JP3742531B2 - マスキングテープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として金属表面に同種もしくは異種の金属をメッキする際のマスキング(表面保護)用として好適なマスキングテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属材の表面を同種もしくは異種の金属でメッキ(被覆)することにより、元の金属材に新たな性能を付与したり、酸化あるいは擦過から金属材表面を保護する方法が、従来より広く行われている。このような方法のひとつとして、電解メッキ法が存在する。電解メッキ法では、酸性もしくはアルカリ性の金属電解質水溶液がメッキ液として用いられ、被メッキ部に電荷を加えることにより、金属表面にメッキ液中の金属が析出されて、メッキ膜が形成される。
【0003】
ところで、電解メッキに際しては、非メッキ部にメッキが施されないように、非メッキ部を保護したり、あるいはメッキ部の形状を所望の形状とするために、非メッキ部にマスキングテープを貼付することがある。
【0004】
上記メッキ用のマスキングテープには、メッキライン(メッキ部の輪郭、即ち、メッキ部と非メッキ部との境界線)の鮮明性が優れていること、使用後に貼付面に糊残りを生じることがなく、容易に再剥離し得ること、粘着剤がメッキ液を汚染しないこと等が要求される。
【0005】
糊残りがなく、容易に再剥離できるテープとして、例えば、特開昭61−103975号公報では、「A−B−A(但し、Aはスチレン重合体ブロックを、Bはエチレンとブチレンとの共重合体ブロックを示す)100重量部と粘着付与性樹脂0〜80重量部を含有する組成物よりなる接着剤層を、ポリオレフィン樹脂フィルム(基材)上に形成させてなる表面保護用接着フィルム」が開示されている。
【0006】
しかし、上記開示にある表面保護フィルムをマスキングテープとして使用すると、接着剤層中にメッキ液が吸収され易いため、マスキングテープで保護されている非メッキ部までもがメッキされがちであり、その結果、前記メッキラインの鮮明性が乏しくなるという問題点がある。
【0007】
又、メッキ用のマスキングテープの例として、特許第2806728号公報では、「金属をメッキするに際しメッキを施さない部分をメッキ液から保護するために用いられるマスキングテープであって、基材と基材の一面に形成された粘着剤層とを有し、該粘着剤層を構成している粘着剤が、水溶性または水分散性であり、かつベンゾトリアゾール系化合物を含有するものである、マスキングテープ」が開示されている。
【0008】
しかし、上記開示にあるマスキングテープの場合、メッキラインの鮮明性は良好であるものの、水溶性または水分散性の粘着剤を用いているため、剥離後の貼付面に糊残りを起こしがちであり、その結果、粘着剤残渣を水で洗浄する必要が生じるという問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決するため、良好なタックや粘着力を有し、且つ、粘着剤層中にメッキ液が浸透し難く、従ってメッキラインの鮮明性に優れると共に、使用後の再剥離が容易で貼付面に糊残りを生じず、従って洗浄が不要なメッキ用のマスキングテープを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるマスキングテープは、ポリオレフィン系樹脂基材の片面に粘着剤層が形成されてなるマスキングテープであって、上記粘着剤が、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び/又はスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂100重量部に対し、α−メチルスチレン系樹脂0〜40重量部、粘着性付与樹脂0〜40重量部及びベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2重量部が添加されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によるマスキングテープの基材を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポエエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体等が挙げられ、好適に用いられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0012】
基材の製造方法は、特に限定されるものではないが、一般的には上記ポリオレフィン系樹脂を溶融押出法によりフィルム化し、基材とすることが好ましい。
【0013】
本発明によるマスキングテープの粘着剤層を構成する粘着剤は、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び/又はスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂100重量部に対し、α−メチルスチレン系樹脂0〜40重量部、粘着性付与樹脂0〜40重量部及びベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2重量部が添加されている。
【0014】
粘着剤の主成分として用いられ得るスチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂とは、一般式X−Y−Zで表されるスチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマー中の共役ジエン部分の二重結合が水素添加された樹脂である。
【0015】
上記式中、Xはスチレン系化合物重合ブロックを示し、Yはスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックを示し、Zはスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックであって、スチレンの共重合比がYよりも大きいテーパーブロックを示す。
【0016】
