JP3912264B2 - 車両用ヘッドレスト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両に用いられる車両用ヘッドレスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車のシートバックとしては、車両の後面衝突時に着座乗員の頭部を保護するようになったものがあり、例えば、車両の後面衝突時に着座乗員に作用する慣性による動的荷重をシートバックが受け、これによって変位する部材の動きをヘッドレスト支持アームに伝えて、ヘッドレスト本体を車両前方に移動し、もって着座乗員の頭部が大きく後方移動するのを阻止できるようにしてある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、これとは別に車両の後面衝突時に、シートバックに内蔵したセンサーが着座乗員の慣性力で強く押されることにより、ヘッドレスト本体に内蔵されたエアバッグを膨張させることにより、着座乗員のけい部とヘッドレスト本体との間に空間が存在しても、頭部が後方に移動するのを防止できるようになったものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−291005号公報(第3頁、第6図)
【0005】
【特許文献2】
実開平6−59163号公報(第7頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者(特許文献1)のシートバックは着座乗員の慣性力を利用してヘッドレストを作動させるものであって、乗員の車両後方への変位が大きくなった時点で、始めてヘッドレスト本体が車両前方に移動されるものであるため、衝突直後の変位量が少ない時点ではヘッドレスト本体を十分に前方移動させることができず、結果的に迅速な対応ができないためヘッドレストによる乗員頭部の拘束効果が低減されてしまう。
【0007】
また、後者(特許文献2)のエアバッグを用いるヘッドレストでは、着座乗員の耳元でエアバッグを展開させる際の爆発音が発生することになり、着座乗員の耳への負担が大きくなるとともに、頭部がヘッドレスト本体に近い状態で後面衝突された場合は、エアバッグによる頭部の保護効果が低減する恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は車両の後面衝突を検知してヘッドレスト本体のみを車両前方に押し出すことにより、後面衝突時に着座乗員の慣性力を利用すること無く着座乗員の頭部を確実かつ迅速に拘束することができる車両用ヘッドレスト装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両用ヘッドレスト装置にあっては、ヘッドレスト本体はシートバックの上端部にステーを介して装着してあり、
このヘッドレスト本体を左右方向の略中央部で分割して、その分割端部とは反対側端部を前記ステーに対して回動可能に取り付けた左,右ヘッドレスト部材と、
前記左,右ヘッドレスト部材の分割端部に跨って相対移動可能に取り付けられ、乗員頭部に対向した垂直面およびこの垂直面の上側縁から後方に略直交した水平面の少なくとも2面を備えた乗員頭部を支持する弾力性をもった自己形状保持機能に優れた材料からなる頭部拘束部材と、
前記左,右ヘッドレスト部材を車両前方に回動付勢する回動付勢機構と、
前記左,右ヘッドレスト部材を前記回動付勢機構の付勢力に抗して初期位置に保持するロック手段と、
車両の後面衝突を検知して前記ロック手段を解除する制御手段と、
前記左,右ヘッドレスト部材の車両前方への回動状態で前記頭部拘束部材の少なくとも垂直面に張力を付加して、この垂直面の撓み変形を弾発支持する張力付加手段と、を備え
そして、前記張力付加手段を、頭部拘束部材の後面に設けられ、左,右ヘッドレスト部材の前方への回動状態でそれぞれの分割端部に跨って張架されて車幅方向に張力を付与する膜状部材で構成したことを特徴としている。
【0010】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ヘッドレスト本体の左,右ヘッドレスト部材は、ロック手段によって初期位置に保持された状態で、回動付勢機構により車両前方に回動付勢されており、車両の後面衝突時には、制御手段によって前記ロック手段が解除されることにより、前記左,右ヘッドレスト部材は車両前方に回動して、頭部拘束部材を車両前方に押し出し、後方に移動しようとする乗員頭部を拘束することができる。
【0011】
従って、ヘッドレスト本体を全体的に押し出す場合に比較して、頭部拘束部材のみの迅速かつ確実な押し出しが可能となるため、乗員頭部のいち早い拘束が可能となる。
【0012】
このとき、前記頭部拘束部材は弾力性をもった自己形状保持機能に優れた材料によって形成したので、左,右ヘッドレスト部材の回動量の多少にかかわらず頭部拘束部材の形状を保持できるため、左,右ヘッドレスト部材の作動途中においても乗員頭部を確実に拘束することができる。
しかも、左,右ヘッドレスト部材の回動状態では、頭部拘束部材の後面に設けた張力付加手段である膜状部材が車幅方向に緊張状態でこの頭部拘束部材を弾性支持するため、乗員頭部が干渉した際の衝撃エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。尚、以下、各実施形態を説明するにあたって、前方とは車両前方を、後方とは車両後方を意味し、また、左右方向とは車両幅方向を意味するものとする。
