JP3794505B2 - 信号変換装置及び信号変換方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術(図12〜図14)
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段(図1〜図11)
作用
実施例(図1〜図11)
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は信号変換装置及び信号変換方法に関し、例えばNTSC等の標準解像度信号(SD:Standard Difinition )をハイビジヨン等の高解像度信号(HD:High Difinition )に変換するアツプコンバータに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、この種のアツプコンバータにおいては、SD信号に対して周波数補間処理を施すことにより、画素数を増やしてHD信号を生成している。例えば図12に示すように、HD画像1では走査線1A上で大きな「○」印及び大きな「△」印でなるSD信号に対して水平及び垂直方向にそれぞれ2倍の周波数補間を施すことにより、小さな「○」印及び小さな「△」印でなるHD信号を生成している。
【0004】
アツプコンバータによる補間例としては、SD信号のフイールドデータから、4種類の位置のHD画素を生成する方法がある。例えば図中の「◎」印のSD画素に注目すると、その近傍の4種類mode1,mode2,mode3 及びmode4 の位置のHD画素を補間により生成する。
このとき用いる補間フイルタとしては、図13に示す空間内2次元ノンセパラブルフイルタ2や、図14に示す水平/垂直セパラブルフイルタ3がある。
【0005】
2次元ノンセパラブルフイルタ2は4種類の位置のHD画素mode1,mode2,mode3 及びmode4 それぞれについて2次元フイルタ4A〜4Dによつて独立に補間処理を実行し、各補間結果を選択部5において直列化しHD信号を得る。
水平/垂直セパラブルフイルタ3は垂直補間フイルタ6Aによりmode1及びmode3用の処理を実行し、垂直補間フイルタ6Bによりmode2及びmode4用の処理を実行してHD信号の2本の走査線データを形成する。次に各走査線に対して水平フイルタ7A及び7Bを用いて4種類の位置のHD画素を補間して選択部8において直列化することによりHD信号を生成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述したような従来のアツプコンバータでは補間フイルタとして理想フイルタを使用した場合でも、画素数は増えるものの空間解像度はSD信号と変わらない。また実際には理想フイルタを用いることはできないため、SD信号より解像度の低下したHD信号を生成することしかできないという問題がある。
【0007】
このような問題を解決する方法として、入力SD信号の特徴に基づいてSD信号をいくつかのクラスに分類し、予め学習により生成されたクラス毎の予測データでなる予測係数を用いて高解像度のHD信号を生成するクラス分類適応処理方法が提案されている(特開平5-328185号公報参照)。
【0008】
ところがクラス分類適応処理方法を用いてHD信号を生成する場合、学習によつて予測係数を生成するときに入力SD信号の特徴に応じて適切なクラス分類が行なわれないとHD信号の予測精度が低下するという問題があつた。
すなわちクラス分類の能力が十分でないと、本来、別のクラスに分かれるべきHD信号が同じクラスに分類される。このため学習により得られる予測係数は、性質の異なるHD信号の平均値を予測することになり、その結果、HD画像信号の解像度復元能力が低下するという問題があつた。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、入力画像信号をその特徴に応じて適切に分類評価することにより、高い予測精度で高解像度のHD画像信号を生成し得る信号変換装置及び信号変換方法を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、ブロツク単位の入力画像信号について設定した複数の互いに異なる画素パターンから周波数特性に応じた画素パターンを選択する選択部と、当該選択された画素パターンを形成する入力画像信号に対して、周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した上記画素パターンを形成する上記入力画像信号のレベル分布に基づいて、入力画像信号に対するクラスコードを設定するデータ圧縮クラス分類部と、周波数特性及び又はクラスコードに対応させて予め予測係数又は予測値が記憶されている記憶手段とを備える。
【0011】
【作用】
従つて、入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を分類評価し、ブロツク単位の入力画像信号について設定した複数の互いに異なる画素パターンからその周波数特性に応じた画素パターンを選択する。またこの画素パターンを形成する入力画像信号に対して周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定し、当該設定した量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した画素パターンを形成する入力画像信号のレベル分布に基づいてクラスコードを設定する。
そして周波数特性及び又はクラスコードに対応させて予め予測係数又は予測値が記憶されている記憶手段から、入力画像信号に対する周波数特性及び又はクラスコードに応じた予測係数又は予測値を読み出して入力画像信号の補間画素を得ることで高解像度な画像信号を得ることができる。
【0012】
【実施例】
以下図面について本発明の一実施例を詳述する。
【0013】
図1に示す10は全体としてクラス分類適応処理を適用してSD画像信号からHD画像信号を生成する2次元ノンセパラブルフイルタによるアツプコンバータを示す。このアツプコンバータ10に入力端11を通じて入力されるSD画像信号S1 は、クラス分類部12及び予測演算部13に並列に送出される。クラス分類部12では新たに生成するHD画像信号の周辺のSD画像信号S1 の特徴に基づいてクラスデータd0を生成する。クラスd0はアドレスデータとして記憶手段である予測係数ROM(Read Only Memory)14に送出される。
【0014】
