JP3743077B2 - 画像信号変換装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力された画像信号より高い解像度を有する画像信号を得ることができるクラス分類適応処理を用いた画像信号変換装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像信号を異なるフォーマットに変換する装置として、例えば標準TV信号(SD(Standard Definition )信号)をHD(High Definition )フォーマット信号に変換するアップコンバータがある。このアップコンバータに使用されている技術について以下、説明する。まず、標準TV信号(SD信号)とHD信号の各画素の空間配置例を図11に示す。ここでは、説明の簡素化のため、HD信号の画素数を水平方向、垂直方向に各々2倍としている。図中の二重丸のSD画素に注目すると、近傍4種類の位置にHD画素が存在する。この4種類の位置に存在するHD画素を予測するモードをそれぞれmode1、mode2、mode3、mode4と称する。このようなモードを規定するのは、係数の種類の増大を抑え、予測演算部等の回路規模を小さくするためである。
【0003】
従来のアップコンバータにおいては、入力SD信号に補間フィルタを適用することで補間画素を生成し、HDフォーマットの信号を出力する。このアップコンバータの簡素な構成例としては、SD信号のフィールド内データから、4種類の位置のHD画素を生成することが考えられる。そこで用いられる補間フィルタの構成は、垂直方向の処理と水平方向の処理とを分離しない空間内2次元ノンセパラブルフィルタと、これらの処理を分離して行う垂直/水平セパラブルフィルタに分類される。これらの補間フィルタの構成例を図12および図13に示す。
【0004】
図12に示すノンセパラブル補間フィルタは、空間内2次元フィルタを使用するものである。入力端子81からSD信号が供給され、入力SD信号は、mode1用2次元フィルタ82、mode2用2次元フィルタ83、mode3用2次元フィルタ84およびmode4用2次元フィルタ85へそれぞれ供給される。すなわち、4種類の位置のHD画素毎に独立した2次元フィルタを用いて補間処理を実行する。その結果、それぞれのフィルタ82〜85の出力は、HD信号として選択部86において、直列化がなされ、出力端子87から出力HD信号が取り出される。
【0005】
また、図13に示す補間フィルタは、垂直/水平セパラブルフィルタを使用するものである。入力端子91からSD信号が供給され、入力SD信号は、垂直補間フィルタ92および93において、HD信号の2本の走査線データが生成される。例えば、垂直補間フィルタ92では、mode1用およびmode2用の処理が行われ、垂直補間フィルタ93では、mode3用およびmode4用の処理が行われる。
【0006】
これらの処理が行われると垂直補間フィルタ92および93からの出力信号は、水平補間フィルタ94および95へ供給される。この水平補間フィルタ94および95では、各走査線毎に水平フィルタを用い4種類の位置のHD画素が補間され、選択部96へ供給される。選択部96では、供給されたHD信号の直列化がなされ、出力端子97から出力HD信号が取り出される。
【0007】
しかしながら、従来のアップコンバータにおいて、補間フィルタとして理想フィルタを使用しても、画素数は増えるものの空間解像度はSD信号と変わらない。実際には、理想フィルタを用いることが出来ないため、SD信号より解像度の低下したHD信号を生成することしかできないという問題がある。
【0008】
そこで、これらの問題を解決するために、補間のためのクラス分類適応処理を適用することが提案されている。このクラス分類適応処理は、入力SD信号の例えば輝度レベルの特徴に基づき、クラス分類を行い、分類されたクラスに対応した予測係数が予測タップを構成する入力SD信号の複数の画素値との線形1次結合によりHD信号を生成する処理である。このとき、用いられている予測係数は、クラス毎に予め学習により獲得されたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
先に提案されているクラス分類適応予測を使用したアップコンバータは、1画素毎にHD画素を予測する処理である。しかしながら、解像度をより高いものに向上させるには、複数画素を同時にに予測した方が有利な場合が多い。
【0010】
従って、この発明は、クラス分類適応予測によってより解像度の高い出力画像信号を得るようにした信号変換装置であって、複数画素をクラス分類適応予測により同時に生成することによって、より解像度を高くすることが可能な画像信号変換装置および方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、平均値分離に使用される平均値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の複数の画素値と記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測平均値を生成する予測平均値生成手段と、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、平均値分離に使用される標準偏差を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の複数の画素値と記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測標準偏差を生成する予測標準偏差生成手段と、
