JP3741263B2 - ディスプレイ用クランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等のディスプレイを天板上に好適に保持し得るクランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、液晶技術等の発展により、従来より使用されてきたコンピュータ用CRTディスプレイに替わって、薄型の液晶ディスプレイ等が急速に普及しつつある。このようなディスプレイを机の天板上で使用する場合、天板の使用面をできるだけ広く使えるようにするために、ディスプレイを天板上に載せるのではなく、天板の縁部に取り付けたクランプによってディスプレイを保持することが考えられてきている。
【0003】
このようなクランプにあっては、側面視コ字形をなすブラケットと、上端部に押さえ板を取り付け下端部に水平回転可能な棒状のハンドルを取り付けてブラケットの略水平な下壁を貫通するネジ軸とを備え、ハンドルの水平回転操作に伴って下壁に設けたナットやネジ穴にネジ軸を上下にネジ送りさせることによって、天板を上下方向からブラケットの上壁と押さえ板とで挟み込んでブラケットを天板に固定するようにしたものが通例である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のクランプでは、机の形状によっては取り付けにくいか若しくは実質的に取り付けられないことがある。例えば、天板の縁部(特に側縁部や後縁部)においてその水平な下向面が露出するいわゆるオーバーハングが小さい場合、クランプのハンドルを水平に回転操作しようとしても天板を支持する脚部や幕板等と干渉して操作しづらいという不具合がある。また、天板の後縁部や側縁部に起立状態でデスクトップパネルを取り付けた場合は、そのデスクトップパネルとクランプとが干渉することからクランプを取り付けられないため、例えば天板の後縁部に沿う位置に厚み方向に貫通するように設けられた配線用の開口部にクランプを取り付けようとすると、ハンドル操作のために天板の下に潜り込んで作業をしなければならないという不具合が生じる。またいずれの場合にせよ、天板よりも下方でハンドルを操作するためには、いちいち天板の下方空間に潜り込んだり屈んだりする必要があることから、作業が面倒である。
【0005】
そこで本発明は、以上のような問題を解消するために、天板よりも上方からクランプを締め込むための操作することで取り付けることができ、取付作業効率を向上したディスプレイ用のクランプを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のディスプレイ用クランプは、机等の天板を上下に挟み込む上挟み部及び下挟み部を具備してなり、これら上挟み部及び下挟み部によって天板を上下に挟み込んだ状態で天板とディスプレイとの間に介在して、天板にディスプレイを取り付けるものであって、前記上挟み部を下挟み部との間で相対的にネジ作用で上下方向に駆動するための操作部を天板よりも上方位置に形成しているとともに、天板の裏面に下方から接し得る補助挟み部材を前記下挟み部に着脱可能に取り付けていることを特徴としている。
【0007】
このような構成のものであれば、ディスプレイ用クランプを天板に取り付けるに際して、天板の下方空間に潜り込んだり屈んだりせずとも、天板よりも上方において操作部を上挟み部と下挟み部とで天板を締め込むように操作すればよいので、クランプの取付作業が極めて簡便となる。特に、天板よりも上方でクランプの取付操作ができることによって、天板の縁部におけるオーバーハングが小さい場合に脚部や幕板が障害となってハンドルを操作しづらかった従来の不具合を有効に解消することができる。
【0008】
具体的に、上挟み部をネジ作用により駆動し得る望ましい構成としては、ディスプレイ用クランプを、天板よりも上方に位置付けられる上壁及び天板よりも下方に位置付けられる略水平な下壁を有するブラケットと、上壁を足場にして上下方向にネジ送りされる支柱と、上壁に取り付けた支柱の下端部に略水平な姿勢で固定される押さえ板とを具備してなるものとして、前記下壁を下挟み部として機能させるとともに、押さえ板を上挟み部として機能させるようにしたものが挙げられる。
【0009】