予測係数ROM14には、予め学習により求められたクラス毎の予測データd1でなる予測係数がクラスd0に対応して格納されている。予測係数ROM14ではクラスd0をアドレスデータとして予測データd1を読み出して予測演算部13に送出する。予測演算部13では、SD画像信号S1 に対して予測データd1を用いた所定の予測演算を実行することによりSD画像信号S1 をHD画像信号S2 に変換し、出力端16より送出する。
【0015】
アツプコンバータ10の予測演算部13は4つの予測演算部13A〜13Dから形成され、各演算部においてそれぞれ走査線上の4種類の位置mode1 、mode2 、 mode3及びmode4 に対応する補間画素でなるHD画素d2、d3、d4及びd5を生成する。各予測演算部13A〜13DではそれぞれSD画像信号S1 に対して予測データd1を用いた積和演算を実行する。各予測演算部13A〜13Dにおいて生成された各HD画素d2、d3、d4及びd5は選択部15に送出される。選択部15では各HD画素d2、d3、d4及びd5をバツフアメモリ(図示せず)を用いて所望の時系列に並び替えて出力端16からHD画像信号S2 として出力する。
【0016】
図2に示すように、クラス分類部12では先ず、周波数特性判定部21において入力端20を通じて入力されるSD画像信号Sの所定ブロツク単位毎に周波数成分を分類してその分布特性を評価判定する。クラス分類部12はこの評価判定結果に基づいて周波数分類によるクラスデータc0を生成して選択部25及びADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )クラス分類部26に送出する。一方でSD画像信号Sは、それぞれ異なつた3種類の画素(タツプ)パターンを設定する広領域タツプ選択部22、狭領域タツプ選択部23及び標準タツプ選択部24に並列に送出される。このタツプパターンの選択部において各ブロツク単位の入力SD画像信号Sに対して空間クラスのタツプパターンp0、p1及び p2 が設定される。
【0017】
図3に示すように、周波数特性判定部21には特性の異なる複数のバンドパスフイルタが設けられている。
入力端30を通じて周波数特性判定部21に入力されたブロツク単位のSD画像信号S1 は、バンドパスフイルタ31A〜31Dの特性に応じて例えば、図4に示すような周波数成分f0〜f3に分離され、周波数成分判定部32に送出される。
【0018】
図4に示す周波数特性では、最も低い周波数成分の出力f0が最も大きいことが明らかである。この場合、周波数成分判定部32は、定常性を前提とした周波数分類による周波数クラスc0を生成する。これに対して低い周波数成分の出力f0に比して高い周波数成分の出力f2やf3が大きな場合、周波数成分判定部32は非定常性を前提とした周波数クラスc0を生成する。
かくして周波数クラスc0はクラス分類部12内の選択部25及びADRCクラス分類部26に送出される。
【0019】
次に選択部25及びADRCクラス分類部26におけるクラス分類について具体的に述べる。
先ず、上述した3種類の空間クラスタツプの選択部の内、広領域タツプ選択部22は入力SD画像信号S1 の定常的な変動に注目する。すなわち広領域タツプ選択部22では図5(A)に示すような広領域用のクラスタツプパターンを設定する。標準タツプ選択部24は入力SD画像信号S1 の標準的な変動に注目し、図5(B)に示すような一般的な空間クラスのタツプパターンを設定する。また狭領域タツプ選択部24は入力SD画像信号S1 の非定常的な変動に注目し、非定常的な信号変化に対して図5(C)に示すような狭領域用のクラスタツプパターンを設定する。
【0020】
広領域タツプ選択部22、狭領域タツプ選択部23及び標準タツプ選択部24では各選択部において設定した空間クラスのタツプパターンp0、p1及びp2を選択部25に送出する。選択部25では周波数特性判定部21から送出されてくるクラスc0を選択制御信号としてタツプパターンp0、p1及びp2からいずれか一つのクラスタツプを選択する。選択したタツプパターンp3をADRCクラス分類部26に送出する。
【0021】
ADRCクラス分類部26では、入力SD画像信号S1 の周波数特性に応じて得られたクラスc0を制御信号としてADRCの再量子化ビツト数を設定する。これによりSD画像信号S1 の周波数成分の分布に応じて空間クラスのタツプパターンのタツプのレベル分解能を変えて設定することができる。
【0022】
ADRCは再量子化として定義される量子化ステツプ幅により、画素を再量子化するものでADRCコードci はダイナミツクレンジDR、再量子化ビツト数k、SD画素xi 及びその近傍領域内の最小画素レベルMINとから次式
【数1】
Figure 0003794505
によつて表される。
空間クラスのタツプパターンのレベル分解能の切り替えは、具体的には(1)式のADRC演算における再量子化ビツト数kをクラスc0に応じて切り替えることによつてなされる。これにより入力信号の周波数分布に応じて、レベル分解能を可変に設定することができる。
【0023】
このようにしてADRCコードci が生成され、空間クラスとを合わせたクラス分類結果としてクラスc1が得られる。この結果、クラス分類部12ではクラスc0及びクラスc1とでなるクラスd0が生成される。このクラスd0はアドレスデータとして後段の予測係数ROM14へ送出される。
【0024】
クラス分類部12は、入力SD画像信号S1 に対して7画素のクラス生成タツプを設定して入力信号の波形特性に応じてクラスを生成する。ここでクラス分類に際し、7画素分の8ビツトのPCM(Pulse Code Modulation) データを直接用いた場合、クラス数が256通りと膨大になり実用的ではなくなる。そこで7画素分のPCMデータに対してADRCにより再量子化によるデータ圧縮処理を施してクラス数を削減する。すなわち7画素のデータから定義されるダイナミツクレンジDRに基づいて7画素の最小値を除去し、各画素の画素レベルを適応的に1ビツト量子化することによつてクラス数を128 クラスに削減することができる。因みにADRCはVTR(Video Tape Recorder) 用信号圧縮方式として開発されたものであるが、少ないクラス数で入力信号の波形特性を表現するのに適している。
【0025】
予測係数ROM14からはクラスデータd0をアドレスデータとしてHD画素を生成する際に用いる予測データd1が読み出され、予測演算部13に送出される。予測演算部13A〜13Dは、SD画像信号S1 でなるSD画素xi とクラス毎の予測データd1でなる予測係数ωi を用いて走査線1A上の位置mode1 〜mode4 に相当する補間画素でなるHD画素の推定画素yi を生成する。
