JP4984949B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
この開示では、ヘッドレストは、常時はその内部に設けられた係止構造によって初期の使用状態位置にロックされており、上記附勢部材の附勢に抗して保持されるようになっている。そして、ヘッドレストは、車両後突が予測又は検知されることによってそのロック状態が解除され、ばね力によって瞬時に前方移動するようになっている。ここで、ヘッドレストのロック状態の解除は、ヘッドレストに係止状態となっている係止部材がアクチュエータの駆動力によって係止状態から外されることによって行われている。
先ず、第1の発明は、車両後突を検知した時に着座者の頭部を受け止めるヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対的に移動させて頭部に近接させることのできるヘッドレスト移動機構を備えた車両用シートである。ヘッドレスト移動機構は、附勢部材と係止構造と駆動装置とを有する。附勢部材は、ヘッドレスト内に設けられており、支承部を頭部に向けて近接させる移動方向に附勢する。係止構造は、附勢部材の附勢に抗して、支承部を頭部に向けて近接移動させる前の初期位置の状態に係止させて保持する。駆動装置は、係止構造による支承部の初期位置での係止状態を車両後突の検知信号に基づいて外すように作動する。係止構造は、回動により支承部とこの支承部をシートバックに対して支持するヘッドレスト基部とを互いに係合させたり係合を外したりする係脱部材が車両後突の検知時に駆動装置によって係合を外す方向に回される構成となっている。駆動装置は、回動式の電気モータを駆動源として、この電気モータの回動駆動力を歯車列から成る減速機構を介して係脱部材に伝達し、係脱部材を係合を外す方向に回動させる構成となっている。減速機構は、電気モータの駆動軸に直結されたねじ歯車より成るウォームと、このウォームに噛合状態で設けられたはす歯歯車より成るウォームホイールと、から成るウォームギアである。ウォームホイールが回動する動きに伴って、ウォームホイールと一体的に構成された押動カムにより係脱部材が係合を外す方向に押し回される構成となっている。
この第3の発明によれば、係脱部材の押し回される部位の回動半径が係合部位の回動半径よりも長く形成されていることにより、より大きな減速比が得られる。
先ず、第1の発明によれば、回動式の電気モータに歯車列から成る減速機構を組み合わせたことにより、車両後突が検知されてからであっても係脱部材を即座に係止状態から外してヘッドレストの支承部を頭部に向けて近接移動させることができる。この駆動装置は、その回動方向の運動範囲に制限がないため、係脱部材の回動幅が大きくなろうとも、これを比較的大きな力で係合の外れる位置まで即座に回動移動させることができる。したがって、駆動装置を大型化することなく比較的小型な構成によって、回動幅の大きな係脱部材を係合状態から外すことができる。また、減速機構をウォームギアによって構成したことにより、比較的大きな減速比を得ることができると共に、バックラッシを小さく抑えて電気モータからの回動力の伝達を効率的に行うことができる。
更に、第2の発明によれば、係脱部材の押し回される部位の回動半径を係合部位の回動半径よりも長く形成したことにより、一層大きな減速比を得ることができる。
ここで、図1には、車両用シート1の全体構成が斜視図によって概略的に表されている。同図に示されるように、車両用シート1は、着座者の背凭れ部となるシートバック2の上面部に、頭部を受け止めるためのヘッドレスト4が装着された構成となっている。なお、図1などの各図では、シートバック2やヘッドレスト4の内部構造を分かり易く示すために、表皮構造を省略して表している。
このヘッドレスト4は、その下部に立設された2本の棒状のステー4B,4Bをシートバック2の上面部に設けられた筒状のサポート2S,2Sの挿込口Sa内にそれぞれ挿し込むことによって、シートバック2の上面部に装着されている。これらサポート2S,2Sは、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2Fの上腕部分であるアッパフレームFuに一体的に固定されている。ここで、アッパフレームFuは、両サイドフレームFs,Fsの上端部同士を繋ぐかたちで両サイドフレームFs,Fsに一体的に剛結合されている。
