JP2002087209A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

車両の乗員保護装置

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JP2002087209A
JP2002087209A JP2000283231A JP2000283231A JP2002087209A JP 2002087209 A JP2002087209 A JP 2002087209A JP 2000283231 A JP2000283231 A JP 2000283231A JP 2000283231 A JP2000283231 A JP 2000283231A JP 2002087209 A JP2002087209 A JP 2002087209A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗
員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後
の後半荷重を上記降伏荷重よりも低い所定の荷重に保持
する後半荷重設定手段とを設けることで、乗員の体格に
応じて降伏荷重とそれより低い後半荷重とを設定するこ
とができ、乗員に応じて胸加速度と頭部加速度とを充分
に低減することができる車両の乗員保護装置の提供を目
的とする。 【解決手段】エアバッグ15およびシートベルトを備え
た車両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定
または検出する体格検出手段13と、車両の衝突を検出
する衝突検出手段11と、上記体格検出手段13からの
信号に基づいて上記シートベルトによる乗員拘束力の降
伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更手段
17と、降伏後の後半荷重を上記降伏荷重より低い所定
の荷重に保持する後半荷重設定手段18とを備えたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の衝突時に
乗員を保護するためにエアバッグとシートベルトとを備
えたような車両の乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の車両の乗員保護装置とし
ては、例えば、特開平6−48267号公報および特開
平10−35411号公報に記載の装置がある。前者の
特開平6−48267号公報に記載の装置は、車両の衝
突を検出する衝突センサと、シートベルトを引き込み動
作させるプリテンショナとを備え、衝突センサが車両の
衝突を検出した時、制御部を介してプリテンショナを作
動させて乗員を初期拘束し、シートベルトの張力が所定
荷重に達すると、シートベルトの伸びによって衝撃力を
吸収するように構成したものである。
【0003】この従来装置によれば、プリテンショナの
作動で乗員とシートベルトとの間の緩みを除去して、乗
員の初期拘束を迅速に行なうことができる利点がある反
面、体格の異なる乗員に対して、乗員の体格に応じたシ
ートベルト荷重の設定が不可能で、また胸加速度および
頭部加速度の低減を図ることができない問題点があっ
た。
【0004】一方、後者の特開平10−35411号公
報に記載の装置は、外周部にシートベルトを巻回するボ
ビンと、このボビンの軸芯部に配置されたトーションバ
ーと、該トーションバーに一体的に設けられたロッキン
グプレートと、このロッキングプレートと上述のボビン
との間に設けられたせん断ピンとを備え、車両の衝突時
にシートベルトを介してロッキングプレートに所定以上
の荷重が付勢されると、まずせん断ピンを破断して、乗
員の運転エネルギの一部を吸収し、その後、トーション
バーが該バーそれ自体の軸回りに捩じれ変形し、所定の
トルクにてボビンを回転させることで乗員の運動エネル
ギを吸収し、これにより衝撃力を吸収するものである。
【0005】この従来装置(いわゆるロードリミッタ)に
よれば、せん断ピンの破断およびトーションバーの捩じ
れ変形により、衝撃力を吸収することができる利点があ
る反面、上記せん断ピンによる降伏荷重、並びにトーシ
ョンバーの捩じれ変形による後半荷重は乗員の体格に関
係なしに一律に設定されているので、体格の異なる乗員
に対して、乗員の体格をに応じたシートベルト荷重の設
定が不可能で、かつ乗員に応じて胸加速度および頭部加
速度の低減を図ることができない問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、シートベ
ルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて
変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後半荷重を上記
降伏荷重よりも低い所定の荷重に保持する後半荷重設定
手段とを設けることで、乗員の体格に応じて降伏荷重と
それより低い後半荷重とを設定することができ、乗員に
応じて胸加速度と頭部加速度とを充分に低減することが
できる車両の乗員保護装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による車両の乗
員保護装置は、エアバッグおよびシートベルトを備えた
車両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定ま
たは検出する体格検出手段と、車両の衝突を検出する衝
突検出手段と、上記体格検出手段からの信号に基づいて
上記シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の