このとき用いるSD画素xi は例えば、図6に示すように注目画素(図中◎で示す)及び周辺画素(図中○で示す)でなる13個のタツプデータで形成される。
【0026】
HD画素の推定画素yi は上述した13個のSD画素xi 及び予測係数ωi を用いて予測式
【数2】
Figure 0003794505
によつて信号変換され生成される。
ここで用いられる予測係数ωi は予め学習によつて求められ、予測係数ROM13に格納されている。
【0027】
ここで予測係数ROM13に格納されているクラス毎の予測係数の学習について述べる。
予測係数は、図7に示す予測係数学習手順に従つて求められる。予測係数学習手順はステツプSP1で開始されると、先ずステツプSP2において予測係数を学習するために、既に知られている画像に対応した学習データを生成する。
【0028】
具体的には、図12に示すHD画像1において、HD画素をHD注目画素として、このHD注目画素を周辺のHD画素及びSD画素でなる一組の学習データによつて予測係数を用いた線形一次結合モデルによつて表す。このとき用いた予測係数を各クラス毎に最小自乗法を用いて求める。なお、このように学習データを生成する際に、1つの画像のみを用いるのではなく複数の画像を用いて多数の学習データを生成すれば、より正確な予測係数を得ることができる。
【0029】
ステツプSP3では、ステツプSP2で生成した学習データの数が予測係数を得るのに必要なだけ生成されたか否か判定する。ここで学習データ数が必要数に満たないと判定された場合には予測係数学習手順はステツプSP4に移る。
ステツプSP4では、クラス学習データをクラス分類する。クラス分類は先ず、初めに学習サンプリングデータの局所的な平坦度を検出し、当該検出結果に応じてクラス分類に用いる画素を選択する。これにより入力信号の変化の小さいものを学習対象から除外してノイズの影響を排除することができる。このクラス学習データのクラス分類は入力SD画像信号S1 をクラス分類する場合と同様の処理を実行することによつてなされる。
【0030】
すなわちクラス学習データのクラス分類は、先ず、学習データの周波数特性を分類評価して周波数クラスc0を設定する。続いて広領域、狭領域及び標準の3種類のタツプパターンから周波数クラスc0に基づいていずれか一つのタツプパターンを空間クラスc1として選択する。このようにして得られた周波数クラスc0及び空間クラスc1とを図8に示すように組み合わせ、その結果、得られるクラスd0を予測係数d1と対応させてROMに記憶する。これにより各学習データを各クラスd0毎に予測係数d1と対応させたクラス分類ができる。
【0031】
続いて予測係数学習手順はステツプSP5において、クラス分類された学習データに基づき、各クラス毎に正規化方程式を形成する。
ステツプSP5での処理を具体的に説明する。ここでは一般化するために学習データとしてn個のサンプリング画素が存在する場合について述べる。先ず各サンプリング画素の画素レベルx1 、……、xn と注目補間画素のサブサンプル以前の画素レベルyの関係を、クラス毎に予測係数ω1 、……、ωn によるnタツプの線型一次結合モデルによる予測式で表す。この予測式を次式
【数3】
Figure 0003794505
に示す。
この(3)式における予測係数ω1 、……、ωn を求めることにより、画素レベルyを推定する。
【0032】
次に予測係数ω1 、……、ωn を最小自乗法により生成する例を示す。最小自乗法は次のように適用される。
一般化した例として、Xを入力データ、Wを予測係数、Yを推定値として次の観測方程式を考える。
【数4】
Figure 0003794505
この(4)式の観測方程式により収集されたデータに対して最小自乗法を適用する。(4)式の例においては、n=13、mが学習データ数となる。
【0033】
先ず、(4)式の観測方程式をもとに、次の残差方程式を考える。
【数5】
Figure 0003794505
(5)式の残差方程式から、各ωi の最確値は次式
【数6】
Figure 0003794505
を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。
すなわち(6)式のωi による偏微分が次式
【数7】
Figure 0003794505
のときに、この(7)式のiに基づくn個の条件を考え、これを満たすω1 、ω2 、……、ωn を算出すれば良い。そこで残差方程式(5)式から次式が得られる。
【数8】
Figure 0003794505
この(8)式と(7)式とにより次式
【数9】
Figure 0003794505
が得られる。そして(5)式及び(9)式から次に示す正規方程式が得られる。
【数10】
Figure 0003794505
(10)式の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能なので、これにより各ωi の最確値を求めることができる。
この正規方程式は、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)を用いて解くことができる。
【0034】
予測係数学習手順では、各クラス毎に未定係数ω1 、……、ωn を求めるために未知数の数nと同じ数の正規化方程式が形成されるまでステツプSP2−SP3−SP4−SP5−SP2のループを繰り返す。
【0035】
このようにして必要な数の正規化方程式が得られると、ステツプSP3では学習データが終了したか否かの判定に対して肯定結果が得られ、処理はステツプSP6の予測係数決定に移る。
【0036】
ステツプSP6では、(10)式の正規化方程式を解いて各クラス毎の予測係数ω1 、……、ωn を決定する。このようにして得られた予測係数を次のステツプSP7でクラス毎にアドレス分割されたROM等の記憶手段に登録する。以上の学習により、クラス分類適応処理の予測係数が生成され次のステツプSP8で予測係数学習手順を終了する。
【0037】
以上の構成において、入力端11を通じてアツプコンバータ10に入力されるSD画像信号S1 はクラス分類部12及び予測係数演算部13に対して並列に送出される。クラス分類部12ではSD画像信号S1 に基づいてクラスデータd0を生成して予測係数ROM14に送出する。予測係数ROM14では予め学習によつて求められている予測係数d1をクラスデータd0に応じて読み出し、予測係数演算部13に送出する。予測係数演算部13では各予測演算部13A〜13Dにおいて入力端11から送出されてくるSD画像信号S1 及び予測係数ROM14から送出される予測係数d1をもとにして走査線上の4つの位置(mode1 〜mode4)に対応したHD画素を生成する。