このヘッドレスト4は、着座者の頭部をその後方側の位置で受け止められるように、常時はその設置された位置状態で保持されている。しかし、ヘッドレスト4は、車両後突が発生することにより、その頭部を受け止める前面側の支承部4Aが、瞬時に前方移動して頭部に近接するようになっている。すなわち、後突発生時にシートバック2やヘッドレスト4から体を前に浮かした姿勢状態となっている着座者に対し、支承部4Aだけが後頭部の直ぐ後ろまで接近移動するようになっている。これにより、後突発生時における頭部の後傾を早期に食い止めることができ、頚部にかかる負荷を軽減して鞭打ち症を防止することができる。
そして、ヘッドレスト移動機構10は、車両後突が発生することにより、支承部4Aの移動規制状態を解除して、支承部4Aを引張ばね16の附勢によって前方移動させる。詳しくは、ヘッドレスト移動機構10は、後述するヘッドレスト基部4Cに形成された長孔11H,11Hの形状に沿って支承部4Aを前方かつ上方に移動させることにより、図7に示されるように支承部4Aを後頭部の直ぐ後ろまで接近移動させるようになっている。ここで、ヘッドレスト移動機構10は、支承部4Aを後頭部の直ぐ後ろまで接近移動させた衝突対応位置の状態では、後突発生時に頭部の後傾によって荷重を受けても、後方側には押し戻されないようになっている。これにより、着座者の頭部が、衝突対応位置に保持されている支承部4Aによって安定して受け止められるようになっている。
この駆動装置20は、図2に示されるように、ヘッドレスト基部4Cの側面部11Sに装着されている。そして、駆動装置20は、ヘッドレスト移動機構10の作動操作部材として設けられた係脱部材15(操作腕部15A)を電動操作して、支承部4Aの移動規制状態を解除する構成となっている。
この駆動装置20は、樹脂製のケース20Hと、回動式の電気モータ21と、ねじ歯車より成るウォーム22と、このウォーム22と噛合状態で設けられたはす歯歯車より成るウォームホイール23と、を有する。
詳しくは、ケース20Hは、ヘッドレスト基部4Cの側面部11Sに固定されており、その内部に電気モータ21やウォーム22やウォームホイール23を収納した構成となっている。
そして、電気モータ21は、ケース20H内に設けられており、電気配線21Eによって図示しない制御装置と電気接続されている。ここで、図10には、車両後突が検知された時に電気モータ21を回動駆動するための制御回路を表したブロック図が示されている。同図に示されるように、車両後突は、加速度により後突を検知するシステム30によって検知された電気信号が後突判断ECU40に入力されることにより、後突か否かの判断がされるようになっている。そして、後突の判断がされることにより、電気モータ21に電力が供給され、電気モータ21が駆動回動する。
次いで、図2に戻って、ウォーム22は、ケース20H内で電気モータ21の駆動軸21Aに直結された状態として設けられている。このウォーム22の外周面には、軸長方向に沿って螺旋状に延びる歯部22Gが形成されている。そして、この歯部22Gには、ウォームホイール23の歯部23Gが噛合されている。これにより、ウォーム22は、電気モータ21の駆動回動に伴って軸回動し、これに噛合されたウォームホイール23を回動運動させるようになっている。
ここで、ウォームホイール23には、その回動運動に伴って操作腕部15A(係脱部材15)を図示反時計回り方向に押し回すことのできるカム形状の押動カム23Pが形成されている。この押動カム23Pは、ウォームホイール23の図示反時計回り方向への回動運動に伴って、操作腕部15Aを支承部4Aの移動規制状態を解除する方向に回動させるようになっている。
このヘッドレスト移動機構10は、ヘッドレスト基部4Cと支承部4Aとに関係して設けられており、幅方向に一対で設けられた連結リンク12,12と、支持部材13,13と、フック14,14と、係脱部材15と、引張ばね16と、レバー部材17,17と、を有する。
ここで、ヘッドレスト基部4Cは、合成樹脂によって形成されており、板状の後面部11Bと底面部11Dと両側面部11S,11Sと上面部11Uとが一体的に形成された構成となっている。詳しくは、底面部11Dは、後面部11Bの下端縁から前方に延びて形成されている。そして、側面部11S,11Sは、ヘッドレスト基部4Cの幅方向の両側にそれぞれ立設されるかたちで形成されている。そして、上面部11Uは、両側面部11S,11Sの上縁同士を繋ぐかたちで形成されている。
ここで、図3には、図7のIII線方向から見た図、すなわちヘッドレスト4を前面側の斜め下方から見た図が表されている。同図に示されるように、ヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sの間には、これと平行に、複数の板状のリブ11R・・(・・は複数を表す)が立設して形成されており、ヘッドレスト基部4Cが補強されている。