スチレン系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、1,1−ジフェニルエチレン等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもスチレンやα−メチルスチレンがより好適に用いられる。これらのスチレン系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0017】
又、共役ジエンとは、エチレン結合2個が直接単結合で結合している構造(C=C−C=C)を有する炭化水素であり、特に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでもブタジエンやイソプレンがより好適に用いられる。これらの共役ジエンは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0018】
上記スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーを構成する全モノマー中、スチレン系化合物と共役ジエンとの割合は、特に限定されるものではないが、重量比で、スチレン系化合物/共役ジエンが5/95〜60/40であることが好ましく、より好ましくは7/93〜40/60である。
【0019】
スチレン系化合物/共役ジエンが5/95(重量比)未満であると、得られる粘着剤の凝集力が低下するため、マスキングテープを再剥離する時に貼付面に糊残りが生じることがあり、逆にスチレン系化合物/共役ジエンが60/40(重量比)を超えると、得られる粘着剤のタックや粘着力が低下するため、被着体に対するマスキングテープの貼付けが困難となることがある。
【0020】
スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマー中におけるスチレン系化合物重合ブロックの結合含量は、3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%であり、且つ、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマー中におけるスチレン系化合物の結合含量は、全モノマーの3〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%であり、特に好ましくは5〜25重量%である。
【0021】
上記スチレン系化合物の結合含量が全モノマーの3重量%未満であると、得られる粘着剤の凝集力が低下するため、マスキングテープを再剥離する時に貼付面に糊残りが生じることがあり、逆にスチレン系化合物の結合含量が全モノマーの50重量%を超えると、得られる粘着剤のタックや粘着力が低下するため、被着体に対するマスキングテープの貼付けが困難となることがある。
【0022】
スチレン−共役ジエンランダム共重合ブロック中における共役ジエン部分のビニル結合量は、60重量%を超える量であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上であり、特に好ましくは80重量%以上である。尚、ここで言うビニル結合とは、共役ジエン化合物が1,2−又は3,4−結合位の二重結合で重合したモノマーユニットを意味する。
【0023】
上記共役ジエン部分のビニル結合量が60重量%以下であると、得られる粘着剤のタックや粘着力が不十分となることがある。
【0024】
スチレン−共役ジエンランダム共重合ブロック中における共役ジエン部分の二重結合の水素添加率は、80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上であり、特に好ましくは95〜100モル%の飽和された状態である。
【0025】
上記共役ジエン部分の二重結合の水素添加率が80モル%未満であると、得られる粘着剤の熱安定性や耐候性が乏しくなることがある。
【0026】
スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5万〜40万であることが好ましく、より好ましくは8万〜20万である。
【0027】
スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂の上記重量平均分子量が5万未満であると、得られる粘着剤の凝集力が低下するため、マスキングテープを再剥離する時に貼付面に糊残りが生じることがあり、逆に上記重量平均分子量が40万を超えると、得られる粘着剤のタックや粘着力が低下するため、被着体に対するマスキングテープの貼付けが困難となることがある。
【0028】
上述したスチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】
次に、粘着剤の主成分として用いられ得るスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体中のブタジエン部分の二重結合が水素添加されて得られるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体中のイソプレン部分の二重結合が水素添加されて得られるスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられ、好適に用いられる。
【0030】
上記スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の結合形態は、ジブロック型、トリブロック型、テーパーブロック型、直鎖状マルチブロック型等のいずれの形態であっても良いし、これらが混在した形態であっても良い。
【0031】
上記スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体中における共役ジエン部分の二重結合の水素添加率は、前記スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂の場合と同様の理由により、80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90モル%以上であり、特に好ましくは95〜100モル%の飽和された状態である。
