JP2009068093A - 半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法 - Google Patents

半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法 Download PDF

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一 辻葩
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則義 細野
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Abstract

【課題】マスキング層の粘着剤が劣化して剥離したり、マスキング層の剥離に支障を来たしたり、粘着剤が残存するおそれを排除できる半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハを平滑処理してその平滑なマスキング面に半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12を密着し、マスキング層12が密着された半導体ウェーハ1に前処理を加えた後にメッキ処理を施し、その後、メッキした半導体ウェーハをマスキング層12が密着したままの状態で搬送、貯蔵、あるいはピックアップする。マスキング層12をオレフィン系のエラストマーとし、エラストマーの半導体ウェーハのマスキング面に対する貼り付け面13を鏡面処理する。エラストマー製のマスキング層12を使用するので、体積変化が生じない限り、半導体ウェーハのマスキング面をマスキング層12の密着により保護できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、薄く脆い半導体ウェーハに関する半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法に関するものである。
メッキ液を用いる半導体ウェーハのメッキ処理時にはマスキング処理が施されるが、この処理は、具体的には半導体ウェーハに剥離可能なマスキング層12Aの粘着剤15が積層して貼着されることにより行われる(特許文献1参照)。マスキング層12Aは、図7に示すように、例えば可撓性を有する支持基材14にアクリル系やシリコーン系等の粘着剤15が積層することにより形成される。
特開平05‐86346号公報
従来における半導体ウェーハのメッキ処理は、以上のように半導体ウェーハにマスキング層12Aの粘着剤15が単に積層して貼着されるが、メッキ液によりマスキング層12Aの粘着剤15が劣化して剥離したり、粘着剤15の粘着力が高すぎてマスキング層12Aの剥離に支障を来たしたり、あるいはマスキング層12Aの剥離時に粘着剤15が半導体ウェーハに残存するという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、マスキング層の粘着剤が劣化して剥離したり、マスキング層の剥離に支障を来たしたり、粘着剤が残存するおそれを排除することのできる半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、半導体ウェーハの平滑面にフレームの中空部を覆うマスキング層を密着させるものであって、
マスキング層をオレフィン系のエラストマーとし、このエラストマーの少なくとも半導体ウェーハの平滑面に対する貼り付け面を鏡面処理したことを特徴としている。
なお、マスキング層のエラストマーは、プロピレン重合体をハードセグメントとすることが好ましい。
また、マスキング層のエラストマーは、JIS K7171で定められている曲げ弾性率が230MPa以下であることが好ましい。
また、本発明においては上記課題を解決するため、半導体ウェーハを平滑処理してその平滑面には請求項1、2、又は3に記載した半導体ウェーハ用治具のマスキング層を密着し、このマスキング層が密着された半導体ウェーハに前処理を施した後にメッキすることを特徴としている。
なお、半導体ウェーハの平滑面に半導体ウェーハ用治具のマスキング層を減圧下で密着することが好ましい。
また、メッキした半導体ウェーハをマスキング層が密着したままの状態で搬送あるいは貯蔵すると良い。
ここで、特許請求の範囲における半導体ウェーハは、近時100μm以下の厚さ(例えば50μmや75μm等)が多くなってきたが、何ら限定されるものではなく、100μmを超える厚さ(例えば150μmや200μm等)でも良い。エラストマーは、少なくとも半導体ウェーハの平滑面に対する貼り付け面が密着用に鏡面処理されるが、他の面が鏡面処理されても良い。