【0038】
ここでクラス分類部12は周波数分類部21において入力SD画像信号S1 を周波数領域で複数の周波数成分f0〜f3に分類し、周波数成分f0〜f3の分布特性に基づいてSD画像信号S1 の周波数特性を判定し、その結果をクラスc0として選択部25及びADRCクラス分類部26に送出する。
【0039】
選択部25はクラスc0をもとにして、低周波数成分が大きいSD画像信号S1 に対しては、図5(A)に示すような比較的広い領域の信号変化のクラスタツプパターンp0を選択して緩やかな信号変化をタツプパターンに反映する。これに対して高周波数成分が大きい激しい信号変化のSD画像信号S1 に対しては、図5(C)に示すような狭い領域のクラスタツプパターンp2を設定して狭い領域の信号変化を可能な限りのクラス数で表現する。これにより周波数領域から観た信号特性が類似したSD画像信号S1 によりその信号特性に適応したクラスが生成される。
【0040】
ADRCクラス分類部26はクラスc0に基づいて、低周波数成分が大きいSD画像信号S1 に対しては空間クラス分類用の各タツプの再量子化ビツト数を小さく設定する。これにより各タツプのレベル分解能が低くなり、定常性を前提としたクラス分類ができる。これに対して高周波数成分が大きいSD画像信号S1 に対しては空間クラス分類用の各タツプの再量子化ビツト数を多く設定してレベル分解能を高くする。これにより高周波数成分が大きいSD画像信号S1 の非定常的な信号変化をクラスに反映させることができる。
【0041】
このようにしてクラス分類部12は入力SD画像信号S1 の周波数の分布特性に応じてクラス分類に用いる画素のタツプパターンを切り替えると共に、空間クラス分類用の各タツプの再量子化ビツト数を切り替えることによつてレベル分解能を調整する。これにより入力SD画像信号S1 の周波数特性に応じて適切なクラス分類がなされる。
【0042】
クラス分類部12はクラスc0及びc1との組み合わせたクラスd0を次段の予測係数ROM14に送出する。予測係数ROM14はこのクラスd0に基づいて予測データd1を読み出し予測演算部13に送出する。予測演算部13はこの予測データd1を用いてSD画素を変換してHD画素を生成する。この結果、入力SD画像信号S1 の周波数特性を反映したHD画素の予測データd1を得ることができる。かくしてSD画素から変換して生成するHD画素の精度を向上させ解像度復元能力の低下を未然に防止し得る。
【0043】
以上の構成によれば、アツプコンバータ10に入力されるSD画像信号S1 の周波数を周波数特性判定部21において分離して信号の周波数領域の分布特性を判定し、その結果得られるクラスデータc0によつて、3種類の空間クラスのタツプパターンの中からSD画像信号S1 の周波数領域の分布特性に応じたタツプパターンを設定することができる。さらにクラスc0によつて空間クラス分類用の各タツプの再量子化ビツト数を変えてレベル分解能を切替えることにより、信号変化が定常的な場合と非定常的な場合とをクラス分類に反映することができる。かくして、入力信号の周波数領域の分布特性に応じて適切なクラス分類がなされ、入力SD画像信号S1 の特性が反映された空間解像度の高いHD画像信号S2 を生成することができる。
【0044】
なお上述の実施例においては、タツプデータのデータ圧縮にADRCの手法を用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばDPCM(Differential Pulse Code Modulatin )やVQ(Vector Quantization )の手法を用いてデータ圧縮しても良い。
【0045】
また上述の実施例においては、空間クラスのタツプパターンを広領域タツプ、狭領域タツプ及び標準タツプの3種類に設定した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2種類又は4種類以上のタツプパターンを設定しても良い。
【0046】
また上述の実施例においては、アツプコンバータとして2次元ノンセパラブルフイルタを用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図1との対応部分に同符号を付した、図9に示すような垂直/水平セパラブル構成でなるアツプコンバータ40を用いても良い。
【0047】
アツプコンバータ40においては、先ず、入力端41を通じて入力されたSD画像信号S1 がクラス分類部12と予測演算部43に供給される。予測演算部43は走査線の位置mode1、mode2に対応する垂直予測演算部43A及び水平予測演算部43Bと走査線の位置mode3、mode4に対応する垂直予測演算部43C及び水平予測演算部43Dの2種類に分かれる。クラス分類部12では入力SD画像信号S1 に応じたクラスd0が生成され、タツプ予測係数を予め記憶している記憶手段である予測係数ROM44に送出する。予測係数ROM44はタツプ予測係数の垂直成分と水平成分を記憶する垂直係数ROM44Aと水平係数ROM44Bとに分かれている。クラスd0は垂直係数ROM44Aと水平係数ROM44Bのそれぞれに供給される。
【0048】
まず垂直係数ROM44Aより出力される垂直予測係数d6は垂直予測演算部43A及び43Cに供給される。
入力SD画像信号S1 と垂直予測係数d6による積和演算により垂直推定値d7、d8が生成される。この垂直推定値d7、d8は次段の水平予測演算部43B及び43Dに供給される。
【0049】
水平係数ROM44Bより出力される水平予測係数d9は水平予測演算部43B及び43Dに供給され、垂直推定値d7、d8との積和演算によりHD画素d10 、d11 信号を得る。
このHD画素d10 、d11 信号は選択的に伝送され、選択部15において適切に並び替えられ、出力端46より最終的な出力であるHD画像信号Sとして出力される。
【0050】
また上述の実施例においては、バンドパスフイルタ31A〜31Dを用いて入力SD画像信号S1 の周波数成分を分類した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばアダマール変換による直交変換によつて周波数成分を分離しても良い。
すなわち図10に示すように、周波数特性判定部50では入力端51より入力される所定ブロツク単位毎のSD画像信号S1 を直交変換部52において直交変換し、周波数成分判定部53においてクラス分類信号であるクラスc0を生成して後段の予測係数ROM14に送出する。