体格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後
半荷重を上記降伏荷重より低い所定の荷重に保持する後
半荷重設定手段とを備えたものである。
【0008】上記構成の乗員拘束力の降伏荷重とは、シ
ートベルトによる乗員拘束力が立上がった後に降伏する
時点(上降伏点)での荷重である。上記構成の後半荷重と
は、シートベルトによる乗員拘束力が上記降伏点に達し
た時点以降の荷重であって、この後半荷重は一定荷重
(一定の値)に設定してもよい。
【0009】上記構成により、体格検出手段は乗員の体
格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段は体格検
出手段からの信号に基づいて上記シートベルトによる乗
員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更し、後半
荷重設定手段は降伏後の後半荷重を上記降伏荷重より低
い所定の荷重に保持し、衝突検出手段が車両の衝突を検
出した時、エアバッグを展開して乗員を保護しつつ、シ
ートベルトの伸びを上記設定された降伏荷重および後半
荷重になるように制御して、乗員を保護する。
【0010】このように上記構成によれば、乗員の体格
に応じて降伏荷重とそれより低い後半荷重とを設定する
ことができ、乗員に応じて胸加速度(車両衝突時の慣性
で乗員に発生する胸部の加速度)と頭部加速度(車両衝突
時の慣性で乗員に発生する頭部の加速度)とを充分に低
減することができる。特に上記後半荷重は降伏荷重より
も低い値に設定されるので効果的なエネルギ吸収を行な
うことができる。
【0011】この発明の一実施態様においては、上記後
半荷重設定手段は上記所定の荷重を乗員の体格に応じて
異なる値に設定するものである。上記構成により、乗員
の体格に応じた後半荷重の設定ができ、乗員の胸加速度
と頭部加速度とをより一層良好に低減させることができ
る。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記後
半荷重の開始時期は乗員の胸加速度がピークとなる時期
より以前または同一時期に設定されたものである。
【0013】上記構成により、乗員の胸加速度がピーク
になる時期(時点)よりも前または同一時期において降伏
荷重より低い後半荷重での乗員拘束(エネルギ吸収)がス
タートするので、胸加速度の低減が図れ、乗員保護性能
を向上させることができる。
【0014】この発明の一実施態様においては、上記降
伏荷重から後半荷重に至るまのでの変化率を乗員の体格
に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段を備え
たものである。
【0015】上記構成により、シートベルトによるエネ
ルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させることが
できる。つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応じて
適切に設定することができる。
【0016】この発明の一実施態様においては、上記シ
ートベルトによる初期荷重の立ち上がりを早期化する早
期化手段を備えたものである。上記構成により、早期化
手段でシートベルトによる初期荷重の立ち上がりを早期
化して、シートベルトによる衝撃力吸収効果(特に、初
期拘束性能)を高めることができる。
【0017】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。 [第1実施例]図面は車両の乗員保護装置を示し、図1に
おいて車両の衝突速度Vを検出する衝突センサ11
と、乗員がシートに着座したシートの前後方向のスライ
ド位置を検出するシートスライド位置検出センサ12
と、乗員の体格を直接または間接的に検出する体格検出
手段13とを設けている。
【0018】制御手段としてのCPU20は、衝突セン
サ11(衝突検出手段)からの衝突速度Vと、シートス
ライド位置検出センサ12からのスライド位置Pと、体
格検出手段13からの体格Mとの各信号入力に基づい
て、ROM14に格納されたプログラムに従って、エア
バッグ装置15およびプリテンショナ16を駆動すると
共に、降伏荷重変更手段17、後半荷重設定手段18を
介してシートベルトリトラクタ19を制御し、またRA
M21は必要なデータやマップを記憶する。
【0019】ここで、上述の降伏荷重変更手段17は体
格検出手段13からの信号に基づいて乗員の体格が検出
された時点にてシートベルトによる乗員拘束力の降伏荷
重a,b,c(図7参照)を乗員の体格に応じて変更する
ものであり、また上述の後半荷重設定手段18は体格検
出手段13からの信号に基づいて乗員の体格が検出され
た時点にて降伏後の後半荷重x,y(図7参照)を上記降
伏荷重a,b,cよりも低い所定の荷重(一定の荷重)に
保持すると共に、この所定の荷重を乗員の体格に応じて
異なる値x,yに設定する手段であるが、これら両手段
17,18の具体的構成については後述する。
【0020】図2はシートスライド位置検出センサ12
の具体的構成を示し、フロアパネル22にブラケット2
3,24と、固定レール25および可動レール26から
成るシートスライド機構27を介して取付けられたシー
ト28において、上述の各レール25,26間に可変抵
抗器29を設けている。
【0021】シートスライド時には、この可変抵抗器2
9の抵抗値が変化するので、シート28のスライド位置
Pを電圧または電流の変化量(電気量の変化信号)として
取出すシートスライド位置検出センサ12を構成するこ