本発明によれば、マスキング層の粘着剤が劣化して剥離したり、マスキング層の剥離に支障を来たしたり、あるいは粘着剤が残存するおそれを排除することができるという効果がある。また、半導体ウェーハ用治具に半導体ウェーハを保持したままの状態でメッキ液に浸してメッキ処理するようにすれば、マスキング層の周縁部等がばたついて気泡を発生させるのを防止することができる。
また、マスキング層のエラストマーがプロピレン重合体をハードセグメントとする場合には、マスキング層の製造コストを低減することができる。
また、マスキング層のエラストマーの曲げ弾性率が、JIS K7171で230MPa以下の場合には、マスキング層に柔軟性を加え、半導体ウェーハとマスキング層との接合界面に外力を伝わりにくくすることができるので、たとえ半導体ウェーハ用治具に衝撃等が加わっても、半導体ウェーハからマスキング層の剥離することが少ない。
また、半導体ウェーハの平滑面に半導体ウェーハ用治具のマスキング層を減圧下で密着すれば、半導体ウェーハとマスキング層との間に対する気泡等の侵入を防止し、半導体ウェーハの汚染を防ぐことが可能になる。
さらに、メッキした半導体ウェーハをマスキング層が密着したままの状態で搬送あるいは貯蔵すれば、半導体ウェーハとマスキング層との一体化により、薄く撓み易い半導体ウェーハの剛性を高めてこれを保護することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における半導体ウェーハのメッキ方法は、図1ないし図6に示すように、先ず、半導体ウェーハ1を平滑処理してその平滑なメッキを要しないマスキング面2に半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12を密着し、このマスキング層12が密着された半導体ウェーハ1に前処理を加えた後にメッキ処理を施し、その後、メッキした半導体ウェーハ1を搬送、貯蔵、あるいはピックアップ(取り外し)するようにしている。
半導体ウェーハ1は、例えば口径200mm、300mm、450mmの薄く脆く撓み易いシリコンタイプやガリウムリンタイプ等からなり、半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12が密着されるマスキング面2が鏡面に平滑処理される。この半導体ウェーハ1は、表面に回路パターン3が形成される場合には図1に示すように、表面における回路パターン3の外周にエンドレスの土手壁4が突出形成され、この土手壁4の平坦面が鏡面のマスキング面2とされる。
また、半導体ウェーハ1の表面に複数のモザイク部5が配設される場合には図2に示すように、表面における各モザイク部5の外周に土手壁4が突出形成され、この土手壁4の平坦面がマスキング面2とされる。マスキング面2の鏡面化は、400メッシュ以下の砥石で研磨された面状態程度であるか否かを基準に行われる。研磨に使用される砥石は、400メッシュ以下、好ましくは200メッシュ以下、より好ましくは100メッシュが良い。このような半導体ウェーハ1は、土手壁4やその外方向の領域が不要な場合には、メッキ処理の後、土手壁4やその外側の領域が選択的に研磨あるいは除去される。
半導体ウェーハ用治具10は、図3に示すように、略リング形を呈した中空のフレーム11と、このフレーム11に接着されて中空部を覆う可撓性の薄いマスキング層12とを備え、この円形のマスキング層12に半導体ウェーハ1のマスキング面2が剥離可能に積層密着される。フレーム11は、例えば各種の樹脂を含む成形材料を使用して平板に形成される。具体的には、耐薬品性に優れるオレフィン系やフッ素系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂等を使用して成形される。
マスキング層12は、例えば耐薬品性や弾性に優れる単層のエラストマー(応力により変形し、この応力から開放された場合に元の形状に復帰しようとする性質の物質)からなり、周縁部がフレーム11の裏面に着脱自在に粘着あるいは接着されており、エラストマーの少なくとも半導体ウェーハ1のマスキング面2に対する貼り付け面13が平滑に鏡面処理されて密着機能を発揮する。
マスキング層12は、例えば製造法やコストの観点からプロピレン重合体をハードセグメントとするオレフィン系の柔軟なエラストマーからなり、このエラストマーの曲げ弾性率がJIS K7171下で230MPa以下、好ましくは220MPa以下、より好ましくは100MPa以下とされる。オレフィン系エラストマーとは、一般にハロゲン、窒素、燐等の元素を含まず、かつ主鎖が芳香族系の炭素により構成されない分子構造の高分子あるいはその混合物をいう。