【0051】
直交変換部52は互いに直交する複数の直交変換基底より構成される直交変換行列からなる。直交変換部52は所定ブロツク単位毎の入力SD画像信号S1 に対して直交変換を施すと互いに独立で無相関な幾つかの直交変換成分に分離する。
この直交変換部52では1次元の入力SD画像信号S1 に対して4次アダマール変換を施す。すなわち4次アダマール変換は入力データX、アダマール変換行列H、出力Yとして次式
【数11】
Figure 0003794505
で表される。
この(11)式のアダマール変換行列Hの係数から分かるようにアダマール変換は加減算のみで出力が得られるため回路の負担が小さい。
【0052】
4次アダマール変換ではアダマール変換行列Hの中に4つのアダマール基底が存在する。各基底は互いに直交しており、いくつかの周波数成分への分離が可能となる。
アダマール基底と入力信号との演算により、4個のアダマール成分y1〜y4が得られる。
直交変換部52において生成されるアダマール変換成分y1〜y4は次段の周波数成分判定部53に送られる。
【0053】
アダマール変換成分y1〜y4は、例えば、図4に示すような4種類の周波数成分f0〜f3と対応する。周波数成分判定部53においてはこの周波数成分f0〜f3の組合せによりバンドパスフイルタを用いた場合と同様に周波数クラスを判定する。
判定の基準の例としては、入力SD画像信号S1 の周波数の低周波数成分と高周波数成分の割合を比較する。すなわち低周波数成分の占める割合の大きい場合には定常性を重視し、高周波数成分の占める割合が大きい場合には非定常性に注目してクラス分類する。これによりクラスタツプパターンを選択制御するクラス分類用のデータとしてクラスc0が生成される。
【0054】
このように周波数成分分類に4次アダマール変換を用いてもバンドパスフイルタを用いた場合と同様にクラス分類用のデータであるクラスc0を生成することができる。また周波数成分分類に用いるアダマール変換は4次のアダマール変換に限ることなく、例えば8次のアダマール変換を用いても良い。この場合、アダマール変換が8次になればアダマール変換成分は8種類となり、さらに詳細な周波数成分分類ができる。
【0055】
さらに直交変換手法としてはフーリエ変換、カルーネンレーベ変換、ハール変換、離散余弦変換(DCT)等の様々な種類がある。これらの直交変換手法を用いて入力SD画像信号S1 に対して直交変換を施すことにより上述した場合と等価な周波数分離評価がなし得る。
【0056】
また上述の実施例においては、予測式の予測係数を選択する際に用いるクラスd0のクラスデータをクラスc0及びクラスc1の組み合わせにより入力SD画像信号S1 の周波数特性に応じてタツプパターン及び再量子化ビツト数の両方を共に切り替えた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タツプパターン又は再量子化ビツト数の何れか一方のみのクラスデータを切り替えるようにしても良い。
【0057】
また上述の実施例においては、HD注目画素と注目画素周辺の伝送画素との相関関係を表す予測係数を用いてSD画素から注目画素周辺のHD画素を生成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、予測係数に代えて各クラス毎のHD注目画素の予測値を予め設定して記憶手段に格納するようにしても良い。予測値によるSD画像信号のHD画像信号への信号変換は、図1との対応部分に同符号を付した、図11に示すようなアツプコンバータ60を用いる。
【0058】
このアツプコンバータ60には入力端61を通じてクラス分類部12にSD画像信号S1 が送出される。このクラス分類部12は、新たに生成するHD画像信号の周辺のSD画像信号S1 の特徴に基づいてクラスd0を生成して予測値ROM62A〜62Dに送出する。予測値ROM62A〜62Dには予め学習により求められた注目画素周辺の補間画素でなるHD画素の予測値がクラス毎にクラスd0に対応して格納されている。予測値ROM62A〜62Dはクラスd0をアドレスデータとしてそれぞれ予測値d20 〜d23 を読み出し、選択部15を通じて出力端63より直列に並べ変えたHD画像信号S2 を出力する。このようにして、クラスd0に応じて読み出した予測値を入力画像信号S1 のSD画素の補間画素として用いて、入力画像信号に対して高解像度の画像信号を得ることができる。
【0059】
ここで予測値を求める第1の方法としては加重平均法を用いた学習法がある。加重平均法は、注目画素周辺のSD画素を用いて注目画素をクラス分類し、クラス毎に積算した注目画素(すなわちHD画素)の画素値を注目画素の個数に応じてインクリメントされた度数によつて割り算するといつた処理を様々な画像に対して行うことにより予測値を求める。
【0060】
さらに予測係数を求める第2の方法としては、正規化による学習法がある。この学習法は、先ず注目画素を含む複数の画素からなるブロツクを形成し、ブロツク内のダイナミツクレンジによつて注目画素の画素値からそのブロツクの基準値を減算した値を正規化する。次にこの正規化された値の累積値を累積度数で割り算することにより予測値を得る。
【0061】
また上述の実施例においては、SD画像信号をHD画像信号に信号変換した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、画像拡大する際の補間画素を生成するのに用いても良い。
【0062】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を分類評価し、ブロツク単位の入力画像信号について設定した複数の互いに異なる画素パターンからその周波数特性に応じた画素パターンを選択し、この画素パターンを形成する入力画像信号に対して、周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した画素パターンを形成する入力画像信号のレベル分布に基づいてクラスコードを設定することにより、周波数特性及び又はクラスコードに対応させて予め予測係数又は予測値が記憶されている記憶手段から、入力画像信号に対する周波数特性及び又はクラスコードに応じた予測係数又は予測値を読み出して入力画像信号の補間画素を得ることによつて入力画像信号に対してより高解像度な画像信号を得る信号変換装置及び信号変換方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2次元ノンセパラブルフイルタで構成されるアツプコンバータを示すブロツク図である。
