JP3743373B2 - 車両用ヘッドレスト装置 - Google Patents

車両用ヘッドレスト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3743373B2
JP3743373B2 JP2002022110A JP2002022110A JP3743373B2 JP 3743373 B2 JP3743373 B2 JP 3743373B2 JP 2002022110 A JP2002022110 A JP 2002022110A JP 2002022110 A JP2002022110 A JP 2002022110A JP 3743373 B2 JP3743373 B2 JP 3743373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
headrest
members
rotation
tension
flexible connecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002022110A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003220874A (ja
Inventor
パル チンモイ
泉 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002022110A priority Critical patent/JP3743373B2/ja
Publication of JP2003220874A publication Critical patent/JP2003220874A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743373B2 publication Critical patent/JP3743373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に用いられる車両用ヘッドレスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の後面衝突時に着座乗員の頭部を保護するようにした自動車のシートバックとしては、例えば特開平7−291005号公報に開示されるものがある。
【0003】
これは、車両の後面衝突時に、着座乗員に作用する慣性による動的荷重をシートバックが受け、これによって変位する部材の動きをヘッドレスト支持アームに伝えてヘッドレスト本体を車両前方に移動し、もって着座乗員の頭部が大きく後方移動するのを阻止できるようにしてある。
【0004】
また、実開平6−59163号公報には、車両の後面衝突時に、シートバックに内蔵したセンサーが着座乗員の慣性力で強く押されることにより、ヘッドレスト本体に内蔵されたエアバッグを膨張させることにより、着座乗員の頸部とヘッドレスト本体との間に空間が存在しても、頭部が後方に移動するのを防止できるようにしたエアバック装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者のシートバックは着座乗員の慣性力を利用してヘッドレストを作動させるものであって、乗員の車両後方への変位が大きくなった時点で始めてヘッドレスト本体が車両前方に移動されるものであるため、衝突直後の変位量が少ない時点ではヘッドレスト本体を十分に前方移動させることができないという課題があった。
【0006】
また、後者のエアバッグを用いるヘッドレストでは、着座乗員の耳元でエアバッグを展開させる際に爆発音が発生することになり、着座乗員の耳への負担が大きくなる可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、車両の後面衝突時に、着座乗員の慣性力を利用すること無くヘッドレスト本体を車両前方に押し出して、着座乗員の頭部を確実かつ迅速に拘束することができる車両用ヘッドレスト装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、シートバックの上端部に取付部材を介して装着され、着座乗員の頭部を支えるヘッドレスト本体を備えた車両用ヘッドレスト装置において、 前記ヘッドレスト本体は、左右方向の略中央部で分割して、その分割端部とは反対側の端部を前記取付部材に対して回動可能に取り付けた左,右ヘッドレスト部材と、
前記左,右ヘッドレスト部材の分割端部間に張架した膜状体と、
前記左,右ヘッドレスト部材をそれぞれ上方に付勢しつつ車両前方に回動付勢し、前記膜状体を前方に向かって展開する回動付勢機構と、
前記左,右ヘッドレスト部材を前記回動付勢機構の付勢力に抗して初期位置に保持するロック状態とこの回動付勢機構の作動により左,右ヘッドレスト部材を前方に回動するロック解除状態とを管理するロック手段と、
通常運転時は前記ロック手段をロックし、車両の後面衝突を検出して前記ロック手段をロック解除する制御手段と、を備え、
前記ロック手段は、前記左,右ヘッドレスト部材に連動し、張力の付加により前記回動付勢機構の付勢力に抗して左,右ヘッドレスト部材を初期位置に保持する一方、張力の解除で回動付勢機構の付勢力を左,右ヘッドレスト部材に作用させる可撓性連結部材と、
前記ヘッドレスト本体の固定側に取り付けられ、一方向の回転により前記可撓性連結部材に張力を付加する一方、他方向の回転により可撓性連結部材の張力を解除する張力付加機構と、
通常運転時は前記張力付加機構の張力解除方向の回転を阻止する一方、車両の後面衝突時に前記制御手段により作動されて張力付加機構の回転阻止を解除して張力解除方向の回転を許容するストッパ機構と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、通常運転時は、ストッパ機構により張力付加機構の張力解除方向の回転が阻止されることにより、可撓性連結部材に張力が付加された状態が保持されて、この可撓性連結部材の張力によりヘッドレスト本体の左、右ヘッドレスト部材を初期位置にロックする。
【0010】
一方、後面衝突時は、制御手段によってストッパ機構による張力付加機構の回転阻止が解除されることにより、張力付加機構は張力解除方向の回転が許容されて可撓性連結部材の張力が解除され、これによって回動付勢機構が作動して左、右ヘッドレスト部材の前方回動により膜状体が前方に押し出されて展開する。
【0011】
すると、後面衝突時の慣性力で後方移動する着座乗員の頭部を、前方に押し出されて展開し膜状体によって早いタイミングで拘束することができるため、頭部の後方移動量をより少なくして着座乗員の頭部を保護することができる。
【0012】
このとき、前記可撓性連結部材、前記張力付加機構および前記ストッパ機構を備えて構成されるロック手段は、張力付加機構がストッパ機構の回転阻止解除により張力解除方向に回転してロック解除されるため、より少ない力で、かつより少ない時間で確実にロック解除できるため、膜状体の前方移動を迅速かつ確実に行うことができる。
