JP3742187B2 - 自動変速機の変速操作入力装置 - Google Patents

自動変速機の変速操作入力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機、特に、変速段を予め設定されている変速特性に基づいて自動的に切り換えるオートモードの他に、シフトレバーを前後方向に揺動操作することにより変速段を切り換えるマニュアルモードを有する自動変速機の変速操作入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、所定の変速段が達成されるように構成したものである。
【0003】
ところで近年、このような車両用の自動変速機として、予め車速やスロットル開度等の運転状態に応じて設定されている変速特性とこれらの実測値とに基づいて変速段を決定し、この決定された変速段が達成されるように上記動力伝達経路を自動的に切り換えるオートモード(特許請求の範囲における「第1の変速モード」であり、以下「Dモード」という。)の他に、シフトレバーを前後方向に揺動操作することにより変速段を切り換えるマニュアルモード(特許請求の範囲における「第2の変速モード」であり、以下「Mモード」という。)を備えたものが実用化されつつあり、このような自動変速機として、例えば特開平3−89075号公報や特開平3−103650号公報に開示されたものがある。
【0004】
この自動変速機においては、シフトレバーを車両前後方向に延びる第1の切換通路内において揺動操作することにより、P(駐車)、R(後退)、N(中立)、D(ドライブ)、3(3速)、2(2速)、1(1速)の各レンジ(以下「揺動位置」ともいう。)が選択可能とされ、上記DレンジにおいてDモードが設定されると共に、このDレンジの選択位置から横方向に延びる横方向通路を介してシフトレバーを上記第1の切換通路に平行でMモードが設定されるMレンジ用の第2の切換通路に切り換えて、この第2の切換通路内において中立位置から前方へ揺動操作することにより変速段が1段シフトアップし、後方へ揺動操作することにより変速段が1段シフトダウンするように構成されている。
【0005】
また、このような、通常のレンジ選択用の第1の切換通路の側方にこれと平行してMレンジ用の第2の切換通路を設けた並列タイプではなく、車両前後方向に並ぶ通常レンジの選択位置の列の一端にMレンジの選択位置を配置し、シフトレバーをこの列の当該端部まで操作したときにMレンジが選択されると共に、このMレンジの選択位置内におけるシフトレバーの前後方向の揺動操作により変速段がシフトアップもしくはシフトダウンされるように構成した直列タイプも考えられる。
【0006】
しかしながら、いずれの構成においても、従来のレンジ構成に加えて、新たにMモードが設定されるMレンジを追加配置するので、レンジ数が増えて切換通路の全体形状ないしシフトレバーの動作領域の幅や長さが大きくなり、これに伴って変速操作入力装置の寸法が全体的に拡大して、車体への取り付けや、周辺機器との間のレイアウトに支障を来すことになる。
【0007】
このような問題に対処するものとして、特開平6−74318号公報には、シフトレバー上端のグリップ部にモード切換スイッチを、またシフトレバーの中間部にシーソー式の変速スイッチをそれぞれ設けて、シフトレバーでDレンジを選択した状態で上記切換スイッチを押し操作することにより変速モードがDモードとMモードとの間で交互に切り換えられ、そして、Mモードにおいて上記変速スイッチの両端部のいずれか一方を押し操作することにより変速段がシフトアップもしくはシフトダウンされる技術が開示されている。これによれば、単一のDレンジにおいてDモードとMモードとの両方が設定されるので、新たにMレンジを追加配置する必要がなくなり、レンジ数の増大が防がれてレイアウト性が向上することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示された従来の技術では、DモードとMモードとの間の切換えが、シフトレバーに設けられたモード切換スイッチを単に押し操作するだけで行なわれるので、変速モードの切換えという車両走行上重要な操作の実感に欠けると共に、モード切換スイッチを押し操作するためにシフトレバーの持ち替えが必要となり操作性の面で好ましくない。また、いきおい誤って押し操作をし易く、希望しない変速モードの切換えが起こる虞がある。
【0009】
また、同様に、Mモードにおける手動変速も、シフトレバーに設けられたシーソー式の変速スイッチを単に押し操作するだけで行なわれるので、変速という車両走行上重要な操作の実感に欠けると共に、モード切換スイッチを押し操作するためにシフトレバーの持ち替えが必要となり操作性の面で好ましくなく、また、やはりいきおい誤って押し操作をし易く、希望しない変速が起こる虞もある。
【0010】
このような不具合に対処するものとしては、DモードとMモードとの間でのモードの切換え及びMモードにおける手動変速の操作を、それぞれ操作上のフィーリングのよいシフトレバーの揺動操作によって行なうように構成することが考えられる。すなわち、例えば、シフトレバーの複数の揺動位置のうちの所定の揺動位置、例えばDレンジをDモードとMモードとの共用レンジとし、シフトレバーをPレンジやRレンジ等の他のレンジからこの共用レンジであるDレンジに操作したときにはDモードが設定され、そしてこのDモードにおいてシフトレバーをこのDレンジ内で中立位置から所定の方向、例えば後方に揺動させたときにモードがDモードからMモードに切り換えられるようにすると共に、このMモードにおいてシフトレバーをこのDレンジ内で中立位置から所定の方向、例えば前後に揺動させることにより変速段がシフトアップ又はシフトダウンされるように構成することが考えられるのである。このようにすることにより、モードの切換えや手動変速といった車両走行上重要な操作のフィーリングが改善されて、良好な操作感が得られることになる。
【0011】
しかしながら、このようなモードの切換え操作や手動変速操作を、レンジ選択位置の切換え操作、つまりシフト操作と同じように、シフトレバーを揺動させることによって行なうようにする場合には、次のような解決すべき問題が生じる。
【0012】
すなわち、この場合は、Mモード専用のレンジを追加配置するのではなく、既存の所定の揺動位置を二つのモードの共用レンジとするので、その複数のレンジ選択位置の並びは従来の一般的な並びと同じ車両前後方向に延びる直列タイプとなり、その結果、レンジを切り換えるためのシフトレバーの揺動方向は、上記レンジ選択位置の列の並びの方向に沿った車両前後方向となる。一方、モードの切換え及びMモードにおける手動変速をシフトレバーの揺動操作で行なおうとする場合における該シフトレバーの揺動方向については、該レバーの動作領域が車両の幅方向に拡大してレイアウト性が損なわれるのを避けるために、上記レンジ選択位置の列の並びの方向と同じ車両前後方向とすることが好ましくなる。
【0013】
したがって、レンジ切換えのためのシフトレバーの揺動方向と、上記のモード切換え及びMモードにおける手動変速のためのシフトレバーの揺動方向とが、共に同じ車両前後方向で一致することになり、その結果、シフトレバーをPレンジやRレンジ等の他のレンジからこの共用レンジに操作したときに、勢い余って該シフトレバーをこの共用レンジ内において中立位置を越えて揺動してしまった場合には、Dモードを飛び越えてMモードが設定されたり、また、Mモードでの手動変速時のシフトレバーの揺動によって、その揺動方向へのレンジの切り換えが起こる等の不具合の発生が考えられるのである。つまり、この共用レンジの選択位置においてシフトレバーが揺動されたときに、その揺動が、はたしてレンジの切換え操作を意図することによるものなのか、又はモードの切換え操作もしくはMモードにおける手動変速操作を意図することによるものなのかが判別できるように構成しないと、単なるシフトレバーの揺動操作でモードの切換え及び手動変速を行なうように構成しただけでは、運転者の意に反した結果が生じる虞があるのである。
【0014】
そこで、本発明は、従来のDモードに加えてMモードを併設する場合における上記のような実情に対処するもので、運転者の意図しない結果を発生させることがなく、且つ、レイアウト性が良く、操作性に優れた自動変速機の変速操作入力装置を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0018】
まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明(以下「第1発明」という。)は、予め運転状態に応じて設定されている変速特性に基づき自動的に変速を行なう第1の変速モードと、運転者の手動操作に応じて変速を行なう第2の変速モードとを有する自動変速機の変速操作入力装置であって、複数の揺動位置のそれぞれにおいて保持可能、且つこれらの揺動位置のうちの所定の単一の揺動位置において該揺動位置内で車両前後方向に揺動可能に構成されているシフトレバーと、該シフトレバーが上記所定揺動位置にあり、且つ運転者によるレバー操作が行なわれていないときに、該レバーを所定揺動位置内の中立位置に保持する保持部材と、上記シフトレバーの下部に該レバーから車両左右方向に突出するように設けられ、且つ該レバーが所定揺動位置にあるときに、該レバーの長手方向において相互に離間して配置された第1の位置と第2の位置との間で移動可能に構成されているシフトピンと、該シフトピンの位置を検出する位置検出手段と、上記シフトピンを上記第1の位置側から第2の位置方向へ付勢する付勢手段と、該付勢手段によるシフトピンの第1の位置から第2の位置への移動を規制する規制手段と、該規制手段による規制をシフトレバーの所定揺動位置内における一方向への揺動に応じて解除してシフトピンを第2の位置へ移動可能とする解除手段と、上記シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、シフトレバーの所定揺動位置内における上記中立位置からの車両前後方向の揺動をシフトピンの動きによって検出する揺動検出手段と、上記位置検出手段及び揺動検出手段の検出結果を受けて、シフトピンが第1の位置にあるときには上記変速特性に基づき変速段を決定する第1の変速モードで自動変速機を制御し、シフトピンが第2の位置にあるときにはシフトレバーの所定揺動位置内における車両前後方向の揺動に応じて変速段を決定する第2の変速モードで自動変速機を制御するように構成された制御手段とが備えられていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項2に記載した発明(以下「第2発明」という。)は、上記第1発明において、規制手段は、シフトピンの第1の位置から第2の位置への移動のみを規制し、第2の位置から第1の位置への移動は許容するように構成されていると共に、シフトピンは、運転者による所定の操作によって付勢手段による付勢に抗して第2の位置から第1の位置へ移動するように構成されて、規制手段は、シフトピンが第2の位置から第1の位置へ移動したときに、該シフトピンの第1の位置から第2の位置への移動の規制を開始するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
さらに、請求項3に記載した発明(以下「第3発明」という。)は、上記第1発明において、揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成されて、制御手段は、上記揺動検出手段が規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの上記揺動を検出したときには、変速段をシフトダウンさせるように自動変速機を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
一方、請求項4に記載した発明(以下「第4発明」という)は、上記第1発明において、揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成され、この連動部材が、シフトレバーを支持する車体側部材に揺動可能に支持され、上記一方向側から中立位置方向に付勢され、シフトレバーが中立位置にあるときの第1の基準位置と、該レバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第1の揺動位置との間が揺動範囲とされ、且つ第1の位置にあるシフトピンとも当接してシフトレバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成されている第1の揺動部材と、この第1の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、中立位置を挟んで上記一方向側と反対側の他方向側から中立位置方向に付勢され、且つシフトレバーが中立位置にあるときの該レバーを挟んで上記第1の基準位置と対向する位置に設けられた第2の基準位置と、該レバーの上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第2の揺動位置との間が揺動範囲とされている第2の揺動部材とから構成され、シフトレバーを挟んでこれらの第1、第2の揺動部材間に生じる空間がシフトピンの第1、第2の位置間の移動通路とされていると共に、規制手段は、上記第1、第2の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、且つ上記第2の揺動部材と並設されて該第2の揺動部材と同方向に付勢された第3の揺動部材から構成され、この第3の揺動部材が、第2の位置にあるシフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成され、且つ、上記第1の基準位置にある第1の揺動部材と対接する位置に該第3の揺動部材の第3の基準位置が設けられて、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが中立位置にあるときには、上記第1、第2、第3の揺動部材がそれぞれ第1、第2、第3の基準位置に位置して上記第3の揺動部材が第1の揺動部材と対接することにより、上記第1、第2の揺動部材間に生じるシフトピンの移動通路がこの第3の揺動部材によって閉鎖されてシフトピンが第1の位置に保持され、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが上記一方向に揺動されたときには、上記第1の揺動部材のみが揺動することにより、上記移動通路が上記一方向側に拡大してシフトピンがこの拡大した移動通路を介して第1の位置から第2の位置へ移動可能となり、シフトピンが第2の位置にあるときには、上記第1、第2、第3の揺動部材がそれぞれシフトレバーを挟んで該レバーの揺動方向の片側に位置することにより、上記移動通路が連通状態に保持されてシフトピンの第2の位置から第1の位置への移動が許容されるように構成されていることを特徴とする。
【0022】
そして、請求項5に記載した発明(以下「第5発明」という。)は、上記第1発明において、揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成され、この連動部材が、シフトレバーを支持する車体側部材に揺動可能に支持され、上記一方向側から中立位置方向に付勢され、シフトレバーが中立位置にあるときの第1の基準位置と、該レバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第1の揺動位置との間が揺動範囲とされ、且つ第1の位置にあるシフトピンとも当接してシフトレバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成されている第1の揺動部材と、この第1の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、中立位置を挟んで上記一方向側と反対側の他方向側から中立位置方向に付勢され、且つシフトレバーが中立位置にあるときの上記第1の基準位置にある第1の揺動部材と対接する位置に設けられた第2の基準位置と、該レバーの上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第2の揺動位置との間が揺動範囲とされている第2の揺動部材とから構成され、これらの第1、第2の揺動部材間に生じる空間がシフトピンの第1、第2の位置間の移動通路とされて、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが中立位置にあるときには、上記第1、第2の揺動部材がそれぞれ第1、第2の基準位置に位置して相互に対接することにより、これらの第1、第2の揺動部材間にシフトピンの移動通路が生じずにシフトピンが第1の位置に保持され、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが上記一方向に揺動されたときには、上記第1の揺動部材のみが揺動することにより、第1、第2の揺動部材間に上記移動通路が生じてシフトピンがこの移動通路を介して第1の位置から第2の位置へ移動可能となり、シフトピンが第2の位置にあるときには、上記第1、第2の揺動部材がそれぞれシフトレバーを挟んで該レバーの揺動方向の片側に位置することにより、上記移動通路が連通状態に保持されてシフトピンの第2の位置から第1の位置への移動が許容されるように構成されていることを特徴とする。