【0032】
又、スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂は、前記スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂の場合と同様の理由により、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5万〜40万であることが好ましく、より好ましくは8万〜20万である。
【0033】
上述したスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】
又、前記スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び上記スチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂は、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【0035】
本発明によるマスキングテープの粘着剤層を構成する粘着剤においては、主成分である上述のスチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び/又はスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂(以下、「水添スチレン系エラストマー」と記す)100重量部に対し、α−メチルスチレン系樹脂0〜40重量部が添加される。
【0036】
上記α−メチルスチレン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、α−メチルスチレンの単独重合体やα−メチルスチレンと例えばテルペン類等との共重合体等が挙げられ、好適に用いられる。
【0037】
上記α−メチルスチレン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】
上記α−メチルスチレン系樹脂は、水添スチレン系エラストマー中のスチレン部分を補強する機能を発揮するので、得られる粘着剤の弾性率がさらに向上する。その結果、マスキングテープの再剥離性、特に高速で剥離する時の再剥離性がより優れたものとなるので、貼付面への糊残りをより効果的に防止することが可能となる。
【0039】
本発明で用いられる粘着剤においては、上記α−メチルスチレン系樹脂は必ずしも添加されなくても良いが、前記水添スチレン系エラストマー100重量部に対し40重量部以下、好ましくは1〜40重量部のα−メチルスチレン系樹脂を添加することにより、タックや粘着力を損ねることなく、上記糊残り防止効果を得ることが出来る。
【0040】
水添スチレン系エラストマー100重量部に対するα−メチルスチレン系樹脂の添加量が40重量部を超えると、得られる粘着剤の弾性率が高くなり過ぎて、タックや粘着力が不十分となる。
【0041】
本発明によるマスキングテープの粘着剤層を構成する粘着剤においては、主成分である水添スチレン系エラストマー100重量部に対し、粘着性付与樹脂0〜40重量部が添加される。
【0042】
上記粘着性付与樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロンインデン系樹脂等が挙げられ、好適に用いられる。
【0043】
上記粘着性付与樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0044】
本発明で用いられる粘着剤においては、上記粘着性付与樹脂は必ずしも添加されなくても良いが、前記水添スチレン系エラストマー100重量部に対し40重量部以下、好ましくは5〜40重量部の粘着性付与樹脂を添加することにより、再剥離性を損ねることなく、タックや粘着力を効果的に向上させることが出来る。
【0045】
水添スチレン系エラストマー100重量部に対する粘着性付与樹脂の添加量が40重量部を超えると、得られる粘着剤のタックや粘着力が強くなり過ぎて、再剥離性が低下し、貼付面に糊残りが発生する。
【0046】
本発明によるマスキングテープの粘着剤層を構成する粘着剤においては、主成分である水添スチレン系エラストマー100重量部に対し、ベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2重量部が添加されていることが必要である。
【0047】
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール又はこれらのアルカリ金属塩や誘導体もしくは混合物等が挙げられ、好適に用いられる。
【0048】
上記ベンゾトリアゾール系化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0049】
上記ベンゾトリアゾール系化合物は、その一部もしくは全部が粘着剤層から遊離して、被保護部(非メッキ部)の金属材上に保護膜を形成する機能を発揮する。従って、粘着剤中へベンゾトリアゾール系化合物を添加することにより、粘着剤層中へのメッキ液の浸透を効果的に防止することが可能となり、より鮮明なメッキラインを得ることが出来る。
【0050】
水添スチレン系エラストマー100重量部に対するベンゾトリアゾール系化合物の添加量が0.1重量部未満であると、上記メッキラインの鮮明化効果を十分に得られず、逆にベンゾトリアゾール系化合物の上記添加量が2重量部を超えると、ベンゾトリアゾール系化合物そのものが被メッキ部と非メッキ部との境界線から滲出し、メッキラインの鮮明性が却って低下する。
【0051】
本発明で用いられる粘着剤には、上述した各成分以外に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、カップリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0052】