記憶手段に記憶されているパターンと予測平均値および予測標準偏差とを演算して複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置である。
また、予測平均値生成手段および予測標準偏差生成手段が予測値を予め学習により獲得し、記憶するようにしても良い。
【0012】
この発明は、第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、複数の画素の各画素値に対してADRC符号化の処理を施して得られるADRCコードが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、複数の画素値のADRC符号化の際の基準値である、ブロックのダイナミックレンジ、最小値、最大値の内の2個の値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の複数の画素値と記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、2個の値の予測値を生成する予測基準値生成手段と、
記憶手段に記憶されているADRCコードと基準値の予測値とを演算して複数の画素の予測画素値を出力するADRC復号手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置である。
また、予測基準値生成手段が予測値を予め学習により獲得し、記憶するようにしても良い。
【0013】
この発明は、第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像信号変換装置において、
入力される第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する第1のクラス分類適応予測手段と、
第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラス毎に予測係数または予測値が予め学習によって獲得され、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラスに対応する予測係数または予測値を使用して、第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の第2のディジタル画像信号の単一の予測画素値を生成する第2のクラス分類適応予測手段と、
第1のクラス分類適応予測手段からの予測画素値と第2のクラス分類適応予測からの予測画素値とを組み合わせて出力する手段とからなり、
第1のクラス分類適応予測手段は、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、平均値分離に使用される平均値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の複数の画素値と記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測平均値を生成する予測平均値生成手段と、
入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、平均値分離に使用される標準偏差を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される第1のディジタル画像信号の注目画素の周辺の複数の画素値と記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測標準偏差を生成する予測標準偏差生成手段と、
記憶手段に記憶されているパターンと予測平均値および予測標準偏差とを演算して複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置である。
また、第1のクラス分類適応予測手段としては、学習により獲得された予測値を記憶することもできる。さらに、平均値分離および標準偏差の処理の代えてADRCを行うこともできる。
【0014】
複数のHD画素値を同時に予測するので、単一画素を予測するのに比して、より高性能の信号変換を行うことが可能となる。また、複数画素の同時予測と、単一画素の予測とを組み合わせることによって、複数画素のパターンの歪みが目立つことを防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。まず、この発明の理解を容易とするため、先に提案されているクラス分類適応処理を用いた、単一画素予測方式のアップコンバータを説明する。クラス分類適応処理を用いたアップコンバータでは、入力SD信号の特徴に基づき、入力信号をいくつかのクラスに分類し、予め学習により生成されたクラス毎の適応予測手法に従い、出力HD信号を生成する。
【0016】
一例として、図1Aに示すような入力SD信号(8ビットPCM(Pulse Code Modulation )データ)に対してクラス生成タップを設定し、入力SD信号の波形特性によりクラスを生成する。この図1Aの例では、注目SD画素(二重丸で示す)を中心として7タップ(7個のSD画素)でクラスが生成される。例えば、7タップデータに対し1ビットADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )を適用すると、7画素のデータから定義されるダイナミックレンジに基づき、7画素の最小値を除去した上で、各タップの画素値を適応的に1ビット量子化するので、128クラスが生成される。
