JP4457477B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の衝突時に乗員を保護するためにエアバッグとシートベルトとを備えたような車両の乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両の乗員保護装置としては、例えば、特開平6−48267号公報および特開平10−35411号公報に記載の装置がある。
前者の特開平6−48267号公報に記載の装置は、車両の衝突を検出する衝突センサと、シートベルトを引き込み動作させるプリテンショナとを備え、衝突センサが車両の衝突を検出した時、制御部を介してプリテンショナを作動させて乗員を初期拘束し、シートベルトの張力が所定荷重に達すると、シートベルトの伸びによって衝撃力を吸収するように構成したものである。
【0003】
この従来装置によれば、プリテンショナの作動で乗員とシートベルトとの間の緩みを除去して、乗員の初期拘束を迅速に行なうことができる利点がある反面、体格の異なる乗員に対して、乗員の体格に応じたシートベルト荷重の設定が不可能で、また胸加速度および頭部加速度の低減を図ることができない問題点があった。
【0004】
一方、後者の特開平10−35411号公報に記載の装置は、外周部にシートベルトを巻回するボビンと、このボビンの軸芯部に配置されたトーションバーと、該トーションバーに一体的に設けられたロッキングプレートと、このロッキングプレートと上述のボビンとの間に設けられたせん断ピンとを備え、車両の衝突時にシートベルトを介してロッキングプレートに所定以上の荷重が付勢されると、まずせん断ピンを破断して、乗員の運転エネルギの一部を吸収し、その後、トーションバーが該バーそれ自体の軸回りに捩じれ変形し、所定のトルクにてボビンを回転させることで乗員の運動エネルギを吸収し、これにより衝撃力を吸収するものである。
【0005】
この従来装置(いわゆるロードリミッタ)によれば、せん断ピンの破断およびトーションバーの捩じれ変形により、衝撃力を吸収することができる利点がある反面、上記せん断ピンによる降伏荷重、並びにトーションバーの捩じれ変形による後半荷重は乗員の体格に関係なしに一律に設定されているので、体格の異なる乗員に対して、乗員の体格応じたシートベルト荷重の設定が不可能で、かつ乗員に応じて胸加速度および頭部加速度の低減を図ることができない問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後半荷重を上記降伏荷重よりも低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段と、上記降伏荷重から後半荷重に至るまでの変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段とを設けることで、乗員の体格に応じて降伏荷重とそれより低い後半荷重とを設定することができ、乗員に応じて胸加速度と頭部加速度とを充分に低減することができ、しかも、シートベルトによるエネルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させることができる、つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応じて適切に設定することができる車両の乗員保護装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両の乗員保護装置は、エアバッグおよびシートベルトを備えた車両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定または検出する体格検出手段と、車両の衝突を検出する衝突検出手段と、上記体格検出手段からの信号に基づいて上記シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後半荷重を上記降伏荷重より低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段と、上記降伏荷重から後半荷重に至るまでの変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段とを備えたものである。
【0008】
上記構成の乗員拘束力の降伏荷重とは、シートベルトによる乗員拘束力が立上がった後に降伏する時点(上降伏点)での荷重である。
上記構成の後半荷重とは、シートベルトによる乗員拘束力が上記降伏点に達した時点以降の荷重であって、この後半荷重は一定荷重(一定の値)に設定してもよい。
【0009】
上記構成により、体格検出手段は乗員の体格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段は体格検出手段からの信号に基づいて上記シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更し、後半荷重設定手段は降伏後の後半荷重を上記降伏荷重より低い所定の荷重に保持し、衝突検出手段が車両の衝突を検出した時、エアバッグを展開して乗員を保護しつつ、シートベルトの伸びを上記設定された降伏荷重および後半荷重になるように制御して、乗員を保護する。
【0010】
このように上記構成によれば、乗員の体格に応じて降伏荷重とそれより低い後半荷重とを設定することができ、乗員に応じて胸加速度(車両衝突時の慣性で乗員に発生する胸部の加速度)と頭部加速度(車両衝突時の慣性で乗員に発生する頭部の加速度)とを充分に低減することができる。特に上記後半荷重は降伏荷重よりも低い値に設定されるので効果的なエネルギ吸収を行なうことができる。