【0013】
また、張力付加機構は一方向の回転により可撓性連結部材に張力を発生させるため、小さな力で所要の張力を発生させて回動付勢機構を初期位置に拘束させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。尚、以下、各実施形態を説明するにあたって、前方とは車両前方を、後方とは車両後方を意味し、また、左右方向とは車幅方向を意味するものとする。
【0015】
図1〜図16は本発明にかかる車両用ヘッドレスト装置の第1実施形態を示し、図1は初期状態にあるヘッドレスト本体を示す透視斜視図、図2は作動完了状態にあるヘッドレスト本体をクッションパッドを取り外して示す斜視図、図3はヘッドレスト本体を装着したシートの全体斜視図、図4はヘッドレスト本体の要部を断面にした拡大斜視図、図5はロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図、図6はロック手段の解放後の状態を示す断面平面図、図7は張力付加機構の拡大斜視図、図8は制御手段の作動システムの説明図、図9は固定機構の背面斜視図、図10は固定機構の要部断面図、図11は固定機構の作動状態を示す平面図、図12はロック手段の制御フローを示す説明図、図13はロック手段のロック解除する領域を相対距離と相対速度との関係で示す説明図、図14は通常運転時のヘッドレスト装置を示す側面図、図15は後面衝突時のヘッドレスト装置を示す側面図、図16はヘッドレスト装置による頸部下モーメントの比較特性図である。
【0016】
本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10は、図1〜図4に示すように、乗員が着座する車両用シート100のシートバック101の上端部に設けられ、着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト本体10aを取付部材としての1対のステー20を介して、シートバック101の上端部に設けられた取付穴101aに上下位置調節可能に装着してある。
【0017】
前記1対のステー20の下端部間に跨って、両ステー20を相互に結合する連結部材21が溶接により取付けられ、かつ、この連結部材21から上方に突出したステー20の突出端部20aに、前記ヘッドレスト本体10aが取り付けられている。
【0018】
前記ヘッドレスト本体10aは、左右方向の略中央部で分割した押出し機構としての左,右ヘッドレスト部材11,12と、これら左,右ヘッドレスト部材11,12の分割端部11a,12a間に張架された頭部拘束部分としての膜状体13とによって構成してある。
【0019】
左,右ヘッドレスト部材11,12は、分割端部11a,12aとは反対側の端部11b,12bが、付勢手段としての回動付勢機構30を介して前記ステー20に対して回動可能に取り付けられ、これら左,右ヘッドレスト部材11,12をそれぞれ前方(図中手前側)に回動付勢するようになっている。
【0020】
前記左,右ヘッドレスト部材11,12は、上,下の横アーム14,14aと、これら横アーム14,14aの分割端部11a側および12a側をそれぞれ結合する縦アーム15と、反対側端部11b側および12b側をそれぞれ結合するアウタシリンダー16と、によって略矩形状の骨格部分が形成される。
【0021】
この骨格部分は、図1に示すように、クッションパッド10bによって覆われる。また、前記膜状体13は所定長さに形成され、その両端部が左,右ヘッドレスト部材11,12の縦アーム15間に取り付けられるとともに、前記クッションパッド10bの分割端部11a,12a側の端末には膜状体13を挿通するための縦長の開口10cが設けられる。
【0022】
アウタシリンダー16は、図4に示すように、前記ステー20の突出端部20aの下部に固定状態で外嵌されるインナシリンダー17に回転自在かつ軸方向に摺動自在に嵌合され、このインナシリンダー17を中心として左,右ヘッドレスト部材11,12は観音開き状に開閉可能となっている。
【0023】
左,右ヘッドレスト部材11,12は、図2に示すように、予め設定した最大限の押し開き状態(最大回動状態)で、それぞれの縦アーム15が前方に突出されて左右方向に一定の間隔が設けられ、この一定の間隔が設けられた縦アーム15間で前記膜状体13が最大量展開されるようになっている。
【0024】
前記ステー20の突出端部20aの上端部には、図4に示すように、鍔状の端板17aが固定され、この端板17aの外周にアウタシリンダー16の上端部が回転自在かつ軸方向に摺動自在に嵌合されて、該アウタシリンダー16の上端部が端板17aの外周によって支持されるようになっている。
【0025】
前記回動付勢機構30は、左,右ヘッドレスト部材11,12をステー20に対して上昇させるリフト機構31と、このリフト機構31による上昇に伴って左,右ヘッドレスト部材11,12を前方に回動案内する回動機構32とを備えている。
【0026】
前記リフト機構31は、図4に示すように、インナシリンダー17の上端面と、アウタシリンダー16の上側部内周に一体に形成されたリング状の縮径部16aとの間に、スプリング33を縮設して構成される。このスプリング33と縮径部16aとの間には、滑りを良くするためにワッシャ34が介装される。
【0027】
従って、前記リフト機構31は、スプリング33によってアウタシリンダー16、つまり左,右ヘッドレスト部材11,12を常に上方に押し上げる付勢力が与えられる。
【0028】
前記回動機構32は、図4に示すように、インナシリンダー17の外周に形成される螺旋溝32aと、アウタシリンダー16に設けられる係合ボルト32bとによって構成される。螺旋溝32は、上方に向かって左,右ヘッドレスト部材11,12を前方に回動案内する方向に傾斜し、この螺旋溝32aにボルト32bが摺動自在に係合される。
【0029】
従って、左,右ヘッドレスト部材11,12が前記リフト機構31のスプリング33によって上方に持ち上げられると、回動機構32のボルト32bはインナシリンダー17の螺旋溝32aに沿って上昇するため、結果的にボルト32bと一体のアウタシリンダー16を、左,右ヘッドレスト部材11,12が前方に押し開かれる方向に回動する。
【0030】
このため、螺旋溝32aの溝形状、つまり傾斜角によって左,右ヘッドレスト部材11,12の回動量を予め任意に設定しておくことができ、この螺旋溝32aを備えることにより、左,右ヘッドレスト部材11,12の上昇量に対する回動量を調整する調整機構67が構成される。
【0031】
