JP3742765B2 - 蓄力式リコイルスタータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄力式リコイルスタータに関し、軽い始動回転力でエンジンを始動させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の蓄力式リコイルスタータとしては、従来より例えば特開2001−132591号に開示されたものが知られている。
この従来技術は、リコイルリールと蓄力手段と出力手段とを備え、リコイルロープでリコイルリールを巻き上げ、蓄力手段に蓄えた始動回転力により、出力手段を介してエンジンのクランク軸を始動回転させるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来技術によれば、エンジンの圧縮トップを超えてクランク軸を始動回転させる回転力を蓄力手段に蓄えるので、比較的力が弱いエンジン運転者でもエンジンを始動させることができるが、エンジンの圧縮トップを超えてエンジンを始動回転させるには、エンジンの圧縮トップを超えるのに十分の巻き上げ力が必要になる。
【0004】
また、蓄力手段に付与する蓄力に過不足が生じると、蓄力バネの早期破損や始動ミス等の不都合が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一層弱い巻き上げ力で蓄力可能なリコイルスタータを提供し、併せて蓄力手段に付与する蓄力の過不足を解消することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のように構成される。
即ち、請求項1に記載の発明はリコイルリール15と、蓄力手段20と、出力手段30とを備え、リコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20に蓄えた始動回転力により、出力手段30を介してエンジンのクランク軸2を始動回転させるように構成(以下、これを本発明の「基本構成」という)した蓄力式リコイルスタータにおいて、上記蓄力手段20からクランク軸2に至るいずれかの箇所に、上記始動回転をロックするロック機構35を設け、上記リコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20が始動回転力を蓄力した後で、上記ロックを解除するように構成し、上記蓄力手段20による蓄力の完了に連動して上記ロックを解除するロック解除機構50を設け、上記蓄力手段20は、リコイルリール15を介して蓄力ケース21を巻き上げることにより、エンジンの始動回転力を蓄力する板巻きバネ22を備え、上記ロック解除機構50は、例えば図3及び図4に示すように、上記蓄力ケース21の外周面に設けられ、ラチェット歯車52の回転歯52aに係合して当該ラチェット歯車52を間欠回転させるラチェット係合爪51と、上記ラチェット歯車52と一体回転して上記ロック機構35の切換レバー39を跳ね上げることにより、上記ロックを解除する跳上回転部材53とを備え、上記ラチェット歯車52の1回転で上記蓄力手段20による蓄力が完了し、上記跳上回転部材53により上記切換レバー39を跳ね上げてロックを解除するように構成し、上記蓄力ケース(21)の外周面に複数のラチェット係合爪(51)を設け、その内の作動爪(51a)を起立可能に構成したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蓄力式リコイルスタータにおいて、上記ロック機構35が、上記始動回転をロックするロック位置Dとロック解除位置Eに切り換える切換レバー39と、当該切換レバー39を上記各位置D・Eに拘束する拘束バネ43を備え、この拘束バネ43の一方の分力f1で上記切換レバー39をロック位置Dに拘束し、他方の分力f2で当該切換レバー39をロック解除位置Eに拘束するように構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の蓄力式リコイルスタータにおいて、上記蓄力手段20と出力手段30との間に回転比減少手段26を介在させたことを特徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の作用・効果】