【0011】
しかも、上記降伏荷重から後半荷重に至るまでの変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段を備えたものであるから、シートベルトによるエネルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させることができる。つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応じて適切に設定することができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記後半荷重設定手段は上記所定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値に設定するものである。
上記構成により、乗員の体格に応じた後半荷重の設定ができ、乗員の胸加速度と頭部加速度とをより一層良好に低減させることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記後半荷重の開始時期は乗員の胸加速度がピークとなる時期より以前または同一時期に設定されたものである。
【0014】
上記構成により、乗員の胸加速度がピークになる時期(時点)よりも前または同一時期において降伏荷重より低い後半荷重での乗員拘束(エネルギ吸収)がスタートするので、胸加速度の低減が図れ、乗員保護性能を向上させることができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記シートベルトによる初期荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段を備えたものである。
上記構成により、早期化手段でシートベルトによる初期荷重の立ち上がりを早期化して、シートベルトによる衝撃力吸収効果(特に、初期拘束性能)を高めることができる。
【0016】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
[第1実施例]
図面は車両の乗員保護装置を示し、図1において車両の衝突速度Vを検出する衝突センサ11と、乗員がシートに着座したシートの前後方向のスライド位置を検出するシートスライド位置検出センサ12と、乗員の体格を直接または間接的に検出する体格検出手段13とを設けている。
【0017】
制御手段としてのCPU20は、衝突センサ11(衝突検出手段)からの衝突速度Vと、シートスライド位置検出センサ12からのスライド位置Pと、体格検出手段13からの体格Mとの各信号入力に基づいて、ROM14に格納されたプログラムに従って、エアバッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動すると共に、降伏荷重変更手段17、後半荷重設定手段18を介してシートベルトリトラクタ19を制御し、またRAM21は必要なデータやマップを記憶する。
【0018】
ここで、上述の降伏荷重変更手段17は体格検出手段13からの信号に基づいて乗員の体格が検出された時点にてシートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重a,b,c(図7参照)を乗員の体格に応じて変更するものであり、また上述の後半荷重設定手段18は体格検出手段13からの信号に基づいて乗員の体格が検出された時点にて降伏後の後半荷重x,y(図7参照)を上記降伏荷重a,b,cよりも低い所定の荷重(一定の荷重)に保持すると共に、この所定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値x,yに設定する手段であるが、これら両手段17,18の具体的構成については後述する。
【0019】
図2はシートスライド位置検出センサ12の具体的構成を示し、フロアパネル22にブラケット23,24と、固定レール25および可動レール26から成るシートスライド機構27を介して取付けられたシート28において、上述の各レール25,26間に可変抵抗器29を設けている。
【0020】
シートスライド時には、この可変抵抗器29の抵抗値が変化するので、シート28のスライド位置Pを電圧または電流の変化量(電気量の変化信号)として取出すシートスライド位置検出センサ12を構成することができる。
【0021】
図2において、30はシートクッション、31はシートバッグ、32はヘッドレスト、33はステアリングホイールであるが、本実施例の車両の乗員保護装置はドライバーズ側および第1列目側に限定されるものではない。
【0022】
一方、図2において車体側の下部にはシートベルト34を巻取りおよび繰出し可能と成したシートベルトリトラクタ19を取付け、このシートベルトリトラクタ19から引出されたシートベルト34をショルダガイド部としてのショルダアンカ35を介して乗員側に導出している。
【0023】
シートベルト34の他端は固定手段としてのアンカレッジ36でシートベルトリトラクタ19近傍のボディに固定され、このシートベルト34には可動タング(図示せず)が配設されていて、該可動タングをバックル37に嵌め込むことで、ショルダベルト部38とラップベルト部39とを備えた3点式のシートベルト装置となる。
【0024】