前記1対のステー20間に設けた連結部材21の上側中央部には、図1〜図4に示すように、左,右ヘッドレスト部材11,12を前記回動付勢機構30の付勢力に抗してステー20側にロックして初期位置(図1参照)に保持するロック状態と、この回動付勢機構30の作動により左,右ヘッドレスト部材11,12を前方に回動するロック解除状態(図2参照)とを管理するロック手段40を設けてある。
【0032】
このロック手段40は、図5,図6に示すように可撓性連結部材としてのワイヤ41,41a、張力付加機構としてのコマ42、ストッパ機構としての梃子部材43等の構成部材を備えて概略構成され、これら構成部材は固定側としての連結部材21の中央部に固定したケーシング44に組み付けられる。
【0033】
前記ワイヤ41,41aは、左,右ヘッドレスト部材11,12に対応して1対設けられ、各ワイヤ41,41aの一端部は図4に示すようにピン45を介してアウタシリンダー16の下端部に連結される一方、ワイヤ41,41aの他端部はステー20に支持したプーリ46に周回された後、連結部材21の略中央部に配置された前記コマ42方向に案内されるようになっている。
【0034】
コマ42は、図7に示すように略直方体状に形成されて、その中心部に形成した中心孔42aが支軸47(図5参照)を介してケーシング44に回転自在に支持されており、このコマ42の短辺方向に対向する壁面には、前記1対のワイヤ41,41aの他端部をそれぞれ軸方向(コマ42の厚さ方向)に隔成して巻き取る1対の独立巻回溝42b,42cを形成し、これら独立巻回溝42b,42cにワイヤ41,41aを1つづつ挟み込むようになっている。
【0035】
また、前記ワイヤ41,41aの他端部先端にはそれぞれ係止片48が固定され、これら係止片48は前記コマ42の長辺方向に対向する壁面に形成した係合凹部42d,42eに係止されるようになっている。
【0036】
このようにワイヤ41,41aがコマ42に巻き取られることにより、各ワイヤ41,41aには張力が付加され、この張力により前記左,右ヘッドレスト部材11,12の各アウタシリンダー16は、前記スプリング33の付勢力に抗して下方に押し下げられた状態、つまり初期位置(図1参照)に保持される。
【0037】
前記梃子部材43は、図5に示すように前記ヘッドレスト本体10aの固定側としてのケーシング44に回動自在に取り付けられる支点部43aと、前記コマ42の回転を阻止する係止部Kが設けられた作用点部43bと、後面衝突の検出信号の入力で離脱する駆動ユニット49によって支持された力点部43cと、を備えて構成される。尚、梃子部材43の支点部43aを中心とする回動方向は、この実施形態では水平方向として設定されている。
【0038】
前記コマ42にはワイヤ41,41aが互いに逆方向に巻き取られており、これらワイヤ41,41aの張力によって発生する偶力で、コマ42にはワイヤ41,41aを巻き戻す方向の回転力が付加されているため、図5に示すように梃子部材43の係止部Kがコマ42の長辺方向角部に係止することにより、コマ42の巻戻し回転が阻止された状態にある。
【0039】
そして、前記駆動ユニット49が力点部43cから離脱することによって、梃子部材43はコマ42の戻り回転力で図6に示すように回動して、このコマ42の回転が許容される。
【0040】
前記駆動ユニット49は、梃子部材43の力点部43cをコマ42の張力解除方向に支持するストッパー49aと、このストッパー49aを進退するソレノイド49b(図4参照)とを備えて構成され、図5に示すストッパー49aの進出状態で前記梃子部材43の力点部43cとケーシング44との間に介在される一方、図6に示すストッパー49aの後退状態で梃子部材43の戻り方向(図中時計回り方向)の回動が自在となる。
【0041】
尚、ストッパー49aを進退する駆動手段としてはソレノイド49bに限ることなく、後述の制御手段50の駆動信号でストッパー49aを作動することができる手段、例えば電動モータを用いてこれの回転運動を往復運動に変換することで達成できる。
【0042】
前記ロック手段40のソレノイド49bには、図8に示す制御手段50から駆動信号が出力される。即ち、この制御手段50は、自動車Mの通常運転時は前記ソレノイド49bにロック保持信号(無信号)を出力し、後面衝突時にこの衝突を検出してソレノイド49bにロック解除信号(ストッパー49aの後退信号)を出力するようになっている。
【0043】
制御手段50は、自動車Mの後面に設けて後方車両mとの相対速度を音波などを用いて検知するVセンサー51、車体Bに加わる加速度を検知するGセンサー52、自動車Mのリアバンパーに設けて後方車両mの接触圧を検知する圧力センサー53と、これら各センサーの信号を入力するコントローラ54とで構成される。そして、このコントローラ54では前記センサー51,52,53の検出信号を基に後面衝突を検出して前記ソレノイド43aに電流を印加し、前記ロック手段40をロック解除するようになっている。
【0044】
尚、Gセンサー52や圧力センサー53は実質的な衝突を検知する手段であるが、これら以外にも図示は省略したがタッチセンサーや歪ゲージなどを用いることができる。
【0045】
また、本実施形態では図4に示すように、前記回動機構32に、左,右ヘッドレスト部材11,12に付加される後方への押圧力で、これら左,右ヘッドレスト部材11,12をステー20側に固定する固定機構60を設けてある。
【0046】
固定機構60は、図9,図10に示すように、左,右ヘッドレスト部材11,12の上,下の横アーム14,14aをアウタシリンダー16と分離し、分離したこれら横アーム14,14aを、アウタシリンダー16に結合したブラケット61にピン62を介して前後方向に回動自在に連結してある。
【0047】
そして、下方の横アーム14aの分離側端部に、アウタシリンダー16の略センター部分まで突出する係合部材63をボルト64固定し、このアウタシリンダー16に前記係合部材63の爪63aが挿通する窓部16bを形成してある。
【0048】
一方、インナシリンダー17の外周の前記窓部16bに対応する部分には、前記係合部材63の爪63aが係合可能な複数の歯部を周方向に形成したラック65を形成する。尚、このラック65はインナシリンダー17の全長に亘って形成される。
【0049】
また、前記横アーム14,14aとアウタシリンダー16との間には、図9に示すように、矩形状のスプリング66が配置され、このスプリング66によって横アーム14,14aを前方に押圧付勢するようになっている。このスプリング66は、ばね鋼で形成された線材を略矩形状に形作り、その1対の対向辺をく字状に折曲して形成される。
【0050】
そして、図10に示すように、前記スプリング66は、そのく字状の折曲部分66aを前記ピン62の前方側に係止して支点とし、一端部66bを横アーム14,14aの後方側に係止するとともに、他端部66cをアウタシリンダー16の後方側に係止し、これら両端部66b,66c間に前方への付勢力を付加するようになっている。
【0051】