とができる。
【0022】図2において、30はシートクッション、
31はシートバッグ、32はヘッドレスト、33はステ
アリングホイールであるが、本実施例の車両の乗員保護
装置はドライバーズ側および第1列目側に限定されるも
のではない。
【0023】一方、図2において車体側の下部にはシー
トベルト34を巻取りおよび繰出し可能と成したシート
ベルトリトラクタ19を取付け、このシートベルトリト
ラクタ19から引出されたシートベルト34をショルダ
ガイド部としてのショルダアンカ35を介して乗員側に
導出している。
【0024】シートベルト34の他端は固定手段として
のアンカレッジ36でシートベルトリトラクタ19近傍
のボディに固定され、このシートベルト34には可動タ
ング(図示せず)が配設されていて、該可動タングをバッ
クル37に嵌め込むことで、ショルダベルト部38とラ
ップベルト部39とを備えた3点式のシートベルト装置
となる。
【0025】上述のバックル37の下部にはベルト部材
などの連結部材40を介してプリテンショナ16を取付
けている。このプリテンショナ16は所定位置に固定さ
れており、該プリテンションナ16はシートベルト34
による初期荷重(図7参照)の立ち上がりを早期化する早
期化手段であるが、この早期化手段としては図示のバッ
クルタイプのプリテンショナ16に代えて、シートベル
トリトラクタ19に内蔵されたリトラクタ内蔵タイプの
プリテンションであってもよい。
【0026】図3は体格検出手段13の具体的構成を示
す。図3に示す体格検出手段13は、シートクッション
30の着座面に感圧フィルムセンサ41を配設して構成
したものである。
【0027】上述の感圧フィルムセンサ41には多数の
感圧センサ42…が埋設されており、乗員の体重(荷重)
により感圧センサ42…を構成する抵抗体の抵抗値が変
化するので、この抵抗値変化を出力電圧の変化として取
出すことができるように構成され、乗員の体格によって
出力電圧パターンが異なるため、乗員の体格を判別する
ことができる。
【0028】なお、図3に示す体格検出手段に代えて、
シート取付け部材とシートクッション下面との間に、シ
ートクッションの下部の四隅部分に対応するように合計
4個のロードセル介設し、例えば歪みゲージ式のロード
セルを用いて、荷重により生ずる歪みを、歪みゲージで
検出して、出力電気信号を得て、このロードセルの出力
に基づいて乗員の体格を推定するように構成してもよい
ことは勿論である。
【0029】ここで、上述の体格検出手段13はセンサ
等により検出する構成に代えて、インストルメントパネ
ル部にスイッチ等による体格入力設定手段を設け、乗員
がマニュアル操作により小、中、大に選択した体格信号
をCPU20に入力するように構成してもよい。
【0030】図4、図5、図6はシートベルトリトラク
タ19(いわゆるロードリミッタ)の内部構成を示す。一
対のロックプレート43,44間には、その外周にシー
トベルト34を巻回したスプール45を設けると共に、
3つのランド46,47,48と大径部49および小径
部50とを有するトーションバー51を設けている。
【0031】このトーションバー51はそれ自体の捩じ
れ変形により後半荷重を決定するもので、このトーショ
ンバー51は略筒軸状のスプール45の軸心空間部にそ
の軸心線に沿って移動可能に配置されたもので、一側の
ロックプレート43にはランド46を保持(または係止)
し得る断面円形の凹部43aが形成され、他側のロック
プレート44にはランド48を保持し得る断面円形の凹
部44aが形成されている。
【0032】このトーションバー51の両端はスプリン
グ室52に設けた付勢手段としてのスプリング53と、
ロックプレート43外部に取付けた軸径部選定用のアク
チュエータ54のロッド55先端との間で支持されてい
る。
【0033】また上述のスプール45の内周部中間には
径方向内方へ突出する環状の凸部45aが一体形成され
ており、この凸部45aで中間のランド47を移動可能
に保持すべく構成している。
【0034】而して、上述のアクチュエータ54の作動
によりランド47,48(小径部50両端のランド)が凸
部45aと凹部44aとで保持され、トーションバー5
1の小径部50が選定された態様(図4、図5参照)と、
上述のアクチュエータ54の作動によりランド46,4
7(大径部49両端のランド)が凹部43aと凸部45a
とで保持され、トーションバー51の大径部49が選定
された態様(図6参照)とに切換えるように構成してい
る。
【0035】トーションバー51の小径部50が選定さ
れた場合には、図7に示す一定の後半荷重xを得ること
ができ、トーションバー51の大径部49が選定された
場合には、図7に示す一定の後半荷重y(但し、y>x)
を得ることができる。
【0036】つまり、上述のアクチュエータ54による
トーションバー51の大径部49、小径部50の選定構
造により後半荷重設定手段18(図1参照)が構成され
る。上述の機能を達成するために上記ランド46,4
7,48の周面と各凹部43a,44aおよび凸部45
aの対応面には係止部(ギヤ状の凹凸面またはスプライ
ン状の凹凸面など)が形成され、ランドの軸芯線方向へ
の移動を許容する一方、上記保持時にはランドの回転方
向の移動が規制されて捩じれ変形が許容されるようにな
っている。
【0037】一方、ロックプレート44の外部には降伏
荷重変更用のアクチュエータ56を取付けている。この
アクチュエータ56は、その先端から基端にかけて小径
部、中径部、大径部の複数段構造たとえば3段構造に形
成されたロッド57(せん断ピン)を有し、このロッド5
7をスプール45の対向するフランジ部45bにおける
開口部58の臨設可能に構成している。
