JPH05139717A - 球状シリカ粒子の製造方法 - Google Patents

球状シリカ粒子の製造方法

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JPH05139717A
JPH05139717A JP3299144A JP29914491A JPH05139717A JP H05139717 A JPH05139717 A JP H05139717A JP 3299144 A JP3299144 A JP 3299144A JP 29914491 A JP29914491 A JP 29914491A JP H05139717 A JPH05139717 A JP H05139717A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】加水分解性有機ケイ素化合物を、水と有機溶媒
との混合溶媒中で、塩基性触媒の存在下で加水分解して
球状シリカ粒子を製造する際に、混合溶媒中に塩基性触
媒と加水分解性有機ケイ素化合物とを交互に添加して球
状シリカ粒子の成長を行なわせる球状シリカ粒子の製造
方法。 【効果】加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解および
この加水分解生成物の重縮合による微細な一次粒子の生
成、およびこの一次粒子の凝集による粒子成長が制御さ
れ、このため、粒度分布がシャープで、2個以上の成長
したシリカ粒子の結合により形成された凝集粒子がほと
んどない単分散球状シリカ粒子が従来の球状シリカ粒子
の製造方法よりも短時間で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、球状シリカ粒子の製造方
法に関し、さらに詳しくは、粒度分布がシャープであっ
て、しかも2個以上の成長粒子が結合しているような凝
集粒子がほとんどない単分散球状シリカ粒子の製造方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、水−アルコール混合溶媒な
どの反応溶媒中で、アンモニアなどの塩基性触媒の存在
下でテトラエトキシシランなどのアルコキシシランを加
水分解し、この加水分解物を重縮合させて球状シリカ粒
子を製造する球状シリカ粒子の製造方法が知られてい
る。
【0003】また、大粒径の球状シリカ粒子を得る方法
として、 a)上記方法で得られた球状シリカ微粒子またはその他
の方法で得られた無機酸化物微粒子をシード粒子として
用い、 b)このようなシード粒子を反応溶媒中に分散し、 c)シード粒子が分散された反応溶媒中に、塩基性触媒
の存在下でアルコキシシランを連続的に添加してアルコ
キシシランの加水分解反応およびこの加水分解物の重縮
合反応を行ない、 d)シード粒子上にこの重縮合物を付着させてシード粒
子を成長させる方法が知られている。
【0004】しかしながら、このような方法では、アル
コキシシランの反応過程で次々に新たな核が生成し、こ
のためシャープな粒度分布を有し、かつ分散性が良好で
ある球状シリカ粒子が得られない場合がある。
【0005】他方、シード粒子を用いないで上記方法に
従ってシリカ粒子を製造した場合、得られたシリカ粒子
は粒径が大きくなるにつれて粒径が不揃いになる傾向が
ある。例えば水−アルコール混合溶媒などの反応溶媒
中、アンモニアなどの塩基性触媒の存在下で、一時に全
量のエチルシリケートを添加してシリカ粒子を製造した
場合、均一な粒径を有するシリカ粒子が得られるのは、
せいぜいこの粒径が0.2〜0.3μmまでの範囲であ
って、粒径がこの範囲を超えると得られたシリカ粒子の
粒径が不揃いになるという問題がある。
【0006】このため、粒径が均一で、かつ上記のよう
な新たなシード粒子が生成しないような球状シリカ粒子
の製造方法として、例えば次のような方法が提案されて
いる。
【0007】A)反応溶媒中で、テトラアルコキシシラ
ンと水とを、塩基性触媒の存在下で攪拌して、テトラア
ルコキシシランの加水分解およびこの加水分解物の重縮
合反応を行なってシリカ粒子を生成し、次いでこのシリ
カ粒子が分散された反応溶媒中に、テトラアルコキシシ
ランを添加してシリカ粒子を成長させる反応を繰り返し
行なう方法(特開昭63−265806号公報)。
【0008】B)加水分解可能なアルキルシリケートが
有機溶媒に溶解されている溶液中に、アンモニア水を添
加・混合してアルキルシリケートの加水分解およびこの
加水分解物の重縮合反応を行なってシリカ粒子を生成す
る際に、前記溶液中に添加するアンモニア水を複数回に
分けて添加する方法(特開平1−282116号公
報)。
【0009】しかしながら、これらの方法によって得ら
れるシリカ粒子は、均一性が必ずしも充分でなく、特に
数個の成長粒子が結合しているような凝集粒子の生成を
抑えることが困難であった。また、所望の粒径を有する
単分散シリカ粒子を得るには、長時間を要し、生産性に