従って、前記固定機構60はスプリング66の付勢力により、図11中破線に示すように、常時は横アーム14,14aがピン62を中心として前方に回動された状態にあって、係合部材63の爪63aはラック65から離脱した状態にあり、アウタシリンダー16はインナシリンダー17に対して自由に回転できる状態にある。
【0052】
尚、ピン62を中心とする横アーム14,14aの回動量は、図11に示すように、横アーム14,14aの分離側端に形成されたV字状凹部14bの両端角部の一方が、アウタシリンダー16の外周に接触する僅かの範囲として設定されている。
【0053】
そして、着座乗員の頭部Hが左,右ヘッドレスト部材11,12に触れるなどして、これら左,右ヘッドレスト部材11,12に後方への押圧力が作用すると、横アーム14,14aはスプリング66の付勢力に抗して後方に回動し、係合部材63の爪63aがラック65に係合され、これによってアウタシリンダー16はインナシリンダー17にロックされるようになっている。
【0054】
以上の構成により本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10にあっては、図8に示すように、車両Mが後方車両mによって後面衝突されると、これをVセンサー51,Gセンサー52および圧力センサー53や図外のタッチセンサーおよび歪ゲージなどで検知して、コントローラ54からロック手段40のソレノイド49bに電流を印加する。
【0055】
即ち、前記コントローラ54による制御は、例えば、図12に示すフローチャートに従って実行される。まず、ステップS1によってイグニッションスイッチのONによりヘッドレスト装置10を制御開始した時点では、前記ソレノイド49bに印加する電流(ソレノイド駆動電流)はOFFになっている。
【0056】
この状態から次のステップS2では、Vセンサー51の検知信号から後方車両mを検知するとともに、同検知信号からステップS3で自車Mと後方車両mとの間の相対距離Sを算出するとともに、ステップS4で両車M,mの相対速度ΔVを算出する。
【0057】
そして、次のステップS5では、図13に示す制御マップに基づいて、ステップS3,S4で求めた相対距離Sおよび相対速度ΔVと、予め設定した相対距離Scrおよび相対速度ΔVcrとの関係を算出する。その結果、(S<Scr)と(V>Vcr)との両条件を満たすときに、後方車両mが自車Mに後面衝突することを予測し、ステップS6に進むとともに、それ以外の場合はステップS2にリターンされる。
【0058】
ステップS6では、ロック手段40のソレノイド49bに本来の電流値よりも小さな電流(ソレノイド駆動予備電流)を印加し、予めソレノイド49bの作動レスポンスをあげておく。
【0059】
続いて、ステップS7では、Gセンサー52や圧力センサー53若しくはタッチセンサーや歪ゲージのいずれか1つを用いて、車両Mが実際に後面衝突されたことを検知し、次のステップS8で本来のソレノイド駆動電流(最大電流)をソレノイド49bに印加する。
【0060】
これによって図6に示すようにストッパー49aが後退して梃子部材43の力点部43cから離脱することにより、ロック手段40のロックが解除されることになる。
【0061】
つまり、ロック手段40のロック解除によって、梃子部材43の係止部Kは図6に示すようにコマ42から離脱し、コマ42はワイヤ41,41aに作用している張力で発生する偶力によって図中時計回り方向に回転しつつ、ワイヤ41,41aはコマ42から巻き戻されるとともに、係止片48が係合凹部42d,42eから外れてワイヤ41,41aは自由になる。
【0062】
すると、アウタシリンダー16を下方に引っ張っていた拘束力が無くなるため、左,右ヘッドレスト部材11,12はリフト機構31のスプリング33による上方への付勢力によって、アウタシリンダー16とともに上昇しつつ、回動機構32のボルト32bがインナシリンダー17の螺旋溝32aに沿って移動するため回転して、左,右ヘッドレスト部材11,12を前方に回動する。
【0063】
そして、アウタシリンダー16が更に上昇すると、これの内側に形成した縮径部16aが、ステー20の上端部に設けた端板17aに当接することによりアウタシリンダー16の上昇が停止され、この状態が図2示す左,右ヘッドレスト部材11,12の最大回動量となる。
【0064】
従って、図14に示す通常運転時では左,右ヘッドレスト部材11,12は収納されて一般のヘッドレストと同様であるが、後面衝突時には図15に示すように左,右ヘッドレスト部材11,12が前方に回動することにより、両者の縦アーム15間に取り付けられた膜状体13は、左,右ヘッドレスト部材11,12の上昇および回動により、上方かつ前方に押し出されることになり、後面衝突時の慣性力により着座乗員の頭部Hが後方に大きく移動するのをいち早く受け止めて拘束することができ、着座乗員の頭部Hを保護することができる。
【0065】
ところで、本実施形態では車両Mの後面衝突時に左,右ヘッドレスト部材11,12が前方に回動されて膜状体13を押し出すようになっているので、従来のようにヘッドレスト本体を全体的に押し出す場合に比較して、頭部拘束部分つまり膜状体13の確実かつ迅速な押し出しが可能となって、乗員頭部Hのいち早い拘束が可能となり、ひいては頭部保護性をより高めることができる。
【0066】
また、本実施形態は、従来のように着座乗員の慣性による荷重変動を検知するものではなく、Vセンサー51,Gセンサー52,圧力センサー53などによって車両Mの後面衝突を検知するため、着座乗員の体重や着座姿勢に関係無く、確実かつ迅速にヘッドレスト本体10aを作動させることができる。
【0067】
従って、シートバック101には着座乗員の荷重変動を検知するための機構が不要となるため、このシートバック101は幅寸法や高さおよび形状などに制約されること無く、本来の座り心地性を確保することができるとともに、シート100自体の軽量化を達成することができる。
【0068】
ところで、本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10のロック手段40は、ワイヤ41,41a、コマ42および梃子部材43を備えて構成され、コマ42が梃子部材43の回転阻止解除により巻き戻し方向に回転してロック解除されるため、より少ない力で、かつより少ない時間で確実にロック解除できるため、頭部H拘束部分の前方移動を迅速かつ確実に行うことができる。
【0069】
つまり、図5に示すようにロック解除するためのストッパー49aの後退力Pは、梃子部材43の力点部43cからストッパー49aに作用する梃子部材43の図中時計回り方向の回動力P1に、これら力点部43cとストッパー49aとの間の摩擦係数μを乗した値(P=P1×μ)となり、P1およびμがいずれも小さく設定できるため、ソレノイド49bの駆動力が小さくて済む。
【0070】
