JP2007335705A - キャリア治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ダイシングテープの余剰部を刃物により除去する際、成形されたフレームから切削屑が発生して半導体ウェーハを汚染させるのを抑制することができ、しかも、刃物による切削跡に切削屑の付着するおそれの少ないキャリア治具を提供する。
【解決手段】 バックグラインドにより薄片化された半導体ウェーハを収容する中空のフレーム1と、このフレーム1の裏面4に接着され、半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープ10とを備え、フレーム1の裏面4に、ダイシングテープ10に接着する金属製の切削屑発生防止層20を積層し、この切削屑発生防止層20により、ダイシングテープ10の余剰部11除去に伴う切削屑の発生を抑制防止する。カッタ刃31がフレーム1ではなく、硬い切削屑発生防止層20に接触し、異物が発生しないので、フレーム1の裏面4をカッタ刃31により切削してしまうことがない。
【選択図】 図3
【解決手段】 バックグラインドにより薄片化された半導体ウェーハを収容する中空のフレーム1と、このフレーム1の裏面4に接着され、半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープ10とを備え、フレーム1の裏面4に、ダイシングテープ10に接着する金属製の切削屑発生防止層20を積層し、この切削屑発生防止層20により、ダイシングテープ10の余剰部11除去に伴う切削屑の発生を抑制防止する。カッタ刃31がフレーム1ではなく、硬い切削屑発生防止層20に接触し、異物が発生しないので、フレーム1の裏面4をカッタ刃31により切削してしまうことがない。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体ウェーハのダイシング工程で使用されるキャリア治具に関するものである。
半導体ウェーハのダイシング工程では半導体ウェーハを保護・固定するキャリア治具が使用されるが、このキャリア治具は、図示しないが、バックグラインドにより薄片化された半導体ウェーハを収容するフレームと、このフレームの裏面に接着され、バックグラインドされた半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープとを備えて構成され、半導体ウェーハが高速で回転するブレードにより個々のチップに分離される(特許文献1、2参照)。
フレームは、例えばSUS等の材料を使用して中空のリングに形成され、300g程度の重量を有している。また、ダイシングテープは、例えば紫外線の照射により硬化したり、接着力が低下するUVテープ等からなり、使用後にフレームの裏面から剥離される。
このようなキャリア治具を製造する場合には、ダイシングテープ貼付装置にフレームをセットしてその裏面にダイシングテープを接着し、フレームの裏面外周部から食み出たダイシングテープの余剰部をダイシングテープ貼付装置のカッタ刃により切断して除去すれば、キャリア治具を製造することができる。
特開2005‐251986号公報
特開2005‐203540号公報
従来におけるキャリア治具は、以上のように構成され、フレームが通信特性に悪影響を及ぼす重いSUS等を使用して製造されているので、半導体ウェーハ収納時のカセットが全体として重く(例えば、約18kg)なり、しかも、近年注目されているRFIDシステムを活用して履歴管理することができないという問題がある。
係る問題を解消するには、樹脂を含む成形材料によりフレームを成形すれば良いが、単なる成形では、フレームの裏面外周部から食み出たダイシングテープの余剰部をカッタ刃により切断する際、フレームをもカッタ刃により切削してしまい、切削屑が発生して半導体ウェーハの汚染を招くという大きな問題が新たに生じることとなる。また、使用済みのダイシングテープを剥離する際、カッタ刃による切削跡に切削屑の付着するおそれが少なくない。
さらに、フレームは、場合によりリユースされるが、リユースの際、カッタ刃による切削跡に次に貼ったダイシングテープの粘着剤が食い込み、使用後のダイシングテープを剥離したときに切削跡に粘着剤残りの発生することがある。この粘着剤の残存は、ダイシングテープの密着不良の原因になったり、あるいはフレームを重ねたときにその表面に転移し、半導体ウェーハ上に異物となって付着する等の原因となる。このため、一度使用したフレームは、リユースの度にブラシ等で洗浄し、粘着剤残りを除去しなければならないという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、ダイシングテープの余剰部を刃物により除去する際、成形されたフレームから切削屑が発生して半導体ウェーハを汚染させるのを抑制することができ、しかも、刃物による切削跡に切削屑の付着するおそれの少ないキャリア治具を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、半導体ウェーハを収容する中空のフレームと、このフレームの裏面に貼り付けられ、半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープとを備え、このダイシングテープの余剰部を刃物により除去するものであって、
