JP3852124B2 - 信号変換装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタル信号に対してクラス分類を行うクラス分類適応処理に関して、特に、ビット数を削減した予測係数を用いるようにした信号変換装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、映像分野におけるディジタル化の流れは、確実に普及の一途を辿り、様々なディジタル機器が出現している。そして、信号フォーマットの異なるディジタル機器間の接続においては、信号変換を実現する信号変換装置が必要となる。この一例として、標準TV信号(SD(Standard Difinition )信号)をHD(High Difinition )モニタで表示する場合には、SD信号からHD信号へのフォーマット変換用のアップコンバータなどが挙げられる。
【0003】
このアップコンバータに使用されている従来例について説明する。まず、図11には、SD信号とHD信号の各画素の空間配置例を示す。ここでは説明の簡素化のため、HD信号の画素数を水平方向、垂直方向に各々2倍としている。図11中の◎のSD画素に注目すると、この注目画素の近傍4種類(mode1、mode2、mode3、mode4)の位置にHD画素が存在する。従来のアップコンバータにおいては、入力SD信号に補間フィルタを適用することで補間画素が生成され、生成されたHDフォーマットの信号が出力される。
【0004】
このように、アップコンバータの簡素な構成例としては、SD信号のフィールドデータから、4種類の位置のHD画素を生成することが考えられる。この補間フィルタの構造は、空間内2次元ノンセパラブルフィルタと、水平/垂直セパラブルフィルタに分類される。このうちの空間内2次元ノンセパラブルフィルタの構成例を図12に示す。入力端子41からSD信号が供給され、供給されたSD信号は、mode1用2次元フィルタ42、mode2用2次元フィルタ43、mode3用2次元フィルタ44およびmode4用2次元フィルタ45へ供給される。このように、4種類の位置のHD画素毎に独立に補間処理が実行され、それぞれの出力は、選択部46へ供給される。選択部46では、補間処理が施されたHD画素の直列化が行われ、出力端子47からHD信号として出力される。
【0005】
また、もう一方の水平/垂直セパラブルフィルタの構成例は、図13に示す。入力端子51からSD信号が供給され、供給されたSD信号は、垂直補間フィルタ52および54へ供給される。垂直補間フィルタ52および54によって、SD信号からHD信号の2本の走査線データが生成される。例えば、垂直補間フィルタ52において、mode1用およびmode2用のフィルタ処理が行われ、垂直補間フィルタ54において、mode3用およびmode4用のフィルタ処理が行われる。垂直方向の補間処理が行われた信号は、垂直補間フィルタ52および54から水平補間フィルタ53および55へ供給される。水平補間フィルタ53および55では、各走査線毎に水平フィルタを用い4種類のHD画素が補間され、それぞれのHD画素は、選択部56へ供給される。選択部56では、補間処理が施されたHD画素の直列化が行われ、出力端子57からHD信号として出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアップコンバータにおいて、補間フィルタとして理想フィルタを使用しても、画素数は増えるものの空間解像度は、SD信号と変わらない。また、一般的にHD画像は、大きな画面で鑑賞される場合が多く、解像度が向上しないためにアップコンバートされたHD画像の印象は、良くないという問題があった。
【0007】
この問題点を解決するためにクラス分類適応処理を適用することが提案されている。このクラス分類適応処理では、予め各クラス毎に予測係数が生成され、生成された予測係数をROMなどの蓄積媒体に記憶するものである。このため、クラス数が多くなるほど、ゲート数(回路量)が増加し、大きな負担となる。そこで、四捨五入のような丸め処理によって、各クラスの予測係数のビット数を削減することで、ゲート数の増加を抑圧することが考えられる。
【0008】
しかしながら、単純にビット数を削減した予測係数と入力信号とを使用して、適応処理(積和演算)を実行すると、大きな画質劣化を招く。その主な原因は、クラス間のゲインの違いによるものである。一般的に予測係数は、固定小数点で格納されているため、単純な予測係数のビット数の削減を行うことによって、クラス間のゲインが変動することになる。
【0009】