また、ロック手段40のコマ42は、軸方向に隔成した独立巻回溝42b,42cにワイヤ41,41aを個別に巻き取るようにしたので、図5に示すようにワイヤ41,41a間の距離dを小さくすることができ、ひいてはワイヤ41,41aの張力Fによる偶力のモーメントN(N=F×d)を小さくすることができる。
【0071】
更に、前記梃子部材43は、支点部43aと作用点部43bとの間の距離L1と、作用点部43bと力点部43cとの間の距離L2との比(L1:L2)が小さくなるほど前記回動量P1が減少するため、駆動ユニット49を小型化することができる。
【0072】
図16は本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10を用いて実験した場合の比較特性図を示し、横軸に時間、縦軸に着座乗員の頸部に作用するモーメント(荷重)をとって表す。
【0073】
同図中、aは衝突対応構造を持たない従来のヘッドレスト、つまりアクティブヘッドレスト構造を採らない場合、bは着座乗員の慣性による荷重移動を利用して後面衝突を検知する従来のアクティブヘッドレストの場合、cは本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10の場合をそれぞれ示す。
【0074】
即ち、この比較特性図から、bの従来のアクティブヘッドレストは、aのアクティブヘッドレスト無しの場合に比較して着座乗員の頭部拘束に優れているが、このbのアクティブヘッドレストよりも、cの本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10が、頭部との接触時間が早く、かつ発生する最大頭部荷重を更に低減できることが理解される。
【0075】
ここで、本実施形態にあっては前述のように押出し機構を左右に分割したヘッドレスト部材11,12で構成すると共に、頭部拘束部分を左,右ヘッドレスト部材11,12の分割端部11a,12a間に張架した膜状体13で構成しているため、これら左,右ヘッドレスト部材11,12の回動で膜状体13が展開することによって、広い範囲で乗員頭部Hを確実に拘束、保護することができる。
【0076】
また、ロック手段40の可撓性連結部材として、前述のようにコマ42に巻取られるワイヤ41,41aを用いているため、ロック手段40をコンパクトに構成することができると共に、コマ42の回転でワイヤ41,41aの張力を偶力として作用させるので、左,右ヘッドレスト部材11,12の拘束力を等分してバランスをとることができる。
【0077】
図17〜図19は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0078】
この第2実施形態を説明するにあたって、図17はロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図、図18はロック手段の解放後の状態を示す断面平面図、図19は張力付加機構の斜視図である。
【0079】
図17に示すようにこの第2実施形態のロック手段40aは、第1実施形態と同様にワイヤ41b、コマ70、梃子部材43等の構成部材を備えて概略構成されるが、この第2実施形態が第1実施形態と主に異なる点は、ワイヤ41bを1本とし、この1本のワイヤ41bの両端部を左,右ヘッドレスト部材11,12のアウタシリンダー16に連結する一方、図19に示すように直方体状に形成したコマ70の外周に共通巻回溝70aを形成し、この共通巻回溝70aに前記ワイヤ41bの中間部分を巻き取るようになっている。
【0080】
勿論、前記コマ70は、前記第1実施形態と同様に中心孔70bが支軸47を介してケーシング44に回転自在に支持されるようになっている。
【0081】
即ち、前記ワイヤ41bは、これの中間点が共通巻回溝70aの内周部分に取り付けられ、そして、この状態でコマ70を図中反時計回り方向に回転させてワイヤ41bを巻き取るようになっている。
【0082】
従って、この実施形態にあってもコマ70にワイヤ41bを巻き取った状態で、このコマ70を梃子部材43の係止部Kに係止することによりロック状態が保持され、かつ、力点部43cのストッパー49aが外れることによりロック解除されて、コマ70が図中時計回り方向に回転してワイヤ41bを巻戻すようになっており、前記第1実施形態と同様の作用および効果を奏する。
【0083】
また、可撓性連結部材として1本のワイヤ41bを用いて構成しているので、部品点数を少なくしてコスト的に有利に得ることができる。
【0084】
図20,図21は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0085】
この第3実施形態を説明するにあたって、図20はロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図、図21はロック手段の解放後の状態を示す断面平面図である。
【0086】
図20に示すようにこの第3実施形態のロック手段40bにあっては、前記第2実施形態と同様に1本のワイヤ41b、張力付加機構としてのコマ71および梃子部材43等の構成部材を備えて概略構成されるが、この第3実施形態が前記各実施形態と主に異なる点は、コマ71が円筒状に形成されて、その外周に複数の歯部71aを放射状に突設し、かつ、梃子部材43に補助力付加手段としてのリターンスプリング72を設けて、この梃子部材43にロック解除方向の回動補助力を付加したことにある。
【0087】
即ち、前記コマ71は、中心孔71bが支軸47を介してケーシング44に回転自在に支持され、このコマ71に同軸状に設けた巻回部分71cに前記ワイヤ41bの中間部が前記第2実施形態と同様に巻き取られ、そして、ワイヤ41bを巻き取った前記コマ71は、歯部71aが梃子部材43の係止部Kに係止されるようになっている。
【0088】
また、前記リターンスプリング72は、梃子部材43とケーシング44との間に配置され、この梃子部材43にコマ71と係止部Kとの係合を解除する方向の付勢力を付加するようになっている。
【0089】
従って、この第3実施形態のロック手段40bでは、図21に示すように力点部43cからストッパー49aが外れてロック解除される際に、梃子部材43はリターンスプリング72の付勢力でより迅速に戻り方向に回動して、コマ71と係止部Kとの係合を解除できるため、解除作動時間、つまりソレノイド49bに電流を印加してから実質的にロック解除されるまでの時間を短縮することができる。
【0090】
図22,図23は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0091】
この第4実施形態を説明するにあたって、図22はロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図、図23はロック手段の解放後の状態を示す断面平面図である。
【0092】