【0023】
上記の手段を用いることにより、本願各発明はそれぞれ次のように作用する。
【0032】
まず、第1発明によれば、シフトレバーは複数のレンジのうちの所定のレンジ内で車両前後方向に揺動可能とされ、該所定レンジ内では中立位置に保持される。このシフトレバーにはシフトピンが備えられ、該シフトピンはシフトレバーが上記所定レンジにあるときには、該レバーの長手方向、つまり上下方向に相互に離間して配置された第1、第2の位置の間で移動可能とされている。その場合に、このシフトピンは付勢手段によって常時第2の位置方向に付勢されているため第2の位置方向に移動しようとするが、その移動を規制する規制手段と、シフトレバーをこの所定レンジ内で車両前後方向のうちの一方向、例えば後方に揺動することにより、上記規制手段によるシフトピンの移動規制を解除する解除手段とが設けられている。したがって、シフトレバーがこの所定レンジに揺動されてきたときには、シフトピンは第1の位置にあり、ここで該シフトレバーをこの所定レンジ内で一方向に揺動することにより、上記シフトピンは第2の位置に移動することになる。
【0033】
一方、シフトピンが第2の位置にあるときに、シフトレバーをこの所定レンジ内で車両前後方向に揺動すると、そのレバーの揺動がシフトピンの動きを介して揺動検出手段で検出され、そして、その検出結果に応じて変速段を決定し、この決定した変速段が実現するように自動変速機を制御する制御手段が備えられている。この制御手段は、シフトピンが第1の位置にあるときには、変速特性に基づいて変速段を決定し、この決定した変速段が実現するように自動変速機を制御するように構成されている。つまり、シフトピンが第1の位置にあるときにはDモードによる変速制御が行なわれ、他方、シフトピンが第2の位置にあるときにはMモードによる変速制御が行なわれることになる。
【0034】
この結果、DモードとMモードとが共に所定の単一のレンジにおいて設定されることになり、Mレンジを新たに追加する必要がなくなって、レンジ数の増大が防がれ、レイアウト性が向上する。
【0035】
そして、特に、この発明によれば、シフトレバーを所定レンジ内において一方向に揺動操作することによってDモードからMモードへの切換えが行なわれるので、単なるスイッチの押し操作に比べてモード切換操作の実感が生じ、操作性が向上されると共に、誤操作の抑制に寄与することになる。
【0036】
また、特に、この発明によれば、Mモードにおける変速が、運転者によるシフトレバーの車両前後方向の揺動操作によって起こるので、このMモードにおける変速操作においても、単なるスイッチの押し操作に比べて変速操作の実感が生じ、操作性が向上されると共に、誤操作の抑制に寄与することになる。
【0037】
その場合に、第2発明によれば、特に、MモードからDモードへの切換えは規制されていないので、運転者によるシフトピンの移動操作によって該ピンが第1の位置に移動し、これによりDモードに切り換えられることになる。そして、Dモードに切り換えられた時点でMモードへの切換えが規制され、次の運転者によるシフトレバーの一方向への揺動操作によって再びMモードに切り換えられることになる。
【0038】
ところで、一般に、運転者は、加速したいときやエンジンブレーキを利かせたいときに、変速モードをDモードからMモードに切り換えることが多く、その場合には、運転者は、モードの切換え操作をしたのちは、次にシフトダウン操作を行なうことになる。したがって、この場合、運転者は、変速モードの切換え操作とシフトダウン操作の二つの操作を行なうことになり、シフトダウン要求に対する応答性及び操作性に劣る。
【0039】
そこで、このような不具合に対処するものとして、第3発明によれば、シフトレバーが一方向に揺動されてDモードからMモードへの切換えが行なわれたときには、揺動検出手段の連動部材がこのときのシフトレバーの揺動とも連動し、そして、揺動検出手段がこの連動部材の連動を介してシフトレバーの規制解除のための上記揺動を検出したときには、制御手段が変速段をシフトダウンさせるように構成されているので、一回の変速モードの切換え操作によって、Mモードが設定されると共に変速段がシフトダウンされることになり、これにより、シフトダウン操作を省略することができて、シフトダウン要求に対する応答性及び操作性が損なわれることが回避される。
【0040】
一方、第4発明によれば、上記揺動検出手段及び規制手段の構成がさらに具体化され、それによれば、シフトレバーを支持する車体側の部材に全て同軸に揺動可能に支持され、且つそれぞれシフトレバーの中立位置方向に付勢されて固有の揺動範囲を有する三個の揺動部材のコンパクトな構成によって、DモードからMモードへの切換えが規制されること、DモードからMモードへの切換えがシフトレバーの一方向への揺動操作により行なわれること、Mモードにおける変速操作がシフトレバーの揺動操作により行なわれること、及びMモードからDモードへの切換えがシフトピンの移動操作により行なわれること等が達成されることになる。
【0041】
そして、第5発明によれば、特に、上記揺動検出手段の連動部材を構成する第1、第2の揺動部材のうちの第2の揺動部材が規制手段の連動部材を構成する第3の揺動部材を兼ねるように構成されているので、二個の揺動部材によって第4発明と同様の効果が得られることになり、部品点数が削減され、一層コンパクトな構成となる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0043】
図1はこの実施の形態に係る変速操作入力装置1の側面図、及び図2は同じく平面図であって、当該変速操作入力装置1はカバー2を有し、該カバー2に設けられた前後方向に細長い開口部2aからシフトレバー3の上部が突出されている。
【0044】
このシフトレバー3は、上記カバー2の開口部2aに沿って前後方向に操作されて、その操作位置により、前方からPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、及び自動変速が行なわれるDモードと手動変速が行なわれるMモードとが達成されるDレンジが選択されるようになっている。また、このDレンジの操作位置には、Mモードで手動変速する際の中立位置を中心とした前後のシフトアップ位置及びシフトダウン位置がそれぞれ設けられている。そして、これらの操作位置を示す表示板4が上記カバー2における開口部2aの側方に設けられていると共に、該開口部2aは、シフトレバー3に係合されて該レバー3の操作に従って前後にスライドするスライドプレート5によって閉鎖されている。
【0045】
なお、このシフトレバー3は、パイプ部材3aによって本体が構成されていると共に、その中間部より上方の部分は被覆部材3bで覆われており、また上端の操作部3cには、シフト操作に対する規制を解除するための規制解除ボタン3dが設けられている。この規制解除ボタン3dには、運転者に変速モードがMモードであることを発光して報知するイルミネーションランプ3eが組み入れられていると共に、Mモード時には該解除ボタン3d自身もランプ点灯するようになっている。
【0046】
そして、シフトレバー3を他のレンジからDレンジの選択位置に操作したときは、変速段が予め設定された変速特性に基づいて切り換えられ、一方、シフトレバー3をこのDレンジ内で後方に揺動操作したときには、該シフトレバー3をそのDレンジ選択位置内において中立位置を中心として前後のシフトアップ位置又はシフトダウン位置に揺動操作することにより、変速段が切り換えられるようになっている。
【0047】
次に、変速操作入力装置1の上記カバー2より下方に配置された部分の構造を説明すると、この装置1は、合成樹脂で成形されて、前後4か所のボルト穴11……11に挿通されるボルト(図示せず)により車体に取り付けられるベース部材10を有する。
【0048】
このベース部材10の中央部には下方へ突出する中空箱状の突出部12が設けられ、この突出部12の左右両側面に孔12a,12aが設けられていると共に、上記シフトレバー3を構成するパイプ部材3aの下端部には、逆T字状をなすように横方向に延びる同じくパイプ部材でなる支軸3fが固着されており、この支軸3fの左右両端部が上記突出部12の孔12a,12aにそれぞれ嵌合されて、シフトレバー3が該突出部12ないしベース部材10に前後に揺動可能に支持されている。
【0049】
