生じ易くなる。一方、反応液の水の量が少ないと、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解速度が遅くなる。
【0020】
このような理由から、加水分解性有機ケイ素化合物としてテトラアルコキシシランを用い、有機溶媒としてモノアルコール類を用いた場合、反応液中のアルコール濃度が35〜97重量%であるように反応液中に水または有機溶媒を添加して有機溶媒の量を調節することが好ましい。このときの水または有機溶媒の添加量は、テトラアルコキシシラン(SiO2 換算)1モルに対し、水2.0〜24.0モル、有機溶媒0.4〜1.1モルの量で添加することが望ましい。
【0021】
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法で用いられる塩基性触媒としては、具体的には、アンモニアガス、アンモニア水、アミン類、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの塩基性触媒は、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法において、加水分解性有機ケイ素化合物としてテトラエトキシシランを用いた場合、テトラエトキシシラン1モルに対して0.05×10-2モル〜6.0×10-2モル(それぞれSiO2 に換算したモル比)の量で、下記式(III)
(CH3 O)n ・(C2 H5 O)4-n ・Si …(III)
(式中、nは1〜4である。)
で示されるメトキシシラン類の1種または2種以上が共存した状態で、テトラエトキシシランを加水分解させることができる。
【0023】
上記メトキシシラン類としては、具体的には、モノメトキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、テトラメトキシシランが挙げられる。このようなメトキシシラン類の添加は、テトラエトキシシランが加水分解し、加水分解物の重縮合により一次粒子が生成するまでの過程で粗大粒子が生成するのを抑制する上で効果的である。
【0024】
上記のような水と有機溶媒との混合溶媒中に加水分解性有機ケイ素化合物と塩基性触媒とを含んでなる反応系では、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解、加水分解生成物の重縮合による一次粒子の生成、一次粒子の凝集による粒子成長が進行する。
【0025】
本発明に係る製造方法は、このような反応系に加水分解性有機ケイ素化合物と塩基性触媒とを交互に添加する工程を有し、この工程により短時間でシリカ粒子を成長させることができる。
【0026】
以下、加水分解性有機ケイ素化合物としてエチルシリケートを用い、かつ塩基性触媒としてアンモニアを用いた場合を例として、本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法をさらに具体的に説明する。
【0027】
上記反応系に予めシード粒子を添加しない場合の球状シリカ粒子の製造方法は下記の通りである。
1)まず、水と有機溶媒との混合溶媒中にエチルシリケートとアンモニアとを添加して反応系を調製する。エチルシリケートの反応開始時点の反応系は、pHが10.5〜12.5、好ましくは11.0〜12.0の範囲に設定され、エチルシリケートの濃度がSiO2 に換算して0.05〜5.0重量%の範囲に設定される。また、反応系の温度は、製造工程全体を通して5〜60℃の範囲内の一定温度に保持される。
【0028】
このような条件下でエチルシリケートの加水分解反応およびこの反応で生成したシラノール基の重縮合反応が起こり、この結果、粒径約20nm以下の微細な一次粒子が生成する。
【0029】
上記反応が進行するにつれて、反応系のpHが低下する。そこで反応系のpHが10.5、好ましくは11.0以下になる前に、反応系のpHが11.5〜13.0、好ましくは11.8〜12.5の範囲の値を示すまで反応系にアンモニアを好ましくはアンモニア水の形態で添加する。
【0030】
次いで反応系に、アンモニアを添加してから約10分以内にエチルシリケートを添加する。このアンモニアを添加してからエチルシリケートを添加するまでの時間が長くなると、最終的に得られるシリカ粒子の粒径が小さくなる傾向がある。エチルシリケートを添加する際には同時に有機溶媒を添加してもよい。反応系にエチルシリケートを添加すると、反応系のpHが低下する。このため、反応系のpHが11.0〜12.5、好ましくは11.5〜12.0の範囲の値を示すようにエチルシリケートの添加量を調節する。ここで添加されたエチルシリケートは、前記と同様に反応系内で加水分解され、重縮合を起こす。その結果、反応系のpHがさらに低下するので、反応系に再びアンモニアを添加する。このアンモニアの添加時期および添加量は既に記載した通りである。
【0031】
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法では、エチルシリケートの添加量が所定量に達するまで、上述したようなエチルシリケートの添加とアンモニアの添加とを交互に行なう工程が繰り返される。その後、最終的に反応系にアンモニアを添加して攪拌を続けると、反応系内で生成した微細な一次粒子が凝集して粒子成長が起こり、均一な粒径の球状シリカ粒子が得られる。しかも、1μm以上の均一な粒径を有する球状シリカ粒子でも、従来法で製造した場合、たとえばエチルシリケートとアンモニアの添加とを同時に連続的に添加する方法で製造した場合に比較して短時間で製造される。
【0032】
上記反応系に予めシード粒子を添加した場合の球状シリカ粒子の製造方法は、反応系に予めシード粒子が添加されている点を除いて上記シードを添加しない場合の本発明方法と同様である。
【0033】