【0017】
ADRCは、VTR用信号圧縮方式として開発されたものであるが、少ないクラス数で、入力信号の波形特性を表現するのに適している。ADRCの他にもクラス分類法としては、下記のものを採用することができる。
【0018】
1)PCMデータを直接使用する。
【0019】
2)DPCM(Differential PCM)を適用してクラス数を削減する。
【0020】
3)VQ(Vector Quantization )を適用してクラス数を削減する。
【0021】
4)周波数変換(DCT(Discrete Cosine Transform Coding)、アダマール変換、フーリエ変換等)の値に基づいたクラス分類を行う。
【0022】
こうして分類されたクラス毎に適応処理を実行するが、その適応処理の一例として、予め学習により生成されたクラス毎の予測係数を用いた予測処理が挙げられる。予測処理のときに使用される予測タップの一例を図1Bに示す。この一例は、注目SD画素を中心としたフレーム内13タップから予測タップが構成される。予測式の一例を式(1)に示す。
【0023】
【数1】
【0024】
y´:推定HD画素値
xi :SD信号予測タップ画素値
wi :予測係数
このように、クラス毎に生成された予測係数と入力データとの積和演算、例えば線形1次結合によりHD画素値を推定する。単一画素予測方式のクラス分類適応処理の回路構成を図2に示す。1で示す入力端子から入力SD信号が供給され、供給された入力SD信号は、クラス分類部2および予測タップ選択部3へ供給される。クラス分類部2では、上述した図1Aに示すようなクラスタップに基づき、入力SD信号に対するクラスが生成される。生成されたクラスは、クラス分類部2から予測係数ROM4へ供給される。
【0025】
予測係数ROM4では、生成されたクラスをアドレスとして予測係数が出力される。予測係数は、予測係数ROM4から予測演算部5へ供給される。予測タップ選択部3は、入力SD信号から上述した図1Bに示すように13タップからなる予測タップを選択する。選択された13タップからなる予測タップは、予測タップ選択部3から予測演算部5へ供給される。予測演算部5では、供給された予測係数および予測タップから前述した式(1)に示す予測演算が実行され、その演算結果は、出力端子6から出力される。
【0026】
上述した予測係数は、予め学習により生成しておくが、その学習方法について述べる。式(1)の線形1次結合モデルに基づく予測係数を最小自乗法により生成する例を示す。最小自乗法は、以下のように適用される。一般化した例として、Xを入力データ、Wを予測係数、Yを推定値として次の式を考える。
【0027】
観測方程式:XW=Y (2)
【0028】
【数2】
【0029】
上述の観測方程式(2)により収集されたデータに最小自乗法を適用する。式(1)の例においては、n=13、mが学習データ数となる。式(2)の観測方程式をもとに、式(4)の残差方程式を考える。
【0030】
残差方程式:XW=Y+E (4)
【0031】
【数3】
【0032】
式(4)の残差方程式から、各wi の最確値は、次式で表す誤差の自乗和を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、式(5)の条件を考慮すれば良いわけである。
【0033】
【数4】
【0034】
【数5】
【0035】
式(5)のiに基づくn個の条件を考え、これを満たすw1 、w2 、・・・、wn を算出すれば良い。そこで、残差方程式(4)から式(6)が得られる。
【0036】
【数6】
【0037】
式(5)および式(6)により式(7)が得られる。
【0038】
【数7】
【0039】
そして、式(4)および式(7)から、正規方程式(8)が得られる。
【0040】
【数8】
【0041】
式(8)の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各wi の最確値を求めることができる。そして、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)を用いて連立方程式を解く。
【0042】
この場合の学習においては、対象信号と教師信号との間で上述の線形1次モデルを設定し、最小自乗法により予め予測係数を生成しておく。その学習方法の一例となるフローチャートを図3に示す。このフローチャートは、ステップS1から学習処理の制御が始まり、ステップS1の学習データ形成では、例えば上述した図1Bに示す13タップから学習データが形成される。ここで、注目SD画素近傍のブロック内のダイナミックレンジが所定のしきい値より小さいもの、すなわちアクティビティーの低いものは、学習データとして扱わない制御がなされる。ダイナミックレンジが小さいものは、ノイズの影響を受けやすく、正確な学習結果が得られないおそれがあるからである。
【0043】
ステップS2のデータ終了では、入力された全データ、例えば1フレームまたは1フィールドのデータの処理が終了していれば、ステップS5の予測係数決定へ制御が移り、終了していなければ、ステップS3のクラス決定へ制御が移る。ステップS3のクラス決定は、上述した図1Aに示すように、注目SD画素近傍の画素位置の動き評価値に基づいたクラス決定がなされる。ステップS4の正規方程式では、上述した式(8)の正規方程式が作成される。全データの処理が終了後、ステップS2のデータ終了から制御がステップS5へ移る。このステップS5の予測係数決定では、この正規方程式が行列解法を用いて解かれ、予測係数が決定される。ステップS6の予測係数登録で、予測係数をメモリにストアし、このフローチャートが終了する。以上が予測演算方式によるクラス分類適応処理の概要である。