このヘッドレスト基部4Cは、その底面部11Dに、ステー4B,4Bの上端部分がそれぞれ挿し込まれてこれと一体的に固定されている。これらステー4B,4Bは、管状に形成されており、その上端側の開口部分を底面部11Dの上面側に露出させた態様で取付けられている。ここで、各ステー4B,4Bは、その長さ方向の中程の部位が「く」符号状に屈曲した前傾姿勢の屈曲形状に形成されている。
また、ヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sには、波状に板厚方向に刳り貫かれた長孔11Hがそれぞれに形成されている。これら長孔11H,11Hは、それらの下端部H0,H0と上端部H3,H3との間に、後方側(紙面内右側)に波状に段々に窪んだ形状の第1ストッパ溝H1と第2ストッパ溝H2とがそれぞれに形成されている。
詳しくは、連結リンク12,12は、その後方側の端部がヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sに貫通して設けられた連結軸12Aによって回動可能に軸支されている。より詳しくは、図3に示されるように、連結リンク12,12の後方側の端部は、両側面部11S,11Sとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、この間に架け渡されている連結軸12Aによってそれぞれ回動可能に軸支されている。
そして、図7に戻って、連結リンク12,12の前方側の端部は、支承部4Aの後面側の部位に幅方向に架け渡された連結軸12Bによって回動可能に軸支されている。これら連結軸12A,12Bは、互いに平行向きに配設されている。
この連結リンク12,12は、その後端側の連結軸12Aを中心に図4の状態から図示時計回り方向に回動させることにより、ヘッドレスト基部4Cの上面部11Uと当接し、その時計回り方向への回動が規制されるようになっている。
これら支持部材13,13は、それらの後方側の端部同士が、幅方向に延びる連結軸13Aによって互いに一体的となるように連結されている。詳しくは、図3に示されるように、支持部材13,13の後方側の端部は、両外側に配置されている各リブ11R,11Rとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、連結軸13Aによって互いに連結されている。ここで、支持部材13,13の後方側の端部同士を繋ぐ連結軸13Aは、前述した連結軸12Aや連結軸12Bと互いに平行向きに配設されている。そして、連結軸13Aは、その各端部がヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sに形成された各長孔11H,11Hの内部に挿通された状態となっている。これにより、連結軸13Aは、各長孔11H,11Hの形状の範囲内でのみ前後方向や上下方向に移動可能とされている。なお、両側面部11S,11Sの間に形成されている各リブ11R・・(図3参照)は、長孔11H,11H内を移動する連結軸13Aとは干渉しない形状に形成されている。
詳しくは、図3に示されるように、各フック14,14は、両側面部11S,11Sとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、この間に架け渡された各連結軸14A,14Aによってそれぞれ回動可能に軸支されている。
そして、図5に戻って、これらフック14,14の外周縁部には、その周方向の2箇所に、半径方向の外方に突出する形状の上顎部位14Bと下顎部位14Cとがそれぞれに形成されている。これにより、各上顎部位14B,14Bと下顎部位14C,14Cとの間には、凹みが形成されている。この上顎部位14Bと下顎部位14Cとの間の凹みには、後述するように一対の支持部材13,13を繋ぐ連結軸13Aを内部に収められるようになっている。ここで、各連結軸14A,14Aは、前述した各連結軸12A,12Bや連結軸13Aと互いに平行向きに配設されている。
そして、これらフック14,14とヘッドレスト基部4Cとの間には、捩りばね14S,14Sがそれぞれ掛着されている。これら捩りばね14S,14Sは、図5に示されるように、予め捩り込まれた状態とされており、各フック14,14を図5の位置状態から図示反時計回り方向に回動附勢している。
そして、これらフック14,14の外周縁部には、段差状に窪んだ形状の係止溝14Dがそれぞれに形成されている。これら係止溝14D,14Dには、後述する係脱部材15を構成する一対の係合腕部15C,15Cがそれぞれ係合されるようになっている。これにより、各フック14,14が、その附勢による反時計回り方向への回動が規制された状態とされている。