本発明によれば、以下の作用・効果を奏する。(イ)発明では、前記基本構成を備える蓄力式リコイルスタータにおいて、上記蓄力手段20と出力手段30との間に回転比減少手段26を介在させたことから、回転比減少手段26により回転比が減少する分だけ、エンジンの圧縮トップを超えてクランク軸を始動回転させるための蓄力手段20の始動回転力は小さくて済む。これにより、蓄力手段20を巻き上げて蓄力する際に、一層小さな巻き上げ力で蓄力可能になり、短いストロークで巻上回数を増やすことにより、手軽に蓄力可能になる。
【0012】
(ロ)発明では、前記基本構成を備える蓄力式リコイルスタータにおいて、上記蓄力手段20からクランク軸2に至るいずれかの箇所に上記始動回転をロックするロック機構35を設け、上記リコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20が始動回転力を蓄力した後で、上記ロックを解除するように構成したことから、特に4サイクルエンジンの始動が極めて容易になる。
【0013】
即ち、蓄力手段20に所要の始動回転力を蓄力した後で、ロック機構35によるロックを解除すると、排気トップを超えてクランク軸2が回転し、フライホィール4の回転にはずみがつく。これにより、4サイクルエンジンの圧縮トップを軽々と超えてクランク軸が始動回転するので、4サイクルエンジンの始動が極めて容易になる。
【0014】
(ハ)発明では、拘束バネ43の一方の分力f1で上記ロック機構35の切換レバー39をロック位置Dに拘束するとともに、他方の分力f2で当該切換レバー39をロック解除位置Eに拘束するように構成したことから、単一の拘束バネ43でロック状態とロック解除状態を維持することができる。これにより、ロック状態とロック解除状態を維持する構成を簡素で安価に実施することができる。
【0015】
(ニ)発明では上記蓄力手段20による蓄力の完了に連動して上記ロックを解除するロック解除機構50を設けたことから、上記蓄力手段20が所定の始動回転力を蓄えると、ロック解除機構50が作動してロックを解除する。つまり、蓄力手段20に付与する蓄力の過不足を解消できる。
【0016】
(ホ)発明では、例えば図3及び図4に示すように、上記蓄力ケース21の外周面に設けたラチェット係合爪51をラチェット歯車52の回転歯52aに係合させて当該ラチェット歯車52を間欠回転させ、上記ラチェット歯車52の1回転で上記蓄力手段20による蓄力が完了し、跳上回転部材53により切換レバー39を跳ね上げてロックを解除するように構成したことから、上記蓄力ケース21の複数回転により、ラチェット歯車52が1回転して板巻バネ22が所定の始動回転力を蓄える。すると、ラチェット歯車52と一体回転する跳上回転部材53が切換レバー39を跳ね上げてロックを解除する。つまり、蓄力手段20に付与する蓄力の過不足を解消できる。
【0017】
(ヘ)発明では上記蓄力ケース21の外周面に複数のラチェット係合爪51を設け、その内の作動爪51aを起立可能に構成したことから、蓄力手段20に付与すべき蓄力の仕様変更があっても、上記ラチェット歯車52及び跳上回転部材53の一体回転機構を変更する事なく、蓄力ケース21の外周面に設けた複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪51aのみを起立させることにより、容易に対応できる。
【0018】
即ち、上記蓄力手段20と出力手段30との間に、例えば上記回転比減少手段26を介在させない場合と介在させる場合とでは、蓄力手段20による蓄力が大きいものと小さいものに造り分ける必要がある。そして例えば回転比1:2の回転比減少手段26を介在させる場合、板巻きバネ22のバネ力は1/2で巻き込み長さは2になる。この場合、蓄力ケース21の外周面に設けた複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪51aは1個だけ起立させればよい。
【0019】
他方、上記回転比減少手段26を介在させない場合には、板巻きバネ22のバネ力は1で巻き込み長さは1になる。従って複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪51aを2個起立させればよい。つまり、蓄力手段20に蓄えるべき必要な蓄力に対応させて、蓄力ケース21の外周面に設けた複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪のみを起立させることにより、蓄力手段20に付与すべき蓄力の仕様変更があっても、容易に対応できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の参考形態に係る蓄力式リコイルスタータの横断平面図、図2(A)はその蓄力式リコイルスタータのロック機構の要部縦断面図、図2(B)はそのロック機構の要部平面図、図2(C)は切換レバーをロック位置とロック解除位置に維持する機構を示す要部正面図である。