【0044】
この発明は、分類されたクラス毎に予め用意された複数画素パターンを出力する。すなわち、複数のHD画素を同時に出力するものである。図4に示すこの発明の第1の実施例は、上述した図11に示すSD画素とHD画素の関係に基づいて、mode1〜mode4で示す4個のHD画素を同時に出力するものである。
【0045】
入力端子10から供給される入力SD信号は、クラス分類部11、制御値生成部12および制御値生成部13に供給される。クラス分類部11は、上述したように、ADRC等によって、クラスタップとして選択された複数のSD画素のレベル分布等に応じてクラス情報を発生する。クラス分類部11で生成されたクラス情報は、適応処理部14のパターンROM15にアドレスとして、供給される。適応処理部14は、パターンROM15と演算部16から構成されている。
【0046】
パターンROM15は、分類されたクラス毎に予め用意された複数画素パターンPを出力する。このパターンPは、平均値分離、正規化値例えば標準偏差による正規化が施された基本波形であり、予め生成されて記憶されている。第1の実施例では、平均値および標準偏差がパラメータとして使用される。このパターンROM15から読出されたパターンPが演算部16に供給される。図11中のmode1〜mode4で示す4個のHD画素をy0 、y1 、y2 、y3 で表すと、この4画素の平均値Yは、次の式(9)で示すものである。
【0047】
【数9】
【0048】
また、これらの4画素の標準偏差σは、次の式(10)で表される。
【0049】
【数10】
【0050】
パターンROM15には、平均値分離および標準偏差による正規化で得られたパターンPが記憶されている。パターンPは、次の式(11)で表すものである。
【0051】
【数11】
【0052】
予め学習によって、クラス分類部11で生成されたクラス毎に最適なパターンPがパターンROMに記憶されている。このように、平均値分離および標準偏差による正規化の処理で得られたパターンPを記憶することによって、少ないメモリ容量のROMによって、クラス毎に精度良く、パターンを記憶することができる。
【0053】
そして、パターンPが供給される演算部16に対して、制御値生成部12からのHD平均値予測値Y’と、制御値生成部13からのHD標準偏差予測値σ’とが供給される。演算部16は、パターンPに対して、これらの予測値Y’およびσ’を使用して補正演算を実行し、4個のHD画素の予測値y0 ’〜y3 ’を同時に生成する。例えばHD画素の予測値y0 ’は、パターン中のy0 に対応する値にσ’を乗算し、Y’を加算することによって生成することができる。生成されたHD画素予測値y0 ’〜y3 ’が走査変換部17に供給され、所望の順序例えばテレビジョンラスターの走査順に一致した順序に変換され、出力端子18に取り出される。
【0054】
制御値生成部12は、入力SD信号がそれぞれ供給されるクラス分類部19と、予測タップ選択部20と、予測係数ROM21と、予測演算部22とからなる。予測係数ROM21には、予め学習により獲得された予測係数wi がクラス毎に格納されている。予測タップ選択部20では、例えば図5に示すように、注目SD画素x5 を中心とする3×3の9画素のSD画素x1 〜x9 が選択される。この選択された9個のSD画素の値と予測係数wi とにより次の式(12)に従って、予測演算部22がHD平均値予測値Y’を生成する。
【0055】
【数12】
【0056】
制御値生成部13も、制御値生成部12と同様に、クラス分類部と、予測タップ選択部と、予測係数ROMと、予測演算部とを有する。この制御値生成部13は、予測タップとして選択された9個のSD画素の値と予測係数vi により次の式(13)に従って、HD標準偏差予測値σ’を生成する。
【0057】
【数13】
【0058】
制御値生成部12中の予測係数ROM21に記憶されている予測係数wi は、上述した単一のHD画素を生成するクラス分類適応予測の場合と同様にして学習により求めることができる。但し、ここでは、HD画素値yではなく、4個のHD画素値のHD平均値YとHD平均値予測値Y’との誤差の自乗和を最小とするように、係数wi が学習により決定される。制御値生成部13中の予測係数ROMに記憶されている予測係数vi は、4個のHD画素値のHD標準偏差σとHD標準偏差予測値σ’との誤差の自乗和を最小とするように、予め学習により決定される。
【0059】
パターンROM15に記憶されるパターンPの生成は、ベクトル量子化の手法と類似の方法により行うことができる。ベクトル量子化について図6を参照して説明する。例えばX0〜X3の4個の画素にベクトル量子化を適用する場合を考える。4画素により構成されるブロックデータは、4個の独立成分により構成される4次元ベクトルで表現される。各ブロックのデータは、図6に示されるような4次元ベクトル空間内に存在する。このベクトル空間は、X0〜X3までの座標軸で構成されている。
【0060】
画像データから生成される4次元ベクトルのベクトル空間内の存在領域を調べると、ベクトル空間内に一様に分布するのではなく、存在領域が偏っている。それは、画像に局所的相関が存在するからである。そこで近接する複数のベクトルを集めて一つのクラスを生成する。図6では、クラス0、クラス1、・・・クラスNが示されている。クラスNに注目すると、その中には、ベクトルv0、v1、・・・、vkが含まれている。このクラスNに対して代表ベクトルが選択される。