【0038】而して、上述のアクチュエータ56の作動
によりロッド57の小径部を開口部58に臨設させた時
(図4参照)には、そのせん断面積に対応して図7に示す
降伏荷重aを得ることができ、同様に、ロッド57の中
径部を開口部58に臨設させた時(図5参照)には、その
せん断面積に対応して図7に示す降伏荷重b(但し、b
>a)を得ることができ、ロッド57の大径部を開口部
58に臨設させた時(図6参照)には、そのせん断面積に
対応して図7に示す降伏荷重c(但し、c>b)を得るこ
とができるように構成している。つまり、複数段構造の
ロッド57を有するアクチュエータ56により降伏荷重
変更手段17(図1参照)を構成したものである。
【0039】図4、図5、図6に示すロックプレート4
3,44は通常のシートベルト巻取時およびシートベル
ト引出し時においてはロッド57(せん断ピン)によるロ
ックプレート44とスプール45との係合により、これ
ら両者45,43,44は一体的に回転する。
【0040】しかも、上述のロックプレート43,44
は、シートベルトリトラクタ19に衝撃が加わった時、
換言すれば車両衝突時に、リトラクタ本体に揺動可能に
取付けられた歯止め手段としてのパウル59が揺動し
て、このパウル59がロックプレート43,44の歯部
と係合するので、該ロックプレート43,44の回転は
阻止されるようになっている。
【0041】また図7に示すように、後半荷重x,yの
開始時期x01,x02,y0は乗員の胸加速度がピー
クとなる時期zより以前(または同一時点)に設定されて
いる。このように構成した車両の乗員保護装置の作用
を、図8に示すフローチャートを参照して、以下に詳述
する。
【0042】第1ステップS1で、CPU20は乗員の
体重を検出する感圧フィルムセンサ41(図3参照)など
で構成された体格検出手段13からの出力に基づいて、
乗員の体重検知を実行する。
【0043】次に第2ステップS2で、CPU20はシ
ートスライド位置検出センサ12からの出力に基づい
て、シート28の前後方向のスライド量を検知する。次
に第3ステップS3で、CPU20は体重とシートスラ
イド量との両方の値によって乗員の体格を判定する。こ
の乗員の体格判定は例えば「小」「中」「大」の3段階
に分けて判定される。ここで、体重のみによる体格判定
と異なり、体重とシートスライド量との双方の値によっ
て乗員の体格を判定しているので、適切な体格判定の実
行ができる。
【0044】次に第4ステップS4で、CPU20は上
記体格判定結果つまり体格の小、体格の中、体格の大に
応じて必要なアクチュエータ56,55を駆動する。す
なわち、乗員の体格が「小」の場合には図4に示す如く
アクチュエータ56の駆動によりロッド57の小径部を
開口部58に臨設して、降伏荷重aを選定すると共に、
アクチュエータ55の駆動によりトーションバー51の
小径部50を選定して、降伏荷重aよりも低い所定の荷
重の後半荷重xが設定される。
【0045】乗員の体格が「中」の場合には図5に示す
如くアクチュエータ56の駆動によりロッド57の中径
部を開口部58に臨設して、降伏荷重bを選定すると共
に、アクチュエータ55の駆動によりトーションバー5
1の小径部50を選定して、降伏荷重bよりも低い所定
の荷重の後半荷重xが設定される。
【0046】乗員の体格が「大」の場合には図6に示す
如くアクチュエータ56の駆動によりロッド57の大径
部を開口部58に臨設して、降伏荷重cを選定すると共
に、アクチュエータ55の駆動によりトーションバー5
1の大径部49を選定して、降伏荷重cよりも低い所定
の荷重の後半荷重yが設定される。
【0047】これらの各降伏荷重a,b,cおよび後半
荷重x,yの設定は、乗員の体格が判定(または確定)さ
れたタイミングで車両の衝突以前に実行されると共に、
体格変化などが検出された場合にはフローチャートの繰
返しにより、体格判定が再度実行される。
【0048】衝突センサ11が車両の衝突を検出する
と、エアバッグ装置15が作動して、そのエアバッグを
展開すると同時に、プリテンショナ16が作動してシー
トベルト34による初期荷重の立ち上りを早期化する。
この実施例の場合にはバックルタイプのプリテンショナ
16がシートベルト34のショルダベルト部38および
ラップベルト部39をバックル37と共に締付け方向へ
引張って、乗員とシートベルト34との間の緩みを除去
する。
【0049】このプリテンショナ16による初期荷重の
立ち上がり早期化後においては、第4ステップS4で予
め設定された降伏荷重a,b,cおよび後半荷重x,y
になるようにシートベルト34の伸びが制御される。
【0050】つまり、乗員の体格が「小」の場合にはロ
ッド57の小径部がせん断されるまで荷重が立上がり、
降伏荷重aにて小径部がせん断されると、荷重は後半荷
重xの開始時期x01まで低下し、この時点からトーシ
ョンバー51の小径部50による捩じれ変形がスタート
するので、降伏荷重aよりも低い一定の後半荷重xで前
方へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0051】また、乗員の体格が「中」の場合にはロッ
ド57の中径部がせん断されるまで荷重が立上がり、降
伏荷重bにて中径部がせん断されると、荷重は後半荷重
xの開始時期x02まで低下し、この時点からトーショ
ンバー51の小径部50による捩じれ変形がスタートす
るので、降伏荷重bよりも低い一定の後半荷重xで前方
へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0052】さらに、乗員の体格が「大」の場合にはロ
ッド57の大径部がせん断されるまで荷重が立上がり、