そして、このベース部材10上には、シフトレバー3の位置決め機構、シフトレバー3の各レンジ間での操作を規制する操作規制機構、Dレンジ内でのモードの切換機構、シフトレバー3のDレンジ内における操作によりMモードが選択されたことを検出するMモードスイッチの操作機構、Mモードにおけるシフトレバー3に対する中立付勢機構及びシフトアップ、シフトダウン操作を検出するシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチの操作機構等が配設されている。
【0050】
上記位置決め機構は、ベース部材10に設けられた位置決め部13と、シフトレバー3に取り付けられた位置決め用板バネ部材14とで構成されている。このうち、位置決め部13は、ベース部材10の上面中央部におけるシフトレバー3の突出部の前方に該ベース部材10に一体的に立設された前後方向の壁によって構成されていると共に、その上縁は上記シフトレバー3の揺動中心を中心とするほぼ円弧面とされ、この円弧面に前方からPレンジ用、Rレンジ用、Nレンジ用及びDレンジ用の位置決め凹部が設けられている。
【0051】
また、上記板バネ部材14は、シフトレバー3の本体を構成するパイプ部材3aにおける上記カバー2のやや下方位置に固着されたブラケット15を介してボルト及び回り止めピンを用いて後端部が固着されて前方へ延びていると共に、その前端部は曲折成形された係合部とされて、上記ベース部材10の位置決め部13における各レンジ用凹部のうちのシフトレバー操作位置に対応する凹部に係合され、これにより、該シフトレバー3が各操作位置において位置決めされるようになっている。
【0052】
その場合に、Dレンジ用凹部13dは、Dレンジ内でシフトレバー3をシフトアップ及びシフトダウン操作可能なように前後にやや広い凹部とされている。
【0053】
なお、図1、図2は、シフトレバー3でPレンジが選択されている状態を示している。また、シフトレバー3には、上記ブラケット15を介して操作ケーブル16の後端部が連結されている。このケーブル16は、ベース部材10の前端部に取り付けられたケーブルガイド17を通って前方に延びて、図示しないインヒビタスイッチや、コントロールバルブユニットにおけるマニュアルバルブや、パーキング機構等に導かれ、これらにシフトレバー3の操作を伝達するようになっている。また、シフトレバー3には、詳しくは図示しないが、ブレーキペダルを踏まないと該シフトレバー3をPレンジから走行レンジに操作できないようにするインターロック機構のためのケーブル18もケーブルガイド19を介して連係されている。
【0054】
一方、シフトレバー3には、前述のレンジ間の操作規制機構、Mモードスイッチの操作機構、シフトレバー3に対する中立付勢機構及びシフトアップ、シフトダウンスイッチの操作機構等を構成するシフトピン21が設けられている。
【0055】
このシフトピン21の取り付け構造を図1及び図4により説明すると、シフトレバー3の本体を構成するパイプ部材3aにおける上記ブラケット15の固着位置の直下方には、左右両側面に上下に長い長穴3g,3gがそれぞれ設けられていると共に、これらの長穴3g,3gにはシフトピン21が挿通されて、その両端部21a,21bがパイプ部材3aの左右両側に突出されている。
【0056】
このシフトピン21は、パイプ部材3a内に配置されて該パイプ部材3a内を上下に移動可能とされた支持部材22に中央部を支持されて、上記長穴3g,3gの範囲内で、該支持部材22と共に上下移動可能とされていると共に、パイプ部材3a内における支持部材22の下方には、該支持部材22及びシフトピン21を上方に付勢するリターンスプリング23が配設されており、また、該支持部材22の上方にはコイルを密に巻いてなるスプリング24がパイプ部材3a内に挿通され、シフトレバー3の上端の操作部3cにおけるボタン3dの押し込み操作により、該スプリング24を介して上記支持部材22及びシフトピン21が上記リターンスプリング23に抗して下方へ押し下げられるようになっている。
【0057】
そして、ベース部材10におけるシフトレバー3の操作経路の前方に向って右側の側方には、図3に拡大して示すように、その経路に沿ってガイドプレート41が該ベース部材10に一体的に立設され、このガイドプレート41と、シフトレバー3に備えられたシフトピン21とにより、前述のシフト操作規制機構が構成されている。
【0058】
上記ガイドプレート41は、シフトレバー3側の面の前部に設けられた厚肉部42を有し、この厚肉部42に、上記シフトピン21の右側の端部21bと係合することにより、シフトレバー3のPレンジ位置からRレンジ位置側への操作を規制する第1規制面42aと、Rレンジ位置からPレンジ位置側への移動を規制する第2規制面42bと、Nレンジ位置側からRレンジ位置への移動を規制する第3規制面42cとが設けられて、シフトレバー3のこれらのレンジ間での操作を規制するようになっている。そして、上記ボタン3dの押し込み操作により、前述のスプリング24及び支持部材22を介してシフトピン21が下方に押し下げられたときに、この規制が解除されて、シフトレバー3の上記操作が許容されるようになっている。
【0059】
さらに、このガイドプレート41のシフトレバー3側の面には、前部に設けられた上記の厚肉部42に加えて、後部にも厚肉部43が設けられ、これらの厚肉部42,43の間が凹陥部44とされていると共に、この凹陥部44を利用して、Dレンジ内でのモードの切換機構と、MモードにおけるDレンジ内でのシフトレバー3に対する中立付勢機構と、シフトアップ、シフトダウンスイッチの操作機構とが設けられている。
【0060】
これらの機構は、上記凹陥部44内に配置された前後一対の第1,第2カム部材51,52、及び第1カム部材51と並列に配置された第3カム部材53を用いて構成されており、これらのカム部材51,52,53によって、前方のP,R,Nの各レンジ位置からシフトレバー3がDレンジ位置に操作されたときにはDモードが選択され、この状態でシフトレバー3を後方に揺動させることにより、シフトピン21がスプリング23の付勢力で上方に移動してモードがMモードに切り換わり、このMモードにおいてシフトレバー3が中立位置に保持されると共に、該レバー3が中立位置から前後のシフトアップ位置またはシフトダウン位置に操作されたときには、一対のカム部材51,52を介してシフトアップスイッチ54もしくはシフトダウンスイッチ55が操作され、そして規制解除ボタン3dの押し込み操作によりシフトピン21が下方に押し下げられたときにモードがDモードに切り換わるようになっている。
【0061】
これらのカム部材51,52,53は、図4にも示すように、全てガイドプレート41の背面側に立設された支持プレート56の支軸57に揺動可能に支持されていると共に、上記シフトアップスイッチ54及びシフトダウンスイッチ55は、該支持プレート56の背面側に取り付けられている。
【0062】
第1カム部材(特許請求の範囲における「第2の揺動部材」に相当)51は、上記支持プレート58に係止されたコイルスプリング58によって後方向Aに、また、第2カム部材52(同じく「第1の揺動部材」に相当)及び第3カム部材(同じく「第3の揺動部材」に相当)53は、該第3カム部材53のボス部に巻き付けられたツルマキバネ59によってそれぞれ前方向B及び後方向Aに付勢されて、結果的に第1,第2カム部材51,52が互いに接近する方向に付勢されている。
【0063】
また、上記第1,第2カム部材51,52には、支持プレート58に形成された長穴61,62を貫通して該プレート58の背面側に延びる丸棒状のスイッチ操作部51a,52aがそれぞれ突設されている。そして、通常は、第1カム部材51は、その操作部51aがガイドプレート41の前側の厚肉部42の上縁部に当接して上記コイルスプリング58の付勢力に抗して図3又は図5に示す最もA方向、すなわち後方向寄りの位置で停止し、第2カム部材52は、その後部に形成された下方突出部がガイドプレート41の後側の厚肉部43に形成された段部に当接して上記ツルマキバネ59の付勢力に抗して同じく図3又は図5に示す最もB方向、すなわち前方向寄りの位置で停止してある。このとき、これらの第1,第2カム部材51,52間には、上記図3又は図5に示すように、少なくともシフトピン21が入り込めるだけの空隙が形成されている。
【0064】
さらに、第3カム部材53の裏面には凸部53aが突設されて、この凸部53aが第1カム部材51の表面に形成された溝部51bに嵌合しており、この第3カム部材53は、通常は、その凸部53aが第1カム部材51の溝部51bの終端部に当接して上記ツルマキバネ59の付勢力に抗して図3に示す最もA方向、すなわち後方向寄りの位置で停止している。このとき、この第3カム部材53は、上記第1カム部材51よりも後方に張り出して位置し、上記第1,第2カム部材51,52で形成される空隙を閉鎖している。