【0061】
このように生成されたクラス毎に代表ベクトルを決定する。この代表ベクトルは、予めブロックデータを対象とした学習により決定され、コードブックに登録しておく。任意の入力ベクトルに対して、コードブックに登録されている代表ベクトルとの一致度が調べられる。最も近似した代表ベクトルのクラスが選択される。例えばノルム最小規範の条件を満たすものとして代表ベクトルが求められる。
【0062】
上述したベクトル量子化の手法と同様に、mode1〜mode4の4個のHD画素に関して、クラス毎に基本波形であるパターンPを予め学習によって求める。より具体的にパターンPの学習について説明すると、4個のHD画素が平均値分離および標準偏差による正規化の処理を受ける。この処理後の値の分布がクラス毎に調べられる。画像の局所的相関と、平均値分離および標準偏差による正規化の処理と、クラス分類とに基づいて、値の分布が集中したものとなる。
【0063】
そして、その分布に対して、代表ベクトルを求めたのと同様にして、最も近似した値、すなわち、パターンPが決定される。このようにしてクラス毎に求めたパターンPがパターンROM15に格納される。適応処理部14の演算部16では、パターンPと制御値生成部からの予測値Y’およびσ’を使用して、4個のHD画素予測値y0 ’〜y3 ’を同時に出力する。
【0064】
図7は、この発明の第2の実施例を示す。上述した第1の実施例と同様の構成であるが、制御値生成部12および13が予め学習により用意された予測制御値を出力する点が相違する。制御値生成部12は、クラス分類部23および制御値ROM24により構成される。クラス分類部23は、図4中のクラス分類部19と同様に、周辺の複数のSD画素の特徴に基づいてクラス分類処理を行う。そして、クラス分類部23からのクラス情報が制御値ROM24にアドレスとして供給される。
【0065】
制御値ROM24には、予め学習によって、制御値であるHD平均値予測値Y’がクラス毎に格納されている。従って、制御値ROM24から、適応処理部14の演算部16に対して、ROM24からHD平均値予測値Y’が供給される。制御値を学習する場合には、例えば学習対象の多数のHD平均値Yの平均値を求めるようになされる。
【0066】
図8は、この発明の第3の実施例を示す。第3の実施例は、上述した複数画素の同時予測と、前述した単一画素予測(クラス分類適応予測)とを組み合わせたものである。図8において、破線で囲んで示す30は、複数画素予測部を示し、31は、単一画素予測部を示す。
【0067】
複数画素予測部30は、上述した図4あるいは図7に示す構成のものである。また、後述する第4の実施例(図9)あるいは第5の実施例(図10)の構成も複数画素予測部30に対して適用できる。この複数画素予測部30は、入力SD画像信号が供給されるクラス分類部11、制御値生成部12、制御値生成部13と、クラス分類部11からのクラス情報が供給されるパターンROM15と、パターンPと制御値Y’およびσ’からHD画素予測値を生成する演算部16とにより構成される。複数画素予測部30からのHD画素予測値が走査変換部17に供給される。
【0068】
単一画素予測部31は、入力SD画像信号が供給されるクラス分類部32および予測タップ選択部33と、クラス分類部32からのクラス情報に応答して予測係数を出力する予測係数ROM34と、予測タップ選択部33で選択された画素と予測係数とから線形1次結合によって一つのHD画素予測値を発生する予測演算部35とにより構成されている。予測演算部35からのHD画素予測値が走査変換部17に供給される。
【0069】
走査変換部17では、複数画素予測部30からの複数のHD画素予測値と、単一画素予測部31からのHD画素予測値とを受け取って、これらを組み合わせると共に、所望の順序(例えばテレビジョン走査の順序)に並べる。基本的には、大半の部分において複数画素予測部30からの複数のHD画素予測値が出力HD画素として選択される。但し、複数画素パターン境界等で、パターン歪みが目立つおそれがある箇所では、単一画素予測部31からのHD画素予測値が出力HD画素として選択される。この選択は、予め定めた規則に従った方法、およびHD画素予測値を見てパターン歪みが発生するおそれがある時に単一画素予測部31の出力を選択するように、ダイナミックに行う方法の何れのものでも可能である。
【0070】
この図8に示す第3の実施例は、複数画素予測と単一画素予測を組み合わせているので、複数画素予測の場合に、複数画素のパターン同士の境界が復元HD画像中で目立つパターン歪みを防止することができる。
【0071】
図9は、この発明の第4の実施例を示す。上述した実施例では、複数のHD画素予測値を発生するパターンPは、平均値分離と標準偏差による正規化の処理をされたものである。これに対して、第4の実施例および次に述べる第5の実施例は、ADRC処理により生成された複数画素パターンP’を出力するようにしたものである。従って、パラメータがADRCの符号化の基準値である。この基準値を重要語と称する。4個のHD画素y0 〜y3 をADRCで符号化する場合では、下記の式(14)に基づいてADRCコードci が生成される。
【0072】
ci =(yi −MIN)/(DR/2k ) (14)
ci :ADRCコード (i=0,・・・,3)
yi :対象HD画素値 (i=0,・・・,3)
MIN:4画素からなるブロックの最小値
DR:4画素からなるブロックのダイナミックレンジ(MAX−MIN)
k:再量子化ビット数