そして、図5に戻って、フック14,14は、係合腕部15C,15Cが図示反時計回り方向に回動操作されてこれらとの係合状態が解除されることにより、捩りばね14S,14Sの附勢力によって図示反時計回り方向に回動する。これにより、フック14,14は、図5の仮想線状態で示されるように、各上顎部位14B,14Bを長孔11H,11Hの孔外に移動させ、下顎部位14C,14Cを下側から押し上げるかたちで長孔11H,11Hの孔内に露出させた姿勢状態となる。これにより、フック14,14による連結軸13Aの係止状態が解除され、図6及び図7に示されるように、連結軸13Aが引張ばね16の附勢力によって長孔11H,11Hの形状に沿って前方かつ上方に附勢移動していく。そして、これにより、支承部4Aが、連結リンク12,12の回動を伴いながらヘッドレスト基部4Cに対して相対的に前方かつ上方に移動していく。
そして、この一方の係合腕部15Cとヘッドレスト基部4Cとの間には、捩りばね15Sが掛着されている。この捩りばね15Sは、図5に示されるように、予め捩り込まれた状態とされており、各係合腕部15C,15Cを図5の位置状態から図示時計回り方向に回動附勢している。これにより、各係合腕部15C,15Cは、常時は各フック14,14の外周面部に押し当てられた状態とされており、その先端側の各係合部位Ct,Ctが段差状の係止溝14D,14Dにそれぞれ入り込んだ係合した姿勢状態に保持されている。この係合部位Ct,Ctが係止溝14D,14Dに入り込んだ状態では、図示時計回り方向に回動附勢されている係合腕部15C,15Cと図示反時計回り方向に回動附勢されているフック14,14とが互いに突き合わされた状態となっており、互いの附勢回動が互いによって規制された状態とされている。
この操作腕部15Aは、図2に示されるように、リンクアーム状の部材によって形成されており、前述したように車両後突の発生時にウォームホール23に形成された押動カム23Pに押動されることにより、連結軸15Bを中心に図示反時計回り方向に回動する。これにより、操作腕部15Aは、これと一体的に連結された各係合腕部15C,15C(図5参照)を同方向に回動させ、支承部4Aの初期位置での係止状態を外す。
このとき、電気モータ21によって出力される回動駆動力は、このウォーム22とウォームホイール23との噛合構造から成る減速機構(ウォームギア)によって減速されて伝達される。また、操作腕部15Aは、図2と図5とを参酌して分かるように、押動カム23Pによって押動される部位の回動半径が、係合腕部15C,15Cの各係合部位Ct,Ctの回動半径よりも長く形成されている。これにより、電気モータ21によって出力される回動駆動力が、各係合腕部15C,15C(図5参照)を各フック14,14との係合状態から外すための力として大きな力で発揮されるようになる。
すなわち、各係合腕部15C,15Cは、引張ばね16の附勢に抗して連結軸13Aを初期位置に保持する係止力を発揮する捩りばね14S,14Sや捩りばね15Sの附勢力を受けた状態として、フック14,14と互いに突き合わされた係止状態とされている。そのため、各係合腕部15C,15Cをフック14,14との係止状態から外すためには、上記の附勢力に打ち勝つ力で各係合腕部15C,15Cを回動させなければならない。この本実施例の構成では、ウォーム22とウォームホイール23との噛合構造から成る減速機構(ウォームギア)や、操作腕部15Aと係合腕部15C,15Cとの間に回動半径比を設けた構成により、減速比が高められた構成となっているため、電気モータ21から出力される回動駆動力が大きな力として各係合腕部15C,15Cに伝達される。したがって、車両後突の発生時には、各係合腕部15C,15Cをフック14,14との係止状態からスムーズに外すことができる。
なお、電気モータ21は、比較的応答性が高く高速回転が可能であるため、上記のように減速比を高めた構成であっても、車両後突が検知されてからこれを駆動させるようにしても、係脱部材15を速やかに係合状態から外すことができる。例えば、本実施例の構成では、車両後突が発生してから電気モータ21が始動するまでの応答時間が5マイクロ秒となっており、係合腕部15C,15Cがフック14,14との係止状態から外されるまでにかかる時間が12マイクロ秒となっている。これにより、車両後突発生時には、支承部4Aを引張ばね16の附勢力によって速やかに前方移動させることができる。