係るオレフィン系エラストマー(TPO)には、分子の構成がハードセグメントとソフトセグメントとを有するいわゆるリアクターTPOと、ハードセグメントの熱可塑性オレフィンと、ソフトセグメントの熱可塑性オレフィンゴムを選択してなる混合物がある。オレフィン系エラストマーとして、ハードセグメント/ソフトセグメントという組み合わせは、ポリプロピレン(PP)/エチレン‐αオレフィン‐ジエン共重合体(EPDM)、ポリエチレン/EPDM、エチレン‐プロピレン共重合体(ブロック共重合体及びランダム共重合体)/EPDM、PP/エチレン‐プロピレン‐αオレフィン共重合体(ブロック共重合体、ランダム共重合体及びいわゆるPP系リアクターTPO)とEPDM、PPとエチレン‐αオレフィン/EPDM等、無数の組み合わせがあり、任意に選択される。
マスキング層12の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えばプレス成形等が採用される。また、これ以外にも、製造方法の簡便化やアウトガスの残留等が重視される場合には、押出成形法やカレンダー法が採用され、必要に応じ、マスキング層12が長尺に成膜される。これら以外の製造方法としては、所定の溶剤に材料を溶かしてキャスト化する製造方法があげられる。
マスキング層12の貼り付け面13は、平滑度(ベック式)500以上に鏡面処理されるが、この鏡面処理の方法としては、例えばPETやポリイミド等の鏡面加工されたフィルムの鏡面を転写する方法、鏡面加工された金属ロールの鏡面を転写する方法等があげられる。いずれの方法の場合も、鏡面加工するときには、マスキング層12の材料を溶融させてから加圧することにより鏡面が転写される。合理的な鏡面処理の方法としては、マスキング層12の成膜と同時に鏡面を転写することが好ましい。具体的には、カレンダー成形や押出成形の際に鏡面加工されたフィルム上に引き取るか、あるいは金属ロールに巻回して冷却と同時に鏡面を転写する。
マスキング層12の厚さは、10〜500μmの範囲、好ましくは30〜100μmの範囲が良い。これは、マスキング層12が10μm未満の厚さの場合には、損傷し易く、しかも、取り扱いに支障を来たすからである。逆に、500μmを超える厚さの場合には、製造コストの上昇を招くからである。
このような構成の半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12には、半導体ウェーハ1のマスキング面2が剥離可能に密着されるが、この際、気泡の侵入を防止して汚染を防ぐ観点から減圧下で隙間なく密着されることが好ましい。減圧下で隙間なく密着する方法としては、ロールを使用して半導体ウェーハ1とマスキング層12とを圧着する方法等が考えられるが、薄い半導体ウェーハ1が脆く割れやすいので、図4に示す貼り合わせ装置20の使用が最適である。
貼り合わせ装置20は、半導体ウェーハ1と半導体ウェーハ用治具10とをゴムシート22を介して収容する筐体21と、この筐体21の開口上部を着脱自在に開閉する蓋体23とを備え、この蓋体23の厚さ方向には減圧孔24が穿孔されており、この減圧孔24には、エアを吸引する図示しない真空ポンプが排気ラインを介して接続される。ゴムシート22は、底の浅い断面略U字形に形成され、凹んだ凹部内には半導体ウェーハ1が配置されており、周縁部上には半導体ウェーハ用治具10のフレーム11が複数の両面テープ等を介し着脱自在に固定される。
このような貼り合わせ装置20を使用して半導体ウェーハ1のマスキング面2に半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12を密着して保護したら、このマスキング層12が密着された半導体ウェーハ1に洗浄や脱脂等の前処理を施す。この前処理の具体的な方法については任意であるが、有機溶剤を使用すると、マスキング層12の損傷するおそれがある。
したがって、前処理する場合には、苛性ソーダ、ソーダ灰、重曹、炭酸ソーダ、セスキ炭酸ソーダ、亜硝酸ソーダ、青酸ソーダ、ボウ硝等のソーダ塩類、オルト珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ等の珪酸塩類、第一燐酸ソーダ、第二燐酸ソーダ、第三燐酸ソーダ、トリポリ燐酸ソーダ、ヘキサメタ燐酸ソーダ等の燐酸塩類、炭酸アンモニウム等のアンモニア塩類から選択される化合物の水溶液、アンモニア、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸、フッ酸等の無機酸、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸等の有機酸から選択される化合物、又はこれらの化合物の水溶液により洗浄すると良い。
半導体ウェーハ1に前処理を施したら、メッキ処理することとなる。このメッキ処理では、一般的に金、白金、パラジウム、ニッケル等が使用されるが、特に限定されるものではない。メッキ金属の塗着に際しては、様々なメッキ液が調製される。このメッキ液として使用する金属塩の種類、アノード、カソード、光沢材等の調合方法、メッキ条件、メッキ後の処理方法についても特に限定されるものではない。