本発明によるマスキングテープの製造方法は、特別なものではなく、例えば、共押出法を採用して、基材用の前記ポリオレフィン系樹脂と粘着剤層用の上記粘着剤とを同時に押出して、一気にマスキングテープを製造しても良いし、又、ポリオレフィン系樹脂基材と、粘着剤を有機溶剤に溶解した溶剤型粘着剤や粘着剤を水に乳化分散したエマルジョン型粘着剤等を予め準備しておき、ポリオレフィン系樹脂基材の片面に溶液塗工法、エマジョン塗工法、ホットメルト塗工法等により粘着剤を塗工してマスキングテープを製造しても良いが、生産性に優れる共押出法を採用することが好ましい。
【0053】
本発明によるマスキングテープにおいて、基材の厚みは、特に限定されるものではないが、300μm以下であることが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。又、粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、200μm以下であることが好ましく、より好ましくは5〜50μmである。
【0054】
こうして得られた本発明によるマスキングテープは、メッキ用を主用途とするが、勿論他の用途に用いられても良い。
【0055】
【作用】
本発明によるマスキングテープは、粘着剤層を構成する粘着剤の主成分として、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び/又はスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂(以下、水添スチレン系エラストマー)を用いるので、タックや粘着力と凝集力や弾性率とのバランスに優れる。従って、被着体への貼付け性が良好であると共に、使用後の再剥離性に優れ、貼付面に糊残りを生じないので、洗浄が不要となる。
【0056】
又、上記水添スチレン系エラストマーの特定量に対し、特定量以下のα−メチルスチレン系樹脂や粘着性付与樹脂を添加することにより、上記性能は一段と向上する。
【0057】
さらに、本発明によるマスキングテープは、上記水添スチレン系エラストマーの特定量に対し、特定量のベンゾトリアゾール系化合物が添加されている粘着剤を粘着剤層としているので、粘着剤層中にメッキ液が浸透し難く、従ってメッキラインの鮮明性に優れる。
【0058】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0059】
(実施例)
基材用として、ブロック型ポリプロピレン(商品名「BC3M」、東燃化学社製)75重量部及び低密度ポリエチレン(商品名「ミラソン12」、三井化学社製)25重量部を混合してポリオレフィン系樹脂組成物を準備した。又、粘着剤層用として、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂(商品名「ダイナロン1321P」、ジェイエスアール社製)100重量部、粘着性付与樹脂(商品名「アルコンP100」、荒川化学社製)20重量部、α−メチルスチレン系樹脂(商品名「エンデックス155」、理化ハーキュレス社製)10重量部及びメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を混合して粘着剤を準備した。
【0060】
次いで、上記で得られた基材用のポリオレフィン系樹脂組成物及び粘着剤層用の粘着剤を用いて、共押出法により、基材の厚みが35μm、粘着剤層の厚みが5μmのマスキングテープを作製した。
【0061】
(比較例)
粘着剤層用の粘着剤中にメチルベンゾトリアゾールを含有させなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、マスキングテープを作製した。
【0062】
上記実施例及び比較例で得られた2種類のマスキングテープの性能(▲1▼対SUS粘着力、▲2▼対銅粘着力、▲3▼対銀粘着力、▲4▼メッキラインの鮮明性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0063】
▲1▼対SUS粘着力、▲2▼対銅粘着力、▲3▼対銀粘着力:JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して、マスキングテープのSUS(ステンレススチール)面、銅面、銀面のそれぞれに対する180度角剥離粘着力(g/25mm)を測定した。
【0064】
▲4▼メッキラインの鮮明性:銅板にマスキングテープを貼り付けて、60℃の硫酸水溶液(0.5N)に1時間浸漬した後、銀メッキを1分間施した。次いで、水道水で銀メッキ液を洗浄した後、マスキングテープを再剥離して、メッキラインの鮮明性と変色の有無を目視で観察した。
【0065】
【表1】
【0066】
表1から明らかなように、本発明による実施例のマスキングテープは、SUS面、銅面、銀面のいずれに対しても良好な粘着力を示し、且つ、メッキラインは変色も無く、鮮明性に優れていた。
【0067】
これに対し、ベンゾトリアゾール系化合物(メチルベンゾトリアゾール)を含有させなかった粘着剤を粘着剤層として用いた比較例のマスキングテープは、銅面及び銀面に対する粘着力が劣っており、且つ、メッキラインに変色が認められ、鮮明性が悪かった。
【0068】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるマスキングテープは、良好なタックや各種被着体に対する良好な粘着力を有し、且つ、粘着剤層中にメッキ液が浸透し難いのでメッキラインの鮮明性に優れ、しかも、再剥離性に優れ貼付面に糊残りを生じないので洗浄が不要である。従って、特にメッキ用のマスキングテープとして好適に用いられる。
Claims (1)
- ポリオレフィン系樹脂基材の片面に粘着剤層が形成されてなるマスキングテープであって、上記粘着剤が、スチレン系化合物重合ブロックとスチレン−共役ジエンランダム共重合ブロックからなるエラストマーの水素添加樹脂及び/又はスチレン−共役ジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加樹脂100重量部に対し、α−メチルスチレン系樹脂0〜40重量部、粘着性付与樹脂0〜40重量部及びベンゾトリアゾール系化合物0.1〜2重量部が添加されていることを特徴とするマスキングテープ。
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