すなわち、連結軸13Aが長孔11H,11Hの各上端部H3,H3に到達することにより、支承部4Aを連結している連結リンク12,12は、ヘッドレスト基部4Cの上面部11Uに当接し、その図示時計回り方向への回動が規制された状態となる。この状態では、連結リンク12,12は、支承部4Aが後方側に押し動かされる力が働いても、ヘッドレスト基部4Cの上面部11Uに押し当てられるばかりで、図示反時計回り方向には押し戻されないようになっている。したがって、この衝突対応位置で、着座者の頭部を支承部4Aによって安定して受け止めることができる。
また、支承部4Aは、図6に示されるように、その前方移動の途中段階においても、着座者の頭部から荷重を受けても後方側には押し戻されないようになっている。すなわち、支承部4Aを前方移動させる際に長孔11H,11H内を前方かつ上方に移動する連結軸13Aは、その移動の途中段階で後方側に押し戻されるような力が働くと、その後方側(図示右側)に段々に窪んで形成されている第1ストッパ溝H1,H1や第2ストッパ溝H2,H2の内部に入り込むようになっている。なお、図6では、連結軸13Aが第2ストッパ溝H2,H2に入り込んだ状態が描かれている。これにより、連結軸13Aが押し戻される動きを規制することができ、支承部4Aが後方側に押し戻されないようにすることができる。したがって、この衝突対応位置に到達する前の途中位置においても、着座者の頭部を支承部4Aによって安定して受け止めることができる。
詳しくは、図3に示されるように、レバー部材17,17は、その後方側の端部が両外側に配置されている各リブ11R,11Rとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、これらの間に架け渡された連結軸17A,17Aによってそれぞれ回動可能に軸支されている。
そして、これらレバー部材17,17とヘッドレスト基部4Cとの間には、捩りばね17S,17Sがそれぞれ掛着されている。これら捩りばね17S,17Sは、図4に示されるように、連結軸17A,17Aに巻回されて設けられており、その一端をレバー部材17,17にそれぞれ掛着させ、他端をヘッドレスト基部4Cにそれぞれ掛着させている。これにより、レバー部材17,17は、その自由状態では、各捩りばね17S,17Sのばね力によって、長孔11H,11Hの孔内に露出した姿勢状態に保持されている。
このレバー部材17,17の長孔11H,11Hの孔内に露出している先端側(図示左端側)の部位には、さじ状の受部17Bがそれぞれに形成されている。このさじ状の受部17B,17Bは、図6に示されるように、連結軸13Aが長孔11H,11H内を下端部H0,H0から上方に向けて移動していく場合には、これに押し退けられるかたちで長孔11H,11Hの孔外へと押し出されるようになっている。しかし、受部17B,17Bは、図7に示されるように、連結軸13Aが長孔11H,11Hの各上端部H3,H3に到達することにより、捩りばね17S,17Sのばね作用によって再び長孔11H,11Hの孔内に露出した姿勢状態に戻される。
そして、受部17B,17Bは、図8に示されるように、連結軸13Aが長孔11H,11H内を上端部H3,H3から下方に向けて移送されることにより、これをさじ形状の内部に受け入れてキャッチする。そして、この状態から連結軸13Aが更に下方に向けて移送されることにより、各レバー部材17,17は、受部17B,17Bに連結軸13Aをキャッチした状態を維持しながら図示反時計回り方向に押し回される。これにより、連結軸13Aは、各レバー部材17,17によって移動案内されながら下方へと移動し、図9に示されるように下端部H0,H0の近傍まで移送されることによって受部17B,17Bから外される。これにより、連結軸13Aは、長孔11H,11H内を上端部H3,H3から下方に向けて移送されるときには、各レバー部材17,17によって、第1ストッパ溝H1,H1や第2ストッパ溝H2,H2に入り込むことなくスムーズに下端部H0,H0まで移送される。
そして、フック14,14は、この図示時計回り方向に回動した姿勢状態となることにより、係合腕部15C,15Cの各係合部位Ct,Ctが係止溝14D,14D内に弾性的に入り込むために再び係合腕部15C,15Cによって係止された状態となる。これにより、フック14,14が、再び連結軸13Aを初期位置に保持した状態としてロックされる。これにより、支承部4Aが、前方移動する前の初期位置の姿勢状態に戻された状態として保持される。
すなわち、図1を参照して、車両用シート1は、その車両後突が発生する前の常時は、ヘッドレスト4の支承部4Aが初期位置の姿勢状態に保持された状態となっている。そして、車両後突が発生することにより、駆動装置20によって係脱部材15が回動操作され、支承部4Aの初期位置での保持状態が解除される。これにより、支承部4Aは、図4に示されている引張ばね16の附勢力によって、同図に示される初期位置から図7に示されている衝突対応位置まで移動する。そして、支承部4Aは、この衝突対応位置で、後突時の勢いで後傾してくる着座者の頭部を後方側から受け止める。