図22に示すようにこの第4実施形態のロック手段40cにあっては、張力付加機構をワイヤ41bを巻き取る小径歯車73と、この小径歯車73に噛合してワイヤ41bの巻取り力を付加する大径歯車74とを備えて構成してある。
【0093】
小径歯車73および大径歯車74は、それぞれが円筒状に形成されて外周に歯部73a,74aが放射状に突設されており、両歯部73a,74aが互いに噛合した状態で、中心孔73b,74bが支軸47a,47bを介してケーシング44に回転自在に支持される。
【0094】
ワイヤ41bは、これの中間部が前記第2実施形態と同様に小径歯車73の巻回部分73cに巻き取られ、この小径歯車73の歯部73aが梃子部材43の係止部Kに係止してロックされるようになっており、また、この第4実施形態にあっても前記梃子部材43にはリターンスプリング72が設けられる。
【0095】
従って、この第4実施形態のロック手段40cでは、前記第3実施形態と同様にロック解除時には小径歯車73の歯部73aが梃子部材43の係止部Kから離脱して、この小径歯車73がワイヤ41bの張力による偶力で巻き戻し方向に回転する。
【0096】
ところで、前記小径歯車73には大径歯車74が噛合されているため、小径歯車73にワイヤ41bを巻き取って収納する際に、大径歯車74を回転することにより小径歯車73の回転数を増加することができる。この場合、小径歯車73の径rと大径歯車74の径Rとの比が小さいほど大径歯車74の回転力が小さくて済む。
【0097】
図24〜図26は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0098】
この第5実施形態を説明するにあたって、図24はロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図、図25はロック手段の解放後の状態を示す断面平面図、図26はロック手段のケーシング内部を示す斜視図である。
【0099】
図24に示すようにこの第5実施形態のロック手段40dにあっては、第1実施形態と同様に左,右ヘッドレスト部材11,12のアウタシリンダー16にそれぞれの一端部が連結される1対のワイヤ41,41aを備える。
【0100】
そして、この第5実施形態が前記各実施形態と主に異なる点は、張力付加機構にラック75,75aおよびピニオン76を用いたことにあり、また、係止部Kをスライドロック78としたことにある。
【0101】
即ち、前記ワイヤ41,41aの他端部に1対のラック75,75aが連結され、これら1対のラック75,75aを互いに逆方向の移動関係をもって対向配置して、これら1対のラック75,75aの対向部にピニオン76を噛合するようになっており、そして、このピニオン76には同軸上に大径コマ77が固定され、この大径コマ77が梃子部材43の係止部Kに係止されるようになっている。
【0102】
また、前記スライドロック78は、前記ピニオン76の張力解除方向(図中時計回り方向)の回転に対してロックするとともに、その逆方向となる回転に対してスライドしてピニオン76の逆回転を許容するようになっている。
【0103】
即ち、スライドロック78は、梃子部材43に摺動自在に取付けてあり、そして、スプリング78aによっ梃子部材43のスライドロック78を前記大径コマ77の係止方向に付勢するとともに、この大径コマ77の係止位置はスライド穴78bを摺動するストッパーピン78cによって規制されるようになっている。
【0104】
従って、この第5実施形態のロック手段40dは、ピニオン76を図中反時計回り方向に回転することにより、それぞれのラック75,75aがワイヤ41,41aに張力を付加する方向に移動する。
【0105】
このとき、大径コマ77がスライドロック78に干渉するが、このスライドロック78がスライドして逃げるため、梃子部材43をストッパー49aに係止した状態で初期状態へのセットが可能となる。
【0106】
そして、後面衝突時には前記各実施形態と同様にソレノイド49bによってストッパー49aが後退するため、梃子部材43が戻り方向に回動して大径コマ77とともにピニオン76が、1対のラック75,75a間に作用するワイヤ41,41aの張力による偶力によって回転してロック解除される。
【0107】
また、この第5実施形態のロック手段40dを、ロック解除状態からヘッドレスト本体10aの初期状態にセットするには、スライドロック78を大径コマ77と係合しない位置までスライドさせた状態で、図26に示すようにケーシング44の下側から治具79を大径コマ77の中心部に差し込んで巻き取るようになっている。
【0108】
従って、この第5実施形態によれば、張力付加機構をワイヤ41,41bを連結した一対のラック75,75aと、これらラック75,75aに噛合する1つのピニオン76と、該ピニオン76と一体の大径コマ77とで構成することに加えて、梃子部材43の係止部として前記大径コマ77に係止するスライドロック78を用いたことにより、少ない力で初期状態へのセットが可能となる。
【0109】
ところで、本発明の車両用ヘッドレスト装置10は、前記各実施形態に限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における初期状態にあるヘッドレスト本体を示す透視斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態における作動完了状態にあるヘッドレスト本体をクッションパッドを取り外して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体を装着したシートの全体斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体の要部を断面した拡大斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図である。
【図6】本発明の第1実施形態におけるロック手段の解放後の状態を示す断面平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態における張力付加機構の拡大斜視図である。
【図8】本発明の第1実施形態における制御手段の作動システムの説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態における固定機構の背面斜視図である。
【図10】本発明の第1実施形態における固定機構の要部断面図である。
【図11】本発明の第1実施形態における固定機構の作動状態を示す平面図である。
【図12】本発明の第1実施形態におけるロック手段の制御フローを示す説明図である。
【図13】本発明の第1実施形態におけるロック手段のロック解除する領域を相対距離と相対速度との関係で示す説明図である。
【図14】本発明の第1実施形態における通常運転時のヘッドレスト装置を示す側面図である。
【図15】本発明の第1実施形態における後面衝突時のヘッドレスト装置を示す側面図である。