【0065】
そして、シフトレバー3が、前方のP,R,Nの各レンジ選択位置からDレンジ選択位置に操作されたときには、前述のDレンジ用凹部13dに板バネ部材14が係合されて、該シフトレバー3がこのDレンジに位置決めされ、シフトピン21は、図3に実線で示すように、上記第1,第2カム部材51,52で形成される空隙の直下方に位置する。このとき、該シフトピン21はリターンスプリング23によって上方に付勢された状態にあるが、第3カム部材53の下縁部によって上記空隙内への上方移動が規制されている。
【0066】
一方、この状態でシフトレバー3を後方に揺動すると、シフトピン21が第2カム部材52を後方に押圧して揺動させ、その結果、この連動して後方に揺動した第2カム部材52と第1カム部材51との間の上記空隙が扇形に拡大すると共に、同じく第2カム部材52と第3カム部材53との間にも新たな空隙が生じて、シフトピン21はリターンスプリング23の付勢力によってこれらの空隙内に上方移動することになる。そして、シフトレバー3においては、このDレンジ内における後方操作により上記板バネ部材14とDレンジ用凹部13dとの係合が安定な該凹部13dの底部からずれて後側のテーパー面に位置するので、板バネ部材14が安定な上記凹部13dの底部に戻ろうとし、これにより最終的にシフトピン21は図5に示す中立位置に位置する。このときシフトピン21の上方移動を阻止していた第3カム部材53は上記シフトピン21の中立位置への復帰により後方から押圧されてやや前方に移動し、上記空隙が解放状態となる。
【0067】
そして、この図5に示した状態でシフトレバー3が中立位置から前方に操作されると、シフトピン21を介して前側の第1カム部材51がコイルスプリング58に抗して前方へ連動して揺動され、シフトピン21が前方へ所定量揺動した位置で、該ピン21がガイドプレート41の前側の厚肉部42の後面に設けられた前側ストッパ部42dに当接し、この位置でシフトレバー3のDレンジ位置内での前方への操作が規制されるようになっている。
【0068】
また、シフトレバー3が中立位置から後方に操作されると、シフトピン21を介して後側の第2カム部材52がツルマキバネ59に抗して後方へ連動して揺動され、シフトピン21が後方へ所定量揺動した位置で、該ピン21がガイドプレート41の後側の厚肉部43の前面に設けられた後側ストッパ部43dに当接し、この位置でシフトレバー3のDレンジ位置内での後方への操作が規制されるようになっている。
【0069】
そして、このシフトレバー3の前後の操作規制位置が、Dレンジ内でのシフトアップ位置及びシフトダウン位置とされていると共に、このとき、各カム部材51,52に突設されたスイッチ操作部51a,52aが、シフトレバー3のシフトアップ位置及びシフトダウン位置への操作を検出する前述のシフトアップスイッチ54及びシフトダウンスイッチ55の各接片54a,55aを押圧して該スイッチ54,55をONし、これにより、シフトレバー3が前方のシフトアップ位置に揺動操作されたときには第1カム部材51がシフトアップスイッチ54を操作して変速段が一段シフトアップされ、逆にシフトレバー3が後方のシフトダウン位置に揺動操作されたときには第2カム部材52がシフトダウンスイッチ55を操作して変速段が一段シフトダウンされるようになっている。なお、シフトレバー3が中立位置から前方操作されたときには、第3カム部材53も連動して前方に揺動されるが、上記変速段の切換えには何ら影響しないものである。
【0070】
一方、上記ベース部材10におけるシフトレバー3の操作経路の前方に向かって左側の側方には、上記シフトピン21によって操作されるMモードスイッチの操作機構が備えられている。
【0071】
この機構は、図6及び図7に示すように、シフトレバー3の上記側方におけるDレンジ内での操作位置の近傍においてベース部材10に立設された支持プレート31と、該支持プレート31のシフトレバー3側の面の上部にピン32を介して揺動自在に支持された二つの並列配置された第1,第2の操作レバー33,34と、上記ピン32に巻き付けられ、且つ両端が支持プレート31と第1操作レバー33とにそれぞれ係止されて、この第1操作レバー33を図6のC方向に付勢するツルマキバネ35と、両端が支持プレート31下部に形成された屈曲部31aと第2操作レバー34のアーム部とにそれぞれ係止されて、この第2操作レバー34を同じく図6のC方向に付勢するコイルスプリング36とを有すると共に、上記支持プレート31における各操作レバー33,34の後端部33a,34aの下方に二つのMモードスイッチ37,38がそれぞれ対応して取り付けられている。なお、支持プレート31には、各操作レバー33,34のC方向の揺動を所定位置で規制するためのストッパ部31bが設けられている。
【0072】
そして、シフトレバー3がDレンジに操作されてシフトピン21の空隙内への上方移動が第3カム部材53により阻止されているときには、該シフトピン21は、図6に実線で示すように、各操作レバー33,34の前端部33b,34bの下方に位置する一方、シフトレバー3がDレンジ内で後方に揺動操作されてシフトピン21が図6に鎖線で示すように上方移動したときには各操作レバー33,34の前端部33b,34bがこのシフトピン21によって押し上げられ、その結果、該操作レバー33,34がツルマキバネ35又はコイルスプリング36の付勢力に抗して反C方向に揺動され、各レバー33,34の後端部33a,34aがそれぞれ上記Mモードスイッチ37,38の接片37a,38aを押圧してONするようになっている。
【0073】
なお、この場合に、シフトピン21が当接する各操作レバー33,34の前端部33b,34bは前後方向において所定の長さに延設されて、シフトレバー3の操作による手動変速時に、常に、該前端部33b,34bとシフトピン21とが当接し続け、その結果、Mモードスイッチ37,38が安定的に継続してONとなるようになっている。
【0074】
次に、この変速操作入力装置1の作用を説明する。
【0075】
シフトレバー3の上端の操作部3cに備えられた規制解除ボタン3dを押していないときは、該シフトレバー3の下部に設けられたシフトピン21は長穴3g,3gの上方に位置する。この状態では、図3に示すように、Dレンジ位置とNレンジ位置との間ではシフトピン21の移動が規制されないので、シフトレバー3をこれらのレンジ間で自由に操作することができるが、NレンジからRレンジへは、シフトピン21がガイドプレート41における厚肉部42の第3規制面42cに当接することによりシフトレバー3の操作が規制される。また、シフトレバー3がPレンジ位置にあるときも、シフトピン21が上記ガイドプレート41の厚肉部42における第1規制面42aに当接してRレンジやDレンジ側への操作が規制される。
【0076】
また、規制解除ボタン3dを半ば押し込んだ状態では、シフトピン21が長穴3g,3gの中間位置まで押し下げられ、Nレンジ位置からRレンジ側への操作が可能となるが、この状態ではシフトピン21が第2規制面42bに当接するので、Rレンジ位置からPレンジ位置への操作は規制される。そして、上記規制解除ボタン3dをさらに押し込んでシフトピン21を長穴3g,3gの下部まで移動させれば、上記Rレンジ位置からPレンジ位置への操作及びPレンジ位置からRレンジ側への操作も可能となる。
【0077】
一方、シフトレバー3のDレンジ位置への操作は、Pレンジ位置からは、シフトピン21の押下げ操作が必要であるが、Rレンジ位置やNレンジ位置からは、規制解除ボタン3dの操作は不要となる。
【0078】
そして、このDレンジ位置にシフトレバー3が操作されたときには、シフトピン21の上方移動が第3カム部材53によって規制されているので、該シフトピン21は半ば押し下げられた状態にあり、このとき、Mモードスイッチ37,38はON操作されていないため、Mモードは達成されず、通常の自動変速制御、つまりDモード制御が行なわれる。
【0079】
次に、ここからシフトレバー3がDレンジ内で後方に揺動されると、上記第3カム部材53による上方移動規制が解除されて、シフトピン21は上方に移動し、第1,第2カム部材51,52に挟まれた空隙内に入り込むと共に、両カム部材51,52間に保持されることにより、シフトレバー3がMモードにおける中立位置に保持されることになる。
【0080】
また、シフトピン21の上方移動により操作レバー33,34の前端部33b,34bが上方に押圧されてMモードスイッチ37,38がON操作され、このスイッチ37,38からのON信号により、自動変速機のコントロールユニットがMモードの選択を検知する。このとき、二つのMモードスイッチ37,38が並設されて、いずれもONとなったときにMモード選択が検知されるようになっている。これにより、運転者によるMモードの選択が誤りなく判定されることになる。