半導体ウェーハ1をメッキ処理する場合には、半導体ウェーハ用治具10のフレーム11内周縁からマスキング層12を円形にカットし、このマスキング層12に半導体ウェーハ1を保持したままの状態でメッキ液に浸漬することもできるが、半導体ウェーハ用治具10に半導体ウェーハ1を保持したままの状態でメッキ液に浸漬することが好ましい。こうすれば、カットされたマスキング層12の周縁部がばたついて空気を巻き込み、浸漬時に気泡が発生して膨張するのを有効に防止することができる。
メッキ処理された半導体ウェーハ1は、半導体ウェーハ用治具10のマスキング層12の剥離に伴い損傷するおそれがあるので、マスキング層12が密着したままの状態で搬送、貯蔵、あるいはピックアップされる。半導体ウェーハ1を専用のロボットにより自動的に複数搬送したり、貯蔵する場合には、図5に示す搬送貯蔵容器30に収納して搬送、貯蔵するのが好ましい。
搬送貯蔵容器30は、例えば半導体ウェーハ1や半導体ウェーハ用治具10を収納するフロントオープンボックスタイプの容器本体31と、この容器本体31の開口した正面を着脱自在に開閉する蓋体とを備え、容器本体31の両側壁の内面には、半導体ウェーハ用治具10を水平に位置決め支持する左右一対の支持片32が対設されており、この一対の支持片32が容器本体31の上下方向に所定の間隔で複数配列される。
半導体ウェーハ1を搬送、貯蔵した後にピックアップする場合には、脆い半導体ウェーハ1の損傷を防止する観点から図6に示すピックアップ治具40を使用するのが好ましい。このピックアップ治具40は、半導体ウェーハ用治具10の大きさに対応する中空の治具本体41と、この治具本体41の平坦な表面側に所定の間隔をおき一体的に配列される複数の突起44とを備え、この複数の突起44間が治具本体41の中空部45に連通形成されており、複数の突起44上に半導体ウェーハ1を保持したマスキング層12が搭載される。
治具本体41は、各種の金属材料や高分子材料を使用して平面円形に形成され、底面には減圧孔42が穿孔されており、この減圧孔42には、エアを吸引する真空ポンプが排気ラインを介して接続される。また、複数の突起44間の凹部43は、0.1〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmの深さの丸孔等に形成される。また、複数の突起44は、治具本体41の表面積の20〜80%、好ましくは40〜60%の範囲に配列され、各突起44が成形の容易化の観点から円柱形や円錐台形等に形成される。
このようなピックアップ治具40は、真空ポンプが駆動すると、マスキング層12が複数の突起44に追従して凹凸に変形し、このマスキング層12と半導体ウェーハ1との間にエアが侵入し、撓んだマスキング層12から半導体ウェーハ1が容易に取り外されることとなる。
上記によれば、従来のプラストマー(応力により変形し、この応力から開放された場合に元の形状に復帰しない性質の物質)製のマスキング層12Aではなく、エラストマー製のマスキング層12を使用するので、体積変化が生じない限り、半導体ウェーハ1のマスキング面2をマスキング層12の密着により継続保護することができる。これにより、メッキ液でマスキング層12が劣化して剥離するのを抑制防止することができる。
また、半導体ウェーハ1のマスキング面2にマスキング層12を粘着剤15により粘着するのではなく、必要十分な最低限度の接合強度を有する鏡面の貼り付け面13を利用して密着するので、粘着力が高すぎてマスキング層12の剥離に支障を来たしたり、半導体ウェーハ1の損傷を招くことがなく、しかも、マスキング層12の剥離時に粘着剤15が残存することもない。
また、マスキング層12の曲げ弾性率がJIS K7171で230MPa以下で、密着性に資する他、半導体ウェーハ1とマスキング層12との接合界面に外力が伝わりにくいので、例え鏡面化された貼り付け面13の接合強度が従来より弱くても、半導体ウェーハ1のマスキング面2からマスキング層12が安易に剥離することがない。したがって、半導体ウェーハ1のマスキング面2の汚染防止が期待できる。
また、マスキング層12を、プロピレン重合体をハードセグメントとするオレフィン系のエラストマーとするので、優れた耐薬品性により、メッキ液で半導体ウェーハ1やマスキング層12が損傷するのを抑制防止することが可能になる。また、プラストマーではなく、エラストマー製のマスキング層12を採用すれば、洗浄により繰り返して使用することが可能になる。さらに、エラストマー製のマスキング層12は、形状記憶効果を奏するので、例え半導体ウェーハ1との密着により密着痕が残存しても、融点以下の温度で所定時間加熱すれば、元の平滑な状態に容易に復帰させることが可能になる。