また、重量物であるディスプレイを支持するクランプには、大きな偏荷重が作用しやすいため、その偏荷重に十分に耐え得るようにするためには、前記押さえ板を十分大きいものとして天板との接触面積を大きくしておく必要がある。ところが、このように大きい押さえ板が操作部の操作により支柱と共に回転してしまうと天板に対してクランプを強固に固定するためには不必要に大きな操作力を操作部に入力しなければならない。そこで、前記ブラケットの上壁を足場にして支柱をネジ送りする際に、その支柱と共に押さえ板が回転するのを有効に防止するには、押さえ板を支柱に対して回転可能に固定して、押さえ板は支柱に対して空転するようにすることが望ましい。
【0010】
また、操作部に入力された操作力を効率よく押さえ板の上下動作に変換でき、操作性も優れたものとするためには、前記支柱に操作部を形成することが好ましい。
【0011】
さらに、ディスプレイの使用に際しては、その位置や向きが変更されることが多いことから、そのような場合に容易に対応できるようにするには、以上のようなディスプレイ用クランプが、ディスプレイを移動可能に保持するアーム装置を介してディスプレイを支持するようにすればよい。
【0012】
さらにまた、本発明には、上挟み部の駆動に際して上述のようにネジ作用を利用する態様のものに限らず、種々の態様のものを適用したものが含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】
この実施形態は、図1に示すように、机Tの天板上にディスプレイDを配置するために、天板に取り付けてディスプレイDを支持するようにしたディスプレイ用クランプ(以下、「クランプ」と略する)Cである。ディスプレイDは、いわゆる薄型の液晶ディスプレイであって、アーム装置5を介してクランプCに支持されている。
【0015】
まず机Tは、天板6、脚要素7、背板8等を具備してなるもので、背板8の内部には床や壁から引き込んだ図示しない通信線を収納する配線収納空間がダクト構造等をなして形成され、この配線空間の上方にあたる天板6の後縁6a近傍に、その天板6の厚み方向に貫通する長方形状の開口窓61を形成している。そして、この開口窓61に位置付けて、本実施形態のクランプCを天板6に取り付けるようにしている。
【0016】
クランプCは、図2及び図3に示すように、側面視コ字形をなすブラケット1と、このブラケット1に移動可能に取り付けた支柱2と、支柱2の下端部に固定した押さえ板3と、ブラケット1の下端部に着脱可能に取り付けられる補助挟み部材4とを備えている。
【0017】
ブラケット1は、一枚の板金素材を2カ所で略直角に折り曲げ加工することにより略水平な姿勢で上下に対向する上壁11及び下壁12と、これら上壁11及び下壁12をつなぐ起立壁13とを形成したものを主体とするもので、上壁11と起立壁13とでなすコーナー部分に両側方からそれぞれ側面視三角形上の補強板14を溶接してこれら各壁の変形を防止している。また、上壁11の先端部側にはその厚み方向に貫通する円形状の貫通孔11aを形成しており、この貫通孔11aと対応する上壁11の裏面にナット15を溶接により固定している。また、図示しないが、上壁11の上面にも前記ナット15と同様のナットを配置していわゆるダブルナットの構成とすることもできる。
【0018】
支柱2は、周壁にネジ山を形成したネジ部21と、平面視円形状をなす円板部22と、複数の平面的な起立面を有する操作部23と、上端部24a側の径を下端部24b側の径よりも太くした軸部24とを備えており、ネジ部21の中心を通る鉛直軸に各部の中心軸を一致させて、下方からネジ部21、円板部22、操作部23、軸部24の順に溶接により一体に固定している。ネジ部21の高さ寸法はこの支柱2全体の長さの約半分を占めており、この寸法の範囲内で支柱2が上下動作し得るようにしている。さらにネジ部21の下面中央部には、押さえ板3を取り付けるためのネジ孔21aを形成している。また、軸部24の上端部24aの上面には、その上端部24aの径よりも一回り大きい径を有する樹脂製円板部材25を載せた状態でビス25aにより取り付けている。
【0019】