上述のバックル37の下部にはベルト部材などの連結部材40を介してプリテンショナ16を取付けている。このプリテンショナ16は所定位置に固定されており、該プリテンションナ16はシートベルト34による初期荷重(図7参照)の立ち上がりを早期化する早期化手段であるが、この早期化手段としては図示のバックルタイプのプリテンショナ16に代えて、シートベルトリトラクタ19に内蔵されたリトラクタ内蔵タイプのプリテンションであってもよい。
【0025】
図3は体格検出手段13の具体的構成を示す。図3に示す体格検出手段13は、シートクッション30の着座面に感圧フィルムセンサ41を配設して構成したものである。
【0026】
上述の感圧フィルムセンサ41には多数の感圧センサ42…が埋設されており、乗員の体重(荷重)により感圧センサ42…を構成する抵抗体の抵抗値が変化するので、この抵抗値変化を出力電圧の変化として取出すことができるように構成され、乗員の体格によって出力電圧パターンが異なるため、乗員の体格を判別することができる。
【0027】
なお、図3に示す体格検出手段に代えて、シート取付け部材とシートクッション下面との間に、シートクッションの下部の四隅部分に対応するように合計4個のロードセル介設し、例えば歪みゲージ式のロードセルを用いて、荷重により生ずる歪みを、歪みゲージで検出して、出力電気信号を得て、このロードセルの出力に基づいて乗員の体格を推定するように構成してもよいことは勿論である。
【0028】
ここで、上述の体格検出手段13はセンサ等により検出する構成に代えて、インストルメントパネル部にスイッチ等による体格入力設定手段を設け、乗員がマニュアル操作により小、中、大に選択した体格信号をCPU20に入力するように構成してもよい。
【0029】
図4、図5、図6はシートベルトリトラクタ19(いわゆるロードリミッタ)の内部構成を示す。
一対のロックプレート43,44間には、その外周にシートベルト34を巻回したスプール45を設けると共に、3つのランド46,47,48と大径部49および小径部50とを有するトーションバー51を設けている。
【0030】
このトーションバー51はそれ自体の捩じれ変形により後半荷重を決定するもので、このトーションバー51は略筒軸状のスプール45の軸心空間部にその軸心線に沿って移動可能に配置されたもので、一側のロックプレート43にはランド46を保持(または係止)し得る断面円形の凹部43aが形成され、他側のロックプレート44にはランド48を保持し得る断面円形の凹部44aが形成されている。
【0031】
このトーションバー51の両端はスプリング室52に設けた付勢手段としてのスプリング53と、ロックプレート43外部に取付けた軸径部選定用のアクチュエータ54のロッド55先端との間で支持されている。
【0032】
また上述のスプール45の内周部中間には径方向内方へ突出する環状の凸部45aが一体形成されており、この凸部45aで中間のランド47を移動可能に保持すべく構成している。
【0033】
而して、上述のアクチュエータ54の作動によりランド47,48(小径部50両端のランド)が凸部45aと凹部44aとで保持され、トーションバー51の小径部50が選定された態様(図4、図5参照)と、上述のアクチュエータ54の作動によりランド46,47(大径部49両端のランド)が凹部43aと凸部45aとで保持され、トーションバー51の大径部49が選定された態様(図6参照)とに切換えるように構成している。
【0034】
トーションバー51の小径部50が選定された場合には、図7に示す一定の後半荷重xを得ることができ、トーションバー51の大径部49が選定された場合には、図7に示す一定の後半荷重y(但し、y>x)を得ることができる。
【0035】
つまり、上述のアクチュエータ54によるトーションバー51の大径部49、小径部50の選定構造により後半荷重設定手段18(図1参照)が構成される。
上述の機能を達成するために上記ランド46,47,48の周面と各凹部43a,44aおよび凸部45aの対応面には係止部(ギヤ状の凹凸面またはスプライン状の凹凸面など)が形成され、ランドの軸芯線方向への移動を許容する一方、上記保持時にはランドの回転方向の移動が規制されて捩じれ変形が許容されるようになっている。
【0036】
一方、ロックプレート44の外部には降伏荷重変更用のアクチュエータ56を取付けている。このアクチュエータ56は、その先端から基端にかけて小径部、中径部、大径部の複数段構造たとえば3段構造に形成されたロッド57(せん断ピン)を有し、このロッド57をスプール45の対向するフランジ部45bにおける開口部58の臨設可能に構成している。
【0037】
而して、上述のアクチュエータ56の作動によりロッド57の小径部を開口部58に臨設させた時(図4参照)には、そのせん断面積に対応して図7に示す降伏荷重aを得ることができ、同様に、ロッド57の中径部を開口部58に臨設させた時(図5参照)には、そのせん断面積に対応して図7に示す降伏荷重b(但し、b>a)を得ることができ、ロッド57の大径部を開口部58に臨設させた時(図6参照)には、そのせん断面積に対応して図7に示す降伏荷重c(但し、c>b)を得ることができるように構成している。
つまり、複数段構造のロッド57を有するアクチュエータ56により降伏荷重変更手段17(図1参照)を構成したものである。
【0038】
図4、図5、図6に示すロックプレート43,44は通常のシートベルト巻取時およびシートベルト引出し時においてはロッド57(せん断ピン)によるロックプレート44とスプール45との係合により、これら両者45,43,44は一体的に回転する。
【0039】
しかも、上述のロックプレート43,44は、シートベルトリトラクタ19に衝撃が加わった時、換言すれば車両衝突時に、リトラクタ本体に揺動可能に取付けられた歯止め手段としてのパウル59が揺動して、このパウル59がロックプレート43,44の歯部と係合するので、該ロックプレート43,44の回転は阻止されるようになっている。