【図2】図1のクラス分類部の構成を示すブロツク図である。
【図3】図2の周波数特性判定部の構成を示すブロツク図である。
【図4】バンドパスフイルタによつて分類した入力信号の周波数特性を示すグラフである。
【図5】空間クラスのタツプパターンを示す略線図である。
【図6】学習データの予測タツプを示す略線図である。
【図7】予測係数の学習手順を示すフローチヤートである。
【図8】予測係数ROMの内容例を示す図表である。
【図9】垂直/水平セパラブルフイルタによるアツプコンバータを示すブロツク図である。
【図10】直交変換による周波数分類を示すブロツク図である。
【図11】予測値による補間画素信号を出力するアツプコンバータを示すブロツク図である。
【図12】入力画像信号及び周辺のHD画素を示す略線図である。
【図13】従来の2次元ノンセパラブルフイルタを示すブロツク図である。
【図14】従来の垂直/水平セパラブルフイルタを示すブロツク図である。
【符号の説明】
1……HD画像、1A……走査線、2、3……補間フイルタ、4A〜4D……2次元フイルタ、5、8、15……選択部、6A、6B……垂直補間フイルタ、7A、7B……水平補間フイルタ、10、40、60……アツプコンバータ、11、20、30、41、51、61……入力端、12……クラス分類部、13、43……予測演算部、14、44……予測係数ROM、16、46、63……出力端、21、50……周波数特性判定部、22……広領域タツプ選択部、23……狭領域タツプ選択部、24……標準タツプ選択部、26……ADRCクラス分類部、31A〜31D……バンドパスフイルタ、32、53……周波数成分判定部、52……直交変換部。

Claims (23)

  1. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク単位について上記入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定する画素パターン設定部と、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記周波数特性に応じた当該画素パターン選択され、当該選択された上記画素パターンのレベル分布に基づいて上記入力画像信号に対するクラスを設定するクラス分類部と、
    上記入力画像信号の信号画素から画素を予測生成するための予測係数を複数の上記クラスそれぞれに対応させて記憶している予測係数記憶手段と、
    上記予測係数記憶手段から上記入力画像信号の上記クラスに応じて読み出される上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施すことにより、上記入力画像信号に対してより高解像度な上記画像信号を生成する予測演算部と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  2. 上記画素パターン設定部は、上記入力画像信号の定常的な信号変化に対応した広い領域に亘る上記画素パターンを設定する広領域画素選択部と、上記広い領域に比して狭く、上記入力画像信号の非定常的な信号変化に対応した領域内に上記画素パターンを設定する狭領域画素選択部と、上記広領域画素選択部で設定される上記画素パターンの領域及び上記狭領域画素選択部で設定される上記画素パターンの領域の間の大きさの領域に亘る上記画素パターンを設定する標準画素選択部とでなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号変換装置。
  3. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を周波数成分に分類して当該周波数成分の分布特性を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号変換装置。
  4. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を直交変換によつて直交変換成分に分類して上記周波数特性を評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号変換装置。
  5. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号の周波数をバンドパスフイルタによつて複数の周波数成分に分類する
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号変換装置。
  6. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク近傍の上記入力画像信号から複数の画素を選定する画素選択部と、
    上記入力画像信号から選択された複数の上記画素に対して上記周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した複数の上記画素のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを生成するデータ圧縮クラス分類部と、
    上記入力画像信号の信号画素から画素を予測生成するための予測係数を複数の上記クラスコードそれぞれに対応させて記憶している予測係数記憶手段と、
    上記予測係数記憶手段から上記生成された上記クラスコードに応じて読み出される上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施すことにより、上記入力画像信号に対してより高解像度な上記画像信号を生成する予測演算部と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  7. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を複数の周波数成分に分類して当該周波数成分の分布特性を評価する
    ことを特徴とする請求項6に記載の信号変換装置。
  8. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を直交変換によつて直交変換成分に分類して上記周波数特性を評価する
    ことを特徴とする請求項6に記載の信号変換装置。
  9. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号の周波数をバンドパスフイルタによつて複数の周波数成分に分類する