【0021】
この参考形態に係る蓄力式リコイルスタータは、図示しない傾斜型空冷エンジンに付設されている。図1に示すように、エンジンのクランク軸2は、ボールベアリング3を介してクランクケース1に軸支され、このクランク軸2の先端部に、フライホィール4と、空冷用ファン5と、爪係合用カップ6とが固定され、これらはファンカバー10aで覆われている。上記フライホィール4の外周面には、点火用マグネット7が設けられ、上記ファンカバー10aには、この点火用マグネット7に対応させて点火用コイル8が設けられている。上記ファンカバー10aの正面には、スタータカバー10bが取り付けられ、このスタータカバー10b内に本発明に係る蓄力式リコイルスタータが組み込まれている。
【0022】
この蓄力式リコイルスタータは、図1に示すように、リコイルリール15と、蓄力手段20と、出力手段30と、上記蓄力手段20と出力手段30との間に介在された回転比減少手段26とを備え、リコイルロープ16でリコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20に蓄えた始動回転力により、回転比減少手段26と出力手段30とを介してエンジンのクランク軸2を始動回転させるように構成されている。上記構成は、回転比減少手段26を介在させることにより、エンジンの圧縮トップを超えてクランク軸2を始動回転させる蓄力手段20の回転駆動力を実質的に小さくすることを意図したもので、これに伴って蓄力手段20に蓄力する際に、一層小さな巻き上げ力で蓄力可能になり、短いストロークで巻上回数を増やすことにより、手軽に蓄力可能となる。つまり、リコイルリール15の巻き上げ回数は、巻き上げ力が小さくなる分だけ増えることとなる。
【0023】
上記リコイルリール15は、第1固定軸11aに蓄力手段20とともに反時計回り(図1中の回転符号a)方向に回転可能に軸支され、上記第1固定軸11aは、スタータカバー10bの正面に軸受12aで回転不能に軸支されている。
即ち、上記リコイルリール15のボス部15aは、一方向クラッチ23を介して蓄力ケース21の軸支ボス部21aに外嵌されている。このリコイルリール15のリム部15bには、リコイルロープ16が巻掛けられ、そのリコイルロープ16の先端部は、スタータカバー10bの右側面より延出させて始動ハンドル17で引くことができる。また、リコイルリール15のボス部15aとスタータカバー10bとの間には、当該リコイルリール15を巻き戻すための板巻バネ18が装着されている。
【0024】
上記蓄力手段20は、蓄力ケース21と、この蓄力ケース21内に収容された板巻きバネ22とを備え、上記蓄力ケース21の軸支ボス部21aは、一方向クラッチ24を介して上記第1固定軸11aに外嵌されている。また、上記板巻きバネ22の外端は上記蓄力ケース21の内面に固定ボルト21bで固定され、当該板巻きバネ22の内端は回転比減少手段26を構成する駆動歯車27の軸支ボス部27aに固着されている。
【0025】
上記回転比減少手段26は、回転半径が小さい駆動歯車27と回転半径が大きい従動歯車28とから成り、板巻バネ22に蓄えた始動回転力により、出力手段30を略1/2の回転比で駆動回転させるように構成されている。なお、上記駆動歯車27の軸支ボス部27aは、上記第1固定軸11aに筒軸25とニードルベアリング29とを順に介して回転自在に軸支され、上記従動歯車28の軸支ボス部28aは、第2固定軸11bにニードルベアリング33を介して回転自在に軸支され、上記第2固定軸11bは、スタータカバー10bの正面に軸受12bで回転不能に軸支されている。
【0026】
上記出力手段30は、回転伝動爪32を有する伝動プーリ31によって構成され、上記従動歯車28の始動回転力で上記回転伝動爪32を介して爪係合用カップ6を始動回転するように構成されている。なお、上記伝動プーリ31は上記従動歯車28の軸支ボス部28aに一方向クラッチ34を介して外嵌され、時計回り(図1中の回転符号b)方向には上記従動歯車28と一体回転するが、エンジン始動後は、上記従動歯車28を置き残して遊転する。
【0027】
この蓄力式リコイルスタータは、図2に示すように、上記出力手段30によるクランク軸2の始動回転をロックするロック機構35を備えている。