フレームを、樹脂を含む成形材料により成形し、このフレームの裏面に、金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制するようにしたことを特徴としている。
なお、フレームの裏面の外周部を切り欠いて刃物回避用の段差部を形成し、フレームの裏面の内周部と段差部のうち、少なくとも内周部に切削屑発生防止層を設けることができる。
フレームを、樹脂を含む成形材料により成形し、このフレームの裏面に、金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制するようにしたことを特徴としている。
なお、フレームの裏面の外周部を切り欠いて刃物回避用の段差部を形成し、フレームの裏面の内周部と段差部のうち、少なくとも内周部に切削屑発生防止層を設けることができる。
また、薄片化された半導体ウェーハを収容する中空のフレームと、このフレームの中空部に収容された半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープとを備え、フレームの裏面にダイシングテープを貼り付けてその余剰部を刃物により除去するものであって、
フレームを、樹脂を含む成形材料により成形し、このフレームの裏面に、ダイシングテープと貼り付く金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制するようにしたことを特徴としても良い。
フレームを、樹脂を含む成形材料により成形し、このフレームの裏面に、ダイシングテープと貼り付く金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制するようにしたことを特徴としても良い。
また、樹脂を含む成形材料により成形された中空のフレームの裏面に、バックグラインドされた半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープを貼り付け、このダイシングテープの余剰部を刃物により除去するキャリア治具の製造方法であって、
フレームの裏面に、ダイシングテープと貼り付く金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制することを特徴としても良い。
フレームの裏面に、ダイシングテープと貼り付く金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制することを特徴としても良い。
また、フレームに、RFIDシステムのRFタグを貼り付けることができる。
また、フレームと切削屑発生防止層とをインサート成形により一体化することができる。
さらに、切削屑発生防止層をステンレス製とすることが可能である。
さらにまた、切削屑発生防止層をエンドレスに形成することが可能である。
また、フレームと切削屑発生防止層とをインサート成形により一体化することができる。
さらに、切削屑発生防止層をステンレス製とすることが可能である。
さらにまた、切削屑発生防止層をエンドレスに形成することが可能である。
ここで、特許請求の範囲におけるフレームは、中空であれば、リング形でも良いし、枠形等でも良い。また、半導体ウェーハは、200mm、300mm、450mmタイプ等を特に問うものではない。ダイシングテープは、PVC系型や紫外線硬化型等の種類を特に問うものではない。さらに、成形材料には、樹脂の他、帯電防止剤等の各種のフィラーを必要に応じて添加することができる。
本発明によれば、通信特性に悪影響を及ぼさない樹脂を含む成形材料によりフレームを成形するので、半導体ウェーハ収納時のカセットの軽量化を図ることができ、しかも、RFIDシステムを有効に活用して履歴管理等することができる。また、ダイシングテープの余剰部を刃物により切断する際、刃物がフレームではなく、硬い切削屑発生防止層に接触するので、切削屑等からなる異物の発生を防ぐことができる。
本発明によれば、ダイシングテープの余剰部を刃物により除去する際、成形されたフレームから切削屑が発生して半導体ウェーハを汚染させるのを抑制することができるという効果がある。また、刃物による切削跡に切削屑の付着するおそれを低減することができる。また、ダイシングテープの粘着剤残りを防ぐことができるので、使用の度にフレームを洗浄等する必要がない。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態におけるキャリア治具は、図1ないし図3に示すように、薄片化された半導体ウェーハWを収容するフレーム1と、このフレーム1に収容された半導体ウェーハWを保持するダイシングテープ10とを備え、フレーム1の裏面4に、金属製の切削屑発生防止層20を積層するようにしている。
