JP3744024B2 - 燃料流出防止装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車輌の燃料タンクの上部に装着され、常時は開弁状態で液体燃料を蒸発燃料吸着用のキャニスタに連通可能とし、液面上昇時及び車輌の回転時においては閉弁状態となって液体燃料の流出を防止する燃料流出防止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の動力源となるガソリン等の液体燃料は、通常燃料タンクに貯蔵されており、必要に応じてエンジンの燃焼室に供給される。これらの燃料タンクに貯蔵された燃料は、常温常圧状態においても一部気化し、蒸発燃料となる。
【0003】
従って、燃料タンクを密閉状態とすると、蒸発した燃料によってタンク内の圧力が上昇してしまう。この防止策として蒸発した燃料を大気に開放する手段が考えられるが、大気汚染の影響を考えると懸命な手段ではない。そこで、通常取られる一般的な手段として、燃料タンクの一部に液面フロートを設け、フロートと燃料との隙間から侵入する蒸発燃料をエバポ通路を介して吸着材を備えたキャニスタに送り込み、吸着材に吸着された蒸発燃料を空気と混合させて燃焼室に送り込んで燃料として還元する手段がとられている。これについて、図4に基づいて説明する。
【0004】
図4において、21は燃料タンクの上部であり、22はこの上部21に取付けられた燃料流出防止装置である。23はカバーで、エバポ通路24がカバー23の上部に形成され、このエバポ通路は図示されていないゴム管で蒸発燃料吸着用のキャニスタに連通される。
【0005】
エバポ通路24の下部においてカバー23は中空円筒状に形成されたフロート収納部23aを有し、このフロート収納部23aにフロート25が収納される。
【0006】
フロート25は、その上部に突起部25aが形成される。またエバポ通路24は、フロート25の突起部25aに面する位置に弁孔26が穿設されており、フロート25が上昇して突起部25aが弁孔26に当接すると、カバー23内のフロート収納部25aとエバポ通路24との連通が遮断されるように構成されている。
【0007】
またフロート25の下部にはリテーナ27が配され、リテーナ27はカバー23に連結固定されている。リテーナ27とフロート25との間にはスプリング28が介在しており、フロート25はこのスプリング28により図示上方向に付勢されている。またリテーナ27には孔28が設けられており、この孔28から液体燃料がフロート25の下部に接し、フロート25が燃料液面を検知可能としている。また図中、Lは燃料タンク内の液体燃料の液面である。
【0008】
このような構成の燃料流出防止装置において、燃料液面Lが上昇するとフロート25が浮力とスプリング28の力とで上昇してフロート25の突起部25aが弁孔26に当接する。すると、エバポ通路24とフロート収納空間とが遮断状態となり、フロート25とフロート収納部23aとのクリアランス(図示A)を伝わってきた液体燃料がエバポ通路24内に侵入することはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来技術では、フロート上部に弁機構を設け、車輌の旋回時等で液面が上昇したときに弁を閉じることにより液体燃料のエバポ通路への侵入を防止している。しかしながら、従来例では、フロートの外径とフロートが収納されているフロート収納部の円筒空間の内径とのクリアランスが小さい。
【0010】
このためすこしでもこのクリアランス内に液体燃料が侵入した場合、その流路面積が小さいために、流速は極めて大きくなる。このためフロートの上昇により弁が閉じる前に液体燃料が弁孔に達し、エバポ通路内に侵入してしまう。これを防止するためにクリアランスを大きくすると、今度はこのクリアランス内に液体燃料が侵入する頻度が極めて大きくなり、その頻度の増加故にエバポ通路内に液体燃料が侵入する確率が高くなる。
【0011】
故に、本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、フロートとフロート収納部とのクリアランスへの液体燃料の侵入を極力押え、且つ万が一侵入しても、その流速を低減させることによりエバポ通路内への液体燃料の侵入を極力防止し得る燃料流出防止装置を提供することを、その技術的課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1において講じた技術的手段(以下、第1の技術的手段と称する。)