【0081】
そして、このMモード選択が検知されている状態で、シフトレバー3を上記の中立位置から前方のシフトアップ位置に操作すれば、前側の第1カム部材51が前方へ揺動して、該カム部材51の操作部51aが支持プレート56の背面の前側に配置されたシフトアップスイッチ54をON操作し、逆に後方のシフトダウン位置に操作すれば、後側の第2カム部材52が後方へ揺動して、該カム部材52の操作部52dが同じく支持プレート56の背面の後側に配置されたシフトダウンスイッチ55をON操作する。そして、これらのスイッチ54,55からの信号が上記コントロールユニットに入力されることにより、該コントロールユニットは変速段を1段シフトアップまたはシフトダウンするように変速指令を出力する。
【0082】
一方、図5に示すように、このDレンジ内でシフトピン21が上方に移動しているときには、該シフトピン21の存在により、第1カム部材51ないし第3カム部材53と、第2カム部材52との間には常時空隙が生じた状態となっている。したがって、この状態で、規制解除ボタン3dを押し込んでシフトピン21を下方移動させることが許容されている。そして、シフトピン21を下方移動させたときには、該シフトピン21と第3カム部材53との当接が解除されて、この第3カム部材53がツルマキバネ59の付勢力によって再び第1カム部材51と第2カム部材52とで形成される空隙を閉鎖し、これにより、シフトピン21は再び上方移動が規制されることになると共に、Mモードスイッチ37,38がOFFとなって、モードがDモードに移行することになる。
【0083】
つまり、モードのDモードからMモードへの切り換えはシフトレバー3のDレンジ内での後方揺動操作によって行なわれ、MモードからDモードへの切り換えは規制解除ボタン3dの押込操作によって行なわれることになる。
【0084】
そして、DモードとMモードとが共にDレンジで設定されるので、Mモード達成用のMレンジを追加配置する必要がなく、レンジ数の増大が防がれて当該変速操作入力装置1のレイアウト性が向上する。
【0085】
また、DモードからMモードへの切換えが、運転者によるシフトレバー3の揺動操作で行なわれるので、スイッチ等の押し操作に比べてモードの切換操作の実感が生じ、操作性が向上される。
【0086】
その場合に、Mモードへの切換時には、シフトピン21が第2カム部材52を後方に揺動させて、シフトダウンスイッチ55がON操作されると同時に、シフトピン21が上方移動してMモードスイッチ37,38がON操作される。つまり、一回のシフトレバー3の操作でMモードへの切換えとシフトダウンとが同時に起こることになるので、Mモードへの切換操作後に、改めてシフトダウン操作をするような手間が省けて、シフトダウン要求に対する応答性及び操作性が改善される。
【0087】
さらに、Mモードにおける手動変速も、運転者によるシフトレバー3の揺動操作で行なわれるので、やはりスイッチ等の押し操作に比べて変速操作の実感が生じ、操作性が向上される。
【0088】
そして、上記のDモードからMモードへの切換えが規制されること、この規制がシフトレバー3の揺動操作により解除されること、Mモードにおける変速操作がシフトレバー3の揺動操作により行なわれること、及びDモードからMモードへの切換えがシフトピン21の移動操作により行なわれること等が、ガイドプレート41の凹陥部44内に収容され、且つ同一軸57に支持されたコンパクトな三個のカム部材51,52,53の構成によって達成されることになる。
【0089】
なお、図3、図5に示したように、ガイドプレート41の後側の厚肉部43の前面における前述の後側ストッパ部43dの下方位置には、例えばPレンジからシフトピン21を最下方に押し下げた状態で、シフトレバー3を後方に操作してDレンジを選択した場合に、モードが直接Mモードに入ることを回避するために、押し下げ操作されたシフトピン21と当接して、シフトレバー3の後方への揺動を規制する第二のストッパ部43eが前方に張り出して形成されている。
【0090】
そして、この変速操作入力装置1においては、Mモードで変速段をシフトアップさせるシフトアップスイッチ54及びシフトダウンさせるシフトダウンスイッチ55がそれぞれ第1カム部材51又は第2カム部材52の揺動によってON操作される。その場合に、これらの第1カム部材51及び第2カム部材52は、シフトレバー3の上部に設けられた規制解除ボタン3dの押し操作が解除されて該レバー3の長手方向に沿って上方に移動した状態のシフトピン21と当接し、シフトレバー3の揺動に伴う該ピン21の車両前後方向の動きと連動して上記スイッチ54,55をON操作するように揺動する。
【0091】
一方、上記規制解除ボタン3dが押し操作されてシフトピン21が下方に移動した状態では、該ピン21と両カム部材51,52との当接が外れて、この状態ではいくらシフトレバー3が揺動操作され、上記シフトピン21がこのDレンジ内で前後に揺動されても、上記両カム部材51,52の揺動はなく、したがってシフトアップスイッチ54又はシフトダウンスイッチ55はON操作されない。つまり手動変速は起こらないことになる。
【0092】
さらに、上記Mモードでの手動変速操作中、特にこの変速操作入力装置1においては、シフトレバー3が前方に揺動されたときは、上方移動したシフトピン21がガイドプレート41における前側ストッパ部42dに当接し、シフトレバー3のそれ以上の前方への揺動操作、換言すれば他のNレンジ方向への揺動操作が規制される。
【0093】
つまり、運転者が規制解除ボタン3dを押し操作してシフトピン21が下方に移動していると、シフトレバー3が揺動操作されたときには、Mモードでの手動変速は起こらずレンジあるいはモードの切り換えが起こり、逆に運転者が規制解除ボタン3dの押し操作を解除してシフトピン21が上方に移動していると、シフトレバー3が揺動操作されたときには、Mモードでの手動変速が起こり、レンジの切り換えが起こらないことになる。したがって、運転者の意図の表れであるボタン3d操作通りの動作が結果として実現することになり、運転者の意図しない動作が回避される。
【0094】
また、この変速操作入力装置1においては、Mモードの選択を検出するMモードスイッチ37,38がそれぞれ第1操作レバー33又は第2操作レバー34の作動によってON操作される。その場合に、これらの第1操作レバー33及び第2操作レバー34は、上記と同じくシフトレバー3の上部に設けられた規制解除ボタン3dの押し操作が解除されて該レバー3の長手方向に沿って上方に移動した状態のシフトピン21と当接し、該ピン21の上方移動と連動して上記スイッチ37,38をON操作するように作動する。
【0095】
一方、上記規制解除ボタン3dが押し操作されてシフトピン21が下方に移動した状態では、該ピン21と両操作レバー33,34との当接が外れて、該両操作レバー33,34によるMモードスイッチ37,38のON操作が解除される。つまりMモードの選択は検出されないことになる。
【0096】
つまり、運転者が規制解除ボタン3dを押し操作してシフトピン21が下方に移動していると、いくらシフトレバー3がこのDレンジにあってもMモードは設定されず、逆に運転者が規制解除ボタン3dの押し操作を解除してシフトピン21が上方に移動していると、このDレンジにおけるMモードが設定されることになる。
【0097】
したがって、例えば規制解除ボタン3dが押し操作されたままで、シフトレバー3がこのDレンジ内で後方に揺動操作された場合を考えると、第2カム部材52が該シフトレバー3及びシフトピン21の後方への揺動により同じく後方に揺動し、その結果シフトピン21の上方に該ピン21の上方への移動を許容する空隙が生じても、規制解除ボタン3dが押し操作されたままであるから該ピン21は上方移動せず、Mモードスイッチ37,38はON操作されない。そして、この状態から規制解除ボタン3dの押し操作が解除されたときに初めてシフトピン21が上方に移動してMモードスイッチ37,38がON操作されることになる。つまり、運転者の意図の表れであるボタン3d操作通りの動作が結果として実現することになり、運転者の意図しないMモードへの切り換わりが回避される。
【0098】
次に、図8に基づいて本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を用いる。
【0099】
この実施の形態では、前述の三個のカム部材のうちの第3カム部材が省略され、シフトアップスイッチ54を操作する第1カム部材51が、シフトピン21の上方移動を規制する第3カム部材を兼ねるように構成されている。