なお、ADRCでは、基準値として最小値MINに限らず、ブロックの最大値MAXあるいは平均値を採用し、最大値MAXから画素値を減算した値、画素値から平均値を減算した値を再量子化しても良い。
【0073】
図9において、入力端子10からのSD画像信号がクラス分類部11に供給され、生成されたクラス情報が適応処理部44のADRC ROM45にアドレスとして供給される。ADRC ROM45には、4画素と対応したADRCコードci の組がパターンP’として記憶されている。このパターンP’は、予め学習により獲得され、ROM45に格納されている。例えば上述したベクトル量子化と類似の手法によりパターンP’を得ることができる。
【0074】
また、入力SD信号が重要語生成部42および43に供給される。重要語生成部42は、ダイナミックレンジDRの予測値DR’を出力する。重要語生成部43は、最小値MINの予測値MIN’を出力する。重要語生成部42は、入力SD画像信号が供給されるクラス分類部49と、予測タップ選択部50と、クラス分類部49からのクラス情報がアドレスとして供給される予測係数ROM51と、予測係数ROM51からの予測係数と予測タップ選択部50からの画素値とを受け取って、両者の線形1次結合により予測値DR’を生成する予測演算部52とから構成されている。重要語生成部43も、重要語生成部42と同様の構成である。
【0075】
例えば9個のSD画素と4個のHD画素との関係を学習することによって、誤差の最も少ないダイナミックレンジの予測値を発生するような予測係数が獲得され、この予測係数が予測係数ROM51に格納される。同様に予め学習により獲得された予測係数を使用して最小値の予測値MIN’が生成される。これらの予測された重要語DR’およびMIN’がADRC復号部46に供給される。
【0076】
ADRC復号部46には、ADRC ROM45からパターンP’(ADRCコードci の組)が供給される。再量子化ビット数kは、所定の値とされているので、式(14)に基づいて、ADRC復号部46は、HD画素予測値y0 ’〜y3 ’を生成する。このHD画素予測値が走査変換部17に供給され、所望の順序(例えばテレビジョンラスターの順序)でもって出力端子18に対して出力される。
【0077】
図10は、この発明の第5の実施例を示す。ADRCの符号化方式によって発生するADRCコードの組をパターンP’として記憶しているADRC ROM45が設けられ、重要語生成部42および43によって、予測値DR’およびMIN’を生成するのは、上述した第4の実施例と同様である。
【0078】
第5の実施例では、重要語生成部42および43が予め学習により獲得された予測値を出力する。重要語生成部42では、クラス分類部53からのクラス情報が重要語ROM54に供給され、重要語ROM54からダイナミックレンジの予測値DR’が出力される。同様に、重要語生成部43にも、重要語ROMが設けられ、この重要語ROMからクラスに応じた最小値の予測値MIN’が出力される。これらの予測値DR’およびMIN’と、パターンP’よりADRC復号部46がHD画素の予測値を生成する。
【0079】
予測値の学習方法としては、重心法と称される手法が用いられる。すなわち、学習時に各クラス毎に重要語の教師信号を収集し、その平均値を生成し、平均値をROMに格納するようになされる。なお、再量子化ビット数kは、任意に選定できるが、ビット数を多くすると、精度が向上できる。
【0080】
なお、パターンを生成するための方法としては、上述したもの以外の方法を使用することができる。
【0081】
【発明の効果】
この発明に依れば、複数画素を同時にクラス分類適応予測により予測するので、単一画素の予測方式と比較してより高性能なアップコンバージョンを行うことが可能である。また、この発明では、モード毎に異なる予測演算を行うことが不要となり、構成および処理の簡略化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で使用されるクラス分類適応予測処理の説明のための画素の配置を示す略線図である。
【図2】単一画素の予測に適用されるクラス分類適応予測装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】クラス分類適応予測における予測係数を学習するためのフローチャートである。
【図4】この発明の第1の実施例のブロック図である。
【図5】この発明の第1の実施例における予測タップの一例を示す略線図である。
【図6】この発明の第1の実施例におけるパターンの学習方法の説明のための略線図である。
【図7】この発明の第2の実施例のブロック図である。
【図8】この発明の第3の実施例のブロック図である。
【図9】この発明の第4の実施例のブロック図である。
【図10】この発明の第5の実施例のブロック図である。
【図11】SD画素とHD画素の配置を示す配置図である。
【図12】従来の2次元ノンセパラブル構成のアップコンバータを示す。
【図13】従来の垂直/水平セパラブル構成のアップコンバータを示す。
【符号の説明】
12,13・・・制御値生成部、14・・・適応処理部、15・・・パターンROM、30・・・複数画素予測部、31・・・単一画素予測部、42,43・・・重要語生成部、45・・・ADRC ROM、46・・・ADRC復号部
Claims (8)