【0014】
図1から図19は本発明にかかる車両用ヘッドレスト装置の第1実施形態を示し、図1は初期状態にあるヘッドレスト本体を正面方向から見た透視斜視図、図2はヘッドレスト本体の取付け状態を示す側面図、図3はヘッドレスト本体を正面方向から見た分解斜視図、図4はヘッドレスト本体の組付け途中を示す正面方向から見た分解斜視図、図5はヘッドレスト本体の組付け途中を示す背面方向から見た分解斜視図、図6はヘッドレスト本体の組付け状態を示す背面方向から見た透視斜視図、図7は図3中A−A線に沿った拡大断面図、図8は頭部拘束部材と左,右ヘッドレスト部材の取付け状態を示す作動前の背面斜視図、図9は頭部拘束部材と左,右ヘッドレスト部材の取付け状態を示す作動後の背面斜視図、図10は作動状態にあるヘッドレスト本体を正面方向から見た透視斜視図、図11は固定機構の背面斜視図、図12は固定機構の要部断面図、図13は制御手段の作動システムを示す説明図、図14はロック手段の作動を(a)〜(d)に順を追って示す説明図、図15は後面衝突直後の作動途中にあるヘッドレスト本体を透視して示す平面図、図16は後面衝突後の作動完了状態を示すヘッドレスト本体の側面図、図17は後面衝突直後の作動完了状態にあるヘッドレスト本体を透視して示す平面図、図18はロック手段の制御フローを示す説明図、図19はロック手段の解除領域を相対距離と相対速度との関係で示す説明図である。
【0015】
本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10は、図1,図2に示すように乗員が着座する車両用シート100のシートバック101の上端部に設けられ、着座乗員Cの頭部Hを支持するヘッドレスト本体10aを1対のステー11を介して、シートバック101の上端部に左右一対設けた取付穴101aに上下位置調節可能に装着してある。
【0016】
1対のステー11は、それぞれの下端部間に跨って結合した連結部材11aを介して一体化され、この連結部材11aから突出されたステー11の突出端部11b間に前記ヘッドレスト本体10aが取り付けられる。
【0017】
前記ヘッドレスト本体10aは、図3に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13、頭部拘束部材としての前面カバー20、回動付勢機構30をそれぞれ備え、更に、図4〜図6に示すロック手段としてのロック機構40、図13に示す制御手段50、図1,図3に示す張力付加手段としての膜状部材21をそれぞれ備えている。
【0018】
即ち、前記ヘッドレスト本体10aの乗員頭部Hを支持する部分は、図3に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13の前側を前記前面カバー20で覆うとともに、左,右ヘッドレスト部材12,13の後側を背面カバー22で覆い、これら前面カバー20と背面カバー22とで囲まれた内部には、前記ロック機構40の取付けブラケット41を連結部材11aに装着している。
【0019】
左,右ヘッドレスト部材12,13は、図1に示すようにヘッドレスト本体10aを左右方向の略中央部で分割して、その分割端部12a,13aとは反対側端部12b,13bを前記ステー11に対して回動付勢機構30を介して回動可能に取り付けてある。
【0020】
前記左,右ヘッドレスト部材12,13は、上,下の横アーム14,14aと、これら上,下横アーム14,14aのそれぞれの分割端部12a,13a側を結合する縦アーム15と、反対側端部12b,13bをそれぞれ連結するアウタシリンダー16と、によって略矩形状に形成した骨格部分を成す。
【0021】
アウタシリンダー16は、ステー11の連結部材11a寄りの外周に一体に結合したインナシリンダー17およびステー11の上端部に結合した鍔状の端板17aのそれぞれの外周に、回転自在かつ軸方向移動自在に密接嵌合してあり、アウタシリンダー16に連結した左,右ヘッドレスト部材12,13は、インナシリンダー17を中心として観音開き状に開閉可能となっている。
【0022】
前面カバー20は、図5,図6にも示すように左,右ヘッドレスト部材12,13の分割端部12a,13aに跨って相対移動可能に膜状部材21を介して取り付け、乗員頭部Hに対向した垂直面20aおよびこの垂直面20aの上側縁から後方に略直交した水平面20bの2面を設けて乗員頭部Hを支持するようになっている。
【0023】
前記前面カバー20は、図3に示すように乗員頭部Hに接触する前面に撓み性能に優れた低剛性層としての前面カバー表皮23を設けるとともに、その後面に荷重伝達性に優れた高剛性層としての前面カバー芯材24を設けて、これら前面カバー表皮23と前面カバー芯材24とを一体に接着することにより多層構造として構成してある。
【0024】
前面カバー表皮23は、裏面にスポンジ等の緩衝材をバックリングした布によって形成する一方、前面カバー芯材24は、薄肉形成した状態で弾力性をもった自己形状保持機能に優れた材料、例えばポリカーボネートによって形成し、この薄肉形成したポリカーボネートの前面に前記前面カバー表皮23を接着している。
【0025】
前記前面カバー芯材24は、垂直面20aの中央部を乗員頭部Hの後側に略沿って凹設するとともに、その周縁部を後方に滑らかに湾曲させて、全体として緩やかな3次元の曲面をもって形成してある。
【0026】
張力付加手段としての膜状部材21は、前面カバー20の後面に設けられて、左,右ヘッドレスト部材12,13の前方への回動状態でそれぞれの分割端部12a,13aに跨って張架されるようになっている。