このロック機構35は、図2(A)に示すように、伝動プーリ31の下側に配置され、上記回転伝動爪32の先端部32aを受け止めるロック部材36と、このロック部材36を立設固定した回動アーム37と、この回動アーム37と一体回動する切換レバー39とを備え、切換レバー39をロック位置Dとロック解除位置Eとに切り換えるように構成されている。上記回動アーム37と切換レバー39とは、ボス部38を介して一体回動可能に連結され、スタータカバー10b内の下面に支軸ボス部42を介して立設した立軸41により水平回動可能に軸支されている。なお、図2中の符号40は、切換レバー39の取手を示す。
【0028】
このロック機構35は、4サイクルエンジンの始動を容易にすることを意図したものである。即ち、リコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20に始動回転力を蓄力した後で、上記ロックを解除することにより、4サイクルエンジンの排気トップを超えてクランク軸2が回転し、次いでフライホィール4の回転にはずみがつき、圧縮トップを軽々と超えてクランク軸2を始動回転させる。これにより、4サイクルエンジンの始動が極めて容易になる。
【0029】
上記切換レバー39は、図1に示すように、拘束バネ43によりロック位置Dとロック解除位置Eに拘束される。この拘束バネ43は、当該切換レバー39とリコイルカバー10b内の左側面に固設した掛止具44とに亙り架着され、当該切換レバー39をロック解除側へ、かつ、少し上向きに付勢する。
【0030】
上記リコイルカバー10bの下部正面には、図2(C)に示すように、上記切換レバー39を挿通してロック位置Dとロック解除位置Eとの間を揺動させる挿通長孔45が開口され、この挿通長孔45の右端部上縁に凹入した凹入部46で上記切換レバー39を受け止めてロック位置Dとし、その挿通長孔45の基端部で当該切換レバー39を受け止めてロック解除位置Eとする。
【0031】
また、上記拘束バネ43は、そのバネ力Fを構成する一方の分力f1で上記切換レバー39をロック位置Dである凹入部46に拘束するとともに、他方の分力f2で当該切換レバー39をロック解除位置Eである挿通長孔45の基端部に拘束する。これは、単一の拘束バネ43でロック状態とロック解除状態を維持することを意図したものである。これにより、ロック状態とロック解除状態を維持するための構成が簡素で安価になる。
【0032】
以下、この参考形態に係る蓄力式リコイルスタータの動作について説明する。まず、上記切換レバー39をロック位置Dに拘束し、出力手段30を構成する回転伝動爪32をロック部材36で受け止めて、伝動プーリ31の時計回り方向の回転を阻止する。このロック状態では、一方向クラッチ34を介して前記従動歯車28の時計回り方向の回転が阻止され、同じく駆動歯車27の反時計回り方向の回転が阻止される。
【0033】
この状態でリコイルロープ16を複数回引くことにより、リコイルリール15を反時計回りに複数回巻き上げる。このとき蓄力ケース21は、一方向クラッチ23を介してリコイルリール15と一体に反時計回りに回転するが、第1固定軸11aに一方向クラッチ24を介して軸支されているので逆転はしない。これにより、その内部に収容した板巻バネ22を巻き上げて始動回転力を蓄力する。
【0034】
上記始動回転力を蓄力した後で、前記ロック機構35の切換レバー39をロック解除位置Eに切り換える。これにより、板巻バネ22に蓄えられたエネルギーが放出され、回転比減少手段26を構成する駆動歯車27と従動歯車28とを介して、出力手段30を構成する伝動プーリ31を所要の始動回転力で回転させ、回転伝動爪32と爪係合用カップ6を介してクランク軸2を始動回転させる。
このとき、4サイクルエンジンの排気トップを超えてクランク軸2が回転し、次いでフライホィール4の回転にはずみがつき、圧縮トップを軽々と超えてクランク軸2を始動回転させる。これにより、4サイクルエンジンの始動が極めて容易になる。
【0035】
図3〜図4は本発明の実施形態に係る蓄力式リコイルスタータを示し、図3(A)はその蓄力式リコイルスタータの正面図、図3(B)はその蓄力式リコイルスタータのロック機構の要部平面図、図4(A)はそのロック機構及びロック解除機構の縦断面図、図4(B)はそのロック解除機構の正面図である。
【0036】