    ことを特徴とする請求項7に記載の信号変換装置。
  10. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク単位について上記入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定する画素パターン設定部と、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記周波数特性に応じた当該画素パターンを選択する画素パターン選択部と、
    上記選択された上記画素パターンを形成する上記入力画像信号に対して上記周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した上記画素パターンを形成する上記入力画像信号のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを生成するデータ圧縮クラス分類部と、
    上記入力画像信号の信号画素から画素を予測生成するための予測係数を上記周波数特性及び上記クラスコードに対応させて記憶している予測係数記憶手段と、
    上記予測係数記憶手段から上記入力画像信号に対する上記周波数特性及び上記クラスコードに応じて読み出される上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施すことにより、上記入力画像信号に対して、より高解像度な上記画像信号を生成する予測演算部と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  11. 上記画素パターン設定部は、上記入力画像信号の定常的な信号変化に対応した広い領域に亘る上記画素パターンを設定する広領域画素選択部と、上記広い領域に比して狭く、上記入力画像信号の非定常的な信号変化に対応した領域内に上記画素パターンを設定する狭領域画素選択部と、上記広領域画素選択部で設定される上記画素パターンの領域及び上記狭領域画素選択部で設定される上記画素パターンの領域の間の大きさの領域に亘る上記画素パターンを設定する標準画素選択部とでなる
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号変換装置。
  12. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を周波数成分毎に分類して当該周波数領域の分布特性を評価する
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号変換装置。
  13. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号を直交変換によつて直交変換成分に分類して上記周波数特性を評価する
    ことを特徴とする請求項10に記載の信号変換装置。
  14. 上記周波数特性判定部は、上記所定ブロツク内の入力画像信号の周波数をバンドパスフイルタによつて複数の周波数成分に分類する
    ことを特徴とする請求項12に記載の信号変換装置。
  15. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク近傍の上記入力画像信号から複数の画素を選択する画素選択部と、
    上記入力画像信号から選択された複数の上記画素に対して上記周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した複数の上記画素のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを出力するデータ圧縮クラス分類部と、
    予め上記入力画像信号の信号画素から画素として生成した予測値を複数の上記クラスコードそれぞれに対応させて記憶している予測値記憶手段と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  16. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク単位について上記入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定する画素パターン設定部と、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記周波数特性に応じた当該画素パターン選択され、当該選択された上記画素パターンのレベル分布に基づいて、上記入力画像信号に対するクラスを設定するクラス分類部と、
    予め上記入力画像信号の信号画素から画素として生成した予測値を複数の上記クラスそれぞれに対応させて記憶している予測値記憶手段と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  17. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換装置において、
    上記入力画像信号の所定ブロツク単位毎の周波数特性を評価する周波数特性判定部と、
    上記ブロツク単位について上記入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定する画素パターン設定部と、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記周波数特性に応じた当該画素パターンを選択する選択部と、
    上記選択された上記画素パターンを形成する上記入力画像信号に対して上記周波数特性に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した上記画素パターンを形成する上記入力画像信号のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを出力するデータ圧縮クラス分類部と、
    予め上記入力画像信号の信号画素から画素として生成した予測値を上記周波数特性及び上記クラスコードに対応させて記憶している予測値記憶手段と
    を具えることを特徴とする信号変換装置。
  18. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク単位について入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定し、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記分類評価に応じて画素パターン選択され、当該選択された上記画素パターンのレベル分布に基づいて、上記入力画像信号に対するクラスを設定し、