【0027】
即ち、膜状部材21は、図3に示すように帯状布を環状に縫製して、その重ね合わせた長さを前面カバー芯材24の左右方向略全幅と等しく形成する一方、前面カバー芯材24の垂直面20aの略中央部に、所定間隔Lをもって1対の上下スリット24a,24bを形成し、図7に示すように膜状部材21の一端部21aを、前面カバー芯材24の後方から一方の上下スリット24bに挿通して前面カバー芯材24の前方に一旦引き出した後、その一端部21aを他方の上下スリット24aに再度挿通して前面カバー芯材24の後方に引き出してある。
【0028】
従って、膜状部材21は中央部分21cを前記1対の上下スリット24a,24b間で前面カバー芯材24の前面に配置した状態で、その両端部21a,21bが前面カバー芯材24の後面に配置され、それぞれの両端部21a,21bは環状となっている。
【0029】
このとき、前記環状の膜状部材21は、上下スリット24a,24bの挿通部分で挟み固定若しくは接着して、前面カバー芯材24に一体化される。
【0030】
そして、膜状部材21の環状となった両端部21a,21b内に、左,右ヘッドレスト部材12,13のそれぞれの縦アーム15を挿通してあり、左,右ヘッドレスト部材12,13の初期状態では各縦アーム15が近接されるため、図8に示すように膜状部材21の両端部21a,21bは、上下スリット24a,24bから前面カバー芯材24の中央側に折り畳まれた状態となり、左,右ヘッドレスト部材12,13が前方に回動した場合に、図9に示すように前記両端部21a,21bが上下スリット24a,24bの外側方向に緊張状態で展開されることになる。
【0031】
一方、左,右ヘッドレスト部材12,13を後方から覆う背面カバー22は、図3に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13の側方と連結部材11aの下側を結ぶ領域から車両後方を覆うように、背面22a、両側面22b,22cおよび底面22dを設けて形成してあり、開放した上側部分は前記前面カバー20の水平面20bで覆うようになっている。
【0032】
背面カバー22は、図4に示すようにポリカーボネート等の合成樹脂によって本体部分22′を薄肉形成し、その外側に裏側をスポンジでバックリングした布22″を接着して覆うようになっており、背面22aから前方に複数のクリップ25を突設するとともに、底面22dにはステー11を挿通するための1対の挿通穴26を形成してある。
【0033】
そして、前記背面カバー22の取り付けは、図4に示すように底面22dの挿通穴26をゴムブッシュ26aを介してステー11の下端から挿通した後、背面22aのファスナー25を、連結部材11aに固定したロック機構40の取付けブラケット41に形成した係合穴41aに差し込むようになっている。
【0034】
回転付勢機構30は、図1に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13をステー11に対して上昇させるリフト機構31と、このリフト機構31による上昇に伴って左,右ヘッドレスト部材12,13を前方に回動案内する回動機構32とを備え、リフト機構31によって左,右ヘッドレスト部材12,13を上方に付勢するとともに、回動機構32によって左,右ヘッドレスト部材12,13を車両前方に回動付勢するようになっている。
【0035】
リフト機構31は、インナシリンダー17の上端面とアウタシリンダー16の上側部内周に一体に形成したリング状の縮径部16aとの間に、スプリング33を縮設して構成し、このスプリング33と縮径部16aとの間には、滑りを良くするためにワッシャ34が介装される。
【0036】
従って、前記スプリング33によってアウタシリンダー16を常に上方に押し上げる付勢力を付与し、ひいては、このアウタシリンダー16に支持される左,右ヘッドレスト部材12,13に上方への付勢力を付与することになる。
【0037】
前記回動機構32は、図1に示すようにインナシリンダー17の外周に形成した螺旋溝32aと、アウタシリンダー16に装着した係合子としてのボルト32bとによって構成してある。
【0038】
螺旋溝32は、上方に向かって左,右ヘッドレスト部材12,13を前方に回動案内する方向に傾斜し、この螺旋溝32aにボルト32bが摺動自在に係合される。
【0039】
従って、左,右ヘッドレスト部材12,13が前記リフト機構31のスプリング33によって上方に持ち上げられると、回動機構32のボルト32bはインナシリンダー17の螺旋溝32aに沿って上昇するため、結果的にボルト32bと一体となったアウタシリンダー16を図中手前側に回動、つまり左,右ヘッドレスト部材12,13を前方に押し開く方向に回動する。
【0040】
このため、螺旋溝32aの溝形状、つまり傾斜角によって左,右ヘッドレスト部材12,13の回動量を予め任意に設定しておくことができ、この螺旋溝32aを備えることにより、左,右ヘッドレスト部材12,13の上昇量に対して回動量を調整できるようになっている。
【0041】
ロック機構40は、左,右ヘッドレスト部材12,13を回動付勢機構30の付勢力に抗して初期位置に保持する機能を備え、図4〜図6に示すように取付けブラケット41の後面に、1対のワイヤー42,43を巻取ったギア44と、このギア44に係脱するリンク45およびこのリンク45の回動を制御するソレノイド46を設けて構成してある。