【0040】
また図7に示すように、後半荷重x,yの開始時期x01,x02,y0は乗員の胸加速度がピークとなる時期zより以前(または同一時点)に設定されている。
このように構成した車両の乗員保護装置の作用を、図8に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0041】
第1ステップS1で、CPU20は乗員の体重を検出する感圧フィルムセンサ41(図3参照)などで構成された体格検出手段13からの出力に基づいて、乗員の体重検知を実行する。
【0042】
次に第2ステップS2で、CPU20はシートスライド位置検出センサ12からの出力に基づいて、シート28の前後方向のスライド量を検知する。
次に第3ステップS3で、CPU20は体重とシートスライド量との両方の値によって乗員の体格を判定する。この乗員の体格判定は例えば「小」「中」「大」の3段階に分けて判定される。ここで、体重のみによる体格判定と異なり、体重とシートスライド量との双方の値によって乗員の体格を判定しているので、適切な体格判定の実行ができる。
【0043】
次に第4ステップS4で、CPU20は上記体格判定結果つまり体格の小、体格の中、体格の大に応じて必要なアクチュエータ56,55を駆動する。
すなわち、乗員の体格が「小」の場合には図4に示す如くアクチュエータ56の駆動によりロッド57の小径部を開口部58に臨設して、降伏荷重aを選定すると共に、アクチュエータ55の駆動によりトーションバー51の小径部50を選定して、降伏荷重aよりも低い所定の荷重の後半荷重xが設定される。
【0044】
乗員の体格が「中」の場合には図5に示す如くアクチュエータ56の駆動によりロッド57の中径部を開口部58に臨設して、降伏荷重bを選定すると共に、アクチュエータ55の駆動によりトーションバー51の小径部50を選定して、降伏荷重bよりも低い所定の荷重の後半荷重xが設定される。
【0045】
乗員の体格が「大」の場合には図6に示す如くアクチュエータ56の駆動によりロッド57の大径部を開口部58に臨設して、降伏荷重cを選定すると共に、アクチュエータ55の駆動によりトーションバー51の大径部49を選定して、降伏荷重cよりも低い所定の荷重の後半荷重yが設定される。
【0046】
これらの各降伏荷重a,b,cおよび後半荷重x,yの設定は、乗員の体格が判定(または確定)されたタイミングで車両の衝突以前に実行されると共に、体格変化などが検出された場合にはフローチャートの繰返しにより、体格判定が再度実行される。
【0047】
衝突センサ11が車両の衝突を検出すると、エアバッグ装置15が作動して、そのエアバッグを展開すると同時に、プリテンショナ16が作動してシートベルト34による初期荷重の立ち上りを早期化する。この実施例の場合にはバックルタイプのプリテンショナ16がシートベルト34のショルダベルト部38およびラップベルト部39をバックル37と共に締付け方向へ引張って、乗員とシートベルト34との間の緩みを除去する。
【0048】
このプリテンショナ16による初期荷重の立ち上がり早期化後においては、第4ステップS4で予め設定された降伏荷重a,b,cおよび後半荷重x,yになるようにシートベルト34の伸びが制御される。
【0049】
つまり、乗員の体格が「小」の場合にはロッド57の小径部がせん断されるまで荷重が立上がり、降伏荷重aにて小径部がせん断されると、荷重は後半荷重xの開始時期x01まで低下し、この時点からトーションバー51の小径部50による捩じれ変形がスタートするので、降伏荷重aよりも低い一定の後半荷重xで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0050】
また、乗員の体格が「中」の場合にはロッド57の中径部がせん断されるまで荷重が立上がり、降伏荷重bにて中径部がせん断されると、荷重は後半荷重xの開始時期x02まで低下し、この時点からトーションバー51の小径部50による捩じれ変形がスタートするので、降伏荷重bよりも低い一定の後半荷重xで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0051】
さらに、乗員の体格が「大」の場合にはロッド57の大径部がせん断されるまで荷重が立上がり、降伏荷重cにて大径部がせん断されると、荷重は後半荷重yの開始時期y0まで低下し、この時点からトーションバー51の大径部49による捩じれ変形がスタートするので、降伏荷重cよりも低い一定の後半荷重yで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0052】
このように図1〜図8で示した実施例の車両の乗員保護装置は、エアバッグ装置15とシートベルト34とを備えた車両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定または検出する体格検出手段13と、車両の衝突を検出する衝突検出手段(衝突センサ11参照)と、上記体格検出手段13からの信号に基づいて上記シートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重a,b,c(図7参照)を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段17と、降伏後の後半荷重x,y(図7参照)を上記降伏荷重a,b,cより低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段18とを備えたものである。