従って、この発明の目的は、上述の問題点を鑑みてなされたものであり、ビット数を削減した予測係数を用いることができ、然も、変換出力信号の劣化が少ない信号変換装置および方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第1の画像信号を、より解像度の高い第2の画像信号に変換する信号変換装置において、第1の画像信号の所定数の画素値のレベル分布のパターンに応じてクラス分類を行うクラス分類手段と、クラス分類されたクラス毎に予め学習により獲得され、所定のビット数となるようにビット数が制限された予測係数値が格納された記憶手段と、記憶手段と結合され、クラスに応じて記憶手段から供給された予測係数値と、注目画素を含む近傍の複数の第1の画像信号との積和演算から第2の画像信号を出力する演算手段と、クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により積和演算をした場合の出力と同様の値となるように、第2の画像信号に対して所定の定数を乗算することによりゲイン補正を行う補正手段とからなることを特徴とする信号変換装置である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、第1の画像信号を、より解像度の高い第2の画像信号に変換する信号変換方法において、第1の画像信号の所定数の画素値のレベル分布のパターンに応じてクラス分類を行うステップと、クラス分類されたクラス毎に予め学習により獲得され、所定のビット数となるようにビット数が制限された予測係数値を記憶手段に格納するステップと、クラスに応じて記憶手段から供給された予測係数値と、注目画素を含む近傍の複数の第1の画像信号との積和演算から第2の画像信号を出力するステップと、クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により積和演算をした場合の出力と同様の値となるように、第2の画像信号に対して所定の定数を乗算することによりゲイン補正を行うステップとからなることを特徴とする信号変換方法である。
【0012】
一例として、SD信号をHD信号へアップコンバージョンを行うために、予測法を用いた信号変換装置において、クラス毎に格納される予測係数のビット数を削減することで、乗算器のゲート数(回路量)を削減できる。このとき、ビット数を削減した予測係数の和が1とならないものに対して、実質的にこの和が1となるように予測値に対してゲイン補正が施され、最終的な予測値として出力される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。この発明の信号変換装置の一実施例を図1に示す。1で示す入力端子からSD信号d0が入力され、このSD信号d0は、クラス分類部2および予測演算部4へ供給される。クラス分類部2では、供給されるSD信号d0を例えば3画素×3ライン(以下、(3×3)ブロックと称する)からなる信号の特徴に応じてクラスd1が分類される。このクラスd1は、予測係数ROM3および予測演算部4へ供給される。予測係数ROM3には、図2に示すようにビット数を削減した予測係数wi ´が格納され、このクラスd1に応答する予測係数d2が読み出される。
【0014】
読み出された予測係数d2は、予測演算部4へ供給される。予測演算部4は、演算器5および補正部6から構成される。予測演算部4へ供給されたSD信号d0および予測係数d2は、乗算器5へ供給され、クラスd1は、補正部6へ供給される。乗算器5では、SD信号d0と予測係数d2の線形1次結合式に基づく積和演算が実行され、積和演算が行われた演算結果d3が補正部6へ供給される。補正部6では、後述するようにクラスd1に応じて演算結果d3の信号補正が行われる。すなわち、この補正部6では、予測係数ROM3に記憶されているビット数を削減した予測係数wi ´の和に応じた信号補正が実行される。信号補正が行われた予測値は、d4として出力端子7から取り出される。
【0015】
上述したように、単純にビット数を削減した予測係数wi ´と入力信号とを使用して、適応処理(積和演算)を実行すると、大きな画質劣化を招く。その主な原因は、クラス間のゲインの違いによるものである。一般的に予測係数wi は、図3に示すように、固定小数点で格納されている。例えば、図3Aに示すような整数部5桁および小数点以下11桁からなる予測係数を、図3Bに示すように整数部5桁および小数点以下3桁の予測係数にする、単純なビット数の削減を行うと、クラス間のゲインが変動することになる。例えば、図3Cに示すように予測係数が削除されることなく整数部5桁および小数点以下3桁に含まれる場合、以下の式(1)が成り立つ。
【0016】
【数1】
ただし、wi :予測係数
【0017】
しかしながら、図3Dに示すようにビット数を削減した予測係数wi ´では、式(1)が成り立たない。例えば、予測係数の和が1.2または0.9などの値となる。そこで、この実施例では、ビット数を削減した予測係数wi ´と入力信号とを使用して適応処理(積和演算)を実行した後、ゲイン補正を目的とした後処理を補正部6において行う。