【0100】
すなわち、第1カム部材51は、通常時には、ツルマキバネ59の付勢力によって、第2カム部材52との間に空隙が生じないように該第2カム部材52と殆ど当接するように位置する。このときの第1カム部材51の位置決めは、該カム部材51の裏面に形成された溝部91と、ガイドプレート41に突出成形された凸部92とが嵌合し、そして第1カム部材51の溝部91の終端部が上記凸部92に当接することにより行なわれる。また、第1カム部材51のスイッチ操作部51aが貫通する長穴61は、前述の実施例の場合に比べてやや長く設けられている。
【0101】
このような構成により、Dレンジ選択位置におけるシフトピン21の上方移動が、第2カム部材52側に近接したこの第1カム部材51によって実現されると共に、シフトレバー3の後方揺動操作によりシフトピン21が上方移動した後は、これらの二個のカム部材51,52の揺動によってシフトアップ操作、シフトダウン操作が行なわれることになり、第3カム部材を省略した少ない部品点数で前述の実施例と同じ作用効果が得られることになる。
【0102】
次に、図9及び図10に基づいて本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を用いる。
【0103】
この実施の形態では、ベース部材10におけるシフトレバー3の操作経路の前方に向かって左側の側方で、前述のMモードスイッチ37,38が支持される支持プレート31に、Dレンジにおける上記シフトレバー3の中立位置から後方への揺動を規制する押圧レバー101が併せて備えられている。
【0104】
この場合、上記支持プレート31は、Mモードスイッチ37,38をON操作する操作レバー33,34の取付位置より下方でやや前方に膨出した形状とされ、この膨出部31cにおいて、上記押圧レバー101がそのボス部101aを介してピン102回りに回動自在に支持されている。押圧レバー101のボス部101aにはツルマキバネ103が巻き付けられ、該バネ103の両端が支持プレート31に形成された孔104と上記押圧レバー101の下方延設部101bとにそれぞれ係止されて、該押圧レバー101の上端部101cが図9の矢印D方向に付勢されている。このとき、押圧レバー101の下方延設部101bにおける反シフトレバー3側の面には突起部105が形成され、この突起部105が、支持プレート31の上記膨出部31cにおけるベース部材10との取付面31dの下面に当接して、上記押圧レバー101の上端部101cは図9に示す位置で停止している。
【0105】
また、この押圧レバー101は、二つの操作レバー33,34のうちの支持プレート31に近い側の操作レバー33の略真下に位置すると共に、その上端部101cの上記停止位置は、該上端部101cの前縁が、ガイドプレート41の後側の厚肉部43において前方に張り出した第二のストッパ部43eの前縁と略一致するように停止している。また、該上端部101cは、上記第二のストッパ部43eの上縁を越え、その上部の後側ストッパ部43dの上縁より低い位置まで上方に延設されている。
【0106】
これにより、シフトピン21が下方に移動した状態でシフトレバー3をこのDレンジ内で後方に揺動させるときには、つまりDモードからMモードへの切り換え操作を行なう場合には、シフトピン21がこの押圧レバー101の上端部101cに当接し、該上端部101cをD方向に付勢するツルマキバネ103の付勢力によって、上記シフトレバー3の後方への揺動操作にいくらかの荷重がかかることになる。これにより、運転者は、いまモードの切り換え操作をしているということが認知できると共に、前方のNレンジからこのDレンジにシフトレバー3を揺動させたときに、勢い余って中立位置を越えて後方にまで揺動してしまうことが抑制され、Dモードを飛び越えた意図しないMモードへの切り換えの発生が低減されることになる。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、本願発明によれば、運転者の所定揺動位置内におけるシフトレバーの車両前後方向の揺動操作により、変速特性に基づいて変速段が決定されるDモードから、シフトレーバーの揺動操作により変速段を切り換えるMモードに切り換えられることになるから、DモードとMモードとが共に所定の単一のレンジにおいて設定されることになり、Mレンジを新たに追加する必要がなくなって、レンジ数の増大が防がれ、レイアウト性が向上する。
【0109】
そして、特に、シフトレバーを所定レンジ内において一方向に揺動操作することによってDモードからMモードへの切換えが行なわれるので、単なるスイッチの押し操作に比べてモード切換操作の実感が生じ、操作性が向上されると共に、誤操作の抑制に寄与することになる。
【0110】
また、特に、Mモードにおける変速が、運転者によるシフトレバーの車両前後方向の揺動操作によって起こるので、このMモードにおける変速操作においても、単なるスイッチの押し操作に比べて変速操作の実感が生じ、操作性が向上されると共に、誤操作の抑制に寄与することになる。
【0111】
その場合に、第2発明によれば、特に、MモードからDモードへの切換えは規制されていないので、運転者によるシフトピンの移動操作によって該ピンが第1の位置に移動し、これによりDモードに切り換えられることになる。そして、Dモードに切り換えられた時点でMモードへの切換えが規制され、次の運転者によるシフトレバーの一方向への揺動操作によって再びMモードに切り換えられることになる。
【0112】
また、第3発明によれば、シフトレバーが一方向に揺動されてDモードからMモードへの切換えが行なわれたときには、揺動検出手段の連動部材がこのときのシフトレバーの揺動とも連動し、そして、揺動検出手段がこの連動部材の連動を介してシフトレバーの規制解除のための上記揺動を検出したときには、制御手段が変速段をシフトダウンさせるように構成されているので、一回の変速モードの切換え操作によって、Mモードが設定されると共に変速段がシフトダウンされることになり、これにより、シフトダウン操作を省略することができて、シフトダウン要求に対する応答性及び操作性が損なわれることが回避される。
【0113】
一方、第4発明によれば、上記揺動検出手段等の構成がさらに具体化され、それによれば、シフトレバーを支持する車体側の部材に全て同軸に揺動可能に支持され、且つそれぞれシフトレバーの中立位置方向に付勢されて固有の揺動範囲を有する三個の揺動部材のコンパクトな構成によって、DモードからMモードへの切換えが規制されること、DモードからMモードへの切換えがシフトレバーの一方向への揺動操作により行なわれること、Mモードにおける変速操作がシフトレバーの揺動操作により行なわれること、及びMモードからDモードへの切換えがシフトピンの移動操作により行なわれること等が達成されることになる。
【0114】
そして、第5発明によれば、特に、上記揺動検出手段の連動部材を構成する第1、第2の揺動部材のうちの第2の揺動部材が規制手段の連動部材を構成する第3の揺動部材を兼ねるように構成されているので、二個の揺動部材によって第4発明と同様の効果が得られることになり、部品点数が削減され、一層コンパクトな構成となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る変速操作入力装置の側面図である。
【図2】 同装置の平面図である。
【図3】 Dモード状態における同装置のガイドプレート及びその周辺の拡大側面図である。
【図4】 図3のa−a線による断面図である。
【図5】 Mモード状態におけるガイドプレート及びその周辺の拡大側面図である。
【図6】 Mモードスイッチ操作機構の拡大側面図である。
【図7】 同機構の拡大平面図である。
【図8】 第2の実施の形態に係る変速操作入力装置のDモード状態におけるガイドプレート及びその周辺の拡大側面図である。
【図9】 第3の実施の形態に係るMモードスイッチ操作機構周辺の拡大側面図である。
【図10】 同機構周辺の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 変速操作入力装置
3 シフトレバー
10 ベース部材
21 シフトピン
37,38 Mモードスイッチ
41 ガイドプレート
51,52,53 カム部材
54 シフトアップスイッチ
55 シフトダウンスイッチ
56 支持プレート

Claims (5)