は、燃料タンク内に配され前記燃料タンク内の液体燃料の液面を監視するフロートと、前記フロートの上部に位置しており、蒸発して前記フロート上に集約された燃料ガスをキャニスタに導くエバポ通路と前記フロートとの間に設けられた燃料流出防止弁とを備え、前記フロートの上面に形成された突起部の動作に応じて弁孔を開閉することにより前記燃料タンク内の液体燃料と前記エバポ通路との連通を遮断して液体燃料の前記エバポ通路への侵入を防止する燃料流出防止装置において、前記突起部は前記弁孔を閉塞するように該弁孔に当接するものであり、前記フロートは、カバー内部のフロート収納部に半径方向のクリアランスを有して収納され、該フロートの上部における外径が下部における外径よりも小さくなるように前記フロートの上面と前記フロートの下部との間で前記突起部の外周方向外側に前記突起部とは異なる段差部が設けられており、該段差部により前記フロートの上部におけるクリアランスが前記フロートの下部におけるクリアランスよりも大きくされていることを特徴とする燃料流出防止装置としたことである。
【0015】
【作用】
上記第1の技術的手段による作用は、以下のようである。即ち、フロート収納部と該フロート収納部内に収納されるフロートとのクリアランスを、フロートの上部において大きく、下部において小さくした。車輌の急激な旋回時等には、液体燃料がフロート収納部とフロートとのクリアランスから侵入してくるが、フロートの下部でのクリアランスを小さくすることにより、液体燃料がこのクリアランスから侵入しにくくなる。また、万が一クリアランスに液体燃料が侵入しても、フロート上部においてはクリアランスは大きくされているため、単位流路面積当たりの流量、即ち流速が減少し、エバポ通路に達する前に失速してしまい、液体燃料がエバポ通路に達することはない。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施例を示す燃料流出防止装置の全体概略断面図である。
【0020】
図1において、1は燃料タンクの上部で、燃料流出防止装置2は、ガスケット3を介在させて燃料タンクの上部1に取りつけられている。ガスケット3には、アッパーカバー4が直接当接する。アッパーカバー4は、ガスケット3の上部面に当接するフランジ部4a、ガスケット3の内周面に当接する第1円筒部4bを備えており、第1円筒部4bの内部に拡張室5が形成され、拡張室5と図示せぬキャニスタとを連通する部分にエバポ通路6が形成されている。またエバポ通路6は、拡張室5に面した部分に開口部6aを設けてあり、この開口部6aで拡張室5と連通状態にある。
【0021】
ロアカバー8は、上面部8a及び側面部8bを有し、この上面部8a及び側面部8bでフロート7を収納するフロート収納部8fを形成し、フロート7を覆うかたちとなっている。ロアカバー8の上面部8aには、アッパーカバー4の第1円筒部4bの内周に接するように設けられた第2円筒部8c、上面部8aのほぼ中心に設けられた弁孔8dを有する。またアッパーカバー4の第1円筒部4bの内周とロアカバー8の第3円筒部8cの外周とは、振動溶着等の接合手段で気密的に連結されている。
【0022】
フロート7には、その上部中央にテーパ状の突起部7aが形成され、フロート7が上昇することにより、突起部7aとロアカバー8の上面部8aに設けられた弁孔8dが当接してエバポ通路6と燃料タンク内の液体燃料とを遮断状態とする。従って、ロアカバー8の上面部8aが弁座となり、突起部7aが弁体となり、これら2つの部材により弁孔8dを開閉する燃料流出防止弁12を構成する。
【0023】
フロート7の下部にはリテーナ9が配される。リテーナ9は、ロアカバー8と固定されており、また液体燃料とフロート7とを連通させるための孔10が複数個設けられている。リテーナ9とフロート7の間にはスプリング11が配されており、フロート7を上方向に付勢している。また図中、Lは液体燃料の液面を示す。
【0024】
フロート7には段差部7bが設けられている。この段差部7bは、フロート7の上部における外径が下部における外径よりも小さくなる方向に設けられている。従って、フロート7とフロート収納部8fとのクリアランスは、フロート7の上部において大きく(図示B区間)、下部において小さくなる(図示A区間)。
【0025】
上記構成の燃料流出防止装置において、以下にその動作を説明する。
【0026】
図1において、燃料液面Lが上昇すると、フロート7が浮力とスプリング11の力とで上昇して突起部7aが弁孔8dを封止する。車輌の旋回時などにも液面Lが上昇して突起部7aが弁孔8dを封止するが、このときに起こる燃料液面の急激な変化により、液体燃料がフロート7とフロート収納部8fとのクリアランスに侵入する場合がある。しかしながら、本実施例においては、フロート7の下部でのフロート7とフロート収納部8fとのクリアランスは小さいため、このクリアランスに液体燃料が侵入する頻度が減少する。万が一クリアランス内に液体燃料が侵入した場合、フロート7の下部(図示B区間)ではクリアランスが小さいために液体燃料の流路が狭められて流速が増加するが、フロート7の上部(図示A区間)においてクリアランスを大きくしてあるため、この部分で流路面積が広がり、単位流路面積当たりの流量が減少して流速も減少する。このような状態になると、クリアランスから侵入した液体燃料は失速し、弁孔8dには達しない。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明は、以下の如く効果を有する。