問題があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術の問題点を克服
するためになされたもので、粒度分布がシャープであっ
て、しかも上述したような凝集粒子がほとんどない大粒
径の単分散球状シリカ粒子が短時間で生産できるような
球状シリカ粒子の製造方法を提供することを目的として
いる。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法
は、加水分解性有機ケイ素化合物を、水と有機溶媒との
混合溶媒中で、塩基性触媒の存在下で加水分解して球状
シリカ粒子を製造する方法であって、前記混合溶媒中に
塩基性触媒と加水分解性有機ケイ素化合物とを交互に添
加して加水分解性有機ケイ素化合物を加水分解し、この
加水分解生成物の重縮合により生成した微細な一次粒子
を凝集させて、球状シリカ粒子の成長を行なわせること
を特徴としている。
【0012】上記本発明に係る方法で球状シリカ粒子を
製造する際、加水分解性有機ケイ素化合物としてテトラ
アルコキシシランを用いることが好ましく、塩基性触媒
としてアンモニアを用いることが好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る球状シリカ粒子
の製造方法について具体的に説明する。本発明に係る球
状シリカ粒子の製造方法においては、加水分解性有機ケ
イ素化合物、例えば、下記一般式(I)で表される化合
物が用いられる。
【0014】 (R1nSi(OR24-n …(I) (式中、nは、0ないし3の整数である。R1は、アル
キル基、水素原子またはハロゲン原子であり、R2は、
アルキル基、アルコキシアルキル基または水素原子であ
る。)前記式(I)で表される加水分解性有機ケイ素化
合物としては、具体的には、テトラメトキシシランなど
の4官能シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、前記3官能シランの1部がメチル
基、エチル基、ビニル基で置換された2官能シランなど
が挙げられる。
【0015】これらの加水分解性有機ケイ素化合物の中
でも4官能シラン、特に下記式(II)で表されるテト
ラアルコキシシランが好ましい。 Si(OR)4 …(II) (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基である。)こ
のようなテトラアルコキシシランとしては、具体的に
は、テトラメトキシシラン(メチルシリケート)、テト
ラエトキシシラン(エチルシリケート)、テトライソプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられ
る。
【0016】また、これらの加水分解性有機ケイ素化合
物は2種以上を混合して用いてもよい。本発明に係る球
状シリカ粒子の製造方法では、上記加水分解性有機ケイ
素化合物の反応溶媒として水と有機溶媒との混合溶媒が
用いられる。
【0017】この混合溶媒には、水との相溶性に優れた
有機溶媒が用いられる。このような有機溶媒としては、
具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコールなどのモノアルコール類、エチレングリコール
などのグリコール類、アセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、N,
N−ジメチルホルムアミドなどのホルムアミド類、フレ
オンなどのフッ化炭化水素類が挙げられる。
【0018】また、この有機溶媒は、加水分解性有機ケ
イ素化合物の溶解性に優れていることが必要である。こ
のため、本発明では、加水分解性有機ケイ素化合物の種
類に応じて、上記のような有機溶媒の中から選択された
1種または2種以上の有機溶媒が用いられる。
【0019】例えば加水分解性有機ケイ素化合物がテト
ラアルコキシシランである場合、有機溶媒として、モノ
アルコール類が主として用いられる。このような有機溶
媒と水との混合溶媒中に含まれている加水分解性有機ケ
イ素化合物の溶解性は、有機溶媒の量が少ないと低下す
る傾向がある。すなわち、有機溶媒の量が少ないと、加
水分解性有機ケイ素化合物およびこの化合物から形成さ
れたシリカ粒子を含む反応液がエマルジョン化し易く、
シリカ粒子が凝集したりあるいは球状でない不定形なシ
リカ粒子を生じ易くなる。一方、反応液の水の量が少な
いと、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解速度が遅
くなる。
【0020】このような理由から、加水分解性有機ケイ
素化合物としてテトラアルコキシシランを用い、有機溶
媒としてモノアルコール類を用いた場合、反応液中のア
ルコール濃度が35〜97重量%であるように反応液中
に水または有機溶媒を添加して有機溶媒の量を調節する
ことが好ましい。このときの水または有機溶媒の添加量
は、テトラアルコキシシラン(SiO2 換算)1モルに
対し、水2.0〜24.0モル、有機溶媒0.4〜1.