反応系に予めシード粒子が添加されている場合には、エチルシリケートの加水分解および加水分解生成物の重縮合過程を経て生成した一次粒子がシード粒子上に付着して粒子成長が起こり、反応系に予めシード粒子が添加されていない場合に比較して大粒径の球状シリカ粒子が短時間で製造される。
【0034】
この反応系に添加されるシード粒子としては、粒径が揃っており、かつ反応系に単分散し得るような球状粒子であれば特に制限はなく、種々の球状粒子、例えば各種の金属酸化物または上記本発明方法で得られた球状シリカ粒子がシード粒子として用いられる。
【0035】
上述したように本発明方法により粒径の揃った大きな単分散球状シリカ粒子が極めて短時間で製造される理由は、次のように推定される。
反応系に加水分解性有機ケイ素化合物を添加すると、この化合物は直ちに加水分解され、この加水分解物が重縮合して微細な一次粒子が生成するが、反応系に塩基性触媒を添加すると、この一次粒子の凝集が抑制される。次いで反応系に加水分解性有機ケイ素化合物を添加すると、この化合物も上記のような加水分解および重縮合過程を経て、新たな一次粒子となる。
【0036】
このように反応系に加水分解性有機ケイ素化合物を添加する間は、一次粒子の凝集を可能な限り抑制しておき、所定量の加水分解性有機ケイ素化合物の添加が終了した後に一気に一次粒子の凝集による粒子成長を行なわせることにより、粒度分布がシャープで、2個以上の成長したシリカ粒子の結合により形成された凝集粒子がほとんどない大粒径の単分散球状シリカ粒子が得られる。なお、この一次粒子の凝集と同時に、凝集した一次粒子の表面に存在するシラノール基同士の縮合反応も起こっていると考えられる。
【0037】
【発明の効果】
本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法によれば、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解およびこの加水分解生成物の重縮合による微細な一次粒子の生成、およびこの一次粒子の凝集による粒子成長が制御され、このため、粒度分布がシャープで、2個以上の成長したシリカ粒子の結合により形成された凝集粒子がほとんどない単分散球状シリカ粒子が従来の球状シリカ粒子の製造方法よりも短時間で得られる。
【0038】
また本発明方法で得られた球状シリカ粒子は、プラスチックの配合剤、液晶表示セルの表示電極間に介装されるスペーサなどのような粒径の均一性が要求される分野に好適に用いることができる。特に、本発明方法で得られた球状シリカ粒子をスペーサとして液晶表示セルの表示電極間に介装すると、この球状シリカ粒子の粒径が均一であり、かつ表示電極間に不定形の凝集粒子が存在しないために、表示電極間の距離を一定に保つことができ、画像むら、低温気泡などのない優れた液晶表示セルが得られる。
【0039】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】
エタノール350.2gとエチルシリケート16.4gとの混合溶液(エチルシリケートのSiO2 換算濃度;28重量%)を攪拌しながら、この混合溶液に、エタノール350.2g、純水5.4gおよび塩基性触媒として28%アンモニア水78gとからなる混合溶液を添加した。このようにして得られた反応液を攪拌してエチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を行ない、一次粒子分散液を得た。反応液のpHは、反応を開始してから約10分後に11.8から11.0に変化した(第1段階)。
【0041】
この時点で反応液に28%アンモニア水78gを添加し、反応液のpHを11.8に変化させた(第2段階)。
この反応液の攪拌を続け、28%アンモニア水を添加してから約5分後に、反応液のpHは12.1に変化した。
【0042】
この時点で反応液にエタノール700.4gとエチルシリケート82gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを11.3に変化させた(第3段階)。
さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を添加してから約5分後に、反応液のpHは10.5に変化した。
【0043】
この時点で反応液に28%アンモニア水78gと純水5.4gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを11.8に変化させた(第4段階)。
さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが12.2に変化した時点で前記と同様のエタノール/エチルシリケート混合溶液を同量添加して反応液のpHを11.4に変化させた(第5段階)。
【0044】
引き続き反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが11.1に変化した時点で28%アンモニア水300gと純水22gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを12.3に変化させた(第6段階)。
【0045】
その後、反応液の攪拌を1.5時間継続して行なったところ、表1に示す平均粒径、CV値および凝集比率を有する単分散シリカ粒子が得られた(最終段階)。
【0046】
なお、エチルシリケートの加水分解反応および加水分解物の重縮合反応を開始してから単分散シリカ粒子を得るまでの間、反応液の温度を15℃に維持した。
また、表1に示す平均粒径、CV値および凝集比率は、次のようにして測定・評価した。
【0047】
(1)平均粒径(D)
粒子の電子顕微鏡写真を画像解析することにより求めた。
(2)CV値
上記(1)で求めた平均粒径(D)、および(1)と同様の画像解析により求めた標準偏差(σ)から次式により求めた。
【0048】