なお、上記実施形態ではフレーム11にマスキング層12を貼着したが、何らこれに限定されるものではなく、例えばフレーム11にマスキング層12を直接間接に接着しても良いし、フレーム11を一対に分割してその間にマスキング層12を挟持させるようにしても良い。また、半導体ウェーハ1のメッキ処理、搬送、貯蔵、あるいはピックアップする工程については、必要に応じ、順序を変更しても良い。
以下、本発明に係る半導体ウェーハ用治具及び半導体ウェーハのメッキ方法の実施例を比較例と共に説明する。
実施例
先ず、Tダイを備えた押出機により、87MPaの曲げ弾性率を有するオレフィン系のエラストマー〔商品名ゼラス707:三菱化学社製〕を押し出して鏡面化されている厚さ75μmのポリイミドフィルムの鏡面上にラミネートし、これらエラストマーとポリイミドフィルムとを冷却することにより、厚さ50μmのラミネートフィルムを長尺に製造して巻き取った。押出機については、L/Dが30で、シリンダ径が75mmの機器を使用した。
得られたラミネートフィルムのエラストマーからポリイミドフィルムの剥離を試みたところ、ポリイミドフィルムを簡単に手で剥離することができた。また、マスキング層であるエラストマーの剥離面にはポリイミドフィルムの鏡面が転写されていた。
次いで、固定式の回転研磨機に、メッキされる半導体ウェーハを取り付けて200、1000、4000、10000、150000メッシュのサンドペーパーで研磨し、半導体ウェーハの両面を鏡面化して100μmの厚さとした。半導体ウェーハは、径4インチ、厚さ1.0mmのタイプを使用した。
こうして半導体ウェーハの両面を鏡面化したら、ポリエチレン製のフレームの片面に湿気硬化型シリコーン接着剤〔商品名スーパーX:セメダイン社製〕を塗布し、ラミネートフィルムを500mm角に切断してからポリイミドフィルムを剥離し、マスキング層であるエラストマーの鏡面、すなわち貼り付け面が上になるように貼着して図3に示す半導体ウェーハ用治具を製造した。フレームは、内径195mm、外径230mm、厚さ2.5mmのタイプとした。
次いで、図4の貼り合わせ装置に半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とをセットし、貼り合わせ装置を減圧して半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具のマスキング層とを密着させた。10分後、貼り合わせ装置の減圧を解消してから一体化した半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを取り出して観察したところ、エアを巻き込むことなく、半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具のマスキング層とが密着していた。
次いで、pH0.5に調整された酸性の洗浄液に一体化した半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを1時間浸漬した後に水洗いし、マスキング層を観察したところ、マスキング層のいずれの端部も剥がれていなかった。また、pH12に調整されたアルカリ性の洗浄液に半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを1時間浸漬した後に水洗いし、マスキング層を観察したところ、いずれの端部にも剥離を認めなかった。
次いで、ニッケルメッキ液に一体化した半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを30分間浸漬した後に十分に水洗いしたが、半導体ウェーハの非マスキング面に均質なメッキ層が形成されていた。そして、マスキング層を剥離したが、簡単に剥離でき、しかも、マスキング部分にメッキ塗着を全く確認しなかった。
次いで、上記作業を繰り返して一体化した半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを12個用意し、これらを密着状態のままで図5の搬送貯蔵容器に収納して台車で搬送した後、1月間室温で貯蔵した。こうして一体化した複数の半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを搬送貯蔵容器に1月間室温で貯蔵したら、これらを順次取り出して図6に示すピックアップ治具により半導体ウェーハを手で取り外した。この際、半導体ウェーハ用治具から半導体ウェーハを損傷させることなく簡単に取り外すことができた。