降伏荷重cにて大径部がせん断されると、荷重は後半荷
重yの開始時期y0まで低下し、この時点からトーショ
ンバー51の大径部49による捩じれ変形がスタートす
るので、降伏荷重cよりも低い一定の後半荷重yで前方
へのめり移動する乗員の運動エネルギを吸収する。
【0053】このように図1〜図8で示した実施例の車
両の乗員保護装置は、エアバッグ装置15とシートベル
ト34とを備えた車両の乗員保護装置であって、乗員の
体格を入力設定または検出する体格検出手段13と、車
両の衝突を検出する衝突検出手段(衝突センサ11参照)
と、上記体格検出手段13からの信号に基づいて上記シ
ートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重a,b,c
(図7参照)を乗員の体格に応じて変更する降伏荷重変更
手段17と、降伏後の後半荷重x,y(図7参照)を上記
降伏荷重a,b,cより低い所定の荷重に保持する後半
荷重設定手段18とを備えたものである。
【0054】この記構成により、体格検出手段13は乗
員の体格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段1
7は体格検出手段13からの信号に基づいて上記シート
ベルト34による乗員拘束力の降伏荷重a,b,cを乗
員の体格に応じて変更し、後半荷重設定手段18は降伏
後の後半荷重x,yを上記降伏荷重a,b,cより低い
所定の荷重に保持し、衝突検出手段(衝突センサ11参
照)が車両の衝突を検出した時、エアバッグを展開して
乗員を保護しつつ、シートベルト34の伸びを上記設定
された降伏荷重a,b,cおよび後半荷重x,yになる
ように制御して、乗員を保護する。
【0055】このように上記構成によれば、乗員の体格
に応じて降伏荷重a,b,cとそれより低い後半荷重
x,yとを設定することができ、乗員に応じて胸加速度
と頭部加速度とを充分に低減することができる。
【0056】また、上記後半荷重設定手段18は上記所
定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値x,yに設定す
るものである。上記構成により、乗員の体格に応じた後
半荷重x,yの設定ができ、乗員の胸加速度と頭部加速
度とをより一層良好に低減させることができる。
【0057】さらに、上記後半荷重x,yの開始時期x
01,x02,x03は乗員の胸加速度がピークとなる
時期z(図7参照)より以前(または同一時期)に設定され
たものである。
【0058】この構成により、乗員の胸加速度がピーク
になる時期(時点)zよりも(前または同一時期)において
降伏荷重a,b,cより低い後半荷重x,yでの乗員拘
束(エネルギ吸収)がスタートするので、胸加速度の低減
が図れ、乗員保護性能を向上させることができる。
【0059】加えて、上記シートベルト34による初期
荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段(プリテンシ
ョナ16参照)を備えたものである。この構成により、
早期化手段(プリテンショナ16参照)でシートベルト3
4による初期荷重の立ち上がりを早期化して、シートベ
ルト34による衝撃力吸収効果を高めることができる。
【0060】[第2実施例]図9〜図13は車両の乗員保
護装置の他の実施例を示す。図9に示す制御回路ブロッ
ク図において、車両の衝突速度Vを検出する衝突セン
サ11と、乗員がシートに着座したシートの前後方向の
スライド位置を検出するシートスライド位置検出センサ
12と、乗員の体格を直接または間接的に検出する体格
検出手段13とを設けている。
【0061】制御手段としてのCPU20は、衝突セン
サ11からの衝突速度Vと、シートスライド位置検出
センサ12からのスライド位置Pと、体格検出手段13
からの体格Mとの各信号入力に基づいて、ROM14に
格納されたプログラムに従って、エアバッグ装置15お
よびプリテンショナ16を駆動すると共に、降伏荷重変
更手段17、後半荷重設定手段18および荷重変化率設
定手段60を介してシートベルトリトラクタ19を制御
し、またRAM21は必要なデータやマップM1(図1
1参照)を記憶する。
【0062】上述のシートスライド位置検出センサ12
(図2参照)、体格検出手段13(図3参照)およびプリテ
ンショナ16による初期荷重の早期化構造については、
この実施例においても先の実施例と同様の効果を用いる
が、降伏荷重変更手段17および後半荷重設定手段18
については他の構造を用いるので、次に図10を参照し
てシートベルトリトラクタ19の構成について説明す
る。
【0063】このシートベルトリトラクタ19は、リト
ラクタケース61を設け、このリトラクタケース61の
巻取り部にはスプール45を取付け、前述のシートベル
ト34をスプール45の外周に巻回した後に、このシー
トベルト34をクランプロック機構62を介してリトラ
クタケース61からケース外方へ引出すように構成して
いる。
【0064】上述のクランプロック機構62は、降伏荷
重d,e,f(図12参照)を決定する可動ストッパ63
と、ベースプレート64と、上下両部にシートベルト3
4のガイド孔65,66を備えたアウタケース67とを
備え、ベースプレート64とアウタプレート67とで囲
繞された空間内にティース形状の対向クランプ部材68
と可動クランプ部材69とを対向して配置させる一方、
クランプアーム軸70に設けられたクランプアーム71
(ロックレバーと同意)の先端に揺動支点72を介して上
述の可動クランプ部材69を揺動可能に連結して、ベル
トロック時に一対のクランプ部材68,69間でシート
ベルト34をクランプしてロックすべく構成している。