【0018】
ここで、図4に補正部6の一例を示す。乗算器5からの演算結果d3とクラス分類部2からのクラスd1がLUT(Look-Up-Table )11へ供給される。LUT11は、図5に示すようにクラス毎に入力値(d3)に対する出力値(d4)のテーブルであり、メモリに格納されている。この出力値(d4)は、ビット数を削減した予測係数wi ´に応じたゲイン補正が施された値となっており、供給された演算結果d3に応答する予測値d4が読み出され、出力される。
【0019】
次に、図6に補正部6の他の例を示す。乗算器5からの演算結果d3が乗算器16へ供給され、クラス分類部2からのクラスd1がROM15へ供給される。ROM15は、図7に示すように供給されるクラスd1に対する定数gi のテーブルであり、メモリに格納されている。このクラスd1に対する定数gi が読み出される。読み出された定数gi は、乗算器16へ供給される。乗算器16では、演算結果d3と定数gi との乗算が実行され、その演算結果は、予測値d4として出力される。
【0020】
このように、予測演算部4では、乗算器5によって、生成される演算結果d3に対して、ビット数を削減した予測係数wi ´に応じたゲイン補正が施される。このゲイン補正とは、図2に示すクラス毎の各予測係数wi ´の和を1になるように定数gi を乗ずる処理を意味する。この定数gi は、式(2)から求められる。
【0021】
【数2】
【0022】
求められた定数gi は、上述したようにクラス毎に格納される(図7)。格納された定数gi を用いて適応処理(積和演算)の実行後に式(3)に示すゲイン補正が行われる。
【0023】
yi ×gi =Yi (3)
ただし、yi :入力信号
gi :定数
Yi :出力信号
【0024】
このように、ゲイン補正は、ROMなどを用いたLUT11や乗算器16などが用いられる。こうして、図1に示す構成により、積和演算に使用する乗算器のビット数を削減でき、然も、ゲイン補正によって、ビット数の削減による画質劣化を防止することができる。
【0025】
図8は、この発明を適用できる2次元ノンセパラブルのアップコンバータの構成を示す。入力端子21から供給されるSD信号d11がクラス分類部22、mode1予測演算部24、mode2予測演算部25、mode3予測演算部26およびmode4予測演算部27に供給される。クラス分類部22では、上述したように供給されたSD信号d11からクラスd12が分類され、分類されたクラスd12は、予測係数ROM23へ供給される。予測係数ROM23では、図2に示すようなビット数を削減した予測係数wi ´が格納され、クラスd12に応じて予測係数wi ´が読み出される。読み出された予測係数wi ´は、d13としてmode1予測演算部24、mode2予測演算部25、mode3予測演算部26およびmode4予測演算部27に供給される。
【0026】
mode1予測演算部24では、上述したようにSD信号d11と予測係数wi ´とから予測値が求められ、求められた予測値に対してゲイン補正が行われる。ゲイン補正が行われた最終的な予測値は、HD信号d14として選択部28へ供給される。mode2予測演算部25、mode3予測演算部26およびmode4予測演算部27でも同様にして最終的な予測値がHD信号d15、d16およびd17として選択部28へ供給される。選択部28では、供給されたHD画素の直列化が行われ、出力端子29からHD信号d18として出力される。このmode1予測演算部24、mode2予測演算部25、mode3予測演算部26およびmode4予測演算部27は、図1に示す予測演算部4と同様の構成である。
【0027】
次に、この発明を適用した2次元セパラブルのアップコンバータの構成を図9に示す。入力端子31から供給されるSD信号d21がクラス分類部32、垂直予測演算部34および35へ供給される。クラス分類部32では、上述したように供給されたSD信号d21からクラスd22が分類され、分類されたクラスd22は、垂直予測係数ROM33および水平予測係数ROM36へ供給される。垂直予測係数ROM33では、図2に示すようなビット数を削減した予測係数wi ´が格納され、クラスd22に応じて予測係数wi ´が読み出される。読み出された予測係数wi ´は、d23として垂直予測演算部34および35へ供給される。
【0028】
垂直予測演算部34および35では、SD信号d21と予測係数d23とから2本の走査線データが生成される。例えば、垂直予測演算部34において、図11に示すmode1用およびmode2用の予測値が生成され、垂直予測演算部35において、mode3用およびmode4用の予測値が生成される。生成されたmode1用およびmode2用の予測値d24は、垂直予測演算部34から水平予測演算部37へ供給され、mode3用およびmode4用の予測値d25は、垂直予測演算部33から水平予測演算部38へ供給される。