半導体ウェーハ用治具を観察したところ、半導体ウェーハに密着していたマスキング層の密着領域に僅かな陥没が見られた。そこで、100℃のオーブンに半導体ウェーハ用治具を3分間セットしたところ、マスキング層の陥没が元の状態に復帰した。この半導体ウェーハ用治具を使用して別の半導体ウェーハに再びメッキ処理を施したところ、完全なマスキング状態を得ることができた。これにより、半導体ウェーハ用治具の反復使用可能なことを確認することができた。
比較例
先ず、ポリイミド製の支持基材にアクリル系の粘着剤が積層されたマスキング層を用意し、このマスキング層と実施例のフレームとを組み合わせて半導体ウェーハ用治具を製造し、その後、実施例の半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具のマスキング層とを貼着した。この際、マスキング層の粘着剤により実施例の貼り合わせ装置を使用することができなかったので、やむを得ずロールによりエアを巻き込まないように圧着した。このとき、ロールの圧力により、半導体ウェーハがやや損傷した。
半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを一体化したら、実施例同様、半導体ウェーハにメッキ処理を施し、マスキング層を剥離して観察した。この際、マスキング層は、タック性が強く、剥離に困難が生じた。また、剥離したマスキング層の粘着領域から1〜7mm内側の部分がメッキ塗着されていた。
次いで、上記作業を繰り返して一体化した半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを12個用意し、これらを密着状態のままで図5の搬送貯蔵容器に収納して台車で搬送した後、1月間室温で貯蔵した。一体化した複数の半導体ウェーハと半導体ウェーハ用治具とを搬送貯蔵容器に1月間室温で貯蔵したら、これらを順次取り出して半導体ウェーハを手で取り外そうとした。すると、作業が困難化し、半導体ウェーハに損傷が生じた。
本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の実施形態における半導体ウェーハを模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の実施形態における他の半導体ウェーハを模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る半導体ウェーハ用治具の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。 本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の実施形態における貼り合わせ装置を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の実施形態における搬送貯蔵容器を模式的に示す断面説明図である。 本発明に係る半導体ウェーハのメッキ方法の実施形態におけるピックアップ治具を模式的に示す断面説明図である。 従来のプラストマー製のマスキング層を示す断面説明図である。
符号の説明
1 半導体ウェーハ
2 マスキング面
3 回路パターン
4 土手壁
5 モザイク部
10 半導体ウェーハ用治具
11 フレーム
12 マスキング層
12A マスキング層
13 貼り付け面
14 支持基材
15 粘着剤
20 貼り合わせ装置
30 搬送貯蔵容器
40 ピックアップ治具
41 治具本体
44 突起

Claims (6)

  1. 半導体ウェーハの平滑面にフレームの中空部を覆うマスキング層を密着させる半導体ウェーハ用治具であって、
    マスキング層をオレフィン系のエラストマーとし、このエラストマーの少なくとも半導体ウェーハの平滑面に対する貼り付け面を鏡面処理したことを特徴とする半導体ウェーハ用治具。
  2. マスキング層のエラストマーは、プロピレン重合体をハードセグメントとする請求項1記載の半導体ウェーハ用治具。
  3. マスキング層のエラストマーは、JIS K7171で定められている曲げ弾性率が230MPa以下である請求項1又は2記載の半導体ウェーハ用治具。
  4. 半導体ウェーハを平滑処理してその平滑面には請求項1、2、又は3に記載した半導体ウェーハ用治具のマスキング層を密着し、このマスキング層が密着された半導体ウェーハに前処理を施した後にメッキすることを特徴とする半導体ウェーハのメッキ方法。
  5. 半導体ウェーハの平滑面に半導体ウェーハ用治具のマスキング層を減圧下で密着する請求項4記載の半導体ウェーハのメッキ方法。
  6. メッキした半導体ウェーハをマスキング層が密着したままの状態で搬送あるいは貯蔵する請求項4又は5記載の半導体ウェーハのメッキ方法。
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