【0053】
この記構成により、体格検出手段13は乗員の体格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段17は体格検出手段13からの信号に基づいて上記シートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重a,b,cを乗員の体格に応じて変更し、後半荷重設定手段18は降伏後の後半荷重x,yを上記降伏荷重a,b,cより低い所定の荷重に保持し、衝突検出手段(衝突センサ11参照)が車両の衝突を検出した時、エアバッグを展開して乗員を保護しつつ、シートベルト34の伸びを上記設定された降伏荷重a,b,cおよび後半荷重x,yになるように制御して、乗員を保護する。
【0054】
このように上記構成によれば、乗員の体格に応じて降伏荷重a,b,cとそれより低い後半荷重x,yとを設定することができ、乗員に応じて胸加速度と頭部加速度とを充分に低減することができる。
【0055】
また、上記後半荷重設定手段18は上記所定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値x,yに設定するものである。
上記構成により、乗員の体格に応じた後半荷重x,yの設定ができ、乗員の胸加速度と頭部加速度とをより一層良好に低減させることができる。
【0056】
さらに、上記後半荷重x,yの開始時期x01,x02,x03は乗員の胸加速度がピークとなる時期z(図7参照)より以前(または同一時期)に設定されたものである。
【0057】
この構成により、乗員の胸加速度がピークになる時期(時点)zよりも(前または同一時期)において降伏荷重a,b,cより低い後半荷重x,yでの乗員拘束(エネルギ吸収)がスタートするので、胸加速度の低減が図れ、乗員保護性能を向上させることができる。
【0058】
加えて、上記シートベルト34による初期荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段(プリテンショナ16参照)を備えたものである。
この構成により、早期化手段(プリテンショナ16参照)でシートベルト34による初期荷重の立ち上がりを早期化して、シートベルト34による衝撃力吸収効果を高めることができる。
【0059】
[第2実施例]
図9〜図13は車両の乗員保護装置の他の実施例を示す。
図9に示す制御回路ブロック図において、車両の衝突速度Vを検出する衝突センサ11と、乗員がシートに着座したシートの前後方向のスライド位置を検出するシートスライド位置検出センサ12と、乗員の体格を直接または間接的に検出する体格検出手段13とを設けている。
【0060】
制御手段としてのCPU20は、衝突センサ11からの衝突速度Vと、シートスライド位置検出センサ12からのスライド位置Pと、体格検出手段13からの体格Mとの各信号入力に基づいて、ROM14に格納されたプログラムに従って、エアバッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動すると共に、降伏荷重変更手段17、後半荷重設定手段18および荷重変化率設定手段60を介してシートベルトリトラクタ19を制御し、またRAM21は必要なデータやマップM1(図11参照)を記憶する。
【0061】
上述のシートスライド位置検出センサ12(図2参照)、体格検出手段13(図3参照)およびプリテンショナ16による初期荷重の早期化構造については、この実施例においても先の実施例と同様の構成を用いるが、降伏荷重変更手段17および後半荷重設定手段18については他の構造を用いるので、次に図10を参照してシートベルトリトラクタ19の構成について説明する。
【0062】
このシートベルトリトラクタ19は、リトラクタケース61を設け、このリトラクタケース61の巻取り部にはスプール45を取付け、前述のシートベルト34をスプール45の外周に巻回した後に、このシートベルト34をクランプロック機構62を介してリトラクタケース61からケース外方へ引出すように構成している。
【0063】
上述のクランプロック機構62は、降伏荷重d,e,f(図12参照)を決定する可動ストッパ63と、ベースプレート64と、上下両部にシートベルト34のガイド孔65,66を備えたアウタケース67とを備え、ベースプレート64とアウタプレート67とで囲繞された空間内にティース形状の対向クランプ部材68と可動クランプ部材69とを対向して配置させる一方、クランプアーム軸70に設けられたクランプアーム71(ロックレバーと同意)の先端に揺動支点72を介して上述の可動クランプ部材69を揺動可能に連結して、ベルトロック時に一対のクランプ部材68,69間でシートベルト34をクランプしてロックすべく構成している。
【0064】
但し、上述の一対のクランプ部材68,69間によるシートベルト34のクランプロックは、シートベルト34を完全にロックするものではなく、一対のクランプ部材68,69間の隙間により決定される所定荷重にてシートベルト34を繰出し可能に挟持して、このEA作動(エネルギ緩衝作動)にて乗員を拘束するものである。
【0065】
上述のストッパ63は、シートベルトリトラクタ19(いわゆるロードリミッタ)のリトラクタケース61に沿って上下方向にスライド可能に支持されると共に、スクリュ73(ねじ軸)と、このスクリュ73を回転駆動するアクチュエータ74とからなる降伏荷重変更手段17によってネジ送りされるように構成されている。また、上述のアクチュエータ74はサーボモータによって構成することができる。