押さえ板3は、略平板状をなす概略長方形状の金属板31からなるものであって、前端部に丸みを持たせている。また、金属板31の後縁部に沿った幅方向中央部には後方に突出する突起部32を設けており、この突起部32を含む金属板の後端部の一部を下方からプレスすることによって、金属板31の他の部位における表面よりも一段高い段部33を形成している。すなわち、この段部33においては金属板31の他の部位における裏面の一部が上方に窪んでいることになる。しかして段部33にはその厚み方向に貫通する貫通孔34を設けており、この貫通孔34に下方から挿通したビス35を、ブラケット1のナット15に嵌め合わせた支柱2のネジ部21に設けたネジ孔21aに取り付けるようにしている。その際、ネジ部21とナット15とのネジ作用によりネジ送りされる支柱1の回転動作に追従して押さえ板3が一緒に回転しないように、前記貫通孔34には段部33の厚みよりも若干長い円筒状のカラー36を挿入しておき、このカラー36にビス35を挿通するようにしている。なお、押さえ板3の天板6に対する接触面積は、後述するようにクランプCにアーム装置5を介してディスプレイDを取り付けた場合の偏荷重に抗し得る程度の大きさにしている。
【0020】
補助挟み部材4は、一枚のT字形状をなす平板な板金素材を折り曲げ加工したもので、両側方に突出する幅広の部位を前端部側としてその突出する部位を補助挟み部材4の一方の面(ここでは裏面とする)側にそれぞれ略直角に屈曲するとともに更に内側へ略直角に屈曲することで、補助挟み部材4の前端部における両側端部にそれぞれ正面視コ字形をなす突起部42を形成している。また、補助挟み部材4の後端部には、両側端部を残して前向きに矩形状に切り欠いた切り欠き部43を形成している。この切り欠き部43の幅寸法及び奥行き寸法は前記ブラケット1の起立壁13の幅寸法及び厚み寸法に略対応しており、補助挟み部材4は、ブラケット1の下壁12に載せた上で切り欠き部43内に前記起立壁13を位置付けて補助挟み部材4の後端部により両側方からブラケット1を抱くような姿勢でブラケット1に取り付けられる。そのために、ブラケット1の下壁12には前方及び上下に開口する凹部12aを形成する一方、補助挟み部材4の前記凹部12aに対応する位置にビス止め用の孔44を形成し、凹部12aに下方から挿通させたビス45を前記孔44に取り付けるようにしている。
【0021】
アーム装置5は、図1に示すように、基端部をクランプCに鉛直軸回りに回転可能に結合した第1支持アーム51と、この第1支持アーム51の先端部にその基端部を水平軸及び鉛直軸回りに回転可能に結合した第2支持アーム52とを具備するもので、この第2支持アーム52の先端部にディスプレイDの裏面を該第2支持アームと直交する軸回り及び二つの水平軸回りに回転可能に結合できるようにしている。このように、このアーム装置5は6つの軸回りにディスプレイを回転可能に支持し、6自由度を与えてディスプレイDの姿勢及び位置を自在に変化させ得るものである。なお、アーム装置5をクランプCに取り付けるに際しては、第1支持アーム51の基端部に形成した下向きに開口する筒状部53に支柱2の軸部24を挿入するようにしている。その際、筒状部53が支柱1に対して不用意に回転しないようにするための構成として、筒状部53の径を樹脂製円板部材25の径に略対応させるようにして、筒状部53の内壁と円板部材25との摩擦抵抗を利用するようにしている。また、筒状部53の下端は円板部22に載るようにしてアーム装置5の安定性を向上するようにしている。
【0022】
しかして、このような構成のクランプCの天板6への取付作業は以下のようにして行う。なお、図4に示すようにこの天板6の裏面6bの形状は平面的なものであるとする。まず、ブラケット1の下壁12を天板6の開口窓61を通じて天板6の裏面6b側に潜り込ませて、補助挟み部材4をその平らな表面41を上向きにした姿勢で下壁12に取り付けておく。その一方、ブラケット1の上壁11の貫通孔11aには支柱2のネジ部21の下端を位置付けて、そのネジ部21をナット15に緩く嵌め合わせて下端部をナット15の下方に露出させた状態で、押さえ板3を下方から支柱2にビス止めする。なお、前記ビス35の頭部は、前記段部33の裏面と天板6の表面6aとの間に形成される空間内に収容される。そして、レンチ等の締め具を用いて操作部23を挟んで支柱1を回転させて、押さえ板3が天板6の表面6aに接するまでネジ作用により支柱1及び押さえ板3を下動させる。更にその状態から操作部23を操作すると、天板6に接した押さえ板3及び支柱2を足場にしてブラケット1がネジ送りされて上動するので、その後、補助挟み部材4の表面41が天板6の裏面6bに接して押さえ板3と補助挟み部材4とにより天板6を上下に強く挟み込むまで操作を続ける。