【図16】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト装置による頸部下モーメントの比較特性図である。
【図17】本発明の第2実施形態におけるロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図である。
【図18】本発明の第2実施形態におけるロック手段の解放後の状態を示す断面平面図である。
【図19】本発明の第2実施形態における張力付加機構の斜視図である。
【図20】本発明の第3実施形態におけるロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図である。
【図21】本発明の第3実施形態におけるロック手段の解放後の状態を示す断面平面図である。
【図22】本発明の第4実施形態におけるロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図
である。
【図23】本発明の第4実施形態におけるロック手段の解放後の状態を示す断面平面図で
ある。
【図24】本発明の第5実施形態におけるロック手段の初期の保持状態を示す断面平面図
である。
【図25】本発明の第5実施形態におけるロック手段の解放後の状態を示す断面平面図で
ある。
【図26】本発明の第5実施形態におけるロック手段のケーシング内部を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 車両用ヘッドレスト装置
10a ヘッドレスト本体
11 左ヘッドレスト部材(押出し機構)
12 右ヘッドレスト部材(押出し機構)
13 膜状体(頭部拘束部分)
20 ステー(取付部材)
21 連結部材
30 回動付勢機構(付勢手段)
31 リフト機構
32 回動機構
40,40a,40b,40c,40d ロック手段
41,41a,41b ワイヤ(可撓性連結部材)
42 コマ(張力付加機構)
43 梃子部材(ストッパ機構)
43a 支点部
43b 作用点部
43c 力点部
49 駆動ユニット
50 制御手段
70 コマ(張力付加機構)
71 コマ(張力付加機構)
72 リターンスプリング(補助力付加手段)
73 小径歯車(張力付加機構)
74 大径歯車(張力付加機構)
75,75a ラック(張力付加機構)
76 ピニオン(張力付加機構)
77 大径コマ(張力付加機構)
78 スライドロック
100 シート
101 シートバック
K 係止部
M 自車
m 後方車両

Claims (12)

  1. シートバックの上端部に取付部材を介して装着され、着座乗員の頭部を支えるヘッドレスト本体を備えた車両用ヘッドレスト装置において、 前記ヘッドレスト本体は、左右方向の略中央部で分割して、その分割端部とは反対側の端部を前記取付部材に対して回動可能に取り付けた左,右ヘッドレスト部材と、
    前記左,右ヘッドレスト部材の分割端部間に張架した膜状体と、
    前記左,右ヘッドレスト部材をそれぞれ上方に付勢しつつ車両前方に回動付勢し、前記膜状体を前方に向かって展開する回動付勢機構と、
    前記左,右ヘッドレスト部材を前記回動付勢機構の付勢力に抗して初期位置に保持するロック状態とこの回動付勢機構の作動により左,右ヘッドレスト部材を前方に回動するロック解除状態とを管理するロック手段と、
    通常運転時は前記ロック手段ロックし車両の後面衝突を検出して前記ロック手段ロック解除する制御手段と、を備え、
    前記ロック手段は、前記左,右ヘッドレスト部材に連動し、張力の付加により前記回動付勢機構の付勢力に抗して左,右ヘッドレスト部材を初期位置に保持する一方、張力の解除で回動付勢機構の付勢力を左,右ヘッドレスト部材に作用させる可撓性連結部材と、
    前記ヘッドレスト本体の固定側に取り付けられ、一方向の回転により前記可撓性連結部材に張力を付加する一方、他方向の回転により可撓性連結部材の張力を解除する張力付加機構と、
    通常運転時は前記張力付加機構の張力解除方向の回転を阻止する一方、車両の後面衝突時に前記制御手段により作動されて張力付加機構の回転阻止を解除して張力解除方向の回転を許容するストッパ機構と、を備えたことを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
  2. ストッパ機構は、前記ヘッドレスト本体の固定側に回動自在に取り付けられる支点部と、前記張力付加機構の回転を阻止する係止部が設けられた作用点部と、車両の後面衝突時に前記制御手段により離脱作動される駆動ユニットによって支持された力点部と、を備え、この駆動ユニットの離脱によって回動して前記張力付加機構の回転を許容する梃子部材であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  3. 可撓性連結部材を、左,右ヘッドレスト部材に対応して1対設け、それぞれの一端部を左,右ヘッドレスト部材に連結するとともに、それぞれの他端部に係止片を装着する一方、前記張力付加機構には前記1対の可撓性連結部材の他端部をそれぞれ軸方向に隔成して巻き取る1対の独立巻回溝を形成するとともに、各独立巻回溝に対応して前記係止片を係脱自在に係止する係止部を形成したことを特徴とする請求項またはに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  4. 可撓性連結部材を、両端部が左,右ヘッドレスト部材に連動される1本で構成する一方、前記張力付加機構にはこの1本の可撓性連結部材の中間部を巻き取る共通巻回溝を形成したことを特徴とする請求項またはに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  5. 左,右ヘッドレスト部材から張力付加機構に至る可撓性連結部材を、この張力付加機構に互いに逆方向に巻取り、それぞれの可撓性連結部材の張力を張力付加機構に対して偶力として作用させることを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  6. 張力付加機構は、可撓性連結部材の巻回溝を形成した回転体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  7. 張力付加機構は、前記可撓性連結部材を巻き取る小径歯車と、この小径歯車に噛合して可撓性連結部材の巻取り力を付加する大径歯車とを備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  8. 