【0065】但し、上述の一対のクランプ部材68,6
9間によるシートベルト34のクランプロックは、シー
トベルト34を完全にロックするものではなく、一対の
クランプ部材68,69間の隙間により決定される所定
荷重にてシートベルト34を繰出し可能に挟持して、こ
のEA作動(エネルギ緩衝作動)にて乗員を拘束するも
のである。
【0066】上述のストッパ63は、シートベルトリト
ラクタ19(いわゆるロードリミッタ)のリトラクタケー
ス61に沿って上下方向にスライド可能に支持されると
共に、スクリュ73(ねじ軸)と、このスクリュ73を回
転駆動するアクチュエータ74とからなる降伏荷重変更
手段17によってネジ送りされるように構成されてい
る。また、上述のアクチュエータ74はサーボモータに
よって構成することができる。
【0067】この降伏荷重変更手段17はCPU20か
ら出力される制御信号に応じて駆動され、上述の可動ス
トッパ63がネジ送りされることにより、クランプ部材
68,69の上昇阻止位置が乗員の体格に応じて複数段
階たとえば3段階に変化するようになっている。
【0068】ここで、上記クランプ部材68,69の上
昇阻止位置が上方に移動するのに伴い、クランプアーム
71が水平状態に近付くように揺動変位して、クランプ
部材69に対する押圧力が上昇するので、一対の各クラ
ンプ部材68,69によるシートベルト34の挟持力
(クランプ力)が大きくなって、シートベルト34の引出
しを規制する降伏荷重d,e,f(図12参照)が増大す
る。
【0069】つまり、この実施例においては可動ストッ
パ63,スクリュ73、アクチュエータ74により降伏
荷重変更手段17を構成している。また上述のクランプ
アーム71の上部には該アーム71と対向するようにロ
ッド75を備えたアクチュエータ76を設けている。
【0070】このアクチュエータ76は上記アクチュエ
ータ74で設定された降伏荷重d,e,f(図12参照)
を超えた後に、そのロッド75を作動させてクランプア
ーム71を押下げ方向に制御し、一対のクランプ部材6
8,69によるクランプ力を次第に低下制御(クランプ
部の食いつき力を打ち消す方向に力を発生させて、摩擦
力を調整)することで、降伏荷重d,e,fから後半荷
重m,nに至るまでの変化率g,h,i(図12参照、
詳しくは同図の荷重特性の傾き)を乗員の体格に応じて
異なる値に設定すると共に、降伏荷重d,e,fよりも
低い一定の後半荷重m,nに設定するものである。
【0071】つまり、この実施例においてはアクチュエ
ータ76で、後半荷重設定手段18と荷重変化率設定手
段60との両手段を構成している。上述の降伏荷重変更
用のアクチュエータ74は、乗員の体格が判定されたタ
イミングで作動し、後半荷重設定用および荷重変化率設
定用のアクチュエータ76は、衝突発生後においてスプ
ール45の回転量が所定の値になったタイミングで作動
する。
【0072】このため、リトラクタケース61にはスプ
ール45の回転量を検出する回転量検出手段としてのロ
ータリエンコーダ77が設けられており、ロータリエン
コーダ77からの信号は図9のCPU20に入力され、
CPU20は回転量が所定の値になったタイミングで上
記アクチュエータ74を駆動制御する。
【0073】一方、図9に示す制御回路のRAM21は
図11に示すマップM1を記憶している。このマップM
1は乗員の体格に応じて降伏荷重、後半荷重、荷重変化
率を決定するそれぞれのパターンA,B,Cを設定した
マップである。
【0074】すなわち、乗員の体格「大」に相当するパ
ターンAは、降伏荷重「大」=f、後半荷重「大」=
n、荷重変化率「大」=iに設定され、乗員の体格
「中」に相当するパターンBは、降伏荷重「中」=e、
後半荷重「小」=m、荷重変化率「中」=hに設定さ
れ、乗員の体格「小」に相当するパターンCは、降伏荷
重「小」=d、後半荷重「小」=m、荷重変化率「小」
=gに設定されている。
【0075】また、この実施例においても後半荷重m,
nの開始時期m01,m02,m0は乗員の胸加速度が
ピークとなる時期zより以前に設定されている。さら
に、この実施例においてもシートベルト34による初期
荷重(図12参照)の立ち上がりを早期化するプリテンシ
ョナ16を設け、シートベルト34による衝撃力吸収効
果を高めるように構成している。
【0076】このように構成した車両の乗員保護装置の
作用を、図13に示すフローチャートを参照して以下に
詳述する。第1ステップQ1で、CPU20は乗員の体
重を検出する感圧フィルムセンサ41(図3参照)などで
構成された体格検出手段13からの出力に基づいて、乗
員の体重検知を実行する。
【0077】次に第2ステップQ2で、CPU20はシ
ートスライド位置検出センサ12からの出力に基づい
て、シート28(図2参照)の前後方向のスライド量を検
知する。次に第3ステップQ3で、CPU20は体重と
シートスライド量との両方の値によって乗員の体格を判
定する。この乗員の体格判定は例えば「小」「中」
「大」の3段階に分けて判定される。
【0078】この第3ステップQ3で、CPU20は乗
員の体格が「大」であると判定された時には第4ステッ
プQ4に、乗員の体格が「中」であると判定された時に
は第5ステップQ5に、乗員の体格が「小」であると判
定された時には第6ステップQ6にそれぞれ移行する。
【0079】上述の第4ステップQ4で、CPU20は
乗員の体格「大」に対応してパターンA(図11参照)を
選定し、第5ステップQ5で、CPU20は乗員の体格
「中」に対応してパターンB(図11参照)を選定し、第
6ステップQ6で、CPU20は乗員の体格「小」に対
応してパターンC(図11参照)を選定する。