【0042】
取付けブラケット41は、図3に示すように垂直な機構取付面41bと、その下縁を水平方向に折曲した取付フランジ41cと、によって断面L字状に形成し、その取付フランジ41cを左,右ステー11間の連結部材11aの上面にボルト47を介して結合するようになっている。
【0043】
ギア44は、中心部にワイヤー42,43を巻き取る小径のドラム44aを設けて、取付けブラケット41の機構取付面41bに回転自在に取り付けてあり、前記ワイヤー42,43の各一端部42a,43aをドラム44aに同一回転方向に巻回するとともに、一方のワイヤー42の他端部42bを左ヘッドレスト部材12のアウタシリンダー16の下端部にピン結合し、他方のワイヤー43の他端部43bを右ヘッドレスト部材13のアウタシリンダー16の下端部にピン結合してある。
【0044】
ワイヤー42,43は、図1,図6に示すようにその中間部分がフレキシブルなアウタチューブ42c,43c内に挿通されてプシュプルタイプとなっており、左,右ヘッドレスト部材12,13の図1に示す初期状態、つまり非回動状態でワイヤー42,43の一端部42a,43aは、回転付勢機構30の付勢力による緊張力が作用した状態でドラム44aに最大巻き取り状態となっている。
【0045】
リンク45は、ギア44の上方部分で基端部45aが取付けブラケット41に回動自在に枢支され、リンク45の中間部分の基端部45a寄りに設けたラチェット機構45bの係合爪45cがギア44に係脱するようになっている。
【0046】
ラチェット機構45bは、図14に示すようにワイヤー42,43がドラム44aから巻き戻される方向の回転(反時計回り方向)に対して係合爪45cをギア44に係合させるとともに、ワイヤー42,43をドラム44aに巻き取る方向の回転(時計回り方向)に対して係合爪45cをフリーにする。
【0047】
ソレノイド46は、リンク45の先端部45dに対向配置して、この先端部45dへの係脱部分46aを出没させる構造となっており、図14(a)に示すロック状態では、電流のOFF状態で係脱部分46aを突出させてリンク45の先端部45dに係合させるとともに、図14(b)に示すロック解除状態では、電流のON状態で係脱部分46aを引っ込めてリンク45の先端部45dから離脱させるようになっている。
【0048】
従って、図14(a)に示すロック状態では、ギア44と係合爪45cとの係合状態を維持して、ワイヤー42,43の巻戻しを阻止し、ひいてはアウタシリンダー16を、左,右ヘッドレスト部材12,13が初期状態を保持する回転位置に維持する。
【0049】
一方、図14(b)に示すロック解除状態では、リンク45がギア44の回転力に弾かれて反時計回り方向に回動して、ギア44と係合爪45cとの係合状態を解除するため、ワイヤー42,43は自由に巻戻し状態となって、アウタシリンダー16は回転付勢機構30によって上昇および回転し、左,右ヘッドレスト部材12,13を前方に回動しつつ持ち上げる。
【0050】
尚、前記ギア44にはワイヤー42,43の巻取り量との関係から歯部の不要部分が存在し、この不要部分のうち係合爪45cとの途中干渉による引っ掛かりを防止するための歯部切欠き部分44bを形成してある。
【0051】
ところで、前記ロック機構40は左,右ヘッドレスト部材12,13を前方回動させた後、再度リセットする可逆式となっており、図14(b)に示すロック解除状態から図14(c)に示すようにリンク45を時計回り方向に回動して、図14(d)に示すようにソレノイド46の係脱部分46をリンク45の先端部45dに係合する。
【0052】
そして、この係脱部分46の係合状態でギア44を回転付勢機構30の付勢力に抗して時計回り方向に回転して、ワイヤー42,43をドラム44aに巻き取ることにより、図14(a)に示すロック機構40の初期状態にセットできるようになっている。
【0053】
制御手段50は、図13に示すように、自動車Mの後面に設けて後方車両mとの相対速度を音波などを用いて検知するVセンサー51、車体Bに加わる加速度を検知するGセンサー52、自動車Mのリアバンパーに設けて後方車両mの接触圧を検知する圧力センサー53と、これら各センサーの信号を入力するコントローラ54とで構成される。そして、このコントローラ54では前記センサー51,52,53の検出信号を基に後面衝突を検出して前記ソレノイド46に電流を印加し、前記ロック機構40を解除するようになっている。
【0054】
尚、Gセンサー52や圧力センサー53は実質的な衝突を検知する手段であるが、これら以外にも図示は省略したがタッチセンサーや歪ゲージなどを用いることができる。
【0055】
また、本実施形態では前記左,右ヘッドレスト部材12,13に、前面カバー20に作用する車両後方への押圧力に対して、これら左,右ヘッドレスト部材12,13をステー11側に固定する固定機構60を設けてある。
【0056】
即ち、固定機構60は、図1に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13の上下の横アーム14,14aは、それぞれの反対側端部12b,13bをアウタシリンダー16と分離してあり、分離したこれら横アーム14,14aを、アウタシリンダー16に結合したブラケット61にピン62を介して前後方向に回動自在に連結してある。
【0057】
そして、図11,図12に示すように下方の横アーム14aの分離側端部の後面に、アウタシリンダー16の略センター部分まで突出する係合部材63をボルト64を介して固定し、このアウタシリンダー16には係合部材63の爪63aが挿通する窓部16bを形成してある。