    複数の上記クラスそれぞれに対応させて予め予測係数が記憶されている予測係数記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記クラスに応じた上記予測係数を読み出し、当該読み出した上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施して当該入力画像信号の信号画素から画素を生成して上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
  19. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク近傍の上記入力画像信号から複数の画素を選択し、
    上記入力画像信号から選択された複数の上記画素に対して上記分類評価に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した複数の上記画素のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを設定し、
    複数の上記クラスコードそれぞれに対応させて予め予測係数が記憶されている予測係数記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記クラスコードに応じた上記予測係数を読み出し、当該読み出した上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施して当該入力画像信号の信号画素から画素を生成して上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
  20. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク単位について入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定し、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記分類評価に応じた当該画素パターンを選択し
    上記選択された上記画素パターンを形成する上記入力画像信号に対して上記分類評価に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した上記画素パターンを形成する上記入力画像信号のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを設定し、
    上記周波数特性及び上記クラスコードに対応させて予め予測係数が記憶された予測係数記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記周波数特性及び上記クラスコードに応じた上記予測係数を読み出し、当該読み出した上記予測係数を用いて上記入力画像信号に対して予測演算を施して当該入力画像信号の信号画素から画素を生成して上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
  21. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク単位について入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定し、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記分類評価に応じ当該画素パターン選択され、当該選択された上記画素パターンのレベル分布に基づいて、上記入力画像信号に対するクラスを設定し、
    複数の上記クラスそれぞれに対応させて予め予測値が記憶されている予測値記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記クラスに応じた上記予測値を読み出して上記入力画像信号の補間画素として用い、これにより上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
  22. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク近傍の上記入力画像信号から複数の画素を選択し、
    上記入力画像信号から選択された複数の上記画素に対して上記分類評価に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した複数の上記画素のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを設定し、
    複数の上記クラスコードそれぞれに対応させて予め予測値が記憶されている予測値記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記クラスコードに応じた上記予測値を読み出して上記入力画像信号の補間画素として用い、これにより上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
  23. 入力画像信号をより高解像度な画像信号に変換する信号変換方法において、
    上記入力画像信号を所定ブロツク単位毎の周波数特性に応じて分類評価し、
    上記ブロツク単位について入力画像信号から複数の互いに異なる画素パターンを設定し、
    上記複数の互いに異なる画素パターンから上記分類評価に応じ当該画素パターンを選択し
    上記画素パターンを形成する上記入力画像信号に対して上記分類評価に応じた量子化ビツト数を設定して当該設定した上記量子化ビツト数を用いてデータ圧縮処理を施すと共に、当該データ圧縮処理を施した上記画素パターンを形成する上記入力画像信号のレベル分布に基づいて、上記入力画像信号が属するクラスを表すクラスコードを設定し、
    上記周波数特性及び上記クラスコードに対応させて予め予測値が記憶されている予測値記憶手段から、上記入力画像信号に対する上記周波数特性及び上記クラスコードに応じた上記予測値を読み出して上記入力画像信号の補間画素として用い、これにより上記入力画像信号をより高解像度な上記画像信号に信号変換する
    ことを特徴とする信号変換方法。
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