- 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される平均値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測平均値を生成する予測平均値生成手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される標準偏差を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測標準偏差を生成する予測標準偏差生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているパターンと上記予測平均値および上記予測標準偏差とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される予測平均値が学習により予め獲得され、記憶されている予測平均値生成手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される標準偏差が学習により予め獲得され、記憶されている予測標準偏差生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているパターンと上記予測平均値および上記予測標準偏差とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対してADRC符号化の処理を施して得られるADRCコードが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素値のADRC符号化の際の基準値である、ブロックのダイナミックレンジ、最小値、最大値の内の2個の値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、上記2個の値の予測値を生成する予測基準値生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているADRCコードと上記基準値の予測値とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力するADRC復号手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換する際に、入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する画像信号変換装置であって、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対してADRC符号化の処理を施して得られるADRCコードが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素値のADRC符号化の際の基準値である、ブロックのダイナミックレンジ、最小値、最大値の内の2個の値の予測値が学習により予め獲得され、記憶されている予測基準値生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているADRCコードと上記基準値の予測値とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力するADRC復号手段と
とからなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像信号変換装置において、
入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する第1のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラス毎に予測係数または予測値が予め学習によって獲得され、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラスに対応する上記予測係数または予測値を使用して、上記第1のディジタル画像信号中の上記注目画素の近傍の上記第2のディジタル画像信号の単一の予測画素値を生成する第2のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のクラス分類適応予測手段からの予測画素値と上記第2のクラス分類適応予測からの予測画素値とを組み合わせて出力する手段とからなり、
上記第1のクラス分類適応予測手段は、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される平均値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測平均値を生成する予測平均値生成手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される標準偏差を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、予測標準偏差を生成する予測標準偏差生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているパターンと上記予測平均値および上記予測標準偏差とを 演算して上記複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像信号変換装置において、
入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する第1のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラス毎に予測係数または予測値が予め学習によって獲得され、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラスに対応する上記予測係数または予測値を使用して、上記第1のディジタル画像信号中の上記注目画素の近傍の上記第2のディジタル画像信号の単一の予測画素値を生成する第2のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のクラス分類適応予測手段からの予測画素値と上記第2のクラス分類適応予測からの予測画素値とを組み合わせて出力する手段とからなり、