1モルの量で添加することが望ましい。
【0021】本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法で
用いられる塩基性触媒としては、具体的には、アンモニ
アガス、アンモニア水、アミン類、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ土類金属水酸化物、第4級アンモニウム塩
などが挙げられる。これらの塩基性触媒は、2種以上を
混合して用いてもよい。
【0022】本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法に
おいて、加水分解性有機ケイ素化合物としてテトラエト
キシシランを用いた場合、テトラエトキシシラン1モル
に対して0.05×10-2モル〜6.0×10-2モル
(それぞれSiO2 に換算したモル比)の量で、下記式
(III) (CH3 O)n ・(C2 5 O)4-n ・Si …(III) (式中、nは1〜4である。)で示されるメトキシシラ
ン類の1種または2種以上が共存した状態で、テトラエ
トキシシランを加水分解させることができる。
【0023】上記メトキシシラン類としては、具体的に
は、モノメトキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエ
トキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、テト
ラメトキシシランが挙げられる。このようなメトキシシ
ラン類の添加は、テトラエトキシシランが加水分解し、
加水分解物の重縮合により一次粒子が生成するまでの過
程で粗大粒子が生成するのを抑制する上で効果的であ
る。
【0024】上記のような水と有機溶媒との混合溶媒中
に加水分解性有機ケイ素化合物と塩基性触媒とを含んで
なる反応系では、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分
解、加水分解生成物の重縮合による一次粒子の生成、一
次粒子の凝集による粒子成長が進行する。
【0025】本発明に係る製造方法は、このような反応
系に加水分解性有機ケイ素化合物と塩基性触媒とを交互
に添加する工程を有し、この工程により短時間でシリカ
粒子を成長させることができる。
【0026】以下、加水分解性有機ケイ素化合物として
エチルシリケートを用い、かつ塩基性触媒としてアンモ
ニアを用いた場合を例として、本発明に係る球状シリカ
粒子の製造方法をさらに具体的に説明する。
【0027】上記反応系に予めシード粒子を添加しない
場合の球状シリカ粒子の製造方法は下記の通りである。 1)まず、水と有機溶媒との混合溶媒中にエチルシリケ
ートとアンモニアとを添加して反応系を調製する。エチ
ルシリケートの反応開始時点の反応系は、pHが10.