このようにしてクランプCを天板6に固定することで、天板6を挟み込む際に押さえ板3が天板6に上方から接する上挟み部として機能し、ブラケット1の下壁12が補助挟み部4を介して天板6に下方から接する下挟み部として機能することになる。なお、このとき、前述したように上壁11を挟んで上下に二つのナットを配置したダブルナットの構成としていれば、操作部23を操作してクランプCを天板6に固定した後さらに図示を省略した上側のナットをネジ部21に締め込むことで、ネジ部21の緩みをより効果的に防止することができ、特にアーム部5を動かした際のネジ部21の緩み防止効果が極めて大きくなる。しかる後、上述したように支柱2にアーム装置5を取り付け、アーム装置5にディスプレイDを取り付ければよい。
【0023】
また、本実施形態では、以下に示すような天板6にも対応して取り付けることができるものである。
【0024】
例えば、図5(a)に示すように、天板6の開口窓61に沿った裏面6b側の開口前縁部に下向きの突起62があって、その開口前縁部において前記裏面6bが露出するいわゆるオーバーハングがない場合は、前記補助挟み部材4を上記の場合とは天地を逆にして使用すればよい。すなわち、突起部42を上向きにした姿勢で補助挟み部材4を前記と同様にブラケット1の下壁12に取り付け、補助挟み部材4の奥行き寸法によって前記突起62を前方に乗り越えさせて、この姿勢で上方を向いている突起部42の面を天板6の裏面6bに接触させるようにすれば、押さえ板3と突起部42とによって天板6を挟みつけた状態にクランプCを天板6に取り付けることができる。なお本実施形態では、補助挟み部材4の突起部42の高さ寸法を天板6から下方に突出する前記突起62の高さ寸法に合わせているので、補助挟み部材4は天板6の裏面6bと突起62の下面の二カ所に接触していることになり、その結果、補助挟み部材4を天板6の裏面6b又は突起62のいずれか一方にだけ接触させた場合よりも安定性が高くなっている。
【0025】
また、例えば図5(b)に示すように、以下に示すような天板6にも対応して取り付けることができるものである。すなわち、天板6の開口窓61に沿った裏面6b側の開口前縁部に上述した補助挟み部材4では乗り越えられない程度の大きさで下向きに突出する突起63があるが、その突起63に後向きに開口する切り込み63aがある場合には、補助挟み部材4を用いずにクランプCを取り付ければよい。すなわち、ブラケット1の下壁12を突起62の切り込み63aに挿入して、下壁12の上面を切り欠き63aの下向面に直接接触させることで、押さえ板3と下壁12とによって天板6を上下に挟み込んだ状態でクランプCを天板6に取り付けることができるようになる。
【0026】
以上説明したように、本実施形態のディスプレイ用クランプCによれば、下挟み部と共に天板6を上下に挟み込むために天板6に対して上下動作する上挟み部たる押さえ板3の動作を惹起して駆動するための操作部23を天板6よりも上方位置に形成しているため、天板6を挟み込むために力を込めて行う必要がある操作を天板よりも上方の広い空間で行うことができるので、操作性を向上してクランプCの締め込みを容易に行うことができる。
【0027】
特に、このクランプCは、天板を挟んで上下に対向する上壁11及び下壁12を有するブラケット1のうち上壁11にネジ送りされるように支柱2を取り付け、さらにその支柱2に上挟み部として機能する押さえ板3を取り付けて、前記下壁12が下挟み部として機能するように構成し、さらに操作部23を支柱2に形成しているので、操作部23に入力すべき操作力は支柱2を回転させるという単純なもので済み、しかも入力された操作力を直接的に押さえ板3の上下動作に変換することができ、さらには操作部23における操作も天板6よりも上方位置で確実に行うことができる。また、押さえ板3は支柱2の下端部にビス止めにより固定されてはいるが、ビス36と押さえ板3との間にはカラー36を設けることで支柱2を回転させてもその支柱2に対して押さえ板3は空転するようにしているため、押さえ板3が支柱2と共に回転してしまう不具合を有効に防止することができる。
【0028】
さらに、このクランプCは、アーム装置5を介してディスプレイDを移動可能に支持しているので、ディスプレイDの使用位置や使用姿勢を自在に変更して使用することができる上に、クランプCを天板6に強固に取り付けているためにディスプレイDを動かした際にクランプCにねじれ力が加わっても、ディスプレイD及びクランプCの倒れやクランプC及び天板6の破損を有効に防止することもできる。
【0029】
なお、以上の説明では、天板6に設けた開口窓61にクランプCを取り付ける場合について示したが、天板6の縁部(後縁部、側縁部、前縁部等)のいずれの箇所に取り付ける場合でも同様であって、オーバーハングが大きい天板や小さい天板、あるいは突起がある天板など、天板の形状に応じて補助挟み部材4を着脱したりその取付姿勢を変更すればよい。また、補助挟み部材4を用いるか否かは任意であるので、必要なときにのみ使用するようにしても構わない。
【0030】
さらに、上述した構成のクランプCの他に、本発明は以下に変形例として説明する図6に概略的に示すようなクランプC’のようなものとすることもできる。このクランプC’は、前記クランプCと同様にブラケット1と、支柱120と、押さえ板3と、補助挟み部材4とを備えており、支柱120以外の部材には前記クランプCと略同一の部材を使用しているため、説明を省略する。なお、ブラケット1の上壁11における裏面には、前記ナット15に替えて中央部にネジ孔を形成したナット板115を溶接により固定している。支柱120は、上下に貫通する貫通孔121aを設けたネジ部121と、前記貫通孔121aに上方からネジ部121には接触しないように挿入されネジ部121よりも背丈の高い軸部122と、ネジ部122の上端部に溶接等により固定され軸部122を挿通させた操作部123とを具備している。ネジ部121は、ブラケット1の上壁11における貫通孔11aに挿入した上で周壁に形成したネジ山を前記ナット板115にネジ作用で嵌め合わせた状態でブラケット1に取り付けられる。軸部122の下面中央部には、押さえ板3を取り付けるためのネジ孔122aを形成している。また、軸部24の上端部24aの上面には、その上端部24aの径よりも一回り大きい径を有する樹脂製円板部材25を載せた状態でビス25aにより取り付けている。操作部123は、前記クランプCにおける操作部23と同様に複数の平面的な起立面を有するものであって、この起立面をレンチ等で挟んで回転させることによってネジ部122を前記上壁11を足場にして上下動作させるようにしている。そして、天板6に取り付けたクランプC’において、軸部122及びネジ部121の上方からアーム装置5を取り付けるようにしている。
【0031】
このような構成のものであっても、操作部123が天板6よりも上方位置に設けられているために操作しやすい。また、ネジ部121をナット板115にネジ送りされてブラケット1に対して相対的に下動するように操作部123を回転操作した場合、軸部122はネジ部121の回転動作には追従して回転することがなく、ネジ部121の下端に押された押さえ板3が天板6の表面6aに上方から接することになる。さらに、補助挟み部材4が天板6の裏面6bに下方から接する構成は前記実施形態のクランプCと同様である。
【0032】
また、上挟み部の駆動に際しては、前記実施形態やその変形例のようなネジ作用を利用したものに限られるものではなく、例えば操作桿の上下方向への回転動作に伴って上挟み部が略垂直に上下動するようにしたものや、操作スイッチを押すことによって電気的に上挟み部を駆動するようにしたものなど、種々の適宜の構成を採用することができ、操作部となる操作桿や操作スイッチを天板よりも上方位置に設定しておけばよい。
【0033】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0035】
すなわち、本発明のディスプレイ用クランプは、机等の天板よりも上方位置に形成した操作部の操作を通じて上挟み部をネジ作用により下挟み部との間で相対的に上下方向に駆動することによって、その上挟み部と下挟み部とで天板を上下に挟み込んで天板に取り付けた状態で、ディスプレイを支持するようにしている。このため、天板を上下に挟み込むために必要な操作は天板よりも上方の空間で行うことができるので、従来のクランプのように天板の下方空間に潜り込んだり屈んだりする必要がなく、しかも、通常は天板の上方にはクランプの締め付け操作の障害になるような物はなく、たとえデスクトップパネルなどが天板上に配置されていてもそれを避け取り付け作業をすることは容易であるので、クランプの天板への取付作業を極めて簡便なものとすることができる。
【0036】
具体的構成として、ディスプレイ用クランプに、天板を挟んで上下に対向する上壁及び下壁を有するブラケットと、その上壁を足場にして上下方向にネジ送りされる支柱と、支柱と共に上下動する押さえ板とを設け、押さえ板及びブラケットの下壁をそれぞれ上挟み部及び下挟み部として機能させるようにすれば、上記の効果を有効に奏し得るディスプレイ用クランプを構成することができる。特にこのような構成の場合、押さえ板を支柱に対して空転するように固定しておけば、ブラケットの上壁を足場にして支柱をネジ送りする際に、押さえ板が支柱と共に回転するのを有効に防止することができ、その結果、操作部には不必要に大きな操作力を入力しなくてもクランプを確実に天板に固定することができる。また、支柱に操作部を形成すれば天板よりも上方位置において押さえ板の駆動のための操作ができる上に、操作部に入力した操作力を効率よく押さえ板の上下動作に変換することもできる。
【0037】
さらに、以上のようなディスプレイ用クランプが、ディスプレイを移動可能に保持するアーム装置を介してディスプレイを支持するものであれば、ディスプレイの使用位置や使用姿勢を自在に変更して使用できるようになる。
【0038】
以上の他にも、本発明では上挟み部をネジ作用を利用しない構成により駆動するようにしても、操作部を天板よりも上方位置に設けておけば、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を天板に取り付けた状態の机を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態を示す斜視図。
【図3】同分解斜視図。
【図4】同要部縦断面図。
【図5】同実施形態の天板に対する他の取り付け状態を図4に対応して示す縦断面図。
【図6】前記実施形態の一変形例を図4に対応して示す断面図。
【符号の説明】
C、C’…クランプ
D…ディスプレイ
1…ブラケット
2、120…支柱
3…押さえ板
5…アーム装置
6…天板
11…上壁
12…下壁
23、123…操作部
Claims (6)
- 机等の天板を上下に挟み込む上挟み部及び下挟み部を具備してなり、これら上挟み部及び下挟み部によって天板を上下に挟み込んだ状態で天板とディスプレイとの間に介在して、天板にディスプレイを取り付けるものであって、上挟み部を下挟み部との間で相対的にネジ作用で上下方向に駆動するための操作部を天板よりも上方位置に形成しているとともに、天板の裏面に下方から接し得る補助挟み部材を前記下挟み部に着脱可能に取り付けていることを特徴とするディスプレイ用クランプ。
- 前記天板よりも上方に位置付けられる上壁及び天板よりも下方に位置付けられる略水平な下壁を有するブラケットと、前記上壁を足場にして上下方向にネジ送りされる支柱と、上壁に取り付けた支柱の下端部に略水平な姿勢で固定される押さえ板とを具備し、前記下壁を下挟み部として機能させるとともに、押さえ板を上挟み部として機能させるようにしていることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用クランプ。
- 前記押さえ板を、支柱に対して回転可能に固定していることを特徴とする請求項2記載のディスプレイ用クランプ。
- 操作部を、前記支柱に形成していることを特徴とする請求項2又は3記載のディスプレイ用クランプ。
- ディスプレイを移動可能に保持するアーム装置を介して、該ディスプレイを支持していることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のディスプレイ用クランプ。
- 机等の天板を上下に挟み込む上挟み部及び下挟み部を具備してなり、これら上挟み部及び下挟み部によって天板を上下に挟み込んだ状態で天板とディスプレイとの間に介在して、天板にディスプレイを取り付けるものであって、前記上挟み部を下挟み部との間で相対的に上下方向に駆動するための操作部を天板よりも上方位置に形成しているとともに、天板の裏面に下方から接し得る補助挟み部材を前記下挟み部に着脱可能に取り付けていることを特徴とするディスプレイ用クランプ。
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