【0029】
クラスd22が供給された水平予測係数ROM36では、垂直予測係数ROM33と同様にビット数を削減した予測係数wi ´が格納され、クラスd22に応じて予測係数wi ´が読み出される。読み出された予測係数wi ´は、d26として水平予測演算部37および38へ供給される。水平予測演算部37では、供給されたmode1用およびmode2用の予測値d24と予測係数d26とから最終的な予測値となるHD画素d27の予測が行われる。同様に、水平予測演算部38では、供給されたmode3用およびmode4用の予測値d25と予測係数d26とから最終的な予測値となるHD画素d28の予測が行われる。予測されたHD画素d27およびd28は、選択部39へ供給される。選択部39では、供給されたHD画素の直列化が行われ、出力端子40からHD信号d29として出力される。垂直予測演算部34、35および水平予測演算部37、38は、図1に示す予測演算部4と同様の構成である。
【0030】
このように、図8および図9に示す信号変換装置では、ゲート数(回路量)を削減したアップコンバージョンが可能となる。すなわち、この発明は、アップコンバータにのみ適用されるものではなく、クラス分類適応処理が適用される他の信号変換装置、例えば間引き画素の補間(サブサンプリング)、階層符号化の他の階層の予測、ノイズ除去(N/S改善)、Y/C分離、クロマキーのキー信号の生成、ビット数変換(8ビットから10ビットへの変換)、エラー修整、DPCMによる予測値の生成、電子ズーム(拡大したときの画素補間)などに適用することができる。
【0031】
ここで、この実施例で用いられるクラス分類適応処理を簡単に説明する。このクラス分類適応処理とは、入力信号の特徴に基づき入力信号をいくつかのクラスに分類し、予め用意された適切な適応処理をクラス毎に実行し所望の出力値を得る手法である。まず、クラス分類法の例としては、入力信号(SD信号)に対して、クラス生成タップを設定し、入力信号のレベル分布のパターンによりクラスを生成する手法が挙げられる。信号波形のクラス生成法としては、次の例などが提案されている。
【0032】
1)PCM(Pluse Code Modulation )データを直接使用する方法
2)ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding )を適用する方法
3)DPCM(Differential PCM)を適用する方法
4)BTC(Block Trancation Coding )を適用する方法
5)VQ(Vector Quantization )を適用する方法
6)周波数領域クラス(DCT(Discrete Cosine Transform )、アダマール変換、フーリエ変換その他)を適用する方法
【0033】
PCMデータを直接使用する場合、クラス分類用に8ビットデータを7タップ使用すると、256という膨大な数のクラスに分類される。信号波形の特徴を掴むという意味では理想的であるが、回路上の負担は大きく、実用上問題である。そこで実際は、ADRCなどを適用しクラス数の削減を図る。ADRCは、信号圧縮技術として開発された手法であるが、クラス表現に適している。基本的には、再量子化処理であり式(4)で示される。
【0034】
ci =(xi −MIN)/(DR/2k ) (4)
ただし、ci :ADRCコード
xi :入力画素値
MIN:近傍領域内最小値
DR:近傍領域内ダイナミックレンジ
k:再量子化ビット数
【0035】
注目画素近傍の数タップに対し式(4)で定義されるADRCを用いて生成されるADRCコードに基づきクラス分類を行う。例えば、7画素データに対し、1ビットの再量子化を実行する1ビットADRCを適用すると、7画素から定義されるダイナミックレンジに基づき、それらの最小値を除去した上で、7タップのデータを適応的に1ビット量子化する。その結果、7画素データを7ビットで表現することになり、128クラスに削減することが可能となる。他に上述した圧縮技術として一般的なものをクラス分類法として用いることが提案されている。また、クラス分類の性能を更に向上させるため、入力信号のアクティビティーも考慮した上でクラス分類が行われることがある。
【0036】