【0080】パターンAが選定されると、CPU20は
車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スク
リュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重fが得ら
れる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検
出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ1
6を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンシ
ョナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シ
ートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図
る。
【0081】シートベルト34による荷重は図12に示
すように設定された降伏荷重fに達するまで立上がり、
降伏荷重fに達すると、アクチュエータ76の制御によ
り、荷重変化率iに従って後半荷重nの開始時期n0ま
で低下し、この時点から降伏荷重fよりも低い一定の後
半荷重nで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギを
吸収する。
【0082】パターンBが選定されると、CPU20は
車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スク
リュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重eが得ら
れる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検
出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ1
6を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンシ
ョナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シ
ートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図
る。
【0083】シートベルト34による荷重は図12に示
すように設定された降伏荷重eに達するまで立上がり、
降伏荷重eに達すると、アクチュエータ76の制御によ
り、荷重変化率hに従って後半荷重mの開始時期m02
まで低下し、この時点から降伏荷重eよりも低い一定の
後半荷重mで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギ
を吸収する。
【0084】パターンCが選定されると、CPU20は
車両の衝突以前にアクチュエータ74を駆動して、スク
リュ73を介して可動ストッパ63を降伏荷重dが得ら
れる位置に制御する。衝突センサ11が車両の衝突を検
出すると、エアバッグ装置15およびプリテンショナ1
6を駆動し、エアバッグを展開すると共に、プリテンシ
ョナ16でシートベルト34を引き込み動作させて、シ
ートベルト34による初期荷重の立ち上がり早期化を図
る。
【0085】シートベルト34による荷重は図12に示
すように設定された降伏荷重dに達するまで立上がり、
降伏荷重dに達すると、アクチュエータ76の制御によ
り、荷重変化率gに従って後半荷重mの開始時期m01
まで低下し、この時点から降伏荷重dよりも低い一定の
後半荷重mで前方へのめり移動する乗員の運動エネルギ
を吸収する。
【0086】このように図9〜図13で示した実施例の
車両の乗員保護装置は、エアバッグ装置15とシートベ
ルト34とを備えた車両の乗員保護装置であって、乗員
の体格を入力設定または検出する体格検出手段13と、
車両の衝突を検出する衝突検出手段(衝突センサ11参
照)と、上記体格検出手段13からの信号に基づいて上
記シートベルト34による乗員拘束力の降伏荷重d,
e,f(図12参照)を乗員の体格に応じて変更する降伏
荷重変更手段17と、降伏後の後半荷重m,n(図12
参照)を上記降伏荷重d,e,fより低い所定の荷重に
保持する後半荷重設定手段18とを備えたものである。
【0087】この構成により、体格検出手段13は乗員
の体格を入力設定または検出し、降伏荷重変更手段17
は体格検出手段13からの信号に基づいて上記シートベ
ルト34による乗員拘束力の降伏荷重d,e,fを乗員
の体格に応じて変更し、後半荷重設定手段18は降伏後
の後半荷重m,nを上記降伏荷重d,e,fより低い所
定の荷重に保持し、衝突検出手段(衝突センサ11参照)
が車両の衝突を検出した時、エアバッグを展開して乗員
を保護しつつ、シートベルト34の伸びを上記設定され
た降伏荷重d,e,fおよび後半荷重m,nになるよう
に制御して、乗員を保護する。
【0088】このように上記構成によれば、乗員の体格
に応じて降伏荷重d,e,fとそれより低い後半荷重
m,nとを設定することができ、乗員に応じて胸加速度
と頭部加速度とを充分に低減することができる。
【0089】また、上記後半荷重設定手段18は上記所
定の荷重を乗員の体格に応じて異なる値m,nに設定す
るものである。この構成により、乗員の体格に応じた後
半荷重m,nの設定ができ、乗員の胸加速度と頭部加速
度とをより一層良好に低減させることができる。
【0090】さらに、上記後半荷重m,nの開始時期m
01,m02,n0は乗員の胸加速度がピークとなる時
期zより以前(または同一時期)に設定されたものであ
る。