上記第1のクラス分類適応予測手段は、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対して平均値分離および標準偏差による正規化の処理を施して得られるパターンが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される予測平均値が学習により予め獲得され、記憶されている予測平均値生成手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記平均値分離に使用される標準偏差が学習により予め獲得され、記憶されている予測標準偏差生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているパターンと上記予測平均値および上記予測標準偏差とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力する演算手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像信号変換装置において、
入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する第1のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラス毎に予測係数または予測値が予め学習によって獲得され、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラスに対応する上記予測係数または予測値を使用して、上記第1のディジタル画像信号中の上記注目画素の近傍の上記第2のディジタル画像信号の単一の予測画素値を生成する第2のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のクラス分類適応予測手段からの予測画素値と上記第2のクラス分類適応予測からの予測画素値とを組み合わせて出力する手段とからなり、
上記第1のクラス分類適応予測手段は、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対してADRC符号化の処理を施して得られるADRCコードが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素値のADRC符号化の際の基準値である、ブロックのダイナミックレンジ、最小値、最大値の内の2個の値を予測するための予測係数が学習により予め獲得され、記憶されており、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の複数の画素値と上記記憶されている予測係数とに基づく積和演算によって、上記2個の値の予測値を生成する予測基準値生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているADRCコードと上記基準値の予測値とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力するADRC復号手段と
からなることを特徴とする画像信号変換装置。 - 第1のディジタル画像信号を該第1のディジタル画像信号より解像度の高い第2のディジタル画像信号に変換するようにした画像信号変換装置において、
入力される上記第1のディジタル画像信号中の注目画素の近傍の互いに近接する上記第2のディジタル画像信号の複数の画素の予測画素値を同時に生成する第1のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラス毎に予測係数または予測値が予め学習によって獲得され、入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき分類されるクラスに対応する上記予測係数または予測値を使用して、上記第1のディジタル画像信号中の上記注目画素の近傍の上記第2のディジタル画像信号の単一の予測画素値を生成する第2のクラス分類適応予測手段と、
上記第1のクラス分類適応予測手段からの予測画素値と上記第2のクラス分類適応予測からの予測画素値とを組み合わせて出力する手段とからなり、
上記第1のクラス分類適応予測手段は、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素の各画素値に対してADRC符号化の処理を施して得られるADRCコードが予め学習により獲得され、記憶されている記憶手段と、
入力される上記第1のディジタル画像信号の上記注目画素の周辺の画素のレベル分布に基づき決定されるクラス毎に、上記複数の画素値のADRC符号化の際の基準値である、ブロックのダイナミックレンジ、最小値、最大値の内の2個の値の予測値が学習により予め獲得され、記憶されている予測基準値生成手段と、
上記記憶手段に記憶されているADRCコードと上記基準値の予測値とを演算して上記複数の画素の予測画素値を出力するADRC復号手段と
とからなることを特徴とする画像信号変換装置。
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