アクティビティーの判定法としては、クラス分類法にADRCを使用した場合、ダイナミックレンジを用いることが多い。また、DPCMならば差分絶対値和、BTCのときは標準偏差の絶対値などが用いられる。このときには、アクティビティーによる分類結果毎にADRCクラス分類などを行うことになる。また、学習過程において、アクティビティーの小さいデータを学習対象から外す。この理由は、アクティビティーの小さい部分は、ノイズの影響が大きく、本来のクラスの予測値から外れることが多い。それを学習に入れると予測精度が低下する。これを避けるため、学習においては、アクティビティーの小さいデータを除外する。
【0037】
次に、クラス分類適応処理の適応処理について説明する。適応処理には、予測法と重心法の2種類が提案されている。この実施例では、予測法のみを用いるために予測法を用いたクラス分類適応処理について述べる。予測法は、学習により予めクラス毎に用意された予測係数を用いた積和演算により、最適予測値を生成する手法である。例えば、注目画素を含む近傍の9個のSD画素より予測タップを形成し、予測値を生成する予測式の例を式(5)に示す。
【0038】
【数3】
ただし、x’:予測値
xi :入力画素値
wi :予測係数
【0039】
一般に、予測法を用いたクラス分類適応処理の構成例は、上述した図1で表される。
【0040】
ここで、予測法で用いられる予測係数ROMに格納される予測係数は、予め学習により生成しておく。この学習方法について述べる。式(5)の線形一次結合モデルに基づく予測係数を最小自乗法により生成する一例を示す。最小自乗法は、次のように適用される。一般化した例として、Xを入力データ、Wを予測係数、Yを予測値として次の式(6)を考える。
【0041】
観測方程式;XW=Y (6)
【数4】
【0042】
上述の観測方程式により収集されたデータに最小自乗法を適用する。式(5)の例においては、n=9、mが学習データ数となる。式(6)の観測方程式をもとに、式(8)の残差方程式を考える。
【0043】
残差方程式;
【数5】
【0044】
式(8)の残差方程式から、各wi の最確値は、
【数6】
を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、次の式(9)の条件を考慮すれば良いわけである。
【0045】
【数7】
【0046】
式(9)のiに基づくn個の条件を考え、これを満たすw1 、w2 、・・・wn を算出すれば良い。そこで、残差方程式(8)から式(10)が得られる。
【0047】
【数8】
【0048】
式(9)と式(6)により式(11)が得られる。
【0049】
【数9】
【0050】
そして、式(8)および式(11)から次の正規方程式(12)が得られる。
【0051】
【数10】
【0052】
式(12)の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各wi の最確値を求めることができる。そして、掃き出し法(Gauss-Jordanの消去法)を用いて連立方程式を解く。この連立方程式が解かれることよって、クラス毎に予測係数が求められる。この予測係数のビット数が削減されてROMなどの記憶媒体に格納される。この格納されたROMは、予測係数ROMとして使用される。
【0053】
次に、上述した予測係数ROMに記憶される予測係数の学習の一例を図10のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートは、ステップS1から学習処理の制御が始まり、ステップS1の学習データ形成では、例えば1フレームの中の8ビットの画素データとそれに対応する10ビットの画素データとから学習データが形成される。フィールド内またはフレーム内の周辺画素の値が学習データとして採用される。注目画素の真値と複数の周辺画素の値とが一組の学習データである。
【0054】
ここで、例えばADRCを使用する場合、周辺画素で構成されるブロックのダイナミックレンジが所定のしきい値より小さいもの、すなわちアクティビティーの低いものは、学習データとして扱わない制御がなされる。アクティビティーが低いものは、ノイズの影響を受けやすく、正確な学習結果が得られないおそれがあるからである。ステップS2のデータ終了では、入力された全データ、例えば1フレームのデータの処理が終了していれば、ステップS5の予測係数決定へ制御が移り、終了していなければ、ステップS3のクラス決定へ制御が移る。
【0055】
ステップS3のクラス決定は、上述のように、フィールド内またはフレーム内の所定の8ビットの画素データに基づいたクラス決定がなされる。ステップS4の正規方程式生成では、上述した式(9)の正規方程式が作成される。全データの処理が終了後、ステップS2のデータ終了から制御がステップS5に移る。このステップS5の予測係数決定では、この正規方程式の行列解法を用いて解いて、予測係数を決める。ステップS6の予測係数ストアでは、ビット数の削減処理を行った後、予測係数をメモリにストアし、この学習のフローチャートが終了する。
【0056】
【発明の効果】