【0058】
一方、インナシリンダー17の外周の前記窓部16bに対応する部分には、前記係合部材63の爪63aが係合可能な複数の歯部を周方向に形成したラック65を形成する。このラック65はインナシリンダー17の全長に亘って形成してある。
【0059】
また、前記横アーム14,14aとアウタシリンダー16との間には、図11に示すようにスプリング66を配置し、このスプリング66によって横アーム14,14aを前方に押圧付勢してある。
【0060】
スプリング66は、ばね鋼で形成した線材を略矩形状に形作り、その1対の対向辺をく字状に折曲して形成してあり、そのく字状の折曲部分66aを前記ピン62の前方側に係止して支点とし、一端部66bを横アーム14,14aの後方側に係止するとともに、他端部66cをアウタシリンダー16の後方側に係止し、これら両端部66b,66c間に前方への付勢力を付加するようになっている。
【0061】
従って、前記固定機構32は、スプリング66の付勢力により常時は横アーム14,14aがピン62を中心として前方に回動された状態にあって、係合部材63の爪63aはラック65から離脱した状態にあり、アウタシリンダー16はインナシリンダー17に対して自由に回転できる状態にある。
【0062】
尚、ピン62を中心とする横アーム14,14aの回動量は、図11に示すように横アーム14,14aの分離端に形成したV字状凹部14bの両端角部の一方が、アウタシリンダー16の外周に接触する僅かの範囲として設定してある。
【0063】
そして、着座乗員の頭部Hが左,右ヘッドレスト部材12,13に触れるなどして、これら左,右ヘッドレスト部材12,13に後方への押圧力が作用すると、横アーム14,14aはスプリング66の付勢力に抗して後方に回動し、係合部材63の爪63aがラック65に係合することにより、アウタシリンダー16をインナシリンダー17にロックするようになっている。
【0064】
以上の構成により本実施形態の車両用ヘッドレスト装置10にあっては、図13に示すように、車両Mが後方車両mによって後面衝突されると、これをV,G,圧力センサー51,52,53や図外のタッチセンサーおよび歪ゲージなどで検知して、コントローラ54からロック機構40のソレノイド46に電流を印加する。
【0065】
即ち、前記コントローラ54による制御は、例えば、図18に示すフローチャートに従って実行される。まず、ステップS1によってイグニッションスイッチのONによりヘッドレスト装置10を制御開始した時点では、ソレノイド46に印加する電流(以下、ソレノイド電流と称する)はOFFになっている。
【0066】
この状態から次のステップS2では、Vセンサー51の検知信号から後方車両mを検知するとともに、同検知信号からステップS3で自車Mと後方車両mとの間の相対距離Sを算出するとともに、ステップS4で両車M,mの相対速度ΔVを算出する。
【0067】
そして、次のステップS5では、図19に示す制御マップに基づいて、ステップS3,S4で求めた相対距離Sおよび相対速度ΔVと、予め設定した相対距離Scrおよび相対速度ΔVcrとの関係を算出する。その結果、(S<Scr)と(V>Vcr)との両条件を満たすときに、後方車両mが自車Mに後面衝突することを予測し、ステップS6に進むとともに、それ以外の場合はステップS2にリターンされる。
【0068】
ステップS6では、ロック機構40のソレノイド46に本来の電流値よりも小さな電流を印加し、予めソレノイド46の作動レスポンスをあげておく。
【0069】
続いて、ステップS7では、Gセンサー52や圧力センサー53若しくはタッチセンサーや歪ゲージのいずれか1つを用いて、車両Mが実際に後面衝突されたことを検知し、次のステップS8で本来のソレノイド電流(最大電流)をソレノイド46に印加する。これによってロック機構40がロック解除されることになる。
【0070】
つまり、ロック機構40がロック解除されると、回転付勢機構30によって左,右ヘッドレスト部材12,13は図15に示す作動途中を経た後、図10,図16,図17に示すようにこれら左,右ヘッドレスト部材12,13を前方に回動しつつ上方に持ち上げる。
【0071】
すると、左,右ヘッドレスト部材12,13の前方回動によって膜状部材21を展開して緊張させるとともに、前面カバー20を前方に向かって斜め上方に押し出すことができ、後面衝突時の慣性力により着座乗員Cの頭部Hが後方に大きく移動するのをいち早く受け止めて拘束することができる。
【0072】
ところで、この第1実施形態では、乗員頭部Hを拘束する前面カバー20は、ポリカーボネート等の弾力性をもった自己形状保持機能に優れた材料によって形成したので、左,右ヘッドレスト部材12,13の回動量の多少にかかわらず前面カバー20の形状を保持できるため、左,右ヘッドレスト部材12,13の作動途中においても乗員頭部Hを確実かつ安全に拘束することができる。
【0073】
また、前記前面カバー20に垂直面20aおよび水平面20bの2面を設けて乗員頭部Hを支持するようにしたので、乗員頭部Hに作用する車両後方への荷重を前記垂直面20aで確実に拘束し、かつ、乗員頭部Hが前面カバー20の上方に乗り上げて後方に回転する際に発生する下方への荷重を前記水平面20bで確実に拘束することができる。
【0074】