【0091】この構成により、乗員の胸加速度がピーク
になる時期(時点)zよりも前(または同一時期)において
降伏荷重d,e,fより低い後半荷重m,nでの乗員拘
束(エネルギ吸収)がスタートするので、胸加速度の低減
が図れ、乗員保護性能を向上させることができる。
【0092】さらには、上記降伏荷重d,e,fから後
半荷重m,nに至るまのでの変化率g,h,iを乗員の
体格に応じて異なる値に設定する荷重変化率設定手段6
0を備えたものである。
【0093】この構成により、シートベルト34による
エネルギ吸収の態様を乗員の体格に応じて変化させるこ
とができる。つまり、エネルギ吸収力を乗員の体格に応
じて適切に設定することができる。
【0094】加えて、上記シートベルト34による初期
荷重の立ち上がりを早期化する早期化手段(プリテンシ
ョナ16参照)を備えたものである。この構成により、
早期化手段(プリテンショナ16参照)でシートベルト3
4による初期荷重の立ち上がりを早期化して、シートベ
ルト34による衝撃力吸収効果を高めることができる。
【0095】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のエアバッグは、実施例のエアバッ
グ装置15に対応し、以下同様に、シートベルトは、3
点式のシートベルト34に対応し、衝突検出手段は、衝
突センサ11に対応し、早期化手段は、プリテンショナ
16に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成の
みに限定されるものではない。
【0096】例えば、体重とシートスライド位置との両
方の値によって乗員の体格を判定する手段に加えて、車
両の衝突速度V(衝突の場合)を加味して降伏荷重a,
b,c,d,e,fなどを可変し、例えば低速衝突時ま
たは低速衝突の予測時には上記降伏荷重を低い値に可変
すべく構成してもよい。
【0097】さらに、上記各実施例においては乗員の体
格「小」「中」「大」に対応して降伏荷重を3段階にま
た、後半荷重を2段階に変更すべく構成したが、これは
多段階に変更するように構成してもよい。
【0098】
【発明の効果】この発明によれば、シートベルトによる
乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体格に応じて変更する降
伏荷重変更手段と、降伏後の後半荷重を上記降伏荷重よ
りも低い所定の荷重に保持する後半荷重設定手段とを設
けることで、乗員の体格に応じて降伏荷重とそれより低
い後半荷重とを設定することができ、乗員に応じて胸加
速度と頭部加速度とを充分に低減することができる効果
かがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両の乗員保護装置を示す制御回路
ブロック図。
【図2】 シートスライド位置検出センサを含む系統
図。
【図3】 体格検出手段の構成を示す斜視図。
【図4】 シートベルトリトラクタの体格「小」対応時
の断面図。
【図5】 シートベルトリトラクタの体格「中」対応時
の断面図。
【図6】 シートベルトリトラクタの体格「大」対応時
の断面図。
【図7】 シートベルトの伸びに対する荷重変化を示す
特性図。
【図8】 乗員保護処理を示すフローチャート。
【図9】 本発明の車両の乗員保護装置の他の実施例を
示す制御回路ブロック図。
【図10】 シートベルトリトラクタの構成を示す断面
図。
【図11】 RAMに記憶させたマップの説明図。
【図12】 シートベルトの伸びに対する荷重変化を示
す特性図。
【図13】 乗員保護処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…衝突センサ(衝突検出手段) 13…体格検出手段 15…エアバッグ装置 16…プリテンショナ(早期化手段) 17…降伏荷重変更手段 18…後半荷重変更手段 34…シートベルト 60…荷重変化率設定手段 a,b,c…降伏荷重 d,e,f…降伏荷重 g,h,i…荷重変化率 m,n…後半荷重 m01,m02,n0…開始時間 x,y…後半荷重 x01,x02,y0…開始時間 z…胸加速度がピークとなる時間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアバッグおよびシートベルトを備えた車
    両の乗員保護装置であって、乗員の体格を入力設定また
    は検出する体格検出手段と、車両の衝突を検出する衝突
    検出手段と、上記体格検出手段からの信号に基づいて上
    記シートベルトによる乗員拘束力の降伏荷重を乗員の体
    格に応じて変更する降伏荷重変更手段と、降伏後の後半
    荷重を上記降伏荷重より低い所定の荷重に保持する後半
    荷重設定手段とを備えた車両の乗員保護装置。
  2. 【請求項2】上記後半荷重設定手段は上記所定の荷重を
    乗員の体格に応じて異なる値に設定する請求項1記載の
    車両の乗員保護装置。
  3. 【請求項3】上記後半荷重の開始時期は乗員の胸加速度
    がピークとなる時期より以前または同一時期に設定され
    た請求項1または2記載の車両の乗員保護装置。
  4. 【請求項4】上記降伏荷重から後半荷重に至るまのでの
    変化率を乗員の体格に応じて異なる値に設定する荷重変
    化率設定手段を備えた請求項1,2または3記載の車両
    の乗員保護装置。
  5. 【請求項5】上記シートベルトによる初期荷重の立ち上
    がりを早期化する早期化手段を備えた請求項1,2,3
    または4記載の車両の乗員保護装置。
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