また、この発明に依れば、予測係数のビット数を削減しているのでSD信号からHD信号へのアップコンバージョンなどの信号変換装置のゲート数(回路量)を削減することができ、さらにコストを削減することができ、また消費電力を削減することができる。然も、この発明は、ゲイン補正を行っているのでビット数を削減した予測係数を使用しても画質劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用される信号変換装置の一実施例である。
【図2】この発明が適用されるクラス毎にビット数を削減した予測係数を格納した一例である。
【図3】この発明が適用されるビット数を削減した予測係数を説明するための略線図である。
【図4】この発明が適用される補正部の一実施例である。
【図5】LUTの説明に用いる略線図である。
【図6】この発明が適用される補正部の他の実施例である。
【図7】この発明が適用されるビット数を削減した予測係数のゲイン補正を行う定数を格納した一例である。
【図8】この発明が適用される2次元ノンセパラブルの信号変換装置の一例である。
【図9】この発明が適用される2次元セパラブルの信号変換装置の一例である。
【図10】この発明に適用される予測法の予測係数を学習する一例を示すフローチャートである。
【図11】SD画素とHD画素の説明に用いる略線図である。
【図12】2次元ノンセパラブルフィルタの信号変換装置の一例である。
【図13】2次元セパラブルフィルタの信号変換装置の一例である。
【符号の説明】
2・・・クラス分類部、3・・・予測係数ROM、4・・・予測演算部、5・・・乗算器、6・・・補正部
Claims (4)
- 第1の画像信号を、より解像度の高い第2の画像信号に変換する信号変換装置において、
上記第1の画像信号の所定数の画素値のレベル分布のパターンに応じてクラス分類を行うクラス分類手段と、
上記クラス分類されたクラス毎に予め学習により獲得され、所定のビット数となるようにビット数が制限された予測係数値が格納された記憶手段と、
上記記憶手段と結合され、上記クラスに応じて上記記憶手段から供給された上記予測係数値と、注目画素を含む近傍の複数の上記第1の画像信号との積和演算から上記第2の画像信号を出力する演算手段と、
クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により上記積和演算をした場合の出力と同様の値となるように、上記第2の画像信号に対して所定の定数を乗算することによりゲイン補正を行う補正手段と
からなることを特徴とする信号変換装置。 - 請求項1に記載の信号変換装置において、
上記補正手段は、
クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により上記積和演算をした場合の予測値が、予め上記クラス毎に上記第2の画像信号に対応してルックアップテーブルに格納され、上記クラス毎に上記第2の画像信号に応答して上記ルックアップテーブルから上記予測値を読み出すことを特徴とする信号変換装置。 - 請求項1に記載の信号変換装置において、
上記補正手段は、
予め上記クラス毎の定数がメモリに格納され、上記メモリから上記クラスに対応する定数を読み出し、上記読み出された定数と上記第2の画像信号とを乗じ、クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により上記積和演算をした場合の出力と同様の値となるようにゲインを補正することを特徴とする信号変換装置。 - 第1の画像信号を、より解像度の高い第2の画像信号に変換する信号変換方法において、
上記第1の画像信号の所定数の画素値のレベル分布のパターンに応じてクラス分類を行うステップと、
上記クラス分類されたクラス毎に予め学習により獲得され、所定のビット数となるようにビット数が制限された予測係数値を記憶手段に格納するステップと、
上記クラスに応じて上記記憶手段から供給された上記予測係数値と、注目画素を含む近傍の複数の上記第1の画像信号との積和演算から上記第2の画像信号を出力するステップと、
クラス毎の予測係数値の総和が1となる予測係数値により上記積和演算をした場合の出力と同様の値となるように、上記第2の画像信号に対して所定の定数を乗算することによりゲイン補正を行うステップと
からなることを特徴とする信号変換方法。
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JP05689296A JP3852124B2 (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 信号変換装置および方法 |
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