半導体ウェーハWは、例えば口径300mm(12インチ)に丸くスライスされ、表面に回路パターンが描画形成されており、半導体パッケージの薄型化に鑑み、前工程のバックグラインドにより750μm程度の厚さから100μm以下の厚さに薄片化される。
フレーム1は、図1ないし図3に示すように、所定の樹脂を含む成形材料により半導体ウェーハWよりも大きい中空の平面略リング形に射出成形され、平坦な表面に矩形の収納穴2が凹み形成されており、この収納穴2内に、表面に面一に揃えられるRFIDシステムのRFタグ3が貼着される。
所定の樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば機械的強度に優れるPPS、PA、PEI、PAI、PEEK、PES、LCP、PBT等があげられる。この樹脂には、強度や剛性を確保するガラス繊維、炭素繊維、炭酸カルシウム等のフィラーが必要に応じて配合される。
RFIDシステムは、電波により内部メモリがアクセスされ、フレーム1と共に移動するRFタグ3と、このRFタグ3との間で電波や電力を送受信するアンテナユニットと、RFタグ3との交信を制御するリーダ/ライタと、このリーダ/ライタを制御するコンピュータとを備えて構成される。アンテナユニットとリーダ/ライタとは、別々に構成されるが、必要に応じて一体化される。また、リーダ/ライタの制御に支障を来たさなければ、コンピュータの代わりに各種のコントローラが使用される。
ダイシングテープ10は、図1や図3に示すように、例えば紫外線の照射により硬化したり、接着力が低下する可撓性のUVテープ等からなり、半導体ウェーハWよりも大きい平面円形の薄膜に形成されてフレーム1の平坦な裏面4に切削屑発生防止層20を介し接着されており、フレーム1の中空部に収容された半導体ウェーハWを粘着保持するとともに、使用後にフレーム1の切削屑発生防止層20から剥離される。
切削屑発生防止層20は、図2や図3に示すように、例えば耐食性に優れ、硬度の高いステンレス、クロム鋼、チタン等を使用して平坦な平面略リング形に形成され、フレーム1の裏面4、換言すれば、裏面4のカッタ刃接触領域に接着剤を介して接着されており、ダイシングテープ10の対向面周縁部に接着する。
上記において、キャリア治具を製造する場合には、既存のダイシングテープ貼付装置30に成形されたフレーム1をセットしてその裏面4と切削屑発生防止層20とを上方に向け、この露出したフレーム1の裏面4に大き目のダイシングテープ10を平坦な切削屑発生防止層20を介して接着し、その後、フレーム1の裏面外周部から食み出るダイシングテープ10の余剰部11をダイシングテープ貼付装置30のカッタ刃31により切断して除去すれば、キャリア治具を製造することができる。カッタ刃31は、フレーム1の周面に沿って移動するようダイシングテープ貼付装置30に支持されている。
上記構成によれば、フレーム1を、重いSUS等を使用して製造するのではなく、絶縁性の樹脂を含む成形材料により薄く軽く射出成形するので、半導体ウェーハ収納時のカセット全体の著しい軽量化(例えば、約13kg)を図ることができ、しかも、RFIDシステムを有効に活用して履歴管理することができる。
また、フレーム1から食み出るダイシングテープ10の不要な余剰部11をカッタ刃31により切断する際、カッタ刃31が樹脂製のフレーム1の裏面4ではなく、硬い切削屑発生防止層20に接触し、異物が発生しないので、フレーム1の裏面4をカッタ刃31により切削してしまうことがない。したがって、切削屑が発生して半導体ウェーハWの汚染を招いたり、使用済みのダイシングテープ10を剥離する際、カッタ刃31による切削跡に切削屑の付着するのをきわめて有効に抑制防止することができる。
また、薄いフレーム1の裏面4に切削屑発生防止層20を積層して接着する以外、構造的に何ら従来と異なるものではないから、既存のダイシングテープ貼付装置30や後工程装置を改良することなく、そのまま有効利用することが可能になる。また、フレーム1の表面にRFIDシステムのRFタグ3を面一の高さに揃えて貼着することができるので、フレーム1の平滑性を維持・向上させることができ、しかも、RFタグ3を貼着したまま繰り返して使用することが可能になる。
さらに、フレーム1のリユースの際、カッタ刃31による切削跡に次に貼ったダイシングテープ10の粘着剤が食い込み、使用後のダイシングテープ10を剥離したときに切削跡に粘着剤残りの発生するのを有効に防止することができる。したがって、粘着剤の残存に伴い、ダイシングテープ10の密着不良が生じたり、半導体ウェーハW上に異物となって付着することがない。さらにまた、一度使用したフレーム1をリユースの度にブラシ等で洗浄し、粘着剤残りを除去する必要もない。
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、フレーム1の裏面外周部を切り欠いてカッタ刃回避用の段差部5を平坦に形成し、このフレーム1の裏面4における内周部と凹んだ段差部5のうち、内周部に切削屑発生防止層20を積層して接着するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、ダイシングテープ10をカッタ刃31により切断する際、カッタ刃31が凹んだ段差部5に接触しないので、フレーム1の裏面をカッタ刃31により切削してしまうことがないのは明らかである。また、フレーム1の裏面内周部にのみ切削屑発生防止層20を接着すれば良いから、切削屑発生防止層20の材料節約を図ることができるのは明らかである。