張力付加機構は、可撓性連結部材に連結したラックと、このラックに噛合するピニオンと、このピニオンに一体となって回転され前記ストッパ機構によって回転規制される大径コマと、を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  9. ラックは、左,右ヘッドレスト部材に連動する1対の可撓性連結部材にそれぞれ対応して1対設け、これら1対のラックを互いに逆方向の移動関係をもって対向配置し、これら1対のラックの対向部間に前記ピニオンを噛合したことを特徴とする請求項に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  10. 可撓性連結部材はワイヤであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  11. 梃子部材に、駆動ユニットの離脱によって回動する方向に回動補助力を付加する補助力付加手段を設けたことを特徴とする請求項に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  12. 梃子部材の係止部は、張力付加機構の張力解除方向の回転に対してロックするとともに、その逆方向となる回転に対してスライドして張力付加機構の逆回転を許容するスライドロックとしたことを特徴とする請求項に記載の車両用ヘッドレスト装置。
JP2002022110A 2002-01-30 2002-01-30 車両用ヘッドレスト装置 Expired - Fee Related JP3743373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002022110A JP3743373B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 車両用ヘッドレスト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002022110A JP3743373B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 車両用ヘッドレスト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003220874A JP2003220874A (ja) 2003-08-05
JP3743373B2 true JP3743373B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=27745180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002022110A Expired - Fee Related JP3743373B2 (ja) 2002-01-30 2002-01-30 車両用ヘッドレスト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743373B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104890547A (zh) * 2015-06-08 2015-09-09 北汽福田汽车股份有限公司 汽车、汽车座椅及具有汽车安全锤的座椅头枕

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4984949B2 (ja) * 2007-02-16 2012-07-25 トヨタ紡織株式会社 車両用シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104890547A (zh) * 2015-06-08 2015-09-09 北汽福田汽车股份有限公司 汽车、汽车座椅及具有汽车安全锤的座椅头枕
CN104890547B (zh) * 2015-06-08 2017-12-08 宝沃汽车(中国)有限公司 汽车、汽车座椅及具有汽车安全锤的座椅头枕

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003220874A (ja) 2003-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3915730B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
US6761403B2 (en) Headrest apparatus for vehicle
JP4736588B2 (ja) 乗員保護装置
JP2981393B2 (ja) バックル引込み装置
JP3775046B2 (ja) シートベルト装置及び車両
US7931332B2 (en) Rear-seat occupant protection apparatus
JP2000233700A (ja) 車両用乗員保護装置
US11718260B2 (en) Vehicle occupant protection device
JP3912056B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP5195894B2 (ja) 乗員保護装置
US8695911B2 (en) Webbing take-up device
WO2022071408A1 (ja) 車両用シート装置
JP4457477B2 (ja) 車両の乗員保護装置
JP3829517B2 (ja) 車両用乗員保護装置
JP3743373B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP2010179726A (ja) 自動車用3点式シートベルト装置
JP3705181B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP4548112B2 (ja) 乗員保護装置
JP3912057B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP5228761B2 (ja) シートベルト装置
JP4304526B2 (ja) 車両用乗員保護装置
JP4013668B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP3912264B2 (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP3077196B2 (ja) シート
JP2005066091A (ja) 車両用ヘッドレスト装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081125

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101125

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111125

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees