JP3741445B2 - バッグ内バッグパッケージ製品 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明はパッケージ、特にバッグ内バッグパッケージシステムのような複数枚の層体よりなる可撓性のパッケージに関する。特に、本発明はプラスチック素材より形成され、外バッグに取り出し可能に収納される内バッグを有する可撓性のパッケージの上端部を閉塞するシステムに関する。かかるパッケージは食料品、食料品に関連する材料又は薬品に適している。
発明の背景
内パッケージと組み合わせて保護パッケージ又は搬送パッケージとしての役割を果たす外パッケージを備え、内パッケージがシールされたままで外パッケージから取り出し可能とされている可撓性のパッケージが使用されている。外パッケージから取り出し可能とされている内パッケージは、衛生的に収納された製品を汚染することなく搬送する役割を果たし、食品衛生の厳密な場所に搬入するのに適している。
製造が容易で且つシールされたバッグ内バッグを実現可能な、上述の可撓性のパッケージを提供することが必要とされている。
定義
「バッグ」とは少なくとも一端で閉塞され、一枚又は複数枚の可撓性素材の層体よりなるパッケージを意味する。「バッグ」は、少なくともあらゆる寸法又は形状の「サック、バッグ、ポーチ及び袋」を含む。寸法は国ごとに異なるものの「サック」という用語は10kgと40kgとの間の製品を収納可能なパッケージに用いられることが多い。「バッグ」又は「ポーチ」は10kg以下の製品を収納するパッケージにしばしば用いられる。しかし、本明細書では「バッグ」は製品の重さに関係なく一般的な意味として用いられる。最も好適な形態として本明細書においてはミルクパウダー又はミルクパウダー製品を25kg収納するのに適した「バッグ内バッグ」パッケージシステムを示す。かかるバッグは多くの国において「サック(袋)」と呼ばれる。
「サック」とは本来、少なくとも一端で閉塞され、一枚又は複数枚の平坦なチューブ状の層体よりなるバッグを意味し、このチューブ状の層体は(紙またはプラスチックのような)可撓性素材よりなる。
「層体」はバッグ(又はサック)の壁部を形成する可撓性素材のシートを意味する。ここでは「バッグ内バッグ」パッケージシステムを指して「二枚の層体よりなるバッグ」の語を用い、例えば「内層体」は「内バッグ」の壁部を指す。
「フィルム」は一層の素材よりなるか又は複数層の素材よりなるかに関係なく可撓性素材(典型的には「プラスチック」素材)を指す。
目的
本発明の目的は、改良されたパッケージ、又は複数枚の層体よりなる可撓性のパッケージの改良された閉塞部の構造を提供することであり、また、その有用な使用方法を公共に提供することである。
発明の概要
一の態様において、広義的に本発明は、外層体と、外層体に取り出し可能に収納される内層体と、内及び外シール手段を備えたバッグ口部と、内層体のみをシールするために適用される内シール手段と、少なくとも外層体をシールするために適用される外シール手段とを有する少なくとも二枚の層体よりなるバッグから構成される。
ここで「二枚の層体よりなるバッグ」とは「バッグ内バッグ」パッケージシステムであり、「内層体」とは「内バッグ」の壁部を指す。
好ましくは内シール手段及び外シール手段との間において少なくとも外層体に破断帯域が設けられる。
より好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成される。
さらに好ましくは破断帯域は内層体素材及び外層体素材の両方に設けられた脆弱線により形成される。
好ましくは内シール及び外シールは内層体及び外層体の層を介して加熱することにより形成される。
選択的にではあるが内層体の内シール手段付近の内層体と外層体との間に非シール層が設けられてもよく、これに替えて、時間/温度/圧力及び素材を適切に選択することで内層体はシールされる一方、外層体はシールされないようにしてもよい。
非シール層は、少なくとも溶媒ベースのニスラッカー、水ベースの溶媒ラッカー及びシリコンエマルジョンを含むグループから選択されるのが好ましい。
また、少なくとも内層体は溶着可能なプラスチック素材より形成されるのが好ましい。
溶着可能なプラスチック素材は、熱可塑性プラスチック、熱可塑性プラスチック混合物、又は少なくともポリエチレンに被覆された紙、及びポリエチレンに被覆されたポリプロピレン織布を含む他の素材であることがより好ましい。
別の態様において、広義的に本発明は、外層体と、外層体に取り出し可能に収納される内層体と、内及び外シール手段を備えたバッグ口部と、内層体のみをシールするために適用される内シール手段と、少なくとも外層体をシールするために適用される外シール手段とを有する少なくとも二枚の層体よりなるバッグのシール方法で構成される。
好ましくは内シール手段及び外シール手段との間において少なくとも外層体に破断帯域が設けられている。
より好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成される。
さらに好ましくは破断帯域は内層体素材及び外層体素材の両方に設けられた脆弱線により形成される。
好ましくは内シール及び外シールは内層体及び外層体の層を介して加熱することにより達成され、内層体の内シール手段近傍で内層体と外層体との間に非シール層が設けられる。
非シール層は、少なくとも溶媒ベースのニスラッカー、水ベースのラッカー溶液及びシリコンエマルジョンを含むグループから選択されるのが好ましい。
また、少なくとも内層体は溶着可能なプラスチック素材より作成されるのが好ましい。
溶着可能なプラスチック素材は、熱可塑性プラスチック、熱可塑性プラスチック混合物、又は少なくともポリエチレンに被覆された紙、及びポリエチレンに被覆されたポリプロピレン織布を含む他の素材であることがより好ましい。
別の態様において、広義的に本発明は、ヒートシール材よりなる内層体及び外層体を備えるとともに、内層体が外層体に取り出し可能に収納されている複数枚の層体よりなるバッグにおいて、非ヒートシール材のストリップが外層体又は内層体の開口端付近において外層体の内側又は内層体の外側に設けられている構成にある。
好ましくは非ヒートシール材は外層体の内側に設けられる。
非ヒートシール層は少なくとも溶媒ベースのニスラッカー、水ベースのラッカー溶液及びシリコンエマルジョンを含むグループから選択されるのが好ましい。
非ヒートシール材の領域内で又は非ヒートシール材の上方で少なくとも外層体素材に破断帯域が設けられていることが好ましい。
破断帯域が非ヒートシール材の領域に設けられているのがより好ましい。
さらに好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成されている。
さらに別の態様において、広義的に本発明は、外層体と、外層体に取り出し可能に収納される内層体とを有し、ヒートシール材からなる少なくとも二枚の層体よりなるバッグのシール方法において、非ヒートシール材のストリップが外層体又は内層体の開口端付近において外層体の内側又は内層体の外側に設けられている構成にある。
好ましくは非ヒートシール材は外層体の内側に設けられる。
非ヒートシール層は少なくとも溶媒ベースのニスラッカー、水ベースの溶媒ラッカー及びシリコンエマルジョンを含むグループから選択されるのが好ましい。
非ヒートシール材の領域内で又は非ヒートシール材の上方で少なくとも外層体素材に破断帯域が設けられていることが好ましい。
破断帯域が非ヒートシール材の領域に設けられるのがより好ましい。
好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成されている。
好ましくは少なくとも一つのヒートシールが二枚の層体よりなるバッグに設けられ、このヒートシールは非ヒートシール材が設けられた領域の上方及び下方に延びている。
それに替えて、二つのヒートシールが二枚の層体よりなるバッグに設けられ、上シールが破断帯域の上方に設けられ、下シールが非溶融材が付着された領域の近辺に設けられるようにしてもよい。
さらに別の態様において、広義的に本発明は、非ヒートシール材よりなる内層体及び外層体を備えるとともに、内層体が外層体に取り出し可能に収納されている複数枚の層体よりなるバッグにおいて、ヒートシール材のストリップが外層体又は内層体の開口端に近接して又は近傍において外層体の内側又は内層体の外側に設けられている構成にある。
好ましくはヒートシール材は外層体の内側に設けられる。
ヒートシール材の領域内で、又はヒートシール材の上方で少なくとも外層体素材に破断帯域が設けられていることが好ましい。
破断帯域が非ヒートシール材の領域に設けられているのがより好ましい。
好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成されている。
さらに別の態様において、広義的に本発明は、外層体と、外層体に取り出し可能に収納される内層体とを有するとともに非ヒートシール材よりなる少なくとも二枚の層体よりなるバッグのシール方法において、ヒートシール材のストリップが外層体又は内層体の開口端に近接して又はその近傍で外層体の内側又は内層体の外側に設けられている構成にある。
好ましくはヒートシール材は外層体の内側に設けられる。
ヒートシール材の領域内で又はヒートシール材の上方で少なくとも外層体素材に破断帯域が設けられていることが好ましい。
破断帯域が非ヒートシール材の領域に設けられるのがより好ましい。
好ましくは破断帯域が少なくとも外層体素材に設けられた脆弱線により形成されている。
好ましくは少なくとも一つのヒートシールが二枚の層体よりなるバッグに設けられ、このヒートシールは少なくともヒートシール材の領域に設けられる。
他の態様において本発明は、内面及び外面を有する外バッグと、該外バッグに取り出し可能に包まれた内面及び外面を有する内バッグとを有し、各バッグは閉塞された底部と、開放された上端部とを備えたパッケージにおいて、該内バッグの口部内面はヒートシール域を有し、該外バッグの口部内面は(a)該内バッグのヒートシール域の位置に対応する非シール域と(b)該非シール域と上端部との間のシール域とを有し、該外バッグを介して行なわれるヒートシール操作において、該非シール域で該外バッグをシールすることなく、該内バッグの口部を閉塞してシールする第1シールを形成し、少なくとも該外バッグ上で行なわれるシール操作が該シール域において該外バッグを閉塞してシールする第2シールを形成して、該外バッグ内にシールされた該内バッグを封入してシールすることを特徴とするパッケージを提供する。
他の態様において本発明は、外バッグに取り出し可能に包まれている内バッグを有する前段落に記載のパッケージの充填及びシール方法であって、該パッケージが充填装置に供給されて該内バッグに所望量が充填され、該バッグの口部が伸張されて、該内及び外バッグが前記第1及び第2のシール域の領域で平坦にされ、該内バッグが該第1シール域の領域に沿ってシールされて該外バッグが接着することなく第1シールが形成され、該内及び外バッグが該第2シール域の領域で共にシールされて第2シールが形成されていることを特徴とするパッケージの充填及びシール方法を提供する。
本発明のさらに他の態様において、外バッグに取り出し可能に包まれる充填された内バッグを有する前記パッケージを備え、該内バッグは第1ヒートシールにより閉塞される一方、該外バッグはその場所において該内バッグにヒートシールされておらず、該外バッグは該第1シールとバッグの上端部との間に位置する第2シールにより閉塞され、破断帯域が該第1及び該第2シールの間に位置し、使用に際して該破断帯域に沿って破断することにより、シールされた該内バッグから該外バッグが取り外されることを特徴とするパッケージが提供される。
他の態様において本発明は、前段落に記載のパッケージを空にする方法であって、前記第2シールは、前記第1シールと前記第2シールとの間の破断帯域に沿って破断又は切断により取り外され、完全にシールされた前記内バッグが前記外バッグから取り出されることを特徴とする方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
以下に、単なる例として示される本発明の好適な形態について図面を参照しながら説明する。
図1はシールの配置を示す二枚の層体よりなるバッグの上端部の横断面図である。
図2は閉じ込み容易な一区画の底部を有するバッグを示す。
図3は中身が詰められた上でシールされた図2のバッグを示す。
図3Aは図3のA−Aの断面図である。
図4は、図3のバッグにおいて、外バッグの開口部を示すため外バッグがミシン目線に沿って破断されて一部が開封された状態を示す。
図5はパッチが把持手段を備える改良された一区画の底部を有するバッグを示す。
図6はバッグの底部に把持手段を付与する改良された普通の長さのパッチを示す。
図7はパッチがバッグの底部の両端に延設された他の構成を示す。
図8は、ミシン目線により分離された第1ヒートシールと第2ヒートシールを有する二枚の層体よりなるプラスチックバッグの平坦な閉塞部を示す。
図9は、第1ヒートシールと、ミシン目線と、内及び外バッグの上端部に取り付けられた分離可能なキャップとを有する二枚の層体よりなるプラスチックバッグの平坦な閉塞部を示す。
図10は、第1ヒートシールと、ミシン目線と、段差を有する上端部の溶融接着剤又は感圧接着剤とを有する二枚の層体よりなるプラスチックバッグの上端部に段差をもたせた閉塞部を示す。
図11は、第1ヒートシールと、ミシン目線と、内バッグをカバーするように折り重ねてシール可能な外バッグのフラップとを有する図10の二枚の層体よりなるプラスチックバッグの挟み閉塞部を示す。
図12は本発明のバッグを製造可能なプラスチック成形装置を示す。
図13はシールする前の液体の搬送用球根型バッグ内バッグの構造を示す。
図14は本発明により二つのバッグの首部がシールされた図13のバッグ内バッグ構造を示す。
図15はラッカーを不要とする最も基本的な形のバッグの断面図を示す。
図16は、二層の内バッグと三層の外バッグとの組合わせからなるラッカーを不要とする好適な形態のバッグの断面図である。
図17は図16に類似し、酸素バリアを備えた内バッグの特徴が付加された好適な形態のバッグの断面図を示す。
第1実施形態
二枚の層体よりなるバッグは産業上既知の手段により形成される。バッグの層体は熱可塑性プラスチック、又は熱可塑性プラスチック混合物、又はポリエチレンに被覆された紙若しくはポリエチレンに被覆されたポリプロピレン織布のような他の素材から形成される。本発明の特徴は、結果として得られるバッグが外バッグと、外バッグに取り出し可能に収納される内バッグとを有することである。外バッグは搬送後に取り外され、内バッグは搬送及び取扱に際して汚染されることなく食品衛生が厳密な場所に搬入される。
内層体101及び外層体102を有する複数枚の層体よりなるバッグ100が提供される。内層体101の少なくとも一端及び外層体102の少なくとも一端がそれぞれ閉塞されて内バッグ及び外バッグを形成し、各バッグは開口端を有している。内層体101及び外層体102は例えば熱可塑性プラスチック又は熱可塑性プラスチック混合物、ポリエチレンに被覆された紙、ポリエチレンに被覆されたポリプロピレン織布といったヒートシール材より構成されている。
溶媒ベースのニスラッカー、水ベースのニスラッカー又はシリコンエマルジョンの等の非ヒートシール材103が、外バッグの開口端付近で外層体の内側にストリップ状に設けられている。
バッグ100は物を詰めてシールする業者に供給される。使用に際しては二つのヒートシールがパッケージに設けられる。
下ヒートシール104は非ヒートシール材103の位置に設けられている。上ヒートシール105は下ヒートシール104に対して上方且つ平行に設けられている。下ヒートシール104と上ヒートシール105とは間隔が空けられているのが好ましい。破断帯域106は好ましくは下ヒートシール104と上ヒートシール105との間の位置において内層体101及び外層体102の両方に設けられる。破断帯域106は好ましくはヒートシール時又はその直後に内層体101及び外層体102に設けられたミシン目により形成される。破断帯域106は内シール104の密封性に影響を与えずに外層体102を内層体101から容易に取り外し可能とする。
下ヒートシール104及び上ヒートシール105は加熱により形成される。非ヒートシール材103により下ヒートシール104は内層体101のみをシールして内バッグを閉じてシールすることを可能とする。
上ヒートシールは内層体101と外層体102とを一緒にシールすることが好ましいが、内バッグが外バッグの上端部より下方にとどまっている場合には外バッグのみが上ヒートシール105においてシールされてもよい。
他の実施形態として複数枚の層体よりなるバッグ100にヒートシールが一つだけ設けられてもよい。ヒートシールが、非ヒートシール材の領域及び非ヒートシール材より上方に延びる領域にまたがって設けられ、これにより非ヒートシール材の領域より上方で内層体及び外層体を一緒にシールする。この場合、破断帯域は非ヒートシール材の領域に設けられる。
所望ならば紙の外層体が用いられてもよい。紙の外層体が用いられた場合、少なくともヒートシール又は上ヒートシール(上及び下のヒートシールが設けられる場合)の領域において、紙の外層体の内側がポリエチレン又は他の熱可塑性プラスチックにより被覆され、破断帯域の上方において内層体及び外層体の間でヒートシールが実現され得るようにしている。
使用に際し、内バッグに中身が詰められて複数枚の層体よりなるバッグが上述のようにシールされる。複数枚の層体よりなるバッグ100を閉塞するシールの形成後、その目的地に搬送し、内バッグがシールされたまま外バッグが破断帯域106に沿って開封される。外バッグは取り外されて廃棄され、一方、内バッグは元の状態でシールされたままに維持される。
第2実施形態
最も好ましい形態においては、バッグは、図2、3、3A及び4に示すタイプの一区画の底部を有するバッグとして形成される。これは、ミルクパウダー及びミルクパウダー製品の包装に特に適しており、本発明のバッグ内バッグ構成は25kgの粉状体を収納可能な「サック」を作成するのに利用される。例えばこの「サック」は高さが800〜900mm、幅が約400mm、奥行きが約140〜180mmである。第1及び第2シール(図3Aに示されたシール)に用いられる「サック」の上端部は約150mmの高さである。
このバッグは、パッチ203にカバーされた一区画の底部202を有する外バッグ201と、外バッグ201に包まれた内バッグ(図示せず)とを有している。閉じ込み前のバッグは、ヒートシール域に対応して非ヒートシール領域205を有している。このヒートシール域は内バッグを閉塞するための第1シールを形成する。シール後、第2シールから第1シールを隔離する帯域206に沿って破断帯域206が設けられる。第2シールは少なくとも外バッグをシールするために帯域207に設けられてもよい。破線208は外バッグの裏側の継ぎ目を示す。
本実施形態において、異なるシール開始点を有する異種の又は微差のあるプラスチック素材を用いて内バッグ及び外バッグが形成されてよい。ポリエチレンの外バッグのシール開始点より例えば10〜15℃だけ低温のシール開始点を有するポリエチレンで内バッグを製造し、第1シールが第2シールより低温で形成されるようにヒートシールバーの加熱時間及び温度が調節されてもよい。シールバーの第1のセットの加熱時間、温度及び圧力が調節され、内バッグを外バッグに溶着させずに溶融してシールするのに十分な熱が外バッグを介して与えられた場合、帯域205において内バッグをシールすることが可能である。それから、シールバーの第2のセットを十分な加熱時間又は高温として、帯域207において外バッグを内バッグにシールするために十分加熱することが可能である。バッグの中に収納される物品の種類に応じて内バッグ又は外バッグのいずれも多層プラスチック織布により形成されてよい。
図3は中身が詰められてシールされた図2のバッグ内バッグを示す。番号205〜207は図2では中身が詰められてからバッグが閉じられシールされるときにシール及びミシン目が設けられる位置を示し、一方、図3では内バッグに設けられたシール205と、外及び内バッグに設けられたシール207と、外及び内バッグにわたるミシン目206との位置を示す。
図3Aは内容物209を示すため図3のシールされたバッグ内バッグの断面を示す。内及び外バッグは相互に密接してこの図では区分されていない。
図4は図3のバッグにおいて、第2シール207がミシン目線206に沿って破断され取り外されるように外バッグが部分的に開封された状態を示す。
図5は一区画の底部を有するバッグ(図2〜4に示す)において、延長されたパッチ213(すなわちパッチ203より長い)を示す。それによりバッグの底部に接着されていない二つの延出タブ214、215により把持手段を供している。把持手段の典型的な長さはパッチ213の両端において35mmである。
図5のバッグがその目的地に到着したとき、外バッグの上端部はミシン目線に沿って破断されて取り外され、タブ214、215により外バッグの底部が把持され、内バッグがホッパー又は別の受け取り器に落とされる。作業者は外バッグのタブを把持しているため、内バッグがその内容物の重さにより外バッグから落下する。本発明の一区画の底部を有するバッグの製造に関する後述の説明から明らかになるように、外バッグの底部の製造及び折り畳みに際し、内バッグは外バッグの下部に接着されまたは軽く付着されるのが望ましい。この場合、取り付けは、荷卸し作業において外バッグから自由に抜け落ちるような接着剤によりなされるのが望ましい。
図6は普通の長さのパッチ223を示す。2つのポケット224、225を除きパッチの全体に接着剤が施され、パッチがその各端において指で掴める領域227を有している。
図7はパッチ233の他の実施形態を示す。パッチ233は両端234、235に沿ってバッグ基部の中央域に固定されている。また、パッチは二対のミシン目236、237を有し、バッグの底部を図5と同様に把持可能とする。また、これに替えてパッチの両端が引かれ、ミシン目線236、237に沿ってパッチの両端が破断されることで、バッグの底部を把持容易とする二つの起立部分がパッチに形成される。
図8〜11は複数枚の層体よりなるプラスチックバッグ内バッグシステムの閉塞部の他の実施形態を示す斜視図である。これら各図において外バッグは801により示され、内バッグは802により示される。これらの図は、内バッグ802をシールするのに用いられる第1シール803と、外バッグをシールするのに用いられる第2シールとの関係を示すための概略図となっている。図8において、バッグは平坦な閉塞部を有している(内バッグ802の上端部が平坦に外バッグ801の上端部に一致している)。この場合、外バッグが803において内バッグにシールされることなく、内バッグが803においてヒートシールされ、これに対して外バッグはヒートシール803よりやや上方に離れた804においてヒートシールされる。このヒートシール804はその位置において内及び外バッグを通してシールしている。ミシン目線806はバッグを通して設けられ、バッグの上端部が容易に取り外されて、廃棄処分される外バッグ801からシールされた内バッグが解放されるようにすることができる。
図9もまた平坦な閉塞部を示すが、この場合内及び外バッグ801、802が両方ともキャップにより覆われている。便宜的にこれはポリエチレン又は紙のキャップであり、ヒートシール、糊付、縫合、その他によりその場所でシールされる。このキャップ807は内及び外バッグ801及び802の両方にわたり縫合されてもよい。ミシン目線806は内及び外バッグを通して設けられ、所望ならばキャップの対応箇所を通して設けられる。
図10は段差のある上端部の閉塞部を示す。内バッグ803においてヒートシールされ、外バッグの段差を有する上端部のフラップ808に、典型的には溶融接着剤、感圧接着剤のような接着剤809の層が設けられ、上端部のフラップ808が外バッグの外面に対してシール可能とされている。
図11は段差のあるフラップ閉塞部を示しており、外バッグ801は、内バッグ802の上端部を超えて延出するとともに、外バッグ801の外面に取り付けられるフラップ808を有している。内バッグ803においてヒートシールされ、内及び外バッグの両方の上端部にわたってミシン目線が806に設けられている。ミシン目線806はヒートシール803の上方で、且つ、好ましくはフラップ808の下端より下方に設けられる。
第3実施形態
内層体及び外層体を有する二枚の層体よりなるバッグが産業上既知の手段により形成される。内層体及び外層体は一緒にヒートシールされないような素材より構成され、例えば、内層体はポリエチレンよりなり、外層体は織布又は紙よりなる。内層体の少なくとも一端が閉塞されて内バッグを形成し、外層体の少なくとも一端が閉塞されて外バッグを形成している。
外層体の内側の開口端付近、又は内層体の外側の開口端付近にストリップ状のヒートシール材が設けられている。ヒートシール材の下方で外層体にミシン目を設けることにより少なくとも外層体に破断帯域が設けられている。
ヒートシール材領域及び破断帯域の下方を加熱することで複数枚の層体よりなるバッグがシールされる。内層体がヒートシール材の下方領域においてシールされ、外層体及び内層体がヒートシール材の領域において一緒にシールされる。
使用に際し、上述のように内バッグには中身が詰められ、複数枚の層体よりなるバッグがシールされる。複数枚の層体よりなるバッグを閉塞するシールが形成された後、内バッグがシールされたままで外バッグが破断帯域に沿って開封される。外バッグは取り外されて廃棄され、一方、内バッグは元の状態でシールされたままに維持される。
第4実施形態
本実施形態は、プラスチックバッグのバッグ内バッグ構造が用いられる点で第2実施形態に類似する。図15は最も基本的な形状であり、ラッカーの使用を不要とするバッグ構造の断面を示す。本実施形態において内バッグ又はバッグ401は一層のプラスチック素材よりなり、その二つの側壁は断面図に示すように符号Cが付されている。図15〜17において符号A〜Eは内及び外バッグの両方の異なる構成要素に使用される異種の素材を表すのに用いられている。本実施形態において、内バッグ401は一層のプラスチック素材より形成され、外バッグ402は二層のプラスチック素材より形成され、外バッグの最も外側の層が素材“A”より形成され、最も内側の層が素材“B”より形成されている。
本実施形態では、素材“A”は通常、密度が900〜930kg/mの線型低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
また、素材“B”は好ましくは935〜940kg/mの密度の線型中間密度ポリエチレン(LMDPE)である。
内バッグの素材“C”は好ましくは密度が926kg/m以下で、素材“B”(外バッグ402の内面又は内側の層)より低温のシール開始点を有する素材より形成されている。かかるバッグは例えば、酸素バリアを要しない物等、安定な製品の収容に適している。
第5実施形態
図16は、内バッグ501が素材“D”及び“E”よりなる二層プラスチック織布より形成され、一方、外バッグ502は素材“A”、“B”及び“C”よりなる三層プラスチック織布より形成されている構成を示す。本実施形態では符号A〜Eは図15の符号A〜Cのように素材の違いを表さない。符号は異なる層間を区分するために用いられる。
図16を参照して、本実施形態では素材“A”は通常、好ましくは密度が918kg/m以下である線型低密度ポリエチレン(LLDPE)である。素材“B”は好ましくは密度が900〜930kg/mの“LLDPE”である。
素材“C”及び“D”は好ましくは密度が935〜940kg/mの“LMDPE”である。
内バッグ501の内面を形成する素材“E”は好ましくは密度が926kg/m以下の素材より形成されている。ポリエチレンは適切な態様として“LLDPE”及び“VLDPE”を含む。かかる素材は通常、107℃以下のシール開始点を有する。
このバッグも第4実施形態と同様な方法で安定な製品に使用される。
第6実施形態
本実施形態は第5実施形態に類似しており、酸素バリアが付加されている。内バッグ601は次に述べるように五層に形成され、外バッグは第5実施形態と同様に三層である。第4、第5及び第6実施形態のそれぞれにおいて、内及び外バッグが異なるシール開始点を有する素材より形成されていることでラッカーを不要とする構成を示す。内及び外バッグの異なる表面におけるシール開始点を適切に選択することにより、ラッカーを不要とすることができる。
本実施形態では、図16を参照して、素材“A”は通常、好ましくは918kg/m以下の密度の線型低密度のポリエチレン(“LLDPE”)である。素材“B”は900〜930kg/mの密度の“LLDPE”である。
素材“C”及び“D”は好ましくは935〜940kg/mの密度の“LMDPE”である。
内バッグ601の内面を形成する素材“E”は好ましくは926kg/m以下の密度を有する素材から形成されている。適切なポリエチレンとして“LLDPE”及び“VLDPE”が含まれる。かかる素材は通常、107℃以下のシール開始点を有する。
内バッグは、層“D”及び“E”の間に接着剤及び酸素バリア材を包含している。好ましくはエチレンビニルアルコール共重合体“EVOH”のような酸素バリア材は、603に位置し、無水マレイン酸結合ポリエチレンのような接着材の2つの層体604の間に挟まれている。なお、これらは例示にすぎず、別の接着剤とともに又は別の接着剤無しで別のバリア材が使用されてもよく、ポリアミド及び他の重合体バリア材が例に含まれる。
使用に際し、第2及び第4〜第6実施形態のいずれか1つに関して説明されたバッグ内バッグ構造は、以下のようにその機能を発揮する。すなわち、外バッグ402、502、602の外面に適切な時間/温度/圧力を加えることで、内バッグ401、501、601の内面に充分な熱が伝達され、内バッグの外面が外バッグの内面に溶着しないよう内バッグの内面が一緒にヒートシールされる。
バッグの製造
ここで、第2実施形態によるバッグの製造について説明する。第2実施形態では図2に示すタイプのバッグに関するものであり、内及び外バッグはともにポリエチレンのような類似するプラスチック素材より形成されている。両バッグはシール開始点がわずかに異なるという点で相違し、内バッグが外バッグのシール開始点よりわずかに低温のシール開始点を有する。
図12は、一層又は二層の管状の平坦な織布材を加工するための典型的なプラスチック成形装置の概略図である。内バッグは好ましくは連続するプラスチックチューブより形成され、外バッグはプラスチックの平坦な織布より形成され、織布は内チューブの周囲に折り重ねられて外バッグを形成する。内バッグはその周りの外バッグの形成に先立ち、適切な場所においてプラスチックの平坦な織布より形成される場合もあり得ることが理解できるであろう。
図12は以下の構成部分を示す。
901は外織布の繰り出しユニットである。
902は重ね織布処理ステーションである。
903はフレキソプリンタである。
904は熱溶融層体間ペーストユニットである。
905は成形テーブルである。
906は縦方向の綴じ合わせユニットである。
907は内織布の繰り出しユニットである。
908は内織布加熱シーラーである。
909はロータリークロスカッターである。
910はチューブ反転ステーションである。
911はチューブ整列ステーションである。
912は折目付け及び底部開放ステーションである。
913は次の3つのステーションの位置を示す。
(a) チューブ低部開放ステーション
(b) チューブ底部糊付けステーション
(c)チューブ底部閉塞ステーション
914は底部パッチのプリンタ/張り付け装置の位置を示す。
915は底部パッチの繰り出しユニットの位置を示す。
916は完成したバッグを配送のため計数・包装するステーションを示す。
この装置において、図8に示すタイプの平坦な閉塞部に適している図2のバッグが形成される。内バッグは好ましくは密度が926kg/mか又はそれ以下で、107℃より低温のシール開始点を有するポリエチレンを内面とする同軸チューブより形成される。これはロール状で供給され、907に設置される。
搬送に際して外から見える外バッグにのみ印刷を施すのがより重要だが、内及び外バッグの両方に印刷が施されてもよく、この場合は内バッグの内容物を使用する前に外バッグを廃棄することができる。
内バッグは好ましくは、以下に説明する外バッグの層体に関連して、内バッグの内層が内バッグの外層より低温のシール開始点を有する少なくとも二つのポリエチレンの層より形成される。好ましくは、内バッグの内層は107℃以下のシール開始点を有するという理由から926kg/m以下の密度のポリエチレンよりなる。適切なポリエチレンとして、線型低密度ポリエチレン(“LLDPE”)及び非常に低密度のポリエチレン(“VLDPE”)が含まれる。
外バッグは好ましくは三層のポリエチレンの平坦な織布より形成されている。バッグがミルクパウダーを収納するのに用いられた場合、層の一つが濃色又は黒色のプラスチックのような光フィルター層であるのが好ましく、また、それが外バッグの最も内側の層であるとかなり便利である。
外バッグの最も外側の層は好ましくは(印刷のために)白又は淡い色であり、最も外側の層は好ましくは非常に低密度のポリエチレン(“VLDPE”)のような高い摩擦係数のプラスチック素材より形成され、外バッグが積み重ねられたときに滑らないようにされている。外バッグの三層はポリエチレンのような典型的には白いプラスチックの中間層を有する。
外バッグの最も内側の層は、典型的には、内バッグの内面のシール開始点より15℃高温のシール開始点を有する線型中間密度ポリエチレン(“LMDPE”)であり、例えば外バッグの最も内側の層は120℃のシール開始点を有する940kg/mの密度のLMDPEである。大抵の場合において外バッグの最も内側の層と、内バッグの外面のシール開始点の温度差ができるだけ小さくされ、一方、内バッグの外面とともに外バッグの最も内側の層のシール開始点が、内バッグの最も内側の層に対してできるだけ高温とされるのが好ましい。この温度差を10℃以上に維持することでラッカーが不要となる。これに替えて、シール開始点を同じにした場合、ラッカー又は非ヒートシール層を外バッグの内面又は内バッグの外面に設けてもよい。
図12から明らかなように、外織布は成形テーブル905に送られる前に繰り出され、印刷を施され、熱溶融ペーストを設けられる。また、外織布は成形テーブル905において外バッグを形成するため内チューブの周囲に重ねられる。その間、内チューブはユニット907から繰り出され、個別のバッグを成形するためヒートシーラ908により所定の間隔ごとにシールされる。
外織布が内バッグの周囲に重ねられたとき、ステーション906で外バッグの縦方向の綴じ合わせが形成され、バッグはロータリークロスカッター909に送られ、内及び外バッグを有する個々のバッグに切り離される。これら個々のバッグはチューブ反転ステーション910で反転され、続いて折目付け及び底部開放ステーション912への到達に先立ちチューブ整列ステーションに送られる。
好ましくは、ステーション904における溶融接着の準備中に、接着領域が外バッグの内側の基部となる部分に設けられ、内バッグの下端部が外バッグの内側の基部となる部分に取り付けられる。これは好ましくは内バッグの片面でのみ行われ、外バッグの一区画の底部を折目付けて形成する間に適切に行われる。このわずかな接着部分により内バッグは「取り外し可能に」外バッグに収納され、内バッグがその目的地で外バッグから取り出されるときに、内バッグは外バッグから落下することができる。
ステーション913〜915は、外バッグの折り重ねられた一区画の底部を形成し、それぞれの外バッグの底部ごとに底部パッチを供給し、図2〜7に示すタイプの折り重ねられた一区画の底部を有するバッグを製造することに関連する。
内バッグ及び外バッグが異なるシール開始点を有するプラスチック素材より形成されている場合、ラッカー又は別の非シール層を用意するステーションを設ける必要がないことが明らかだろう。
かかる製造ラインは15〜25kgの一区画の底部を有するサックの製造に適している。また、このサイズはミルクパウダー、粒状の化学薬品及び他の食料品の運搬に適している。かかるサックは典型的には1160mm×600mmを超えない寸法を有している。
同じタイプの成形装置が、耐熱性ラッカー又はヒートシール材の層を内又は外バッグの適切な場所に設ける適切なステーションを追加した上で、第1又は第3実施形態のバッグの製造に使用され得る。さらに、内のプラスチックバッグ及び外の紙又は織布バッグを利用する実施形態のバッグを提供するために同様の装置が使用され得る。
バッグの充填及び密封
図2〜7に従って製造されたバッグは充填及び密封装置と共に使用者に提供される。使用者の要求によりさまざまな充填装置が使用され得る。例えば使用者はエンドラインバッグ充填装置又はカルーセルバッグ充填装置のような単ヘッドのバッグ充填装置、又は複数ヘッドのバッグ充填装置を使用することができる。
内バッグに入れられる物品に応じて、内バッグから空気を抜き取るためバッグ充填装置はガスフラッシングや真空包装装置を備えていてもよい。内又は外バッグの一方かまたは両方が、酸素の進入又は内バッグの充填時に使用された雰囲気ガスの拡散を防止するための適切なバリア材から形成することが望ましい場合もある。
内バッグが一度充填されると、充填されたバッグはヒートシールされる。バッグをヒートシールするため、充填されたバッグが首部ストレッチングステーションに送られて内及び外バッグの両方の口部が引っ張られて平坦に保持されながら伸長され、バッグレベリングステーションに送られるのが好ましい。このステーションにおいてバッグがその上端部を揃えて並べられ、ヒートシールステーションに送られてヒートシール又はシールがバッグの適切な位置に設けられるようにする。
図3及び4においてヒートシールに先立つストレッチング効果を誇張するためバッグの上端部の幅がバッグの底部の幅より大きく描かれている。
ヒートシールステーションにおいて、ヒートシールバーの第1のセットがバッグを挟持し、外バッグの外部に熱が加えられ、内及び外バッグの素材が適切に選択された上で加熱及び加圧されることにより、内バッグのみが図3の線205に沿ってヒートシールされる。プラスチックの内バッグ及びプラスチックの外バッグを備えた全部がプラスチックバッグの場合、四層の素材の全てがヒートシールされるようにヒートシールバーの第2のセットが内及び外バッグの両方の上端部に熱及び圧力を加える(ここでは内又は外バッグを、複数層の素材よりなるか否かに関係なく単一のチューブを備えているものとみなし、このため、外バッグの二層の素材に覆われた内バッグの二層の素材に該当する)。ヒートシールバーの第2のセットは、第1のセットより高温を加えることにより内及び外バッグの両方を一緒にヒートシールする。
同時に、内及び外バッグには206においてミシン目が設けられ、このミシン目はヒートシール線205からある程度離されている。ミシン目を設ける工程は望ましいが必要不可欠ではない。一の実施形態として、例えば、内及び外バッグを分離するために外バッグが線206に対応してバッグが切断されるべき位置を示す印刷線を有していてもよい。ミシン目を用いる場合、形成されたミシン目の縁端をシールするために、加熱したミシン目ナイフが用いられるのが好ましい。これはバッグへの侵入ポイントをシールし、容易に切り離されて内パッケージを外パッケージから取り外し可能とする。
バッグが充填されてシールされるとバッグは垂直位置から水平位置に動かされ、重さを計られ、所望ならば適当なコードが付される。そして、バッグは好ましくはバッグフラットニングステーションに送られ、内容物を平らにしバッグの外形をより矩形に近づけて、パレット上で充填されたバッグを機械により位置決めするのに適したものとする。
利 点
本発明の好適な実施形態の利点は、内バッグが元の状態でシールされたまま、外バッグを開封して廃棄することができることである。内バッグは搬送中に汚染されず、外バッグの取り外し後に食品衛生の厳密な場所に搬入される。
全てがプラスチックよりなるバッグに二つのヒートシールを用いた場合、内及び外バッグがヒートシールにより閉塞されるので、この複数枚の層体よりなる可撓性パッケージの使用者は糊のような素材を保管する必要がない。
本発明の好適な実施形態は、特にミルクパウダー、ミルクパウダー製品、及びその他の食品に関連する粒状材料の包装及び搬送に適している。第1の好適な実施形態に記載した二つのプラスチックバッグの中、又は第2の好適な実施形態に記載した紙の外バッグを有するプラスチックバッグを組み合わせたものの中にミルクパウダーを包装する場合、ミルクパウダー又は食品に関連するその他の素材はヒートシールにより閉塞されてシールされるポリエチレンの内バッグに収納される。ポリエチレンの内バッグは水及びほこりを遮断して内容物の汚染を防止する。本発明のプロトタイプがミルクパウダー及びその製品について試験された。この試験は本発明がミルクプロテイン、スキムミルク、カゼイン、塩、種々の食料品、食品材料、薬品及び他の「バッグ内バッグ」パッケージシステムを要する大量生産品の包装に適していることを示唆している。
外バッグは、ポリエチレン等のプラスチック又は紙のいずれにより形成されていても、二つの主要な役割を果たす。第一に内バッグを損傷から保護し、第二に内バッグを清潔に保つ。さらに外バッグは印刷に利用され、外バッグがプラスチックならば、質の高い印刷が容易であるという付加的な利点がある。摩擦力を増してパレット上に多数のバッグが積み重ねられたときに滑りにくくするよう異なる構成のプラスチック素材が利用されてよい。本発明の最も好適な形態は二重プラスチックバッグの構成にあり、印刷性、抗光特性、摩擦特性それによる積み上げ性により外バッグの特性を制御することができる点にある。更に、上述の二重プラスチックバッグの構成を採用することにより、バッグの製法を簡易化し、より重要なことはその取り扱い性及びバッグの閉塞を簡易化する利点を有する。これは、二重プラスチックバッグは最も好適な形態では、第1ヒートシールで内バッグを閉じ、第2ヒートシールで少なくとも外バッグを閉じるため、二つのヒートシールバーのセットを用いて好適にヒートシールにより閉塞され、ミシン目又はこれ以外の容易な開封構造が第1及び第2ヒートシールの間に設けられるからである。
変 形 例
好適な実施形態において二枚の層体よりなるバッグについて述べた。しかし、本発明はバッグ内にあるバッグ内バッグのような三枚又はそれ以上の枚数の層体を有する複数枚の層体よりなるバッグ又はサックに適用されてよい。
内パッケージがシールされた後、外パッケージは必要ならば接着剤により閉塞されてもよい。
好適な実施形態ではミルクパウダーの搬送に適する、例えば15から25kgの製品を収納するサック形態の大きいバッグの製造及び使用について説明したが、本発明はこれ以外のあらゆるサイズのバッグ又はサックに適用されてよい。
例えば、図13及び図14に示すように100mlから500mlの消毒液が球根状のバッグに収納されてもよい。この構成においては、内バッグ301は外バッグ302よりもわずかに小さく、両バッグとも長い首部303を有する類似した球根状に形成される。内バッグを外バッグより低温のシール開始点の素材で形成することで、バッグの首部303に区別されたヒートシールを採用することができ、ヒートシールバー304の第1の対は外バッグ302に首部の基部に適用され、内バッグのみをヒートシールするのに充分な熱が加えられ、線307においてヒートシールが設けられる。これに対してヒートシールバーの対305がより高温で機能を発揮して内及び外バッグの両方が線308において一緒にシールされる。
ヒートシール307及び308の間を明確に引き離すことで、消毒液の輸送に望まれるように両パッケージの素材が透明の場合、これらのヒートシールは目で確認でき、バッグの首部にミシン目を設けたり、又は2つのシール307及び308の間のどこで切断されるべきかを示す目印をつけたりする必要がない。なお、外バッグには2つのヒートシール線の間で切断されるべき旨を示す表示が印刷されたり、又は二つのヒートシールの間でバッグの首部に色付けされた帯線を印刷した上で、内及び外バッグを分離するためにはこの色付けされた帯線の位置でバッグの首部が切断される旨の表示を外バッグに付してもよい。
より長い保存期間又はより長い搬送時間の必要上、バッグ内バッグに食品が収納されることが望ましい場合、同様の構成が、鶏肉、チーズ、果物又は野菜のような食料品の真空包装に使用される。
他の多くの変形例が可能である。図1における説明が、パッケージの形状又は底部ではなく首部のみを示した理由は、少なくとも第1ヒートシールにおいて内バッグのシールが外バッグのシールから独立していることを可能とする本発明の「バッグ内バッグ」構造の発明の特徴を強調するためである。
Figure 0003741445
表1は、いくつかの異なるオプションを示す表であり、欄中のチェックは特定のオプションに適用される構成を示す。例えば、オプション1は内層体の外面と外層体の内面間のシールを防止するラッカーの使用を可能とする。一方、オプション2は、温度係数の異なるシール材を用いることにより、外層体のシールを回避している。
表のオプションの説明
1.非シール材コーティングである裏面ラッカーの上からシールする下部シールを有する二つのシール、二つのシール間に存在するミシン目。最も単純なプラスチックフィルムを使用するバッグの製造が可能。ラッカーを使用するため閉塞部の設計が機能的である。ラッカーの使用によるコストを生じ、製造上、他の変更が可能となる。
2.異なるシール材をシールするための、温度、加熱時間及び圧力の処理変数個々の調節可能なシール手段により実施される二つのシール。内面に低温シール材を有する内チューブを閉塞する下シール。よりシールし難い素材をシールするためにより高い処理変数にセットされて実行される上シール。シール間のミシン目の存在。簡単なバッグの製法とオプション1より安価な素材コストの提供。フィルム押出し成形設備の高額な投資。
3.オプション1又は2又は例えばポリアミドに対するポリエチレンのように性質の異なる熱可塑性プラスチックを使用する場合に使用。下シールは内チューブを閉塞するが上シールの位置には用いられず外パッケージは接着テープの使用により閉塞される。オプション1のバッグの場合は他の外バッグの閉塞手段の使用が可能。これは、ミシン目の列を有する外バッグを受け入れられない使用者に有用であろう。接着テープを使用するための付加的な閉塞設備が必要となり付加的なコストを伴う消耗品の備蓄という不利を消費者に強いる。
4.バッグの製造においてラッカーを不要とするオプション2及び3の組合わせ。オプション2及び3の両方の欠点を生じる。
5.性質の異なる重合体がバッグの層体の一面に存在するオプション4の変形。この一面は外バッグの内面又は内バッグの外面である。フィルムの総コストの増加。
6.オプション1の構成を利用し、ミシン目線の上に接着テープを加えた1の変形。オプション3と同様に付加的な閉塞設備及び消費材コストを生じる。
7.オプション6がオプション1の変形であるのと同様、オプション2の変形。
8.形成されたミシン目の縁端をシールするため加熱されたミシン目ナイフを利用するオプション2の変形。これは外部の汚染物質を全体的に排除するためのものである。
9.オプション8がオプション2の変形であるのと同様、オプション1の変形。
クレームに示す本発明の一般的範囲から離れることなく上記例に対して種々の変形がなされ得ることは明らかであろう。

Claims (3)

  1. a)内面、外面及び開放された上端部を有する熱可塑性内バッグ、及び
    b)内面、外面及び開放された上端部を有する熱可塑性外バッグであって、該外バッグが該内バッグを取り出し可能に包んでいる熱可塑性外バッグ
    とを含む製品であって、
    i)該熱可塑性内バッグの内面はヒートシール性を有し、
    ii)該熱可塑性外バッグの内面はヒートシール性を有しており、かつ該内バッグの内面のシール開始温度よりも10℃以上高いシール開始温度を有し、
    iii)第1ヒートシール操作を該外バッグを介して行い、該ヒートシール操作により該外バッグを該内バッグにシールすることなく、内バッグ同士を閉塞してシールする第1ヒートシールを形成でき、かつ第2ヒートシール操作を少なくとも前記外バッグ上で行い、前記バッグの上端部と前記第1ヒートシールとの間に位置する領域に第2ヒートシールを形成できるよう、該熱可塑性内バッグと該熱可塑性外バッグとが適用される製品であって、
    該第1ヒートシール操作が行なわれる場所に対応する内バッグと外バッグとの間の領域に非ヒートシール層が設けられておらず、かつ破断帯域が前記第1ヒートシールと前記第2ヒートシールとの間に位置する製品。
  2. 前記熱可塑性内バッグの内面が、926kg/m 以下の密度を有するポリエチレンより形成されており、前記熱可塑性外バッグの内面が、935〜940kg/m の密度を有するポリエチレンより形成されていることを特徴とする請求項1記載の製品。
  3. 前記熱可塑性外バッグが閉塞された底部を有し、かつ前記熱可塑性内バッグが閉塞された底部を有することを特徴とする請求項1記載の製品。
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