CV=(σ/D)×100
(3)凝集比率
上記電子顕微鏡写真の全粒子数(N)と2個以上の粒子が凝集している凝集粒子の数(n1 )から次式により算出した。
【0049】
n1 /N×100
【0050】
【実施例2】
実施例1と同様の方法で一次粒子分散液を調製した(第1段階)。
得られた一次粒子分散液に28%アンモニア水200gを添加し、反応液のpHを12.2に変化させた(第2段階)。
【0051】
この反応液の攪拌を続け、28%アンモニア水を添加してから約5分後、反応液のpHが12.1に変化した時点で、反応液にエタノール100gとエチルシリケート13.0gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを11.9に変化させた(第3段階)。
【0052】
さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが11.6に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水100gと純水5.4gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを12.2に変化させた(第4段階)。
【0053】
その後、反応液の攪拌を1.5時間継続して行なったところ、表1に示す平均粒径、CV値および凝集比率を有する単分散シリカ粒子が得られた(最終段階)。
【0054】
なお、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解反応によって生成した加水分解物の重縮合反応を開始してから単分散シリカ粒子を得るまでの間、反応液の温度を15℃に維持した。
【0055】
【実施例3】
実施例1と同様のエタノール/エチルシリケート混合溶液を攪拌しながら、実施例1と同様のエタノール、純水およびアンモニア水とからなる混合溶液を添加すると同時に、球状シリカ粒子(平均粒径4.0μm、CV値1.9%、凝集比率0.5%)40gを添加してシード粒子分散液を調製した。得られた分散液を攪拌してエチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を進行させると、反応を開始してから約10後に反応液のpHが11.8から11.0に変化した(第1段階)。
【0056】
この時点で、反応液に28%アンモニア水200gを添加し、反応液のpHを12.2に変化させた(第2段階)。
この反応液の攪拌を続け、28%アンモニア水を添加してから約5分後、反応液のpHが12.0に変化した時点で、反応液にエタノール100gとエチルシリケート40gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを11.9に変化させた(第3段階)。
【0057】
さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが11.2に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水100gと純水5.4gとの混合溶液を添加し、反応液のpHを12.5に変化させた(第4段階)。
【0058】
28%アンモニア水を添加してから約5分後、反応液のpHが12.2に変化した時点で、反応液に第3段階と同様のエタノール/エチルシリケート混合溶液を同量添加し、反応液のpHを12.0に変化させた(第5段階)。
【0059】
その後、エタノール/エチルシリケート混合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが11.3に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水100g、エタノール50gおよび純水5.4gを添加し、反応液のpHを12.6に変化させた(第6段階)。
【0060】
この5分後、反応液のpHが12.3に変化した時点で、反応液に第3段階と同様のエタノール/エチルシリケート混合溶液を同量添加し、反応液のpHを12.1に変化させた(第7段階)。
【0061】
反応液にエタノール/エチルシリケート混合溶液を添加してから5分後、反応液のpHが12.0に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水200gを添加し、反応液のpHを12.4に変化させた(第8段階)。
【0062】
その1.5時間後に、表1に示す平均粒径、CV値および凝集比率を有する単分散シリカ粒子が得られた(最終段階)。
なお、エチルシリケートの加水分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を開始してから単分散シリカ粒子を得るまでの間、反応液の温度を15℃に維持した。
【0063】
【表1】
Claims (1)
- 加水分解性有機ケイ素化合物を、水と有機溶媒との混合溶媒中で、アンモニアの存在下で加水分解して球状シリカ粒子を製造する方法において、
(i) 加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解反応により pH が低下し 10.5 以下となる前に、
反応系に pH が 11.5 〜 13.0 の範囲になるまで、アンモニアを添加する工程、
(ii) アンモニアの添加後の反応系に、 pH が 11.0 〜 12.5 の範囲になるように加水分解性有機ケイ素化合物を添加し、該加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解反応を行わせる工程を
交互に繰り返して球状シリカ粒子の成長を行なわせることを特徴とする球状シリカ粒子の製造方法。
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