【0066】
この降伏荷重変更手段17はCPU20から出力される制御信号に応じて駆動され、上述の可動ストッパ63がネジ送りされることにより、クランプ部材68,69の上昇阻止位置が乗員の体格に応じて複数段階たとえば3段階に変化するようになっている。
【0067】
ここで、上記クランプ部材68,69の上昇阻止位置が上方に移動するのに伴い、クランプアーム71が水平状態に近付くように揺動変位して、クランプ部材69に対する押圧力が上昇するので、一対の各クランプ部材68,69によるシートベルト34の挟持力(クランプ力)が大きくなって、シートベルト34の引出しを規制する降伏荷重d,e,f(図12参照)が増大する。
【0068】
つまり、この実施例においては可動ストッパ63,スクリュ73、アクチュエータ74により降伏荷重変更手段17を構成している。
また上述のクランプアーム71の上部には該アーム71と対向するようにロッド75を備えたアクチュエータ76を設けている。
【0069】
このアクチュエータ76は上記アクチュエータ74で設定された降伏荷重d,e,f(図12参照)を超えた後に、そのロッド75を作動させてクランプアーム71を押下げ方向に制御し、一対のクランプ部材68,69によるクランプ力を次第に低下制御(クランプ部の食いつき力を打ち消す方向に力を発生させて、摩擦力を調整)することで、降伏荷重d,e,fから後半荷重m,nに至るまでの変化率g,h,i(図12参照、詳しくは同図の荷重特性の傾き)を乗員の体格に応じて異なる値に設定すると共に、降伏荷重d,e,fよりも低い一定の後半荷重m,nに設定するものである。
【0070】
つまり、この実施例においてはアクチュエータ76で、後半荷重設定手段18と荷重変化率設定手段60との両手段を構成している。
上述の降伏荷重変更用のアクチュエータ74は、乗員の体格が判定されたタイミングで作動し、後半荷重設定用および荷重変化率設定用のアクチュエータ76は、衝突発生後においてスプール45の回転量が所定の値になったタイミングで作動する。
【0071】
このため、リトラクタケース61にはスプール45の回転量を検出する回転量検出手段としてのロータリエンコーダ77が設けられており、ロータリエンコーダ77からの信号は図9のCPU20に入力され、CPU20は回転量が所定の値になったタイミングで上記アクチュエータ74を駆動制御する。
【0072】
一方、図9に示す制御回路のRAM21は図11に示すマップM1を記憶している。このマップM1は乗員の体格に応じて降伏荷重、後半荷重、荷重変化率を決定するそれぞれのパターンA,B,Cを設定したマップである。
【0073】
すなわち、乗員の体格「大」に相当するパターンAは、降伏荷重「大」=f、後半荷重「大」=n、荷重変化率「大」=iに設定され、乗員の体格「中」に相当するパターンBは、降伏荷重「中」=e、後半荷重「小」=m、荷重変化率「中」=hに設定され、乗員の体格「小」に相当するパターンCは、降伏荷重「小」=d、後半荷重「小」=m、荷重変化率「小」=gに設定されている。
【0074】
また、この実施例においても後半荷重m,nの開始時期m01,m02,0は乗員の胸加速度がピークとなる時期zより以前に設定されている。
さらに、この実施例においてもシートベルト34による初期荷重(図12参照)の立ち上がりを早期化するプリテンショナ16を設け、シートベルト34による衝撃力吸収効果を高めるように構成している。
【0075】
このように構成した車両の乗員保護装置の作用を、図13に示すフローチャートを参照して以下に詳述する。
第1ステップQ1で、CPU20は乗員の体重を検出する感圧フィルムセンサ41(図3参照)などで構成された体格検出手段13からの出力に基づいて、乗員の体重検知を実行する。
【0076】
次に第2ステップQ2で、CPU20はシートスライド位置検出センサ12からの出力に基づいて、シート28(図2参照)の前後方向のスライド量を検知する。
次に第3ステップQ3で、CPU20は体重とシートスライド量との両方の値によって乗員の体格を判定する。この乗員の体格判定は例えば「小」「中」「大」の3段階に分けて判定される。
【0077】
この第3ステップQ3で、CPU20は乗員の体格が「大」であると判定された時には第4ステップQ4に、乗員の体格が「中」であると判定された時には第5ステップQ5に、乗員の体格が「小」であると判定された時には第6ステップQ6にそれぞれ移行する。
【0078】
上述の第4ステップQ4で、CPU20は乗員の体格「大」に対応してパターンA(図11参照)を選定し、第5ステップQ5で、CPU20は乗員の体格「中」に対応してパターンB(図11参照)を選定し、第6ステップQ6で、CPU20は乗員の体格「小」に対応してパターンC(図11参照)を選定する。
【0079】
パターンAが選定されると、CPU20は車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スクリュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重fが得られる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンショナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図る。
【0080】
シートベルト34による荷重は図12に示すように設定された降伏荷重fに達するまで立上がり、降伏荷重fに達すると、アクチュエータ76の制御により、荷重変化率iに従って後半荷重nの開始時期n0まで低下し、この時点から降伏荷重fよりも低い一定の後半荷重nで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0081】