更に、左,右ヘッドレスト部材12,13を作動するにあたって、従来のように着座乗員Cの慣性による荷重変動の検知ではなく、車両Mの後面衝突を検知して左,右ヘッドレスト部材12,13および前面カバー20のみを作動させるため、着座乗員Cの体重や着座姿勢に関係無く確実かつ迅速にヘッドレスト本体10aを作動させて乗員頭部Hを拘束することができる。
【0075】
従って、シートバック101には着座乗員Cの荷重変動を検知するための機構が不要となるため、このシートバック101は幅寸法や高さおよび形状などに制約されること無く、本来の座り心地性を確保することができるとともに、シート自体の軽量化をも達成することができる。
【0076】
また、前面カバー20は、垂直面20aの中央部を乗員頭部Hの後側に略沿って凹設するとともに、その周縁部を後方に滑らかに湾曲させて、全体として緩やかな3次元の曲面をもって形成したので、乗員頭部Hの拘束性を向上することができるとともに、前面カバー20自体の剛性を増大して薄肉化を可能とし、ヘッドレスト本体10aの軽量化を達成することができる。
【0077】
更に、前面カバー20は、乗員頭部Hに接触する前面に、裏面にスポンジ等の緩衝材をバックリングした布で形成して撓み性能に優れた前面カバー表皮23を設けるとともに、その後面に、ポリカーボネートで形成して荷重伝達性に優れた前面カバー芯材24を設けたので、高剛性層となる前面カバー芯材24によって乗員頭部Hの優れた拘束性を確保しつつ、低剛性層となる前面カバー表皮23によって乗員頭部Hが干渉した際の衝撃を緩和することができる。
【0078】
更にまた、前面カバー20を構成した前面カバー芯材24の後面に、左,右ヘッドレスト部材12,13の前方への回動状態でそれぞれの分割端部に跨って張架される膜状部材21を設けたので、この膜状部材21の緊張状態で前面カバー20を弾力支持できるため、乗員頭部Hが干渉した際の衝撃エネルギーを効率良く吸収することができる。
【0079】
また、左,右ヘッドレスト部材12,13は、前面カバー20に作用する車両後方への押圧力に対して、これら左,右ヘッドレスト部材12,13をステー側に固定する固定機構を設けたので、後面衝突によって前面カバー20が前方に押し出される途中に乗員頭部Hが干渉した場合にあっても、前面カバー20が後方に押し戻されるのを防止して、乗員頭部Hを保護することができる。
【0080】
図20は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0081】
図20は前面カバー20の背面斜視図で、この第2実施形態では前面カバー20の垂直面20aに左右方向に延びる横凹凸部27aを設けた横波形面27として形成してある。
【0082】
また、前記横波形面27の後面に、上下方向に延びる縦凹凸部28aを設けた縦波形面28を設けてある。
【0083】
勿論、この第2実施形態にあっても前記横波形面27および縦波形面28を貫通して、膜状体21を挿通するためのスリット24a,24bを形成してある。
【0084】
従って、この第2実施形態にあっては、前面カバー20の曲げ剛性を、前面の横波形面27によって高めることができるとともに、その後面に設けた縦波形面28によって更に高めることができ、乗員頭部Hの拘束性を高め、また、前面カバー20の薄肉化を達成して軽量化を図ることができる。
【0085】
図21は本発明の第3実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0086】
図21は前面カバー20の背面斜視図で、この第3実施形態では低剛性層としての前面カバー表皮23を、ポリカーボネートを薄肉形成してある程度の剛性を持たせて形成するとともに、高剛性層としての前面カバー芯材24を、同様にポリカーボネートを薄肉形成して形成し、これら前面カバー表皮23と前面カバー芯材24との間に、軽量緩衝材層としての発泡スチロール等の軽量発泡材29を介在させてある。
【0087】
尚、この実施形態では前面カバー芯材24に、横凹凸部27aを設けた横波形面27と縦凹凸部28aを設けた縦波形面28とを設けて剛性を高めてある。
【0088】
従って、この第3実施形態にあっては、前面カバー表皮23と前面カバー芯材24との間に軽量発泡材29を介在させたことにより、前面カバー20の剛性の増大と軽量化とを両立させることができる。
【0089】
図22は本発明の第4実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0090】
図22は前面カバー20の背面斜視図で、この第4実施形態では前面カバー20の後面にリブ20cを設けてある。
【0091】
リブ20cは前面カバー20の垂直面20aの裏面を矩形状に囲い、その矩形状リブ20c1の対角線上に対角リブ20c2を設けるとともに、矩形状リブ20c1の上辺から前面カバー20の水平面20bに沿って上方リブ20c3を設けてある。
【0092】
勿論、この第4実施形態にあっても前記対角リブ20c2を分断するようにしてスリット24a,24bを形成してある。
【0093】
従って、この第4実施形態にあっては、矩形状リブ20c1,対角リブ20c2,上方リブ20c3等からなるリブ20cによって、前面カバー20の曲げ剛性を高めることができるため、前面カバー20の薄肉化を達成して軽量化を達成することができる。
【0094】
図23は本発明の第5実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0095】