5〜12.5、好ましくは11.0〜12.0の範囲に
設定され、エチルシリケートの濃度がSiO2 に換算し
て0.05〜5.0重量%の範囲に設定される。また、
反応系の温度は、製造工程全体を通して5〜60℃の範
囲内の一定温度に保持される。
【0028】このような条件下でエチルシリケートの加
水分解反応およびこの反応で生成したシラノール基の重
縮合反応が起こり、この結果、粒径約20nm以下の微
細な一次粒子が生成する。
【0029】上記反応が進行するにつれて、反応系のp
Hが低下する。そこで反応系のpHが10.5、好まし
くは11.0以下になる前に、反応系のpHが11.5
〜13.0、好ましくは11.8〜12.5の範囲の値
を示すまで反応系にアンモニアを好ましくはアンモニア
水の形態で添加する。
【0030】次いで反応系に、アンモニアを添加してか
ら約10分以内にエチルシリケートを添加する。このア
ンモニアを添加してからエチルシリケートを添加するま
での時間が長くなると、最終的に得られるシリカ粒子の
粒径が小さくなる傾向がある。エチルシリケートを添加
する際には同時に有機溶媒を添加してもよい。反応系に
エチルシリケートを添加すると、反応系のpHが低下す
る。このため、反応系のpHが11.0〜12.5、好
ましくは11.5〜12.0の範囲の値を示すようにエ
チルシリケートの添加量を調節する。ここで添加された
エチルシリケートは、前記と同様に反応系内で加水分解
され、重縮合を起こす。その結果、反応系のpHがさら
に低下するので、反応系に再びアンモニアを添加する。
このアンモニアの添加時期および添加量は既に記載した
通りである。
【0031】本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法で
は、エチルシリケートの添加量が所定量に達するまで、
上述したようなエチルシリケートの添加とアンモニアの
添加とを交互に行なう工程が繰り返される。その後、最
終的に反応系にアンモニアを添加して攪拌を続けると、
応系内で生成した微細な一次粒子が凝集して粒子成長が
起こり、均一な粒径の球状シリカ粒子が得られる。しか
も、1μm以上の均一な粒径を有する球状シリカ粒子で
も、従来法で製造した場合、例えばエチルシリケートと
アンモニアの添加とを同時に連続的に添加する方法で製
造した場合に比較して短時間で製造される。
【0032】上記反応系に予めシード粒子を添加した場
合の球状シリカ粒子の製造方法は、反応系に予めシード
粒子が添加されている点を除いて上記シードを添加しな
い場合の本発明方法と同様である。
【0033】反応系に予めシード粒子が添加されている
場合には、エチルシリケートの加水分解および加水分解
生成物の重縮合過程を経て生成した一次粒子がシード粒
子上に付着して粒子成長が起こり、反応系に予めシード
粒子が添加されていない場合に比較して大粒径の球状シ
リカ粒子が短時間で製造される。
【0034】この反応系に添加されるシード粒子として
は、粒径が揃っており、かつ反応系に単分散し得るよう
な球状粒子であれば特に制限はなく、種々の球状粒子、
例えば各種の金属酸化物または上記本発明方法で得られ
た球状シリカ粒子がシード粒子として用いられる。
【0035】上述したように本発明方法により粒径の揃
った大きな単分散球状シリカ粒子が極めて短時間で製造
される理由は、次のように推定される。反応系に加水分
解性有機ケイ素化合物を添加すると、この化合物は直ち
に加水分解され、この加水分解物が重縮合して微細な一
次粒子が生成するが、反応系に塩基性触媒を添加する
と、この一次粒子の凝集が抑制される。次いで反応系に
加水分解性有機ケイ素化合物を添加すると、この化合物
も上記のような加水分解および重縮合過程を経て、新た
な一次粒子となる。
【0036】このように反応系に加水分解性有機ケイ素
化合物を添加する間は、一次粒子の凝集を可能な限り抑
制しておき、所定量の加水分解性有機ケイ素化合物の添
加が終了した後に一気に一次粒子の凝集による粒子成長
を行なわせることにより、粒度分布がシャープで、2個
以上の成長したシリカ粒子の結合により形成された凝集
粒子がほとんどない大粒径の単分散球状シリカ粒子が得
られる。なお、この一次粒子の凝集と同時に、凝集した
一次粒子の表面に存在するシラノール基同士の縮合反応
も起こっていると考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る球状シリカ粒子の製造方法