パターンBが選定されると、CPU20は車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スクリュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重eが得られる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンショナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図る。
【0082】
シートベルト34による荷重は図12に示すように設定された降伏荷重eに達するまで立上がり、降伏荷重eに達すると、アクチュエータ76の制御により、荷重変化率hに従って後半荷重mの開始時期m02まで低下し、この時点から降伏荷重eよりも低い一定の後半荷重mで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0083】
パターンCが選定されると、CPU20は車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スクリュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重dが得られる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンショナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図る。
【0084】
シートベルト34による荷重は図12に示すように設定された降伏荷重dに達するまで立上がり、降伏荷重dに達すると、アクチュエータ76の制御により、荷重変化率gに従って後半荷重mの開始時期m01まで低下し、この時点から降伏荷重dよりも低い一定の後半荷重mで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0085】
このように図9〜図13で示した実施例の車両の乗員保護装置は、エアバッグ装置15とシートベルト34とを備えた車両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定または検出する体格検出手段13と、車両の衝突を検出する衝突検出手段(衝突センサ11参照)と、上記体格検出手段13からの信号に基づいて上記シートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重d,e,f(図12参照)を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段17と、降伏後の後半荷重m,n(図12参照)を上記降伏荷重d,e,fより低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段18とを備えたものである。
【0086】
この構成により、体格検出手段13は乗員の体格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段17は体格検出手段13からの信号に基づいて上記シートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重d,e,fを乗員の体格に応じて変更し、後半荷重設定手段18は降伏後の後半荷重m,nを上記降伏荷重d,e,fより低い所定の荷重に保持し、衝突検出手段(衝突センサ11参照)が車両の衝突を検出した時、エアバッグを展開して乗員を保護しつつ、シートベルト34の伸びを上記設定された降伏荷重d,e,fおよび後半荷重m,nになるように制御して、乗員を保護する。
【0087】
このように上記構成によれば、乗員の体格に応じて降伏荷重d,e,fとそれより低い後半荷重m,nとを設定することができ、乗員に応じて胸加速度と頭部加速度とを充分に低減することができる。
【0088】
また、上記後半荷重設定手段18は上記所定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値m,nに設定するものである。
この構成により、乗員の体格に応じた後半荷重m,nの設定ができ、乗員の胸加速度と頭部加速度とをより一層良好に低減させることができる。
【0089】
さらに、上記後半荷重m,nの開始時期m01,m02,n0は乗員の胸加速度がピークとなる時期zより以前(または同一時期)に設定されたものである。
【0090】
この構成により、乗員の胸加速度がピークになる時期(時点)zよりも前(または同一時期)において降伏荷重d,e,fより低い後半荷重m,nでの乗員拘束(エネルギ吸収)がスタートするので、胸加速度の低減が図れ、乗員保護性能を向上させることができる。
【0091】
さらには、上記降伏荷重d,e,fから後半荷重m,nに至るまでの変化率g,h,iを乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段60を備えたものである。
【0092】
この構成により、シートベルト34によるエネルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させることができる。つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応じて適切に設定することができる。