図23はヘッドレスト本体の平断面図で、この第5実施形態では膜状部材21によって、前面カバー20に作用する乗員頭部Hの押圧力をこの膜状部材21の張力に転化する張力増大機構70を構成している。
【0096】
即ち、膜状部材21は第1実施形態では環状に形成してあるが、この第5実施形態の膜状部材21は、環状となった後側部分の中央部を切断して延長し、それぞれの延長膜部分21d,21eを交差させて対向するアウタシリンダー16に、それぞれの後側を周回するようにして固定することにより前記張力増大機構70が構成される。
【0097】
尚、前記延長膜部分21d,21eを交差させるにあたって、各延長膜部分21d,21eを、それぞれが交互に配置されるようにして複数の帯状として形成し、この複数の帯状となった延長膜部分21d,21eを交互に交差させることが好ましい。
【0098】
従って、この第5実施形態にあっては、後面衝突時の慣性力によって発生した乗員頭部Hの後方押圧力が、前面カバー20を後方に撓ませて膜状部材21に作用した場合、この膜状部材21の前側が緊張することにより延長膜部分21d,21eを引っ張ることになる。
【0099】
すると、アウタシリンダー16には、延長膜部分21d,21eの引張り力によって左,右ヘッドレスト部材12,13を更に開く方向の回転力が作用し、この回転力によって前記膜状部材21の前側の張力を更に増大させることができ、この張力は乗員頭部Hの後方押圧力が大きければ大きいほど増大する。
【0100】
このため、後面衝突の衝撃力が大きくて乗員頭部Hに作用する後方への慣性力が著しく大きい場合にあっても、膜状部材21が大きな張力をもって緊張して頭部Hを確実に拘束することができる。
【0101】
図24は本発明の第6実施形態を示し、前記各実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0102】
図24は左,右ヘッドレスト部材の背面斜視図を示し、この第6実施形態では左,右ヘッドレスト部材12,13の回動部分間、つまり、この実施形態では左,右ヘッドレスト部材12,13それぞれの上方の横アーム14間に跨って配置し、これら左,右ヘッドレスト部材12,13の最大回動位置を固定する回動規制部材としてのスライダー80を設けている。
【0103】
前記スライダー80は帯状板の中心線に沿って連続したスリット81を設けて形成する一方、左,右ヘッドレスト部材12,13それぞれの前記横アーム14の先端部(分割端部12a,13a側)上側にガイドピン82を突設し、これらガイドピン82を前記スリット81内に摺動自在に挿入してある。
【0104】
このとき、スリット81の長さは、図24に示すように左,右ヘッドレスト部材12,13の最大回動位置で、各ガイドピン82がスリット81の両端に当接するように設定してある。
【0105】
従って、この第6実施形態にあっては、左,右ヘッドレスト部材12,13が最大量回動した際に、各ガイドピン82がスライダー80のスリット81両端に当接して、それ以上に左,右ヘッドレスト部材12,13が開くのを阻止することができる。
【0106】
このため、後面衝突によって乗員頭部Hが前面カバー20に干渉して過大な後方押圧力が作用した場合に、左,右ヘッドレスト部材12,13の回動位置を確実に固定できるため、頭部Hの拘束性を高めることができる。
【0107】
ところで、本発明の車両用ヘッドレスト装置10を前記第1〜第6実施形態に例をとって説明したが、これら各実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採ることができ、例えば、前面カバー20や背面カバー22の芯部分をポリカーボネートで形成したが、これ以外にも適宜な剛性や強度を有するその他の材料(例えば、BBSや他のエンジニアリングプラスチック)を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における初期状態にあるヘッドレスト本体を正面方向から見た透視斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体の取付け状態を示す側面図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体を正面方向から見た分解斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体の組付け途中を示す正面方向から見た分解斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体の組付け途中を示す背面方向から見た分解斜視図。
【図6】本発明の第1実施形態におけるヘッドレスト本体の組付け状態を示す背面方向から見た透視斜視図。
【図7】図3中A−A線に沿った拡大断面図。
【図8】本発明の第1実施形態における頭部拘束部材と左,右ヘッドレスト部材の取付け状態を示す作動前の背面斜視図。
【図9】本発明の第1実施形態における頭部拘束部材と左,右ヘッドレスト部材の取付け状態を示す作動後の背面斜視図。
【図10】本発明の第1実施形態における作動状態にあるヘッドレスト本体を正面方向から見た透視斜視図。
【図11】本発明の第1実施形態における固定機構の背面斜視図。
【図12】本発明の第1実施形態におけるは固定機構の要部断面図。
【図13】本発明の第1実施形態における制御手段の作動システムを示す説明図。
【図14】本発明の第1実施形態におけるロック手段の作動を(a)〜(d)に順を追って示す説明図。