【0033】
フロートとフロート収納部とのクリアランスを、フロートの上部において大きく、下部において小さくした。これにより、液体燃料はクリアランス内に侵入しにくくなり、万が一侵入してもフロートの上部におけるクリアランスが大きいために、液体燃料の流速が低下し、エバポ通路内に達することはない。エバポ通路内への液体燃料の流出を極力防止し得る燃料流出防止装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における、燃料流出防止装置の全体断面概略図である。
【図2】 従来例における、燃料流出防止装置の全体断面概略図である。
【符号の説明】
1 燃料タンクの上面(燃料タンク)
2 燃料流出防止装置
3 ガスケット
4 アッパーカバー
4a フランジ部
4b 第1円筒部
5 拡張室
6 エバポ通路
6a エバポ通路の開口部
7 フロート
7a 突起部
7b 段差部
8 ロアカバー
8a 上面部
8b 側面部
8c 第2円筒部
8d 弁孔
8e テーパ部
8f フロート収納部
9 リテーナ
10 孔
11 スプリング
12 燃料流出防止弁
Claims (1)
- 燃料タンク内に配され前記燃料タンク内の液体燃料の液面を監視するフロートと、前記フロートの上部に位置しており、蒸発して前記フロート上に集約された燃料ガスをキャニスタに導くエバポ通路と前記フロートとの間に設けられた燃料流出防止弁とを備え、前記フロートの上面に形成された突起部の動作に応じて弁孔を開閉することにより前記燃料タンク内の液体燃料と前記エバポ通路との連通を遮断して液体燃料の前記エバポ通路への侵入を防止する燃料流出防止装置において、前記突起部は前記弁孔を閉塞するように該弁孔に当接するものであり、前記フロートは、カバー内部のフロート収納部に半径方向のクリアランスを有して収納され、該フロートの上部における外径が下部における外径よりも小さくなるように前記フロートの上面と前記フロートの下部との間で前記突起部の外周方向外側に前記突起部とは異なる段差部が設けられており、該段差部により前記フロートの上部におけるクリアランスが前記フロートの下部におけるクリアランスよりも大きくされていることを特徴とする燃料流出防止装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP16112295A JP3744024B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 燃料流出防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16112295A JP3744024B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 燃料流出防止装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0914490A JPH0914490A (ja) | 1997-01-14 |
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ID=15729027
Family Applications (1)
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JP16112295A Expired - Fee Related JP3744024B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 燃料流出防止装置 |
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Families Citing this family (1)
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JP4555209B2 (ja) * | 2005-11-02 | 2010-09-29 | 株式会社パイオラックス | 燃料漏れ防止弁 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP16112295A patent/JP3744024B2/ja not_active Expired - Fee Related
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