次に、図5は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、フレーム1の裏面外周部を切り欠いてカッタ刃回避用の段差部5を平坦に形成し、このフレーム1の裏面4における内周部と凹んだ段差部5に、屈曲した切削屑発生防止層20を積層して接着するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、切削屑発生防止層20の形状の多様化を図ることができるのは明らかである。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、切削屑発生防止層20の形状の多様化を図ることができるのは明らかである。
なお、上記実施形態ではフレーム1の裏面4に切削屑発生防止層20を接着したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、フレーム1と切削屑発生防止層20とをインサート成形により一体化し、製造の簡素化を図るようにしても良い。また、ダイシングテープ貼付装置30は、自動でも半自動でも良い。
1 フレーム
2 収納穴
3 RFタグ
4 裏面
5 段差部
10 ダイシングテープ
11 余剰部
20 切削屑発生防止層
30 ダイシングテープ貼付装置
31 カッタ刃(刃物)
W 半導体ウェーハ
2 収納穴
3 RFタグ
4 裏面
5 段差部
10 ダイシングテープ
11 余剰部
20 切削屑発生防止層
30 ダイシングテープ貼付装置
31 カッタ刃(刃物)
W 半導体ウェーハ
Claims (2)
- 半導体ウェーハを収容する中空のフレームと、このフレームの裏面に貼り付けられ、半導体ウェーハを粘着保持するダイシングテープとを備え、このダイシングテープの余剰部を刃物により除去するキャリア治具であって、
フレームを、樹脂を含む成形材料により成形し、このフレームの裏面に、金属製の切削屑発生防止層を設け、この切削屑発生防止層により、ダイシングテープの余剰部除去に伴う切削屑の発生を抑制するようにしたことを特徴とするキャリア治具。 - フレームの裏面の外周部を切り欠いて刃物回避用の段差部を形成し、フレームの裏面の内周部と段差部のうち、少なくとも内周部に切削屑発生防止層を設けた請求項1記載のキャリア治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006167062A JP2007335705A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | キャリア治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006167062A JP2007335705A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | キャリア治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007335705A true JP2007335705A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38934867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006167062A Pending JP2007335705A (ja) | 2006-06-16 | 2006-06-16 | キャリア治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007335705A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007335706A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | キャリア治具 |
CN108724493A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-11-02 | 昆山扬明光学有限公司 | 用于晶圆划片切割的刀片组件及包含其的切割机 |
WO2022024482A1 (ja) * | 2020-07-27 | 2022-02-03 | 株式会社アイエス | フレーム |
-
2006
- 2006-06-16 JP JP2006167062A patent/JP2007335705A/ja active Pending
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