【図15】本発明の第1実施形態における後面衝突直後の作動途中にあるヘッドレスト本体を透視して示す平面図。
【図16】本発明の第1実施形態における後面衝突後の作動完了状態を示すヘッドレスト本体の側面図。
【図17】本発明の第1実施形態における後面衝突直後の作動完了状態にあるヘッドレスト本体を透視して示す平面図。
【図18】本発明の第1実施形態におけるロック手段の制御フローを示す説明図。
【図19】本発明の第1実施形態におけるロック手段の解除領域を相対距離と相対速度との関係で示す説明図。
【図20】本発明の第2実施形態における頭部拘束部材の背面斜視図。
【図21】本発明の第3実施形態における頭部拘束部材の背面斜視図。
【図22】本発明の第4実施形態における頭部拘束部材の背面斜視図。
【図23】本発明の第5実施形態におけるヘッドレスト本体の平断面図。
【図24】本発明の第6実施形態における左,右ヘッドレスト部材の背面斜視図。
【符号の説明】
10 車両用ヘッドレスト装置
10a ヘッドレスト本体
11 ステー
12 左ヘッドレスト部材
13 右ヘッドレスト部材
12a,13a 分割端部
1b,13b 反対側端部
14 横アーム(回転部分)
20 前面カバー(頭部拘束部材)
20a 垂直面
20b 水平面
20c リブ
21 膜状部材
27 横波形面
27a 横凹凸部
28 縦波形面
28a 縦凹凸部
29 軽量発泡材
30 回転付勢機構
40 ロック機構(ロック手段)
50 制御手段
60 固定機構
70 張力増大機構
80 スライダー(回動規制部材)
100 シート
101 シートバック
C 着座乗員
H 乗員頭部
M 自動車
m 後方車両

Claims (10)

  1. 着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト本体を、シートバックの上端部にステーを介して装着した車両用ヘッドレスト装置において、
    ヘッドレスト本体を左右方向の略中央部で分割して、その分割端部とは反対側端部を前記ステーに対して回動可能に取り付けた左,右ヘッドレスト部材と、
    前記左,右ヘッドレスト部材の分割端部に跨って相対移動可能に取り付けられ、乗員頭部に対向した垂直面およびこの垂直面の上側縁から後方に略直交した水平面の少なくとも2面を備えた乗員頭部を支持する弾力性をもった自己形状保持機能に優れた材料からなる頭部拘束部材と、
    前記左,右ヘッドレスト部材を車両前方に回動付勢する回動付勢機構と、
    前記左,右ヘッドレスト部材を前記回動付勢機構の付勢力に抗して初期位置に保持するロック手段と、
    車両の後面衝突を検知して前記ロック手段を解除する制御手段と、
    前記左,右ヘッドレスト部材の車両前方への回動状態で前記頭部拘束部材の少なくとも垂直面に張力を付加して、この垂直面の撓み変形を弾発支持する張力付加手段と、を備え、
    前記張力付加手段は、頭部拘束部材の後面に設けられ、左,右ヘッドレスト部材の前方への回動状態でそれぞれの分割端部に跨って張架されて車幅方向に張力を付与する膜状部材であることを特徴とする車両用ヘッドレスト装置。
  2. 頭部拘束部材は、垂直面の中央部を乗員頭部の後側に略沿って凹設するとともに、その周縁部を後方に滑らかに湾曲させて、全体として緩やかな3次元の曲面をもって形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  3. 頭部拘束部材は、乗員頭部に接触する前面に撓み性能に優れた低剛性層を設けるとともに、その後面に荷重伝達性に優れた高剛性層を設けて多層構造としたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  4. 頭部拘束部材は、少なくとも垂直面に左右方向に延びる横凹凸部を設けた横波形面として形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  5. 横波形面の後面に、上下方向に延びる縦凹凸部を設けた縦波形面を設けたことを特徴とする請求項4に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  6. 低剛性層と高剛性層との間に、軽量緩衝材層を介在したことを特徴とする請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  7. 頭部拘束部材は、その後面にリブを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  8. 膜状部材は、頭部拘束部材に作用する乗員頭部の押圧力をこの膜状部材の張力に転化する張力増大機構を構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  9. 左,右ヘッドレスト部材は、頭部拘束部材に作用する車両後方への押圧力に対して、これら左,右ヘッドレスト部材をステー側に固定する固定機構を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
  10. 左,右ヘッドレスト部材の回動部分間に跨って配置し、これら左,右ヘッドレスト部材の最大回動位置を固定する回動規制部材を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用ヘッドレスト装置。
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