更に、上述したように減速機構をウォームギアによって構成したことにより、比較的大きな減速比を得ることができると共に、バックラッシを小さく抑えて電気モータ21からの回動力の伝達を効率的に行うことができる。
更に、操作腕部15A(係脱部材15)の押し回される部位の回動半径を係合腕部15C,15Cの各係合部位Ct,Ctの回動半径よりも長く形成したことにより、一層大きな減速比を得ることができる。
例えば、支承部を初期位置の姿勢状態に保持するための構成として、連結軸を初期位置に保持するための構成であるフック部材を係脱部材によって係止状態としたりこれを外したりする構成を示した。しかし、フック部材を設けることなく、係脱部材によって直接、連結軸を初期位置に係止状態としたり外したりできるように構成してもよい。但し、この場合には、係脱部材に、連結軸を引張附勢する引張ばねに打ち勝って連結軸を初期位置に保持できるようにする係止構造をもたせる必要がある。
また、回動式の電気モータと係脱部材との間に設けられる動力伝達機構としての減速機構は、ウォームギア以外の公知の歯車列から成る減速機構を適用することもできる。
また、係脱部材がウォームホイールに形成された押動カムによって押動される構成を示したが、係脱部材とウォームホイールとを一体的に構成することもできる。すなわち、係脱部材の端部に歯部を形成し、係脱部材を直接ウォームに噛合させて回動させる構成とすることもできる。
2 シートバック
2F バックフレーム
Fu アッパフレーム
Fs サイドフレーム
2S サポート
Sa 挿込口
4 ヘッドレスト
4A 支承部
4B ステー
4C ヘッドレスト基部
10 ヘッドレスト移動機構
11B 後面部
11D 底面部
11S 側面部
11U 上面部
11R リブ
11H 長孔
H0 下端部
H1 第1ストッパ溝
H2 第2ストッパ溝
H3 上端部
12 連結リンク
12A 連結軸
12B 連結軸
13 支持部材
13A 連結軸
14 フック
14A 連結軸
14B 上顎部位
14C 下顎部位
14D 係止溝
14S 捩りばね
15 係脱部材
15A 操作腕部
15B 連結軸
15C 係合腕部
Ct 係合部位
15S 捩りばね
16 引張ばね(附勢部材)
17 レバー部材
17A 連結軸
17B 受部
17S 捩りばね
20 駆動装置
20H ケース
21 電気モータ
21A 駆動軸
21E 電気配線
22 ウォーム
22G 歯部
23 ウォームホイール
23G 歯部
23P 押動カム
30 加速度により後突を検知するシステム
40 後突判断ECU
Claims (2)
- 車両後突を検知した時に着座者の頭部を受け止めるヘッドレストの支承部をシートバックに対して相対的に移動させて頭部に近接させることのできるヘッドレスト移動機構を備えた車両用シートであって、
前記ヘッドレスト移動機構は、
前記ヘッドレスト内に設けられて前記支承部を頭部に向けて近接させる移動方向に附勢する附勢部材と、
該附勢部材の附勢に抗して支承部を頭部に向けて近接移動させる前の初期位置の状態に係止させて保持する係止構造と、
該係止構造による支承部の初期位置での係止状態を車両後突の検知信号に基づいて外すように作動する駆動装置と、を有し、
前記係止構造は、回動により前記支承部と該支承部をシートバックに対して支持するヘッドレスト基部とを互いに係合させたり係合を外したりする係脱部材が車両後突の検知時に駆動装置によって係合を外す方向に回される構成となっており、
前記駆動装置は、回動式の電気モータを駆動源として該電気モータの回動駆動力を歯車列から成る減速機構を介して係脱部材に伝達し該係脱部材を係合を外す方向に回動させる構成となっており、
前記減速機構は、前記電気モータの駆動軸に直結されたねじ歯車より成るウォームと、該ウォームに噛合状態で設けられたはす歯歯車より成るウォームホイールと、から成るウォームギアであり、前記ウォームホイールが回動する動きに伴って該ウォームホイールと一体的に構成された押動カムにより前記係脱部材が係合を外す方向に押し回される構成となっていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートであって、
前記係脱部材は、その押動カムによって押し回される部位の回動半径が前記支承部とヘッドレスト基部とを互いに係合させる係合部位の回動半径よりも長く形成されていることを特徴とする車両用シート。
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