この実施形態に係る蓄力式リコイルスタータは、リコイルリール15と、蓄力手段20と、出力手段30と、上記蓄力手段20と出力手段30との間に介在された回転比減少手段26と、上記出力手段30によるクランク軸2の始動回転をロックするロック機構35と、ロック解除機構50とを備え、リコイルロープでリコイルリール15を巻き上げて蓄力手段20に蓄えた後で、ロック解除機構50によりロックを解除することにより、エンジンのクランク軸を始動回転させるように構成されている。
【0037】
この蓄力式リコイルスタータを構成する上記リコイルリール15、蓄力手段20、回転比減少手段26、出力手段30及びロック機構35は、上記参考形態と同様に配置構成されており、同一機能を有する部材については、同一符号を付して重複する説明を省く。ただし、図3(A)に示すように、上記リコイルリール15は、蓄力ケース21及び駆動歯車27とともに、第1固定軸11aに時計回り〔図3(A)中の回転符号a〕方向に回転可能に軸支され、回転伝動爪32を有す伝動プーリ31は、第2固定軸11bに反時計回り〔図3(A)中の回転符号b〕方向に回転可能に軸支されている。
【0038】
つまり、この実施形態では、出力手段30を構成する伝動プーリ31の回転方向bが参考形態と異なり、上記ロック機構35は、図3(B)及び図4(A)に示すように、上記伝動プーリ31の上側に配置され、反時計回りに回転する回転伝動爪32の先端部32aをロック部材36で受け止め、切換レバー39をロック位置Dとロック解除位置Eとに切り換えるように構成されている。
上記切換レバー39は、拘束バネ43によりロック位置Dとロック解除位置Eに拘束される。この拘束バネ43は、当該切換レバー39とリコイルカバー10b内の左側面に固設した掛止具44とに亙り架着され、当該切換レバー39をロック解除側へ、かつ、少し下向きに付勢する。
【0039】
上記リコイルカバー10bの上部正面には、図4(B)に示すように、上記切換レバー39を挿通してロック位置Dとロック解除位置Eとの間を揺動させる挿通長孔45が開口され、この挿通長孔45の右端部下縁に凹入した凹入部46で上記切換レバー39を受け止めてロック位置Dとし、その挿通長孔45の基端部で当該切換レバー39を受け止めてロック解除位置Eとする。なお、その他の点は、参考形態のロック機構35と同様に構成されている。
【0040】
本発明に係るロック解除機構50は、上記切換レバー39の下側に付設配置される。このロック解除機構50は、図4(A)(B)に示すように、上記蓄力ケース21の外周面に設けられ、ラチェット歯車52の回転歯52aに係合して当該ラチェット歯車52を間欠的に回転させるラチェット係合爪51と、上記ラチェット歯車52と一体回転して上記ロック機構35の切換レバー39を跳ね上げることにより、上記ロックを解除する跳上回転部材53とを備える。
【0041】
上記ラチェット歯車52と跳上回転部材53は、軸支ボス部54を介して一体回転可能に設けられ、上記軸支ボス部54は、リコイルカバー10bの正面内側に突設した筒状の軸受55に一方向クラッチ56を介して矢印f方向へ回転可能に軸支されている。上記切換レバー39の途中には、図4(A)に示すように、ラチェット係合爪51との干渉を避ける凹部39bが形成されている。なお、符号57は筒状の軸受55をリコイルカバー10bに固定する固定ナットを示す。
【0042】
この実施形態では、ラチェット歯車52が6つの回転歯52aを備え、上記蓄力ケース21の6回転で上記ラチェット歯車52が1回転する。この間に蓄力手段20による蓄力が完了し、跳上回転部材53が切換レバー39を跳ね上げてロックを解除する。これにより、蓄力手段20に付与する蓄力の過不足による不都合を解消することができる。
【0043】
なお、上記の実施形態では、蓄力手段20と出力手段30との間に、回転比1:2の回転比減少手段26を介在させ、蓄力ケース21の外周面に単一のラチェット係合爪51を突設したものについて例示したが、蓄力ケース21の外周面に複数のラチェット係合爪51を設け、そのうちの作動爪51aのみを起立可能に構成することもできる。即ち、上記回転比減少手段26を介在させない場合には、板巻きバネ22のバネ力は1で巻き込み長さは1でよい。従って複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪51aを2個起立させればよい。つまり、蓄力手段20に蓄えるべき必要な蓄力に対応させて、蓄力ケース21の外周面に設けた複数のラチェット係合爪51のうちの作動爪のみを起立させることにより、蓄力手段20に付与すべき蓄力の仕様変更があっても、容易に対応できる。