によれば、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解およ
びこの加水分解生成物の重縮合による微細な一次粒子の
生成、およびこの一次粒子の凝集による粒子成長が制御
され、このため、粒度分布がシャープで、2個以上の成
長したシリカ粒子の結合により形成された凝集粒子がほ
とんどない単分散球状シリカ粒子が従来の球状シリカ粒
子の製造方法よりも短時間で得られる。
【0038】また本発明方法で得られた球状シリカ粒子
は、プラスチックの配合剤、液晶表示セルの表示電極間
に介装されるスペーサなどのような粒径の均一性が要求
される分野に好適に用いることができる。特に、本発明
方法で得られた球状シリカ粒子をスペーサとして液晶表
示セルの表示電極間に介装すると、この球状シリカ粒子
の粒径が均一であり、かつ表示電極間に不定形の凝集粒
子が存在しないために、表示電極間の距離を一定に保つ
ことができ、画像むら、低温気泡などのない優れた液晶
表示セルが得られる。
【0039】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】エタノール350.2gとエチルシリケー
ト16.4gとの混合溶液(エチルシリケートのSiO
2 換算濃度;28重量%)を攪拌しながら、この混合溶
液に、エタノール350.2g、純水5.4gおよび塩
基性触媒として28%アンモニア水78gとからなる混
合溶液を添加した。このようにして得られた反応液を攪
拌してエチルシリケートの加水分解反応およびこの加水
分解生成物の重縮合反応を行ない、一次粒子分散液を得
た。反応液のpHは、反応を開始してから約10分後に
11.8から11.0に変化した(第1段階)。
【0041】この時点で反応液に28%アンモニア水7
8gを添加し、反応液のpHを11.8に変化させた
(第2段階)。この反応液の攪拌を続け、28%アンモ
ニア水を添加してから約5分後に、反応液のpHは1
2.1に変化した。
【0042】この時点で反応液にエタノール700.4
gとエチルシリケート82gとの混合溶液を添加し、反
応液のpHを11.3に変化させた(第3段階)。さら
に反応液の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混
合溶液を添加してから約5分後に、反応液のpHは1
0.5に変化した。
【0043】この時点で反応液に28%アンモニア水7
8gと純水5.4gとの混合溶液を添加し、反応液のp
Hを11.8に変化させた(第4段階)。さらに反応液
の攪拌を続け、前記エチルシリケートを含む混合溶液を
添加してから約5分後、反応液のpHが12.2に変化
した時点で前記と同様のエタノール/エチルシリケート
混合溶液を同量添加して反応液のpHを11.4に変化
させた(第5段階)。
【0044】引き続き応液の攪拌を続け、前記エチルシ
リケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応
液のpHが11.1に変化した時点で28%アンモニア
水300gと純水22gとの混合溶液を添加し、反応液
のpHを12.3に変化させた(第6段階)。
【0045】その後、反応液の攪拌を1.5時間継続し
て行なったところ、表1に示す平均粒径、CV値および
凝集比率を有する単分散シリカ粒子が得られた(最終段
階)。
【0046】なお、エチルシリケートの加水分解反応お
よび加水分解物の重縮合反応を開始してから単分散シリ
カ粒子を得るまでの間、反応液の温度を15℃に維持し
た。また、表1に示す平均粒径、CV値および凝集比率
は、次のようにして測定・評価した。
【0047】(1)平均粒径(D) 粒子の電子顕微鏡写真を画像解析することにより求め
た。 (2)CV値 上記(1)で求めた平均粒径(D)、および(1)と同
様の画像解析により求めた標準偏差(σ)から次式によ
り求めた。
【0048】CV=(σ/D)×100 (3)凝集比率 上記電子顕微鏡写真の全粒子数(N)と2個以上の粒子
が凝集している凝集粒子の数(n1 )から次式により算
出した。
【0049】n1 /N×100
【0050】
【実施例2】実施例1と同様の方法で一次粒子分散液を
調製した(第1段階)。得られた一次粒子分散液に28
%アンモニア水200gを添加し、反応液のpHを1
2.2に変化させた(第2段階)。
【0051】この反応液の攪拌を続け、28%アンモニ
ア水を添加してから約5分後、反応液のpHが12.1
に変化した時点で、反応液にエタノール100gとエチ