  1. 予め運転状態に応じて設定されている変速特性に基づき自動的に変速を行なう第1の変速モードと、運転者の手動操作に応じて変速を行なう第2の変速モードとを有する自動変速機の変速操作入力装置であって、複数の揺動位置のそれぞれにおいて保持可能、且つこれらの揺動位置のうちの所定の単一の揺動位置において該揺動位置内で車両前後方向に揺動可能に構成されているシフトレバーと、該シフトレバーが上記所定揺動位置にあり、且つ運転者によるレバー操作が行なわれていないときに、該レバーを所定揺動位置内の中立位置に保持する保持部材と、上記シフトレバーの下部に該レバーから車両左右方向に突出するように設けられ、且つ該レバーが所定揺動位置にあるときに、該レバーの長手方向において相互に離間して配置された第1の位置と第2の位置との間で移動可能に構成されているシフトピンと、該シフトピンの位置を検出する位置検出手段と、上記シフトピンを上記第1の位置側から第2の位置方向へ付勢する付勢手段と、該付勢手段によるシフトピンの第1の位置から第2の位置への移動を規制する規制手段と、該規制手段による規制をシフトレバーの所定揺動位置内における一方向への揺動に応じて解除してシフトピンを第2の位置へ移動可能とする解除手段と、上記シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、シフトレバーの所定揺動位置内における上記中立位置からの車両前後方向の揺動をシフトピンの動きによって検出する揺動検出手段と、上記位置検出手段及び揺動検出手段の検出結果を受けて、シフトピンが第1の位置にあるときには上記変速特性に基づき変速段を決定する第1の変速モードで自動変速機を制御し、シフトピンが第2の位置にあるときにはシフトレバーの所定揺動位置内における車両前後方向の揺動に応じて変速段を決定する第2の変速モードで自動変速機を制御するように構成された制御手段とが備えられていることを特徴とする自動変速機の変速操作入力装置。
  2. 規制手段は、シフトピンの第1の位置から第2の位置への移動のみを規制し、第2の位置から第1の位置への移動は許容するように構成されていると共に、シフトピンは、運転者による所定の操作によって付勢手段による付勢に抗して第2の位置から第1の位置へ移動するように構成されて、規制手段は、シフトピンが第2の位置から第1の位置へ移動したときに、該シフトピンの第1の位置から第2の位置への移動の規制を開始するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速操作入力装置。
  3. 揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成されて、制御手段は、上記揺動検出手段が規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの上記揺動を検出したときには、変速段をシフトダウンさせるように自動変速機を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速操作入力装置。
  4. 揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成され、この連動部材が、シフトレバーを支持する車体側部材に揺動可能に支持され、上記一方向側から中立位置方向に付勢され、シフトレバーが中立位置にあるときの第1の基準位置と、該レバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第1の揺動位置との間が揺動範囲とされ、且つ第1の位置にあるシフトピンとも当接してシフトレバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成されている第1の揺動部材と、この第1の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、中立位置を挟んで上記一方向側と反対側の他方向側から中立位置方向に付勢され、且つシフトレバーが中立位置にあるときの該レバーを挟んで上記第1の基準位置と対向する位置に設けられた第2の基準位置と、該レバーの上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第2の揺動位置との間が揺動範囲とされている第2の揺動部材とから構成され、シフトレバーを挟んでこれらの第1、第2の揺動部材間に生じる空間がシフトピンの第1、第2の位置間の移動通路とされていると共に、規制手段は、上記第1、第2の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、且つ上記第2の揺動部材と並設されて該第2の揺動部材と同方向に付勢された第3の揺動部材から構成され、この第3の揺動部材が、第2の位置にあるシフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成され、且つ、上記第1の基準位置にある第1の揺動部材と対接する位置に該第3の揺動部材の第3の基準位置が設けられて、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが中立位置にあるときには、上記第1、第2、第3の揺動部材がそれぞれ第1、第2、第3の基準位置に位置して上記第3の揺動部材が第1の揺動部材と対接することにより、上記第1、第2の揺動部材間に生じるシフトピンの移動通路がこの第3の揺動部材によって閉鎖されてシフトピンが第1の位置に保持され、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが上記一方向に揺動されたときには、上記第1の揺動部材のみが揺動することにより、上記移動通路が上記一方向側に拡大してシフトピンがこの拡大した移動通路を介して第1の位置から第2の位置へ移動可能となり、シフトピンが第2の位置にあるときには、上記第1、第2、第3の揺動部材がそれぞれシフトレバーを挟んで該レバーの揺動方向の片側に位置することにより、上記移動通路が連通状態に保持されてシフトピンの第2の位置から第1の位置への移動が許容されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速操作入力装置。
  5. 揺動検出手段は、シフトレバーが所定揺動位置にあり、且つシフトピンが第2の位置にあるときに、該シフトピンと当接してシフトレバーの所定揺動位置内における中立位置からの車両前後方向の揺動と連動する連動部材と、該連動部材の上記連動動作を検出する検出部材とから構成されていると共に、上記連動部材が、規制手段による規制を解除するためのシフトレバーの一方向への揺動とも連動するように構成され、この連動部材が、シフトレバーを支持する車体側部材に揺動可能に支持され、上記一方向側から中立位置方向に付勢され、シフトレバーが中立位置にあるときの第1の基準位置と、該レバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第1の揺動位置との間が揺動範囲とされ、且つ第1の位置にあるシフトピンとも当接してシフトレバーの上記一方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動するように構成されている第1の揺動部材と、この第1の揺動部材と同軸に揺動可能に支持され、中立位置を挟んで上記一方向側と反対側の他方向側から中立位置方向に付勢され、且つシフトレバーが中立位置にあるときの上記第1の基準位置にある第1の揺動部材と対接する位置に設けられた第2の基準位置と、該レバーの上記他方向への揺動と連動して同じく該方向へ揺動したときの第2の揺動位置との間が揺動範囲とされている第2の揺動部材とから構成され、これらの第1、第2の揺動部材間に生じる空間がシフトピンの第1、第2の位置間の移動通路とされて、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが中立位置にあるときには、上記第1、第2の揺動部材がそれぞれ第1、第2の基準位置に位置して相互に対接することにより、これらの第1、第2の揺動部材間にシフトピンの移動通路が生じずにシフトピンが第1の位置に保持され、シフトピンが第1の位置にあり、シフトレバーが上記一方向に揺動されたときには、上記第1の揺動部材のみが揺動することにより、第1、第2の揺動部材間に上記移動通路が生じてシフトピンがこの移動通路を介して第1の位置から第2の位置へ移動可能となり、シフトピンが第2の位置にあるときには、上記第1、第2の揺動部材がそれぞれシフトレバーを挟んで該レバーの揺動方向の片側に位置することにより、上記移動通路が連通状態に保持されてシフトピンの第2の位置から第1の位置への移動が許容されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速操作入力装置。
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