【0044】
この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば一方向クラッチに代えてラチェット機構を採用し、蓄力手段を構成する板巻バネに代えて単なる巻バネを採用し、リコイルリールを巻き上げるリコイルロープに代えて足踏み式等のリール巻上手段を採用し、出力手段の始動回転をロックするロック機構に代えて蓄力手段からクランク軸に至るいずれかの箇所に、その始動回転をロックするロック機構を採用する等、種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考形態に係る蓄力式リコイルスタータの横断平面図である。
【図2】 図2(A)はロック機構の要部縦断面図、図2(B)はそのロック機構の要部平面図、図2(C)は切換レバーをロック位置とロック解除位置に維持する機構を示す要部正面図である。
【図3】 図3(A)は本発明の実施形態に係る蓄力式リコイルスタータの正面図、図3(B)は本発明の実施形態に係るロック機構の要部平面図である。
【図4】 図4(A)はそのロック機構及びロック解除機構の縦断面図、図4(B)はそのロック解除機構の正面図である。
【符号の説明】
2…クランク軸、15…リコイルリール、20…蓄力手段、21…蓄力ケース、22…板巻きバネ、26…回転比減少手段、30…出力手段、35…ロック機構、36…ロック部材、39…切換レバー、43…拘束バネ、D…ロック位置、E…ロック解除位置、f1…拘束バネの一方の分力、f2…拘束バネの他方の分力、50…ロック解除機構、51…ラチェット係合爪、51a…作動爪、52…ラチェット歯車、52a…ラチェット歯車の回転歯、53…蹴上回転部材。

Claims (3)

  1. リコイルリール(15)と、蓄力手段(20)と、出力手段(30)とを備え、上記リコイルリール(15)を巻き上げて蓄力手段(20)に蓄えた始動回転力により、出力手段(30)を介してエンジンのクランク軸(2)を始動回転させるように構成した蓄力式リコイルスタータにおいて、
    上記蓄力手段(20)からクランク軸(2)に至るいずれかの箇所に、上記始動回転をロックするロック機構(35)を設け、上記リコイルリール(15)を巻き上げて蓄力手段(20)が始動回転力を蓄力した後で、上記ロックを解除するように構成し、
    上記蓄力手段(20)による蓄力の完了に連動して上記ロックを解除するロック解除機構(50)を設け、
    上記蓄力手段(20)は、リコイルリール(15)を介して蓄力ケース(21)を巻き上げることにより、エンジンの始動回転力を蓄力する板巻きバネ(22)を備え、
    上記ロック解除機構(50)は、上記蓄力ケース(21)の外周面に設けられ、ラチェット歯車(52)の回転歯(52a)に係合して当該ラチェット歯車(52)を間欠回転させるラチェット係合爪(51)と、上記ラチェット歯車(52)と一体回転可能に軸支され、上記ロック機構(35)の切換レバー(39)を蹴り上げてロックを解除する蹴上回転部材(53)とを備え、
    上記ラチェット歯車(52)の1回転で上記蓄力手段(20)による蓄力が完了し、上記跳上回転部材(53)により上記切換レバー(39)を跳ね上げてロックを解除し、
    上記蓄力ケース(21)の外周面に複数のラチェット係合爪(51)を設け、その内の作動爪(51a)を起立可能に構成した、ことを特徴とする蓄力式リコイルスタータ。
  2. 請求項に記載した蓄力式リコイルスタータにおいて、
    上記ロック機構(35)は、上記始動回転をロックするロック位置(D)とロック解除位置(E)に切り換える切換レバー(39)と、当該切換レバー(39)を上記各位置(D・E)に拘束する拘束バネ(43)を備え、この拘束バネ(43)の一方の分力(f1)で上記切換レバー(39)をロック位置(D)に拘束し、他方の分力(f2)で当該切換レバー(39)をロック解除位置(E)に拘束するように構成した、ことを特徴とする蓄力式リコイルスタータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載した蓄力式リコイルスタータにおいて、
    上記蓄力手段(20)と、出力手段(30)との間に回転比減少手段(26)を介在させた、ことを特徴とする蓄力式リコイルスタータ。
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