ルシリケート13.0gとの混合溶液を添加し、反応液
のpHを11.9に変化させた(第3段階)。
【0052】さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシ
リケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応
液のpHが11.6に変化した時点で、反応液に28%
アンモニア水100gと純水5.4gとの混合溶液を添
加し、反応液のpHを12.2に変化させた(第4段
階)。
【0053】その後、反応液の攪拌を1.5時間継続し
て行なったところ、表1に示す平均粒径、CV値および
凝集比率を有する単分散シリカ粒子が得られた(最終段
階)。
【0054】なお、エチルシリケートの加水分解反応お
よびこの加水分解反応によって生成した加水分解物の重
縮合反応を開始してから単分散シリカ粒子を得るまでの
間、反応液の温度を15℃に維持した。
【0055】
【実施例3】実施例1と同様のエタノール/エチルシリ
ケート混合溶液を攪拌しながら、実施例1と同様のエタ
ノール、純水およびアンモニア水とからなる混合溶液を
添加すると同時に、球状シリカ粒子(平均粒径4.0μ
m、CV値1.9%、凝集比率0.5%)40gを添加
してシード粒子分散液を調製した。得られた分散液を攪
拌してエチルシリケートの加水分解反応およびこの加水
分解生成物の重縮合反応を進行させると、反応を開始し
てから約10後に反応液のpHが11.8から11.0
に変化した(第1段階)。
【0056】この時点で、反応液に28%アンモニア水
200gを添加し、反応液のpHを12.2に変化させ
た(第2段階)。この反応液の攪拌を続け、28%アン
モニア水を添加してから約5分後、反応液のpHが1
2.0に変化した時点で、反応液にエタノール100g
とエチルシリケート40gとの混合溶液を添加し、反応
液のpHを11.9に変化させた(第3段階)。
【0057】さらに反応液の攪拌を続け、前記エチルシ
リケートを含む混合溶液を添加してから約5分後、反応
液のpHが11.2に変化した時点で、反応液に28%
アンモニア水100gと純水5.4gとの混合溶液を添
加し、反応液のpHを12.5に変化させた(第4段
階)。
【0058】28%アンモニア水を添加してから約5分
後、反応液のpHが12.2に変化した時点で、反応液
に第3段階と同様のエタノール/エチルシリケート混合
溶液を同量添加し、反応液のpHを12.0に変化させ
た(第5段階)。
【0059】その後、エタノール/エチルシリケート混
合溶液を添加してから約5分後、反応液のpHが11.
3に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水10
0g、エタノール50gおよび純水5.4gを添加し、
反応液のpHを12.6に変化させた(第6段階)。
【0060】この5分後、反応液のpHが12.3に変
化した時点で、反応液に第3段階と同様のエタノール/
エチルシリケート混合溶液を同量添加し、反応液のpH
を12.1に変化させた(第7段階)。
【0061】反応液にエタノール/エチルシリケート混
合溶液を添加してから5分後、反応液のpHが12.0
に変化した時点で、反応液に28%アンモニア水200
gを添加し、反応液のpHを12.4に変化させた(第
8段階)。
【0062】その1.5時間後に、表1に示す平均粒
径、CV値および凝集比率を有する単分散シリカ粒子が
得られた(最終段階)。なお、エチルシリケートの加水
分解反応およびこの加水分解生成物の重縮合反応を開始
してから単分散シリカ粒子を得るまでの間、反応液の温
度を15℃に維持した。
【0063】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 田 光 俊 福岡県北九州市若松区大字小竹201−2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解性有機ケイ素化合物を、水と有機
    溶媒との混合溶媒中で、塩基性触媒の存在下で加水分解
    して球状シリカ粒子を製造する方法において、前記混合
    溶媒中に塩基性触媒と加水分解性有機ケイ素化合物とを
    交互に添加して球状シリカ粒子の成長を行なわせること
    を特徴とする球状シリカ粒子の製造方法。
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