【0093】
加えて、上記シートベルト34による初期荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段(プリテンショナ16参照)を備えたものである。
この構成により、早期化手段(プリテンショナ16参照)でシートベルト34による初期荷重の立ち上がりを早期化して、シートベルト34による衝撃力吸収効果を高めることができる。
【0094】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のエアバッグは、実施例のエアバッグ装置15に対応し、
以下同様に、
シートベルトは、3点式のシートベルト34に対応し、
衝突検出手段は、衝突センサ11に対応し、
早期化手段は、プリテンショナ16に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0095】
例えば、体重とシートスライド位置との両方の値によって乗員の体格を判定する手段に加えて、車両の衝突速度V(衝突の場合)を加味して降伏荷重a,b,c,d,e,fなどを可変し、例えば低速衝突時または低速衝突の予測時には上記降伏荷重を低い値に可変すべく構成してもよい。
【0096】
さらに、上記各実施例においては乗員の体格「小」「中」「大」に対応して降伏荷重を3段階にまた、後半荷重を2段階に変更すべく構成したが、これは多段階に変更するように構成してもよい。
【0097】
【発明の効果】
この発明によれば、シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後半荷重を上記降伏荷重よりも低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段とを設けることで、乗員の体格に応じて降伏荷重とそれより低い後半荷重とを設定することができ、乗員に応じて胸加速度と頭部加速度とを充分に低減することができる効果がある。
【0098】
しかも、上記降伏荷重から後半荷重に至るまでの変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段を備えたものであるから、シートベルトによるエネルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させることができる。つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応じて適切に設定することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両の乗員保護装置を示す制御回路ブロック図。
【図2】 シートスライド位置検出センサを含む系統図。
【図3】 体格検出手段の構成を示す斜視図。
【図4】 シートベルトリトラクタの体格「小」対応時の断面図。
【図5】 シートベルトリトラクタの体格「中」対応時の断面図。
【図6】 シートベルトリトラクタの体格「大」対応時の断面図。
【図7】 シートベルトの伸びに対する荷重変化を示す特性図。
【図8】 乗員保護処理を示すフローチャート。
【図9】 本発明の車両の乗員保護装置の他の実施例を示す制御回路ブロック図。
【図10】 シートベルトリトラクタの構成を示す断面図。
【図11】 RAMに記憶させたマップの説明図。
【図12】 シートベルトの伸びに対する荷重変化を示す特性図。
【図13】 乗員保護処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…衝突センサ(衝突検出手段)
13…体格検出手段
15…エアバッグ装置
16…プリテンショナ(早期化手段)
17…降伏荷重変更手段
18…後半荷重変更手段
34…シートベルト
60…荷重変化率設定手段
a,b,c…降伏荷重
d,e,f…降伏荷重
g,h,i…荷重変化率
m,n…後半荷重
m01,m02,n0…開始時間
x,y…後半荷重
x01,x02,y0…開始時間
z…胸加速度がピークとなる時間

Claims (4)

  1. エアバッグおよびシートベルトを備えた車両の乗員保護装置であって、
    乗員の体格を入力設定または検出する体格検出手段と、
    車両の衝突を検出する衝突検出手段と、
    上記体格検出手段からの信号に基づいて上記シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、
    降伏後の後半荷重を上記降伏荷重より低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段と
    上記降伏荷重から後半荷重に至るまでの変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段を備えた
    車両の乗員保護装置。
  2. 上記後半荷重設定手段は上記所定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値に設定する
    請求項1記載の車両の乗員保護装置。
  3. 上記後半荷重の開始時期は乗員の胸加速度がピークとなる時期より以前または同一時期に設定された
    請求項1または2記載の車両の乗員保護装置。
  4. 上記シートベルトによる初期荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段を備えた
    請求項1〜3の何れか1に記載の車両の乗員保護装置。
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